• 検索結果がありません。

所与の期待形成ルール下での固定価格均衡とマクロ・モデル : 短期固定価格モデルの研究(その4)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "所与の期待形成ルール下での固定価格均衡とマクロ・モデル : 短期固定価格モデルの研究(その4)"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 所与の期待形成ルール下での固定価格均衡とマクロ・モデル : 短期固定 価格モデルの研究(その4). Author(s). 久保田, 義弘. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 40(2): 17-32. Issue Date. 1990-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4502. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . . 北海道教育大学紀要 (第1部B) 第40巻 第2号. 平成 2年3月. Journalof Hokkaido Universityof1&iucation(Section I. B) Vo l .40 .2 ,No. March ,1990 . ● . ・. ● . ー ′ ● .. 所与の期待形成ルール下での固定価格 均衝と マクロ・モ デル. ●.・ ● ● ●●● .● .●● ・( . .・r‘. ’ . ’ .. -- 短期固定価格モデルの研究……その4 --. 久 保 田. 義. 目. 次. 弘. は じめ に. 1 . マクロ経済のミクロ的基礎 1 .1 伝統的マクロ理論と均衡 1.2 消費関数, 乗数及び投資 1. 3 ス ト ッ ク とフ ロ ー. 2 . 固定価格均衡モデル 2 .1 ベナ シーの静学モデル 2 .1 .1. ベナシー・モデルの特徴 2.1 .2 知覚関数 2. 1. 3 割り当 て関 数. 2.1.4 固定価格均衡 2 .2 ベナシーの準静学モデル 2.2.1 期待の役割 2 .2.2 貨幣の間接効用 2.2.3 一時的固定価格均衡とその存在 3 . 失業のマクロ・モデル 3 .1 失業均衡 3 .2 失業理論 むすびにかえて. は じ め に. 本稿では, ベナシー 〔2〕 〔 4〕によって展開された固定価格均衡モデルを概観し, さらに, マラ , 〔 1 〕 ンボー 7 によって精微化された失業均衡のマクロ・モデルによる失業理論を概観する, 固定価 , 格均衡モデルはマクロ・モデルのミクロ的基礎理論として提供されている. 固定価格という概念は 13 ヒッ クス 〔 11 〕〔 〕によっ てケインズの価格理論として学界に紹介されたものである. 市場価格が フローの需給均等以外の要因で決定される理論として固定価格理論は知られている. ベナ シー, ド レーズ 〔7〕 及びグラモン 〔8〕 はヒッ クスの固定価格という概念を援用し, 固定価格均衡モデル を提供している, 彼らは, 所与の市場価格体系下で, そのモデルを構築している, 筆者はそのよう な方向にヒックスの固定価格論を援用することには疑問を抑 えることは出来ない.. 17.

(3) . 久保田 義. 弘. 本稿では同質的 (代表的) な消費主体並びに生産主体が想定され, それぞれは新古典派の効用関 数 (並びに生産技術) の下で最大化行動すると仮定される. 本稿の展開は目次に示されている通り である.. 1. マク ロ経 済 の ミク ロ 的基礎 1. 1 伝統的マクロ理論と均衡 伝統的マクロ 理論としてIS・LM がよく知られている, 周知のようにそれはフロー均衡としての ISとストッ ク均衡と しての LM から構成されている. それは固定価格体系であり, 利子率が変数で ある体系である. 利子率は, 所与の金融制度の下で, 異時点間の貨幣保有需要(つまり流動性選好) の結果と して決定される. 所与の期待形成ルールの下で, 各資産の期待収益が決定されると, その 供給価格とその 需要価格とが等しく なるようにその利子率が決定される. その供給価格が経常的な 市場で流布して いる市場価格であり, その需要価格が将来期を考慮 して決定されるストッ ク価格で あり, それらが一致するとき, フロー均衡とス トッ ク均衡は斉合する. そのためには期待がそれぞ れの期に於て実現されていなければならない. 固定価格体 系の下では経常的な需要と供給とは一致しない, 経常的には不均衝状態にあると通常 理解されうる. これはワルラス流の均衡 (フロー均衡) が唯一の均衡であると信じられているため である. その均衡の観点からすると, 固定価格体系は不均衡状態であると理解されよう, しかし, 経済学に於ける均衡という概念はさらに広義である. ある所与の状態でそれぞれの主体が満足を最 大にしている とき, その状態が均衡であると 定義されるならば, 固定価格経済に於ける均衡をも考 えうるであろう. 伝統的なマクロ 理論は, 所与の期待形成ルール及び期待下での固定価格均衡のマクロ・モデルと して理解される, 所与の状況下 でそれぞれ が最大行動をしているとき, その状態が均衡であると想 定, できるならば, 今日不均衡理論として流布しているケイ ンズ解釈も実は均衡理論として扱えるこ とになる. ベナ シーや ドレー ズの固定価格経済も均衡状態にあることになる. しかし, 彼らの均衡 はワルラス流の 均衡ではない, 彼らの均衡は固定価格均衡である, この均衡は数量による模索過程 によっ て達成される, この意味に於て固 定価格均衡は非ワルラス均衡である, しかし, 私にはベナ シーや ドレー ズの固定価格 均衡がケイン ズの均衡であるかどうかは疑問である. ケイ ンズの世界は 古典派の長期分析に於けるよう な静学体系ではなく, 貨幣ストッ クなどのストッ ク変数及び期待が 重要な働きをする動学体 系である. そのマクロ・モデルのミクロ的基礎をワルラス流の静学体系に よ っ て与えられるベナ シーや ドレー ズの均衡はケインズの均衡ではないであろう. 1, 2 消費関数, 乗数及 び投資 ス トッ ク変数が重要な働きをする市場では, その価格はフロー変数によ って決定されるのでは な く, ストック変数によ って決定される, フロー変化がス トック水準に比して無視できる程に小さい ならば, その変化に関係なく, その市場価格は決定される. 市場価格はフローの需要及び供給に関 係なく形成される, 筆者はそのような市場から成る 経済を固定価格経済と呼ぶ, 固定価格経済の代表例としてケイ ンズの市場経済をあげることが出来よう. その経済は伝統的な IS 分析によって示さ れる・ . 貯蓄の決定及び貯蓄と投資の均等による所得水準の決定がなされ, その 所得水準に対応して貯蓄の大きさが決定されている. 投資水準が外生的に与えられ, 貯蓄関数が与 18.

(4) . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. えられ, 限界貯蓄性向が0より大きくて1より小さいときには, 貯蓄と投資とを等しくする所得水 準が存在する. そのように決定される所得水準を均衡所得水準と呼ぶ. その水準は外生的に与えら れる投資水準の大きさに依存する, 故に, 価格体系及び投資水準が外生的に与えられると,IS均衡 が存在する, 貯蓄及び投資という概念は動学的概念 である.貯蓄は将来の消費の充足のために用いられるので, その決定は消費主体の最大化行動に関係する, 彼が最大化行動をし, 今期の欲求充足と将来のため の割り当てのいずれもが劣等財でなければ, 彼はその所得を今期と将来の欲求充足に配分する. よ って消費主体の限界消費性向は1より小さいこと になる, 消費関数 (すなわち貯蓄関数) は所得と 消費 (貯蓄) の計画された関係を表わしている. 所得と消費の間に正常な関係が存在するならば, ケイ ン ズとその後継者によって主張されている 乗数分析は有効である. 乗数分析は均衡分析である. ある任意の投資水準に対してある所得水準が 対応している. 故に, 異なっ た投資水準には異なった均衡所得水準が対応している. 静学分析では投資水準が外生的に与えられるが, 動学分析ではそれは生産主体のf l rward o ‐ ook ‐ i ng行動によ って決定される. その行動はその主体の将来の選択に影響するものに関する期待に依 存する, 任意の時点 (期初) で投資水準を以前と異なった水準にするかどうかはその期待に依存す る, 例えば, 投資水準を高めることは資本ストッ ク水準を大きくすることになり, さらに産出水準 は高くなろう, しかし, 生産主体の利潤 が大きくなるか否かは不確実である. 期初に於て生産主体 がその期間内に生じることを完全に予見できるならば, その決定は均衡下でなされるであろう. 投 資水準の決定は完全予見下でなされる. 完全予見下で, 利子率が与えられると投資水準 が決定され る, 動学分析に於て, 利子率及び所得水準のある組み合せが与えられると, 貯蓄と投資がそれぞれ 決定され, 投資水準の大きさに上界があるので, 貯蓄と投資を均衡させるような利子率と所得水準 の組み合せが少なくとも一組みは存在することになろう, 貯蓄と投資はフロー である, 利子率は流動性選好理論によって決定される. 1. 3. ス トック とフ ロー. ケイ ン ズの流動性選好はストックの選好である. 今期と将来の貨幣保有に関する選好である, そ れは一時点に於て決定されるので, 期初の決定と期間内の任意の時点に於ける決定とが斉合するた めには, ストックとフローに関する斉合性の条件が必要とされる. 期初の決定が期間を通して変化 しないならば, ストッ クに関する決定はフローに関する決定に予盾しない. このとき, 流動性選好 によっ て利子率が決定され, その利子率に応じて投資水準並びに所得水準が決定される, このように平均 残高として ス トッ クが取り扱わえるためには, 期待が期間を通 じて変化しないと いう前提が必要とされる. だが, 期待が確実に実現されるならば, 経済主体は貨幣を保有しないで あろう. 貨幣保有は不確実な期待故にである一 不確実な期待の下 では, 期初に於ける流動性と期間 内の任意の時点の流動性を加えて平均化することは矛盾をもたらす であろう. それぞれの時点に於 て主体は異なっ た期待値の下で行動しているので, それぞれの時点に於て彼の資産構成は異なって いよう. このような場合には, 平均残高としてその流動性選好を決定し, 投資水準及び所得水準を 決定する均衡分析は採用されえないかもしない. 故に, 完全予見が想定される巨視模型は均衡分析 を可能にするが, しかし, 不確実な期待下での巨視模型は均衡分析に適していないかもしれない. このことを考察してみよう. 例えば, 所得と消費の関係がケイ ンズの模型のように与えられるとしよう. 所得の上昇は消費水 準を上げると考えられるが, 消費主体が貨幣を保有する経済 では 必ずしも彼はその水準を上げると 19.

(5) . 久保田 義 弘. は限らない. その所得の上昇が一時的であると期待されるときには, その上昇分は殆ど貨幣などの 金融資産で保有されるであろう. 所得と消費の間には 時間の遅れを伴うのが貨幣経済の特徴であろ つ.. 例えば, 生産物に対する需要が増加 するとき, 生産主体はどのように行動するであろうか. それ が在庫を保有している場合とそれを保有 していない場合ではその 増加 に対する 生産 者の対応は 違 う, それを保有して いるとき, その需要の増加は 生産主体の販売数量の増加を意味し, かつ生産者 の在庫数 量の減少としてあらわれる. 彼がその減少に耐えるか即座にその 減少を補うかどうかは生 産主体の随意的判 断による. しかし, 彼がそれを保有 していないならば, その需要増は単に彼にと って注文の増加 としてあらわれるにすぎない. 生産主体が在庫数 量を保有している場合, その生産物に対する需要増加に対 応して彼が生産量を 増加させるかどう かは一義的ではない. その増加という信号を 彼が認知 しても, それを保有してい る限り, 彼は刺激に対する反応を遅らせることが出来る. ヒッ クスは, 刺激と反応との間に, 遅れ 1 } を伴うのが現代経済社会の特徴であると述べている( .. ,消費主体や生産主体が流動性や在庫を保有する現代経済に於てはフロー変数のみで経済分析を展 開する新古典派とは異なっ た経済理論を 必要とする. 流動性を保有する 主体は客観的な原因の下で 即座に決定を下すのでは なく, 遅れを伴っ た決定をなす自由意志を保持している. このことは静学 分析のみに限定さ れる新古典派の 理論は現代経済の分析には不充分であることを意味している, ケ イン ズによっ て提唱されている流動性選好理論は現代経済社会の現象を分析するための出発点を与 えているようである,. 2 . 固定価格均衡モデル 2 . 1 ベナシーの静学モデル 2. 1. 1. ベ ナ シ ー ・モ デ ル の 特 徴. ベナ シー・モ デルでは貨幣がストッ クとして主体によっ て保有される, それぞれの 主体はその保 有水準を将来についての期待に依存させて決定している, 彼の期待形成ルー ル及び期待値が所与で あれば, その主体は経常的変数に依存させて彼の取り引き数量を決定する. それぞれの主体はその l i ra s an の 主体と同様の行動原理が 満足を最良にするように取り引き量を決定する. この 点 では Wa i l 採られるが, しかし, ベ ナシーの経済では Wa an の経済とは異 なり, ストック変数がフロー変 ras 数を制約すると考えられる一 市場価格がストッ ク変数によ っ て決定され, フロー変数の変化によっ ては影響され ない固定価格経済がベナ シーの経済の特徴である, このような考えは, すでに, ヒ ソ 1 8 〕 によってケイ ン ズの価格理論として提唱されているものである, それぞ 1 1 〕 及 び森嶋 〔 クス 〔 れの 主体のフローの取り引き活動の結果 として市場価格が決定されるのではなく, 体系の外からそ れが与えられる価 格理論であり, フローとして 需要と供給が市離しても市場価格は変動することは ない. この意味に於てベナ シーの体系は非ワ ルス的である. 2. 1.2 知覚関数 交換経済に於て経済主体の決定問題と決定の効果について考えてみよう, 取り引きされる財には . 伽 個の財があり, 取り引き主体が “ 人である. 名 jは主体ぎの財ブに対する有効需要量である. これ が正のとき, フローの需要量を意味し, それが負のときにはフローの供給量が意味される. 任意の 20.

(6) . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. 主体による各財に対する有効需要の表明はそれぞれの市場に於て個別になされる. 貨幣経済では貨 幣が交換の媒介手段となるので, 各市場でのその表明は他の市場から独立して決定される. 所与の 期待及び所得制約の下で主体 効こよって表明される有効需要が確実に実現さ れるとは限らない. そ れが実現されるかどうかは, 各市場に於て他の主体がいかなる表明をするか に依存する. 故に, 主 体 力ま ,彼の有効需要が実現される のかそれとも割り当てられるのかについて事前に判 断し,その事 前に予知される割り当てに基づいて 最良行動をする,この事前に予知される関数を知覚関数と呼び, その関数より得られる数量を知覚さ れた制約と呼ぶ, 所与の価格体系 (つまり固定価格体系) の下で, 主体 によっ て表明される有効需要が実現されな いとき, 彼はその取り引き数量を調整する, というのは, 彼は所得制約 のみならず, 数量制約を受 けると知覚するから である. その数量制約は知覚関数によって与えられる. 通常のミクロ理論では 所得制約のみであるのに対し, ベ ナシーの経済では数量制約も追加さ れている この制約がベナシ . ーの体系に於て重要な情報を経 済主体に伝えている. その制約の性質につ いて考えてみよう, 経済には れ 人の 主体がいてそれぞれ最良行動を採っ てい る. 任意の主体すが表明する 名メブ=1, 2, …, 粥)が市場ブに於て実現されるかどうかは他のす べての主体のその表明に依存している. 葛. fm, …, x肩} と す る. こ れ は Z以 j ノ= {魚j , …, 髭-, ,ギ 外のすべての主体の有効需要量を要素とするベ クトノレである. 任意の主体Zの知覚された制約は他 のすべての主体の表明 である 宏ブに依存する. それは (2 - ,). ァ”= G”(怠り ). ぎ= 1 2 , 2, …, 7. ブ= 1, 2, 「. 粥. より得られる, ここで弄りは主体ばの財 ”こついての知覚された制約であり, G f jは主体すの財 “こつ 2 ) いての知覚関数である( , 経済主体は, 所得制約と (2-1) の制約の下で効用最大化する. この行動から算出される有効 需要量をそれぞれの市場に表明する. その表明される大きさを & とする. これらはそれらの制約の 下で主体すの効用を最大にしている, 経済主体は効用を最大にするという 最良行動をとりながら数 量調整する. 実現される取り引き数量は彼の有効需要量とは一致してはいない 他のすべての主体 . によって表明される有効需要量にもその取り引き数量は依存して決定される. 2.1.3 割り当て関数 主体Zが有効需要 & ▽=1, 2, …, 創)を表明し, 同様に他の主体もそれを表明するので 主 , 体ぎの実現される取り引き数量は彼自身の有効需要の表明及び他のすべて の 主体 によるその表明に 依存して決定される. それは (2 1 2). ) 為j= ん (為, 怠り. ぎ= 1, 2, …, 7 Z. ブ= 1, 2, 「. 粥. より得られる. ここで 勅は主体〆の財ブの取り引き数量である. 凡ゾは主体〆の財ブに関する割り当 3 ) (i て関数である. この関数の性質は, (i) 自発的交換( i deにある主体はその有効需要 ts r , i)sho ( 4 ) を実現する , ( i i i ) 連続関数, である. 知覚関数と割り当て関数の関係をみてみよう. 知覚される制約が主体によって操作されないと仮 定されるとき, 主体が各市場 で実際に取り引きできうる量に上界と下界がある それはつ ぎのよう . に与えられる. その上界を弄暑とし, その下界を穿ちとする, それらは. U金 ぼり}=端:伽僻 {&ー 凡,(も え)=為} リ. LG (え )=#b= 剛れ{&! E (為 え )= 為} ” ノ ブ , , と定義されるとしよう, 割り当て関数の (i) の性質を使うと, 凡ノ (0, えブ )=oであるので,. 21.

(7) . 久保田 義 弘. ・ ≧ 弄勢 o. (2-3). である. 割り当て関数が. 及 び 弄れ .≧ o 粥 初 〔勅, UGj (え“)〕 )〕 “mα 〔勅, LG, ノ (葛ブ. (勅 ≧ 0) (勅 ≦ 0). と表わされるときには, 市場 “こ於ける割り当て システムは操作不可能である. これは, UG (ズ ) 働解 〔℃” (えj ) )= 煽れ { (2-4) & (為, えj , &〕} ” リ, とコン パ クトに表現される. (2-4)に於て割り当て関数が連続であるとき, 知覚関数も連続にな る.. 2. 1 , 4 固定価格均衡 任意の主体すは,所得制約及び数量制約の下で,最良の満足を獲得するようにその有効需要量を決 定する. 数量制約に上界と下 界があり, 経済主体はそれらを操作できないとするならば, その制約 は任意の “ことっ て, (2 - 5). 穿ち .≦弄り≦受忍. ブニ 1, 2, …, 粥. 5 )が と与えられる, 主体ばの効用関数( ) 仏 = 仏 (G, 伽f c之 0, 粥 之 0, 素 関 して で あ り, こ こ で α= (G. f m), 粥ごは ス カ ラ ー で あ る. 効 用 関 数 は そ れ ぞ れ の 要 に , … …, c (2 - 6). 仮定される. 連続であり . , かつ, それぞれに関 して厳密にconcave であると 主体〆は, 所与の期待形成ルール及び所与の期待値に基づいて, 固定価格体系下で(2-5) ,所 2 … ) を決定する ( =1 得制約及び非負条件の下で (2-6) を最大にするように 勅 ブ . , , 粥 .こ れらの制約は,. ≧ の,十 為=c f 0. 仏). 侃 「 かぎ=伽,≧ 0. (のどは期初賦存ベ クトル) (煽ぎは期初貨幣保有量). 穿ち≦× ぎ ブ≦穿蓄. ブニ 1, 2, …, 粥 で あ る. こ こ で のぎ= (のれ, …, のf f , f= 脳, , …, x m), z. ′ 及 び P= (P . , …, P一 で あ る. 仏)の. 下で (2-6) を最大にして得られる 有効需要ベ クトルを ‘ ぎとする, これは主体Zの最良の取り引 き数量に対応して いる, この最良の数 量が各市場に於て実現されるかどうかは, 同じように行動し ている他のすべての主体によっ て表明される有効 需要の大きさに依存している. 他のすべての 主体 の行動も考慮されると, 主体 “こよ っ て実現される取り 引き数量のベ クトル ‘『は ‘ ぎより少さいで あろう. 勅E ぢず ぎとすると, , 為E ‘ ) 伽姻 (勅, 穿ち という関係が得られる。 これは. (為 ≦ 0). 弄勢 ) 〕 茅ぎ , 働僻 (為, 弄れ ブ= 粥粥 〔 と表わされる, これが考慮されると, 値)の第 三の制約を ) 〕 (2-7) 劣 ぎ , 穿ち ブ= 粥初 涙暑 , 粥解 (名ノ. ) P, 副, 司)とする. ここで鼠=(瓦, ぎ に置き換えられて得られる有効 需要ベクトルを Qf( m , …, 茅 主体ぎが というのは 要素をも含む Q は他の しかし である. この解集合 Qfに ‘ , , , ぎ ぎは含まれるが, 任意の財市場に表明する有効需要の大きさを変えることによっ て, (2-7)はある領域内を動きう るからである,. 22.

(8) . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. 任意の市場ブに於ける有効需要量は他の市場での数量制約のみに依存させ ることによ っ て, 財ブ に対する有効需要が多価関数になることを避けることが出来る. 任意の主体 “ま,( B )の下でその効用を最大にするように有効需要ベクトルを表明する. その制約 は,. ( B ). ≧ 煽ぎ一P寛 ぎニ 粥! o 弄長≦ 尤彼≦弄払. (た≠ブ ) z , ブニ 1, 2, …, “. と表わさ れる. ◎と( B )の制約に於ける相違は第三の制約 である,( i l lover を 示 し て い る.(B B )のはsp ) の下でその効用最大によって有効需要ベ クトル ぢ P ぎ( , 露, 副) が得られる. これは解集合 Qぎ ◎, 弄を , 副) に含まれる. 最後に, 固定価格均衡存在とその性質について考えてみよう. 固定価格均衡は所与の価格体系と 割り当て関数によ って記述される. それらによっ て記述される経済状態に対応する固定価格均 衡が 存在するか否か, さらに, それが存在するならば, その均衡はいかなる性質を持っているのだろう か.. 固定価格均衡は所与の固定価格ベクトルと各財の割り当て関数に対応して定義される, 任意のZ にとっ て,有効需要ベクトル 鰭,実現される取り引きベ クトル 鼠,及び数量制約ベ クトル瓦(露, 副) がそれぞれ. ( 鴎. 最=ら( 力, 露, 副) ) 為=凡(蒸, 葛. え 副 =UG ( ) f . 露 =LG (葛. ) f. となるものとして固定価格均衡は定義される.その均衡の性質で最も重要なものは知覚関数である . その数量制約は取り引きの過程に於て派生されるものである. その制約がいかなるものであるかに よって, 固定価格均衡の存在が証明されたりされなかったりする. その均衡ではすべての主体 は数 量制約に ついて正しい知覚を懐いており, さらに, 表明される有効需要は一定不変に維持されてい る. それは不動点になっている. それが達成されることを次の直観的説明によっ て明らかにされよ 6 ) 任意の主体iは各市場に於て有効需要 う{ ・を表明すると想定しよう.それを表明することによ って , え その主体zは霞=G )を知覚する. ばはこの数量制約及び非負条件の下でその効用を最大にする f( . ように有効需要 長( p, 話, 認)を表明する. このように表明される有効需要がそれ以前のものと同 一になるとき に固定価格均衡が得られる, その均衡の性質は (2 ー 8). (2-9) (2-1 0 ). 2 最 =0. . ブ= 1, 2, …, 伽. 7 ) 最=最 ( 力, 武, 認)( D-効 率性. である. (2-8) は各市場に於て取り引き量の総和は零である, (2-9) は実現される取り引き 量は最良の取り引き量であることを示している. (2-10 )の D-効率性は ドレーズ〔7〕 によって 提唱されたものである. それは任意の財市場 に数量制約された買い手と売り手が共 存しないことを 意味する. もし市場にそのような両者が共 存するならば, それぞれは取り引きの相手を見付けるこ とが出来るであろうから, そのような共存は生じない であろう, ただし, 取り引き相手を捜し出す のに多大の費用を要するときにはそのような両者の共存もありえる.このよ・ うに考えると,D-効率 性は取り引き費用 がない市場経済の特徴 であると言えよう, 23.

(9) . 久保田 義. 弘. 2. 2 ベナシーの準静学モデル 2. 2. 1. 期待の役割. 前節では主体の期待形成ルール及びそれか ら導出される期待値が所与とされて 当該期の分析が試 所与のそのルール及び期待値の下で主体はある経済状態が無限に続くと思い倣して, そ. みられた. の有効需要を表明 しているが, しかし, 取り引き過程が進行するにつれて, その 主体 は新しい情報 を獲得するであろう, 主体 は期待していた経済状態と異なる事実を知らされるかもしれない. この ようなときには, その主体は期待形成ルールやその期待値を変更するであろう. 例えば, 期待価格 の形成ルールが変更されると, その変更は期初に所与として受け入れるストッ クの価格を変化させ ることになろう. その期初の値の変化は 表明される有効需要ベ クトルの水準を変更させる, 本節では二期間 (現在期と将来期) が想定される. ストックとして保有さ れるのは貨幣のみであ り, 他の財はフロ 」 として扱われる. 主体の期待は将来期の価格と数量制約に関 するものである, 期待価格ベクトルを Peと し, 数量制約の期待を請とする. 主体はそれらの期待に基づいて, 貨幣保 有残高と取り引き量 (つまり有効需要量) を決定する. この意味に於て期待に基づいて決定される 1 3 〕 現在期の固定価格均衡は一時的均衡と呼ばれるであろう, この均衡の概念はすでにヒ ックス 〔 形成ルールが所与であると仮定される によって提唱されている ものである. ここでは期待 , 2.2.2 貨幣の間接効用 前節に於て我々は (2 -11). ) 仏 = ”(G, 粥-. Z= 1, 2, …. を想定して, 固定価格均衡の存在及びその 性質を議論した. このような効用関数は 気難しい経済学 者によって否定さ れるかもしれない, というのは, その関数の Gは フ ロ ー で あ り, 粥fは ス ト ッ ク 変 クの関係つまり効用関数の形 数であることに起因するようである. しかしながら, フローとストッ, ) のような効用関数も完全には否定されえない. 状が期間を通して変化 しないのであれば, (2-11 拘らず 問題になるのは, 経済状態が変化するにも , 主体は同一の効用最大行動をとることが出来る かどうかである, 期間を通して効用関数の形状が変化 しなく, かつ, 経済状態の変化に主体が対応 すると仮定する. 8 ( } 主体すの期待,( Pe , が与えられると しよう , その期待の下でその 主体は将来期の所得制約, ,武) 数量制約及び非負条件を満足して効用最 大化行動をとる. 主体ぎの現在期と将来期の消費に関する. 効用関数を とする. 主体 “ま,. )e (誹)e≦ ズ?≦ ( 茅y の制約の下で効用最大化する, そこでは c fベ クトル及び 伽fは所与である, これらは期 待に応じて決 定されることに なる, その最大化問題から得られる 将来期の消費ベクト ルは, e c? (G, 粥, , P, 房). から得られる, これを ”関数に代入すると, 期待効用関数は, e ”?= ”(G, ば (G, 粥ぎ , P, 詐)) = “(α, 粥! , が, 認). として表わされる. 24.

(10) . . . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. さらに, 所与の期待形成 ルールが (2-1 2 ) {Pe ) 力 . , 弄?}= @( ,茅 . ・. であるとしよう, これが利用されると, (2-13 ) ) ) “?= ”(G P寿ぎ , 粥〆 , 雪(. =U 捻 茅義≦為々≦茅. た≠ブ , ブ= 1, 2, …, 粥. である. この制約下で ” z )を最大にするように有効需要ベクトルを決定する 市場 f , 粥ぎ ,P , 茅. . ブでの有効需要は, ) ん( ブ=1, 2, …, 粥 P , 夢} , 茅γ である. これは静学モデルの有効需要と同じである, しかし, 主体Zのsp i l love r効果は, 現在期の みならず将来期の数量制約もその有効需要に影響するので, 複雑になる , 一時的固定価格均衡は固定価格均衡と同様 に定義される 所与の価格ベクトルと割り当て関数に . 対して,前節の閲のような性質をもつ有効需要ベクトル 館, 実現される取り引き 最,及び数量制約柔= (武 認 ) からなる集合として定義さ れる. 一時的固定価格均衡の存在は前節の固定価格均衡の存 在と同様に説明される, すべての財の市場価格 は正であるとされ, 間接効用関数はそれぞれの要素 に関して連続であり, αと 伽fに関して凹関数, かつ Qに関して厳密に凹関数 であるなら ば 一時的 , 固定価格均衡の存在が証明される.. 3. 失 業 のマク ロ ・ モ デル 3,1. 失業均衡 固定価格均衡を単純なマクロ・モデルで展開してみよう, ここでのマクロ・モデルは代表的消費. 主体, 代表的生産主体及び唯一の政府から構築され, 労働市場, 生産物市場及び貨幣市場から構成 される. そのモデルの消費主体及び生産主体は制約下 で効用及び利潤最大化行動をする 消費主体 , は消費財を購入し労働サー ヴィ スを供給 し, かつ, 将来に保有さ れる貨幣ストッ ク量を決定する , 生産主体は消 費財の産出量及び労働サー ヴィ スの投入量を決定する それぞれの主体の行動に関し . て次のような仮定がおかれる. それは, (A. 1) (A. 2) (A. 3). 消費財は貯蔵不可能 である 消費主体はレジャーの選択をしない 生産主体 の利潤はすべて消費主体 に分配される 25. . ・ ● ’ . ● .● ● . ● ● ・. . ● ● . ・ ●. 2 .2.3 一時的固定価格均衡とその存在 (2-1 )で表わされる間接効用関数が導出されるとしよう 主体Zは 所得制約 数量制約及 び 3 , , . 非負条件の下で, 効用を最大にするよう に有効需要を表明する ここでも有効需要が多価関数にな . ることを避けるた めに, 数量制約として当該財市場以外のものが含まれるとしよう 前節の( B )の制 , 約条件の下 でその効用を最大にするように有効需要が表明さ れる その制約は .. ● ●●.・ ● . r、 . ・’●. L 、 ′. ・ ●. ・ . ● . .. = “(G, 伽f ) P, 寿ぎ. が得られる. 主体iは P 及び亨fを所与にして効用 最大化行動をする 故に 間接効用関数はその要素 , . として貨幣残高を含むことは明らかであろう..

(11) . 久保田 義 弘. (A. 4) , それぞれの 主体の期待形成及びその期待値は 所与である として与えられると しよう, 市場が超過供給の 状態にあるのか, それとも超過 需要の状態にあるかによって, 失業均衡の性質 が異なる. 生産物市場及び労働市場が超過供給の状態にあるとき, 経済はケイン ズの意味での不完 全雇用下の失業均衡の状態にある. その両市場とも超過 需要の状態にあるとき, 経済は抑圧された イ ンフレーショ ンの状 態にある. 生産物市場に超過需要があり, 労働市場に超過供給があると き, 経済は古典的失業 均衡の状態にある, その両市場に於て 需要と供給が一 致 しているとき, 経済はワ 1 7 〕 による. ルラス 均衡の状態にある, このよう な分類はマランボ 〔 するように有効需要量を決定す 約下のもとで最大に 1 の効用関数を制 代表的消費 主体は (2-1) る. その制約は所得制約である, これは (3 ー 1). )の 〆 + 粥 = 侃十(1 ーZ. 0 <Z< 1. である. 消費主体は 受け取っ た所得 (卿) から所得税 (幼ッ) を引いた後の可処分 所得と初期の貨幣 残高 (弼) を消費支出及び所望貨 幣保有に変える. その最大化行動より代表的消費主体の有効需要. 関数は (3 - 2). c=c(P, y, 欄, り. <. 0 < cy< 1, c m> 0, c z< 0. となる. 代表的生産 主体は, 利潤 (3 ー 3). “=ロツー メ. を最大にするように行動する, そのための制約 条件は技術制約 である, それは, ‘ ) (3 - 4) γ ≦ ぞ( ‘ )< 0 で あ る. ‘ )>0かつ ぞ′( である, ここ で F( 唯一の政府は所得税を消費主体の労働所得及び配当所得に課 し, その収入を消費財の購入に支出 する. 政府の支出がその 収入を超えるときに は, その赤字は貨 幣供給によ って融資される. 両市場の状態と各主体行動の関係をみよう, まず初めに, ワルラス均衡の状態からみる. 労働供 給がすべて生産主体によっ て需要さ ・れ, 生産主体が供給する生産物の全ての産出量がすべて需要さ れている. 消費主体も生産主体も数量制約を受けていない状態としてワルラス均衡の状態は描写さ れる. その均衡では,. となっている, 労働市場では 生産主体の利潤最大化行動が満足されている. よ って, /凸 F′”)=鰯 。 という関係が成立している. これより, 1(筋/凸)=‘=も - F′ という関係が得ら れる. 故に, ワルラス均衡では完全雇用 が達成され, 実質賃金率と労働の限界生 産性が等しく なる. 他方, 生産物市場の均衡は )+g=% c(豹, P o , 例, 云. である. つ ぎにケイン ズ均衡の状態をみてみよう. そこでは生産 主体は生産物市場で数量制約される. 固 i de ルールによっ て, その市場に於 ける実際の供給量は有効 需要に等しくされ ts 定価格均衡のsho r る. 従 っ て, )+g y=c(ツ, P, 欄, Z 26.

(12) . . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. となるようにその供給量が決 定される, このようにして決定される供給量を 族とする これは . , ) y た(P, 鱒 厘 云 た=y. と表わされる. 生産主体 は生産物市場での数量制約の下でその労働需要を決定する それはその利 . 潤を最大にするようにその需要量を 決定する. つまり, それは “ Z d比 冗ニロツ一 切′. s彩ろ .わ. Z≦ る y≦y た. を満足するように決定さ れる,r これらより Lagrange 関数を作り, Kuhn ‐Tucke r条件を求める. そ の条件より, (3 - 5). F の ≧ y:y た. ら≧ z. が導出される. 生産物市場に於て (3 ‐ 6). ‘ ) 跳 =y ≦ F(. となっているので, その労働サー ヴィ スに対する需要は 1(%) (3-7) ムニ ぞ- と決定される. つぎに古典的均衡の状態についてみてみよう, その均衡では, 生産物市場に超過需要があり 労 , 働市場に超過供給がある. ここでは (3 - 8 a) も≦ ‘ )+g≧y c( y , P, 楓 z となっている.実現される労働サー ヴィ スの取り引き量を とし,実現される生産物の取り引き量を 比とすると, 古典的均衡の状態は (3 - 8 b). ( 3-9 ) {婦 なそ. 創 ぜ う一 瑚 秘. となる. 消費主体はその両市場に於て数量制約される. 固定価格均衡のsho i de ルールによ って ts r 消費 主体 は数量制約される. だが, 生産主体は (2-10 ) の性質より両市場に於て制約されること は な い, 故 に,・. “渇か -の {髭 絡め } ( 3 ; i …. となっ ている. つまり, 生産主体は 撒α霜硲加れ の雇用及び販売計画を実現する. 最後に, 抑圧されたイ ンフレーショ ン均衡の状態をみてみよう. そのイ ンフレ均衡 では両市場に 超過需要が存在する. 生産主体は労働市場 で制約され, 消費主体は生産物市場で数量制約される . よって, 労働市場では, る≦Z となり, 生産物市場 では )+g>y c(y, P, 楓 z. となる. 実現される取り引き量を ふ及 び 掩とすると,. ( 3一め. {短る ル ガゼが. 引捌. が得られる. ワルラス均衡, ケイ ンズの失業均衡, 古典的失業均衡及 び抑圧されたインフレ均衡の状態をそ れ 27.

(13) . . 久保田 義 弘. ぞれ外生変数の水準に対応させて導出することにしよう. 外生変数には価格水準, 貨幣賃金率, 貨. 幣残高, 財政支出及び所得税の税率がある. 貨幣残高, 財政支出及び所得税の税率が一定不変に維 持さ れている状 況でそ れぞれの 均衡を描いてみよう, ワルラス均衡では るが完全に雇用され, 産出水準は % である. そのときの外生的に決定される物 価 (価格) 水準がP oとする, oであり, 貨幣賃金率水準が w ケイン ズの失業均衡が生じる外生変数の バラメタ」値を求めてみよう. ケイ ンズの失業均衡の状 態は (3-6) と (3-7) で説明されるので, 1(w/P)) ‘ )=F(ぞ‐ ) ≦ F( (3 -12 a) P, 楓 晶 云 y た( となる. さらに, (3 ー12 b). ) ≦% P y た( , 欄, g z. と な っ て い る,. 古典的均衡が生じる外生変数の バラメター値を求めてみよう. それは (3-9) で表わされるの で、 ,. き -◎ { ′靭 ( 3 るな すら≦ となっている, 生産物市場に超過需要が生じるので, (3 -14). ・% ≦ 策(P 堀 昼 Z ) , ,. という関係 が得られる. )で 1 抑圧されたインフレ均衡の状態が生じる バラメター値を求めてみよう, この 均衡は (3-1 示されるので, (3 ト15). ) ≧% 1『 飴(P, 侃, g. という関係 が得られる. ) 2 ) 最後に, それぞれの均衡状態を バラメター値によっ て表わしてみよう. (3-1 , (3 , (3-13 9 }が描かれる 5 ) を考慮に入れて (図-1){ -1 4 ) . , 及び (3-1. ツp. F(Fん,(可p)). W . . . . .”, . . , . . .“……・ .K. . . .. 0. ・. yo. (図一1) 28.

(14) . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル. (図-1) の W はワルラス均衡に対応している (3-1 2a) 及び (3-1 2b)を同時に満足す . る(w/P, 族)の組み合せは K の領域である, この領域はケイ ンズの失業均衡の状態にある (3- . 1 3 ) 及 び (3-1 4 ) を同時に満足する (w/P , 策) の組み合せは C の領域である, この領域は古典 的失業均衡の状態にある, (3-1 5 ) と (3-11 )・より, 抑圧されたイ ンフレ均衡状態の (w/P, 策) の組み合せは R 領域である. 3 .2 失業理論 伝統的な失業理論には古典派の失業理論とケイ ンズ 派の失業理論がある・ それぞれの失業理論は . 部分均衡理論である. 古典派は労働市場に, ケイ ンズ派は財市場にのみに注目している 古典派は . 実質賃金率が高すぎること にその失業原因を求め, ケインズ派は有効需要不足に失業の原因を求め ている. 古典派は財市場に於て生産主体が所望した供給量の販売に成功していないかもしれ ないと いう可能性を無視している, 他方, ケイ ンズ派は有効需要が Wa l i ra s anの供給量を超えるかもしれ ないという可能性を無視してい る 本稿では両派の失業理論を同時に説明する枠組みとして固定価 . 格均衡モ デルが提示された. しかし, 固定価格均衡モデルで明らかにされるケイ ンズの失業均衡並 びに古典的失業均 衡の定性的特徴は伝統的失業理論と同じである . ケイ ン ズの失業均衡状態 の性質を明らかにするためにいくらかの比較静学分析を試みてみる 生 , ・ 産物市場の均衡は, y=c( γ , P, 煎 り十gである, これより財政支出 @ の効果は も/〆暫=1/〔1-ら〕> 0 である. この大きさは伝統的なケイ ンズ・モデルの乗数効果に同じである 次に 所得税の税率変 , , 化の効果をみて みよう, 今, 租税関数が r;か として与えられると 可処分所得はy-T=(1- , z ) y として与えられる. その均衡が, y=c( y一丁, P, 侃)+#であれば, の/凄=-らy/〔1-ら (1-Z )〕< 0 が得られる, これも伝統的な単純ケイ ンズ・モデルの結果と同じである . 古典的均衡の状態に於ける比較静学分析を試みてみよう 財政支出の拡大は : , , 生産物市場の超過 需要をさらに大きくする, 財政支出が割り当て られないならば 消費支出が割り当て られることに , なる. つまり, クラウディ ング・アウト効果が生じることになる 所得税の税率低下も 同様にクラ . ウディ ング・アウト効果をもた らすと考えられる これらも伝統的な失業理論には矛盾していない . .. むす びに かえて 本稿ではマクロ経済のミクロ的基礎づけの問題が考察さ れた ・本稿では 筆者自身のその問題に , . ついての見解は積極的に展開されてはいない. ベナシーによるミクロ的基礎付けのために提示され ている固定価格均衡モデルが概観され, さらに, 彼のミクロ的基礎づけの上に構築されている単純 なマクロ・モデルが概観され, 最後に, そのマクロ・モデルによって展開される政策的合意が伝統 的な失業理論の定性的特性と同じ特性であることを確認した , 筆者自身はベ ナシーや ドレーズ等の固定価格均衡モデルによってミクロ的基礎付けがなされてい るとは思わないばかり ではなく,ミクロ経済が確固たる理論によって提示され マクロ経済は確固た , る基礎理論を欠くという 見解には賛同 できない 今日の Neo l i ‐wa ras anの,ミクロ経済も歴史的に . 見れば, 特殊な時代の特殊な個体 を前提にして描写されている」 そのようなミクロ経済の理論をも ってしてマクロ経済のミクロ的基礎付けを与えようとするベナ シーや ドレーズ等々の固定価格均衡 29.

(15) . 久保田 義. 弘. モデルには 反対する立場を筆者は採ら ざるを得ない. また, 彼らのモデルではフロー変数のみ強調 されていることか らしても, 彼らのミクロ理論はケイ ン ズの世界並びに日本人の世界とは斉合して いないであろう, 筆者が第1節で強調したように, ストッ ク変数の働きが充分に個体の活動に組み 込まれたミクロ 理論が必要とされているように筆者には思われる, IS.LM 及び固定価格均衡モ デルはいずれも固定価格体系の変種である.いずれのモデルに於ても 市場価格の形成がそのモデルの外で決定されていて, それがいかなるメカニ ズムによって社会的に 形成されているの かを明確にしていない. 市場価格がいかなるメカニズムで形成されるのかを明 ら かにすることとマクロ 経済のミクロ的基礎の問題を考察することは 同一次元の問題に帰着するであ ろう. しかし, 市場価格の形成の問題が考察される際に, 本稿のように同質的主体を想定し, さらに, 所与の期待形成ルールの下で, その形成のメカニズムを解明する態度は決 して正しい社会認識の方 法ではありえないであろう.. 註 i i)po i t rl agとに区分している. 前者は客観的状況から意 14 〕 は その遅れを (i)pr e r o 1 s ( ) ヒッ ク ス 〔 orl agと (i ある. 所得増加という客観的状況から消費 後者はその決定から結果までの遅れで あり 志決定するまでの遅れで , までの遅れが後者である. 例 消費増加からその消費が実現される 増加という意志決定までの遅れが前者であり, い時間が必要と れる さ えば, 住宅に対する需要増が実現されるまでには長 . ( 2 ) 知覚関数の性質は次のようである, i deの主体は取り引き量に知覚される制約に等しくする, つまり, 1 最jl<1 勅tならば, 署”=恥 (i)l ongs i) 主体がその有効需要を満足するならば, 彼はさらに取り引き量を増やすことが出来ると知覚する. である, (i i hons deにあるとき, 彼はさらに取り引き量を i i i )主体がs 茅“-勅)・競 つまり, あ,=&ならば, ( り>0である, ( ) - ・ 茅“ 最j &>0である. 増加させえると知覚する. つまり, 約・たり<0ならば, ( ≧ 3 ( ) それは1競りー≦1 競り1かつ 勅.名 . j oと表わされる, 4 ( ) それは 彩j.暑”≦0ならば, 為=&と表わされる. ( 5 ) そのような効用関数は間接効用関数である. 各主体は異時点間の資源配分を貨幣保有量の水準の決定を通して決 定する. 次の期 (将来期) に保有されるその数量の水準はその主体の期待に大きく依存する. その期待値が与え られると, その保有量が決定され, その水準に応じて主体は将来の効用水準を最大にするように将来の有効需要 を決定する. ( 6 ) より詳しい固定価格均衡の存在は次のように説明されよう. すべての財の市場価格は正であり, 任意の主体の効用関数は連続かつそれぞれに関してconcaveであり, 特に 為 に関しては厳密にconcaveであり, 割り当て関数は連続であり, かつ, 数量制約が操作不可能であるとき, 固定 価格ベクトルと割り当て関数に対応して固定価格均衡が存在する. ) . 鯨, 葛) } なるとしよう. これより新しい集合 {鼻 ( p 初期の集合が 傍, 為 弄 ぎ , で-(葛)} が派生 ,寿 ,凡 ず される.凡 .の連続性及び効用関数が 為に関して連続であることを考慮すると,その写像は連続になる.その写像の 定義域はコンパクト凸集合である, というのは, )/D 一WU≦烹 pw ゞ+侃- J ”≦ ( であり, さらに, 為及び気jについても同様の性質があ -るので, 定義域は有界閉集合である. また, それは凸集合 r owe である.よって,定義域はコンパクト凸集合である,コンパクト凸集合からそれ自身への写像であるとき,Br の定理により, 不動点が存在することになる. また, 効用関数がz ′に関して厳密にconcaveであるという仮定がおかれないならば, 有効需要関数が多価関数 になるが, その場合にも, 角谷の不動点定理によって固定価格均衡の存在が証明される.. 30.

(16) . 所与の期待形成ルール下での個定価格均衡とマクロモデル ( 7 ) 考 (P, 矛} )= 粥勿 〔 弄y 茅} ) 〕〕 で あ る こ と と, 蕉 P, 茅} . 茅y .= 加物 〔 , 夢y , 鰯餌 〔 , 歩( , 夢y , m解 ( 〕 であることより, 針, 詐) ( 力 縞 .=考 . , 戴, 茅野 が得られる, ( 8 ) 主体iは,期待形成をなすときに,その期に於て利用可能なすべての情報を利用するであろう 彼にとって利用可 . 能な情報は, 過去の期の価格ベクトルと数量信号及 び現在期の価格ベクトルと数量信号である . ( 9 ) (図-1) の導出はつぎのような関係図からなされる,. ′(go) F 一 .・. …加… - ……,K. VV. 瀕(. (図一2) (図-2)に於いて るは完全雇用水準を示している. y=F の は生産関数であり, それは‘に関してconcaveで 1( 1(w/p)) は生産主体の供給関数である ある. ぞ‐ z o/P) は労働需要関数であり, F (F‐ ,. 参考文献 “ s “ βの“o粥窃“G 〔1〕 Arrow,K,J i l i i t br i i l enceofanEqu t umforaComPet VeEconomy, αvo ,and G,Debreu, E×i . 22( 1954 )pp .256-290 . ” “ 〔2〕 Benassy,J.‐P. ian Di i l ibr ium Theo ‐Keynes s equ ta n a Mone z UげE 1γ i lw Economy c ommた , Neo , 尺eのg SZ l 1975 )pp 綿di e svo ,42( .502一23 , ‘ ‘ e Di i l i bi A 〔3〕 Benassy,J,.P, h l i i i i i I Monopo l i t t t s c Pr ce Set ng and Genera s c , Th , sequ rum pproac to Monopo “ Equi l i br ium, 兄8ひ泡w qf Ec 1976 o”o粥た 材”霞e )pp svol .43( .69-81 . ‘ ‘ “ α i 〔4〕 Bena$y,J.-P. l ty Si ionsofEf f i sandthe Foundat ect ve Demand Theory 2αZ “”“α 7 2 7 gna , on Quant , so 1979 )pp 力”γ ”〆 qf βのれo粥たsvol .79( .147一168 . ” l 〔5〕 Brock, W.A. i i tat i iorofEconomi sofExpec onsthatAr se From Maximi z ng Behav c Agent s , on Mode “ over Time 1972 f βcom 粥た てたeoか vol zd q )pp .5( , 力““ .348-376 . ‘ ‘ ’ ’ o“ome lopmentsi 〔6〕 Drazen,A. i l i br i l 1980 n Macroeconomi z門c ) cDi sequ um Theory αvo , RecentDeve ,48( , Ec pp .283-306 . “ s ” 〔7〕 Drきze,J,H. t i l ibr i i dt i ence of an Exchange Equ um under Pr ce Rigi es o”o溺死 z煽す o 7 2の Ec , Exi , !刀海難. 31.

(17) . 久保田 義 弘 1 1975 Reの8仰 v○ )pp . .301一320 .16( ” l i Fi Pi M h d“ S 2d o“o粥たs vo ””ひねれ ルm瑠m‘ 〆 Ec T G d t M 〔8〕 ran mon,J .79 .‐ , , he Logic ofthe x‐ rce et o , Gα7 8 9-1 6 9 1 6 1 77 )pp ( , . ” bi “ 尺 鯛 U q i E i l i s f aの“o加ic S1αdi e 〔9〕 Grandmont .‐M.and G.Laroque, on Temporary Keynesan qu ra, β gZ ,J ‐ 一 5 3 6 7 l 1976 )pp vo . . .43( C Z脳oり,2nd A 〕 Hicks ZL A” 万2 . 〔 0 “eα”d q妙す qのり 初め so伽e E””加 粥eれ加‘P““cめ彰s げ EのれのWZ 1 .R. , ””‘ ,J 9 4 6 o f d 1 i P oxford Uni sty r e ミ 鵜, x or, ver , i f d Uni ty Pr es s vers 〔 1 1〕 Hicks . ,oxford,1965 .R. ,J , C物i如‘αれd Gmw肋,o× or i f U i Z 物 o d 寸er ty Pr E締 す 虚 あ ミ 鵜,oxford,1967 n s e 如か, x or 12 〕 Hicks “e如7 〔 y , 切嘘 れ ,R, , C“瓦解Z ,1 l l S彰7 2 Eのれo粥たs 〔 13 〕 Hicks yカB , ,1974 ,B1ackwe ,oxford .R. , 物 C煉暁 粥 Ke ,J f 1 9 7 9 l l o d た B 1 k 2 0粥 s 〔 1 4 〕 Hicks 夕〆すむ 初 βの7 . , ac we , x or, .R. ,C似娘 ,J .on Keynes i ty l ibr ia wi th,UnemP1oyment and Quant ian Equi ldenbrand,‘ l denbrand 〔 1 5 〕 Hi , K.and い.Hi “ ‐ 一277 l 1978 1 力の か vo )pp Ra i t 2錫 qf Ec o“o粥た 7 ng oni . .255 .18( , おmヴ “ D”々B Mの九8“ ” l F i d P i 〃 2の vo l i i な硝化α乙元彰’ em, zat on ofBrouwers xe ontTheor 〕 Kakutani 〔 16 .8 , A Genera ,S. 1941 ( )pp . .457-459 l invand ぬ飾り け び“e粥〆跳ねe川 元ecoれs蔵だ〆,B1ackwel 〔 1 7 〕 Mal . ,1977 ,OXford ,Eリ Z脳 T 「 97 3 〔 〕 森嶋通夫 近代社会の経済理論」 1 8 , 創文社, 1 , i dge i dge Un i i ty Pre$,Cambr たB Bのれ ima vers gか,Combr 〕 Mori 〔 1 9 . sh om如 け 加d硲筋餌 Soci ,1984 , M. ,71 “ ” l s d Z 尺 i f i l i hr i β “i e svo i i d GeneraIEqu l i i C ザ c M t t 勿 e w T um の肋m t n a n s c o m e o n 〔 20 ) Negishi o o o .28 p p , . , , 1960一61 )pp ( . .196一201. “ 掴eおりec ” l 1956 )pp l i i lateraIExchangeProb c o“omi αvo em, caIMut , 21 〕 Nikaido,H, 〔 ,135一145 ,8( , 。ntheC1ass (本学助教授 旭川分校). 32.

(18)

参照

関連したドキュメント

式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲

これは基礎論的研究に端を発しつつ、計算機科学寄りの論理学の中で発展してきたもので ある。広義の構成主義者は、哲学思想や基礎論的な立場に縛られず、それどころかいわゆ

Leonard: Elicitation of honest preferences for the assignment of individuals to positions, Journal of Political Economy 91 (1983)

Murota: Multiple exchange property for M ♮ -concave functions and valuated matroids, Mathematics of Operations Research 43 (2018) 781-788.

他方、今後も政策要因が物価の上昇を抑制する。2022 年 10 月期の輸入小麦の政府売渡価格 は、物価高対策の一環として、2022 年 4 月期から価格が据え置かれることとなった。また岸田

トリガーを 1%とする、デジタル・オプションの価格設定を算出している。具体的には、クー ポン 1.00%の固定利付債の価格 94 円 83.5 銭に合わせて、パー発行になるように、オプション

1、研究の目的 本研究の目的は、開発教育の主体形成の理論的構造を明らかにし、今日の日本における

これまで応用一般均衡モデルに関する研究が多く 蓄積されてきた 1) − 10)