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小腸クローン病の1例

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Academic year: 2021

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84 て胎生期に胎便が腹腔内に漏出することによって惹起 される腹膜炎で,多彩な病態を示す.今回我々は過去 10年間に9例の本症を経験したので,治療方針を中心 に検討を加えた.症例の内訳は,男児6例,女児3例 で,三型は飾roadhesive type 3例, generalized type 2例であった.これらのうち3例に一期的手術が,5 例に二期的手術が行われた.また,1例はcyst内ドレ ナージを行った所で胎児水腫にて死亡し,これを含め 3例を失い,6例が現在も健存中である.本症の病態 は多彩であるため,個々の症例の病態によって治療方 針を決定していく必要があると思われた.  11.マルチモニターが手術適応決定に有用であった 胃食道逆流症の1例     (大分市アルメイダ病院外科) 曽山鋼一  我々は形態学的に著明な異常が認められないにもか かわらず,4年間高度の胸やけ,胸痛に悩まされてい た25歳の男性に対し,治療方針を決定するため, SwedenのSynectics即製24時間マルチモニタを用い 食道内圧および食道pHをモニタリングした.その結 果,頻回の逆流が認められ,胃食道逆流症と診断され た.手術適応の基準とされているDeMeester scoreは 52.6(手術適応:14.72以上)であり,充分な手術適応 のもとにこの症例に対しNissenの噴門形成術を行っ た.術後内視鏡,造影所見および24時間のモニタリン グ結果,著明に改善されていた症例を呈示する.  12.H2一プロッカー投与中に発生した胃癌症例     (西新井病院外科)      山中 茂  我々は,胃潰瘍患者にH2一プロッカーを6.5年の長 期投与中に胃癌を発生した1例を経験した.症例は68 歳男性,昭和62年6月,出血性胃潰瘍で治療を開始し て以来,定期的に外来follow upされてきた.平成5 年12月H2一プロッカー投与中止目的で胃内視鏡検査 施行した際,偶然胃癌を指摘された.H2一プロッカー長 期投与中の胃癌発生は稀である.加えて今症例の投与 薬剤は,H2一プロッカーとしてRoxatidine acetate hydrochloride(Altat)の単剤投与であり,同薬剤は, 他のH2一プロッカー剤と比較してニトロソ化による 変異原性発現は弱く,これまでに胃癌発生の報告例は ない.臨床経過およびH2一プロッカー投与中発生胃癌 の臨床病理学的特徴を若干の文献的考察を加えて報告 する.’  13.残胃癌についての検討     (立川中央病院外科)     藤田竜一  残忍の癌については,発癌機構,残胃胃炎との関係, 胃空腸吻合や迷走神経切離との関係,診断と早期発見, 病期分類,残胃の癌の予後,外科治療など未解明な点 も多く残っている.  我々は,1993年の1年間で,4例の残胃の癌を経験 した.3例は初回病変が良性で胃切除術を施行されて いる.そのうちの1例は,切除不能の残胃癌であった. また別の1例は,良性の初回病変にて胃切除術を施行 した後に残胃癌が発見され,再び胃切除術を施行.そ の後,再び残胃癌にて胃全摘術を施行された1例であ る.  今回,4例の症例を初回病変,前回手術との期間, 発生部等等について検討した.  14.異なる腫瘍が同時に存在した比較的稀な1症例 (胃癌,神経節細胞腫,平滑筋腫)     (森下記念病院外科)     西山隆明  症例は65歳の男性.昭和60年頃よりドック検診をし ており,右腎嚢胞を指摘されていた.平成5年4月よ り上腹部痛,右背部痛がみられ来院.腹部超音波検査 にて右副腎腫瘍(7×5×11cm)が疑われ精査入院と なった.腹部CT, MRIでは腫瘍は右腎上里から,肝 下面を通り,横隔膜にさらに大動脈左側に及ぶ巨大な 神経原性の後腹膜腫瘍が示唆された.胃内視鏡,胃透 視を行った所,胃前庭部大堺後壁より下掘れの深い潰 瘍を有する腫瘍と,fornix後壁にも径4cm大の回外性 子牛を認めた.後腹膜腫瘍の一部悪性化により胃への 浸潤がおこったものか,あるいは重複腫瘍の考えが持 たれたが,画像上脈管浸潤が無いことより,良性の後 腹膜腫瘍と胃悪性リンパ腫と診断し,手術を施行した.  病理結果は,神経節細胞腫,胃癌,胃平滑筋腫であ り,比較的稀な症例であった.  16.小腸クローン病の1例     (渡辺町腸科病院)      林 達弘  クローン病は内科的治療が中心であり,手術は腸管 合併症がある場合に限り施行される.    ,  今回,クローン病が疑われた小腸狭窄によるイレウ スに対して小腸切除術を施行し,良好な結果を得ると 同時に病理学的にもクローン病と確認し得た1例を経 験した.40歳この男性はイレウス症状のため入院した. 腸追求にて右下腹部の小腸に2カ所の狭窄があり,US でも同町に壁月一厚と粘膜不整を認め小腸クローン病が 疑われた.経口摂取によりイレウス症状が出現するた め手術適応と判断し,小腸切除術を施行した.  切除した小腸には壁肥厚や廠痕化による強度の狭窄 があり,線状潰瘍が多発していた.病理学的検査でも 一962一

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85 全層性炎症や類上皮肉芽腫を認め,クローン病と診断 された.  17.特異な経過を示した結核性小腸狭窄の1例     (谷津保健病院)       永田 仁  症例は35歳,男性.1990年7月,腹痛,腹水,胸水, 発熱にて当院内科入院.内視鏡検査にて十二指腸下行 脚に潰瘍を認め,生検にてクローン病が疑われたが確 定診断には至らなかった.対症療法にて軽快し,翌年 2月退院.1992年1月,亜腸閉塞にて入院.胸部レ線 像にて両肺野にびまん性陰影があり,診断的治療とし て抗結核剤投与を開始したところ全身状態は軽快し た.造影に回腸に2カ所の輪状狭窄を認め,3月腸切 除を行い,病理組織像より腸結核と診断し得た.全経 過を通じ,ツ反は陰性∼疑陽性だった.以上,特異な 経過を示した結核性小腸狭窄の1例を経験したので報 告する.  18.消化器外科領域における深在性真菌症の診断基 準と患者背景     (第二外科)         稲田直行  深在性真菌症の診断に血清学的診断法が注目され検 討されている.今回,我々はCAND−TEC,β・D一グルカ ンによる当科の診断基準を設け,この基準値により深 在性真菌症の診断および患者背景について検討した. CAND−TEC≧2+かつβ一D一グルカン10pg/ml以上で は感度78%特異度100%で最も成績がよく,CAND− TEC≧2+かつβ一Dグルカン10pg/ml以上を当科の診 断基準とした.この基準値により深在性真菌症と診断 した症例を見ると,悪性疾患患者,compromised host, 長期IVH施行者に多い傾向にあった.また,抗真菌剤 投与によるCAND−TEC,β一Dグルカンの推移を見る と,ほぼ治療効果,病態を反映していると思われた.  19.腹腔鏡下胆嚢摘出術における術中超音波検査に ついて     (第二外科)         釘宮睦博  腹腔鏡下胆嚢摘出術はその手術侵襲,術後入院期問 の短縮さらには美容的な面からもその有用性において 近年盛んに広まった術式である.  本術式においてそのポイントは胆嚢管,総胆管,脈 管系の同定,術中胆道損傷の予防,および総胆管内の 遺残結石の検索である.術中胆道造影は基本的に全例 に施行している.術中超音波の目的は胆嚢管剥離に先 立って,オリエンテーションをつける目的,また術中 造影時のカテーテルを用いて生食水にて胆道系を拡張 させ総胆管の詳細な情報を得る目的である.現在,当 科では硬性のリニア型ブローべを使用しているが,胆 道系を部位別に分けその画像描出能について検討し た.  20.大腸癌肝転移における胆嚢内胆汁CEA測定の 意義     (第二外科)         荒武寿樹

 CEAは,1965年GoldとFreedmanによって発見さ

れた.騎児大腸組織と大腸癌組織に共通して存在する 糖蛋白であり,腫瘍マーカーとして広く臨床応用され ている.

 胆汁中のCEAについても, Yeatmanらの報告以

来,大腸癌の肝転移との相関関係を示唆する報告があ り,大腸癌早期肝転移の予知への応用が期待される.  当科においてもすでに,大腸癌約50例について検討 されているが,胆嚢内胆汁の物理化学的性状などによ り,その測定値にはばらつきがある.  測定に際して,血清,生理食塩水による希釈などの 工夫がなされているが,いまだ確立された方法はない.  そこで,今回,これまでの当科の検討結果を示すと 共に今後の検討課題について報告する.

 21.PyNPase活性測定の意義

    (第二外科)         田中信一  PyNPaseは,生体内で核酸合成に携iわる酵素であ るが,これは消化管や悪性腫瘍組織内に存在する. PyNPase活性の高い癌組織は,転移や悪液質を誘導 しているという説があり,胃癌では予後不良と言われ ている.今回,乳癌症例において腫瘍組織内PyNPase 活性と予後因子との間に,関連性があるのではないか と考え,活性値と各種背景因子との検定を行った.検 定した因子は,腫瘍径,組織型,レセプター,性ホル モン,リンパ節転移,リンパ管侵襲,静脈侵襲である. 有意差を認めたのは,リンパ節転移とリンパ管侵襲因 子であり,PyNPaseが将来予後因子となりうる可能 性を示唆した.  また,抗PyNPase抗体を使用し,腫瘍組織免疫染色 することが可能であり,血管新生,静脈侵襲などとの 関連をみるのに有用と考えられ,現在検討中である.  22.大腸癌切除症例における予後因子の検討一組織 学的パラメーターを用いた定量的解析一     (第二外科)         今井俊一  〔目的〕大腸癌の肉眼像および顕徴鏡像についてい くつかの病理組織学的パラメーターを設定し,それら が大腸癌の生物学的悪性度の指標となりえるか否かを 検討する. 963一

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