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( 東 女 医 大 誌 第5
5
巻 第1
号
)
頁80-89
昭和6
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年1
月〔 学 会 〕
東 京 女 子 医 科 大 学 学 会 第
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回例会
日 時 昭 和5
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年1
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月 8
日(木〉午後1
時3
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分より
会 場 東 京 女 子 医 科 大 学 中 央 校 舎1階 会 議 室 1.毛包外根鞘細胞の形態学的観察 〔第一解剖〕藤津敬子 外根鞘細胞は,上皮性毛包の最外表層に位置し,一 層の基底膜を介して,結合組織性毛包に接している. 外根鞘細胞は,毛球部では,長軸が基底膜に平行な扇 平細長な締胞で,一 三層であるが,上方に向うにつ れて,重層化する.この際,周辺の基底膜上の細胞は, 厚さを増し,細胞軸を毛軸の中心に向って回転させ, 内方に向う立方形の細胞へと変化する.増殖し,多層 となった細胞は,内側に行くにつれ扇平化する.しか し,最内側の内根輸に密着する扇乎細長な細胞は,終 始,その軸が内根鞘細胞の移動の方向と一致しており, 周辺の外根鞘細胞とは異なった特徴を有している.こ の最内側の細胞は,内根鞘の細胞と共に上昇移動する のではないかという考えがあるが,その詳細はなお明 らかではない.ラットの毛包構成細胞を,光学顕微鏡 並びに電子顕微鏡により観察した結果,この最内側の 外根鞘細胞は,他の周辺部の外根鞘細胞とは,明らか に区別される特徴を有している.これらについて報告 した 質問 (第二生理〕菊地銀二 1.毛根の内面の細胞が細胞の形態から細長である というが,この所見は毛の産生に結びついた現象と考 えてよいか? 2. 材料は何か? 3. 人聞の毛根とほぼ同様の形態を示していると考 えてよL、か? 応答 (第一解剖〉藤津敬子 1.材料は成熟ラットの成長期毛包です. 2.固定包埋は,型通りのもので, Epon 812に包埋 光顕切片は1μ の厚さ,電顕切片は約9
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の厚さで す. 染色は,光顕はトルイジンフ。ルーと酸性フクシン, 電顕はウランと酷酸鉛により重染色しました. 3. 細胞の構造上の分化は,機能の分化と関連してい るという考えで細胞をみています.物質の移動の方向 や,細胞の機能など,いずれも,細胞の形態に影響を 与えていると考えています.2
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四肢に異常を呈する半頭骨無頭無心体(緒方) の解剖学的研究 (第一解音U)永野 貞子・於曽能正博 無心体はー卵性双胎児のうち,発育不良で,心臓が 痕跡的かあるいは欠如する個体をいう.無心体の臨床 および病理解剖の報告は数多くあるが,系統解剖学的 検索の報告はきわめて少ない.今回,半頭骨無頭無心 体の四肢を中心に,実体顕微鏡のもとで顕微解剖を行 なう.外形および内臓の解剖については,すでに永野 が報告している. 所見 両側の上肢においては,筋および骨は認められず, ほとんど結合組織であり,分化していない.両側の下 肢は上肢に比較してよく発達し,正常あるいは異常な さまざまな構造を呈する.すなわち,左右両側の第3
・ 4指の合指,左右両側の大腿と下腿の9
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度外旋位,左 下腿の短縮および両足の内反応などが認められる.両 足の爪の形成は明瞭である.下肢の血管,腰・仙骨神 経叢の存在を認める.筋では,下肢帯の筋,大腿伸筋 群,大腿屈筋群,内転筋群および下腿筋などを認める. とくに大腿四頭筋は明瞭である.これらの構造は右の 下肢では発育良好であるが,左の下肢では発育不良で, 左右差を認める. X線所見 上肢に相当する部分の骨陰影は認められない.左右 両側の腸骨,恥骨,大腿骨,中足骨,基節骨および末 節骨の骨陰影は認められる.左右両側の坐骨,距骨お よび腫骨の骨陰影は認められない.下腿においては, 右側の怪骨と排骨の骨陰影は認めるが,左の下腿は単 一の長管骨の骨陰影を認める.- 8
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ー結論 半頭骨無頭無心体は身体各部の発育不良を呈してい る.しかし下肢は筋,骨,血管および神経などは,ほ ぼ正常胎児と同様の発育を呈していた. 質問 (内科 3)大 森 安 恵 1.重症奇形児の母親はしばしば糖尿病をもっとい われるが,この奇形児の母親はどうであったか. 2.心奇形をおこすgeneとインスリンgeneとは隣 接しているということがし、われているが,ぜひ,この 奇形児の母体もどのようなbackgroundをもっていた かしらべてほしいと思う. 応答 (第一解剖〕於曽能正博 この標本に関する臨床経過に関しては,残念ながら 何もわかっておりません.