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近過去の女性名(その1)

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(1)

Kobe Shoin Women’s University Repository

Title

近過去の女性名(その1)

Japanese Women's Names in the Near Past.

Author(s)

野元 菊雄(NOMOTO Kikuo)

Citation

文林(BUNRIN)

,No.30:37-57

Issue Date

1996

Resource Type

Bulletin Paper / 紀要論文

Resource Version

URL

Right

(2)

近 過 去 の 女 性 名(そ の1)

近 過 去 の女 性 名(そ の1)

資 料 と して は、 い ろ い ろ考 え られ ます が 、 こ こで は、 わ た しの友 人 か ら

得 る こ と ので き た、 あ る生 命 保 険 会 社 の 名 簿 を 使 う こと と します 。 わ た し

の見 る こと ので き た の は、 もち ろん 名 簿 その もの で は あ りま せ ん。 名 簿 の

なか か ら女 性 だ け にっ いて 県 名 、 生 年 月 日、 漢 字 名 、 読 み仮 名 を一 覧 で き

る よ う に した もの で す 。 プ ラ イバ シ ー保 護 の ため に姓 は省 い て あ ります 。

わ た しの数 え た の は総 数142,516人 で、 生 年 の一 番 古 い の は大 正6年

で 、

最 後 は平 成4年 一 杯 で す。 「

近 過 去 」 と称 す る所 以 で す 。 平 成4年

の もの

を 今発 表 す るの は も っぱ らわ た しの 整 理 す る時 間 の 関 係 で した。

使 う名 簿 と して は、 例 え ば、 特 に女 子 の 学校 の 同 窓 会 名 簿 な どが 考 え ら

れ ま す が、 名 前 の読 み方 が分 か らな い うえ 、地 域 に偏 りが 出 そ うで す 。 住

民 票 の利 用 は一 個 人 で は ち ょ っ とむ ず か しい と思 い ます 。 と い う次 第 で わ

た しの比 較 的容 易 に入 手 で き た名 簿 を利 用 しま した 。 企 業 秘 密 に関 わ る と

思 い ます ので 保 険 会 社 名 は伏 せ て お きま す。

生 年 別 実 数 」 を第1表

と して掲 げ ま す。 生 年 はTは 大 正生 ま れ を示 し

ます 。Sか

ら昭 和 です が、 昭和 元 年 は ご くわ ず か で す の で 、S2一

は4年

間 とな ります が 、 あ と は5年 毎 に な って い ま す。 例 外 は、 戦後 とい う こ と

(3)

文 林 三 十 号 で 、S21一 を4年 間 と した こ と と、 平 成 を ひ と ま と め に す る た あ にS60一 を わ ず か なS64をHに い れ て4年 間 と しHを1か ら4ま で の4年 間 と し た こ と で す 。 一 番 左 の 欄 の 「カ」 「ひ 」 「漢 」 は そ れ ぞ れ 力 タ カ ナ、 ひ らが な 、 漢 字 を 示 し ま す 。 「漢1」 は 漢 字1字 名 を 示 し、 以 下 「漢3」 ま で こ の 表 で は あ り ま す 。 「カ 」 「ひ 」 に 「+子 」 「+漢 」 が つ い て い る の は2字(ま た は3字)の カ タ カ ナ、 ひ ら が な に 子 や そ の 他 の 漢 字 が1字 つ い て い る こ と を 示 し ま す 。 「漢2」 「漢3」 の と こ ろ の 「一子 」 は最 後 の 漢 字 が 「子 」 で あ る と い う 意 味 で す 。 点 線 の 右 側 の1か ら6ま で は名 前 の 音 節 数 で す 。 な お 、 第1表 だ け で は比 較 が よ く で き ま せ ん か らパ ー セ ン トで 示 し た も の を 第2表 と して 示 し て お き ま す 。 「子 」 の つ く 名 前 ま ず そ の 「子 」 の っ く 名 前 に つ い て 述 べ ま し ょ う 。 日本 の 女 性 名 に 「一 子 」 が つ く の は 有 名 で ア メ リ カ で 電 話 帳 に 一koで 登 録 して お く と男 か ら 変 な 誘 い の 電 話 が か か る と い う こ と で す 。 間 違 っ て 「一 彦 」 氏 の と こ ろ に も そ ん な電 話 が か か っ て く る と言 い ま す 。 で は ど の く ら い 「子 」 が っ く名 前 が あ る の で し ょ う か 。 「雅 子 」 様 型 の2字 の 漢 字 で 「子 」 が つ い て3音 節 な の は 総 数 で29.6% で す 。 こ れ はS16一 に は52.3%に 達 し て い ま す か ら半 数 以 上 が こ の タ イ プ で 戦 争 中 の 女 性 名 の 代 表 と言 っ て い い で し ょ う。 第3表 に示 す よ う に こ の S16一 を 頂 点 に し て 両 側 に 低 く な っ て い て 、Hで は6.3%と い う 激 減 ぶ り で す 。 「美 智 子 」 様 型 の3字 の 漢 字 で 「子 」 が っ い て3音 節 な の は 総 数 で13.6 %で 、S25一 の19.6%を 頂 点 と して 両 側 に 低 く な っ て い ま す 。 「雅 子 」 様 一38一

(4)

ー Q。 Φ 1 T 5丑 ・層 5ε ρ冒 511・ ・-S1`卿

第1表

留1閏

生年別実数

3岳5円一 呂30一り3諸5即 ・馴o一暫 翫5陶 ・ 自50内 3茄 内 部o酎 H 合計 カ 2 96 81 119 115 108 52117-15一 一 一 20 一 一一 49 一 一 一 7ユ 19 15 一 一 一3 15i795 3 59 66 97 117 128 104 一 一632 7 一 一34 一42 35 ユB ユ1 3 26 825 4 1 11 4 11 1 ユ 1 20 5 1 1 ] 2 2 1 6 6 1一 一 一1 1 1 1 2 ひ 2 67 57 55 44 28 一 50一 39-35 63 118 119 41 55 鵠 1ユ44 953 3 28 22 32 48 66 192【320524 940 1255 1225 424 419 `o帽 1上o品 ε9昌7 君 60 96 197 294 406 346114879 59 49一 4σ 9 3 1一1-1一 1797

3 1 1 5 11 11 10 i44 1 1 2 一 12 1 53 ぴ+子 3 45 61 117 1:3 210 541 61日379 267 223 162 42 呈1 13 126 2838 4 1 11 2 腔 干濫一一5 6 13 16 14 21 65 7061 52 83 55 25 罰 εε 56 583 養1 一 1 1 1 1 1 3 2 16 16 3ユ 24 ε1

31i2721

47 116 1剖 166 255 277 901 2140 一一 一3 14 10 29 27 47 48171127 255 464 555 274 説6 盟3 1023 3583 4 1

1

1 1 1 3 蔑2 2 15 19 一39153一 77 110f172308 1167 2777 3紹7 1724 1盟6 19昌4 6430 20188 5 65 116 300 490 768 1032 14131860 且09工 4888 4685 1部3 1735 1860 6587一 一一 一 30733 尋 2 一 一一2 1 5 9 148 10 11 9 5 4 5 29 114 5 1 1 一一3 5一 ∼ 子 臨

11

1 1 11 6 14 4 5 9 73一一 一 一 125 3 23田 476 1脚 〇 四47 3449 3646 45424428 14743 6謝 5616 2035 135駐 ε73 1326 42239 4 11エ 1 1 2 4 2 8 1 1 2 21一一 45 瑛3 2 1 一 1 1 1 3 13 羽 `2 弱 1妬 ユ97 336488 933 1381 1170 472 ε肥 6軸 2342 8956 4 1 1一 1 1 1 2 1 7 五 1 2 3 1-・ 子 旦 1 1 1 1 1 $ 65 1501389 646 1083 1404 1野141872 2245 1呂216 ε呂2呂 1116 甜4 高02 1110 19434 「 一一 4 工 一 1 1 1 1 5 そ応他 且 5 12 き 1 2 1 1 2 1 一 一 ユ8一 1 3 5 7 4 4 a 5 54 4 5 16 一 2一 3 3 6 66 4 1 1 1 2 5 . 1 1-1 1 2 一 一 6 i 1 1 1 1 2 計 培001220囲 〒ε404E日591784797781034与 工鵠 与531矧 望O鴻6呂 別 ア7ε74ε7〒 露2ユ 旧1榔15 ㊦ 対 醇 菌 ( 卵 θ 一 )

(5)

1

O

I

第2表

生 年別構成比率

TS2∼S6∼S11∼ 蹴6∼8121畑 留5,留O∼ 鶉5中 訓O∼315卿 舗 廿、555、 部O∼ 日 合 計

1古12 旨12.0 6.6T 4.4 i2:8 一一 一一L6 一一 O.7 D.2 Oユ O.1

i口.且 0.4 0.21Q2 一 〇.Q 0.1 oβ

3 旨7.4 5.4 昌.6 !2 .9 一

1.9一 一 一 一

1.3 0.6 o.3 IO .2 0.2 旺.2 0.2 0ユ O.0 0.1 o』

1噛 0.1 1 0.0 0.0 O.O Oユ 駐.o o.o 0.0

'5

ミ η二〇 o.o o.o o.o 0.0 1

,6 1 一 一 一一 o.o o』 0.0

ひ2 8.4 窪.7 2.o Ll 0.4 0.6 O.4 o.呂 o.5 o.ら o.6 乱5 O.7 0.6 0.7 0.7一

15 3.5 五、8 1.2 IL2 1.0 2』 乱B 5.1 駐.7 葺』 臼.1 15 .2 5.5 6.0一 5.0一 4.9

カ 十 二`13 7.5 〒.9 〒.4 7.5 各2 4.` 1.5 o.呂 O.4 0.2 0.2 Io .1 10 .0 0.0 0.0 工.3

カ+華' 5 0.1 O.1 02

O.2 O.1 o.o 旺.o o.o o、母 o.o 1 旨 0.0 0.O

ひ 十'a 5.6 5ρ 4.4 2.8 1乱2 β.曾 aa 3.7 1.曾 1.o oB 1田 .5 Io.言 口.2 0.1 2.0

:4

1 砧、o 1 0.0 o』

ひ+摸 3 0.8 1.1 o.お o」3 Io .3 旺、呂 O.7 o.5 O.4 O.4 o.3 Io温 Io .3 0.4 0.3 O.4

瀧1 1 o.o o.o i "、o o.o

2 2.0 ユ.3 1.客 o.ε O.5 O.4 o.B ".2 o.5 O.5 o.9 13 .O 1乱3 4.1 4.3 i.盲 3 1.8 o.3 1.1 O.7 O.7 o.6 O.7 1.2 1.8 量.2 2.7 乱a 14 .1 4.昌 4.8 2.5

4 L o』 1 o.o 0.0 o.o

瀧2 一 2 L9 1.6 1.5 L3 1.2 1.4 1.呂 詔.OI呂.4 1書.1 17.o 3工.口 量5.1 鉋.ε 30.3 14.窪 一13

8ユ 9.5 1L2 12ユ 11.7 132 14.5 18.2 一22 -1 23.0 232 22.4 22.6 27.5 31.1 2L6 4 0.3 0.2 0.Ol 0.1 Oユ 0.1 Io」 0.1 0.1 0.0 0.] Oユ 0.1 10 .1 0.1

5 0.0 0.Q 0.0 O.0

∼ 子 2 o.o Io』 o』 ".1 駐、回 o.i o.o O.1 O.1 o.3 o」

3 豊乱呂 且野、o 4ξ,8 岨1 52、a 14丘5 舶.5 432 1罰 、o 3自 、窃 窪7、B 趾 書 17.7 9.9 5.3 且9』

` o.口 o.o "、o o』 臥0 o.o iO』 o.o o.o o.o o.o o.1 oJ

置3 2 1 0.0 o』

6 1.6 L8 L6 2.4 2-2 2-5 3.4 4.8 6.7 6.5 5.8 5-7 82 10.2 11.1 6β

弓 o」 o.n o.o 回』 0.Q 0.0 O.0

鼻 o』 o.o o.o

∼ 子 1 瑠.o o.o

a 8」 11量 ,3 14-5 ユ6.0 16.4 1.〒.9 ig.5一 凪5 15.1 1乱1 14.o 工乱ε 1L5 〒.4 5.2 n昏

4 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0-0

その他 B 0.6 O.2 10.1 o.o 0.0 o.o 0.0 0.0 0.0 一 0.0

3 O.6 旺.5 o.工 O.1 o.o o.1 O.1 o.o o.o o.OI o.o o.o o.o o.o 0.Q 廿.o

4 1 0.0 1 0.0

5 o.o O.0 o.o

盲 1 αo 0.0 o.o

100.ひ 一的;9ヨ 曾辱≡き99」9-一 一一且9:9「-1σ σ,0臼 訊9-99.9{}9.9曾9、 壬}ヱ 瞳0,09≡}.{〕{}{}.臼9曾 』9摯.9{}9.奪

(6)

第3表

雅子」様型の割合

T 29.8 S2一 39.0 S6一 44.8 S11一 48.1 S16一 52.3 S21一 46.5 S25一 46.5 S30一 43.2 S35一 34.0 S40一 30.9 一 S45一 27.8 S50一 24.8 S55一 17.7 S60一 9.9 H 6.3

29.6 近 過去 の 女 性 名(そ の1) 第4表 「美 智 子 」 様 型 の 割 合 T 8.1 S2一 12.3 S6一 14.5 S11一 16.0 S16一 16.4 S21一 17.9 S25一 19.6 S30一 18.3 S35一 一 16.1 S40一 :15 .1 S45 Il4 .0 S50一 113 .6 S55一 11.6 S60一 7.4 H 5.2

総 数

13.6

型 が 頂 点 に達 したS16一

に この 「

美 智 子 」 様 型 は第4表 が 示 します よ うに

16.4%で す か ら、 頂 点 に達 す る の が少 し遅 くな って い ま す 。 第1図 で 分 か

る よ う に両 側、 特 にHの 方 で二 つ の差 は小 さ くな っ て い ま す 。 差 はTの

21.7%か

ら出発 してS16一

に最 大 の35.9%に 及 び 漸 減 してHに

は わず か1.1

%に な り ます。 第5表

と して、3音 節 の 「

子 」 のつ く女 性 名 の うち 漢 字3

字 の 漢 字2字 に対 す る率 を この こ とに 関 して 出 して み ます 。 多 少 一 貫 性 の

な い と こ ろは あ り ます が、 だ ん だ ん増 え て い く傾 向 に あ って 、 上 述 の こ と

は裏書 きで きま す。

子 」 の つ く女 性 名 は以 上 の もの に止 ま りま せ ん 。 力 タ カ ナ、 ひ らが な

に 「

子 」 が つ い た もの や 「

紀 子 」 様 型 の もの な どが あ ります が 、 これ らは

後 に述 べ る と して、 これ らを含 め た 「

子 」 の っ く女 性 名 の総 数 につ いて 見

て み ま し ょ う。

(7)

文林

三十号

第1図

字 種 名 前 に 使 わ れ た 文 字 の 種 類 は 、 力 タ カ ナ 、 ひ らが な 、 漢 字 に 限 ら れ 、 資 料 に は ロ ー マ 字 は 出 て い ま せ ん 。 総 数 は 力 タ カ ナ7,884字 、 ひ らが な29,931 字 、 漢 字281,197字 、 合 計319,012字 で 比 率 は そ れ ぞ れ 、2.5%、9.4%、88.1 %で 、 一 人 平 均3字 種 合 わ せ て2.24字 で す 。 生 年 別 の 字 種 の 比 率 を 第7表 に 示 し ま す 。 上 で も そ う で す が 、 パ ー セ ン ー42一

(8)

近 過 去 の女 性 名(そ の1) 第5表3音 節 の 「子 」 の つ く名 前 の う ち 第6表 「子 」 の つ く名 前 の 割 合 漢 字3字 の 漢 字2字 に対 す る割 合 ■ T 27.3 S2一 31.5 S6一 32.4 S11一 332 S16一 31.4 S21一 38.5 S25一 42.1 S30一 42.3 S35一 47.3 S40一 49.0 S45一 50.4 S50一 54.8 S55一 65.9 S60一 74.6 H 83.7

46.0 T 51.4 S2一 64.8 S6一 71.3 S11一 74.3 S16一 78.2 S21一 75.7 S25一 73.9 S30一 66.0 S35一 52.5 S40一 47.3 S45一 42.9 S50一 39.0 S55一 29.7 S60一 17.7 H 12.1

46.5

第7表

字種 別の構成比

カ タ カ ナ ひ らが な

T 26.6 17.9 55.6 S2一 19.6 11.8 68.7 S6一 15.1 7.7 77.2 S11一 1 12.7 52 82.1 S16一 Ig .4 4.8 85.7 S21一 6.1 10.3 83.6 S25一 2.3 10.6 87.1 S30一 1.2 11.4 87.4 S35一 0.9 112 187 .9 S40一 0.8 9.6 89.6 S45一 0.8 9.6 89.6 S50一 0.6 8.6 90.8 S55一 0.3 9.4 90.4 S60一 0.1 9.4 90.4 H 0.3 呂.o 91.7

2.5 9.4 88.1

(9)

文林

三十号

トの計 算 は四 捨 五 入 で して い ま す の で合 計 して100 .0%に な らな い場合 が

あ り ます 。

第7表

に よ りま す と、Tで

は漢 字 が半 数 を超 え て いま す が、 二 っ の仮 名

の 合 計 は明 治 の終 わ りか ら大 正 の始 め に か け て は、 漢 字 は半 数 以 下 で あ っ

た こ とが 当然 予 想 され ま す。 戦 争 終 了 まで は カ タカ ナ の方 が ひ らが な よ り

も多 い の で す が、 この ころ か らカ タ カ ナが 激 減 して、 ひ らが な の方 が 多 く

な りま す。 と言 って も仮 名 は だん だん 少 な くな ります 。 そ して、 女 性 名 を

表 す文 字 と して は漢 字 が90%を 超 え る状 態 に な っ て い ます 。 もっ と も、 仮

名 の場 合 は、 音 節 数 を文 字 数 と み と め て数 えて い ます か ら、 例 え ば 「き ょ

う」 と い う名 前 で あ れ ば、2で

して、 実 際 の仮 名 の文 字 数 は もう少 し多 い

可 能 性 が 大 い に あ ります 。

以 上 は文 字 の総 数 につ いて で したが 、 第1表

に よ って 、 どん な構 成 で 仮

名 を使 っ た名 前 が あ っ たか を見 て み ま し ょう。

仮 名 だ けの 名 前 と して は昔 は2音 節 の方 が3音 節 よ り も多 か った の で す

が 、Tか

ら後 だ ん だ ん 差 が 縮 ま って 、 二 っ の仮 名 と もS11一 にわ ず か なが

ら逆転 し以 後 再 び2音 節 の方 が 多 くな る こ と は あ り ませ ん で した。 以上 に

よ って、 明 治 の こ ろの 女性 名 の 代 表 と して は カ タ カ ナ2音 節 で あ った と推

定 で きま す。 また 総数 と して の 結果 と当然 関係 が あ るの で す が、 ひ らが な

だ け の名 前 が 力 タ カナ だ けの名 前 を超 え た の はS21一 で した。

「カ+子 」 が 「ひ+子 」 よ り少 な くな るの もS21一 で す 。 「ひ+子 」 に

対 す る 「カ+子 」 の比 率 を示 した の が 第8表 で す。 こ こで もカ タカ ナ は急

速 に衰 えて い ます 。 ま た、 「カ+漢 」 が 「ひ+漢 」 を 超 え た こ と は全 くな

く、 特 にS35一 以 後 は 「カ+漢 」 は消滅 した と言 って い い で し ょ う。

一44一

(10)

近過 去 の 女性 名(そ の1) 第8表 「ひ+子 」 に対 す る 「カ+子 」 の率 T 133.3 S2一 145.7 S6一 159.4 S11一 168.4 S16一 2602 S21一 143.3 S25一 64.1 S30一 23.9 S35一 20.8 S40一 22.0 S45一 30.2 S50一 21.4 S55一 14.2 S60一 7.7 H 3.8

63.3

漢 字 の 名 前

次 に漢 字 だ けで 構 成 さ れて い る名 前 を見 て み ま し ょ う。 「子 」 で 終 わ る

名 前 にっ いて は上 に述 べ ま した の で こ こで は省 略 しま す。

まず1字

の漢 字 名 。

読 み方 と して は、 第1表

で示 した よ うに初 め は2音 節 の方 が多 い ので す

が、S11一

に逆 転 し以 後 差 は だ ん だ ん 拡大 しS45一 で 最大 とな ります 。 し

か し、 以 後 は差 が縮 ま りっ っ あ りま す。 今 後再 び 逆 転 す るか ど うか は分 か

りま せ ん が、 可 能 性 は大 い に あ る と思 い ます。S11一

まで は上 述 の仮 名 だ

け の名 前 の場 合 と同 じで す か ら世 の 一 般 的 傾 向 を 反 映 した もの な の で し ょ

う。

次 に2字 の漢 字 名 。

子 」 の っ い て い な い2字 の 漢 字 名 の読 み方 は3音 節 の方 が 多 か った の

(11)

文 林 三 十 号 で す が 、S30一 に 差 が 最 大 に 達 し、 以 後2音 節 の 漸 増 傾 向 が 続 き 、 遂 にS 55一 に2音 節 の 方 が 多 く な り ま し た 。 しか し、Hに は3音 節 が 巻 き返 して 、 今 後 の 推 移 が 楽 し み で す 。2字 の 漢 字 名 の 中 に は 「枝 」 「江 」 「代 」 な ど で 終 わ る伝 統 的 な 女 性 名 が 含 ま れ て い ま す 。 これ ら は 別 に 数 え る べ き で あ っ た か と思 い ま す 。 時 間 が あ っ た らや っ て み た い と 考 え て い ま す 。 「子 」 の 前 の 漢 字 を 音 読 み して い る か 訓 読 み して い る か に っ い て は、 ご く一 部 の 県 で しか や っ て い ま せ ん 。 こ れ も い っ か ま と め て み た い も の の 一 っ で す 。 ま た 同 じ漢 字 の 名 前 を ど う 読 ん で い る か 、 の 問 題 も あ り ま す 。 例 え ば 「幸 子 」 は コ ウ コ 、 サ チ コ、 ユ キ コ な ど が 考 え られ ま す が 、 コ ウ コ は 非 常 に 少 な く、 サ チ コ が 一 番 多 い よ う で す 。 しか し、 わ た し の ワ ー プ ロで は ユ キ コ に は 「幸 子 」 が 出 ま す が 、 後 は ワ ン タ ッチ で は2字 の 女 性 名 漢 字 に は 出 ま せ ん(3字 で は サ チ コ に 「佐 知 子 」 と 「佐 智 子 」 が 出 ま す)。 漢 字2字 で 「子 」 で 終 わ る2音 節 の 「紀 子 」 様 型 は第1表 で は全 部 で125 人 と な っ て い ま す か ら、 そ う少 な い 数 で は あ り ま せ ん 。 しか しS30一 ま で は 大 変 珍 し い 名 前 で あ っ た よ う で す 。 こ の タ イ プ の 名 前 が 一 般 に 知 られ る よ う に な っ た の は 、 言 う ま で も な く 且2年 の 秋 篠 宮 の 紀 子 様 と の ご結 婚 と R3の そ の 長 女 真 子(マ コ)様 誕 生 か ら で す 。 な お 次 女 佳 子(カ コ)様 の 誕 生 は 且6年 の 末 で す 。 資 料 の う ち の 最 初 はS11一 岩 手 の 智 子(チ コ)、 次 はS21一 東 京 の 世 子(セ コ)、S30一 東 京 の 代 子(ヨ コ)と 続 き ま す が 、 S35一 か ら は 数 が 多 く な り ま す の で 、 県 名 は 省 略 し ま す 。 数 字 は人 数 で す が 、1は 省 略 し ま す 。 S35一 亜 子(ア コ)、 生 子(エ コ)、 佳 子(カ コ)、 地 子(チ コ)、 千 子 (チ コ)、 比 子(ピ コ)、 磨 子(マ コ)、 真 子(マ コ)2、 理 子(リ コ)2、 計11。S40一 亜 子3、 貴 子(キ コ)、 治 子(チ コ)、 美 子(ミ コ)、 計6。 -46一

(12)

近 過 去 の女 性 名(そ の1) 紀 子 様 の ご誕 生 はS41で す 。S45一 亜 子7、 吾 子(ア コ)、 喜 子(キ コ)、 佐 子(サ コ)、 真 子 、 麻 子(マ コ)、 理 子2、 計14。S50一 真 子3、 理 子 、 計4。S55一 亜 子2、 真 子 、 麻 子 、 和 子(ワ コ)、 計5。S60一 吾 子 、 華 子(カ コ)、 真 子5、 弥 子(ヤ コ)、 和 子 、 計9。H亜 子7、 吾 子2、 阿 子(ア コ)2、 絵 子(エ コ)、 季 子(キ コ)、 貴 子 、 沙 子(サ コ)、 菜 子 (ナ コ)4、 比 子 、 真 子19、 麻 子 、 茉 子(マ コ)、 舞 子(マ コ)、 弥 子4、 理 子12、 莉 子(リ コ)7、 梨 子(リ コ)5、 璃 子(リ コ)2、 和 子 、 計73。 Hで は 第2表 が 示 しま す よ う に0.3%と な っ て い ま す 。 こ れ か ら 「子 」 の っ く名 前 は 少 な くな る で し ょ う が 、 斬 新 な 感 じに 支 え ら れ て 少 な く と も こ の く ら い は こ の 型 は 維 持 して い くの で は な い で し ょ う か 。 残 念 な が ら、 紀 子(キ コ)は 資 料 に は 出 て い ま せ ん 。 最 後 に3字 の 漢 字 名 。 最 初 は 「子 」 の つ く2字 の 漢 字 名 は 、 「子 」 の つ く3字 の 漢 字 名 よ り 圧 倒 的 に 多 い の で す が 、S16一 に 差 が 最 大 に な り、 後 は だ ん だ ん 差 が 縮 ま り ま す 。3字 の 漢 字 を 万 葉 仮 名 風 に 読 む 方 が 現 代 風 と い うわ け で し ょ うか 。 3字 の 漢 字 の3音 節 以 外 の 読 み に っ い て は 後 に 一 括 して 述 べ る こ と に し ま し ょ う。

平 均 音 節 数 と 平 均 文 字 数

これ らは第9表

に示 します よ うに そ う劇 的 に変 化 が あ る わ けで は あ りま

せ ん。 しか し両 方 と もS25一 辺 りを頂 点 と して両 側 に低 くな って お り、 特

に最 近 が低 い とい う点 で共 通 だ、 と言 って い い で し ょ う。 この二 っ が 関 係

が あ るの は 当然 で はあ りま す。 この第9表

か ら第2図

を作 って お き ます。

(13)

文林

三十号

第9表

名前の平均音節数、平均文字数

T 2.75 2.32 S2一 2.86 2.34 S6一 2.91 2.31 S11一 2.94 2.32 S16一 2.96 2.31 S21一 2.97 2.35 S25一 2.98 2.35 S30一 2.96 2.34 S35一 2.91 2.30 S40一 2.86 2.28 S45一 2.81 2.23 S50一 2.84 2.07 S55一 2.71 2.02 S60一 2.67 2.15 H 2.65 2.09

2.841 2.24

0.1%に

満 た な い タ イ プ の 名 前

「0.1%に 満 た な い」 と は第2表 で 一 番 右 の 「

合 計 」 の欄 に0,0と あ る も

の の こ とで す。 この タイ プ にっ いて は県 名 と実 際 の 名前 を挙 げてお きます。

4音 節 以 上 の カ タカ ナ だ け の名 前 。

これ はす べ て 外 国 風 の 名前 で す。

4音 節 の 名前 はS2一

の神 奈 川 の バ ルバ ラに始 ま ります 。 し ば ら く は こ

の タ イ プ は 出 て き ませ んが 、 そ の よ うな雰 囲気 で は な か った のか と思 い ま

す 。 このバ ル バ ラさ ん に っ い て も辛 い 日々 だ った の で はな い か、 と考 え ま

す。 戦 後 この タイ プ が 出 て きた の はS25一

か らで 、S40一

に計13人 と辛 う

じて 四捨 五 入 で0.1%と な り ます が、 そ の 後 急 速 に 減 り ます 。 一 時 的 な 現

象 だ った の で し ょう。S55一

以 後 ア メ リカや ブラ ジル の 日系 人 風 の外 国 名

と 日本 名 とを 合 わ せ た ものが 出て き ます が、 実 例 は後 に挙 げ ます 。

-48一

(14)

近 過 去 の 女 性 名(そ の1)

第2図

S25一 に は、4音 節 に 東 京 の ロ ー ジ ー。S30一 に は、4音 節 に 山 梨 の ポ ンパ ン、5音 節 に ブ ラ ウ ァ ー 、6音 節 に奈 良 の テ レ シ ー タ ー 。S35一 に は 、 4音 節 に 埼 玉 の マ リ リ ン、 東 京 の ジ ャ ネ ッ ト、 静 岡 の レベ ッ カ 、 大 阪 の リ ニ ー タ 、5音 節 に神 奈 川 の ヘ ン リ エ タ 、6音 節 に 岐 阜 の ア ン トネ ッ ト。S 40一 に は 、4音 節 に 福 島 の セ シ リ ア 、 茨 城 の ア ウ ロ ラ 、 埼 玉 の ス ゼ ッ ト、 千 葉 の ア ル ミ ー 、 ス ー ザ ン、 東 京 の グ レ ー ス 、 ス ア ソ ン、 神 奈 川 の エ ビ リ ン、 メ リデ ス 、 ジ ャ ネ ッ ト、 鳥 取 の マ ー シ ー 、5音 節 に福 島 の バ ー ジニ ア 、 東 京 の ア ラ ウ ラ ー 、S45一 に は 、4音 節 に 千 葉 の ロ ル デ ス 、5音 節 に 千 葉 の メ リ ー ア ン、 三 重 の ア ン ナ マ リ。S55一 に は 、4音 節 の 東 京 の マ イ ジ ェ リ。 こ れ ら に つ い て は 、 も ち ろ ん 外 国 籍 で あ る 可 能 性 も大 い に あ り ま す 。 -49一

(15)

文 林 三 十号 純 粋 の 日 本 人 で こ の カ タ カ ナ 名 が ど の く ら い つ い て い る か は 資 料 の 性 質 上 分 か り ま せ ん 。 「ひ+子 」 の4音 節 。 S35一 の 、 ひ か り子 と 、Hの 、 あ ん ず 子 。 前 者 は 東 京 、 後 者 は 大 阪 。 漢 字1字 の 名 前 。 S6一 の 東 京 の 蛾(ガ)、S30一 の 同 じ く東 京 の 瑛(エ)、S60一 の 神 奈 川 の 茜(シ)が1音 節 と して あ り ま す が 、 事 実 と す れ ば 一 番 短 い 名 前 と 言 う こ と に な り ま す 。 し か し、 特 に 茜 の 読 み の シ は 資 料 ミス で は な い か と 思 わ れ ま す 。 け れ ど も、 後 に も述 べ る よ う に 、 資 料 に あ る こ と は そ の ま ま 認 め る べ き だ 、 と い う の が 、 資 料 提 供 者 の 意 見 で あ り ま す 。 4音 節 と し て は 、S50一 の 岩 手 の 寿(コ ト プ キ)、S60一 の 島 根 の 友 (ナ カ ニ シ)、Hの 大 阪 の 輝(カ ガ ヤ キ)が あ り ま す 。 こ の う ち 島 根 の 友 は 姓 の 誤 り か と思 い ま す が 、 提 供 者 の 資 料 至 上 主 義 に従 っ て 修 正 し な い で そ の ま ま で 数 え て お き ま す 。 漢 字2字 の 名 前 。 2音 節 、3音 節 に っ い て は す で に述 べ ま した か ら、 こ こ で は4音 節 に っ い て 挙 げ て お き ま す 。 S6一 に、 愛 知 の 薫 子(カ オ ル コ)、S11一 に 、 青 森 の 薫 子 、S16一 に 、 東 京 の 桜 子(サ ク ラ コ)、S21一 に 、 愛 知 の 薫 子 、S25一 に 、 東 京 の 桜 子 、 薫 子 、S35一 に 、 千 葉 の 薫 子 、 東 京 の 緑 子(ミ ド リ コ)、 神 奈 川 の 桜 子2、 S40一 に、 埼 玉 の 薫 子 、 大 阪 の 薫 子 、S45一 に 、 東 京 の 桜 子 、 薫 子 、 群 馬 の 薫 子 、 埼 玉 の 桜 子 、 神 奈 川 の 忍 子(シ ノ ブ コ)、 兵 庫 の 薫 子 、 山 口 の 薫 子 、 福 岡 の 緑 子 。S50一 に 、 福 島 の 緑 子 。S55一 に 、 東 京 の 薫 子 。S60一 に 、 石 川 の 桜 子 、 香 川 の 桜 子 。Hに 、 北 海 道 の 桜 子2、 茨 城 の 薫 子 、 埼 玉 一50一

(16)

近過去 の女 性名(その1)

の桜 子 、 薫 子 、 千 葉 の 薫子 、東 京 の薫 子2、 桜 子4、 神 奈 川 の 桜 子 、 石川

の桜 子 、 愛 知 の 葵子(ア

オイ コ)、 三 重 の 桜 子 、 大 阪 の 桜 子2、

愛 媛 の薫

子 、 福 岡 の 桜 子2。 前 の 「紀子 」 様 型 同様 且 に な って多 くな り、 そ れ ま で

ず っ と0.0%で

した が、Hで 初 め て0.1%と な りま した。 これ が そ の ま ま続

くか ど うか は、 な お観 察 を 続 け な け れ ば分 か りませ ん。 名 前 の 合 計 は、 桜

子22、 薫子18、 緑 子3、 忍 子1、 葵 子1で 、 初 め は薫 子 優 勢 で す が 、 だ ん

だ ん桜 子 が 多 くな り、 特 にS60一 以 後 は桜 子 優 勢 で す。 都 道 府 県 別 で 見 ま

す と、 東京 の13を 筆 頭 に、 関東 地 方 が25で 、 石 川 、 愛 知 以 西 を西 日本 と し

て、 こ こ は16に 過 ぎませ ん。 契 約 者 の数 を考 えて も地 域 的 な差 はあ るよ う

で す。

漢字3字

の名 前 。

2音 節 の名 前 。S55一

に、 福 岡 の木 綿 衣(ユ

イ)が あ りま す。

4音 節 の名 前 。S2一

に、 長 崎 の延 千 代(ノ

ブ チ ヨ)。S21一

に、 秋 田

の寿 美 栄(ス

ミエ イ)。S25一

に、 埼 玉 の 政 穂 美(マ サ ホ ミ)。S40一

に、

大 阪 の博 千 代(ヒ

ロチ ヨ)。S45一

に、 東 京 の 寿 美 礼(ス

ミ レイ)、 香 川 の

五 月女(サ

オ トメ)。Hに

、 宮 城 の 椰 朱 美(ヤ

ス ミ ン)。 な お 「

椰 」 は人 名

用 漢 字 に入 っ て い ます 。 これ は外 国 名 の漢 字 表 記 な の か も知 れ ませ ん。

5音 節 の名 前 。S50一

に、 東 京 のサ 仁 阿(ユ

ンイ ンハ)が あ りま す が、

「到

は人 名 用 漢字 に あ り ませ ん か ら、 これ は外 国 籍 の可 能 性 が あ ります 。

この場 合 ま た姓 名 の可 能 性 もあ る の で は な い か、 と思 い ま す。 第1表

に よ

れ ば、Hに5音

節 の名 前 が 二 人 あ ります が、 これ は、 一 太郎 、 一次郎 です

の で男 が 間 違 って 入 っ た もの か、 と思 い ます 。 わ た しに 資料 を提 供 して く

れ た友 人 は リス トに あ る限 りは すべ て信 用 して集 計 す べ きだ 、 とい う考 え

で す 。 これ も尊 重 す べ き考 え方 だ、 とは思 う もの の こ こで は省 い て お く こ

(17)

文林 三 十 号 と と し ま し た 。 な お 、 漢 字2字 で4音 節 の 名 前 は0,1%以 上 で し た の で 、 こ こ で は取 り上 げ ま せ ん で した が 、 信 長 と か 秀 吉 と か 家 康 な ど と、 男 に 多 い タ イ プ で す 。 こ こ で も ご くわ ず か で す が 男 性 と思 わ れ る も の が あ り ま し た 。 漢 字3字 で 「子 」 で 終 わ る名 前 。 2音 節 の 名 前 。S55一 に 、 神 奈 川 の 美 希 子(エ ミ)が あ り ま す 。 こ れ は 「子 」 は読 み ま せ ん が 。 4音 節 の 名 前 。S2一 に、 東 京 の 正 江 子(マ サ エ コ)。S21一 に 、 同 じ く東 京 の 聖 恵 子(セ イ エ コ)。S35一 に 、 福 岡 の 利 由 子(リ ユ ウ コ)。S45一 に 同 じ く福 岡 の 里 裕 子(リ ユ ウ コ)。Hに 、 鹿 児 島 の 安 見 子(ヤ ス ミ コ)。 そ の 他 の 構 成 の 名 前 。 2音 節 の 名 前 。 こ れ 以 下 の も の で は 、 命 名 者 の 意 識 と して は 仮 名(カ ナ) と 思 っ て い る も の が 多 い の で し ょ う が 、 資 料 で は漢 字 で プ リ ン トア ウ ト し て あ り ま す の で 、 変 体 仮 名 と扱 わ ず に 漢 字 と して い ま す 。 字 数 を 数 え る と き も 漢 字 と 扱 い ま した 。Tで は、 埼 玉 の 、 志 も 、 志 げ 、 千 葉 の 、 イ 子(イ ネ)、 婦 さ(フ サ)、 静 岡 の 、 ち 江 。S2一 で 、 埼 玉 の 、 志 も、 千 葉 の 、 志 げ。S6一 で は、 東 京 の 、 志 げ 、 司 ま 、 婦 さ 。S11一 に 、 愛 知 の 、 み 恵 (ミ エ)。S16一 に 、 東 京 の 、 志 ん 、 埼 玉 の 、 津 や(ッ ヤ)。S21一 に 、 北 海 道 の 、 志 づ 。S35一 に 、 東 京 の 、 き美(キ ミ)。S45一 に は 、 北 海 道 の 、 な 美(ナ ミ)、 神 奈 川 の 、 り奈(リ ナ)。S55一 に、 大 阪 の 、 由 め(ユ メ)。 一 般 的 な2音 節 名 の 衰 退 と と も に、 こ の タ イ プ も少 な く な り ま す 。 3音 節 の 名 前 。 こ れ は2音 節 の 名 前 よ り 多 くな っ て い ま す 。Tで は、 東 京 の 、 と志 子2、 埼 玉 の 、 と志 子 、 愛 知 の 、 志 つ る、 京 都 の 、 志 ず ゑ 。S 2一 に 、 群 馬 の 、 と志 子 、 埼 玉 の 、 と志 子 、 千 葉 の 、 ち 江 子 、 東 京 の 、 志 52一

(18)

近 過 去 の 女 性 名(そ の1) げ 子 、 石 川 の 、 サ 千 代 、 長 野 の 、 志 げ 子 、 兵 庫 の 、 ち 江 子 。S6一 に 、 群 馬 の 、 と志 子 、 石 川 の 、 き 京 い(キ キ ョ イ)、 山 梨 の 、 志 づ 江 、 三 重 の 、 志 げ 子 。S11一 に 、 東 京 の 、 志 げ子 、 神 奈 川 の、 す 江 子 、 多 け以(タ ケ イ)、 岐 阜 の 、 と 志 子 。S16一 に 、 埼 玉 の 、 と志 江 、 東 京 の 、 と志 子 、 京 都 の 、 む 津 子 。S21一 で は 、 埼 玉 の 、 志 づ 子 、 東 京 の 、 志 ず か 、 神 奈 川 の 、重 の、 志 づ 子 、 徳 島 の 、 志 げ 子 。S25一 に、 茨 城 の 、 阿 っ 子 、 埼 玉 の 、 と 志 子 、 東 京 の 、 志 げ 子 、 三 重 の 、 八 よ い(ヤ ヨ イ)、 愛 媛 の 、 千 ふ み(チ フ ミ)。 S30一 に 、 北 海 道 の 、 衣 ぬ 子(キ ヌ コ)、 静 岡 の 、 志 の ぶ 、 愛 知 の 、 志 と 子 、 福 岡 の 、 志 の ぶ 。S35一 に 、 栃 木 の 、 ゆ 美 子 、 埼 玉 の 、 志 げ み 、 美 は る 、 静 岡 の 、 み 津 江 。S40一 に 、 東 京 の 、 志 乃 ぶ 、 神 奈 川 の 、 奈 っ 代 、 愛 知 の 、 志 の ぶ 、 鳥 取 の 、 歩 み(ア ユ ミ)、 香 川 の 、 さ 月(サ ツ キ)。S45一 に 、 北 海 道 の 、 志 お り 、 埼 玉 の 、 志 乃 ぶ 、 岐 阜 の 、 美 ど り、 静 岡 の 、 ま起 子(マ キ コ)、 智 つ る 、 三 重 の 、 祉 な ご(シ ナ コ)。S50一 に 、 福 島 の 、 志 の ぶ 、 大 阪 の 、 志 の ぶ 。S55一 に 、 東 京 の 、 美 ふ で 、 美 さ と、神 奈 川 の 、さ 佳(サ ヨ イ)。S60一 に 、 北 海 道 の 、 野 の 子 、 三 重 の 、 香 り 、 大 阪 の 、 真 し ろ 。Hに 、 北 海 道 の 、 真 さ美 、 沙 く ら、 埼 玉 の 、 べ 織 、 東 京 の 、 智 よ里 、 長 野 の 、 志 お り、 兵 庫 の 、 華 ノ実(コ ノ ミ)。 4音 節 の 名 前 。S16一 に 、 岩 手 の 、 二 三 四 子(フ ミ ヨ コ)。S45一 に 、 東 京 の 、 こ都 。 5,6音 節 の 名 前 は 、 前 に 述 べ た 日 系 人 型 の も の で す 。 鹿 児 島 の 、5音 節 、 幸 ニ ー ナ(サ チ ー)、6音 節 、 愛 カ リ ー ナ は 姉 妹 で し ょ う か 。Hの 、 静 岡 の5音 節 、 ロ ー ズ 梨 沙 、 愛 知 の6音 節 、 セ リア 美 智 子 、 は 関 係 な さ そ う で す 。 こ の 「そ の 他 の 構 成 の 名 前 」 の と こ ろ に 出 て き た 名 前 の 都 道 府 県 別 構 成

(19)

文 林 三 十 号 は次 の よ う に な っ て い ま す 。1件 だ け の も の は1と い う数 字 を 省 略 し ます 。 北 海 道7、 岩 手 、 福 島 、 茨 城 、 栃 木 、 群 馬2、 埼 玉13、 千 葉4、 東 京17、 神 奈 川6、 石 川2、 山 梨 、 長 野2、 岐 阜2、 静 岡6、 愛 知5、 三 重4、 京 都2、 大 阪3、 兵 庫2、 鳥 取 、 徳 島 、 香 川 、 愛 媛 、 福 岡 、 鹿 児 島2。 埼 玉 か ら神 奈 川 ま で の 南 関 東 は 合 計40、 全 体 の 約45%で 、 次 が 岐 阜 か ら三 重 ま で の 東 海 で 合 計17、 全 体 の 約19%で す 。 こ れ は 前 に 述 べ た 漢 字2字 、 「子 」 で 終 わ る4音 節 の 傾 向 と 大 き く言 っ て 同 じで す 。 こ れ ら二 っ は 何 らか の 意 味 で 地 域 の 特 性 を 現 して い る の で し ょ う か 。 興 味 の あ る こ と で す 。 こ こ で 先 に は 省 略 した 、 漢 字2字 で 「子 」 で 終 わ り2音 節 の 「紀 子 」 様 型 の 都 道 府 県 別 分 布 を 見 て み ま し ょ う。 北 海 道8、 岩 手2、 宮 城 、 山 形 、 福 島3、 茨 城2、 群 馬 、 埼 玉7、 千 葉5、 東 京20、 神 奈 川11、 新 潟 、 石 川 、 福 井 、 長 野 、 岐 阜 、 静 岡3、 愛 知6、 三 重3、 京 都3、 大 阪7、 兵 庫7、 奈 良3、 鳥 取 、 岡 山2、 広 島4、 山 口2、 徳 島 、 愛 媛2、 高 知2、 福 岡6、 長 崎2、 熊 本 、 大 分 、 宮 崎2、 鹿 児 島 。 こ こ で は 、 南 関 東 は 全 体 の 約34% と 少 し シ ェ ア を 下 げ て い ま す が 、 そ れ で も か な り優 勢 で す 。 東 海 は シ ェ ア を 落 と し ま した が 、 代 わ り に 関 西 が 台 頭 して き ま し た 。 こ れ ら に っ い て は、 さ ら に 考 え な け れ ば な り ま せ ん 。

終 わ り の あ い さ つ ・謝 辞

以 上 で 今 回 の 記 述 を終 わ り ます 。

た だ 単 に数 え た だ け で はな いか 、 と い う声 が あ りそ うです が 、 そ ん な も

の で はあ り ませ ん。 科学 は仮 設 を 立 て て 、 これ を事 実 か ど うか 確 か め る こ

とか ら出 発 します。 い わ ゆ る記 述 科 学 で す 。 そ の記 述 の一 つ の方 法 と して

数 え る こ とが あ り ます。 科学 は次 に そ の事 実 が なぜ そ うな って い る のか 、

-54一

(20)

近過去 の女性名(そ の1)

の段 階 に進 ま な けれ ばな り ませ ん。 これが 説 明 科 学 の段 階 です 。 次 にで き

れ ば、 これ らの こ とか ら将来 を予 測 す べ き です 。 予 測 、 あ る い は推 測 科 学

で す 。 以 上 の もの にっ いて も、 ご くわ ずか です が説 明 と予測 を試 み ま した。

本 文 で お読 み に な った とお りで す。

女 性 名 につ い て は今 まで 「

子 」 の つ く名 前 の消 長 な ど が言 わ れ て き ま し

た。 これ につ い て の論 文 は い くつ か あ りま す。 今 回 の この調 査 は これ にっ

い て の検 証 も目的 の一 っ で した。 「

近過 去 」 と い う制 限 の も とで した が 、

検 証 で き た、 と思 い ます 。 さ らに 名前 の字 の構 成 に 関 して詳 し く調 べ る こ

と がで き、 そ の構 成 にっ いて も時 代 の流 れ が は っ き り して い る こ とが分 か

りま した。

我 が 子 へ の命 名 と い う もっ と も個人 的 な 行動 に 関 して も時 代 の流 れ とい

うか、 流 行 に支 配 さ れて い る こ とが は っ き り した 、 と思 い ます。 個 々 の も

の、 現 象 で は、 流 れ は分 か らな くて も、 あ る程 度 の 数 が あ って 初 め て流 れ

と な っ て見 えて くる もの で す 。 この意 味 で 行動 計 量 学 と関 係 が あ りま す。

今 回 の総 数14万 余 の人 名 を扱 うの は在来 型 の 方 法 で は限 界 で はな い か、

と思 い ます 。 この集 計 に当 た って は本 学 の 研 究 費 か ら整 理 謝 金 を 出 して い

た だ き ま した。 全 部 で は あ り ませ ん が 、 わ た し以 外 の方 に仕 事 を お願 い し

た もの の一 部 で す 。 記 して 感 謝 申 し上 げ ます 。

な お、 これ と同 じ材 料 を、 違 う年 度 で す が 、 順 に、 東 京 女 子 大 学 、本 学

の、 わ た しが 卒 業 研 究 の指 導 を した 学 生 で 女 性 名 を取 り上 げ た人 に提供 し

ま した。 前 者 は、 資 料 を集 め る た め に住 ん で い る市 の市 役 所 の戸 籍 課 で 仕

事 を始 めて い ま した が、 な か な か能 率 が よ くな い よ うな ので 、 わ た しが 友

人 に頼 んで リス トを入 手 しま した。 こ の意 味 で は今 回 の調 査 研 究 の契機 と

な っ た もの です 。 後 者 に は次 の年 に資 料 を提 供 しま した が、 と もに全数 は

(21)

文林

三十号

調 査 で き なか った と思 い ます。 この 資 料 はH4年

の 途 中 まで しか あ りま せ

ん で したの で 、H4年

の 終 わ り まで の 追 加 を頼 ん で 入 手 した もの が今 回 の

資 料 です 。H、 特 にH4年

の数 が 他 に比 べ て非 常 に多 い ので すが、 これが、

い っ も直 近 の契 約 者 が 多 いた め にそ う な って い る のか ど うか は分 か り ませ

ん。 わ た しの興 味 を刺 激 して くれ た と い う意 味 で この二 人 に も感 謝 い た し

ま す。

(そ の2)の

計 画

今 回 は(そ の1)と

して 、 ア ウ トラ イ ンだ け にす る予 定 で した が 、 具 体

的 な名 前 につ いて ほ とん ど触 れ な い こ とに な り少 々淋 しい気 が しま した 。

そ こで後 半 に は、 そ こ に属 す る名 前 と して はあ ま り多 くな い もの を 中 心 と

して少 し挙 げ てみ ま した。 い わ ば珍 しい名 前 で す が、 今 回挙 げた の は、 珍

しい名 前 の ほ ん の一部 分 に過 ぎま せ ん。 漢 字2字 、3字

で 「

子 」 が っ く3

音 節 の名 前 の 中 に は難 読 と思 わ れ る もの な ど もあ り、 これ ら もいっ か は ま

とめ て み た い、 と思 って い ま す。

しか し、 今 プ ロ グ ラム に上 って い る もの と して は、(そ の2)と

して 、

都 道 府 県 別 に変 化 傾 向 に差 が あ るか、 と い う こ と を中心 に ま とめて みた い、

と思 って い ま す。 一一

部 今 回 の(そ の1)に

も書 き ま したが 、 珍 しい構 成 の

名 前 に っ い て は南 関東 に多 く見 られ る よ うです 。 な お 、 他 に 「

子 」 の消 長

の新 傾 向 にっ い て は、 中央 か ら地 方 へ と波 及 す る、 言 語 地 理 学 で い う 「

圏論 」、WellenTheorieの

よ うな も の が あ る の で は な い か 、 と い う仮 設

を持 って い ま す。 これ を是 非 検 証 して み た い、 と考 え て い ま す。 ち ょ う ど

昨年 「

平 山輝 男 博 士 米 寿記 念 論 集 」(仮 称)へ

の 寄稿 の お 誘 い が あ り ま し

た の で、 これ に投 じて み よ う、 と思 って い ま す。 平 山博 士 は文 化 功労 者 で

一56一

(22)

近 過虫の'女

性名(そ の1)

方 言 学 の大 家 です の で ㌧ ふ さわ しい論 文 に 出来 た らい い、 と寿 え て いますq

本 稿 の第1表

の生 葎 属 別 の 都道 府 県 別 表 が 既 に 出 来 て い ます か ら、 締 切 は

迫 っ て い ます が、 出 来 るだ ろ う と楽 観 して い ま す。

そ して その 次 の もの を考 え る と した ら、 そ れ を 本識 へ の(そ の3)と

るこ とが 出来 た ら幸 い だ と期 待 して 、、ます。 い ず れ に して も最 終 が 且{毎

です か ら、 早 く しませ ん と古 い資料 を 使 って い る、 と思 わ れ る虞 が あ り ま

す 。

参照

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