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<論説>アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立--連邦裁判官に対する情報提出命令をめぐって

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(1)アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立. アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立 一一連邦裁判官に対する情報提出命令をめぐって一一. 屋. 孝. 土. 次. はむめに. 連 邦 最 高 裁 判 所 が 司 法 審 査 髄 度 を 確 立 し た Marburyv .Madison,5. U . S .1 3 7( 18 0 3 )か 1 2 >2 0 0年,連邦議会と司法部との対立が続いている(1)。近 時,政府の両部門の緊張関係は,連邦議会が個々の裁判官の司法活動を対 象とした調査を行い,量刑,あるいは訴訟手続 i こ関する清報の提出を要求 する事で頂点に達した。司法部全体ではなく,調々の裁判官を直接対象と する議会調査は,弾劾調査の脈絡を除いては前例がない。しかし,連邦議 会は,裁判手続,量刑手続,司法管轄権,司法部の組織・員数,司法行政 組織の整備,司法予算などの事項を含む幅広い立法権を保持しており,憲 法が付与した立法権謀を実効的なものとするため,司法部の全活動を対象 とする謁査権最が存在していると主張するのである O これに対して,憲法起草者によって「もっとも危険のない部門 j儲と呼ば ( 1 ) S e e Todd David P eterson,Congressional I n v e s t i g a t i o n so fF e d e r a l Judges,9 0 IowaL .R e v . 1( 2 0 0 4 ) . 連邦議会む矛先は, 1 9 5 0年代,印年代の ように最高裁判所ではなく,下級裁判所の一部で見られるリベラル積極主義で ,ある。 N ealDevins,Essay:Shouldt h eSupremeCourtFearCongress?,. 9 0 Minn. L .R e v .1 3 3 7,1 3 4 8 4 9( 2 0 0 6 ) . ( 2 ) AlexanderHamilton,The F e d e r a l i s t No. 7 8 .a t .469 C C l i n t o nR o s s i -ノ.

(2) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻第 3号. れた連邦司法部に辻,合衆国憲法上司法権の独立が保揮されている O 異体 的i こは,連邦裁判官は終身在期制であり,在任中報酬の減額を受けない. ( 第 3条 l箆)。このような憲法上の身分保瞳 i こより,各裁判官は,連邦議 会,行政部,有権者,そして上級裁判所あるいは属する裁判所,同僚裁判 こ対抗する事ができ,公正に司法権を行使できるので 官からの圧力,報復 i ある O 敷対的な議会調査は,裁判官に情報提出に関する重斉を負わせ,. 日々マ. スメディアにさらされることで精神的な負担を強いる O また,証言拒否 は,議会侮辱娃罰法による刑事罰の対象であり,最終的 i こは弾劾罷免事出 となる危険性がある O このため, このような議会調査自体が司法活動に対 する萎縮効果を導くものと批判されるのである。実際,保守派と目されて いたオコーナー前最高裁判事も,近時の連邦議会による圧力に言及し,可 法権の独立の保障がなければ「憲法は無意味なものとなる」と警告してい るのである的。 さて,個々の訴訟に対する議会調査辻,わが国において浦和事件〔昭和. 2 4年)として知られる事件を想起させる。浦和事件では,参議院が親子心 中事件の被告人に執行猶予っき有罪判決を下した地裁の判断に疑問を持 ち,当該訴訟の批判を目的として爵致調査権を行使していた汽参議院と 最高裁判所が全面的に対決するという異例の事件が提起した憲法問題につ いて,通説的晃解は,円、やしくも議読もしくはその委員会が裁判の内容と くに事実の認定・剤の量定等を調査・批特することは,判決確定の前後を. 、. t e r,ed 1 9 61 ) . ( 3 ) J u s t i c e O'Connor Speaks Out,Third Branch Vol .3 8,Number 5 t t p : / / w w w . u s c o u r t s . g o v / t t b / 0 5 0 6 / j u s t i c e o c o n n o r / i n d e x . h t m l May 2 0 0 6,h ( 4 ) 最高裁判所事務総局刑事罵編 F 司法権の独立と議院の園政調査権J(刑事裁判 資 料 第3 0号) ( 19 4 9 年)等を参黒G - 2 (409)一.

(3) アメリカ連邦議会の謂査権と司法権の独立. とわず違憲の行為と考えるべきだ j としていた汽アメリカ議会の調査権 は,我が国の国政調査権のモデルのーっとされる O 現代的視点から,議会 調査権と司法権の独立の関係について再吟味が求められる所以である C そこで,本稿は,議会調査権と司法権の独立との関孫 i こついて明らかに することを自的とする O まず,アメリカ議会の調査権の意義と司法部に対 する調査の現状を概観する O 一般的な立法調査においては,司法部は議会 と協議し,積極的に博報を提供してきている O 次に,議会が裁判官に対し て情報の提供を命じた 3つの事件を取り上げ,その問題点を吟味する G 最 後に,情報を求める議会利益と,司法部および裁判官の利益を比較衡量す る違憲審査基準を護認し,裁判官に対する議会調査の合憲性を検討する O 現代司法部 i こは,司法権の独立と国弐 i こ対するアカウンタビリティ確保と の高震なバランスが求諮られている O 本稿は,議会調査権の司法監督機能 の意義と問題点について考察する c. 第 1章 議 会 調 査 権 の 司 法 監 督 機 能. (討議会調査権の摂拠 議会調査権は,議会各院が特定の問題について調査を行う権限である。 調査に実効性を持たせるため,証人に対して議場へ出頭するよう命じ,証 言および記録の提出を要求する権限が含まれる O 正当な理由なく出頭,証 言を拒否し,偽証を行えば,刑事処罰の対象となる叱連邦議会は,イギリ. ( 5 ) 芦部f 言喜 F 憲法と議会政I J(東京大学出版会, 1 9 7 1年) 1 6 2頁参照。従来アメ リカにおいては,九、かなる方法 i こせよ,裁判所の訴訟事由の決定・最柊判決の 宣告について,直譲ないし間接にコントロールを加えようとすることは司法権 の欝取であり,また確定判決は絶対的に議会の影響と権力の範囲外に置かれて いる j とされていた。芦部・同, 6 8頁。 ( 6 ) 連邦議会は,独自の暫顕で行使できるコモンロー上の議会侮辱処罰権と連邦ノ. - 3 (408).

(4) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻第 3号. ス議会,各植民地議会,各邦議会の調査活動の託統を継受して. 1 7 9 2年の セントクレア将軍事件の調査以降. r 調査に必要な証人,文書,記誌を要求 する J権援を行使してきているのであるヘ初期議会においては,具体的 な事件発生時に各院が特別に設量する調査委員会に対して調査権を授権し ていた。現在の上下両読は,需任委員会に対して,あらかじめ管轄事項に 8 ) 。 関する調査権を授権している (. 冷戦鶏,非米活動調査に晃られる人権侵害事例辻深刻なものであり. r 暴 露のための暴露」を目的とするような講査権行使 i こ批判が集まった。しか しながら,議会合立法機能の抵下に伴って,国民に対する稽報提供機能が 重視されることとなり,議会および議員にとって調査活動の重要性は増し てきているのが現状である O しかしながら,アメリカ合衆冨憲法は,連邦議会いずれの議院に対して も,謂査権規定, もしくは調査における証言拒否に関する延罰権規定を持 たな~ ' 0 この点につき連邦最高裁は,講査権そのものではなし調査の強. 制手段である侮辱処罰権に関して判例を構築していった。なぜ,立法機関 が議員以外の者を処罰できるのか,そして,場合によれば自ら議場内に収 監できるのか,その憲法的手長拠が関われたのである c 最高裁は,まず, Andersonv .Dunn,1 9U . S .2 0 4( 18 21)において,下院議員に対する贈賄. 、刑事手続を利居する制定法上の議会侮辱処罰権 ( 2U . S . C .~1 9 2 1 9 4 ) の 2種 類の処罰権を持つ。また,上読には,召喚令状の民事的強制手続訴訟に関する 管轄権をコロンビア地区連邦地裁に付与する髄定法が第 3の強制手段を与えて いる ( 2 8U . S . C .~1 3 6 5 )。. ( 7 ) T .S .P o t t s,Powero fL e g i s l a t i v eBodiest oPunishf o rContempt,7 4. じ. P a .L . Rev. 6 9 1,7 0 8 1 2( 19 2 6 ) . See a l s o,Arthur 乱ιSchlesinger,. j r . & Roger Bruns,Congress I n v e s t i g a t e s1 7 9 2 1 9 7 4( C h e l s e a House Pub. 1 9 7 5 ) . ( 8 ) See S enate Rule XXVI( 1 );House Rule XI( 2 )(m)( 1 ) . See a l s o MortonRosenberg,I n v e s t i g a t i v eOversight7 8( 2 0 0 3 ,NovinkaB o o k s ) . - 4 (407)一.

(5) アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立. 事件に関連し,議員以外の者を逮捕し,処罰する下読権限を認めた。ここ で辻,侮辱延罰権が議会の構或,目的に内在するもの(i m p l i e d ) と位童付. .Thompson,103U.S.168 ( 18 8 0 ) けられている。ところが, Kilbournv は,連邦政府管理の破産物件が民間組合に移転していた事件に関連して, 下読発給の吾喚令状に応じなかった私人が 458間拘禁された事例で,子巨民 の私事に対する一般的調査権を否定した倒。本判決では,議読の調査権が. nr eChapman,1 6 6U . S .6 6 管轄事項に設定する言が確認された。他方, I ( 18 9 7 ) では,上院議員への贈賄疑惑が生じ利害関孫人に証言を求めた が桓否されたため 1 8 5 7年侮辱処罰法を用いた事例で,当該事件 i こ対する上. .Gordon,2 4 3 院の管轄権を認めて処罰権行使を支持した。 Marshallv U.S.5 2 1( 19 1 7 ) においても,最高裁は侮辱処罰権を連邦議会の昌己保全権 であるとし,立法義務む履行を妨害する行為,立法機能の遂行のために強 制する議会権限を妨げる行為を防止する目的をもっと指摘した叱 最高裁が議会調査権の憲法的根拠について直接踏み込んだのが, Mc-. Grainv .Daugherty,273U . S .1 3 5( 19 2 7 ) である。同事件では,司法長官 の震敗疑惑を調蓋していた上院特別委員会が,長官の兄弟に対して発給し た令状が問題となった。最高裁は,各州の判例,連邦最高裁判例,議会'貰 行および制定法を勘案し,議会調査権とその実施手続を連邦議会の立法作 用に必要で'ありかっ付随的なものと結論した叱立法によって影響を及ほ し,変更を加えようとしている対象について十分な知識がなければ聡明か っ有効に立法を行えな~ ' 0他者が自発的に情報提供を行うことは稀であ. り,そこにある種の強鰐手設が必要となる C このような状況は,憲法制定. ( 9 ) K i l b o u r n,1 0 3U.8. a t1 9 0 .調査は, r あくまでも立法的であり司法的で あってはならな t ¥ J とした。 I d .a t1 9 3 . 鱒 M a r s h a l l,2 4 3 U.8. a t5 4 2 . Q) J M cGrain,2 7 3U. 8 .a t1 7 5 .. 5 (406)一.

(6) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻 第 3号. 前から,そして採択時にも同様であり,両院に立法機能を委託した憲法の 諸規定は,その機能を効果的に行捷するため,その震性として調査権を含 むことを意図していると考えられるのである憾。このように議会調査権を 明確に憲法規定と結びつけた最高裁は,さらに,調査の授権決議に具体的 な立法目的が宣言されていなくとも,立法部の活動が立法目的を有する事 が推定されるべきであるとし鱒,事実上京範な調査権限を容認する i こ至っ たのである O 無論,議会調査権も,絶対無制限ではない鵠。 McGrain事件において最 高裁は, I 調査権の範囲を逸臆し,質問が調査対象に適切でない場合,証 人は正当に証言を拒否できる」としている叱また, Watkinsv .United. 5 4U . S .1 7 8( 19 5 4 ) では,下院非米活動委員会における証言拒否 S t a t e s,3 に関して,人権保捧規定の適用可能性を認めた。また,調査権は,権力分 立原理 i こ基づく制約にも寂すると考えられる o 大統領の保持する行政特権. C e x e c u t i v ep r i v i l e g e ) は,議会による靖報提供要求に対して,公式,非公 式に主張されてきている O そして,調査権は,憲法上,司法権の独立を保 揮される連邦司法部を対象とする場合,具体的な裁判過程への介入が禁じ られるとみなされるのである C もっとも, McGrain事件が示唆する証言拒否は,同判決自体が調査にお ける立法目的を広況に認めたこともあり,判例上ほとんど或功していな い460 また,最高裁は,権力分立原理に基づく調査権の制約について積極. U 2 ) I d . Q 3 ) I d .a t1 7 8 .. U 4 ) 描 積 「 ア メ リ カ に お け る 議 会 謂 査 権 の 諜 界 の 再 検 討 」 近 大 法 学4 3巻 1号 ( 19 9 5年) 1 6 3頁以下を参照。 Q 5 ) M cGrain,2 7 3U . S .a t1 7 6 . 総 最 高 裁 判 例 と し て は , 憲 法 修 正 5条む自己負罪禁止特権の適用を認めた,. Quinnv .U n i t e dS t a t e s,3 4 9U . S .1 5 5( 1 9 5 5 ),同条の適亙手続条項の適用メ - 6 (405)一.

(7) アメリカ連邦議会む調査権と司法権の独立. 的i こ判断を下しておらず,そもそも,政府の二部門の蕎突を Lゆ瓦なる司法 手続を用いて解決すべきかについても不明薙である O 政治的妥協の道が残 されている大統領,もしくは行政部の情報提供拒否と比べて部,司法部を 対象とする謡査においては,議会の介入自体が司法権の独立に深刻な影響 を与える危険性があり,より緯密な吟味が求められる O. ( 2 ) 司法部に対する調査 現実には,連邦議会は司法部に関する事項を調査対象としており,その 過程において多くの連邦裁判官の証言を求めている叱アメリカ法曹協会. (ABA) は,この種の活動を裁判官の準司法的活動 (quasi-judiciala c t i v i t y ) として分類し,. I 法律,法制度,司法行政に関する証言を行うこと」. を容認している民裁判官が専門的見地から議会証言を行うことは,職務 に付臆する義務であると言えよう O 摂i えば,可法予算に関しては,. 1 9 2 3年,当持のタフト最高裁長官が下院. 予算委員会で註言して以来,最高裁判事が呼ばれることが常である久馬 ¥過を認めた Watkinsv . United S t a t e s,3 5 4U . S .1 7 8( 19 5 4 ),修正 1条の言. ibson v .F l o r i d aL e g i s l a t i v eI n v e s t i g a t i o n 論む自由の保障を認めた, G 7 2U . S .5 3 9( 19 6 2 ) 程度である。 Committee,3 間 See P e t e r M. Shane,Legal Disagreement and Negotiation i na Government o f Laws:The Case o f Executive P r i v i l e g e Claims a g a i n s t Congress,7 1] ¥ 在i n n .L .R e v .4 6 1( 19 8 7 ) ;William P . Marshall, The Limits on C o n g r e s s ' s Authority t oI n v e s t i g a t e The P r e s i d e n t, 2 0 0 4 U.1 1 1 .L .豆e v .7 81 . 翰 P eterson,supra note 1 ,a t7 . 掛 See Code o fJ u d i c i a l Conduct Canon 4 B .r 裁判官は法律,法制度,言法 行政の各事項に関して行政部,立法部,公的機関の公審会に出席しなければな らな L ' J oI d .. ( 鋤. Harvey Rishikof & Barbara A. Perry,F e d e r a lJ u d i c i a l 1ndepende n c e Symposium:“Separation But Independence, Autonomy But R e c i p r o c i t y ":A F i r 、s tLook a t Federal Judges' Appearances B e f o r e / ' - 7 (404)一.

(8) 近 畿 大 学 法 学 第5 4巻第 3号. 様に,控訴裁判事が行う議会証言のうち約 10%が予算関保であるとされ る倍。しかし,この種の裁判官の証言が司法権の独立を深刻に害すること は少な~ ' 0 たしかに,一般的には予算過程を用いた連邦司法部に対する議. 会圧力拡存在する。レーンキスト長官の年頭所感を見れば,裁判官の増 員,司法行政への手当,給与問題等,司法予算をめぐる環境が年々厳しく なって~,く状況が看取できる倒。だが,各裁判官が予算問題について証言. を求められたとしても,それは掴々の裁判官への政治的脅威とはみなせな い民連邦言法部は司法予算を決定する議会の各委員会に意見を聴取され ることで,司法部全体の利益確保を企図しているのである O また,連邦裁判官は,司法行政事項について,司法管轄権から司法部の 行政組識,裁判所設備まで様々な事項に関して証言を行う O 議会証言を制 限することは,かえって言法部の内部事項に関する能力に深刻な害を与え ることになる民また,裁判官は,司法部に対して直接的かつ実体的影響 を与える政策事項について証言を求められている G 貧困な刑事被告人の弁 護士問題,違法収集排除原賠の修正問題,立法史の利用問題などである G 同様に,連邦裁判官は,議会において裁判所に関わる立法提案を積極的に. 、. L e g i s l a t i v e Committees,4 6 Mercer L . Rev. 6 6 7,6 7 4 7 5( 19 9 5 ) . 1 9 2 2 年,従来連邦議会が管理していた予算,組識等に関する事項の管理が司法部へ. 移され,司法行政の中心となった最高裁長宮,およびその代理たる最高裁判事 の議会証言は,言法行政権設の拡張とリンクすることになったのである o. 立 > > R ishikof& Perry,supranote1 9 .a t6 7 9 . See a l s oToddD .Peterson, Controllong t h eF e d e r a l Courts through t h e Appropriations P r o c e s s,1 9 9 8 Wis. L .R e v .9 9 3 . 窃 See e . g .,2 0 0 3 Yea r End Report on t h eF e d e r a lJ u d i c i a r y( J a n .1 , 2 0 0 4 ) . ( 2 3 ) P eterson,supra note 1 ,a t8 9 . 鍛 I d .a t9 . See a l s o,Charles G . Geyh,J u d i c i a l Independence,J u d i c i a l A c c o u n t a b i l i t y,and t h er o l eo ft h eC o n s t i t u t i o n a l Norms i n Cong r e s s i o n a l Regulation o ft h e Courts,7 8I n d .L .J 1 5 3( 2 0 0 3 ) .. 8 (403)一.

(9) アメリカ連邦議会む調査権と司法権の独立. 行っている民 以上概観したように,連邦議会は司法部に関わる権援を行使するため日 常的に謂査を行い,それに対して司法部および各裁判吉も基本的には協調 姿勢を示している O むしろ裁判官の議会における証言が可法活動の円滑化 に利するものがあるとみなされている。従来,個々の裁判官との喚問で緊 張関孫が認められるのは,当該裁判官の罷免に関する弾劾調査むみであっ たといえよう叱ところが,近年新たに倍々の裁判官の可法活動を対象と した調査が行われるようになったので、ある O. 第 2章 連 邦 裁 判 官 に 対 す る 語 査 事 例. ( 1 ) ジョンソン裁判長に対する調査 ( 1 9 9 9 2 0 0 2 ) コロンビア地区連邦地裁のジョンソン裁判長 (NormaHollowayJohnson)に対する議会調査は,裁判所内の手続に不公正があるとのニュース記. 事に始まる o 1 9 9 9年 7月3 1日 , APは,ジョンソン裁判長が政治的に徴妙 こ,通常のランダム手続を迂回し,悉 な問題をはらむ訴訟の担当決定む際 i 意的な配当を行ったと報じた。開題となったの誌,クリントン致権に関わ りのあるハベル (WebsterL .Hubbell) 元検察言の脱税事件,および中国 系アメリカ人 CharlieYah-LinTrieのクリントン再選委員会に対する選. Peterson,supra note 1 ,a t 11 . さらに最高裁判事任命手続の調査権的性 質について ,s e eT aylorMcConkie,Note:the S e n a t e ' s NewBatt 1e f i e l d : The Role o fl d e o l o g yi n Supreme Court Confirmation Hearings,1 .L . & Pub. P o l ' y1 7 5,1 7 8 7 9( 2 0 0 2 ) . G e o .J 鵠 P eterson,supranote1 ,a t1 1 1 2 .Peterson教授によれば,弾劾手続の振 絡以外で個々の裁判官む司法行動を謂査した事例は, 1 9 3 8 年にゲイガー判事 CFerdinad A. G e i g e r )に対する下読司法委員会の調査が一度あるだけだとい うo P eterson,supra note 1 ,a t1 2 1 3 . 信 号. 9 (羽 2)一.

(10) 近 畿 大 学 法 学 第5 4巻第 3号. 挙資金事件であり,それぞれ,クリントン大統領任命のロパートソン判事 (JamesRobertson),フリード判事 (PaulL .Fried) が担当した。その後. 各紙の報道が続き,地裁内部では. f 荒野の 8入 Jと自称する民主党大統領. 任命裁判官 8名が定期的に会合を行っているとの情報ももたらされた鴎。 1999年 8月 26B,下読司法委員会はジョンソン裁判長に対して報道され. た事実に対して説明するよう求める書欝を送ったが鈎,これに対してジョ ンソン裁判長が情報の提供を拒否する旨返答してきた。 1 1月 3日,司法委 員会は毘様の要求をジョンソン裁判長に送ったが再度拒否されたため,裁 判所・知的財産小委員会のスタッフに対して問題 i こ関する清報を収集する よう命じた。そむ結果,報道分を含む 8つの訴訟の裁判官配当に疑惑が浮 上した。 しかしながち,この時点で下読司法委員会は調査活動を休止し, 2002年 1丹 1 0日,ジョンソン裁判長の可法活動に対する苦情申し立て状をコロン. ビア地区巡回区控訴裁可法協議会に提出した。「司法協議会改革および裁 判官の行動と欠格に関する 1980 年 法J(以下, 1980年法〉誌,連邦下級審 裁判官む非行対策のために制定されたもので,司法部内合組織である各巡 回区可法協議会に対して管轄権を有する裁判官の活動を調査し,公式,非 公式の処分を行う権援を付与している錦。下院司法委員会からの苦情申立 てに対して司法協議会は,共和党大統額在命裁判官品名,民主党大統領在 命裁判官 1名 か ら な る 特 到 の 調 査 委 員 会 を 選 出 し , さ ら に 元 検 察 官 を 謁 査担当として雇用し全面的な調査活動を開始した。 2002年 1 2月,可法協議. 的. See Ronald D . Rotunda,Independent Counsel and t h e Charges o f. 8 Fordham L . Rev. 8 6 9,8 7 8& n .2 4 . Leaking:A B r i e fCase Study,6 (28)豆.R .R ep. No. 1 0 6 1 0 4 8,a t1 9 9 . 働 J u d i c i a lC o u n c i l s Reform and J u d i c i a l Conduct and D i s a b i l i t y Act o f 1980.28 U . S . C . ~372(C) ( 19 8 8 ) .1 9 8 0年法に関して誌,上原正夫「善行にノ - 1 0(401).

(11) アメリカ連邦議会の調査権と奇法権の独立. 会は,ジョンソン裁判長の事件配当に関して,報道されたような政治的策 略,計略は春在せず,明確な規期違反も見当たらなかったと結論づけた倒。 さて,下院の調査対象となったジョンソン裁判長は,クリントン大統領 の弾劾調査を担当したスター独立検察官が求めていた大詰審情報の秘密指 定解除を拒否するなど,民主党寄りの判断をする傾向にあると目されてい た。共和党主導む下院司法委員会が調査を司法部内の司法協議会に引き継 いだ事は,政治的動機を持たない調査スタッフの利用に信頼が置ける点, 裁判官の独立に対する配慮、が可能な点を積極的に評価すべきであろう割。 もっとも, 1 9 8 0年法に基づく司法協議会の調査試,あくまでも,可法行政 を補助する目的判断に基づき連邦議会が言法部に付与した連邦法上の手続 である。このため,この種の司法協議会の調査は,政策的には望ましいも のであるが,合衆国憲法に根拠を持つ議会調査の代替手段で、はな t ' o本 件. 、欠ける裁判官の処理j判摂j タイムズ 4 4 0 号(19 8 1年) 3 2夏以下,舟橋定之「アメ リカ合衆国連邦裁判官の不公正行為に対する申立てについて」裁判官弾劾裁判 所事務局・裁判官訴追委員会事務局編 F 裁 判 官 弾 劾 制 震 の 五 O年Jl ( 19 9 7年). 2 4 1頁以下,浅香吉幹『現代アメリカの可法Jl (東京大学出版会, 1 9 9 9年) 1 3 6夏 0 以下,重村博美「アメリカにおける連邦裁判所裁判官の懲戒処分」近大法学 5 巻 2・3号 ( 2 0 0 3年) 2 7 3頁以下等を参照。 こ誌,上部組織である合衆国司法会議 司法協議会が弾劾担当と決定した場合 i に資料を提出し,最高裁長官を長とする奇法会議が下読に対してその旨を確認 する手続を定めている。この意味において, 1 9 8 0年法は,裁判官罷免手続む事 前手続的性質を帯びる。 See h ttp://thomas. lo c . g o v j c g i b i n j c p q u e r y jT?&report=h r 1048&dbname. ~O). =106& Peterson,supra note 1 ,a t6 2 . へイスティングス判事;こ対する司法協議会 の調査に関して,第 1 1巡回区控訴裁は, r 育法部内 0)言法協議会が行う謁査は, 下院の調査と比べると,現職裁暫官の独立を著しく侵害するものではな L、 Jと する o See I nt h e Matter o f Certain Complaints under I n v e s t i g a t i o n by I n v e s t i g a t i n g Committee o ft h eJ u d i c i a lC o u n c i l,7 8 3F .2 d1 4 8 8 ( 1l t hC ir .1 9 8 6 ) .. ω. - 1 1(400)一.

(12) 近 畿 大 学 法 学 第5 4巻第 3号. の論点が司法行政に関する議会の管轄事項とみなせる以上,連邦議会は, 裁判官に対する情報提供要求について,. 1 国々の判決への影響を及ぼすもの. ではなく,司法権の独立を深刻に害するものではないとして正当化するこ とになろう儲。. ∞. ( 2 ) ローゼンパウム裁判長 i こ対する調査 ( 22 2 0 0 3 ) ミネソタ地区連邦地裁のローゼンパウム裁判長 ( JamesRosenbaum) に対する調査は,連邦議会と司法部の対立の象徴的事例となった。議会が 問題としているのは,量璃手続改革 1 9 8 4 年法 ( S e n t e n c i n gReformActo f. 1 9 8 4 ) が定める量刑ガイドラインからの「誠璃目的の逸脱J(Downward. d e p a r t u r e )である。関法の量刑手続において,刑事裁判を担当する裁判官 はガイドラインによって類型化された犯罪行為レベルと前科ポイントによ り被告人の荊罷を決定する倒。これに対して「誠璃目的む逸脱j は,自言 等減刑事由が認められる場合,裁判官の裁量によりガイドライン以下の刑 罰を宣告することができる制度である。裁判官は,減刑を決定した場合, 量刑宣告において書冨によって理由を述べなければならない G このような 「減刑目的の逸脱J制度の実施に関して,連邦議会は,裁判官が特定のイ デオロギーに基づいて必要以上に裁量を利用して減剤を行い,量刑手続改 革法の厳罰イι. 刑罰均衡の主言を軽視t しているのではな~)かと疑問視して. いたのである O. (3~. S e eh t t p : / / t h o m a s. lo c . g o v j c g i b i n j q u e r yj F ? r l 0 6 : 1 : . j t e m p F r l 0 6 j 3 2 s YX: e 4 2 6 4 3 :上説委員会のスベクター委員長は,下提言法委員会間接ジョンソン裁 判長の事件配当に対して疑問を呈し,当該詩題が連邦議会の憲法上の関心事で あると強課している。. ( 3 3 ) 量刑手続については,森本哲也. F 概説アメリカ連邦刑事手続. 2 0 0 5 年,信山社) 1 5 1頁以下が詳し L 。 、 する刑事訴追 j ( - 1 2(399)-. 日本企業に対.

(13) アメリカ連邦議会の謂査権と司法権の独立. 2 0 0 2年 5月,センセンブレナー委員長 ( F .JamesS e n s e n b r e n n e r,J r . ) 率いる下読司法委員会は,量刑手続改革法の麻薬犯罪者に関する規定む改 正案審議を行って~ ,た。改正案の目的は,犯罪計画に荷担しておらず不法. な利益も得ていない麻薬犯罪人に関して減剤を認めることにあった。再改 正を支持する民主党委員が当初証人として抜頼していたマグヌサン ( P a u l. A .Magunuson) 前裁判長は,現行制度への批判者として知られ,その信 念故に麻薬犯罪に関する訴訟への関与を自ら回避するほどであった。とこ ろがマグヌサンがスケジュール上の都合で喚問に応じることができず,替 わってローゼンバウム裁判長が証言することになった。ローゼンパウム は,共和党のレーガン大統鎮により地裁判事として任命されており, 2 0 0 1 年震には合衆国司法会議のメンバーも務めている O 司裁判長の蘇薬犯罪に 関する量7fl J は全国平均を超えており,本来共和党が敷視するタイプの裁判 官ではな~ ' 0. さて,下院司法委員会で証言に立ったローゼンパウム裁判長は,耳元るに 足らない役訴の麻薬犯罪者については量刑ガイドラインを誠飛方向で改訂 すべきであると述べ,その携としてミネソタ連邦地裁のドケットから, 1 4 の事例について被告人を特定せずに挙げて説明した。証言の擦,ローゼン パウムは,このような麻薬の運び星が往々にして何を運ばされているのか を知らず,またその悟値もわかっていないものだと説明した。 証言終了後,司法委員会の共和党委員が反発し,犯罪・テロリズム・国 土安全小委員会のスミス委員長 ( I 必 n arS m i t h )がローゼンバウム裁判長 宛に書簡を出し,挙げられた事例についてより詳細で具体的な清報を提供 するよう求めた。これに対してローゼンバウムは,事件の要約は非公開の プレ量7flJlノポート ( p r e s e n t e n c er e p o r t s ) に基づくものであり,提供で. Commitmento r d e r ) のみ きるのは量飛が示された判決および収監令状 ( になると自答した。また,事実問題に関する議会証言も非公開レポートか 1 3(398)一.

(14) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻第 3号. らもたらされたものであり,判決,命令との他者参照をしないように求め ている C これに対してスミス小委員会委員長は,前田書簡で要求した公に 利用可能な情報全てについて提出するよう述べ,さらに,ローゼンバウム 担当事件のうち「減刑目的の逸説Jを行った事件の特定,および,当該逸 説にいたる理由説明を求めた。そこで,ローゼンパウムは,. 8月 9B,議. 会証言で参照した事件全てについて詳細な資料を提出したが,減刑逸脱に 関する理由などの清報提供を拒否した。小委員会によれば,ローゼンバウ ムは量刑手続に関する資料および量刑レポーターの氏名,電話番号等が求 められていた点を拒否理由だとしていた。 下院司法委員会は,問題となった量刑手続改革法改正に関してレポート. 0頁を費やしてローゼンパウム裁判長の註言舟容を批 を作成し,そのうち 2 判し,委員会への非協力的意度,量刑ガイドライン i こ対する敵意,および ガイドラインからむ違法な逸説を指摘した代特に問題とされたのはロー ゼンパウムが詳紐な情報の提供を拒否した逸脱事件において,量刑ガイド ラインを捧拾する内容の公式コメントを残していたことである O 委員会は 結論として,ローゼンバウム裁判長の情報提供拒否により他む違法な逸脱 事件の調査が妨げられているとし,詞裁判長を対象とする調査の継続を宣 言した。. 2 0 0 3年 1月,ついに司法委員会はローゼンパウムに対する召喚令状の発 給に言及した。召喚令状に対する拒否は,芳u 事罰の対象であり,弾劾事由 にもなりうる。問委員会のスポークスマンは,ローゼンバウムの証言が委 員会を誤指導したとして,当該調査が憲法上の監督機龍を果たすものであ ると主張した。召喚令状の発給が司法権の独立に対する不遥切な介入にあ たるとの指摘については,ローゼンパウム自身が委員会を誤指導し,違法. 鉢. H.R . Rep. No. 1 0 7 7 6 9,a t2 8 ..

(15) アメリカ連邦議会の調査権と司法権む独立. なガイドラインの利用を行い,委員会への協力を拒否する選択をしたので あると突き放した。 担当裁判に関する情報を求める召喚令状に対して,まず,連邦司法部の 事務部員である合衆国裁判所事務局 (AdministrativeO f f i c eoftheU . S . Courts) が,裁判官を苦境に追い込むことで司法権の独立の脅威となると. 反対した師。また,アメリカ法曹協会 (ABA) も,この種の召喚令状が弾 劾調査の脈絡以外では前例がないと批判した織。さ告に,最高裁のレーン キスト長官も,立法過程に用いるため議会が情報を寂集する利益を保持す ることを蔀提としつつ,それが司法権の独立に対する脅威となることはで きないとし,また,裁判官の司法活動が弾劾罷免事畠とはならないことの 薩認を要求した師。これを受けて下提言法委員会の民主党委員がローゼン バウム裁判長との仲分を行い,. 3丹128,委員会も召喚令状決議の採決を. 中止した。その後,ローゼンパウムの顧問弁護士が合衆国裁暫所事務局の 了解の下で司法委員会に情報を提挟する旨通知した。 こ要求した情報と同 しかしながら,連邦議会は,ローゼンバウム裁判長 i 議の資料の報告を,全ての地方裁判所に対して義務づける法案の審議を開 始していた。同法案は,提案者フェンニー下院議員 (TomFeeney) む名 により Feeney修正と呼ばれ, 2003年 4月308,連邦司法部, ABA,人権 擁護団体等の反対を搾し切り成立している眠. Peterson,supra n o t e1 ,a t1 8 1 9& n .1 0 0 . 機 h t t p : j j w w w . a b a n e t . o r g j p o l a d v j l e t t e r s j 1 0 8 t h j 0 3 2 4 0 3 j i . h t m l 車 寄 託emarkso ft h eC h i e fJ u s t i c e Federal Judges Association Board 0 0 3 ) . D i r e c t o r sMeeting (May 5,2 ~ S ee P r o s e c c u t o r i a l Remedies and Other T o o l s t o End t h e . No. 1 0 8 2 1,1 1 7 E x p l o i t a t i o no fC h i l d r e nTodayActo f2 0 0 3,Pub. L S t a t .6 5 0 . 合 衆 国 司 法 会 議 の 同 棲 正 に 対 す る 反 対 意 見 に つ い て は see h t t p : / / w w w . u s c o u r t s . govjnewsroomjdownwarddepatures.p 品f 錦. - 1 5(396)一.

(16) 近 畿 大 学 法 学 第5 4巻第 3号. ( 3 ) マーティン裁判長 i こ対する語査 ( 2 0 0 2 2 0 0 3 ) 次に連邦議会と可法部の積突が観られたのは. oースクールにおけるア. rutファーマティブアクションの合憲性を巡る第 5巡回区控訴裁判決, G t e rv .B o l l i n g e r,2 8 8F .3d7 3 2( 6 t hc i r .2 0 0 2 ) の手続についてであった o Grutter事件では,. ミシガン大学ロースクールの入学試験において人種を. 考麗したアファーマティブアクションが都度イとしていたことに対して,不 合格となった白人受験生が平等条項違反を主張していた。整訴裁判決は, 当該入試都度を大学の多禄性を確保する正当な目的を持つとし,. 5対 4の. 窪差で地裁の違憲判決を覆した。 ところが,反対意見を記したポッグス判事 (DannyBoggs) が,文末に. rocedualAppendixを付け,控訴裁の手続進行を詳紹に批判した 異例の P のである 690 ボッグス判事によれば,まず,同事件に関しては, 1 9 9 9年の段 稽で訴訟参加を巡る判断が同控訴裁の三名構成法廷で下されていた。控訴 裁規則によれば,本案についても同じ顔ぶれの裁判官が担当すべき所, マーティン控訴裁長官 ( BoyceF .Martin) の指示により,通常のランダ ムな事件費己当ですらなく,同長官を含む~意的なメンバー講或となったと. する O また,訴訟が控訴裁の全裁判官が参加する enbancとなった後の手 続についても,アファーマティブアクションの合憲性に否定的とみられる 二名の裁判官がシニアポジションを取得し,訴訟に関与しなくなるまで進 行させなかったと批判している O. 2 0 0 2年 8月2 6B,下院司法委員会のセンセンブレナー委員長がマーティ rutter事件の構成 ン控訴裁長官に対して,控訴裁規則を無視して自身を G nbanc手続の開始を 2名の判事の退職を メンバーに含めたかどうか, e 待ったかについて,質問状を送ちつけた ω ) 。司法委員会の顧問弁護士は, C 3 9 ). 錦. G r u t t e r ,2 8 8F .3 d,a t8 1 0( B o g g s] . , d i s s e n t i n g ) . H .R.豆e p .N o .1 0 7 8 0 7,a t1 4 7( 2 0 0 3 ) ..

(17) アメザカ連邦議会の調査権と司法権の独立 第 5巡回区控訴裁が下した判決に関わる内部文書の提出を求めている点に つき,問題が委員会の管轄権の範囲内にあると明言した。これに対して マーティン長官は,委員会調査に協力する姿勢を見せ,委員会スタッフと 面談し,要求された資料を提出するとともに事件直当 i こ関する控訴裁手続 の改革案を示した。 ところが,連邦最高裁が Grutter事件の上告を受理した直後の 2 0 0 3年 1 月初日,民聞の保守的な司法監視団体, J u d i c i a lWatchが1 9 8 0年法に基づ きマーティン長官に関する苦情申し立てを行い,問題は新たな段階に入っ た倒。控訴裁長官代理として当該申し立ての処理を担当したバチェルダー A l i c eM.Batchelder) 誌,問題の事件配当につきマーティン長官に 判事 (. よる違法行為が推定されるとしつつ,すでに控訴裁内部で改革が進められ ている以上,第 6巡回区司法協議会として新たな行動は必要ないと結論し た。パチェルダー判事によるレポートに対して,マーティン長官と Judic i a lWatchの両者が可法協議会全体での再審杢を求めた。結論として協. 議会は,改革案により当該問題についてムート〈仮想的)であるとし,苦 情に関する新たな事実も見いだせなかったとして申立てを却下した。 こ対する調査活動を しかしながら,下読司法委員会は,マーティン長官 i 再開し,非公開文書を含む控訴裁内部資料の提出を要求し,委員会スタッ フが控訴裁に出向いて関係者へのインタビューを開始した。スタッフは, 調査が事件の再審査ではなく,制度の龍全性を確保する巨的があると説明 u d i c i a lWatch した。さるに控訴裁司法協議会の苦情処理に不満を持つ J. が,下院に対して弾劾調査を求めたが,下院司法委員会は応じなかった。 さて,本件調査の事関自体は,ジョンソン裁判長事件と同様に事件配当 ωCharles Lane,Judges Spar Over A f f i r m a t i v e Action,Washington ,2 0 0 3 ;PageA04;http://www.washingtonpost.comjac2jwp Post,June 7 t I d=A26023-2003Jun6&notFound=true -dyn?pagename=article&conten. 1 7(394)一.

(18) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻第 3号. に関する司法行政上の問題であり,議会調査の後,司法協議会による調査 手続が続いた点も類倒している。ジョンソン事件との相違点は,マーティ ン控訴裁長官が柊始調査に協力的であった点,言法協議会の結論む後に, 議会が別角度からの再調査を実施している点である O マーティン長官は, カータ一大統領在命であり,控訴裁裁判所の機能に関する論述を多く持つ 理論家でもある縮。控訴裁長官としての地位,あるいは,司法行政に関わ る本件事例の性鷲に鑑みると,議会の要求を拒否するのは困難であったと 思われる。また,議会に対する協力的態度が弾劾調査を抑止していた点も 注自される O. 第 3章議会利益と司法部利益の比較第量 ( 1 ) 比較衝量基準. これまで連邦可法部法,議会諜査における裁判官の証言拒否問題につい て法的判断を下していな L、。しかしながら,公的機関による情報提供拒 否に関しては,下級審レベルではあるが,大統領の行政持権 Cexecutive p r i v i l e g e ) や連邦大詰審資料の務匿性の振略で判断を示している。. 行政特権は,連邦議会や裁判所に対して ' 1 育報の提供を拒否する大統領特 権である。秘置される情報の種類としては,外交・軍事等国家の安全に関 わる菌家機密清報,仔政部内の審議過翠{官報,その他行政上の識務遂行に 必須な清報に及ぶ崎。最高裁は,芳u 事裁判における行政特権の適男性が争 住2 ) See e . g .,Boyce F . Martin,J r .,I n Defense o f Unpublished Opin-. 0O h i o .S t .L . J .1 7 7( 19 9 9 ) . i o n s,6 ( 鴎. 同議の 1 脊報に関しては,連邦情報自由法 (FOIA) においても非公開となっ ているが,議会が制定した同手続は議会調査に適用できな L 。 、 See Freedom. .S . C .~5 5 2 ( C ) . なお,大統領の情報誌、匿特権につ o fInformationAct, 5U いては,大林啓吾「アメリカにおける執行特権の本質一一独立的権限から手段ノ. 1 8(393).

(19) アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立. われた U nitedS t a t ev .Nixon,4 1 8U . S .6 8 3( 19 7 4 ) において,同特権の 憲法的性質を認めつつ,絶対的轄権ではないとし,刑事被告人の裁判を受 ける利益との比較衡量を行った。議会講査の脈絡における行政特権の適男 性に関しても,同種の比較衡量が行われている。. e n a t eS e l e c tComitteeonP r e s i d e n t i a lCampaignA c t i v i t i e sv . まず, S Nixon,4 9 8F .2 d7 2 5C D . C .C i r .1 9 7 4 ) は,行致特権の絶対性を否定した ものの,大統領の会話を録音したテープに対する上院謁査委員会の必要性 についても,弾劾調査を開始した下院司法委員会と重複している点,. r ' 青報. の一部がすでに公開されている点を指描し,大統領に対する'請報引渡し命 令の発給を認めなかった。同議に, U nitedS t a t ev .AT& T,5 6 7F .2 d1 2 1. C D . C .C i r .1 9 7 7 ) においても,控訴裁判所は国家機密靖報の下読調査委員 会への提出を比較衡量テストの適用により解決すべきであると宣言してい るO 最後に, U nitedS t a t e sv .UnitedS t a t e sHouseo fR e p r e s e n t a t i v e s,. 5 5 6F .S u p p .1 5 0( 19 8 3 )は,大統領の命令に従って情報を秘匿した環境苛 こ対して下院が議会侮辱処罰手続を用いて告発した事件である。同判 長官 i 決において地裁は,議会の召喚令状に対しで清報提供を拒否した側が主張 できる法的解決策は,侮辱処罰法等議会側が開始した法的手続の振絡での み裁判所の介入を受けるとした。 次i こ,連邦大陪審靖報の務置に関しても,当該靖報の誌密性が絶対的な. equestf o rA c c e s st oGrandJury ものではないことが確認されている o R 3 3F .2 d1 4 3 8( 1 1 t hC i r .1 9 8 7 ) M a t e r i a lGrandJuryNo.8 1 1,Miami,8 は,弾劾調査を行う下院司法委員会が求める'培報が連邦刑事手続規期 6条 ( e )項の定める大賠審記録の秘密の例外に該当すると判顕した綿。 6条例項 ¥¥的権謀への推移 j 法学政治学論究 6 8号. ( 2 0 0 6 年) 6 5頁立下を参照。 掛 I nr eR e q u e s tf o rA c c e s st oGrandJuryM a t e r i a l so fGrandJury 3 3F .2 d1 4 3 8C 1 1 th C i r .1 9 8 7 ) . N o .8 1 1,Miami,8 - 1 9( 3 9 2 )一.

(20) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻第 3号. は「司法手続に予錆的Jな場合に大倍審記録を引き渡せるとしており,下 院の弾劾調査法「司法手続J,こ担当する上院の弾劾裁判 i こ「予葡的」なも のと解釈される O そこで,控訴裁は,下院司法委員会には,完全かっ公正 な弾劾調査を行うためり利益が存すると認める O 委員会の当該記録への必 要性は,問題となっている事実が 7年以前に発生したもむであるために, やむにやまれぬものと判顕されると述べて,控訴裁は引渡し決定を支持し たのである O 以上,連邦司法部は,議会の 情報提出要求に対する公約機関による拒否 d. に関して,秘匿特権の絶対性を否定しつつ,議会側の当該情報取得に対す る「やむにやまれぬ j 利益の立証を求めているのである O このような比較 衡量基準を前提として,連邦議会が司法部あるいは個々の裁判官に対して 特定の判決もしくは裁判手続に関する情報を要求する場合,より微妙な 「可法権の独立j の保障をどのように織り込むかが問題となる O. ( 2 ) 裁判官に対する f 警報提供要求の合憲性. まず,全ての地方裁判所に「減刑目的の逸脱j に関する詳細な情報の提 供を義務付けた F eeney惨正の合憲性を検討する O 首述のローゼンパウム 裁判長,および,連邦言法部による情報提供桓否は,量刑手続改革法の. Feeney諺正を導いた。 Feeney~事正には司法部に情報提供を義務付ける条 項が二つある O 第 1が合衆国量璃委員会 c U . S .SentencingCommission) が議会に提出する年次レポートである O 同レポートは,地裁裁判長が管轄 する裁判官が下した量刑全てについて報告し,量刑委員会が分析を加える ものである陣。毘レポートには,制定法む要求を無視したと考えられる地 裁に関する官報も求められている。第 2の情報提供義務は,司法長官に対. 綿. 1 1 7S t a t .6 5 0,a t6 7 2 . - 2 0(391).

(21) アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立. して司法裁引を詮く全ての「減刑目的の逸脱」事鰐のレポートを,当該量 刑決定後1 5日以内に上下両院の司法委員会 i こ届けることである舗。同レ ポートには,当該量刑を決定した地裁判事の情報,地裁判事が政肩鶴〈検 察側)へ事前警告 ( n o t i c e ) を行ったか否かについての情報が含まれる締。 彦正の報告義務条項が権力分立原期違反となるかが関 そこで, Feeney1 われる。 UnitedS t a t e sv .Kirsch,287F .Supp.2d1005(D.C.Minn.,2 0 0 3 ) は,この点につき,同規定によち「誠刑目的の逸説」は過去のものになっ たと批判し,同修正は裁判官を威嚇するという目的を達成したとコメント している織。同様に, UnitedStatesv .Mendoza,No.03-CR-730-ALL, 2004U.S.D i s t .LEXIS1 4 4 9 .( D . C .Ca l .Jan.1 2 .2 0 0 4 ) も,レポート条項 を司法権の独立に対する萎縮効果を導くため権力分立原理違反である結論 している織。 しかしながら,議会は,現実の量飛車j 震の実施,とくに,議会が例外と して設定している「減刑自的の逸脱」に関する全自的構報を,将来の量刑 ガイドラインの改正に必要な靖報とみなしている O そもそも, Feeney修 正において報告を求められている量刑に関する情報誌,公開が前提であ る。また,議会による培報提供要求は,裁判官を中心メンバーとして可法 部門に設量された量刑委員会,もしくは司法長官を通した罷接的なもので あり,一定程度司法権の独立への配慮、を示すことで童接的圧力とはみなせ ないと反論できょう織。 鵠. 1 1 7S t a t .6 5 0,a t6 7 4 7 5 .. 続. 他に,司法長官の判断で上下再践の司法委員会に対して検察宮の警告なしの 引き下げに対する反対および控訴に関する詳細清報を付け加えることを認めて いる o. K i r s c h,2 8 7F .S u p p .a t1 0 0 6 0 7 . 織 M i s t r e t t av . United S t a t e s, 4 8 8U . S .3 6 1( 19 8 9 ) を引用している M United States v . Schnepper, 3 0 2F .S u p p . 2d 1 1 7 0, 1 1 9 6C D . C . Hawaii,2 0 0 4 ) . もっとも,連邦最高裁が UnitedS t a t e sv . Booker,1 2 5S .ノ 織. O. 2 1C3 9 0).

(22) 近 畿 大 学 法 学 第5 4 巻 第 3号. これに対して,個々の裁判官に対する証人喚問や令状発給は,司法権の 独立との抵触を避けられな~ ¥ $1)。特定の裁判官による量刑決定,もしくは. 判決が,連邦司法部全体で用いられる連邦法の修正に絶対不可欠な情報と みなせるかどうかが問題となる G 裁判官が議会の制定した法律を適切に解 釈しているか否かについての議会の関心は,事件への上訴管轄権を有する 連邦司法部の関心と重複する O 事実審裁判官が連邦議会の指示を無視した 判決を下した場合,あるいは,連邦法もしくは訴訟手続規則に反する司法 手続を実施した場合,当該決定は上訴裁判所により破棄されうる O 連邦司 こ対する構えとなっているのであ 法部の段構制は,各裁判官の法的ミス i こ対する議会側の利益を減少さ るO このような代替手段の存在が当該慣報 i せるのに加えて,個々の裁判官には鞍業上むダメージ,弁護士費用等の経 済的負担も予想、できる G 要求する稽報と立法 B的を議会側が明確に結びつ けられなければ,司法の独立性に鑑み,証言拒否が認められるべきであろ λ錨 ノ. O. おわりに. 連邦議会の司法部に対する現状認識はこうである O 連邦裁判官は,手厚. 、. C t .7 3 8( 2 0 0 5 ) において, Fenney修正の量刑手続が合衆国憲法諺正第 G条 a d v i s o r y )な の賠審裁判を受ける権利に反すると判断し,同法手続を主主告的 ( ものとみなしたことで,同修正のレポート義務条項の効力へ実質的に停止され ているのが実構である o S e ea l s o Noel 1eTsigounis Valentine,Note:An. Exploration o f t h e Feeney Amendment:The L e g i s l a t i o n That Prompted t h e Supreme Court t o Undo Twenty Years o f Sentencing 5 SyracuseL .R e v .6 1 9,6 4 1 4 2( 2 0 0 5 ) . Reform,5 $ 1 ) P eterson,supra note 1 ,a t5 4 5 5 . 鎚. 可法行政に関する橿々の裁判官の博報提供強制に関して言法部法,この種の 調査が法的問題に異論を唱える裁判官に対する嫌がらせの口実となると警戒す る 。 1 9 8 0年法手続が優先されるべきでるる。. - 2 2(389)一.

(23) アメリカ連邦議会の調査権と司法権の独立. い身分課障に安住し,議会が連邦法により指示している致策を曲解し, 橿々の裁判に臨むにいたって時として公正さを欠き,弾劾に至らない軽度 の非行を重ね,窓意的な司法行政を執り行っていると O このような裁判官 が所属する連邦裁判所の頂点に最高裁判所が存在し,最高裁判事の致治信 条に関わるず,その下級審統制能力には疑問が残る。連邦議会は,国長に 対して直接責在を負わない連邦裁判官の活動を監視する義務を自急す る鵠。国民の多数が可法の襲極主義に対する警戒の念を持つとの世論調査 が後押しする隈り,有権者の関心 i こ敬感な議員による調査活動は続くこと になる倒。 もっとも,議会謁査の振絡における裁判官の註言拒否問題をどのような 法手続によって解決するかは不明確である O 伝統的に連邦司法部は,議会 召喚令状の事前差し止めには清極的である。そこで,裁判官む召喚令状の 拒否は,各院の判断により議会侮辱処罰法の対象となり,連邦刑事手続へ 移行する。事件は連邦議会の手を離れ,連邦大倍審による起訴手続,およ び,連邦検察官による訴訟手続に委ねられることになる凡さらに連邦. 鵠連邦司法部合機能から,襲身在期制の憲法改革案が多く見§れる。 S eee . g .,. Stephen B . Burbank,Symposium:TheC h i e fJ u s t i c e and t h eI n s t i t u t i o n a l Judiciary:TheS e l e c t i o n,Tenure,and E x t r a j u d i c i a l Authority o f t h e C h i e f J u s t i c e and Other J u s t i c e s :A l t e r n a t i v e Career Resolutionn: Changing t h e Tenure o f Supreme Court J u s t i c e s,1 5 4 U. P a .L .R e v .1 5 1 1( 2 0 0 6 ) ;Steven G .C a l a b r e s i & James Lindgren, Term Limits f o rt h e Supreme Court:L i f e Tenure Reconsidere 止2 9 Harv. J . L . Pub. P o l ' y7 6 9( 19 9 6 ) ;Dennis B . Wilson,E l e c t i n gF e d e r a l Judges and J u s t i c e s :Should t h eS u p r a L e g i s l a t o r s Be Acountable t o The Vo t e r s, ?3 9 CreightonL .R e v .6 9 5,7 3 5 7 3 8( 2 0 0 6 ) . 鵠 Martha N e i l, Harf o f U . S . S e e s “J u d i c i a l Activism C r i s i s ", A.B .A . J . E-Report,S e p t .3 0,2 0 0 5 . 鵠学設は,行政特権に基づく証言拒否に援する剤事手続について,独立検察 宮を用いるべきであるとしている。 S ee e . g .,Stanley M. Brand & Seen. Connelly,C o n s t i t u t i o n a l Confrontations:Preservong a Prompt andノ - 2 3(388).

(24) 近 畿 大 学 法 学 第5 4巻第 3号. 裁判官の起訴が決定した場合,訴訟は連邦地裁の管轄に入江裁判官に対 する召喚令状発給に批判的な連邦司法部が統括することになる O 合衆昌憲 法が定める権力分立制度は,裁判官む証言拒否問題の法的解決について, 三部門の共同を求めているのである O むしろ,. レーンキスト最高裁長官が危摸したように,裁判官の証言拒否. が弾劾権行使の契機となる点に注意が必要である舗。弾劾権は憲法が明確 に可法部統制権限として付与したものである。議会下読が過半数の同意で 弾劾訴追を行い,上院の弾劾裁判では出席議員の三分のこの費成を持っ て,連邦裁判官を罷免し,公職就任権を剥奪できる O 過去二百十数年の聞 に有罪となり罷免されたのは下級審判事 7名りみであり,弾劾手続は実質 的に連邦下級審裁判官の罷免手続と化している問。連邦可法部は,通需の 議会調査と弾劾調査を区却しており,弾劾裁判手続に至って辻,その号法 審査自体を「政治問題の法理」により認めていな~ ¥0 憲法条文上訴追事由. は「叛逆罪,収賄罪また i まその弛の重罪J( 2条 4節〉であり,その定義 によっては,より広況な裁判官罷免手続が出現し,司法権の独立への者威 となる O レーンキストの見解では,司法手続に関する問題を弾劾事由と認. 8 0 3年のチェイス最高裁判事弾劾事件の帰結である O しかし, めないのが 1 弾劾手続は憲法起草者によって司法権の独立の例外的装置として設定され ている G 弾劾権,あるいは弾劾権行使の威圧を背景にした情報取得開題の 解決は,議会の自制にかかっているといえよう O. 、. Orderly Means by Which Congress May Enforcement I n v e s t i g a t i v e Demands Against Executive Branch O f f i c i a l s,3 6C a t h o l i c U.L. R e v . 7 1,8 9( 1 9 8 6 ) . 締 S e e Marc O . DeGirolami,Congressional Threats o f 去emoval A0 Tex. J . on C . L .& C .R. 1 1 1( 2 0 0 5 ) . g a i n s tFederal Judges,1 的 措稿 fアメリカにおける裁判官弾劾制度の新額向一ヘイスティングス議判官 事件に関する司法判断の分析-J弾劾裁判所報 1 9 9 8 年号4 6頁以下を参照。 - 2 4(387)一.

(25) アメリカ連邦議会の調査権と可法権の独立. 連邦議会と可法部との対立を踏まえて,連邦司法部は,ブライヤー判事 を長とし,下級審裁判官を構成メンバーとする検討委員会に調査を行わせ ている倒。 地方,下院司法委員会も,連邦可法部内に裁判官む司法行為そ のものを調査する独立の調査官を設置するよう提案している倒。今後の動 向が注目される。. 織. See J u d i c i a l Conduct and D i s a b i l i t y Act Study Committee Or-. g a n i z a t i o n a l Meeting June 1 0,2 0 0 4,http://www.supremecourtus.gov/ p u b l i c i n f oj p r e s s j p r _ 0 6 10 0 4 . h t m l 鱒 S ee House B i l l Would Impose I n s p e c t o r General on J u d i c i a r y, Third Branch Vol .3 8,Number 7-July 2 0 0 6,http://www.uscourts.gov j t t b j 0 7 0 6 j b i l l j i n d e x . h t m l - 2 5(386)一.

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参照

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