98 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(13) シン ジヨウ タカ ミチ新城孝道(昭和2
医学博±: 乙第722号昭和60年6月21日
学位規則第5条第2項該当(博±:の学位論文提出者) Islet・cell cytoplasmic antibodies in Japanese diabetics (日本人糖尿病者における抗膵島細胞質抗体) (主査)教授 平田 幸正 (副査)教授 鎮目 和夫,教授 内田 幸男論 文 内 容 の 要 旨
研究目的 インスリン依存型糖尿病(insulin-dependent dia- betes mellitus, IDDM)の発生機序の一つとして自己の免疫の関与があり,ことに膵島細胞質に対する自己
抗体』(islet cell cytoplasmic antibody, ICA)は,白
人のIDDMの血中に高率に認められると報告された. 今回このICAの陽性率を日本人糖尿病について求め ることとした. 研究方法 対象は糖尿病616名(IDDM 296名およびインスリン 非依存型糖尿病すなわちNIDDM 320名),非糖尿病 170名であった.ICAの証明にはBottazzoの原法に従 い,IgG・ICA法とcomplement且xing lCA(CF-ICA) 法の2種類を用いた.いずれも間接的螢光抗体法で, 落射型螢光顕微鏡を使用した.このIgG-ICA法は IDDM 296例の全例に, CFICA法はそのうちの215例 に施行した, 結果 ICA陽性率はIDDM 26.0%(77/296), NIDDM 2.2%(7/320),非糖尿病0%(0/170)となって,IDDM
においてICAを高頻度に認めた.しかもIDDMにお
けるIgGICAの出現頻度は糖尿病発症より1年以内
に採血したものでは50.0%(48/96)と高率で1年以上 を経て採血したものでは14.5%(29/200)と低下を示 した.同じくCF-ICAの出現頻度は1年以内27.4% (23/84),1年以上7.1%(9/127)となった.すなわち CF-ICA陽性例はlgG-ICA陽性例よりも常に低率を 示した. 考察ICAは白人のIDDM発症直後にはIgG-ICAでみる
かぎり100%に近い陽性率を示し,次第に消失するが, 1年以内には60~70%,1年以降も30%前後に陽性で あるという.これに対しアメリカ黒人では白人の約2/ 3の陽性率であるという.白人も黒人もNIDDMでは ICA陽性率は極めて低い.今回,私の行なったBottaz- zo原町は直接Bottazzoの研究室と比較したもので,鋭敏度において劣るものではなかったが,日本人
IDDMにおけるICA陽性率は白入に比べ低いという
結果をえた.CF・ICAについても同様の傾向であった.ICAは白人においてはIDDM診断の良い指標とな
るといわれるが,日本人の場合,とくに1年以内でも すでに陰性例が50%も存在すること,1年をすぎると さらに急速に陽性例の減少することから,IDDMと NIDDMの鑑別に対して,決定的なものとはいいにく いというようであった。 一720一99
論 文 審 査 の 要 旨
インスリン依存型糖尿病においては,その血中に膵ランゲルハンス島細胞に対する抗体(ICA)を証 明しうるが,その証明頻度は白人では極めて高いとされる.日本人ではこの方面に関する研究はなお 不充分であったが,本論文により日本人でも白人と同様にこのICAを認める,しかしその陽性頻度が 白人より低いことが判明した.以上より本論文は学術上価値あるものと認める. 主論文公表誌Islet-cell cytplasmic antibodies in Japanese diabetics
(日本人糖尿病者における抗膵ラ氏島細胞質抗体) Tohoku J, exp. Med.141 Suppl
265~269 (1983)
副論文公表誌
1)Characteristics of islet・cell cytoplasmic antibodies in Japanese diabetics(日本人糖
尿病者における膵ラ氏島細胞質抗体の特徴) Excepta Medica, International Congress
Series. No.597, Clinico・Genetic Genesis of Diabetes Mellitus 143~149(1983) 2)膵島細胞質抗体に関する研究 東女医大誌 52(5)778~785(1982) 3)Taussig・bing syndromeの児を分娩した糖尿病