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人口減少・高齢化社会の金融環境と年金その他の金融仲介の在り方

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Academic year: 2021

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(1)人口減少・高齢化社会と金融市場. 人口減少・高齢化社会の金融環境と 年金その他の金融仲介の在り方 玉 木 伸 介 目 1.はじめに 2.人口減少・高齢化社会の金融環境 3.金融仲介における年金の位置づけ. 次 4.環境変化と金融仲介レジームの適合 5.今後の課題 6.終わりに. 金融仲介レジームは、環境変化に応じて適合を繰り返さねばならない。人口減少・高齢化社会における潜在成 長率や長期金利の低下は、社会保障ばかりでなく、年金その他の金融仲介レジームの変革を迫る。そこにおいて は、労働という生産要素を提供して賃金による分配を受ける家計という主体の他に、生産要素を提供しないため に所得がなく、世代間の移転としての公的年金給付と保有資産の取り崩しに依存する高齢者という主体を考える 必要がある。国民の老後の生活の安定を図るためには、社会保障と金融の両面から検討を加えていく必要がある。. 主体が無視できない存在感を持つようになる。加. 1.はじめに. えて、高齢者のうちのある割合の方々は、やがて. 人口減少・高齢化社会においては、潜在成長率. 認知能力が低下して自立した判断能力を失うこと. と実質長期金利が低下しやすいだろう。 また、 人々. を、現実として受け止めなければならない。. のライフプランニングの基本的な前提である、所. 以下、こういう新たな状況下における金融環境. 得のある勤労期間と所得のない引退期間のバラン. と、年金その他の金融仲介の在り方について論じ. スも、引退期間のウェイトが高まる方向で変化す. ることとする。. るだろう。更に、一般的な分析の枠組みでは、企 業、家計、政府という三つの経済主体が置かれ、 家計とは労働と貯蓄を提供する主体とされてい. 2.人口減少・高齢化社会の金融環境. る。しかし、人口減少・高齢化社会においては、. ⑴ 人口減少・高齢化社会における長期金利の低下. 労働を提供せず貯蓄を取り崩す「高齢者」という. わが国の生産年齢人口は、1990年代半ばから. 玉木 伸介(たまき のぶすけ) 大妻女子大学短期大学部教授。1979年東京大学経済学部卒業。同年4月、日本銀行入行。 年金積立金管理運用独立行政法人審議役・企画部長などを経て、2011年4月より現職。主 な著書に『年金2008年問題』(日本経済新聞社、2004年)がある。. 28. 証券アナリストジャーナル 2020. 4.

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