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沖縄県公文書館の環境管理について : 2010年度~2013年度: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

沖縄県公文書館の環境管理について : 2010年度∼2013年

Author(s)

城間, 敦子

Citation

沖縄県公文書館研究紀要 = OKINAWA PREFECTURAL

ARCHIVES BULLETIN OF STUDY(17): 11-18

Issue Date

2015-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/17522

(2)

城間

敦子†

はじめに 1 2013年度までの環境管理の動きについて 1-1 虫害モニタリング 1-2 温湿度管理 2 今後の課題について おわりに はじめに 沖縄県公文書館 (以下、 「当館」) は、 「歴史資料として重要な公文書その他の記録を収集し、 整理 し、 及び保存するとともに、 これらの利用を図り、 もって学術及び文化の振興に寄与する1 」 ことを 設置目的とし、 現在まで資料保存施設として資料を適切な環境で保存・管理することに努めてきた。 本稿では、 引き続き管理していく中で、 館内がどのような環境下にあるのかその傾向をつかんでいく ために、 現在の状況を記録として残し、 今後の管理の一助となるようにしたい。 併せて、 継続して残 されている課題についてもまとめた。 1 2013年度までの環境管理の動きについて 当館では、 保存が決定した文書は、 書庫に配架される前に、 低酸素濃度処理による殺虫処理が行わ れている。 以前は 「エキボン (臭化メチルと酸化エチレンの混合剤)」 による薬剤燻蒸 (殺虫・殺菌処 理) が行われていたが、 その薬剤に含まれる臭化メチルが温室効果ガスの一種として全廃になったた め使用できなくなり、 代替法を検討する必要がでてきた。 新たな殺虫方法を模索する中で、 薬剤の使 用による人体への影響や、 薬剤が将来的に継続して使用可能であるかなどを鑑みて、 平成18年度から 薬剤を使用しない低酸素濃度処理法を導入した2 。 それに伴い当館では、 IPM3 の考え方を念頭に置 き、 資料への被害を未然に防ぎ自然環境や人体への影響に留意した環境管理が行われるようになった。   †しろま あつこ 公益財団法人沖縄県文化振興会 公文書管理課 公文書嘱託員 (2010年度∼2012年度)、 同財団 公文書管理課 公文書専門員 (2013年度∼) 1 「概要」 沖縄県公文書館年報 第1号 (沖縄県公文書館 1999年) 2 大湾ゆかり 「低酸素濃度処理法の導入について」 沖縄県公文書館紀要 第12号 (沖縄県文化振興会 2010年) 3

IPM (Integrated Pest Management 総合的害虫管理) 複数の方法を用いて 「有害生物の個体数を被害のない程度に制

限していく管理方法」。 次のような事柄を1から段階的に進めていくことが大切。 1 (回避) 過去の履歴や施設点検 等から問題点を洗い出し改善する。 2 (遮断) 有害生物の侵入経路を遮断し、 すみずみまで清掃する。 3 (発見) 目視やトラップを使って害虫を発見する。 4 (対処) もし害虫が発見されたら、 その場でプラスチックバッグ等に封 鎖、 あるいは資料を隔離して殺虫処理する。 同時に侵入経路の発見とその遮断方法を検討する。 5 (復帰) 処理後 もしばらく隔離してモニタリングし、 害虫がいなかったら元に戻す。 発生場所の環境や日常管理のあり方等を検討 する。 (出典: 資料保存講習会 資料総集 資料保存のしおり 第4版 (沖縄県公文書館 2005年) p.14)

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             設置場所 番号 2010/6/16∼8/15 2011/1/12∼/3/2 2011/6/24∼8/17 2012/1/11∼2/27 2012/6/25∼8/6 2012/12/17∼2013/2/4 2013/6/26∼7/30 2013/12/25∼2014/1/27 管 理 棟 書 庫 1号 H-01・02 柱との間 1−1 ― (未設置) チャタテ?1 * * ムシ1 * * ダニ3、 ムシ2 D-01 奥 1−2 * * * ダニ1 * * * * Aゾーン 前 1−3 ― (未設置) ダニ1、 チャタテ?1 コナダニ1 コバエ1 コバエ1 クモ1 ダニ2、 ムシ1 ダニ2 K-16 前・消火器下 1−4 蚊1 * ダニ1 * * * * チャタテ1、 カツオブシムシ 抜殻?1、 ムシ1 P-15 奥 1−5 * シミ幼虫?1 ダニ1、 チャタテムシ1 * * * * * 出入口 消火器下 1−6 ヤスデ1、 ノミバエ?1、 ムシ2、 ムシぬけがら?1 ダニ1 * 羽ムシ1 ワラジムシ1、 コバエ5、 ハネカクシ1、 ヤスデ1 * * チャタテ1、 ダニ2 2号 A-01 奥 2−1 羽虫1 * チャタテ1 チャタテ1 * * * ムシ2 出入口 右横 2−2 羽虫1、 チャタテ1、 ノミバエ?1 * チャタテ3 羽ムシ1 コバエ2、 ムシ2 * コバエ1 * A-24 奥 2−3 ― (未設置) * * * * * * * EVホール 出入口 EVホール ノミバエ?6、 チャタテムシ 20、 羽ムシ3 ムシ2、 ノミバエ1 クモ1、 アリ1 ムシ2、ダニ1、チャタテムシ1 チャタテムシ5、 コバエ17、 ムシ8 ムシ2、 ムシ一部 (足) 1、 コバエ1 ムシ7 チャタテムシ1、 ムシ1 3号 Gゾーン 壁際 3−1 * * * * タバコシバンムシ1、 ノコギ リヒラタムシ3、 ダニ1 * * * E-7 前 3−2 * * * * * * * * 4号 出入口 横・机下 4−1 * * * * ノコギリヒラタムシ1、 コバエ1 * * * B-01 前 4−2 小バエ?2、 ノミバエ?1 * * * タバコシバンムシ2、ノコギリヒラ タムシ1、ムシ1、羽ムシ1、コバエ1 * * * 5号 A-1 前・ケース下 5−1 * ムシ1 * * * * * * B-17 奥 5−2 ノミバエ?1 * * ムシ1 * * * * C-17 奥 5−3 * * * * コバエ1 * * * 6号 出入口 横・台下 6−1 * * * * * * * ムシ1 D-16 奥 6−2 * * * * * * * * E-17 奥 6−3 ― (未設置) * ムシ1 * コバエ1 * * * 7号 出入口 右 7−1 * * * * * * コバエ1 * B-01・02 奥 7−2 * * * * * * チャタテムシ1 * 8号 出入口 8−1 * ムシ1 * * * * * ダニ1 A-01 奥 8−2 * * ムシ1 * * * * * 9号 B-17 前・柱との間 9−1 * * * * * * * 羽ムシ1、 ムシ1 P-17 前・扉裏 9−2 ノミバエ?1 * * * * * * * M-01 奥 9−3 * * * * * * * * H-02 柱との間 9−4 ― (未設置) * * * * * * * 9・1 0号境の扉 (奥側) (ライトト ラップ) 小バエ98※設置期間/ H22.3.31∼H22.7.7 小バエ24※設置期間/ H22.7.8∼H22.8.15 ノミバエ10 ノミバエ9 ノミバエ7、 コバエ (ノミバ エ?) 3 ノミバエ6 ノミバエ22、 ハエ1 ノミバエ7 ノミバエ8 10号 D-07・08 前 引出下 10−1 * * * ム シ1 * * * * A-01 前・扉横 10−2 甲虫1 * ハエ1 チャタテ1 * * * * 11号 左側・ホール 扉横 11−1 * チャタテ?1 クモ1 チャタテ1 * * * チャタテ1、 ムシ1 D-02 奥 11−2 * * * チャタテ2 * チャタテムシ1 * * 12号 A-12 奥 12−1 ヤスデ1、クモ1、ムシ1、クモ1、羽虫 (同種)5、ムシ2、羽虫2、ノミバエ?1 チャタテ?1 羽ムシ1、クモ3、ハエ1、ムシ1 羽ムシ1 クモ4、 羽ムシ1 ムシ2 コバエ1、 羽ムシ1、 クモ1 * 左側・マイクロリーダー横 12−2 クモ1、 羽虫 (同種) 2、 羽虫1 チャタテ1 カ1 コ バエ1、羽ムシ1、羽ムシ(別種)1 コバエ1、 ムシ1、 羽ムシ1 コバエ1 ダニ1、 コバエ1 * 出入口 12−3 ヤスデ2、 羽虫 (同種) 5 チャタテ1、 ムシ1 クモ1 * コバエ1 羽ムシ1 羽ムシ2 * 1 F 事務室 テレビ下 事−1 ヤスデ1、 ムシ1 クモ1 クモ1 チャタテ1 コバエ1、コバエ1、クモ1、ムシ1 ムシ3、 羽ムシ1 ムシ2 チャタテ1、羽ムシ2、ムシ1 資料課 印刷機・横 事−2 ヤスデ1、 ク モ2、 ノ ミバエ? 1、 小バエ1 クモ2、 ムシ1 ゴキブリ1、 シミ2、 ムシ2 * クモ1、 クモ1、 ムシ1、 ムシ1、 ムシ1 ムシ2、 ムシ2、 チャタテム シ1、 羽ムシ1 カツオブシムシ1、 アリ3、 コバエ2、 ヤスデ1 チャタテ2, 給湯室 冷蔵庫・横 事−3 ヤスデ2、 ノミバエ?5 クモ2、 クモ1、 クモ1 甲虫1 クモ1 ヤスデ1、 コバエ1 コバエ6、 ムシ4 コバエ6、 ムシ2 * 史料編集室 左奥 ロッカー・横 史−1 ノミバエ?1、 羽虫1 クモ1 ヤモリ1、 クモ1 羽ムシ1、羽ムシ(別種)1、羽ムシ (別種)1、ムシ1、ムシ(一部)1 アリ1、 ムシ1 羽ムシ2、 羽ムシ1 * * 整理室 左奥 棚下 整−1 甲虫1 ノミバエ1、 羽ムシ(ノミバエ?)1 * チャタテ1 チャタテムシ1、 羽ムシ1 * * * フィルム整理室 窓際 フィルム整理室 ― (未設置) * * 羽ムシ3、羽ムシ(別種)1、ムシ1 クモ5、コバエ1、アリ2、ムシ1、羽ムシ2 ダニ4、コバエ1、ムシ4、ムシ1 コバエ2、 クモ4、 羽ムシ6 コミュニティ マイクロ室出入口 横・机下 コミュニティ クモ2 * ゴキブリ1、クモ1、ハエ2、チャタテムシ1 * * コバエ1、ムシ1、ノコギリヒラタムシ?1 * ダニ3、 羽ムシ1 マイクロ室 奥の部屋 流し台・横 マイクロ室 チャタテ (?) 2、 ゴキブリ?1、 チャタテムシ1、 クモ1、 ムシ1 * ハエ2、 チャタテ1 コバエ1 チャバネゴキブリ1 ムシ1 ムシ1 ムシ1 製本補修室 リーフキャスティング裏 修−1 ― (未設置) ハエ2 クモ7、 ハエ2、 ムシ2、 クモ幼虫多数 羽ムシ2、 クモ1、 ダニ2、 ムシ (一部) 1 チャタテムシ1、ハサミムシ1、クモ3、ノコ ギリヒラタムシ1、アリ4、コバエ5、ムシ3 コバエ1、 ダニ1、 クモ1 ダニ3、 コバエ3、 アリ1、 ムシ3 ダニ1、 クモ1、 ムシ1 非常口 横・除湿機下 修−2 ― (未設置) ハエ2、 クモ1 ハエ1、ヤスデ1、クモ1、ヤモリ1 ハエトリグモ2、クモ1、羽ムシ1 クモ1、アリ4、コバエ1、ムシ1 ダニ1、 ムシ1 コバエ1、 コバエ1、 ムシ1 クモ2、 ムシ3 乾燥倉庫 左 修−3 * * * * * チャタテムシ3、 クモ1 ゴキブリ?1、アリ1、ダニ1 ヤモリ1、 ムシ1 B 1 F 荷解選別室 プラットホームへの出入口 荷−1 ノミバエ?3、 チャタテ2 * ハエ1 チ ャタテ?1 羽ムシ1 * * チャタテ1 出入口 横・消火器下 荷−2 ヤスデ1、 ノミバエ?5、 クモ1 クモ1、 アリ1 ハエ1 ムシ1 コバエ1 コバエ1、 ムシ1 コバエ1 チャタテ1、 羽ムシ1 除湿機・横 荷−3 クモ1 チャタテ1 * 羽 ムシ (胞子) 1 チャタテムシ1、ノゴギリヒラ タムシ1、コバエ2、羽ムシ1 * コバエ1 ムシ3 右奥・机下 荷−4 ― (未設置) * * ムシ2、チャタテ?1、羽ムシ1 コバエ1、 クモ1、 ムシ1 * ダニ1、 コバエ1、 ムシ2 チャタテ1、 ムシ3 左側棚・真ん中奥 荷−5 ― (未設置) * 羽ムシ1、ハエ2、ダニ1、ムシ2 * コバエ13、 ムシ1、 ムシ1 * チャタテムシ1、羽ムシ1、ムシ3、コバエ1 チャタテ1、 羽ムシ1、 ムシ3 プラットホーム 下段 看板・裏 プラットホーム ヤスデ3、 小バエ1 アリ6、 羽ムシ1、 シミ幼虫? 1、 ダニ1 ムシ2、 チャタテ1、 ハエ5、 ヤスデ1、 クモ3 ヤスデ2 ハサミムシ1、 ムシ1、 ムシ1 クモ2、 ワラジムシ1、 アリ 1、 ムシ2、 ムシ2 ヤスデ1、 ム カデ1、 ア リ2、 ハエ1 チャタテ1、 ダニ1、 トビム シ2、 クモ1、 羽ムシ2 燻蒸室 出入口・横 燻蒸室 蚊1、 クモ1、 ノミバエ?2 ムシ2 羽ムシ1 * タバコシバンムシ1、チャタテム シ1、コバエ1、クモ1、ムシ1 クモ1 ムシ1 クモ2、 羽ムシ1、 ムシ1 閲 覧 棟 2F 閲覧室 カウンター下 閲−1 ノミバエ?1 2、 羽虫1、 チ ャ タテムシ8、 ムシ2 ムシ1 ムシ3 チャタテ3、 コバエ4、 ムシ1 チャタテムシ・コバエ・ムシ 計134体 チャタテムシ?1、 コバエ1 チャタテムシ3、 コバエ6、 ムシ 5 ムシ1 1F 展示室 出入口・横 展示室 ヤスデ2、 ノ ミバエ?1 8 、 ム シ10、 チャタテムシ1 * ワラジムシ?1、 ムシ4、 チ ャ タテ1、 羽ムシ1 * コバエ3、 ムシ1、 ムシ1、 ムシ4、 アリ1 * ヤスデ3、 コバエ9、 ムシ2 * (*−無捕獲、 ムシ・羽ムシ−同定できなかったもの)

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当館では現在、 IPM の考え方から、 虫による食害やカビなど資料に対して発生しうる被害を未然 に防ぎ最小限に抑えるために、 その一環として、 館内環境の把握・監視が行われている。 その手段と しては、 虫の生息状況を調査する虫害モニタリングと、 また開館当初より行われているデータロガー 等による温湿度の監視がある。 それらにより館内の状態を常に把握し、 異常を発見した場合は必要な 対策を講じている。 今回は、 当館の環境管理について私が勤務を始めた2010年度から2013年度までの 記録をまとめた。 なお、 2008年度までについては、 以前に当館紀要4 にて紹介されているため、 ここ では省略する。 1-1 虫害モニタリング 虫害モニタリング(以下、 「モニタリング」)を行う期間は、 年2回梅雨明けと冬頃の1ヵ月半程度で ある。 粘着性のトラップを館内56箇所に設置し、 モニタリングの結果、 捕虫が多いなど観察に注意を 要する場所が確認された場合は、 対処と引き続き観察を行う。 また、 前回と昨年度の同時期の結果と を比較して虫の侵入・生息状況に関して、 館内環境がどのように変化しているかを調べていた。 以降、 2010年度から2013年度までのモニタリングの結果 (図1) とそれにより行われた対処、 把握された館 内環境について紹介する。 また、 今回は、 観察のみにとどめている箇所に関しては省略した。   (プラットホーム) 引渡文書の搬入口の為、 トラックが入れる空間となっている。 普段はシャッターで閉じられて いるが、 シャッターの僅かな隙間から虫が侵入するなど屋外の影響を受けやすい環境である。 梅 雨時期になると例年屋外でヤスデが発生するため、 トラップにヤスデの捕虫が確認されることが 多い。 虫の完全な侵入経路の断絶が難しい場所でもあるため、 例年ヤスデの発生時期に入るとヤ スデ駆除剤を建物周辺に散布している。 また、 地下から1階に上がる階段でのヤスデの発見報告 が多く、 屋外から屋内への虫の侵入経路として地下が大きな侵入口になっているのが改めて意識 される。 (荷解選別室) プラットホームと隣接しており、 資料の一時保管場所となっている。 雑多に物が置かれ清掃・ 監視がし辛い状況であったが、 何年かにわたりその時々の職員で 整理整頓を心がけた結果、 現在は良好な状態に保たれている。 ム ラはあるが、 捕虫されないトラップも出てきていることから、 徐々 にその効果は出ている。 (燻蒸室) 保存が決定した文書を殺虫処理するための低酸素濃度処理装置 が設置されており、 2012年度のモニタリングではタバコシバンム シ5がトラップに捕虫された。 対策として市販の殺虫剤を散布し 清掃を行った。 経過を観察していたが、 その後の捕虫は確認されていない。   4 名嘉祥子 「沖縄県公文書館の保存環境について」 沖縄県公文書館紀要 第11号 (沖縄県文化振興会 2009年)タバコシバンムシ―文化財害虫。 加害対象物は、 畳、 染料、 紙、 乾燥動植物質、 各貯蔵穀類。 加害するステージと して、 幼虫、 成虫も被害材から脱出する際に穿孔食害する。 (出典:文化財研究所東京文化財研究所編 文化財害虫 事典 (クバプロ 2001年) pp.94-95)   !"#!$%$!&'($%)*

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○管理棟1階エリア (12号書庫、 事務室等) (12号書庫) 職員用の参考資料が保管されており事務室等と同じく職員が自由に出入りできる。 そのため、 虫の侵入が度々確認されていた。 2013年度に、 書庫入口に粘着マットを設置し様子を観察した。 その後のモニタリングでは、 捕虫は確認されていない。 設置以前は、 冬時期にもトラップに捕虫 されていたところから設置の効果があったように思われる。 (事務室・史料編集室) 事務処理を行う執務空間であり、 職員が日常的に飲食を行う関係上から書庫内資料を扱うこと は殆どない。 ただ、 毎回モニタリングで捕虫が確認されていることから、 職員は普段から床面に 物を置かないなど、 清掃しやすい環境づくりを改めて心がけないといけない。 (製本補修室) 所蔵資料の修復を行う場所で、 室内に流し台等の水洗場が7箇所、 床面に排水口が4箇所、 ま た非常口と部屋の四方に窓があるなど、 侵入経路が多く毎回観察の時には注意が必要な箇所であ る。 排水口からの虫の侵入も考えられるため、 普段は使用しない流し台と床面の排水口は、 2013 年度からビニールで塞いだ。 また、 毎年度トラップに同種と思われるクモ6の捕虫が確認されて いたため、 普段清掃が行き届かない棚板下等の死角になる場所を定期的に清掃しており、 徐々に クモの捕虫数は減少している。    (エレベーターホール) 書庫前の空間。 書庫とエレベーターホールが接する壁面で、 温湿度差による結露が生じやすい。 また、 冬場以外は比較的湿度が高い時期が続き、 湿気による影 響からチャタテムシ7がトラップに捕虫される。 このエリアを 良好に保つには湿度のコントロールが問題となる。 当面の対策 として置き型の除湿機やサーキュレーターの設置、 壁面の清掃・ 滅菌などの継続的な対応が行われている。 3月頃からエレベー ターホールを集中的に監視し、 除湿が必要になる時期を見定め ないといけない。 (2号書庫) 先に述べた2階のエレベーターホールの湿気の影響から、 チャタテムシが侵入しトラップに捕 虫されていたが、 2012年度からは確認されていない。 エレベーターホールの湿気対策の効果を確 認するためにも、 環境が落ち着いてきているのかトラップを設置し捕虫状況を引き続き観察する      6 クモ―主にハエトリグモの一種と思われる虫が確認されていた。 ハエトリグモは、 イエバエなどの小昆虫に飛び掛っ て捕食する。 また、 屋内に周年生息する。 (出典:イカリ消毒株式会社 HP 「イカリ消毒オンラインショップ/どん な害虫におこまりですか?」 http://www.ikari.jp/gaicyu/53020d.html 2014年12月18日) 館内に生息しているものと思 われ、 資料に被害を及ぼすわけではないが、 個体数を増やさないための駆除とエサとなる虫がいることを考えてこ まめな清掃を行っている。 7 チャタテムシ―当館で確認されるのは、 主にヒラタチャタテ。 加害対象物は、 書籍、 動植物標本、 各種貯蔵食品。 加害の特徴としては、 資料への直接の被害として、 糊等に発生したカビを食べるが被害は軽微。 (出典:文化財研究 所東京文化財研究所編 文化財害虫事典 (クバプロ 2001年) pp.52-53) 当館では、 資料への直接の加害は確認さ れておらず、 チャタテムシの発生が確認される時期が梅雨時期と重なるため、 カビを食べることから発生箇所の高 湿度・結露によるカビの発生に注意を払っている。   !!"#"$%&"!'()*

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必要がある。 (3号書庫) 2012年度にタバコシバンムシがトラップに捕虫されたため、 3号書庫内の資料を一斉に確認し た。 その際、 資料への加害や棚内への虫の侵入は確認されず、 偶発的に侵入したものと判断され た。 念の為にトラップの設置場所を2箇所から15箇所に増やし、 継続して観察を行っていたが、 その後のタバコシバンムシの捕虫は確認されていない。 ただ、 新たに設置した箇所のトラップか ら羽虫が捕虫され、 トラップの設置箇所の見直し等も必要に感じた。 また、 実際に点検に用いた 人員・時間などの対応に係るコストを考えると改めて未然の侵入防止とまた被害の発生を想定し た対応策を引き続き整備しなければならない。 (4号書庫) 2012年度にタバコシバンムシの捕虫が確認された。 こちらもトラップの設置数を増やし、 継続 的な観察を行っていたが、 その後は確認されていない。   (9・10号書庫) 書庫内にて、 ノミバエ8の飛翔が度々確認されていた。 原因 として、 書庫の開閉時による侵入が考えられたため、 職員へ扉 の長時間開放をしないなど注意を促していた。 その結果、 徐々 に捕虫数も減っていき、 侵入は落ち着きをみせている。 (11号書庫) 度々チャタテムシの捕虫が確認されている。 梅雨時期になると4階書庫前のエレベーターホー ルの湿度が上昇しやすく、 度々結露対策を行ってきた。 現状では、 梅雨時期に結露しやすいこと は判明しているので、 除湿対策が必要になる。   (展示室) 入口付近にトラップを設置しており、 トラップに捕虫が度々確認されていた。 原資料を展示す るため安定した環境下にあることが求められるが、 開館時間中は展示室ドアを開放しており、 ま た閲覧棟正面玄関とも近いため、 屋外からの虫の侵入に留意した観察が必要である。 (閲覧室) 原資料を閲覧する場所であり、 虫の侵入・発生には注意が必要になる。 梅雨明けのモニタリン グでは、 湿度上昇によると思われるチャタテムシの発生とトラップへの捕虫が確認されている。 虫の発生とともにカビの発生防止に注意を払う必要があり、 参考室資料などの開架資料のカビ被 害を抑えるために、 閲覧担当職員が目視による監視を行っている。 当館では、 現在書庫内燻蒸は実施しておらず、 所蔵資料を虫害から守るためには、 虫の侵入・ 発生要因を抑えることが重要となる。 モニタリングの結果検知された異常に対してはその都度対   8 ノミバエ―不快害虫。 僅かな隙間からも侵入するようで、 幼虫は腐敗植物質、 漬物、 堆肥、 動物死体、 腐肉などか ら発生する。 (出典:イカリ消毒株式会社 HP 「イカリ消毒オンラインショップ/どんな害虫におこまりですか?」 http://www.ikari.jp/gaicyu/06020d.html 2014年12月18日) 当館では、 以前より屋外の鳩の営巣による糞害について悩 まされており、 ノミバエ自体の発生は、 その影響もあると思われる。   !"#$ %&''%()

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  処し、 対処方法が有効であったか経過を観察する。 また、 館内の異常が検知されなくても平常時 の環境についても引き続き把握する。 所蔵資料への被害を未然に防ぎ最小限に抑えるためには、 今後も上記のような取り組みを続けることが大切になる。 1-2 温湿度管理 書庫内は、 年間通して基本温度20℃湿度60% (7号書庫のみ温度18℃湿度40%) で管理されている。 施設管理担当の職員が普段監視しているが、 書庫内にデータロガーを設置し、 保存担当職員でも温湿 度の動きを観察していた。 以前は、 1・3・4・9号書庫の4書庫に絞った設置だったが、 2010年度 より全ての書庫と展示室にデータロガーを設置し、 日常的な温湿度の動きを記録・監視するようになっ た。 以下、 2013年度時点での各書庫内と展示室の温湿度の動きの特徴を紹介する。 (1号書庫) 単独の空調。 書庫空間としては大きく、 評価選別前の資料を一時保管する書庫である。 沖縄県 からの引渡文書の搬入や評価選別の結果、 廃棄となる文書の搬出がしばしば行われている。 デー タロガーに、 資料の搬入による湿度の急な変化が検知されたことがあり、 長時間ドアを開放しな     

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いように職員に注意を促した。 それを除けば、 普段は比較的安定している。 (2号・3号・5号・6号・8号書庫) この5書庫は同系統の空調であり、 温湿度はほぼ同じ動きをとっている。 しかし、 部屋ごとの 温湿度に僅かな違いがある。 3号書庫は他の書庫と比較して温湿度が低い値で検知され、 6号書 庫は他の書庫と比較して高い値で検知される。 部屋ごとに若干の数値の違いはあるが、 安定した 動きを維持している。 (4号書庫) 単独の空調。 小空間の書庫。 加湿機能がないことから、 冬場に入ると過度の除湿により、 湿度 の乱高下が起こりやすいため、 時期の変わり目による温湿度変化に注意した調整が必要。 (7号書庫) 単独の空調。 小空間の書庫。 冬場に入ると4号書庫同様加湿機能が無いために、 過度の湿度低 下が起こりやすく、 注意して観察・調整する必要がある。 (9・10・11号書庫) 単独の空調。 部屋自体が一つの空間として繋がっている書庫。 当館の書庫の中で最大。 3階と 4階部分をほとんど使用した大空間の書庫のため、 急激な温湿度変化は起こりづらい。 11号書庫 は、 当館の屋根部分に近い4階にあり太陽熱の影響を受けやすいためか、 3階の9・10号書庫と 比較すると若干温度が高めに検知される。 (展示室) 単独の空調。 小空間で、 置き型の業務用除湿機が設置されている。 展示室の開放時には、 外気 の温湿度の影響を受けやすく、 温湿度が安定する冬場以外は注意して観察する必要がある。 また、 夏場の夜間に冷房の供給を停止すると、 室内設置の除湿機は稼動し続けるため、 排気熱によると 思われる温度の上昇が検知される。 展示ケース内には、 調湿剤が設置されており湿度の上昇は防 げているが、 室内の温度の乱れが起こるとその影響でケース内の温度も乱れる。 また、 温度の乱 れによる湿度の乱れが確認されているため、 ケース内の温湿度を一定に保つためには、 展示室内 の温度をいかに安定させるかが課題になっている。 以上、 2013年度時点までの各書庫の温湿度の動きを紹介した。 ただ、 これは現時点でのものであり、 開館から20周年を迎えることを考えると、 建物や設備の老朽化による改修工事や設備の新設などが今 後行われる可能性が高い。 それまでは、 既存の設備・機能を使用して理想の温湿度の値や運転方法に ついて検証し、 引き続き監視・観察していく。 2 今後の課題について 2014年度から、 環境管理の担当が保存担当から施設管理担当に移った。 環境管理を施設管理担当に 移すことで、 機械的また建物の構造的部分での異常が発見された場合も対処しやすい体制が整ったと 思われる。 しかし、 公文書等を適切な環境下で管理するためには、 資料を管理する側の視点も交えた 管理体制をとっていくことが必要になる。 では今後、 施設管理担当と資料管理担当でどのような連携が必要になってくるのか、 改めて環境管 理の体制について、 以下にまとめた。 まず、 施設管理担当の業務として、 建物や敷地の維持管理と改善がある。 館内の機械・設備の維持  

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管理を行い、 すでに洗い出された問題点について施設管理の視点からその対処法を検討していく。 施設の維持管理を行うにあたっては、 基準値が必要となる。 書庫内に関しては、 温湿度の基準値が 設けられており、 施設管理担当はその値を基準とした管理を行っている。 しかし、 基準値通りに温湿 度を管理していくのは難しく、 許容範囲がどこにあるのかを見定める目線が必要となる。 資料を管理 する側は、 その範囲について見定めた上、 施設管理担当にその情報を提供する必要がある。 次に、 環境管理をするにあたっては、 監視することも大切になる。 監視には、 施設管理担当が維持 管理の為に日々行っている監視と、 館内で働く職員の目線によるものがある。 毎年職員向けに環境管 理についての研修を行っており、 それにより職員の意識が向上し、 虫の発見など館内の環境で気にな ることがあれば、 環境管理の担当へ報告が行くようになっている。 現在は、 前述したように施設管理 担当が環境管理を担い、 館内の環境で起きた異常は施設管理担当へ報告が行くようになっている。 書 庫内に関しては資料管理を担当する側の目線として、 保存担当や閲覧担当が、 資料の状態や資料の所 在を監視する体制がとられている。 保存担当で言うと、 文書の配架・保存状態を点検し、 ほこりがた まっているなど異常が確認された場合は、 施設管理担当へ報告し、 清掃計画の見直しを提案する。 異常が発見された場合、 環境管理の担当である施設管理担当へ報告を上げずにその場の対処のみに 留めていては、 館内の環境の変化を掴みそこねカビ被害などの二次被害を招く恐れがあり、 対処の前 後でも発見者は報告を上げる必要がある。 また、 施設管理担当は、 どのような情報を入手したいのか、 また、 カビの発生しやすい時期など注意が必要なことに関しては、 事前に職員に周知することが望ま しい。 環境管理についての対処と監視を継続していくためには、 その対応の方法を整備していくことが求 められる。 当館では、 職員間での環境管理に対する対応の仕方や監視の報告など情報共有を図るため 平成22年度に環境委員会が設けられた。 この体制を継続することで、 ただ監視するのではなく、 注意 すべき点を明確に出来、 職員全体での意識共有がよりよく行われるだろう。 また、 IPM の考え方で ある (回避) (遮断) (発見) (対処) (復帰) これらがどこまで実現できているのかを各部屋・区画毎 にチェックシートを作ることで、 日々の監視に役立て館内の環境が現在どのようになっているのかを 知ることができる。 これらを継続的に実施することで、 今後も県民の共有財産である当館の資料をよ りよい環境で保存していくことに繋がるのではないだろうか。 おわりに 今後も職員の入れ替わりや、 組織の体制が変わったりするだろう。 その時に、 環境管理について再 度見直し、 再認識することを繰り返していく。 以前の良い部分は継続し、 改善すべきは改善し、 より 実行しやすい形にすることが重要になる。 今回の内容は、 振り返りの作業ではあるが、 今後も館内環 境について記録として残し、 日々の業務の中で職員が無理なく意識できる監視体制構築のために役立 てて行きたい。     

参照

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