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カリフォルニアの養蜂とポリネーション 

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ミツバチ科学21(1)ニ1-8 HoneybeeScience(2000)

カ リフ ォル ニ アの養 蜂 とポ リネ ー シ ョ

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カ リフォルニアは米国 で3番 目に大 きい州 である.412,602km2に及ぶ面積 に,山あり谷 あり,砂漠か ら海岸 までの変化がある地域であ る.養蜂家は蜂にとっての良 い蜜源 と薬害の危 険を最小 にす るような地域 に蜂場を置 こうとす るが,養蜂収入のかなりの部分が花粉媒介業か らくるので, この条件を満たす ことは困難 とい える .さらに人口の増加が蜜源地域をせばめて いる. カ リフォルニアには全国の10%の人口 が集中 している. カ リフォルニア州の養蜂家のタイプは1-25 群を飼養す る趣味養蜂家,26-350群の兼業養 蜂家,それ以上の商業養蜂家 と3つに分 けるこ とがで きる. 専業でやるには1000群以上を飼 うのが普通である.カ リフォルニア州の趣味養 蜂家 は2000人,兼業家が250人で,合わせて 5万群 ほど,専業家 は45万群を所有 している. 晩冬期 にはアーモ ン ドの媒介 に備 えて100万 群 と倍増す るが,全国の商業用蜂群の3分の1 がカ リフォルニア州 に集中す るのである. カ リフォルニア州 の養蜂家 の収益 は3つが 主要である. 1.野生植物, 栽培植物か らの流蜜が期待で きる地域 の養蜂場.1997年 の-チ ミツ生産額 は2,205万 ドル,副産物 で ある蜂 ろ うが239 万 ドルであった. 2.花粉媒介を要す る農家 に蜂を貸すのが, 最大額の4,827万 ドル (1997年)である. 3.女王蜂,パ ッケージビー,小群を養蜂家に 供給す ることで,約 1,332万 ドル (同年). 年額 にはあま り大 きな変化 はないが, 1997 年の合計 は約9千万 ドルであった.

ハチミツ

カ リフォルニア州のハチ ミツ生産量 は常に全 国の トップか,上位3位以内にあるが, これは 蜂群数が多いことによっており,群当たり生産 量 は表1のよ うに4- 36位 といった ところで ある. 天候がハ チ ミツ年産額 に大 きな影響 を与 え る.カ リフォルニア州 は地中海性気候で夏の乾 表1 カリフォルニア州の-チミツ生産 年 生産高 総生産 量 採蜜量/蜂群 千米 ドル t 米 国内順位 kg 米国内順位 1998 23,157 16.977 1997 22,050 14.318 1996 22,932 12,409 1995 24,608 17,754 1994 12,240 10,909 1993 22,500 20,454 1992 16,375 14,314 1991 17,690 14,890 1990 10,886 9,164 1989 8,186 8,268 1 0 2 5 4 4 6 7 5 6 1 1 2 2 1 1 3 3 7 1 8 3 3 1 5 6 1 5 7 4 1 2 7 0 0 8 9 5 3 3 3 4 2 4 3 2 1 1

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・ L) 煤 と湿 潤 な冬 とか らな る. 雨 の タイ ミング と量 が重 要 で あ る.平 均 的 な雨 量 の時 は,群 当 た り 収 量 は27kgと平 均 的 で あ る.干 ば つ 年 で は 15kgとな り, エル ニ ーニ ョの影 響 で4月 まで 降雨 が延 び る と,40kgに達 す る. VansellandEckert(1941) に よれ ば, カ リフ ォル ニ ア州 の ミツパ テが蜜 源 , 花粉 源 , あ る い は両 方 に利 用 して い る植 物 は150種 と し て い るが, 現 在 で も大 き く変 わ って は いな い. 12月 か ら2月 まで は各 種 の ユ ー カ リが 咲 き, カ ラ シナ, ナ ズ ナ頬 が補 助 蜜 源 とな る. 暖冬 の 場 合 に は山地 で ウ ラ シマ ツ ツ ジが 咲 く. この 時 は10年 に1度 程 度 の好 況 とな る. 最 初 の大 き な流 蜜 は4-5月 の柑 橘 類 に よ る. そ の後 , セ ー ジや 野 生 の ソバ が重 要 な蜜 源 植 物 とな り,5 月 に は採 種 用 アル フ ァル フ ァが 咲 くと媒 介 用 に 移 動 を行 う. 採 蜜 量 に は変 動 が あ るが湿 潤 年 の 方 が高 い傾 向 を示 して い る. 媒 介 に携 わ らな い 養 蜂 家 は夏 に向 けて 山地 の野生 植 物 の開花 を追 って移 動 す る. ただ し, 花 粉 が ミツパ テ に と っ 表2 カ リフォルニア州 において ミツパテが花粉媒介す る作物 花粉媒介要求性作物* 増産性作物** 果樹 アーモ ン ド アプ リコット数品種 アボカ ド キウィ ク リ タンジェ リン タンジェロー チェ リー プラム プ ルー ン モモ数品種 洋ナシ数品種 バー トレッ ト種 は 天候不良の年 には 必要 になる ライチ リンゴ大部分の品種 アプ リコッ ト オ リーブ カキ ベ リー類 マカデ ミアナ ッツ モモ 洋 ナシ リンゴ 飼料作物 アルファルファ ベ ッチ頬 ク リムソンクローバー アルサイククローバー ミヤコグサ イガマメ ラジノクローバー エジプ トクローバー レッ ドクローバー クラウ ンベ ッチ 野菜種子類 アスパ ラガス アメ リカボウフウ カブ カブキ ャベツ カボチ ャ カ リフラワー カ ンラン (コラー ド) キャベ ツ キュウ リ ケール スイカ スウェーデ ンカブ セロ リー ナス タマネギ ニ ラネギ (ネギ) ニ ンジン ハ クサイ パセ リ ブロッコ リー ペポカボチ ャ マスター ド 芽キ ャベツ メロン規 フア イツシュ 果菜類 カボチ ャ メロン頬 : キュウ リ カ ンテロープ ペポカボチ ャ スイカ ハニーデューメロン ペノレシャメロン 採油植物類 アマ ナタネ ヒマワ リ ベニバナ *花粉交配がなければ生産がで きない商業作物 **花粉交配によって生産性が向上する作物

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て毒 となるカ リフォルニア トチノキは避 ける. カ リフォルニア州北部の養蜂家 は夏の乾燥期の 群 の維持 あるいは余蜜 を得 るために帰化植物で あるヤグルマギクを利用す る.中央部の農耕地 では蜂群 を ワ夕作地 の傍 に置 く養蜂家がいる. ワ夕は良 い蜜源 となるが,害虫防除のための殺 虫剤の危険が高 い, 9月には全ての主要蜜源 は 終わ り,越冬前 の建勢 のために雑草類の咲 く地 域 に移動 してゆ く. カ リフォルニア州のハチ ミツの色 はライ トア ンバー (明 コ- ク色)が大部分である. カ リフ ォルニアセー ジ蜜 (結晶 しない)や, オ レンジ 蜜 の州内のプ レミア価格 は今 や通用せず,卸値 には世界 の流通価格が反映す る. 蜂 ろ うは50kgの- チ ミツに対 して1kgの 生産量がある副産物である.大部分の峰 ろうは バ ルクでの卸価格取引に供 され るか,養蜂器具 会社 の巣礎 との交換 に使われ る. その他の ミツパテ生産物 を商業 目的で採取す る養蜂家 はほとんどいないが,花粉 は注 目 して よい.一部 の養蜂家 は花粉 を企業 に販売 してい るものの,大部分 は花粉欠乏期 (晩夏,秋,時 には初夏)への備えである.晩冬期 に春のアー モ ン ドに備えて,補助花粉,代用花粉 などを給 餌 して蜂児生産 の促進 もよ く行われ る. ローヤ ルゼ リー, プロポ リス,蜂毒 の生産 ・取引 は養 蜂産業 にとって大 きな意味を もっていない. 商 業 的花 粉 媒 介 (ポ リネ ー シ ョン) カ リフォルニア州 の農家 は ミツパテによる花 粉媒介が必要 な作物 を50種 以上栽培 している (表2).その総価格 は42億 ドルとな り,養蜂生 産物収入の約40倍である. ただ し, ミツバチ が媒介 した種子か らの作物, アル ファルファや 図 1 アーモンドの花を訪れたミツバチ クローバ ーの消費 に基づ く肉類や酪農生産物 を 考慮 に入れれば, カ リフォルニア州の ミツパテ は農業収入200億 ドルの ほぼ半分 に関係 して いることになる. アーモ ン ド カ リフォルニア州の花粉媒介で最大の ものは 2月 に,22.5万 ヘクタールのアーモ ン ドが咲 く 時である (表3).栽培農家 は和合性の品種 をほ ぼ 同時 に咲 か せ な けれ ば な らな い (Thorp, 1979).その時 には ミツバ チが1

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に平均4 群 の割合で置かれている必要がある.受粉,受 精 には天候が大 きく影響 す る (Thorp,1996). 州内,州外か らの養蜂家 は秋の うちに蜂群 を 近 くに備えてお く.彼 らは2月めざ して健康 な 強群 になるよ うに,群 の合同を含めて冬の問に チ ェックを怠 らない(Nasretalリ1990).2月 の第 1週か ら第2週 にかけて,昼夜を問わず開 花 に合 わせて トラ ックが中部平野 を駆 けめ ぐ る.1999年 の賃貸料 は1群平均41ドルで あ った.1果樹園での開花 は4-6週間続 き,その 後蜂群 を引 き上 げる.移動 は暖期 には夜間に行 われることが多 い. 衰 3 カリフォルニア州のアーモンド生産 年 栽培面積 (ha) ナッツ生産量(t) 生産総額(千米 S) 1998 189,091 1997 189,545 1996 190,454 1995 186,818 1994 186.818 114,363 461,568 299,863 648,000 268,181 600,075 222,045 480,930 298,272 597,990

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4 アーモ ン ド園に置かれた蜂群 は殺虫剤 にさ ら され ることはないのだが,近隣の農家が遅咲 き の ものに散布す ることがある.処理 された樹下 の雑草 に触れた蜂 はアーモ ン ドに行 きに くくな る. また,開花終期 にはアルファルファ畑 はブ ドウ園の殺虫剤 との接触 も問題 となることがあ る.果樹園内で問題 を起 こす可能性があるのは 抗 カ ビ剤のキ ャブタン0で,処理 された花粉 を 大量 に食べた幼虫が死んだ り,成虫への変態が 阻害 され る. ミツパテが使えない場合 にそれに代わ るポ リ ネークーの研究 も行われて きた.数種 の-ナバ チ, 特 に

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の有効性が示 されて いる (Torchio,1982;Torchioetal,1987). しか し, カ リフォルニア州のアーモ ン ドの媒介 という巨大 な需要 を満 たせ るものはない. アルフ ァルフ ァ 次いで大 きな需要 は採種用のアルファルファ である (表 4).アル ファルファの媒介 はセー ジ や野生 ソバの開花 と同期す るので,それ らの流 蜜 が大 きい と養蜂家 はそ ち らを好 む ことにな る.賃貸料 は 28 ドル前後で,1ha当た り 6群 程度が一般的である.2.6km2の フィール ドに 12-20群 をセ ッ トで置 き, また周囲 に も配 す る.干 し草 を売 る農家 も種子の価格が高 いとみ れば,刈 らずに 1ha当た り 10群見当の ミツバ チをっ ぎ込み,採種 にあたる. 見識のある農家 はよほど害がひどくなければ 殺虫剤 は使 わない.2000群 もの ミツバ チを引 き上 げ, また元に戻す とい うことはで きないの で,開場 に置 いたままにされた採餌蜂 は大 きな 被害 を被 ることがある. このよ うな場合 にはき れいな水を得 るのが難 しいこともあって,群勢 は急激 に弱 まることにな る.多 くの養蜂家 は屋 根 をっけた樽 にきれいな水 を溜めて, ミツバチ を保護す る. また殺虫剤散布後の数時間を

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濡 らした麻布で巣門を覆 い,-チが出ないように す ることもあ る.夏 には気温が 45℃ に もなる ので この処置 は短時間に限 られ る. ミツバチは 巣箱か ら 6.4km もの採餌範囲があるので, ア ルファル ファの誘引力が弱 いような時には,各 所 で使 われて い る殺 虫剤 に接触 す ること も多 い. アルファルファが済んだあとは,餌,水, 殺虫剤 などに関 して条件 のよい地で,翌年 のア ーモ ン ドに備える必要がある. 1960年 代 に ア ル フ ァル フ ァハ キ リバ チ

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a)についで, アルカ リバ チ

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の利用が うま くい くよ うになると, アルファル ファの採種地 はカ リフ ォルニア州 (特 にサクラメ ン ト・バ レー)か ら, 北西部諸州 (オ レゴン,ワシン トン,アイダホ, ユ タ, ネバ ダ北部 など)へ と移 った.その時ま で は全 国の 1/2を生産 して いたが, その後 は 1/3程度 にな っている. カ リフォルニア州の生 産量 の多 くはサ ンノアキ ン ・バ レー南部 の もの で,開花期の長 さ,収穫時期の好天 などの好条 件 に恵 まれている.花粉収集量 を高 めてアル フ ァル ファなど各種作物 に対す る花粉媒介能 をあ げ る試 み が な さ れ て お り,Cordonetal. (1995) の花粉貯蓄量 を増やすような遺伝的改 良 や,蜂 児 フ ェ ロ モ ン を 利 用 す る 方 法 (Pankiveta1.,1998) などがあげ られ る. ウ リ科作物類 ミツパテは長期 にわた ってウ リ科作物のポ リ ネーションに利用 されている. カ リフォルニア 州南部では, メロン, ペポカボチ ャ, カボチ ャ 類が晩秋,早春 に栽培 されている.北部ではこ れ らの作物が夏中の栽培 となる.栽培面積 は上 表4 カリフォルニア州のアルファルファ種子生産 年 栽培面積(ha) 種子生産量(t) 生産総額(干米 ドル) 1998 28,277 1997 22,090 1996 20,772 1995 20,181 1994 15,773 28.277 43,892 12,867 46,006 12,074 36,390 10,907 32,440 ll,530 32,997

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記 の作物類 に比べて小 さ く, 賃貸料 も安 い.1 ha当 た り 6群 ま で が 普 通 で (Mussen and Thorp,1997), その作物 の後 には養生 の必要 があることもアルファルフ ァの場合 と共通 であ る. これ らの作物 は花粉が少 な く, ミツバチに は大 きす ぎ, また花蜜量 も非常 に少 ない.

その他の作物

コーネル大学の Robinsonetal.(1989)の 報告では,作物の花粉媒介 の72% はカ リフォ ルニア州で行われているとい う.ハナバチを必 要 とす る作物 は,キ ウイ (Thorp,1994)のよ うに栽培面積が大 きくない ものが多 い. カ リフ ォルニア州の農家 は全国に, また世界 に野菜類 の種子を供給 しているが, その栽培地域 は各地 に散 らばっている. これ らの作物 は必ず しも ミ ツパテにばか り依存 しているわけではな く, マ ル-ナバチや多種類 の単独性のポ リネ一夕ーも また利用 されている(PimenteletalH1997). ミツバチ以外のポ リネ一夕ー アルファルファ-キ リバチ (前 出) はたまた ま持 ち込 まれた外来種で, アルファルファに有 用である. カ リフォルニア州では夏を中心 に, 年 に数世代出現す る.既存 の穴を利用 して営巣 し,人工的に穴をあけた板, ス トロー,段 ボー ルなども利用する.葉や花弁 を切 り取 って指抜 き状の巣部屋 を作 り,花粉 を詰 めて卵 を産みつ ける.1960年代 に発達 した飼養技術では, 鍾 冬巣か らの第 1世代 はよいが,その後世代の個 体数 は急減 した. これは,夏が暑 いことに もよ るが,原因不明の幼虫期の高 い死亡率が大 きな 要因である.太平洋岸北西諸州やカナダ南西部 では,寄生蜂,甲虫類, なかんづ くチ ョーク病 菌 などによるい くっかの波 はあ ったが,現在で もアルファルファ-キ リ/ヾチ産業が根づいてい る.1990年代 の初期 にサ ンノアキ ン ・バ レー に再導入 されて, ミツバチ と混用 されてお り, 特 に ミツバチで うま くいかない地域で,補助的 に用 い られ る. カ リフォルニア州の条件では現 在で も繁殖 は不十分で,毎年上記 の地域か らの 再導入が必要である. アルカ リバチは北米西部 の種で,土壌条件が 良 ければ集団で生息す る.夏期 に1世代以上出 覗,外来作物であるアルフ ァルファの花蜜 ・花 粉 に よ く適 応 して い る.人 工 的 な営 巣 床 が 1950年代後半 に開発 されて今で も太平洋岸北 西諸州で使われている. カ リフォルニア州で も 1960年代 に試 み られたが,原因不明で個体数 が伸 びず,近年 で は商業 的 には使 われて いな い. アオツツハ ナパテ (Osmialignaria)も北米 原産で,0.I.lignaria(東部),0.i.propinqua

(西部) の2亜種か らなってお り, 成虫 は早春 に出現す る.近縁のハキ リパテと同様 に空洞 に 営巣す る性質 を もっているので,人工的に穴を あけた板や, ス トロー も営巣場所 となる.異 な る点 は巣 の しきりを泥で作 ることと,年1化性 であることである.主 と してユ タ州 など山間諸 州で, リンゴ,オウ トウなどの果樹のポ リネー ションに使われている. カ リフォルニア州のア ーモ ン ドでのテス ト結果 も非常 に有効であった が,個体数の確保や短 い開花期間での繁殖が不 十分 なところが欠点である. Bombusoccidentalis(マル-ナバチの一種) の商業的利用 はカ リフォルニア州の ワ トソンビ ル周辺で,温室作物 (特 に トマ ト)で始 まった. これ らの作物の高 い経済価値,人手 による受粉 経費や,新技術がマル-ナバチの世界的貿易 を もた らした.中央 ヨーロッパ, ニュー ジーラン ド,イスラエルなどでは,B.terrestris(セイヨ ウオオマルハ ナバ チ)の周年 飼育 が可能 で あ る. この種 はカナダ, アメ リカには輸入で きな いので,飼育技術 を輸入 して在来種 に適用 され た.温室 トマ トに加えて,B.occidentalisは, クランベ リー, ブルーベ リー, アーモ ンドに適 用 され,有用である.群 の構成個体数が小 さい こと,価格が高 いことが問題点である. アメ リ カ北東部のB. impatiensも利用可能である. B.occidantalisが ノゼマ病 の問題があるため, これに代わ って北 アメ リカ (カ リフォルニア州 も含む) に広が っている. その他 の在来 マル-ナパテ も商業的価値を持 ち うると思われる,

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図2 女王蜂の養成 女 王蜂 と計 り蜂 の生産 商業養蜂家 は定期的に蜂群の状態を知 るため 個体数 をチ ェ ックす る.標準 を下回 って いた り,防御的過 ぎるようであれば,女王蜂を更新 するのが普通である.旧女王蜂を取 り除 き,変 成王台を作 らせるようにすればよい. しか しな が ら,多 くの養蜂家 は,特定の女王蜂養成家か ら何年 もかけて望 ま しい性質を選択 された もの を入れる傾向がある. アメ リカの女王蜂生産の 半数 はアフ リカ蜂化 ミツバチの影響のない北 カ リフォルニアで生産 されている(Laidlaw and Page,1997). 寄生生物,病気,殺虫剤の混入や,飢餓など の管理不良 はいずれ も,蜂群 の損失 につなが る.別の強群を分 ければ補 いがつ くが,多数の 群が必要な場合 には,養成家か ら t言十り蜂"を 購入す る.これは,1-2kgの働 き蜂に 1-2匹 の女王蜂 と糖液をそれぞれ別のか ごに入れて, 網か ごに詰めた ものである.計 り蜂 は トラック か飛行機で,地元のあるいは外国の養蜂家に届 けられる.養成家 は検疫上の制限や証明書の内 容を熟知 し,法律に従わねばな らない. 女王蜂や計 り蜂の生産 は3月に始 まる.その 頃には一般的な蜂群では,糖液や花粉 (代替物) を奨励給餌す ることで,蜂児特に,雄蜂用の巣 礎を入れて雄蜂を作 るように している.間 もな く王台に幼虫を移虫 して,交尾用の小群を整え る.交尾用の群のサイズ,形,-チの数 は色々 である.時には,普通の巣箱の中で交尾用小群 サイズの蜂児巣板を作 って足す こともある.い ずれ も小型の巣板を十分量の働 き蜂が覆 うよう に して,女王蜂への給餌や温度が良い条件 にす るのである.交尾後,その先の女王蜂更新に備 えて十分量の産卵を見届 ける. 養成用女王蜂のいる群か ら, 1日齢の幼虫を (ろう, またはプラスチ ック製の) 王台に移虫 し,養成群 に戻す.一部の養成家は空の王台に 移虫する方法に代えて, ローヤルゼ リーの溜ま った王台に移虫する tt2回移虫"法を行 ってい る.養成群 は同 じものを用いる場合 もあり,別 の群 に預 ける場合 もある.養成家 は羽化予定 日 の前 日に群か ら王台を取 り出 して,イ ンキュベ ータに保温 したのち,翌 日に交尾用小群に入れ る.天気が許せば約2週間内に交尾 ・産卵を始 める.その時点で,女王蜂を取 り出 し,次の王 台を入れるようにする. 女王蜂だけを販売する場合 は,王か ごに同 じ 群か らの6匹の働 き蜂 と,クィーンキ ャンデー をっける. このキ ャンデーは柔 らかいがべ とつ かない組成が工夫 されている.計 り蜂につける 女王蜂は網かごに 1匹だけをいれ,網越 しに餌 を受 け取 るようにす る.数群か ら集め られ,計 りわけられた働 き蜂は,購買者への輸送中に女 王蜂に慣れる.計 り蜂が到着す ると,養蜂家は 餌容器を外 し,女王蜂をケージか ら出 し,何枚 か巣板を抜 いた巣箱 に蜂を振 るい落 とし,女王 蜂を入れて巣板を戻 し,蓋をする.2日後 には 産卵が始 まり,急速に群が出来上が ってゆ く. 蜂群 管理 の要 点 カ リフォルニア州の養蜂家の問題 は世界 と共 通 している.作物栽培農家,害虫管理 ア ドバイ ザー,殺虫剤施用者 と養蜂家 とは互 いに良い関 係にあるが,それで も殺虫剤が頻用 される地域 でのポ リネーションでは,被害が起 こる.毎年 10%程度 の群が損失 を受 けると推定 されてい る.初期であれば補いもつ くが, シーズ ンの終 わ りにそれが起 こると,翌年のアーモ ンドのポ リネー ションに響 くことになる. 気管につ くアカ リンダニ (Acarapis woodi)

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と ミツバチへギイタダニ (Varroajacobsoni) とがカ リフォルニア州に侵入 して以来,生産が 落ち, コロニーの損失が起 こった. ダニ感染初 期の規制 は,その広が りを遅 らせたはずである が, ポ リネー シ ョン用 に移動す る群数 は莫大 で,急速 に広が っていった.養蜂家 は植物性の ショー トニ ング 1に対 して2.5倍 の砂糖 を加 えた "グ リースパテ Mを使 って, アカ リンダニ の感染 を経済的閥値以下 に抑 えている. しか し,時には被害がおきて,治療のためメントー ルが用い られる. バ ロアダニは米国の蜂群 に大 きな被害を与え ている.多数のダニによる直接の寄生 と,恐 ら くダニが ウイルス病のベクターとなって,養蜂 業者 も趣味養蜂家 も群を失 っている.野生群 は 見 られな くなって しまった.典型的な tt寄生 ダ ニ症候群" は t-麹奇形 ウイルス"による廻の縮 れである.養蜂家 はフルバ リネ- ト製剤を しみ 込ませたプラスチ ック片 (ア ビスタン⑧) で対 処 している.最悪の時期

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には,再 感染 を防 ぐために年 に3回の処理 を しな くて はな らなかった.最近では害 は落 ちついて きた が, フルバ リネ- ト抵抗性のダニが現れつつあ る.別の殺 ダニ剤 (クマフオス)を しませたも の (チェックマイ ト⑳) も一時的に用 いられて いるが, これに対す る抵抗性 も出るであろう. バ ロアダニに対する遺伝的な抵抗性あるいは耐 性をもつ系統が見っか って利用できる日を期待 した い. アメ リカ腐姐病 (AFB), ヨーロッパ腐姐病 (EFB),チ ョーク病,各種のウイルス病などの 感染症 はあま り大 きな問題 で はな くな ってい る.40年以上 にわた ってオキ シテ トラサイク リン塩酸塩 (テラマイシン⑧)がAFB,EFBの チェックに使われてお り,米Egのみな らず世界 中で耐性菌が出現 し, これに対 しては登録 され た良 い抗生物質がない.AFB抵抗性の ミツ/ヾ チの選択が将来への解決法であろう. 限 られた地域 に多数の蜂群があるので,人々 との接触 は避 け られない.あ る人 は蜜巣板 を 2,3枚,時には全部,また一部の蜂や時には巣 箱 ごと持ち去 るようなこともあり,巣箱をひっ 7 くり返 した り,穴を開けた りす ることもする. アーモ ンドが咲 く前の数週間には泥棒が問題 と なる.アーモ ンド栽培農家 はハチを運び込むと 賃貸料の半分,運び出す時に残 りを支払 うこと が多いが,-チ泥棒 は他人の蜂を果樹園に運び 込んで半額を受 け取 り

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度 と現れないのであ る.巣箱 には所有者名や電話,州か らの証明番 号などを書 いてあることが多いので,やがて戻 って くることが多い. 野生動物 も問題になることがある.冬 にはネ ズ ミが入 り込んで,巣板に穴をあけて巣作 りを することがある.スカンクは夜 に来て巣門で引 っ掻 き音をたて,出てきたハチを食 う.毎晩同 じ群を襲 うので,全滅することもある.別の動 物 は交尾用の小型巣箱をひっくり返 して中の餌 容器か らこぼれる糖液を飲む.キツツキが巣箱 に穴をあけて中のハチを食 う. しか し, クマが 一番の大敵である.電気 フェンスや高い台に乗 せて近寄れないように しておかなければ,巣箱 を壊 して蜂児や蜜の巣板を食 って しまう.一度 味を覚えると,防 ぐのは非常 に困難 となる.ま た, 自然保護の動 きの中で害獣防除許可を得 る のが困難 になっている.時には自然保護関係者 が協力す ることもあるが,彼 らは捕獲後に印を つけて,より害のない地域 に放 してやるのであ る. カ リフォルニア州の養蜂家 にとって,特にこ れか ら飼お うという時に最大の難問は,養蜂場 を見つけることであろう. 養蜂家は tt積み荷" 単位で-チを飼 っている.所有す る トラック一 台の積み荷にできる単位で,100箱余 りが普通 である. これが 1か所の養蜂場を要するので, 図3 トラックに蜂群を積み込む養蜂家

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8 2000群 を もつ養蜂家 は, ポ リネー シ ョン期以 外 には20か所の養蜂場 が必要 となる.採蜜用 に この他 に15- 20か所 が い る. これ らの場 合,養蜂家 はその土地の所有者か,公共の土地 で あれば監督官庁 に許可 を得 なけれ ばな らな い.地主 によってはハチ ミツと交換でよいこと もあ り,賃貸料を とることもある.公用地の場 合 には,昔 は許可だけでよか ったが,賃借料が 必要 とな り,現在では公用地での外来生物 を制 限す る Il保護努力"がなされ るようになってい る.カ リフォルニア州南部 にアフ リカ蜂化 ミツ バチが広が るようになると,蜂刺症 に対す る恐 怖感が非常 に高 まっている. この ミツバチは年 に80kmの速度 で北西へ と広が ってお り,す ぐには止 まる気配がない. カ リフォルニア州 における養蜂 は自律 を目指 す人 々にとっで恰好の職業である. アウ トドア の職業であるか ら,極端 な天候,寒暑,泥地, 泥道, 自分で管理で きない外来の難関 (外敵, 殺虫剤, ほか) に直面す る.大部分の養蜂家 は 好 きだか らこその職業で,投資に対す る収益が あるか らという理 由ではない.幸 いなことに, 私 たちの社会では徹底 した個人主義者が残 って お り,彼 らが, ポ リネーシ ョンに依存 している 私 た ちの 日々の食料 の3分 の 1(果実 や野菜 類)を確保 して くれているのである. (翻訳 松香 光夫 著者の住所は下記参照) 主 な参考文献

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TheStateofCaliforniaisaboutthesamesize asJapan. Ten percentofthe United States population (about 1/4 thatofJapan)livesin Californla,predominantlyinthecoastalreglOnS. TheremainingmountainandvalleyreglOnSare used by beekeepers. The mountalnS provide areasforproducinghoney,bulldlnguPCOlonies depletedbyuseincroppollinationorforover wintering above the valley fog. The large valleysareareasofintensive,irrlgatedagrlCuト ture. California beekeepersearn thelrlivings byproducinghoneyfrom wildflowersandagrl -culturalcrops,byrentingbeesforcroppolli na-tion,and byrearingqueensand bulk beesfor sale to otherbeekeepers. Ofthe nearly $50 million earned annually by Californiabeekee p-ers,about32% is from honey and beeswax production,54% from crop pollination.and 14% from queensandbulkbees,Beekeepingis highlymigratoryinCaliforniaandfindingsafe locationswlth adequatebeeforageisdifficult. Pesticlde poisoning, Varroa mites, American foulbrood disease,trachealmitesand low bulk honey pricesarethebeekeepers-mostdifficult problems.

図 2 女王蜂の養成 女 王蜂 と計 り蜂 の生産 商業養蜂家 は定期的に蜂群の状態を知 るため 個体数 をチ ェ ックす る.標準 を下回 って いた り,防御的過 ぎるようであれば,女王蜂を更新 するのが普通である.旧女王蜂を取 り除 き,変 成王台を作 らせるようにすればよい

参照

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