• 検索結果がありません。

気管支原発唾液腺型悪性混合腫瘍の1例 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "気管支原発唾液腺型悪性混合腫瘍の1例 利用統計を見る"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

気管支原発唾液腺型

悪性混合腫瘍の1例

市立甲府病 外科 西村秀紀 高野環 加藤邦隆 村松昭 小田島弘明 信州大学 第2外科 宮沢正久 第2病理 伊藤誠 はじめに  気管支腺由来の混合腫瘍はきわめて稀れで、本邦での気管支原発混合腫瘍の 報告1)2》は18例にすぎない。われわれは、右肺下葉に発生した唾液腺型悪性混 合腫瘍を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 症例  症 例:69歳、女性  主 訴:血疾  家族歴:母が肺癌で死亡(88歳)、兄と妹が糖尿病  既往歴:61歳時より、糖尿病と高血圧で当院内科に通院中。  喫煙歴:10本/日、40年間。  現病歴:1993年6月4日に血疾を認めたため当院内科を受診した。精査の結 果、右肺下葉に腫瘤を認めたため、手術目的で当科を紹介され、6月24日に入 院した。なお、6月4日以降に血疾は認められなかった。  入院時現症:身長162cm、体重63kg、血圧146/86mmHg、脈拍数84/分・整、 栄養状態良好、表在リンパ節触知せず、呼吸音・心音に異常なし。  入院時検査所見:末梢血液像、血液生化学検査に異常なし。腫瘍マーカーで は、CEAが6.1ng/mlで軽度の上昇を認めた。呼吸機能検査では、%VCが 68%、FEV1.exが76%で僅かに混合性障害を認めた。  胸部単純X線写真(図1):正面では右下肺野に肺動脈に重なるように直径 約2.5cm、境界不明瞭な淡い腫瘤陰影を認めた。側面では境界明瞭、辺縁整、 均一な腫瘤陰影を認めた。  胸部CT写真:右S7に、境界明瞭で内部均一の腫瘤を認めた。肺門・縦隔 リンパ節の腫脹は認めなかった。

(2)

 気管支内視鏡検査(図2):右B7が白苔様のもので閉塞していた。擦過細 胞診はClass llであった。  確定診断は得られなかったが、右S7原発の肺癌を疑って6月30日に手術を 行った。右標準開胸にて下葉切除および縦隔リンパ節郭清(R2a)を行った。 腫瘍は胡桃大で、胸膜への浸潤はなく、下葉気管支断端近くまで認められたが、 断端への浸潤はなかった。肺門・縦隔リンパ節の腫大は認めなかった。  摘出標本の肉眼所見(図3):S7に最大割面で45×25mmの充実性、黄白色、 境界明瞭な腫瘍を認めた。断端に近いB7の気管支内腔に一部突出した部分が あるが、全体的に膨張性発育を示し、周囲への浸潤傾向は認めなかった。  病理組織学的所見:筋上皮由来(免疫染色でS−100蛋白陽性)と考えられる 基底細胞型腫瘍細胞の増殖と、腺上皮の増生が見られ(図4)、その基底細胞 型細胞から分化したと考えられるclear cell主体の間葉系増殖と、扁平上皮 化生した腺上皮増殖を腫瘍の大部分に認め(図5)、さらに一部には、明瞭な 扁平上皮への分化、ならびに10w gradeの扁平上皮癌を認めた(図6)ために 唾液腺型悪性混合腫瘍と診断した。なお、胸膜への浸潤、肺内転移、リンパ節 転移、脈管浸潤は認めなかった。  術後経過は良好で、8月3日に退院した。術後6カ月の現在、再発の徴候は 認めていない。なお、改めて唾液腺を検索したが、腫瘤は認めなかった。 考察  気管支腺は唾液腺に類似しているため、唾液腺に最も高頻度の混合腫瘍が気 管支に発生する可能性はあるが3》、その頻度は低く、本邦での報告は調べ得た 範囲では18例であった⑪2㌔  混合腫瘍は組織学的に、上皮性成分と間葉性成分との2成分からなり、後者 は筋上皮細胞の粘液性または軟骨性化生によって形成されると考えられている 4)。混合腫瘍の組織発生について、佐藤ら5}は形態学的に筋上皮、扁平上皮、 分泌細胞との間に移行像を示す基底細胞型腫瘍細胞の存在を増殖センターと仮 定している。混合腫瘍の多彩な組織像は基底細胞型腫瘍細胞のこれら3方向へ の分化度の違いにより説明される。  気管支原発混合腫瘍の報告18例に自験例を加えた19例について、組織学的に は明らかな悪性所見のないものを良性とすると、良性群13例、悪性群6例に分 けられる。しかし、良性群にも転移例があり5》、また唾液腺領域の混合腫瘍に

(3)

おいても良性と診断されながら再発を繰返し転移するものがあるので、組織学 的に悪性所見を認めなくても低悪性群として扱うべきである。一方、悪性混合 腫瘍は組織学的には3型に分類されている6》。  A) 良性混合腫瘍の一部に通常の癌(多くは腺癌)と同様の形態を示す癌 腫が発生するもの。  B) 間葉成分が軟部組織のの間葉性悪性腫瘍に類似した組織像を呈する腫 瘍。  C) 組織構成はほぼ良性混合腫瘍に類似しながら、個々の腫瘍細胞は異型 性を示し浸潤性、破壊性に増生するもの。  この分類に従えば、自験例はA)に属するものと考えられる。症例が少ない ため、臨床的特徴や予後を論ずることは困難であるが、太い気管支にポリープ 状に発育するものは、比較的早期に発見されやすいと考えられるので、手術に より予後は期待できると予想される。実際、中心型でポリープ状を呈した8例 には再発・転移を認めていない。自験例のような末梢型あるいは腫瘤を呈する 場合には、気管支上皮由来の肺癌と同等に考えるべきであろう。 結語  63歳女性に発生した気管支腺由来の唾液腺型悪性混合腫瘍の1例を報告した。 文献  1) 中川温子,中村栄男,伊藤雅文,他:気管支腺原発唾液腺型悪性混合腫 瘍の1例.病理と臨床,7:1023・v1028,1989  2)伊藤秀幸,大貫恭正,神楽岡治彦,他:気管支原発唾液腺型良性混合腫 瘍の1治験例.日呼外会誌,5:682∼687,1991  3) 下里幸雄:肺腫瘍の形態.新内科学大系28A,呼吸器疾患ma,p.81∼ 83,中山書店,1977  4) 国立がんセンター編:病理一肺腫瘍の形態学的特徴.臨床肺癌1,p. 184∼188,講談社,1983  5) 佐藤秩子,星野宗光:気管支腺腫瘍における筋上皮性細胞の増殖像.癌 の臨床,19:183−187,1973  6) 馬場謙介,鷲津邦雄,海老原敏,他:唾液腺腫瘍の分類.癌の臨床,19 :893−911, 1973

(4)

図1

図2

図3

(5)

噸総難鞍

ぶ襟べ

菰肇灘輪.

         ・♂鴻.ぺ汽1

       撚

     犠夢訂1:・

       識繋’

       緒さ

 講難醗ペー_麹。ぎミ瓢㌘∵《

参照

関連したドキュメント

肝臓に発生する炎症性偽腫瘍の全てが IgG4 関連疾患 なのだろうか.肝臓には IgG4 関連疾患以外の炎症性偽 腫瘍も発生する.われわれは,肝の炎症性偽腫瘍は

詳細情報: 発がん物質, 「第 1 群」はヒトに対して発がん性があ ると判断できる物質である.この群に分類される物質は,疫学研 究からの十分な証拠がある.. TWA

、術後生命予後が良好であり(平均42.0±31.7ケ月),多

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

線遷移をおこすだけでなく、中性子を一つ放出する場合がある。この中性子が遅発中性子で ある。励起状態の Kr-87

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

 我が国における肝硬変の原因としては,C型 やB型といった肝炎ウイルスによるものが最も 多い(図