日本精利1保健看護学会誌 Vo1 23,No 2,pp 41∼50,2014
〔
研 究 報 告〕
/
看護学生が実習中に患者か ら受けた暴力被害の実際 とその影響
The]Reality and Psychological Erects of student Nurses used
Violence by Patients]During Nursing Practice
森 野 貴 輝
Atsuki Morino
(Abstract)
硼 s sttdy analyzcs smdcnt nurscs'cxperienccs ofiolcnce by paients duttng nursing practicc,Wc
conducted a qucsdonn五re suⅣey and scali― structtlred inte郵五ews■vith 77 sc五or smdents,who had com―
PletCd nursing practicc in dュdr respcc機ミIiclds oF spedttzation.lhe quttsiOnnaire survey had a vdd
rCSPOnse rate of 71.4%.lhe results indicated that rnOre than 60%of the sttdent nurscs had cxpcrienced onc or more incidents of the fo■ωving types of五olcnce:slapping,ychng,Or obscentics,and that,on
an aveiage,cach student nursc had expcriented threc inddents of such、 たolcncc.lhe student nurses FnOSt frequendy(portcd vcrbal aggrcssion and stated that thcy“ sPol(e tO Other nurses in dle same nursing pracicc teain" to cope with the incidcnts.Furthcrmore,30% of the student nllrscs rcported that they
v市idly remembe■d the incidents and circumstances under wllich they hapPcned.llic intcwiew suⅣ eys rcvcalcd the Fo■σtting rcactions of the studellt aurscd some thed to reducc PsyChO10ξ cal cFFccts by tak―
ing an obicctitt Stancc of noing the patient's action as abhorrent some blamcd themselves for not being
able to fouowょ 市icc givcn by tcachcrs Or cLnic江 肥visors attor such incidellttt and some stШ felt inner conact or dttculり in facing thc P五cntS ag五n,desPite persuasion fl・ om theとad工sors
仏ese resdts suBgeSt that teachcrs and clnical ad五 sors nced to understand thc cmodonal lmPacts of such iolence On indMdual student nurses and Prttde suPPOrt tO hclp thcm face thc Patients again.
キー ワー ド Key words
看護学生
,実
習,暴
力,心
理的影響さtudent nursc,nursing pracice,撹 olence,PsychO10ttcal erCCt
精利I保健看護学会誌 Vo1 23,No 2,2014 (要 約) 本研究 は
,看
護学生 (以下,学
生 とす る)が
実習 中に息 者か ら受 けている暴力被害の実際 とそ の影響 を明 らかにす るこ とを 目的 に,専
門領域実習 を終 えた4年生77名を対 象に 自記式質問紙調 査 お よび半構成的 インタビュー を実施 した 質問紙 調査 の有効 回答率 は714%で ,患
者 か ら「 叩 かれ る」「怒鳴 られ る」「 わいせ つ な言動 」 な どの暴力行為 を一 つ以上経験 した学生 は約6割を占 め た 暴 力 の種 別 では言葉 に よる被害が最 も多 く,被
害 につ いて3割の学生が「記憶 ・情景が よ みが えった」 と回答 した 被害 を受 けた際の対処 は「同 じ実習 メンバーに話 した」が最 も多か っ た インタビュー調査では,暴
力被 害 の体験 を嫌悪 すべ きこ とと して 自身か ら引 き離 しネガテ ィ ブな感情か らの影響 を少 な くしようと した り,暴
力 の後 に教 員や臨床指導者か ら受 けた助言 を受 け取 ることがで きず,そ
の原 因を自分 に求めた り, また再 び患者 と向 き合 うように促 されて も抵 抗 や困難 を感 じてい るこ とが わか った. これ らの こ とか ら教員お よび臨床指導者 は学生個 々に生 じた暴力の影響 を理解 し,学
生が暴力 を看護過程の途上 に生 じた重要 な場面 として捉 え,そ
の経験 を学生 な りに解決で きるような教育 支援 が必要であることを示唆 している。I序
論 我が国の保健医療分野では,看
護職者2,837人中の 約 3割 が身体的暴力,言
葉の暴力 を被 っている (日本 看護協会,2004)ま
た,暴
力 を受けやすい封象には 女性や若年者あるいは研4多中の者が該当 し,配
慮が必 要であるとされている (日本看護協会,2006)が
, こ のなかには臨地実習中の学生 も含まれる 学生が体験 す る暴力は,暴
力被害の実態について数量的に明 らか に した研究 (村井 ら,2009)や
,受
けた暴力について の記述内容か ら分析 した研究 (江守 ら,2011)は
散見 されるが,暴
力被害 を受けた学生の心理的影響 にまで 十分に検討 されていない 学生の多 くは,患
者 を単独 で受け持 って看護 を展開 してお り,実
習当初 より患者 にケアを拒否 されることがないよう,ま
た患者の信頼 を損 なわない ように と考 えが ちである (長江・渡邊,2010)患
者か ら脅か され攻撃 される場面 に遭遇 して も,そ
の事実 を過小評価す る傾 向が見受 け られるの で,被
害の実態が表面化 しに くいことも確 かである そのため,学
生が患者か ら受けている暴力の実態 とそ の状況 を明 らかに し,暴
力に対処する支援の方策 を検 討することが求め られている(石東 ら,2005;三
木 ら,2007:村
井 ら,2009)が ,教
育支援の示唆 を得る研究 は実施 されて きていない 本研究は,質
問紙調査 を通 して臨地実習中の学生に 生 じた暴力被害の実態 とインタビュー調査 を通 してそ の被害が学生個 々に与 えた心理的影響 を明 らか にす る こ とを 目的 とした Ⅱ 研 究 方 法1.研
究デザイン 自記式質問紙調査による量的研究および半構成的 イ ンタビューによる質的研究2.対
象者 研 究者 が勤務す る看護系大学 に在学 し,看
護専 門領 域 実習の履修 を終了 した4年生 77名 の うち,研
究協 力 に同意が得 られた者3.デ
ー タ収集期間 2012年7月 ∼9月4.倫
理 的配慮 質問紙調 査 は,対
象者 に研 究 目的,デ
ー タの取 り扱 い,匿
名性 の確 保,調
査へ の協力 は自由意思であ るこ と,研
究結 果 の公表 について文書 で説明 し,質
問紙 の 回答 を もって本研究協 力へ の同意 とみな した 質問紙 にあ らか じめ インタビュー調査 に応 じるか否かの意 向 を,氏
名 とともに表示 で きる ように し,表
示 のあ った ―-42 -―対 象者 に インタビュー調査 を行 った インタビュー に 応 じる意 思表示 を した対 象者 に
,本
研 究の 目的 ・調査 内容等 を記 載 した文書 を用 いて再 度説明 した 研 究ヘ の協力の意思 を確認 した後,同
意書 にサ インを もらっ た なお,本
研 究 は,研
究者が勤務す る看護系大学の 倫 理 委 員 会 の承 認 を得 て 行 っ た (2011年 12月 27日#35)
5,調
査 内容 質問紙 調査 は,対
象者 の属性,実
習 中に患者 か ら受 けた暴力被害の有無,対
応 ・報告状況お よび自由記載 か ら構成 した 暴力被 害の有無 は,具
体 的 な暴力行 為 の29項 目 (田辺,2009)を
提 示 し,各
項 目の経験 の 有無 を質問 した 暴力へ の対応状況 は,暴
力へ の対 処 と暴力被害 の影響,周
囲か らの支援 か ら構成 し,紺
処 につ い て は14項目か ら複 数選択 し,暴
力被 害 の影響 と支援 の満 足 度 につ い て は5段階 評価 で 回答 を求 め た また, インタビュー調査 は, インタビュー ガィ ド に沿 って,1)暴
力 の発生状 況,2)暴
力へ の対応 状況,3)教
員や臨床 指導者 か らの支援,4)今
後求 めたい支 援 を尋 ね,一
時 間以内で 1回 行 うた6.用
語 の定義 暴力,身
体 的暴力,言
葉 の暴力,セ
クシュアル ・ハ ラス メ ン ト,暴
力行為 につ いて は「保健医療分野 にお け る暴 力対 策指針 」(日本看 護 協 会,2006)に
よる定 義 に準拠 した7.分
析 方法 質問紙 調査 の結 果 は,各
項 目の回答 を単純集計 して 百分率 を算 出 し暴力の種 別 に比較 した また,イ
ンタ ビューの結果 は,暴
力 を受 けた学生 に どの ような適切 な教育支援 を提供 で きるか に着 日し,逐
語録 か ら暴 力 の発生状況 と学生 の受 け止め方,暴
力 に よって どの よ うな心理 的影響 を及 ぼ したのか につ いて象徴 的 に示 し てい る語 りを抽 出 し,文
脈 に沿 つて要約,一
部抜粋 し た なお,質
的研 究 に精通す る研 究者 を含 む3名で語 りの内容 を どの よ うに解釈 で きるか妥 当性が得 られ る まで繰 り返 し協議 した Ⅲ 結果
1.質
問紙調査の結果1)回
収数お よび有効回答数 質問紙調査の回収数 は58件 で,回
収率 は75,3%で あった この うち性別,年
齢,暴
力行為 を受けた経験 につ い て の 記 載 に 欠損 や 重 複 が ない もの は55件 (9480/。)で
,こ
れ らを有効回答 とした2)対
象者の属性 (表1参照) 対 象者 の性別は女性が52名,男
性が3名であった 暴力 について教育 を受 けた機 会 は学 内講義が44名, 実習 オ リエ ンテーシ ョンが3名,実
習中が7名 であっ た 息者か らだけではな く過去 に暴力 を経験 したと答 えた学生 は10名(18.2%),実
習中に息者か らの暴力 を受けたと回答 した学生は32名(58,2%)で
あった3)学
生が患者か ら受けた暴力被害の種別 (表2参 照) 臨地実習中に患者か らの暴力 を経験 した32名 の学 生か ら延べ 95件 の暴力行為 (重複 回答可)が
報告 さ れた 患者か ら受けた暴力行為の種別では,「身体的 暴力」は29件 で “叩かれる"被
害が最 も多 く,「言葉 の暴力」では50件 の うち “もう来るな と拒否 される" あるいは “怒鳴 られる"が
多 く,「セクシュアル・ハ ラスメン ト」では16件 で “身体 に触れ られる"“容姿 に関する言動"“わいせつな言動"が
多 く報告 された4)暴
力被害 を受けた後の影響 (表3参 照) 被害 を受 けた学生32名 の うち,そ
の影響 について 「出来事 の記憶 ・情景が何度 もよみが えった」が12名 (375%),「過敏 にな り,常
にビクビクするようになっ た」が6名 (18.8%)を 数えた 表1
対象者 の属性 (回答数58のうち有効 回答数 55) 属 性 内訳 人 数 性 別 女性 男性 暴力 に関す る教育 を受 けた 講義 機 会 (重複 回答可)
ォ リエ ンテー シ ョン 実習 中 自己学習 な し 過去 に暴力 を受けた経験 あ り な し わか らない 記載 な し 実習中に暴力 を受けた経験 あ り な し 一 43-50 「 もう来るな」 と言われるなど 介入を拒否 される 怒鳴 られる 無視 される 侮辱 される けなされる 呼び捨てにされる 脅迫 される 言葉の暴力 件 数 精神保健看護学会誌 Vd 23,No 2,2014 身体的な暴力 日日かォtる 爪 を立て られ る 髪 を引 つ張 られ る 蹴 られ る 殴 られ る 引 つ掻 かれ る つ ね られ る 突 き飛 ば され る 締 めあげ られ る 口l‐ 被暴力の心理的影響 出来事の記憶 ・情景が何度 もよみがえった 出来事 について考えた り話 した りす ることを避けた り, 感1青を持たないように しがちになった 過依 にな り
,常
にビクビクす るようになった 精神的ダメージを受けたため 日常生活 をお くるのが困難 になった 表4、 暴力被害を受けた後の対処 (重複回答可) 対処行動 件 数 同 じ実習 メンバーに話 した19
何 もしなかった14
教員に話 した12
施設の実習指導者に話 した6
友人や家族 に話 した5
相手に暴力 をやめるように言つた4
その場で 自分 を守ろうとした3
教員の判断により受持 ち患者が変わった1
出来事 を報告す る報告書 を書いた1
なかったことと思お うとした1
その他 (周囲のスタッフや教員が助 けて くれたなど) 3
計 695)暴
力被害 を受けた後の対処 (表4参照) 被害 を受けた学生の対処方法では,「同 じ実習 メン バーに話 した」が 19件(27.5%)で
最 も多 くを占め, 「何 もしなかった」が 14件 (20.3%),「 教員に話 した」 が 12件 (17.4%)を教えた6)暴
力被害への支援 と満足度 (表5'6参
照) 教員お よび臨床指導者か らの支援 は,「出来事 につ いて話すノ/報告す る機会 の設定」が 10件 (31.3%), 「専門家によるカウンセ リング/健
康セ ンターの利用」 が 1件(3.1%)の
みであった また暴力被害の影響の 件 数 表2
学生が患者から受けた暴力行為 (重複回答可) 19 29 30 セ クシュアル・ハ ラス メン ト件数 胸や尻など身体 に触 られる 容姿に関する言動 わいせつな言動 性的関係 を追 られる わいせつな写真や動画 を 見 させ られる キスを迫 られる キスをされる 表
3
暴 力被害 を受 けた後 の心理 的影響 l′,=32) 全 くない 少 しある ある程度 かな りある 極度にある 無回答 1 表5暴
力 に 対 す る教 員 や 臨 床 指 導 者 か らの 支 援 l′,=32) 周囲か らの支援 あ り な し 無口1答 出来事 について話す// 報告す る機会の設定 専 門家によるカウンセ リング/
健康セ ンターの利用 その他の支援 10 19 3 1 28 3 0 29 3 表6
暴 力 に対 す る教 員・ 指導 者側 の対 処 へ の満 足 度 l用=32) 満足度 大変満足 満足 どちらともいえない 不満 大変不満 無回答 阿l‐ 32 うち “ある程度ある"“かな りある"に
該当 した学生3 名 (重複回答可)は
事後に教員や指導者か らの支援が なかった 暴力被害 を受 けた後の支援 について,“大変満足" と “満足"を
あわせ てH件
(34.4%)だ
が,“どち ら ともいえない"が
16件(500%)で
あうた,“大変不 件 数 ―- 44 -―表
7
インタビュー対象者 と悪者の属性および暴力の発生状況 A B C 学 生 年齢//性別 忠者の属性 暴力に関する学習 (機会) 暴力の種類ィ/行 為 暴力 の発生状 況 実習領域 日時 場 所 20代/女
性 女性,70代,統
合失調症, 入院期間 10年 以上 あ り(学内講義) 言葉の暴力/も う来るなと介 入を拒否 される 20代/女
性 女性,80代,統
合失調症, 軽度の認知症 あ り(学内講義) セクシュア,レ ハラスメント/
キスを追 られる,キスをさ デtる 20代/女
性 男性,70代,統
合失調症 あ り(実習施設) 言葉の暴力/も う来るなと介 入を拒否 される 精神看護実習 (最初の実習) 実習初 日,午
後,実
習が終わ る間際 閉鎖病棟,病室 (4床室) 精神看護実習 (最初の実習) 実習最終 日,午
前中 精神看護実習 (2クール ロ) 実習3日 目,朝 閉鎖病棟,病室 (個室) 閉鎖病棟,病
室 (4床室) 満"と
答 えたのが 1件 あ った2.イ
ンタビュー調査の結果 質問紙 に氏 名 を記 入 した 3名 (学生A,学
生B,学
生Cを
以下A,B,Cと
す る)に
インタビュー を実施 した 対 象者 と息 者 の属性 お よび暴力が 発生 した概況 を表 7 に示 した 暴力 を受 けた学生 の心理 的影響,対
処,支
援 とい う3つの テーマ について,そ
れぞ れ一 人ずつ の 対 象者 のデー タ′を以下 に記 した1)言
葉 に よる暴力 を受 けたAへ
の心理 的影響 (1)場面 の概要Aは
息者の病室 を訪れた 患者は 目を開 じてベ ッ ド に臥床 していたが眠つている様子はなかったAば
別 室で行われていた作業療法の歌の会に誘 うため,横
に なっていた患者 に声 をかけた しか し突然 に患者か ら 大声で怒鳴 られ,さ
らに罵 られた (2)自 責の念に駆 られた語 りAは
患者か ら「 もう来るな」 と関わ りを拒否 された 直後に教員や臨床指導者か ら受けた支援 について以下 のように振 り返っている その,道
った 日の初 日に,一
応先生には「 こうい うことがあ りました」 ってい うことはお話 して, で,先
生か ら,「それはAさ んが悪いん じゃな く て,患
者 さんの病気の状態 とかもある し」ってい うことを言われたので,そ
の最初の頃 よりは,自
分 を責めるというか,Vゝろいろ考えることがあま りな くなったんですけど,や
っぱ り,関
わるとき には,け
っこう一最初の一言が′怖くなっちゃった りとか その一 日の朝の挨拶 とか, こう言いに行 くときに今 日もまた「来るな」って言われた らど うしようとか, ち ょっと考 えてはいました う一 んそうですね…やっば リー番最初の実習でそうい うこと言われたので,先
生 もいろいろす ご く言っ て くだ さったんです け ど,や
っぱ りあま り耳 に 入ってこない というか… (笑いなが ら話す)私
の せいだろうなって思って しまいました。Aは
,教
員か ら「Aさ
んが悪いん じゃな くて,患
者 さんの病気の状態」が原因 しているという説明を受け たが,Aに
は自責の念が絶 えずあって,息
者 とFttlわる 際にはその都度出来事の記憶や情景が よみがえってい た 特に,関
わ りのなかで不安が顕著だったのは,患
者への最初の一言 (朝の挨拶の場面)だ
と語 った。A
の「やつぱ りあま り耳に入ってこない とい うか」 とい う発言 は教員の合理的 な説明 にAが
納得で きていな かったことや, また「私のせいだろうな」 とい う感情 が どうして も残 り,暴
力被害の原因を自分の言動に求 めていた2)セ
クシュア ル・ハ ラスメ ン トを受 けた後のBの
対処 (1)場面の概要Bは
患者 とラウンジや息者の病室 を往来 しなが ら過 ごしていた 病室での会話中に,Bが
実習最終 日であ ることを患者に伝 えると,患
者は感極 まった様子でB
の手 を引 き寄せて車いすのまま接近 しBの
頬にキスを した さらに止 まる様子がないため,慌
てて患者 を押 しとどめるように手で制止 し話題 を変えた (2)自分の本当の気持 ちに気づ くことので きない語 り Bはこの場面 を振 り返 って,恥
じらいつつ深刻に受 - 45 -―け止めていないようなポーズをとり
,笑
いなが ら場面 と状況について次のように説明 した あん ま リダメ とか言 うの はダメなんだろ うなっ て 「あ― どうしよう」みたいな く笑いなが ら話 す)「
困つたな―」 って思いなが ら で も,向
こ うが好意でなんか,た
ぶん愛情表現 的 な感 じで 言 って くれてるんだろ うなってのが わか ったの 、 で,な
んか,あ
― (笑いなが ら〉ほん とどうしよ うと思 って で もち ょっとキスはヤバいなと思っ て… 「ち ょっとこれは…誰 かに言いたい―」 と 思って 自分 じゃどうすれIゴいいのかわか らな く て,で
なんか,そ
の ときはあまり重 く考えていな くて, ちょつとまじで今困つたことがあったんだ けどって感 じで (他の学生に)話
して… なんか 何 日かは,夜
とか寝 る前,後
か ら思い出す と怖 く なって 男性 だった ら相当残 っていた と思います け どね(笑
い)い・ 内容が内容 だけにメンバー にも笑いながら話 して,笑
い飛ば してほ しい感 じ もあったんですけど,先
生は本当に真剣に話 を聞 いて くれたので,本
当に良かったな―って 自分 でも (自分の気持ちに)気
づいてなかったんです けどBは
同性の患者か らの頬へのキスを「あんま リダメ とか言 うのはダメなんだろうな」 と感 じ,言
葉で拒絶 す ることが よくないことのように思われ,息
者の行為 を許 した しか し,す
ぐに「ち ょっとこれは一誰かに 言いたい―」 と思い,「ち ょっ とま じで今困つたこと があったんだけどって感 じで」 と同 じグループの学生 に「笑いなが ら」話 を したが,Bに
とって発生 した一 連の出来事 は「困つたこと」 としか整理がで きずに脳 裏か ら離れない状況にあった 一方で教員はグループ の学生 とは異 な り,適
時Bの
話 を真剣に受け止めた!Bは
直後に暴力 を受けたとい う感覚はなか ったと話 す一方で,後
になって出来事 の記憶,情
景が よみが えったことがあった と質問紙 には記載 していた3)粗
暴な言葉 を浴びせ られたCへ
の支援(1)場
面の概要Cは
患者の病室 に挨拶へ行 くと,患
者はベ ッ ドに腰 掛けて座 っていた状態か ら立 ちあが り,頑
なに関わ り を拒否 した 息者はCが
訪室する少 し前 まで紛失 した ベ ンを自分で探 していたが,結
局見つか らずベ ッ ドに 精神保健看護学会誌 Vo1 23,No 2,2014 端座位 で休 んでいた ところだったCは
時 間 をあ けて 訪室 したが,患
者 の関 わ りを拒 否す る態度 は変わ りな く,患
者 は徐 々に口調 を荒 くしCを
大声で怒鳴 りつ け た (2)無理 を強いない向 き合い方 を求め る語 りCは
実習指導 を担 当 している教員 に報告 した後,息
者 との 出来事 を臨床指導者 に も報告 したCは
この場 面 を振 り返 り,納
得 のいか ない様子 でその後の教 員や 臨床指導者 の対応 について次の ように説明 した. う― ん,な
んかそ うい う,病
気 が そ うさせ てい る とか,そ
うい うの を授業 で も先生 とか言 っていた か ら,そ
うなのか なって思 ったけ ど,で
も,そ
の 「変わ らず実習を続けて ください」 って言われた のは,普
通 に… もう無理 じゃない?「
変わ らず 実習 を続 けて ください」 って言 うのは,(患
者か ら)言
われる前 と後だと,無
理があるん じゃない のか なってい うふ うには思い ま した 私が受 け 持 ったときの, なんていうんですか心持 ちとい う か,気
持 ち 「 がんばって実習 しよ う」 とか「 こ の患者 さんのことよく知 っていこうとか」そ うい うふ うなのがあるのとないのとでは違 うなって感 じです」Cは
教 員 と臨床指導者 か ら「病気が そ うさせ てい る」 と患者の説明を受けて学内での講義を思い出 して いた しか し,「変わ らず実習 を続 けて くだ さい」 と いう言葉が型 どお りに聞こえ,こ
れに対 してCは
患者 と変わ らず関わ り続けることに無理があると感 じてい た またCが
教員や臨床指導者 に求める支援 として, 「がんばって実習 しよう」あるいは「 よく知 ってい こ う」 と,学
生の背中を押 して くれるような支援 を望 ん でいた とい う 質問紙調査お よびインタビュー調査 を通 じて得 られ た結果か ら,学
生が受けている暴力被害の実態 とその 影響 について以下に考察する Ⅳ 考察 可
.臨
地実習中に学生 が受 けた暴力被害の実態 実 習 中に暴力被害 を受 けた学生 は58.2%を 占め た この結果 は,学
生 の約6割が暴力被害 を受 けてい る と した他の調査 (村井 ら,2009;坂
本 ・下里,2007)の
報告 と類似 してお り,学
生が受 けてい る暴力被害が深 ―- 46 -―刻 に な っ て い る こ と を示 唆 して い る ま た
,川
島 (2o07)に よれば,実
習 中 に暴 力 ・嫌が らせ ・性 的言 動 を受 けた件 数 は全体 の ヒヤ リ・ハ ッ ト報告件 数 の 5.5%にみ られ た と報告 されてい る この こ とは学 生 が実際 に暴力被害 を受 けてい るに もかかわ らず,報
告 に至 っていない事例 も多い ことを意味 している また,暴
力 の種 別 に よる被害頻度 は言葉の暴力が最 も高 く,そ
れ に身体 的暴力 とセ クシュアル ・ハ ラス メ ン トカ司1買に続 く傾向は,田
辺 (2009)の調査 と同 じで あ った 三木 ら (2007)は107件の暴力場面 の記述 の うち言 葉 の暴 力が44件と最 も多 い とい う実態 を報告 し,本
調査 の結果 と一致 している 学生 に とって言葉 に よつて患者か ら攻撃 される経験 は,息
者 との援 助 関 係 にお け る 自責感 につ なが る可能性 もあ る 研 修 中の 女 性 が 多 くを占め る学生 に,実
習 全体 に「嫌 な思 い」 (村井 ら,2009)の
影 を落 と し大 きな影響 を与 える こ と も考 え られ る さ らに 身体 的暴 力 で は “叩 く"“爪 を立 て る"“ひ っか く"行
為が,言
葉 の暴 力 で は “怒 鳴 る"“介 入拒 否"“無 視"が
,セ
クシュ アル・ハ ラス メ ン トで は “わいせ つ な言動"“胸 や尻 を触 る"“顔 や 体型 の言動"が
,そ
れぞれ高い頻度で経験 されている とい う報告 (田辺,2009)│よ,本
調査 で も同様 の結果 を示 した この ように学生が高い頻度で各種 の暴力被害 を受 け てい る とい う現実 は,実
習指導 にあたる教員あ るいは 現場 の臨床指導者 に とって, もはや軽視す るこ とはで きない さ らに,学
生が受 けてい る暴力の種別あ るい は各種 の暴力被害形態が,臨
床現場の看護師が受 けて い るそれ とほぼ同 じであることを考 える と,学
生 に固 有 の現 象なのではな く看護職者 とほぼ共通 した体験 で もあ る こ とを意味 してい る また,3名
の学生 が精神 科領域 での被暴 力体験 を述べてい るが,こ
れは精神科 病棟 に高 い頻度で暴力が発生 してい ることを意味 しな い インタビュアーがた また ま精神科領域 の実習 を担 当 してお り,学
生 が インタビューに応 じやすか ったに 過 ぎない と考 え られ る2.暴
力被 害 を受 けた学生の反応 および支援 ニーズ1)被
害 を受 けた学生の心理的影響 本調 査 で は,学
生 に暴力 の影響 を尋 ねた結果, “全 くな い"が
最 も多 くを 占め た こ とか ら (表3参照), 学生 は暴力か ら受ける影響 を深刻に受け止めていない かの ように思われる しか し受けた行為 を暴力 と認知 で きているのか どうか,学
生 に よっては定かではな い 「出来事の記憶 ・情景が何度 もよみがえった」 に 対 して暴力被害 を受けた3割 の学生が “少 しある"と
回答 している また「出来事 について考 えた り話 した りすることを避けた り,感
1青を持たない ように しがち になった」に対 して “かな りある"と
回答 した学生 も いたことか ら,暴
力の被害が学習 を阻害 した り心的外 傷体験 につなが らないように見守 る必要がある 患者か ら言葉の暴力を受けたAは
,教
員か ら「息者 さんの病気の状態 とか もある し…」 とい う説明 を受け たが,Aに
は「やつぱ りあまり耳に入ってこない」 と い うAは
この助言 を受け取 ることがで きず,暴
力の 原因が 自分にあ り自分が悪かったのだとい う自責の念 を絶 えず持っていた 典田 ら (1997)は暴力を受けた 看護師の経験 について,看
護師は「腹立ち」や「恐怖 心」 とい う否定的 な感情,「自分の対応 を反省 した」 といった自己反省的な感情,「精ネ申症状 だか ら仕方な い」 と合理化す る感情 を抱 いていると報告 している が,Aが
抱 いた「私のせいだろ うな」 とい う感情 は, 暴力被害の原因を自分の言動 に求めていたことを意味 している 学生は暴力の要因を合理的に説明する知識 と経験 を 持た ないため,否
定的な感情 を思者に向けず,む
しろ 自分に向けて自身を責める方向に強 く働いていること がわかる 看護専門職者に求め られる社会規範の獲得 途上 にある学生にとっては,暴
力被害によつて 自責の 念に駆 られ るこ とが一つの特徴 といえるか もしれな2)被
害 を受けた後の学生の対処 臨地実習で暴力被害 を受 けた後の学生の対処 と し て,本
調査で最 も多かったのは「同 じ実習 メンバーに 話 した」であった 看護職者 を対象 とした 日本看護協 会 (2004)の調査では,「本目手に暴力 をやめる ように 言った」 とする対処が最 も多 くを占めてお り,学
生 と は対処が異なっていることがわかる 看護職者はその 場で息者 を説得 しようと努めるのに対 して,学
生は明 確 な言葉で息者 と対峙 しようとはせずにその場か ら逃 れ ようとすることが多 く,暴
力被害については事後に 同 じ実習 メンバーに相談 または教員に報告 。相談する - 47 -―ことで対処 しようとすることか ら
,看
護職者 と学生で は対処 に違いがある可能性が示唆 された また,看
護職者では「同僚に話 した」が二番 目に多 く,暴
力被害 を受 けた後 に報告 や相談 を「何 もしな かった」が下位 に位置する (日本看護協会,2004)の
に対 して,学
生では「何 もしなかった」が二番 目に続 き,看
護職者 に比べ学生が暴力被害の体験 を言語化 し に くい状態に置かれていることがわかつた これは学 生が受持 ち患者 との信頼関係 を壊 した くない といった 心理機制が関与 している可能性が高 く,患
者 と言語的 に直接対1時す るよ りも回避 しようとす る傾向が強い 受持 ち患者 との間に生 じた学生の被暴力の体験 は,看
護過程の展開を妨げる出来事 につながっているのは明 らかであ り,そ
のことが暴力 を受けたことの問題解決 を複雑 に している 同性 か らセ クシュアル・ハ ラス メン トを受 けたB
は,「あん ま リダメとか言 うのはダメなんだろ うな」 とこぼ した これは学生の看護専門職 としての社会的 期待に対する心理的な反応 を示 しているように思われ る つ まり,学
生が看護専 門職者 として社会の価値観 を取 り入れる過程で,意
識 して専 門職者 として期待 さ れる社会規範 を体現 した発言 と考 えられる.し
か し,Bは
「 ち ょっ とま じで今困 った ことが あ ったんだけ ど」 と同 じグループの学生 に明か してお り,Bに
生 じ た一連の出来事 を自身の中では「困つたこと」 としか 整理で きていない様子が伺 えるBが
同 じグループの 学生 に「笑いなが ら」話 を していることか ら,同
じ実 習 メンバーに問題の解決 を期待することよりも,嫌
悪 すべ き体験 を自分か ら引 き離 しネガテ ィブな感情によ る影響 を少な くしようとしているように も思 われる この整理がついていない出来事 を教員 に話す ことに よって,Bは
当初考 えていなかった自分の気持 ちに気 付 くことがで きて「本当によかった」 と反応は一変 し た。同 じグループの学生 とは異 な り教員は,Bの
話 を 真剣に聞 き深 く共感する態度 を示 した 教員に理解 さ れ受容 された体験 はそれまで嫌悪すべ き不快 な体験で しかなかった出来事に意味 を与 え,意
義深い臨床経験 へ と昇華 させたと考えられる 北出 ら (2005)は,学
生のセクシュアル・ハラスメン ト体験 を分析 し,学
生 が 自己の看護観形成の うえでマ イナスの影響 を受けて いるとし,そ
れを取 り巻 く問題 として,指
導者側の性 精神保健看護学会誌 Vo1 23,No 2,2014 的問題 に対す る準備不足があることを指摘 している 本事例では,学
生が同性の教員に相談する機会に恵 ま れ,体
験 を語ることによつて抑圧 されていた気持ちに 気づ くことがで きたと考 えられる.3)被
害 を受けた学生に対する支援 保健医療福祉施設における暴力対策指針 (日本看護 協会,2006)に
は,看
護管理者の責務 として学生 を暴 力か ら保護することが盛 り込 まれている 本調査では 暴力 を受けた後の支援 と して約 3割 の学生が「教員・ 指導者側か らの出来事 について話す/報
告する機会の 設定」 を挙げているが,暴
力被害の影響のうち深刻な 被害に直面 した学生3名 (重複回答可)は
事後に教員 や指導者か らの支援がなかったと答えている この う ち1名の学生は,暴
力 を受けた「専門実習領域への就 職 をやめ ようと思 った」 と回答 してい る 本調査の 「教員・指導者側か らの専 門家によるカウンセリング′/
健康セ ンターの利用」は 1件 だけで,他
の学生は暴力 被害の体験 を深刻 に受け止めていなかったのか,も
し くは周囲か らの支援の機会に恵 まれなかったのか明 ら かではない また,臨
地実習において学生の教員・指導者側の支 援 に対す る満足度は,“どち らともいえない"が
半数 で “大変満足"“満足"を
あわせ た割合 よ りも高か っ た 日本看護協会 (2004)の調査では,看
護職者が受 けた暴力の状況報告 を行 った際 に,上
司や同僚か ら 「あなたに も原因があつた」「 どうして避け られなかっ たのか」な どの質問を受けることによつて二次被害 を 受ける恐れを指摘 している 学生において も教員や臨 床指導者か らの対応いかんによっては,こ
れと同様の ことが起 こり得る したが って,教
員お よび臨床指導 者は暴力の実態の把握 と学生の気持ちの理解の両方に 努め,タ
イム リーな支援 を提供することが重要である ことを示 している 患者か ら言葉の暴力 を受けたCは
,教
員 と臨床指導 者か ら患者の疾患や症状 について説明を受け「変わ ら ず実習 を続 けて ください」 と言われた ことに対 して, このまま患者 と関わることに「無理がある」 と思った とい う 患者か ら粗暴 な言葉 をi谷びせ られた出来事 が,教
員や臨床指導者に とって患者一学生間の関係 を 著 しく損 な うもので はない との見極 めか ら,学
生 に 「実習 を続 けて ください」 と促 して も受け入れがたい ―- 48 -―サポー トであった可能性が高い 教員の学生に対する パ ターナ リステ イックな態度が
,多
くの学生に依存心 と無力感を生み,暴
力に対応で きない ときには自責の 念に駆 られ,暴
力 を受けた者が罰せ られるとい うプロ セスを助長 して きた とも考えられる これに対 して教 員や臨床指導者は,身
体的暴力,言
葉の暴力お よびセ クシュアル・ハ ラスメン トを許 さない とい う,首
尾一 貫 した強いメッセージを持つ ことが必要であるCは
教員や臨床指導者 に支持的な態度で接 して もら うことを求めていた 学生にとって必要なことは,型
どお りの説明によって実習 を続けることを促す ことで はな く,学
生個 々の′とヽ理的側面 に寄 り添 った支援 で あった と考 えられる すなわち,学
生 に必要な教育支 援 とは,暴
力被害の体験 を「看護」の文脈か ら切 り離 して捉 えるのではな く,看
護過程の途上に生 じた重要 な場面 として暴力 を捉 え,そ
の経験 を学生な りに解決 で きるように,学
生 とともに,患
者―看護者 (学生) 関係にとって,あ
るいは忠者 にとって どのような意味 があったのかを探求することではないだろうかV
結論
1
臨地実習中に暴力行為 を受けた学生は58.2%を 占 めた 暴力行為の種別では「言葉の暴力」の被害 が最 も多 く,次
いで「身体 的暴力」「 セクシュア ル・ハ ラスメン ト」の順 に多かった2
被害 を受けた3割 以上の学生が「 出来事の記憶 ・ 情景が何度 もよみがえったJこ
とがあ り,後
の支 援 として約 3割 の学生が教員お よび臨床指導者か らの支援があったと報告 しているが,深
刻な被害 に直面 した学生3名 は周囲の支援 につなが ってい なかったことがわかった,3
被害 を受けた後の学生の対処 として,「同 じ実習 メンバーに話 した」が最 も多かった 看護職者は その場で患者 を説得 しようと努めるのに対 して, 学生は事後に同 じ実習 メンバーに相談 または教員 に報告 ・相談することか ら,看
護職者 と学生では 対処に違いがある可能性が示唆 された4
学生は,被
暴力の体験 を嫌悪すべ きこととして自 身か ら引 き離 しネガテ ィブな感情 か らの影響 を少 な くしようとした り,暴
力 の後 に教員や臨床指導 者か ら受 けた助言 を受け取 ることがで きず,そ
の 原 因 を自分 に求めた り,ま
た再 び患者 と向 き合 う ように促 されて も抵抗や困難 を感 じてい ることが わか った Ⅵ 看 護 実 践 へ の 示 唆 教 員お よび臨床指導者 は,暴
力被 害 を受 けた学生 と 看護 職者の反応 とは異 なっていることを熟知 し,症
状 の合理的 な説 明や激励 の言葉が学生 に とっては表面的 な支援 に留 まる ものであることを知 り,学
生個 々に生 じた暴力の影響 を理解 し,学
生 が再 び患者 に向 き合 う こ とを可能 にす る支援が必要である Ⅶ 本 研 究 の 限 界 と今 後 の 課 題 本研究では,想
起 して語 られた暴力被害の出来事 を 振 り返 るまでの時間にば らつ きがあ り,内
容 に は無意 識 的 な反応 や対処 は含 まれていない また,対
象者 の 年齢 や性 別,生
育歴,領
域 別実習の経験 回数,患
者 に よる暴力 に関す る考 え方 な どの背景が,学
生 の反応 や 対 処 に影響 を及 ぼ していた と推 察で きる そ の ため, 本研 究 の結果が臨地実習 において患者 か ら暴力 を受 け たすべての学生 に共通す る反応 と対処であ る とは断言 で きない 今後 は影響 因子 を視野 に入れ,支
援 のあ り方 につ い て考察 を深 め るために質・量 ともにサ ンプル数 を増や し研 究の精度 を上 げることが課題 である 謝辞 本研究の趣 旨を理解 し
,心
理的な痛手 を伴 う貴重な 体験 を語 って くれた3名の学生お よび質問紙調査に参 加 して くれた多 くの学生に心 より厚 く御礼申 し上げま す また,本
研究をご指導 くださった放送大学大学院 の石丸昌彦教授,長
野県看護大学の岡田実教授 に深 く 感謝いた します 本研究は放送大学大学院文化科学研 究科修士課程に提出 した修士論文の一部 を加筆修正 し ました ―- 49 -―精神保健看護学会誌 Vo1 23,No 2,2014 号│夕用 文 献 江守陽子,三 木Л月子,村 井文江 (2011)看護学生が看護実習中に経験 した患者か らの暴力について 日本看護教育学会誌,21(1), 59-64. 石東佳子