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IRUCAA@TDC : TDC卒後研修セミナー2006「総合治療 必要な技術とライフステージに対応した歯科医療へ」 : 欠損補綴編「実践総義歯」合理的な総義歯調整法

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s) Journal URL. TDC卒後研修セミナー2006「総合治療 必要な技術とライ フステージに対応した歯科医療へ」 : 欠損補綴編「実践 総義歯」合理的な総義歯調整法 田中, 五郎 歯科学報, 107(4): 375-378 http://hdl.handle.net/10130/109. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 3 7 5. TDC 卒後研修セミナーレポート. 「総合治療. TDC卒後研修セミナー2 0 0 6 必要な技術とライフステージに対応した歯科医療へ」 欠損補綴編 「実践総義歯」∼合理的な総義歯調整法∼ 田中五郎. 主旨:新たに製作された総義歯を患者さんに装着す. 症例を通して紹介いたします。. る際に,適合試験材や咬合紙などを用いて義歯床不 適合部位や人工歯咬合面の強くあたりのある部分を. 〔各講師の講演内容〕. 削除,調整し,患者さんに使用していただくのが一. 0 9:3 0−0 9:3 5 セミナーの主旨説明. 般的です。しかし調整後も患者さんが床下粘膜に痛. 0 9:3 5−1 0:3 5 総義歯装着時における調整の考え方. みを訴えることがしばしば見受けられます。このよ うな方法だけでは疼痛の原因と考えられる製作過程. 講師. 櫻井. 荻原委員. 薫. 1 0:3 5−1 1:3 5 総義歯調整の実際(臨床例と VTR). での様々な不備や誤差を調整しきれないのでしょう. 講師. 杉山哲也. か。粘膜面の調整と咬合面の調整といってもいった. 1 2:3 0−1 4:4 0 実習. 荻原委員. いどちらを先にまたどの程度調整するべきなので. 1 4:5 0−1 5:0 0 委員発表. しょうか。新義歯装着時の調整は義歯床粘膜面の調. 1 5:0 0−1 6:0 0 総義歯の初期設定とその後の調整. 整と人工歯咬合面の調整を総合的に行わなければ患. 講師. 石川委員. 田中五郎. 者さんが満足する義歯を装着することはできませ. 1 6:0 0−1 6:2 0 疑問に答える. ん。本セミナーでは,新製総義歯を口腔内に装着す. 1 6:2 0−1 6:3 0 総括. る際の調整方法について理論に基づいた合理的な調. 櫻井. 講師. 櫻井. 薫. 薫. はじめに. 整方法を紹介いたします。さらに臨床での具体的な 応用方法を解説し,実際についてビデオにて供覧い. 来院される無歯顎患者さんの義歯を見ると,①床. たします。実習では,基本的な義歯調整法を体験し. 外形が不適切で吸着が失われ②顎位が低位になり,. てもらうために咬合器に装着した総義歯模型を口腔. 前方に移動し,左側か右側に偏位していて③咬合面. 内に見立てて床の調整と咬合調整の具体的手順を習. が変形していわゆる機能咬頭が咬耗してアンチモン. 得していただきます。また,今回紹介する基本的な. ソンを呈している。こういった状態の患者さんに総. 総義歯調整法から発展させてより臨床的に義歯調整. 義歯を製作するときには,以上の状態をすべてキャ. の視点を広げてもらうための考え方や臨床応用例を. ンセルして義歯を製作しないと長期的に安定した義. キーワード:総義歯の初期設定,悪習癖のキャンセル, 顎位の補正 神奈川県 (2 0 0 7年2月9日受付) (2 0 0 7年3月8日受理) 別刷請求先:〒2 3 2 ‐ 0 0 2 1 横浜市南区真金町2−1 9−1 7 田中五郎. Itsuro TANAKA : TDC-Post-graduate Study Seminar2006. General Treatment and Techniques Required for Provision of Dental Care for Life. Guide to Prosthetics. A logical methodology for the fitting of complete dentures. (Kanagawa Prefecture). ― 1 ―.

(3) 3 7 6. 田中:合理的な総義歯調整法. 図1. 図2. 歯の製作は出来ない。そのためには,周囲筋を主と. する。咬合採得は,悪習癖をキャンセルするため. した口腔機能を阻害しない義歯形態を与える初期設. に,チンポイント変法にて誘導して行う。この位置. 定と顎位の補正を目的とした周囲筋のリハビリテー. は,まだ正確な顎位ではない,偏位していた顎位が. ションを可能とする義歯の調整が必要である。 (図1). 補正されるには,適正な義歯形態,咬合高径を与え. 製作手順は,治療用義歯の作製→リハビリテー. て,リハビリを行った後に獲得されていくので,こ. ションのための義歯調整→本義歯の製作と言う過程. の時点では,可能な範囲で補正した位置である。そ. をとる。特に治療用義歯を製作する為の初期設定と. して,人工歯の排列位置は,臼歯部では下顎の仮床. リハビリテーションの為の調整は重要で,この過程. の中央に排列し,上顎は下顎に対し正常咬合の排列. が良ければ本義歯の作製は,完成した治療用義歯を. を行う。この位置が舌と頬筋の筋力のバランスの取. コピーすればよいので簡単になる。. れたところであり,歯牙の萌出機序と一致する。こ うすることによって,周囲組織を阻害しない機能に. 総義歯作製の為の初期設定. マッチした形態の義歯となり,この後に行う顎位の. 床外形は,失われた歯牙および歯槽を回復する目 的で印象を行う,従来の考え方では残っている顎骨. リハビリテーションをスムースに行える治療用義歯 が完成する。(図2). に対してどのような形態を与えるかという印象で. 治療用義歯の装着時の調整. あったが,この方法では,顎堤吸収が進んだ現在の 高齢者には,人工歯の位置が内側に入りすぎてしま. 粘膜面に関しては,口腔内直接法でリライニング. い,舌の機能障害を惹起してしまうのと,義歯の安. を行い,適合を求め,オトガイ孔,骨鋭縁に対して. 定を損なってしまうので,対応が困難になってしま. はリリーフの目的で削合を行う。最終的な辺縁の調. う。そこで,現在の顎骨吸収の進んだ高齢者に対し. 整は,粘膜適合試験材を粘膜面だけでなく,研磨面. ては,口腔内の実質欠損に対応したスペースに義歯. にも適応し,「あ」「い」「う」「お」の発音や,大開. をマッチさせる方法が望ましい。. 口,舌の突出,嚥下動作をしていただきながら調整. このような目的で印象を行う場合,頬側の歯槽の. を行う。咬合に関しては,誘導(チンポイント変法). 実質欠損をどう読むかが重要となる。筆者は下顎の. によるタッピング,患者さんによるタッピング,側. 外斜線を基準に上顎の義歯の幅径を設定する。模型. 方運動,前後運動の順に分けて行う。与える咬合. を確認すると,印象面は正中から左右対称な形態. は,顎位の補正を前提にしているので,下顎のズレ. で,上下顎の大きさはわずかに上顎が小さい程度と. に対して疼痛の発現を極力避けるために,咬合面の. なる。仮床は,実質欠損の大きいところは,それを. 摩擦が少ない,上顎の機能咬頭を重視した両側性平. 補うために厚くし,実質欠損の小さいところは薄く. 衡咬合とする。(図3). ― 2 ―.

(4) 歯科学報. Vol.1 0 7,No.4(2 0 0 7). 3 7 7. 図4. 図3. 治療用義歯を用いた顎位のリハビリテーション 周囲組織の機能にマッチした治療用義歯が使われ ることによって,咀嚼筋や口輪筋,頬筋などがリハ ビリされて,下顎の位置が補正されてくる。それに 伴い,上顎,下顎,それぞれの義歯の吸着が弱く なったり,早期接触による疼痛が起こったり,側方 前後運動時のガイドの不調和による疼痛が発現す る。また,周囲の筋肉が活性化することにより,義 歯の外形が合わなくなってくることもあるので,顎 位がどの方向に動いたか,どの筋肉がどのように働. 図5. きはじめたかをよく観察し,吸着が弱くなった原因 や,疼痛の原因を突き止める必要がある。痛みがあ るところを闇雲に削合してしまうことだけは,悪習 癖を再び惹起することになるので是非とも避けた い。早期接触の疼痛であれば,咬合紙による抜けの 状態と咬合面についた滑走の状態,粘膜面の疼痛部 位と義歯粘膜面の疼痛点の位置で,下顎の動いた方 向と義歯の動きが読めるので,その義歯の動きを止 める調整を行えば,粘膜面の削合を行うことなく疼 痛をなくすことが可能で,顎位の補正も出来る。 (図 4,5). 本義歯の作製と装着 図6. 顎位の補正が出来て,治療用義歯が安定したとこ ろで,本義歯へと移行する。治療用義歯を用いて印 象,咬合採得を行い,治療用義歯を参考に人工歯排. 用している) 。装着は粘膜面から行い,適合を確か. 列を行い本義歯を作製する。重合は出来るだけ変形. めて上下顎が吸着していることを確認したら,再. の少ない重合法を用いる(筆者は DS システムを使. 度,咬合採得を行い,咬合器上で咬合調整を行う,. ― 3 ―.

(5) 3 7 8. 田中:合理的な総義歯調整法. どんな重合法を用いても人工歯の少しのズレは避け. 機能が万全であれば,義歯を道具として使いこなせ. られないのでそれを補正する為に咬合器上で調整を. るかもしれない,しかし,周囲組織の機能に障害が. することをお勧めする。この後口腔内で調整を行う. 出た場合,その義歯は道具ではなくなり,異物でし. が,このときの調整は,タッピングの調整は咬合器. か無い。機能にマッチした義歯であれば,例え周囲. 上で済んでいるので,側方運動,前後運動の調整を. 組織の機能に障害が出てもその義歯は,機能障害を. 重点的に行い,両側性平行咬合を与える。このよう. 補う装具となり身体の一部として機能する。総義歯. にして装着した義歯は,治療用義歯で顎位の補正が. を製作する上でこのことを忘れることなく,義歯製. 終了しているので,長期的に安定で装着後の疼痛も. 作をしていきたいと考える。. 骨鋭縁などの部位の少量で済む。(図6) 文. おわりに 2 0 0 6年の卒研のテーマである,「総合治療. 必要. な技術とライフステージに対応した歯科医療」とい うことで総義歯を考えると,今使える義歯を作れば 良いと言うことではなく,加齢に伴い機能低下した 状態でも使える義歯を作らなければならないと考え る。機能にマッチしていない義歯でも,周囲組織の. ― 4 ―. 献. 1)加藤武彦:治療用義歯を応用した総義歯の臨床,医歯薬 出版株式会社,東京,2 0 0 2. 2)阿部二郎:誰 に で も で き る 下 顎 総 義 歯 の 吸 着,(株) ヒョーロン,東京,2 0 0 5. 3)櫻井 薫:臨床を行ううえで知りたかったこと〈総義歯 編〉 ,(株) 末永書店,東京,2 0 0 5. 4)田中五郎,飼馬祥頼,三木逸郎,堤 嵩詞:総義歯には 機能にマッチした形がある,Dental Diamond 12月号,24∼ 5 0,2 0 0 6..

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