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愛媛県における大腿骨頸部骨折の発生状況と治療後の予後

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Academic year: 2021

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532 第43巻 日本公衛誌 第7号 平成8年7月15日

愛媛県における大腿骨頸部骨折の発生状況と治療後の予後

藤本弘一郎

新開

省二

近藤

弘一

小西

正光

河野

英明

木村

奥村

秀雄

 愛媛県の大腿骨頸部骨折の現状を把握し,その治療後の予後や予後に関連する要因について把握するため, 1992年に愛媛県内で大腿骨頸部骨折を発症し,医療機関を受診した患者について症例を収集し,2年間の追 跡調査を行った。愛媛県における92年の人口10万対の大腿骨頸部骨折発生率は,男性が29.2,女性が84.0で 欧米における調査と比較すると低値であった。日本国内で行われた調査と比較すると愛媛県における年齢階 級別大腿骨頸部骨折発生率は男性では全国調査の結果および鳥取県で行われた調査とほぼ同様の結果であっ たが,80歳以上では香川県で行われた調査よりも低値であった。女性では全国調査の結果,鳥取県および香 川県とほぼ同様の結果であった。大腿骨頸部骨折の受傷機転は「立った状態からの転倒」が特に高齢者で多 かった。外側骨折の治療法は骨接合術が主であり,一方内側骨折では人工骨頭置換術が多かった。多重ロジ スティック・モデルを用いて多変量解析を行うと以下の変数が統計的有意に退院時身体活動状況に影響して いた。すなわち医療機関分類では,基幹病院より病院が,病院より診療所が,年齢ではより高齢の方が,治 療法では人工骨頭置換術より骨接合術の方が,受傷機転では事故要因より転倒要因の方がそれぞれ退院時身 体活動状況が悪化していた。退院時に歩行可能であった190人のうち159人(83.7%)が退院から2年後にも 生存していた。生命予後について多重ロジスティック・モデルを用いて解析すると男性より女性の方が有意 に生命予後がよかった。159人の生存者中130人は調査時に歩行能力を維持しており,多重ロジスティック・ モデルを用いて解析すると,年齢が高いほど有意に歩行能力が低下していた。 Key words : 大腿骨頸部骨折,発生率,予後,追跡調査

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