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<実践報告>看護学生のDVD制作・講義による看護技術教育の効果 : 受講学生との比較 利用統計を見る

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看護学生の DVD 制作・講義による看護技術教育の効果

─受講学生との比較─

The Effects DVD Production and Lecture on the Nursing Skills of Nursing Students.

–A Comparison with Auditing Students–

大日向陽子,中村美知子,西田 頼子,古屋 洋子,長崎ひとみ,

浅川 和美,内田 一美,西山佐知子,山田 章子

OOHINATA Yoko, NAKAMURA Michiko, NISHIDA Yoriko, FURUYA Yoko, NAGASAKI Hitomi, ASAKAWA Kazumi, UCHIDA Hitomi, NISHIYAMA Sachiko, YAMADA Shoko

要 旨

看護学生が DVD 制作・講義を実施することによる教育的効果を明らかにするために,3 年生 57 名(講義担 当者群,3 年受講者群),2 年生 56 名(2 年受講者群)を対象に調査を実施した。 看護技術 6 場面の目的,手順,正確な方法,安全な方法,安楽な方法,患者への配慮,看護師の役割,ケ アのポイントの理解の程度を“十分理解できた”∼“十分理解できなかった”で評価し比較した。6 場面における 講義担当者群のケアのポイントの理解は受講者群より有意に高値であり,牽引中の患者の清潔ケア,輸血時 のケア場面の正確な方法,安全な方法,ケアのポイントの理解は有意に高値だった。IVH 挿入中の患者のケア, 嚥下障害のある患者の食事介助場面の安全な方法,安楽な方法の理解は受講者群より有意に低値だった。学 生による DVD 制作,制作した DVD を演習や実習の個人・グループ学習に有効活用することが課題である。 キーワード:看護学生,看護技術 DVD 制作・講義,教育的効果

Key words:Nursing Students, Nursing Skill’s DVD Production and Lecture, Educational Effects

受理日:2011 年 8 月 9 日

山梨大学大学院医学工学総合研究部(基礎・臨床看護学講座):

I n t e r d i s c i p l i n a r y G r a d u a t e S c h o o l o f M e d i c i n e a n d Engineering(Fundamental and Clinical Nursing),University of Yamanashi

Ⅰ. はじめに

近年,世界的にインターネットや TV(テレビジョン), DVD(デジタルビデオディスク)等の映像を用いた情報 伝達や研究・教育方法の進歩はめざましい。一般家庭で も映像による情報の活用や普及は急速に進んでおり,看 護においても学生の学習支援のために動画教材として DVD が活用されている。看護学生が日常的な看護技術, 臨床に活用できる看護技術のシナリオづくり,ビジュア ル教材制作を行い,学生主体の講義を展開し,学生間相 互評価により看護技術実践力を体感できる教育は極めて 有効な方法であると考える。現在,自己学習に役立つ基 礎看護技術場面を教員が精選した後,補助教材 DVD を 作成し学生の自己学習に活用している報告1)2)や基礎看 護技術領域における自己学習としての反復練習を支援す るための CD-ROM 教材の開発の報告3)はあるが,臨床 看護技術教育への活用は十分とは言い難い現状である。 基礎看護学と臨床看護学(成人看護学)の教員が一同に参 画し,基礎から臨床的看護技術の内容を精選した後,学 生による質の高い教材づくり,学生主体の講義を行い基 礎・臨床看護技術教育に活用することは,学生の技術力・ 実践力向上に繋がるものと考える。また,学生主体によ る DVD 制作は,入学初期から卒業期まで基礎・臨床看 護学教材として講義・演習に活用し,臨床看護技術への 関心を高め,個人学習にも活用できる臨床看護技術教育 の一助になると考える。 看護学生の看護技術力や実践力の習得は,主体的でか つ実践課程を踏まえた教育方法によるところが大きいた め,本学成人看護学領域では平成 17 年度から学内での 看護技術実践能力向上を意図し,看護学実習を実施して きた。実習グループは 1 グループ学生 6 名程度で構成さ れ,1 事例毎に必要な臨床看護ケアをもとに,シナリオ から実技までを企画・実施・評価するための DVD を制 作,それを用いて学生主体で講義を行っている。今回, 看護学生が看護技術場面の DVD 教材を制作・講義を担 当し評価することと,受講者として講義内容の評価を行

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うことにより,従来型の受動的な教育方法の見直しと, 能動的な看護技術教育方法の検討を行う目的で,A 大 学看護学科 3 年生と 2 年生を対象に調査を実施した。

Ⅱ. 目的

A 大学看護学科 3 年生が看護技術 DVD を制作し,制 作した DVD を用いて同級生・下級生に対し学生主体の 講義を実施することによる教育的効果について,講義担 当者と受講者間の比較を行い,今後の効果的な看護技術 教育方法の検討に活用することにした。

Ⅲ. 用語の操作的定義

・ 講義担当者群:3 年生で 1 看護技術場面の DVD を制 作し,講義を実施した群。 ・ 受講者群:3 年生で制作・講義以外の DVD による講 義の受講者群(以下,3 年受講者群)。2 年生で DVD による講義の受講者群(以下,2 年受講者群)。 ・ 教育的効果:看護技術の「目的」「手順」「正確な方法」 「安全な方法」「安楽な方法」「患者への配慮」「看護師 の役割」「ケアのポイント」8 要素の理解をさす。

Ⅳ. 方法

1. 調査対象 A 大学看護学科 3 年生 57 名,2 年生 56 名を対象とした。 講義担当者群は 1 グループ 5-6 名で編成した。3 年受講 者群は,講義担当者群以外とした(受講者群は複数回答)。 2 年受講者群は 2 年生全員であった。看護技術教育課程 (講義と実習)の異なる学生の理解度を比較するために, 受講者群を 3 年生と 2 年生の 2 群に区分した。 2. 調査期間 平成 23 年 2 月 1 日∼ 2 月 23 日。3 年生は成人看護学 実習Ⅰ -2(平成 23 年 2 月 1 日∼ 10 日)の最終日,2 年生 は基礎看護実習Ⅱ(平成 23 年 2 月 7 日∼ 23 日)期間中に 実施した。 3. 調査内容と手順 1) 看護技術場面の選定 臨床看護学(成人看護学)教員 5 名にて,入院患者が必 要とする臨床看護技術場面として,①牽引中の患者の清 潔ケア,②排泄ケア,③ IVH 挿入中の患者のケア,④ 輸血時のケア,⑤嚥下障害がある患者の食事介助,⑥褥 創部改善のためのケアの 6 場面を選定し,患者・看護学 生・看護師を事例の登場人物に設定した。その後,基礎 看護学領域教員 4 名とともに 6 場面の事例内容を精選し た。DVD 各場面には,「目的」「手順」「正確な方法」「安 全な方法」「安楽な方法」「患者への配慮」「看護師の役割」 「ケアのポイント」を書いたテロップならびに行動や会話 が含まれている。 2) 教育的効果 教育的効果の評価項目は,看護技術の正確性,美,安 全,安楽の構成要素からなる「目的」「手順」「正確な方法」 「安全な方法」「安楽な方法」「患者への配慮」「看護師の 役割」「ケアのポイント」の 8 項目とし,“十分理解できた” ∼“十分理解できなかった”の 6 段階で評価した。得点が 高いほど理解できていたことを示す。 3) 調査手順 (1) シナリオ作成 講義担当学生は文献収集,文献抄読,討議を繰り返し, 看護技術場面毎に,「目的」「手順」「正確な方法」「安全 な方法」「安楽な方法」「患者への配慮」「看護師の役割」 「ケアのポイント」を書いたテロップ,会話,行為の実践 過程を詳細に記述した。シナリオはグループ討議を重ね, 構成が 20 分に収まるようシナリオを作成した。 (2) 看護技術 DVD 制作 グループ毎に基礎・成人看護学実習室等を用いて,臨 場感のある物品を用い,ケアの意義,目的,物品,手順 などについて討議・共有し,3 回のリハーサルを経て約 20 分間の DVD を制作した。シナリオから DVD 撮影・ 編集までの期間は約 7 日間であった。 (3) DVD を用いた講義 実習講義室にて,講義担当者群の学生全員で看護技術 DVD を用いた講義を約 30 分実施した。2 年受講者群に 対する講義は,講義担当者群の学生が 3 年生受講者群と 同様に実施した。 (4) 調査実施・回収方法 教員が全講義開始前に調査用紙を配布した。対象者は, 各場面の講義終了後調査用紙の記入を行い,全講義終了 後,講義室に設置してある回収ボックスで調査用紙を回 収した。 4. 倫理的配慮 成人看護学教員により事前に調査の主旨,個人が特定 されないことと,成績等に関係ないこと,調査報告とし てまとめることを文書および口頭で説明した。調査は無 記名で行い,調査協力の承諾については調査用紙記入を もって同意とみなし,同意の得られた者のみ対象とし た。 5. 分析方法 看護技術全場面と各場面の理解度の傾向を明らかにす るために,講義担当者群と 3 年受講者群,2 年受講者群 の中央値を算出し,差の検定には Mann-Whitney の U

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検定を用いた。また,参考値として平均値,標準偏差を 算 出 し た。 デ ー タ 分 析 は 統 計 解 析 ソ フ ト SPSS for WINDOWS ver.17.0J を用いた。

Ⅴ. 結果

1. 調査用紙回収状況 調査用紙回収率は,講義担当者群は 100%(6 場面,回 収数 34),3 年受講者群は 94.1%(6 場面,回収数 296), 2 年受講者群は 94.6%(6 場面,回収数 318)であった。 2. 講義担当者群と 3 年受講者群の比較(表 1) DVD 全場面における講義担当者群(n=34)と 3 年受講 者群(n=296)を比較した結果は次の通りである。講義担 当者群は 5.0 ≦中央値≦ 6.0,3 年受講者群は全項目で中 央値= 5.0 で高値であった。講義担当者群の「ケアのポ イント」の理解は中央値 6.0(平均値 5.5 ± 0.7)で,3 年受 講者群より高値で有意差があった(p < 0.05)。 3. 講義担当者群と 2 年受講者群の比較(表 2) DVD 全場面における講義担当者群(n=34)と 2 年受講 者群(n=318)を比較した結果は次の通りである。2 年受 講者群は全項目で中央値= 5.0 を示し高値であった。講 義担当者群の「手順」の理解は中央値 5.0(平均値 5.3 ± 0.6),「安全な方法」は 5.0(5.2 ± 0.8),「患者への配慮」は 5.0(5.3 ± 0.7)で,2 年受講者群より高値で有意差があっ た(p < 0.05)。 4. 技術場面における講義担当者群と 3 年受講者群の 比較(表 3) 6 場面の講義担当者群(n=5 または 6)と 3 年受講者群 (n=49 または 50)を比較した結果は,次の通りである。 牽引中の患者の清潔ケアは,講義担当者群の理解は全 項目が中央値 6.0(平均値 5.7 ± 0.5)で高値を示した。講 義担当者群の「目的」,「手順」,「正確な方法」,「安全な 方法」,「安楽な方法」,「看護師の役割」の理解は,3 年 受講者群より高値で有意差があった(p < 0.05)。 排泄ケアの講義担当者群の理解は 4.5 ≦中央値≦ 6.0 (平均値≧ 4.8)と 3 年受講者群より高値を示したが有意 差はなかった。IVH 挿入中の患者のケアの講義担当者 群の「ケアのポイント」の理解は,中央値 6.0(平均値 5.4 ± 0.9)で 3 年受講者群より高値であったが有意差はな かった。講義担当者群の「安全な方法」は中央値 4.0(平均 値 4.2 ± 0.5)で,3 年受講者群より低値で有意差があっ た(p < 0.01)。輸血時のケアの講義担当者群の理解は 4.5 ≦中央値≦ 6.0(平均値≧ 4.7)で高値を示した。講義担当 者群の「目的」は中央値 5.5(平均値 5.3 ± 0.8),「正確な 方法」,「ケアのポイント」は 6.0(平均値 5.7 ± 0.5),「看 護師の役割」は 5.5(5.5 ± 0.5),「安全な方法」は 6.0(5.8 ± 0.4)と 3 年受講者群より高値を示し,「正確な方法」, 「安全な方法」,「ケアのポイント」には有意差があった(p < 0.05)。 嚥下障害のある患者の食事介助は,講義担当者群の「目 的」の理解が中央値 6.0(平均値 5.2 ± 1.3),「患者への配 慮」は 6.0(5.4 ± 0.9)と 3 年受講者群より高値を示したが, 有意差はなかった。「安楽な方法」は中央値 4.0(平均値 4.2 ± 0.8)であり 3 年受講者群より有意に低値であった(p < 0.05)。褥瘡部改善のためのケアの講義担当者群の理 解は,5.0 ≦中央値≦ 5.5 と高値を示した。「手順」は中 央値 5.0(平均値 5.2 ± 0.6),「ケアのポイント」は 5.5(5.3 ± 0.8)で 3 年受講者群より低値となったが,有意差はな かった。 表 1 講義担当者群と 3 年受講者群の比較 講義担当者群 (n=34) 3 年受講者群 (n=296)1) 2) 有 意 差 Me Mean ± SD Me Mean ± SD 目的 5.5 5.4 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.7 手順 5.0 5.3 ± 0.6 5.0 5.2 ± 0.7 正確な方法 5.0 5.2 ± 0.7 5.0 5.1 ± 0.7 安全な方法 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 安楽な方法 5.0 5.0 ± 0.9 5.0 4.9 ± 0.8 患者への配慮 5.0 5.3 ± 0.7 5.0 5.1 ± 0.7 看護師の役割 5.0 5.2 ± 0.7 5.0 5.0 ± 0.8 ケアのポイント 6.0 5.5 ± 0.7 5.0 5.3 ± 0.6 * 1) 3 年受講者群は複数回答(49 または 50 名× 6 場面の総数) 2) Mann-Whitney の U 検定,*p < 0.05.   Mean ± SD は参考値 表 2 講義担当者群と 2 年受講者群の比較 講義担当者群 (n=34) 2 年受講者群 (n=318)1) 2) 有 意 差 Me Mean ± SD Me Mean ± SD 目的 5.5 5.4 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 手順 5.0 5.3 ± 0.6 5.0 5.1 ± 0.7 * 正確な方法 5.0 5.2 ± 0.7 5.0 5.0 ± 0.6 安全な方法 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.7 * 安楽な方法 5.0 5.0 ± 0.9 5.0 4.9 ± 0.7 患者への配慮 5.0 5.3 ± 0.7 5.0 4.9 ± 0.7 * 看護師の役割 5.0 5.2 ± 0.7 5.0 5.0 ± 0.7 ケアのポイント 6.0 5.5 ± 0.7 5.0 5.1 ± 0.7 ** 1) 2 年受講者群は複数回答(53 名× 6 場面の総数) 2) Mann-Whitney の U 検定,*p < 0.05,**p < 0.01.   Mean ± SD は参考値

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表 3 技術場面における講義担当者群と 3 年受講者群の比較 牽引中の患者の清潔ケア 排泄ケア IVH 挿入中の患者のケア 講義担当者群 (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=5) 3 年受講者群 (n=50) 1) 有 意 差

MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD 目的 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 4.8 ± 0.7 ** 6.0 5.5 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 5.0 5.0 ± 0.0 5.0 5.6 ± 0.6 手順 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.6 5.0 5.2 ± 0.5 5.0 5.3 ± 0.8 正確な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.7 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.7 安全な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.7 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 4.7 ± 0.7 4.0 4.2 ± 0.5 5.0 5.3 ± 0.7 ** 安楽な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 6.0 5.2 ± 1.3 5.0 4.7 ± 0.8 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 4.7 ± 0.7 患者への配慮 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.7 5.5 5.2 ± 1.0 5.0 4.8 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.0 5.0 5.0 ± 0.6 看護師の役割 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.6 * 4.5 4.8 ± 1.0 4.0 4.5 ± 0.7 5.0 5.4 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.7 ケアのポイント 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.6 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.7 6.0 5.4 ± 0.9 5.0 5.7 ± 0.7 輸血時のケア 嚥下障害のある患者の食事介助 褥瘡部改善のためのケア 講義担当者群 (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=5) 3 年受講者群 (n=50) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 1) 有 意 差

MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD 目的 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.6 6.0 5.2 ± 1.3 5.5 5.5 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.6 ± 0.6 手順 5.0 5.3 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.3 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.6 6.0 5.4 ± 0.6 正確な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.6 安全な方法 6.0 5.8 ± 0.4 5.0 5.2 ± 0.8 * 5.0 4.6 ± 0.9 5.0 5.1 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.3 ± 0.6 安楽な方法 4.5 4.7 ± 0.8 5.0 4.6 ± 0.7 4.0 4.2 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 * 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.3 ± 0.7 患者への配慮 5.0 5.1 ± 0.8 5.0 4.7 ± 0.7 6.0 5.4 ± 0.9 5.0 5.4 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.4 ± 0.6 看護師の役割 5.5 5.5 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.7 5.0 4.8 ± 0.4 5.0 4.9 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.7 ケアのポイント 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.3 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 6.0 5.6 ± 0.5 1) Mann-Whitney の U 検定,*p < 0.05,**p < 0.01.   Mean ± SD は参考値 5. 技術場面における講義担当者群と 2 年受講者群の 比較(表 4) 6 場面の講義担当者群(n=5 または 6)と 2 年受講者群 (n=53)の比較を行った結果は,次の通りである。 牽引中の患者の清潔ケアの講義担当者群の理解は,全 項目が中央値 6.0(平均値 5.7 ± 0.5)で高値を示した。講 義担当者群の「目的」,「正確な方法」,「安全は方法」,「安 楽な方法」,「患者への配慮」,「看護師の役割」の理解は, 2 年受講者群より高値で有意差があった(p < 0.05)。排 泄ケアの講義担当者群の理解は,4.5 ≦中央値≦ 6.0(平 均値≧ 4.8)で 2 年受講者群より高値を示したが有意差は なかった。IVH 挿入中の患者のケアは,講義担当者群 の「ケアのポイント」の理解が中央値 6.0(平均値 5.4 ± 0.9)で 2 年受講者群より高値であったが有意差はなかっ た。「安全な方法」の理解は,中央値 4.0(平均値 4.2 ± 0.5) で 2 年受講者群より有意に低値であった(p < 0.01)。輸 血時のケアの講義担当者群の理解は,4.5 ≦中央値≦ 6.0 (平均値≧ 4.7)で高値を示した。講義担当者群の「正確な 方法」,「ケアのポイント」の理解は,中央値 6.0(平均値 5.7 ± 0.5)で 2 年受講者群より有意に高値であった(p < 0.05)。嚥下障害のある患者の食事介助は,講義担当者 群の「目的」の理解が中央値 6.0(平均値 5.2 ± 1.3)と 2 年 受講者群より高値であり,「安楽な方法」の理解が中央値 4.0(4.2 ± 0.8)と低値であったが,いずれも有意差はな かった。褥瘡部改善のためのケアの講義担当者群の理解 は 5.0 ≦中央値≦ 5.5 と高値を示した。「目的」,「安全な 方法」,「安楽な方法」,「患者への配慮」,「ケアのポイン ト」の理解は,中央値 5.5(平均値 5.3 ± 0.8)で 2 年受講 者群より高値であったが,有意差はなかった。

Ⅵ. 考察

学生が主体的に制作した視覚的学習教材による教育の 利点は,患者・看護師役の両方を経験し技術の改善に役 立つこと4),学生の自己学習としての活用にとどまらず, 思考や行動を客観的に捉え,創造性を養う機会となるこ とにある。本調査結果より,講義担当学生の評価は中央 値≧ 5.0 と「目的」「手順」「正確な方法」「安全な方法」「安 楽な方法」「患者への配慮」「看護師の役割」の理解,特 に「ケアのポイント」の理解が受講学生より高く,DVD を制作し講義することによる看護技術教育の効果がみら れた。講義担当学生は,シナリオ作成時より関連文献の 収集,抄読,そして DVD 撮影場面においてグループ討 議を繰り返し行っているため,看護技術の要素の理解が

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深まったものと考える。また,受講者に効果的に内容を 伝えるために DVD 編集時に映像のみならず技術のポイ ントを強調する字幕やナレーションを多く盛り込む工夫 を行っているため,受講学生よりもケアのポイントの理 解を深めることができたと考える。 看護技術場面毎の特徴としては,学内演習・臨床実習 を含め体験する機会が少なく,技術的要素が多く含まれ る牽引中の患者の清潔ケア,輸血時のケアは,模擬的な 実施であっても講義担当学生の「患者への配慮」「看護師 の役割」などの理解が,5.0 ≦中央値≦ 6.0(平均値≧ 5.1) と受講学生より高く,患者への配慮・看護師の役割に関 する理解を深めることができた。排泄ケアは,入学初期 から学内演習を行うなど既習学習の要素が大きく,講義 担当学生・受講学生間に差はみられなかったものと考え る。IVH 挿入中の患者のケアの講義担当学生の「安全な 方法」の理解が中央値 4.0(平均値 4.2 ± 0.5)と有意に低 かったのは,参考書等で学んでも安全な実践であったの か確信が持てないためであり,今後臨床実習等で手本と なる先輩医師や看護師の実践場面での学習が必要であ る。また,講義担当学生は机上の学習を深める程,理解 度の自己評価が厳しくなる傾向にあることも影響してい る可能性がある。嚥下障害のある患者の食事介助は,講 義担当学生の「患者への配慮」の理解が中央値 6.0(平均値 5.4 ± 0.9)と高かった。しかし「安楽な方法」は,中央値 4.0 (平均値 4.2 ± 0.8)と 3 年受講学生より有意に低かったた め,日常的な生活援助技術である「安楽な方法」について は患者役を体験する,または患者役となった学生の意見 を十分取り入れる工夫が必要である。褥瘡部改善のため のケアでは,講義担当学生,受講学生とも理解が高い傾 向にあった。臨床看護場面では褥瘡部のケアの必要性が 強調されているが,臨床実習等で担当する患者の多くは 発赤程度であり,褥瘡部を観る機会もほとんどないこと から,部位と処置について動画として映像化し,処置の 実際を詳細に伝えたことで理解が深まったものと考える。 2 年受講学生は基礎看護実習期間中に調査を実施した が,3 年生よりも演習や臨床実習での体験が少ないこと が逆に興味・関心を高め,理解度の自己評価も高く,看 護技術視覚教材視聴時期は演習前が効果的である5)とい う報告と同様の結果となった。学生が制作した DVD は 3 年生が主体的に患者役・看護師役・学生役を演じ臨場 感があるため,看護技術実践場面での主観的・客観的評 価が自己の実習姿勢と関連付けられ,臨床実習へのレ ディネスを高めることができると期待できる。本調査結 果より,学内演習・臨床実習を含め体験する機会が少な 表 4 技術場面における講義担当者群と 2 年受講者群の比較 牽引中の患者の清潔ケア 排泄ケア IVH 挿入中の患者のケア 講義担当者群 (n=6) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=6) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=5) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差

MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD 目的 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 6.0 5.5 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.0 5.0 5.0 ± 0.7 手順 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.7 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.5 5.0 5.2 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 正確な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.6 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.7 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.6 安全な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 4.8 ± 0.8 4.0 4.2 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.6 ** 安楽な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 4.9 ± 0.7 ** 6.0 5.2 ± 1.3 5.0 4.8 ± 0.7 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 4.7 ± 0.7 患者への配慮 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.5 5.2 ± 1.0 5.0 4.8 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.0 5.0 4.9 ± 0.8 看護師の役割 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 4.5 4.8 ± 1.0 5.0 4.8 ± 0.7 5.0 5.4 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.6 ケアのポイント 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.7 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.3 ± 0.6 6.0 5.4 ± 0.9 5.0 5.1 ± 0.7 輸血時のケア 嚥下障害のある患者の食事介助 褥瘡部改善のためのケア 講義担当者群 (n=6) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=5) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差 講義担当者群 (n=6) 2 年受講者群 (n=53) 1) 有 意 差

MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD MeMean ± SD 目的 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 6.0 5.2 ± 1.3 5.0 5.4 ± 0.7 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.4 ± 0.7 手順 5.0 5.3 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.6 5.0 5.0 ± 0.7 正確な方法 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.6 * 5.0 4.6 ± 0.5 5.0 4.9 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.7 安全な方法 6.0 5.8 ± 0.4 5.0 5.1 ± 0.7 5.0 4.6 ± 0.9 5.0 5.0 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.0 ± 0.6 安楽な方法 4.5 4.7 ± 0.8 5.0 4.7 ± 0.7 4.0 4.2 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.7 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.7 患者への配慮 5.0 5.1 ± 0.8 5.0 4.9 ± 0.7 6.0 5.4 ± 0.9 5.0 5.3 ± 0.6 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.3 ± 0.6 看護師の役割 5.5 5.5 ± 0.5 5.0 5.1 ± 0.6 5.0 4.8 ± 0.4 5.0 5.1 ± 0.7 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.1 ± 0.7 ケアのポイント 6.0 5.7 ± 0.5 5.0 5.0 ± 0.7 * 5.0 5.2 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.7 5.5 5.3 ± 0.8 5.0 5.2 ± 0.7 1) Mann-Whitney の U 検定,*p < 0.05,**p < 0.01.   Mean ± SD は参考値

(6)

い技術的要素が多く含まれる牽引中の患者の清潔ケア, 輸血時のケア,褥瘡部改善のためのケアにおいて DVD 制作・講義による教育が有効であることが示された。

Ⅶ. 結論

講義担当者群(DVD 制作含む)と 3 年受講者群または 2 年受講者群における,6 看護場面の「目的」「手順」「正 確な方法」「安全な方法」「安楽な方法」「患者への配慮」 「看護師の役割」「ケアのポイント」の理解の程度を比較 した結果,講義担当者群に以下の特徴があった。講義担 当者群の全場面における「ケアのポイント」の理解は,受 講者群より高かった。牽引中の患者の清潔ケア,輸血時 のケアの理解は受講者群より高く,「正確な方法」「安全 な方法」「ケアのポイント」には有意差があった。IVH 挿入中の患者のケア,嚥下障害のある患者の食事介助の 「安全な方法」「安楽な方法」の理解は,受講者群より有 意 に 低 か っ た。 学 生 に よ る DVD の 制 作, 制 作 し た DVD を看護技術演習や臨床看護学実習の個人またはグ ループ学習に有効に活用することが,今後の課題である。

謝辞

本研究は,平成 22 年度山梨大学戦略的プロジェクトの 助成を受け行われたものである。本研究を行うにあたり ご協力いただきました学生の皆様に深く感謝いたします。 文献 1) 相原ひろみ,岡田ルリ子,徳永なみじ,他(2009)基礎看護技術 の動画教材の開発─学生が動画教材に求める視点および生活環 境の実態─ . 愛媛県立医療技術大学紀要,6(1):49-55. 2) 小林知春,佐藤晶,坂田五月,他(2003)基礎看護技術の自己学 習支援システム(第 1 報)─ビデオ教材を作成して─ . 聖隷クリ ストファー大学看護学部紀要,11:145-153. 3) 真島由貴恵,掛橋千賀子,小田真由美(2002)基礎看護技術教育 におけるデモンストレーションの効果に関する研究 . 日本看護 研究学会誌,25(3):362. 4) 中野雅子,伊藤良子,徳永基与子(2010)看護学生間の演習にお ける看護師役・患者役体験の学びと課題 . 京都市立看護短期大 学紀要,35:101-107. 5) 関谷由香里,青木光子,岡田ルリ子,他(2008)基礎看護技術の 自己学習プログラムに関する研究 . 日本看護学教育学会誌,18 (1):55-63.

表 3 技術場面における講義担当者群と 3 年受講者群の比較 牽引中の患者の清潔ケア 排泄ケア IVH 挿入中の患者のケア 講義担当者群  (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 有 1) 意 差 講義担当者群 (n=6) 3 年受講者群 (n=49) 有 1)意差 講義担当者群 (n=5) 3 年受講者群 (n=50) 有 1)意 Me Mean ± SD Me Mean ± SD Me Mean ± SD Me Mean ± SD Me Mean ± SD Me Mean ± SD 差 目的 6.0 

参照

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