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放送通信融合環境におけるカルーセル放送を利用したストリーミング配信手法

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 75 回全国大会. 2C-8. 放送通信融合環境におけるカルーセル放送を利用した ストリーミング配信手法 義久智樹†. 西尾章治郎†. † 大阪大学. 1. はじめに 映像放送のデジタル化に伴い,放送通信融合 環境における映像ストリーミング配信に対する 注目が高まっている.放送とは地上波デジタル 放送や衛星放送といった電波放送を指し,映像 データを配信するサーバはデータをすべての再 生端末にまとめて配信できる[1].また,通信と はインターネットや専用の情報通信ネットワー クを指し,再生端末は必要なデータをサーバに 要求して受信できる[2].これらの放送と通信を 融合させることで,互いの利点を活かした高品 質なサービスを提供できる. 放送通信融合環境における映像ストリーミン グ配信では,一般に,映像データはブロックと 呼ぶ幾つかの部分に分割される.再生端末は, 放送されるブロックを受信すると同時に,通信 でブロックを要求して受信できる.ブロックを 受信しながら再生できるが,ブロックの再生開 始時刻までにそのブロックを受信完了していな ければ再生が中断される.再生端末の数が多い 場合,サーバが通信でブロックを送信する時間 が長くなるため,通信で要求されているブロッ クを放送することで再生中断時間を効率よく短 縮できる.再生端末の数が少ない場合,複数の 再生端末が未受信のブロックをまとめて配信で きるように,ブロックを順番に繰り返して放送 するカルーセル放送を利用することで再生中断 時間を効率よく短縮できる.これまでに,放送 通信融合環境において再生中断時間を短縮する 手法が幾つか提案されているが,再生端末の数 が一度多くなると順番に放送されなくなったり, カルーセル放送に切り替える再生端末数の閾値 が適切でないといった問題があった. そこで本研究では,放送通信融合環境におけ るカルーセル放送を利用したストリーミング配 信手法を提案する. A Streaming Delivery Method using Carousel Broadcasting on Broadcast and Communication Integration Environments Tomoki Yoshihisa†, Shojiro Nishio† † Osaka University, Japan. 図 1:放送通信融合環境の例. 2. 放 送 通 信 融 合 環 境 に お け る ストリーミング配信 本章では,放送通信融合環境におけるストリ ーミング配信について説明する[3-5].図 1 にお いて,上部は放送を示し,下部は通信を示す. ストリーミングデータはサーバに保存されてい る.サーバは通信システムに接続されており, また放送設備を利用できる.放送設備は電波放 送を用いてすべての再生端末に同時にデータを 配信できる.再生端末は,通信システムに接続 されており,サーバと通信でき,また,放送さ れたデータを受信できる.再生端末は,受信し た映像データを映像の再生が終了するまで保存 できる十分な容量の記憶装置を備えている.例 えば,テレビ放送と有線 LAN 接続のインターネ ットとの融合環境や,ワンセグと無線 LAN の融 合環境によるスマートフォンやパソコンへのス トリーミング配信が挙げられる.. 3. 提案手法 提 案 す る CDB(Carousel and Dynamic Broadcasting)法を説明する. 3.1. 通信で要求するブロックの決定方法 ブロックは最初から順番に再生されるため, 各再生端末は,未受信のブロックの中で,スト リーミングデータの最も初めの方のブロックを 通信で要求する.要求していたブロックの受信 を完了すると,次に,再び未受信の最も初めの. 1-517. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 75 回全国大会. 160. Average Interruption Time [sec.]. 方のブロックを通信で要求する.再生端末は, すべてのブロックがそろうまで通信でブロック を要求し続ける.. CDB (Proposed Method) DTSM Carousel. 140 120 100. 3.2. 放送するブロックの決定方法 サーバは 1 個のブロックの放送を終了する度 に次に放送するブロックを決定する.1 章で述べ たようにブロックを放送するため,放送するブ ロックを決定する時点で,ストリーミングデー タを再生している再生端末の数 N が閾値 Nth より 少ない場合と多い場合で決定方法が異なる.Nth は,再生端末の再生要求の平均到着間隔といっ たストリーミング配信環境を予測し,再生中断 時間を効率よく短縮できるように適切に設定す る必要がある.  N<Nth の場合 カルーセル放送を行い,前回 N<Nth だった場合 に放送したブロックの次のブロックを放送する.  N≧Nth の場合 多くの再生端末が要求していて,通信で送信 するためにかかる時間が長いブロックを放送す るため,通信で要求されているブロック毎に, 通信からの送信にかかる時間を合計し,最大の 合計値を与えるブロックを放送する. 既存の DTSM 法では,再生端末数が閾値より 少なくなった時点で,最大の合計値を与えるブ ロックから順番に放送していたが,CDB 法では, 前回放送したブロックの続きから順番に放送す る点が異なる.. 4. 評価 4.1. 設定環境. 80 60 40 20 0 0. 10. 20. 30. 40. Average Request Arrival Interval [sec.]. 50. 図 2:平均再生中断時間 た場合に,カルーセル放送により続きのブロッ クを放送することで,既存手法よりもより多く の再生端末が未受信のブロックを放送できるた めである.例えば,平均要求到着間隔が 30 秒の 場合の平均再生中断時間は 31 秒であり,DTSM 法に比べて 38%短縮できている.. 5. おわりに 本研究では,放送通信融合環境における再生 中断時間短縮のための手法を提案した.評価の 結果,提案手法を用いることで,既存手法より も平均再生中断時間を短縮できることを確認し た.今後,複数の放送チャネルを用いてデータ を配信する場合や,途中からでも再生できる手 法を提案する.. 謝辞 本研究の一部は,科学研究費補助金 (23680007,23650050)による成果である.こ こに記して謝意を表す.. 参考文献. 放送システムは地上波デジタル放送の 1 セグ メント(1.4Mbps),通信システムはインターネッ ト(3Mbps),ストリーミングデータはインターネ ットでよく用いられている MPEG4 で符号化され た 30 分のドラマ(448Kbps)を想定し,再生端末の 再生要求到着間隔をポアソン分布で与えた.提 案手法の有効性を示すために,既存手法におい て平均再生中断時間を最も短縮している DTSM 法[4]およびカルーセル法と比較した. 4.2. 評価結果 平均再生要求到着間隔を変更してシミュレー ションにより求めた平均再生中断時間を図 2 に 示す.閾値 Nth は,1 から 200 まで変化させて, 平均再生中断時間が最短になる値を与えた. このグラフより,提案する CDB 法の平均再生 中 断 時 間 が 最 も 短 い こ と が 分かる.これは, CDB 法では,再生端末数が閾値より少なくなっ. [1] J. B. Kwon: Proxy-Assisted Scalable Periodic Broadcasting of Videos for Heterogeneous Clients, Multimedia Tools and Applications, Springer, Vol. 51, No. 3, pp. 1105-1125 (2011). [2] N. Magharei and R. Rejaie: PRIME: Peer-to-Peer Receiver-driven Mesh-based Streaming, IEEE INFOCOM2007 (2007). [3] 義久智樹,西尾章治郎:放送通信融合環境に おけるデータ受信時間を考慮した映像配信手法, 情報処理学会論文誌,Vol. 53,No. 5 (2012). [4] 義久智樹,西尾章治郎:放送通信融合環境に おける映像再生端末数を考慮したストリーミン グ配信手法,情報処理学会論文誌,Vol. 54,No. 2,10 pages (2013). [5] T. Yoshihisa and S. Nishio: A Division-based Broadcasting Method Considering Channel Bandwidths for NVoD Services, IEEE Transactions on Broadcasting (2013).. 1-518. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

図 2:平均再生中断時間

参照

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