ウェットエッチングにおける感光性樹脂の密着度評
価
著者
幡手 泰雄, 戸井田 剛, 上村 芳三, 吉澤 秀和, 小
野 輝生
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
36
ページ
101-106
別言語のタイトル
Adhesion strength of Photo-resist in
Photoetching Process
ウェットエッチングにおける感光性樹脂の密着度評
価
著者
幡手 泰雄, 戸井田 剛, 上村 芳三, 吉澤 秀和, 小
野 輝生
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
36
ページ
101-106
別言語のタイトル
Adhesion strength of Photo-resist in
Photoetching Process
洞 蝋
幡 手 泰 雄 ・ 戸 井 田 剛 ・ 上 村 芳 三 ・
吉 津 秀 和 ・ 小 野 輝 生 *
(受理平成6年5月31日)AdhesionstrengthofPhoto-resistinPhotoetchingProcess
YasuoHATATE,GoTOIDA,YoshimitsuUEMURA,
HidekazuYOSRTZAWAandTeruoONOA
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⑤現像処理 ⑥硬膜処理・
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R 緒 言 】 一加工素材 現在,産業界において製品にはコンパクト化が求め られると同時に,高性能であり,より多くの機能を備 えていることが要求されている。それを実現した金属 の微細加工技術として,「フォトファブリケーション」 がある。これはFig.lのように,加工素材である金 属表面に,紫外線によって架橋したレジストの画像を 形成して,露出している金属部分を腐食反応で加工する技術')である。しかし,この技術にも限界があり,
その限界はフォトレジストの解像度に依存している。 そこで更に高い解像度を得るには,より密着'性の高い フォトレジストが必要となる。 フオトファブリケーションに使用するフォトレジス トとして,油溶性のものと水溶‘性のものがある。水溶性フォトレジストは,Fig.2に示すように紫外線の
照射によって,6価のクロムイオンが還元し3価になっウェツトエツチングにおける感光性樹脂の密着度評価
﹄︾恥.一︾ ⑩ 製 品 検 査 Fig.1フォトフアプリケーションによるjII-rT稗/露光用原版
一フォトレジスト ー加工素材 | ’ ’ ’ 一 レ ジ ス ト 牒 醜 一一..∼1−加工素材中 炉 一レジスト脇誰 一加工素材 一 加 工 素 材 W | ↓ ’ * 株 式 会 社 湖 上 ミ ク ロ 曹燕蕊零議聯嬢 固■園「 − 1ノ-.1i←聖、 102 拡大 Tablel加工素材の化学組成 R O I
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| I O R 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 6 号 ( 1 9 9 4 ) 十 C r 6 十 42③
一 鐸 ストピースを鞭x横に 計4811リノi胃図の棟にパタ 像した金属坂を用意し の様にひとつずつ切っ(水溶性フオトレジ壬_り(2i7ム竺竺)
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Ⅱ I O R Fig.2光架橘反応 たことで水溶性高分子が架橋反応2)を起こし,金属表 面に水に不溶なしジスト膜の画像を形成する。この水 溶性フォトレジストは,古くから知られ広い分野で使 用されているが,油溶性フォトレジストに比べ開発が 遅れている。 そこで本研究では,より密着性の高い水溶性フォト レジストを開発するために次の様に研究を進めた。現 在,フォトレジストの密着度を測定する方法がないた め,レジストの密着度の測定方法を確立し,現在市販 されている水溶性フォトレジストの密着度を評価した。 【 実 験 】 〔1〕密着度評価方法の確性実験 1 . 1 供 試 材 今回実験に使用した金属材料は,LSIなどに使われ ている42%ニッケル/鉄合金(厚さ150伽)である。 その化学組成を,Tablelに示す。また,塗布した水 溶性フォトレジストは,諸星インクのMR−SMGと いうカゼインである。架橋したカゼインを被覆し,Fig,3のように1mm間隔に3mm角のレジストを縦10個
*横10個,計100個パターン現像したものをテストピー スとして使用した。処理条件である露光時間・硬膜処 理濃度・ポストベーク温度をいろいろ振ったこのテス トピースは,㈱洲上ミクロの方で用意して頂いた。 1.2密着度評価の実験方法Fig・4のようにして,次の手順で密着度評価を行っ
た。己百百百百百図の様にひとつずつ切って使
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Fig.4密着度評価方法 一一 b囲厘函図画厘匝EF 且■■■目■■■■固 固■■■因■■■■圃 画■■■■■■■■図 画■■■■■■■■園 圏■■■■■■■■回 国■■■■■■■■周 回■■■画■■■■固 圏■■■固■■■■図 ヨヨ四四四日四囲困団 ← udi画園■」Jm,
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-10行 ー 一 、 ノ 、r 10列 Fig.3密着度評価に使用したテストピース4竺>
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一画一ヒニニニニニニ
加工素判 組成 wt% 42%ニッケル/鉄合金 C 0.015 Si 0.3 Mn 0.8 Ni A1 0−1 Fe 56.7851 Fig.5浸漬・引き上げ型レジスト塗布装置 ①一定濃度・一定温度の塩酸中に漬ける。 ②所定時間経った後,蒸留水中で水洗する。 ③軽く水をきった後,ドライヤーの風で乾燥させる。 ④テストピースの表面に空気が入らないよう粘着テー プを貼り,棒でそのテープを巻き取る。 密着度は,剥がれたレジストの枚数(剥離率)とテ ストピースを塩酸につけていた時間の関係から評価し た。つまり,所定枚数レジストが剥がれるために塩酸 中につけておく時間が長くなれば,それだけ密着度が 高くなったと評価した。 1.2.1密着度評価に及ぼす溶液条件の影響 テストピースが一定条件で処理され密着度が均一で あったとしても,溶液条件の違いで密着度評価に違い が生じるようでは正しい評価ができない。よって,密 着度評価に及ぼす溶液条件の影響を見るため,処理条 件を露光時間150Count,硬膜処理濃度3Wt%,ポス トベーク温度400℃一定(以後,標準条件とする)と したテストピースを用い,溶液である塩酸の濃度と温 度の条件を振って密着度評価を行った。溶液濃度の条 件は,温度を20℃と一定にし,濃度を0.5N,1N,3N, 5N,8Nと振った。また溶液温度の条件は,濃度を 0.5Nと一定にし,温度を10℃,20℃,30℃と振った。 1.2.2密着度評価に及ぼす処理条件の影響 1.2.1の結果と操作上の点から,溶液条件を0.5N, 20℃と一定にした。今まで使用したテストピースは, 標準条件で処理していたが,この処理条件を変えれば, 密着度が落ちたりあるいは良くなることが考えられる。 従って,この密着度評価方法で,この処理条件の変化 が評価できれば,水溶'性フォトレジストの密着度評価 が確立できる。よって,密着度評価に及ぼす処理条件 の影響を見るため,標準条件を基準にして,露光時間・ 硬膜処理濃度・ポストベーク温度の条件をTable2 のように振ったテストピースを用い,密着度評価を行っ た。 〔2〕実験室レベルの塗布装置による塗布実験 2.1塗布装置 実験室に暗室を設置し,その中で市販の水溶性フォ トレジストを塗布するために,Fig.5に示したよう なプレベーク処理まで行える浸潰・引き上げ型のレジ スト塗布装置を製作した。 ①オリエンタルモーター製のリニアヘッドを付けたス ピードコントロールモーター ②42%ニッケル/鉄合金の板(150mm*100mm) ③レジスト槽(1.34) ④温度計 ⑤通風孔 ⑥ドライヤー ⑦金属板の出し入れをするための窓 ③金属板の上下移動と,乾燥BOX内の熱によってレ ジストが劣化しないための窓 2.2塗布実験方法 モーター①によって,前処理で脱脂等をしてある42 %ニッケル/鉄合金の板②をMR−SMGの入ったレ ジスト槽③に浸漬・引き上げし,フォトレジストを塗 布した。引き上げると同時に,⑥にセットしたドライ ヤーによって所定温度まで上げられた乾燥BOX内で, プレベークを行った。露光には,400Wの高圧水銀灯 Table2テストピースの処理条件
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1 3 H 1 3 3 3 4 3 5 3 ⑤露
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3 11 7 3 3幡手・戸井田・上村・吉津・小野:ウェットエッチングにおける感光'性樹脂の密着度評価103
7 一 二 l ‐ § 3 L " 9-ざ,!←
5−帳=両
3 、 ⑥ 3 3 ③ L 。 シ ー ト NC 10 11 13 14 15 露 光 時 間 (Count) 80 120 150 200 300 150 150 150 150 150 150 150 150 150 150 硬 膜 濃 度 <wt%〉 ポ ス ト ペ ク 温 度 ’Ey,、 LLタノ 400 400 100 400 400 400 400 400 400 400 100 300 400 560104 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 6 号 ( 1 9 9 4 ) を,ポストベークには電気炉を用いた。上記のテスト ピースのようにパターン現像することが困難なため, 表面にカッターで3mm間隔に格子状の傷をつけること によって,上のテストピースと同じように3mm角のレ ジストを縦10個*横10個,計100個あるテストピース を作った。そして,上記の密着度評価を行った。塗布 実験の処理条件は,Table、3に示す。 ③市販の水溶性フオトレジストの密着度評価 市販の水溶性フオトレジストを,カゼイン4種類と PVA3種類用意した。それらを上記と同様に実験室 で塗布し,密着度評価を行った。処理条件は,Table、 4に示す。 Table3塗布実験の処理条件 調合比レジスト(、l) 蒸留水(、、) 重クロム酸アンモニウム(9) 粘度(mPa.s) 引き上げ速度(cm/min) プレベーク温度(℃) 露光照度(mw/c、) 時間(min) 硬膜濃度(wt%) ポストベーク温度(℃) MR−SMG(諸星インク) 1回目 1 0.4 12.5 25 85 65∼75 5±0.2 13 3 220 2回目 ← ← ← ← ← 16 ← ← 3回目 ← ← ← ← ← 30 ← ← 【 結 果 】 、〕密着度評価方法の確性実験 1.1密着度評価に及ぼす溶液条件の影響 密着度評価に及ぼす溶液濃度・温度の影響を調べた 結果が,各々Fig.6,7に示してある。 濃度が高くなるにつれ剥離し始める時間(以後,剥 離開始点とする)は早くなるが,ある濃度を越えると 剥離開始点は遅くなった。これは,発生した水素がテ ストピースの金属露出部分に多量に付着し始めたため, 塩酸の進行が妨げられたためと思われる。 また温度が高くなるにつれ剥離開始点は早くなるし, 剥離し終わるまでにかかる時間が短くなった。 1.2密着度評価に及ぼす処理条件の影響 Fig.8に,密着度評価に及ぼす露光時間の影響を 調べた結果を示す。 露光時間が長くなれば,それだけ剥離開始点は遅く なり,密着度は増したと評価できる。これは,紫外線 の照射によって光架橋反応が進み,密着度が増したた めと考えられる。 Fig.9に,密着度評価に及ぼす硬膜処理濃度の影 響を調べた結果を示す。 硬膜処理濃度が高くなれば,それだけ剥離開始点が 遅くなり,密着度は増したと評価できる。これは,重 クロム酸水溶液によってテストピース上の未反応であ るレジストの架橋反応が進められ,密着度が増したた めと考えられる。 Fig.10に,密着度評価に及ぼすポストベーク温度 Table4市販の水溶性フォトレジスト処理条件 調合比レジスト(n,2) 蒸留水(、l) 重クロム酸アンモニウム(9) 粘度(mPa。s) 引き上げ速度(c、/min) プレベーク温度(℃) 露光照度(mw/c、) 時間(min) 硬膜濃度(wt%) ポストベーク温度(℃) 富士薬品工業㈱ FR−15 700 250 70 25 85 60∼70 5±0.2 30 10 190 FR−16 700 270 70 25 85 60∼70 5士0.2 30 10 190 FR−17 700 270 70 25 85 60∼70 5士0.2 30 10 190 ウ エ ノ ㈱ コンジスト1000 700 200 7 25 85 60∼70 5士0.2 40 7 220 コンジストB 500 350 18 25 85 55∼60 5±0.2 40 5 150 ユニオン化学工業㈱ PG-15 400 700 4 25 85 55∼60 5±0.2 35 4 190
幡手・戸井田・上村・吉津・小野:ウエットエッチングにおける感光‘性樹脂の密着度評価10う 2 ー 4 6 8 1 0 1 2 〃 3 6 − 3 8
側釦帥仙別0
[ま]糾謎霧 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.7密着度に及ぼす溶液温度の影響伽切帥仙
[ま]冊諜房00
2 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.6密着度に及ぼす溶液濃度の影響 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.9密着度に及ぼす硬膜処理濃度の影響 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.8密着度に及ぼす露光時間の影響 1 2 − 1 4 1 6 1 8 2 0 2 2側釦印仙加
[ま]冊謎禰側聞帥仙加0
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○ な し △100℃ □300℃ ●400℃ ▲560℃ト
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着度評価を行った。その結果を,Fig.11に示す。 露光時間が長くなれば,それだけ剥離開始点が遅く なった。また,剥離開始点から剥離し終わる点までの 軌跡が,上の処理条件の密着度への影響で得られた結 果に似ていた。 ③市販の水溶性フォトレジストの密着度評価 実験室の塗布装置を用いて,市販の水溶性フォトレ ジストを塗布し,密着度を評価した。その結果を,99
側釦佃佃加0
[ま]緋溌薦 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.10密着度に及ぼすポストベーク温度の影響 の影響を調べた結果を示す。 ポストベーク温度が上がれば,それだけ剥離開始点 は遅くなり,密着度は増したと評価できる。これは, 架橋反応が熱によって進められ,密着度が増したため と考えられる。 ② 実 験 室 レ ベ ル の 塗 布 装 置 に よ る 塗 布 テ ス ト 実験室の塗布装置を用いて塗布したテストピースは, 均一にレジストが塗布されているか検討するため,密伽釦閃㈹別0
[ま]餅諜祷 塩酸に漬けておく時間[min] Fig.11塗布装置による塗布実験の密着性評価↓
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