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環境負荷低減への取組 鋼製橋りょうの塗替えにおける

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Academic year: 2022

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(1)

鋼製橋りょうの塗替えにおける 環境負荷低減への取組

東京地下鉄株式会社 鉄道本部 工務部

土木工事所 土木第一課 柳沢 有一郎

東京都環境局主催

平成27年度リスクコニュニケーションセミナー (平成28311日)

(2)

みんなでECO.ー3つのテーマ

長期環境戦略

沿線地域 とエコ

沿線地域とともに 環境保全活動を活性化

東京メトロを 使ってエコ

より多くのお客様に ご利用いただくことで

環境負荷を低減

東京メトロ 自らのエコ化

自社による 環境負荷を低減

お客様

東京メトロ × 東京メトロ × 沿線地域

東京メトロ

【2020年に目指す姿】

首都東京の都市機能を支える事業展開を通じ、東京の環境負荷の低減と、魅力と 活力あふれる東京の実現に貢献

東京メトログループ 長期環境戦略「

東京メトログループ長期環境戦略「みんなでECO.」

取組みイメージ

1

(3)

環境に配慮した車両の導入や駅設備の省エネルギー化などにより、CO2排出量を削 減し、地球温暖化防止に努めています。

1.地球温暖化防止

駅の構内や車両に さまざまな種類の 省エネルギー設備が 導入されています

2

(4)

車両の省エネルギー化

列車の運行に使用する電力は東京メトロ全体の

50%以上を占めており、この電力使用を削減するた めに、エネルギー効率に優れた車両の導入を進めて います。

平成26年度末現在、東京メトロが運用する車両は、

すべて省エネルギーに配慮した車両となっています。

平成24年4月に運行開始した 最新の環境配慮型車両・銀座線1000系車両

半蔵門線を運行した クールビズトレインの車内

地中熱利用空調システムの導入

地中の温度は年間を通して、その土地の平均気温程 度でほぼ一定という特徴があり、これを冷暖房の熱 源として利用し、省エネルギー化を図るものです。

また、夏季は地中に排熱するため、都心部でみられ るヒートアイランド現象の緩和にも貢献します。

平成26年度に中野車両基地に導入され、今年度は 総合研修センター(仮称)に導入される予定です。

地中熱利用空調システムイメージ図

3

(5)

(左上)LED照明

(右上)LEDを用いた車内照明

(左下)LED内照式サインシステム

(右下)LEDを用いた駅出入口シンボルマーク(ハートM)

(左上)妙典駅の太陽光発電システム

(上)太陽光発電システムの整備状況(黄色は稼働中、白色は導入予定)

太陽光発電システムの導入

地上駅のホーム屋根に太陽光発電パネルを設 置し、発電した電力をエレベーター・エスカ レータ等の動力や駅照明に使用しています。

東西線では地上駅の8駅すべてに導入され、

合算出力が1メガワットを超えました。

LED照明の導入

さらなる省エネルギー化を目指し、駅構内や 車両内の照明などに、従来の蛍光灯に代わり LED照明を導入しています。

また、各駅の案内看板や広告看板もLED内照 式のものを順次導入しています。

4

(6)

乗車券のリサイクル

お客様にご使用いただく乗車券を、紙製はトイ レットペーパーに、定期券やカードなどのプラ スチック製は固形燃料にリサイクルしています。

車両の再利用(リユース)

車両更新に伴い、各路線で活躍した旧型車両が 国内外のさまざまな鉄道で再利用されています。

車両自動洗浄機での水の再利用

検車区において、車両及び台車の洗浄に使う 洗浄水を再利用しています。

乗車券をリサイクルしたトイレットペーパー

車両自動洗浄機 インドネシアで活躍する7000系車両

2.廃棄物・資源消費の削減

5

(7)

防振まくらぎの敷設

まくらぎとコンクリート道床の間に ゴム製の弾性材を入れることで、列車 走行時に発生する振動が周囲に伝わる のを軽減することができます。

摩擦調整剤噴射装置の導入

カーブでのレールと車輪の接触による騒音や摩耗の 発生などを低減するため、列車の運行状態に合わせ て摩擦調整剤をレールに噴射し、摩擦状態をコント ロールする車上装置を実用化しています。

防振まくらぎの一般断面図

摩擦調整剤の噴射の様子

3.騒音・振動の低減

有害物質の適正管理・適正処理

PCB廃棄物の適正処理、アスベストの除去、代替フロンへの更新、大気汚染防止 など

4.環境汚染の予防

6

(8)

「海の森」植樹等への参加

東京都が主催する「海の森」植樹活動等に ボランティ アで参加。

環境教育の実施

社内の環境担当者や新入社員をはじめ、多くの社員に 環境保全に関する意識の浸透を図っています。

「海の森」での植樹

5.環境意識の啓発

7

(9)

鋼製橋りょうの塗替えについて

(10)

東京地下鉄の構造物について

種別 延長

トンネル 166.7 km

橋りょう 5.1 km

高架 17.4 km

その他(盛土・切土等) 6.7 km

合計 195.9 km

9

(橋りょうの内、鋼製橋りょうは4.8km

(11)

塗料は塗装されて塗膜を形成することにより、鋼材の腐食因子である水、酸素、塩化物イオ ン、酸性雨などを遮断する。これにより鋼材は腐食することなく、適切な時期に塗替えを実施す ることで長期間に渡って橋の機能を維持することができる。 (「鋼道路橋塗装・防食便覧」より)

鋼構造物における二大変状 ・疲労き裂

・腐食 ⇒ 腐食に対する防食方法の 一つとして「塗装」がある。

鋼製橋りょうの塗替えの必要性

塗装中の橋りょうの様子

10

(12)

東京メトロにおける塗装の概要

・塗替え周期

・数量 毎年 約10,000㎡~30,000㎡

全体 約290,000㎡

(定期的な塗替えが

必要な橋りょう数は90 )

周期 適用

10年 海岸沿い

11年 河川部

12年 上記以外

・標準仕様

(下塗り)弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料 (中塗り)弱溶剤形ポリウレタン樹脂塗料用 (上塗り)弱溶剤形ポリウレタン樹脂塗料

①ケレン

②補修塗

③下塗

⑤上塗

④中塗

塗装順序

11

(13)

~昭和50年

昭和60年代 平成初期 平成10年代 平成20年代

鉛丹さび止め・フタル酸樹脂塗料 鉛系さび止め・フタル酸樹脂塗料 鉛系さび止め・塩化ゴム系樹脂塗料 強溶剤形エポキシ・ウレタン樹脂塗料 弱溶剤形エポキシ・ウレタン樹脂塗料

水性塗料

使用塗料の変遷

~昭和50年 代まで

平成7年~

平成10年代まで

平成17年~

昭和60年代~

平成7年まで

平成19年~

~昭和60年代まで

12

(14)

使用塗料について

使用年代 昭和50年代まで 昭和60年代まで 昭和60年代~平成7年まで

塗料種別 鉛丹さび止めペイント 鉛系塗料 塩化ゴム系樹脂塗料

下塗り 鉛丹さび止めペイント 鉛系さび止めペイント ・合成樹脂さび止めペイント

・フェノール樹脂MIO塗料

中塗り フタル酸樹脂 フタル酸樹脂 塩化ゴム系樹脂

上塗り フタル酸樹脂 フタル酸樹脂 塩化ゴム系樹脂

13

(15)

塗装方法の変遷

使用年代 平成7年~平成10年代まで 平成17年以降 平成19年以降

塗料種別 強溶剤形エポキシ

/ウレタン樹脂塗料

弱溶剤形エポキシ

/ウレタン樹脂塗料 水性

下塗り 変性エポキシ樹脂 変性エポキシ樹脂 変性エポキシ樹脂

中塗り ポリウレタン樹脂用 ポリウレタン樹脂用 水性ウレタン樹脂

上塗り ポリウレタン樹脂 ポリウレタン樹脂 水性ウレタン樹脂

14

現在適用塗装

(16)

一部の橋りょうにおいて塗替え後に、割れ・はく離が発生した。

塗料検討の経緯(割れ・はく離の発生)

15

(17)

(下塗り)鉛系さび止めペイント、(中塗り)フタル樹脂、(上塗り)フタル酸 樹脂

変性エポキシ樹脂下塗、ポリウレタン樹脂塗料用中塗、ポリウレタン樹 脂塗料上塗に変更。しかし、塗料の希釈材の主成分がトルエンやキシレ ンなど臭いの強い『強溶剤』形の塗料を使用していた。

黒皮素地に、(下塗り)鉛丹さび止めペイント、(中塗り)長油性フタル酸 樹脂ペイント、(上塗り)長油性フタル酸樹脂ペイントが施されていた。

塗料検討の経緯(割れ・はく離箇所の塗替えの状況)

建設時 塗替え 塗替え

(2回目)

飛来塩分等の影響が想定される箇所では、昭和60年代から、中塗・上 塗に塩化ゴム系塗料を使用。

塗替え

(3回目)

塗替えにより塗 膜が厚くなる。

3回の塗替え で塗膜厚が 700μm

~900μm程度。

※ 第3種ケレン相当にて実施 16

(18)

塗膜断面図(例1)

17

塗料検討の経緯(割れ・はく離箇所の重ね塗りの状況)

(19)

塗膜断面図 (例2)

18

塗料検討の経緯(割れ・はく離箇所の重ね塗りの状況)

(20)

原因として次のことが考えられる。

・塗替えに伴う乾燥収縮による内部応力の蓄積により、旧塗膜と鉄素地との界面付着性 の低下や過大膜厚となった旧塗膜の割れなどの異常劣化。

・塗膜劣化が進んでいる旧塗膜の上に、溶解力の強い溶剤を有する塗料を塗りつけたこ とにより、溶剤が旧塗膜内へ浸透し、旧塗膜の膨潤が起こり、素地界面や旧塗膜層間の 付着性を下げるとともに、面方向への応力が発生し、塗膜の割れ、はがれを促進。

(鉄道総合技術研究所 鋼構造物塗装設計施工指針 2005年 より引用)

塗料検討の経緯(割れ・はく離の原因)

19

(21)

剥離の問題とともに環境対策面も考慮し、「弱溶剤形塗料」に移行し、

標準仕様を

(下塗り)弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料

(中塗り)弱溶剤形ポリウレタン樹脂塗料用

(下塗り)弱溶剤形ポリウレタン樹脂塗料

とした。

塗料検討の経緯(標準仕様)

☞ その後も引き続き環境負荷低減塗装の検討を行っていった。

20

(22)

(試験塗装箇所)

東 西 線

南砂町・西葛西間 新砂高架橋鋼製橋脚

平成19年施工 4脚(8本)に対し実施 環境負荷低減に向けて(試験塗装の実施)

海側 山側

21

塗 装範 囲

(23)

A橋脚 標準仕様

(海側・山側共通)

B橋脚 C橋脚 D橋脚

①(海側) ②(山側) ①(海側) ②(山側) ①(海側) ②(山側)

1層目 変性エポキシ樹脂 塗料補修塗

変性エポキシ樹 脂塗料下塗

変性エポキシ樹 脂塗料下塗

水性エポキシ樹 脂塗料用下塗

低溶剤弱溶剤 型厚膜型変性 エポキシ樹脂塗 料下塗

変性エポキシ樹 脂塗料下塗

水性エポキシ樹 脂塗料用下塗

2層目 変性エポキシ樹脂 塗料下塗

変性エポキシ樹 脂塗料下塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

水性エポキシ樹

脂塗料用下塗 水性エポキシ樹

脂塗料用下塗

3層目 エポキシ樹脂塗料 中塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

水性エポキシ樹 脂塗料用中塗

4層目 ポリウレタン樹脂塗 料上塗

水性ウレタン樹 脂塗料上塗

水性ウレタン樹 脂塗料上塗

水素ふっ素樹 脂塗料上塗

低溶剤弱溶剤型 シリコン変性エポ キシ樹脂下塗上 塗兼用塗装

水性ウレタン樹 脂塗料上塗

水性ウレタン樹 脂塗料上塗

備考 鉄道総研指針

ECO-7仕様】

鋼製橋脚3脚に対し試験塗装を実施。

環境負荷低減に向けて(試験塗装の実施)

22

(24)

塗料メーカー3社と合同で追跡調査を行った(塗装後約1、2、8年経過時点)。

試験項目

膜厚 付着性(テープ付着試験)

光沢 付着性(引張付着試験)

環境負荷低減に向けて(追跡調査)

剥離 状態 評価点

50はく離%以上

引張付着力の評価点

評価点 引張付着力(Mpa

0 2.0X

1 1.0X<2.0

2 0<X<1.0

3 X=0

23

(25)

調査結果(膜厚)

24

(26)

調査結果(光沢)

25

(27)

調査結果(付着性)

引張付着試験(評価点) テープ付着試験(評価点)

測点① 測点② 測点① 測点②

A橋脚

海側 2

(平均値0.6Mp

(平均値1.0Mp 0 2

山側 1

(平均値1.0Mp

(平均値1.5Mp 2 2

B橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

C橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

D橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

注)約8年経過後の結果

26

(28)

調査結果(付着性)

引張付着試験(評価点) テープ付着試験(評価点)

測点① 測点② 測点① 測点②

A橋脚

海側 2

(平均値0.6Mp

(平均値1.0Mp 0 2

山側 1

(平均値1.0Mp

(平均値1.5Mp 2 2

B橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

C橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

D橋脚 海側 0 0 0 0

山側 0 0 0 0

注)約8年経過後の結果

テープ付着試験 評価値「2」の例

テープ付着試験 評価値「0」の例

27

(29)

・膜厚測定では、大きな変化はなく、問題のない状態であった。

・光沢度測定では、全体的に光沢の低下が見られた。また、今回の調査では、標準仕 様よりも水性系塗料の方が光沢保持率が高かった。特に、水性ふっ素樹脂塗料は、光 沢保持率が初期値に近い数値を維持していた。

・引張付着試験、テープ付着試験では、標準仕様に付着力の低下が見られた。これは 標準仕様が3種ケレン、それ以外は2種ケレンの差によるところもあるが、今回の調査 では水性系塗料に付着力の低下は見られなかった。

・全体としては、さび・はがれ・割れの発生は見られず、良好な状態であった。

追跡調査のまとめ

28

(30)

「鋼構造物塗装設計施工指針」に則り、ECO1-7塗装系を本格的に実施した。

日 比 谷 線

(東急東横線中目黒・祐天寺)

蛇崩川橋りょう 平成20年施工

約1,350㎡

(食品工場に近接)

水性塗料の適用例①

29

(31)

ECO1-7塗装系

水性塗料の使用例②

東 西 線

西葛西駅~葛西駅間 新田第二架道橋

平成20年施工 約2,189㎡

(住居に近接)

30

(32)

水性塗料の使用例③

銀座線 渋谷駅構内 大和田架道橋 平成27年施工 約2,365㎡

(密閉空間での施工) 31

(33)

環境負荷低減塗装への切り替え状況

32

強溶剤形 or 鉛系

環境負荷 低減塗装

92%

水性塗装 2%

☞ほぼ環境負荷低減塗装に切り替え

環境負荷の削減効果(弊社試算)

弱溶剤形塗料 水性塗料

環境負荷

削減率 26% 52%

環境負荷低減塗装

残り

(旧塗装のまま)

弱溶剤形 水性

適用割合 90% 2% 8%

※ 適用割合:全鋼製橋りょうの塗替え必要面積に対す る、環境負荷低減塗装適用面積の割合。

(34)

塗料の適用性比較

☞ 弱溶剤形塗料の使用を標準としつつ、水性塗料の経年状態も踏まえ、

施工条件に応じて使い分けていく。

弱溶剤形塗料 水性塗料

密着性 ○ ○

速乾性

(湿潤条件での施工) ○ △

密閉空間での作業性 △ ○

環境負荷削減効果 ○ ◎

耐久性 ○ (調査中)

33

(35)

最後に

東京地下鉄㈱では、橋りょうの健全性を維持し続けることはもとより、より環境面に配慮した 塗装方法を模索しつつ、継続的に塗装を行ってまいります。

塗装工事に対して、今後ともご理解・ご協力下さいますようお願い申し上げます。

東京地下鉄株式会社

34

ご清聴ありがとうございました

参照

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