( 東 女 医 大 誌 第54巻 第6
号)
頁 493-506 昭和59年6月jヒト成長ホルモンに対する
モノクロ一ナノレ抗体の性質についての研究
東京女子医科大学 第二内科学教室〔主任:鎮目和夫教授指導針馬敏夫教授〉 佐 藤主
住
( 受 付 昭 和59年3月27日〉Characterization of Monoclonal Antibodies to Human Growth Homone (hGH) Yuji SATO
Department of Intemal Medicine 11(Director: Prof. Kazuo SHIZUME)
Tokyo Women's Medical College
Monoc1onal antibodies (MoAb) to hGH were prepared and studied for thier immunological properties. BALB/c mice were immunized with hGH and spleen cells were fused with mouse myeloma cells (SP 2/0) with 50% polyethylene glycol.Three MoAb belonging to IgG1 subc1ass were obtained. These antibodies recognized different part of hGH molecule, judged by crossreaction of digested, chemically modified hGH, fragments of hGH or hPL. Binding of 125I-hGH to each MoAb was quite rapid, reaching maximum whithin 10min
,
whereas equilibrium required more than 24 h in the case of polyc1onal antibodies(poAb) which were derived from sera of immunized mice. Radioimmunoassay (RIA) for hGH using either of MoAb was insensitive, and half maximum displacement of 125I-hGH was attained at 30-50ng/ml of hGH. When mixtur巴sof two or three MoAbs were used, sensitivity of RIA increased significantly and halfmaximum displacement occurred at 15 and 5ng/ml hGH, respectively. Although delayed addition of 1251_ hGH increased sensitivity of RIA with PoAb,it was totally ineffective in RIA with single MoAb. The e妊ectof delayed addition of tracer appeared again if two or three MoAb were combined. These results strongly suggest that binding of 125I-hGH to MoAb is reversible. This may account for difference in sensitivity of RIA using MoAb and PoAb.
緒 言 ヒト成長ホルモン (humanGrowth Hormone: 以下hGHと略)は, 191個のアミノ酸で構成され る単鎖の単純タンパク質である1) hGHの生物作 用はソマトメジンを介する軟骨成長促進作用の 他,蓄歯類に対してはプロラクチン様作用も有し ている2) さらに,タンパク質代謝,脂質代謝,糖 質代謝,電解質代謝にも影響を及ぼすなど,その 作用は多岐にわたっている. hGHはその受容体と結合することにより,ホル モン作用発現が開始されると思われる.しかしな がら,hGHがその受容体と結合後にいかなる機序 が働いているのか詳細は不明である.またhGH の様々な生物活性に対応する受容体がそれぞれ異 なった性質のものであるのか,またそれら受容体 に結合する hGH分子中の結合部位がそれぞれに 対応して異なっているのか否かもまだ確定してい ない. 一方, 1957年に我国の岡田ら町こよって見出さ れた,ウイルスによる細胞融合の現象は,その後, ポリエチレングリコールによって細胞融合が容易 化されるという進歩4)めを経た後に, 1975年 に は KohlerとMilsteinにより,無限の増殖能を有す るマウス骨髄腫細胞と,抗体産生細胞との細胞融 合によって無限に増殖しつつ,モノクローナル抗 体 (Monoclonalantibody :以下MoAbと略〉を
-493-16 産生する雑種細胞(ハイブリドーマ〉が確立され るにいたつため.このMoAbは1つの抗原決定基 Cepitope)とのみ反応する均一な抗体分子である ため,免疫動物の血清から得られた従来のポリク ローナル抗体 CPolyclonalantibody:以下PoAb と略〉に比べ特異抗原以外の物質に対して交叉反 応が起こりにくいという特長を有している.とこ ろで
1
つの抗原決定基とは,そのおよその大き さがタンパク質抗原においてはそのうちの5-8
個分のアミノ酸で構成される範囲とされてし、る. このため1
つの抗原中に幾つもの独立した抗原決 定基が存在しうることになり,その個々の抗原決 定基に対する MoAbを作製すれば抗原中の各抗 原決定基およびその近傍の部位の生物学的な作用 の解析に有用な情報が得られると思われた. そこで今回,hGHに対する MoAbを作製し,そ のhGH分 子 上 の 抗 原 決 定 基 の 検 索 お よ びhGH と妊娠ウサギ肝細胞膜上のhGH受容体との結合 における MoAbの影響を調べることによって, hGHの生物学的活生部位を検討することを試み た.従来のPoAbを 用 い たRadioimmunoassay (以下RIAと略〉と我々の作製したMoAbを用い たRIAとの相違点についても,若干の解析を行 なった 材 料 1.ホルモン 標 識 お よ び 標 準 用 の22K・hGHは米国 NIHよ り提供された CHS1652C, 2U/mg).免疫抗原と してはRabenの方法7)によって作製したhGH(1 U/mg)を用いた.メチオニルhGHCN末端メチ オニン,遺伝子工学による合成hGH)はKABI社 CSweeden)より提供された.20K
-
hGHCN端より 32 ---46位のアミノ酸を欠く), hGH-S1 (140-149 位 の ア ミ ノ 酸 を 除 去 し た も の ) , hGH・S2 (140-146位のアミノ酸を除去したもの), hGH-S3 ChGH-S2の152位のAsparagineをAspartate に置換したもの), hGH-偽(135-146位のアミノ 酸を欠く 2本鎖hGH),hGH-F1 CN末端1-134 のフラグメント), hGH-F2(150位よりC末端まで のフラグメント), hGHl_15, hGH32-46,およびト リプシン処理hGHはDr.U.]. Lewis CWhittier Institute, CA, U.S.A.)より提供された.Human Placental Lactogen C以下HPLと略〉はDr.H. G. Friesen CUniversity of Manitoba,
Manitoba,
Canada)より,ウシ, ヒツジ, ラットのGH,ヒ ト プ ロ ラ ク チ ン は 全 て 米 国NIH CBethesda, MD)より提供された.2
.
試 薬 ポリエチレングリコール2000,及びプリスタン は和光純薬より, Hypoxanthine, Aminopterine, Thymidine, MercuripapainはSigma社より, Horseradish-peroxidase結合抗マウス IgG抗 体 とマウスIgGはMiles-Yeda社CElkhart,IN.)よ り購入した.抗マウスIgG1,IgG2a, IgG2b抗体はMeloy社 CSpringfield,
V
A)の,抗マウス IgM, 抗 マ ウ ス IgA抗 体 はCappel社 CCochranville, Pa)のものを使用した. 方 法 1.抗hGH抗体の作製 BALB/cマウス(雌,生後5週〉にhGHの50μg をFreundの完全アジュパントと混合し,これを 腹腔内接種を行ない, 14日後にhGHの50μgを腹 腔内に追加免疫した.さらに14日後に血中抗hGH 抗体価の上昇をRIAで確認した.そして細胞融合 の3日前にhGHの50μgを尾静脈より静注した.2
.
ハイブリドーマの作製 前述のマウスの牌細胞を無菌操作で採取し,そ の3
X1Q1個と,抗体非分泌性マウス骨髄腫細胞株 SP 2/0の1.5X107個 と を50%ポリエチレングリ コーノレを用いて, KδhlerとMilsteinの方法町こ準 じて細胞融合を行なった.融合後,ウシ胎児血清 15%含んだHAT /RPMI 1640培地 CHypoxanth-ine 1x
10-4M,
Aminopterine 4 X 10-7M,
Thymidine 1.6 X 10-5M,
L-Glutamine 2 X 10-3 M)に懸濁後, 96穴Microcultureplate CCorning 社25860)に分注し, 2 -3日毎に1/2量の培養上 清の液交換を行ない,ハイブリドーマを選択した. 3.抗体産生ハイプリドーマの検定および維持 HAT培 地 に て 選 択 さ れ た ハ イ ブ リ ド ー マ の hGHに対する抗体活性のスグリーニングを, En -zyme-linked immunosorbent assay C以下ELISA と略)法にて行なった.hGH 5μg/mlO.1M炭酸-494-buffer pH 9.0にてhGHを 被 覆 し たE1Aplate 〔日本バイオテック社,東京〉の各wellに培養上清 を分注して
3TC
,2時間反応させ洗浄後, Horse -radish-Peroxidase結 合 抗 マ ウ ス 19G抗 体 を 加 え,3TC
2時間反応させる.洗浄後に基質として 0・phenylenediamineO.lmg/mlとH20
20.01% 液を加え,発色反応により抗hGH抗体の存在を 確認した.この方法によって抗体産生が確認され た細胞群を,限界稀釈法によるクローニングを2 回行なって,抗hGHMoAb産生株を確立した. この確立した細胞株をプリスタンにて 7-10日前 にプライムされたBALB/cマウスの腹腔内に接 種 (106細胞/匹〉し ,10-14日後に生じた腹水を採 取した.4
.
抗体の精製およびE
分画の検討 腹水中のMoAbは,硫酸アンモニウムによる塩 析法にて濃縮の後に,透析し, DEAEカラムクロ マ ト グ ラ フ ィ ー に1XlO-2M リン酸buffer(pH 8.0)の条件でかけ,カラム未吸着部分を19Gとし て回収した.その後,ダイアフロー分子飾〔アミ コン社〉により濃縮した.抗体量は精製マウス 19G を標準としてLowry法8)にて定量した. MoAbの亜分画決定にあたっては1251_hGHと MoAbを反応させ,亜分画に特異的な抗体を第2 抗体として加えて免疫沈降法を行ない,沈笹の γ -countにより決定した.5
.
ラジオイムノアッセイ 確立された 3つのMoAbの特異性を山1-hGH を用いるR1Aで検討した.Assay bufferおよび dilution bufferに は50mMTris・
HClpH 7.4,
0.1% BSA, 10mM MgClzを使用した.至適濃度 に稀釈されたMoAb・
100μlと各種濃度の非標識 ホノレモン100μ1,1251・hGHc
l
X 104cpm) 100μ1,お よびassaybu妊er200μ1を加え合わせて計500μ! とし, 4'
c
にて12時間incubateした.BF分離は ポリエチレングリコール法によった.すなわち, 氷冷0.2%(W/V)
ウシ γ-globulin溶液0.5mlと 氷冷25%(W/V)
ポリエチレングリコール1.0ml を加え混和の後,抗体に結合した1251_hGHを3X 103rpmC
l
.
000 X g)4'
c
, 30分遠沈して沈降させ上 清を吸引にて除去し沈査の放射活性を γーカウン 495 ターにて測定した. なお, hGHの1251に よ る 標 識 は ク ロ ラ ミ ンT 法町こよって行ない,比活性は約100Ci/gであっT
こ 6. hGHと受容体との結合に対する抗hGHモ ノクローナル抗体の影響 妊娠ウサギ肝細胞膜にはGHの受容体が存在 し , 1251_hGHは受容体と特異的に結合する10) こ の 結 合 に 対 し て MoAbの 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し た.1251_hGHと種々の濃度のMoAbとをプレイ ンキュベートした後にウサギ肝細胞膜分画と反応 させ, 1251・hGHの受容体に対する結合が如何に変 化するかを検討した.すなわち,まず段階稀釈し た抗体溶液400μ1,1251-hGH (8 X 104cpm) 800μ1,お よびassaybu妊er400μlの計600μlを4.
c
, 12時 間プレインキュベー卜した.次いでこれを4等分 し,うち2本は前述の R1A~こ準じて抗体に結合し た1251_hGH量を測定した.残りの2本には妊娠ウ サキ守肝細胞膜分画20倍 稀 釈 液100μ1(蛋白量200 μg/チューブ〉を加え, 4.
c
, 12時間インキュベー トした後に氷冷したbu妊erを新たに2.0ml加え て3X103rpm(1.000Xg)4.
c
, 30分遠沈し,上清 を吸引除去し沈査の放射活性を測定した.なお, ウサギ肝細胞膜分画は既報10)のごとく作製した. 7.抗体フラグメント Fabの作製 hGHと 受 容 体 と の 結 合 に 対 す る 抗hGH・
MoAbの影響のうち,抗体分子のFab部分と Fc 部分の作用を調べるため,フラグメント Fabの作 製を行なった. 方法はDresserll)の方法に準じ,マーキュリー パパイン消化によって行なった.未消化の抗体と Fc部分はプロテインASepharose CL4B (フアル マシア社〉のカラムを使ってGoding凶の方法に よって除去した. このようにして得られたフラグメント Fabを 用い,前述した方法に準じてhGHと受容体との 結合に対する影響を調べた.8
.
非特異的マウスIgGのFc受容体への結合 MoAbのFc部分と妊娠ウサギ肝細胞膜分画上 のFc受容体との結合を防ぐため,非特異的マウ ス19Gを肝細胞膜分画上のFc受容体と反応させた.これにあたり, IgGのFc部分を活性化させる ため以下の処置を行なった.非特異的マウス IgG をPBSにより 1
%
(W/V)の濃度に溶解し, 65'C の温水中にて10分間加熱したのち,4
'
c
の冷水中 に移して熱処理を終えた.次いで,妊娠ウサギ肝 細 胞 膜 分 画20倍 稀 釈 液1,000μ1(蛋白量200μg/ チュープ〉に対し,上述のマウスIgG100μgを加 え, 4'
c
にて24時間インキュベートした後に,前 述した方法に準じて,hGHと受容体との結合に対 する抗hGH・
MoAbの影響を調べた. 9.成長ホルモン:受容体複合体の免疫沈降 既報の方法13)で調整された125I_hGH crosslin -ked hGH受容体をMoAbで免疫沈降を行なわせ ることにより, MoAbの抗原決定基がhGH受容 体へのhGHの結合部位,あるいはその近傍であ るか否かを検討した.125I-hGH crosslinked hGH 受容体複合体100μ!と各濃度の抗体100μ1,assay buffer 200μIを加えて, 4'
c
, 12時間インキュベー トした後に,抗マウス IgG抗血清100μlと,担体と し て マ ウ ス IgG500μg/mlの100μlを加えて,4
'
c
,8
時間インキュベートした.次いで、,氷冷 buff er1.Omlを加えて3,000rpmCl,000 Xg), 30 分, 4'
c
にて遠沈し,上清を吸引除去して,沈誼 の放射活性を測定した.なお, 1251・hGHとウサギ 肝細胞膜受容体との共有結合には,既報のごとく cross1
i
nkerとしてDisuccinimidylsuberateを用 いた.また作製した1251-hGHcrosslinked recep -torの可溶化にはTritonX-100を用いた. 10.ポリクロナール抗体とモノクローナル抗体 の比較 す で にMoAbを 用 い たhGH・
RIAの 感 度 は PoAb による RIAのそれに比して低いことが報 告されている14)その原因を検討するため,し、くつ かのMoAbを 組 み 合 わ せ た 抗 体 群 に よ るhGH のRIAを,単一のMoAbや PoAbによる RIAと 比較した.まず,各MoAbの至適稀釈液を作り, 等量ずつの各MoAbを2つ,または3つ混合し て,抗体群を調整した.これらの抗体群を用いて, まず,ロ51・hGHと抗体の結合反応における時間経 過を比較検討するため,抗体と山I-hGHの反応時 聞をそれぞれ5分, 10分, 15分, 30分 1時間, -496 2時間, 3時間, 6時間9
時間, 12時間, 24時 間として測定を行なった. また,これらの抗体を用いて前述のhGH.RIA を行なって,測定感度の比較を行なった. RIAにおいては,標識ホルモンと非標識ホルモ ン を 同 時 に 抗 体 と 反 応 さ せ る い わ ゆ るequi
1
i
b -rium assayと,標識ホルモンを後から反応、系に添 加する disequilibriumassayとがある.一般には 後 者 の 感 度 が 優 れ て い る こ と が 報 告 さ れ て い る15)この点についても MoAbとPoAbで検討し た.すなわち, hGH.RIAにおいて抗体は単一の MoAbだけのもの 2つのMoAbsを組み合わせ たもの, 3つのMoAbsを組みあわせたもの,そし てPoAbの4通 り を 用 意 し , こ れ ら に 対 し , (1)1251・hGHを 加 え て 4'
c
で24時 間 イ ン キ ュ ベートした後に,非標識hGHを加えて反応を24 時間続けたもの, (2) 1251_hGHと非標識hGHを 同時に添加し, 48時間インキュベートしたもの, (3)非 標 識hGHを ま ず 加 え て24時間インキュ ベートの後に, 1251_hGHを加え,更らに24時間イ ンキュベートしたもの,の3通りの反応を設定し た 結 果 1.抗体産生ハイプリドーマの作製 細胞融合13日後にELISA法による培養上清の 抗hGH抗体活性をスクリーニングした結果, 15 wellsで抗hGH抗体活性が強く認められた.これ らのハイブリドーマに,限界稀釈法によるクロー ニングを2回施行したところ,抗hGH抗体活性 を維持し続けたのは5clonesに減少した.この5 clonesのハイブリドーマをプリスタン処置した BALB/cマウス腹腔に接種目日後の腹水中の抗 hGH抗体活性を維持したものは3つのcloneで あった (A・7,B・2,E・1). これらの3つ の 抗 体IgGの亜分画を検討した ところ,すべてIgG1~,こ属することが判明した. 3 clonesの腹水各4mlからDEAEセルロース カラムによって精製したIgGは,Lowry法による 定量の結果,抗体A-7、で116mg,抗体B-2、で4.4mg, 抗体E・1で148mgであった.従ってマウス腹水中 におけるIgG濃 度 は1-37mg/mlな い し そ れ 以を施行した.図
1
にその標準曲線を示す. 抗体の最終稀釈濃度は A-7,E-1で2.5X105倍, B・2で 5X 103倍であり ,1251・hGH結合%はおのお の A・7が17.2%,B・2が16.0%,E-1が18.3%であ る.これらの RIAでの1251・hGH結 合50%阻害に 要する非標識 hGHの量は5-30ng/チューブであ り , PoAbを 用 い た 場 合 に 比 し て 著 し く 高 値 で あった.また, Scatchard's analysis16 )による各 MoAbの hGHに 対 す る associationconstant は,抗体 A・7,B・2,E-1でおのおの 6.5XI08,1.0X 109, 7.1 X 1WL/Mであった.また図示していない が,いずれの抗体もメチオニル G Hを22K-hGH と全く同様に認識した.3
.
抗体の特異性 各抗体の特異性および抗原決定部位の検索のた めhPL,ヒトプロラクチン,種々の化学的修飾を 加えた hGH,あるいは hGHのフラグメントに対 する MoAbの親和性について検討した(図 2,3,O.
図のごとく,抗体 A・7および E・1は hPLを認 801 -60 40 20L
_
,j----l 0\---~~.--.こ;ご;ミ均
o 0.1 10 100 1000 ( E コ EEE ヒちてロ) ℃ C コ O D 工白 L ! ﹁ -hGH 図 Humangrowth hormone radioimmunoassay using monoclonal antibodies obtained from as. citic fiuid and mouse anti-hGH serum monoclonal antibody (A-7):(0) monoclonal antibody CB-2)・(e) monoclonal antibody(E-l) : (ム〕 mouse anti-hGH serum:(・) ( n9j!ube) 上と思われた. 2.抗 hGHモノクローナル抗体による RIA 3つの抗体 A-7,B-2, E-1を用いて hGH.RIAhGH-22K: (・〉 hGH-20K: (口〉 hGH-S1: (・〉 hGH.S2: (企〉 hGh.S3 : (ム〉 hPL: (+) ~ 100ト E X 280ト 0 • 60 i 工 'E40
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田 0 0.1 10 100 1000 10000 Hormones (ngl tube) hGH.22K: (・〉 hGH-F1 : (・〉 hGH-F2 : (口〉 hGH-a3・(0) hGH 1-15 : (企〉 32-46 5100 E X2
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B Specificity of monoclonal antibody (A-7) to hormones and peptides -497-10000 10 100 1000 Peptides( ng/tube) 0 0.1 図25100 E x ~ 80 F 0 60
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囚 0 0.1 10 100 1000 Hormon~s (ngl tube) 10 100 1000 Peptides(ng/tube) ム 10000 10000 hGH-22K: Ce) hGH噂20K:C口〉 hGH-Sj : C.) hGH-S,:C企) hGhーら : Cム〕 hPL: (+) hGH-22K: (e) hGH-Fj : (・〉 hGH-F2 : (口) hGH-a3: (0) hGH 1-15 : (企〉 32-46 Specificity of monoclonal antibody (E-l)to hormones and peptides 10 100 1000 Hormones (ngl tube)¥ X
トご¥
10 100 1000 Peptides(ng/tube) 10000 1000臼 hGH-22K: ce) hGH-20K: (口) hGH-Sj : (・〉 hGH-S,:(.A) hGh-S3 : (ム〉 hPL:c
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hGH-22K: (e) hGH-Fj : C・) hGH-F2 : (口〉 hGH-a3: (0) hGH 1-15 : (.A) 32-46ントの混合物は,いずれも22
K
-
hGHの1/10-1/ 40の力価を示した. 4. hGHの受容体に対する hGH抗体の影響 hGHと受容体との結合反応に, MoAbがし、か な る 影 響 を 及 ぼ す か に つ い て 検 討 し た ( 図 5, 6). 1251_hGHを抗 hGH抗体とプレインキュベー トした場合,形成された 1251・hGH:抗体複合体の 量はMoAbの濃度に応じて用量反応的に増加し た(上段入この系に更にウサギ肝細胞膜分画を加 えて受容体に結合する 1251・hGHの量を検討した (下段).図5に示すごとく,抗体 A・7存在下では抗 体 を 含 ま な い 対 照 に 比 し て 受 容 体 へ の1251_hGH の結合量は用量反応的に増加した.一方,図6に 示すごとく,抗体B-2の場合には逆に抗体の存在 は1251_hGHの受容体への結合を回害した.しかる に,抗体分子をパパイン消化によりフラグメント Fabとしたところ,図 7に示すごとく抗体 A-7の Fab存 在 下 で は 受 容 体 へ の 1251・hGH結 合 は 増 加 も抑制も認められなかった.一方,抗体B-2の Fab 存在下では,用量反応的に1251_hGHの受容体への 識しなかったが,一方,抗体B-2を用いた系ではhPL
は高濃度である程度交叉反応を示した.他の ヒツジ,ウシ,ラットのGHとはいずれの MoAb も全く交叉反応を呈さなかった(図示省略).hGH のN端 32-46番のアミノ酸を欠く 20K-hGHはど の抗体に対しても22K-hGHの10-20%程 度 の 交 叉しか示さなかったが, 140-149番のアミノ酸を 欠く hGH-S1,140-146番 の ア ミ ノ 酸 を 欠 く hGH-S2• S3は,いずれの抗体にでも 22K-hGHよ りも 5-20倍強い親和性を示した.hGHのN側 1 -134番のアミノ酸からなる hGH.F1は,いずれ の抗体に対しても 22K-hGHの1/10-1/15程度の 力価を示した.一方, hGHのN側 135-146番のア ミノ酸を欠く hGH-的 は 3つの MoAbとも 22 K-hGHに匹敵ないしはそれ以上の親和性を呈し た.hGHの N端 1-15番 の ア ミ ノ 酸 よ り な る hGHフラグメント hGHI-15,および32-46番のア ミノ酸よりなる hGHフラグメント hGH32-46は, いずれも 1251_hGHの 結 合 を 阻 害 し な か っ た . な お, hGHをトワプシン処理した hGHのフラグメ 100 100/
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~-=- 50~ O O 150 4xlσ5 4xl0-4 4xl0-3 4xlσ2 4xlσl Amount 01 ascites(μ1) Amount 01 ascites(,ul) 図5 E任ect of monoc1onal antibody (A-7) on 図6 Effect of monoc1onal antibody (B-2) on binding of 125I-hGH to its receptor binding of 1251_hGH to its receptor 上 段 :Monoc1onal antibodyに結合した1251・hGH(BF分離はpolyethyleneglycol法 によっTこ〉 下段:肝細胞膜上の受容体に結合した1251_hGH よ O O 499-」一一一」 4xl0-5 4 xl0-4 4 xl 0-3 4 x 1 0-2 4x 10-1〆
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0.01 0.1 10 Monoclonal Ab-IgG (μgltube) Immunoprecipitation of 125I-hGH-bound hGH receptor by monoc1onal antibody 注 :2抗体法によって免疫沈降を行なった. 図8 1000 図7 E妊ectof Fab of monoc1onal antibody on binding of 125I_hGH to its receptor Fab of monoc1onal antibody(A-7) : (0) Fab of monoc1onal antibody(B-2) : (・〕 10 恥01MoAb (ng!tu be) 100 O6
.
モノクローナル抗体の組み合わせの効果 前述のごとく,単一のMoAbによるR1Aの測 定感度は抗体稀釈度あるいは標識ホルモンの濃度 を種々に変えても不良のままであった.そこで, 2つないし3つの MoAbを組み合わせて,単一の MoAbや PoAbによる R1Aの 結 果 と 比 較 を 行 なった.まず1251_hGHとの結合反応は図9に示す ごとく, MoAbの場合,極めて迅速であり,反応 開始1
時間以内に平衡状態に達することが判明し た.2つの MoAbを組み合わせた場合,平衡に達 する時間は約12時間を要し,明らかに延長を示し た.一方,PoAbでは2
4
時間以上を要することがわ かった.次いで, 2つないし 3つのMoAbを組み 合わせた抗体によるhGH・
R1Aを試みた(図10). その結果, MoAbを2つ組み合わせると, 1251_ hGHの結合率の増加と測定感度の上昇が認めら れ,3
つのMoAbの組み合わせではこれらの一層 の上昇を認めた.7
.
RIA
における標識ホルモン添加時期の効果 MoAbの組み合わせによって hGH• R1A~.こ著 しい影響が認められたため, PoAbとMoAbで は, R1A における抗原抗体反応に相違のあること が示唆された.従来より R1Aにおいて標識ホルモ ンを非標識ホルモンより遅らせて反応系に加え る,いわゆる非平衡測定 Cdisequilibriumassay) である.MoAbでのR1Aにおいてもこのような -500-結合を阻害した.このことから,抗体A
・7
による受 容体への1251・hGHの結合に対する影響には抗体 分子中のFc部 分 の 存 在 が 必 要 で あ る こ と が わ かった.一方,抗体B
-
2
による作用はFc部分は存 在しなくても発現しうることが示された. なお, hGH受容体近傍に存在すると思われる Fc受容体を非特異的マウス 19G(熱処理後〉に よって前処置をほどこしても,抗体A
-
7
分子の hGH受容体と1251-hGHの結合に対する影響は消 失を認めなかった(図示省略).5
.
1251・hGH:受 容 体 の 抗hGH抗体による免 疫沈降 上記のごとく, MoAbがhGHと受容体との結 合に影響を与えることが判明したため, 1251_hGH crosslinked hGH receptorとMoAbとの反応を 検討した.crosslinkした山I・hGHは非可逆的に 受容体と結合する13) 図8
のごとく抗体A
-
7
,E
・1
はこの1251-hGHcrosslinked hGH receptorと結 合し,この複合体は添加した抗hGH抗体の量に 応じて抗マウス 19G抗体により沈降した.一方, 抗体B・2による沈降は極めてわずかであった.こ のことから,抗体A
-
7
やE
・1
は抗体B
-
2
とは抗原認 識部位が大きく異なっており,抗体B
・2
はhGH中 の受容体への結合部位にかなり近いところを認識 していることが推察された.しかるに抗体A
-
7
,E
-1はhGHの受容体への結合部位とはかなり離れ たところを認識しているものと思われた.:
1
:
:
l
y
y
τ口七子プーープ
24 図9 Time course of 125I-hGH binding to antibodies 注 :BF分離はpolyethyleneglycol法によった.1
2
1
1
10 9 (h) 5 6 T i me 4 を先に反応系に加えた場合は最も低い感度であっ た.図 11左下図は単一の MoAb~こて同様の実験を 行なった結果を示す.図1
1
に明らかなごとく,単 一のMoAb
を用いたRIA
では1
2
5
1
_
h
G
H
,hGH
の 反応系への添加順序による感度の相違は全く見出 せなかった.しかるにMoAb
を2
つ組み合わせた もの(右上図入 3つ組み合わせたもの(右下図〉 においては,PoAb
の時に類似した1
2
51
・hGH
遅 延 添加による測定感度の増加が認められた.ただし これらの効果は,PoAb
を用いた場合ほど著明で はなかった.なお,結合率はPoAb
およびMoAb
の組み合わせでは,1
2
5
1
_
h
G
H
の添加以後の時聞が 長いほど高かった(図9入 国l-hGH
の遅延添加を 行なった系で、24時間インキュベートしたものと, 72時間インキュベートしたものとの間では,結合 率も測定感度もほぼ同様の結果が得られた.この ことから,遅延添加後のインキュベートの期間の 差はほとんど結果に影響を及ぼさないことが判明 しTこ ロ → ト ロ ー ー ト ¥ ロ 日 目 - - . . -..¥ ロ¥
¥
A 40 n u n u n u q J 内 4 1 1 ( 一 d m H O 担 ﹄ o e F ) 百 C コ O ﹄ ZO 工 ム 山内 01. 0.20.3 0.5 2 3 5 10 2030 50 100 hGH (ng/lube)図10Effect of combination of monoc1onal antibodies on sensitivity of hGH-radioimmunoas-say
monoc1onal antibody (A -7) : (0) monoc1omal antibody (B-2) : (e)
monoc1onal antibody (E-l)・(ム〉 monoc1onal antibody (A-7)
+
(B-2) : (企〉 monoc1onal antibody (A-7)+
(B-2)+
(E-1) : (口〉 D。
考 察 我々はhGH
をマウスに免疫し,抗hGH
抗体を 産生する3
種類のハイブリドーマを確立した.腹 水中で、の抗体量は約30mg/ml
であり,従来報告さ れている他のMoAb
の腹水中濃度に匹敵してい た.これによって大量の均一の抗体の作製が可能 となった.作製した3
種類のMoAb
は,おのおの 異なったepitopeを認識していると考えられる. 501 現象がおこりうるか否か,それがMoAb
によるRIA
の感度の低下と関係があるか否かを確かめ るために,標識ホノレモンである1
2
5
1
_
h
G
H
と非標識hGH
を 反 応 系 に 加 え る 順 序 を 変 え てRIA
を行 なった.図1
1
の左上図に示すごとく,PoAb
を用い たRIA
では,従来の報告のごとく1
2
5
1
_
h
G
H
の遅 延添加を行なった系で、最も感度が良く,1
2
51
・hGH
,hGH
を同時に加えた時がこれに次ぎ,1
2
51
・hGH
L M -司 l i l --
‘ .
川 、
M
¥
、
.
九
﹂
片
岡
│
│
¥
¥
K
2へ
い
山
¥
¥
h v ¥・
¥
山
下
C
1
¥
W
¥
.
v
¥ ¥ ¥
⋮
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。 ヘ
¥¥-c
t ヤ h! 100 24 50ト ェο
こ 占 的 同 一 園 、、a_、、、、ー・-・ 二上 10 100 0 0.1 hGH (ng/tube) 図11 E妊ectof delayed or advanced addition of 1251・hGHon sensitivity of hGH-radioimmunoassay 左 上 マウス血清によるR
I
A
においての1251_hGHの添加順序の違いによる測定 感度の差 左 下 単 一 のmonoc1onalantibodyによるR
I
A
において. 右 上 :2
つのmonoc1onalantibodiesによるRIA
において. 右 下3
つのmonoc1onalantibodiesによるRIA
において 100 10 。仁L→ 租害を示さなかった.20K-hGHの力価の低下は 32-46位の欠落による立体構造の変化によるもの と考えられる.一方, 22K-hGHのフラグメントで あ る F1(1 -134フ ラ グ メ ン ト 〉 お よ びF2 (150-191)に対しては, 3種類のMoAbはいずれ も種々の程度に認識したが,その活性は常にF1>
F
2であった.従って主要なepitopeはN
末端に存 在し,一部のepitopeはF
2に存在すると考えられ る.1-15および32-46位のペプチドが活性を示 さなかったことを考えると, 3種類のMoAbはそ の主要なepitopeは47-134位に存在すると推察 され,他はF
2部分にあると思われる.すなわち, epitopeは連続した1つのペプチドではなく,F
1 の47-134およびF
2の一部より構成される平面 ないし立体と考えられた .Pena21)らは抗hGHウ サギ血清,抗hGHモルモット血清等を用いて, hGHの主要なepitopeはN末端73-128,さらに 限局して98-128のアミノ酸に存在すると報告し ており,我々の成績はこれに矛盾しないものであ 502-すなわち,抗体B・2はhPLを認識するが,他の抗 体A・7,E・1は認識しない.さらに化学的に修飾し たhGH,あるいはhGHのフラグメントに対する 抗体の態度は互いに異なっていた.現在までhGH に 対 す る MoAbに つ い て は , Bundesen14l, Ivanyp7l, Cadman18l, Jonsdottir19l, ReteguPOlら によって報告があるが,いずれの抗体も hPLに対 しての交叉は様々である.hPLとhGHとはアミ ノ酸構造は85%が同一であり,我々のB・2抗体は この共通部分を認識しているものと思われる. Lewisらによって純化された20K
-
hGH,および各 種のhGHフラグメントについても MoAbとの 交文性を検討した.20K-hGHはN末端32-46を 欠いているvariantである.いずれの抗体も20K
-hGH に 対 す る 親 和 性 は22K-hGHの1/10-1/100 と低いことが判明した. しかし, 32-46位のペプ チドがepitopeの1っとは考え難い.このペプチ ドは高濃度でも1251・hGHと抗体の結合を阻害し なし、からである.同様にN末端1-15ペプチドもる.しかし我々は
hGH
の生物活性を示さないF2
もhGH
の 免 疫 活 性 に 関 与 す る こ と を 示 し た .Lewis
らは,22K-hGH
の1
4
0
位近傍のペプチドを 除去したS
I
'S
2
'
S
3
hGH
を作製し,これらが2
2
K
-hGH
の 数 倍 の 生 物 活 性 を 示 す こ と を 報 告 し た2
2
)
興味あることに,我々の3
種のMoAb
はS
I
'
S
2
'
S
3
に対して2
2
K
-hGH
よりも強い親和性を示 した.これは,やはりhGH
の立体構造の変化に よって抗体がよりe
p
i
t
o
p
e
に接近しやすくなった ためと考えられる.生物活性の増大も,同様に受 容体への親和性が増大したためで、あろう.実際, 我々は,ウサギ肝hGH
受容体に対してS
I
'S
2
'
S
3
が22K-hGH
よりも強い親和性で結合することを 見出している(データ省略).なお,我々は2
2
K
-hGH
をトリプシンで処理した標品についても検 討した. トリプシンはアルギニンおよびリジン残 基のC
末端を切断する.この結果,hGH
は1
3
個の フラグメントに分解される.この混合物は,いず れもMoAb
を用いた系で、も1
2
5
1
_
h
G
H
の結合を阻 害した(図示省略).この阻害に関与するペプチド の候補としては,65-70
,71-77
,88-94
,95-115
,1
1
6
-127
,1
2
8
-134
があるが,おのおののペプチ ドの単離が困難なため,今回は同定しえなかった. 以上,今回作製した3
種類のMoAb
は,hGH
の47-136
位を主要なe
p
i
t
o
p
e
すること,しかしなが ら各種のフラグメントや20K
・hGH
との反応性を 考えると,各々の抗体の認識部位が異なると結論 された.次に,これらの抗体のhGH
と受容体との 結合に対する効果を検討した.同様な試みは現在2
つ報告されている.Cadman
ら1
8
)
はウサギ肝細 胞およびウサギ乳腺細胞両者において,いずれ も1
2
51
・hGH
の結合を阻害するMoAb
を報告して いる.R
e
t
e
g
u
i
ら制も,ヒトリンパ球系細胞I
M
-
9
およびウサギ肝細胞の両者において受容体と1
2
51
_
hGH
との結合を阻害するMoAb
を作製してい る.さらに彼等は合成したhGH
フラグメントを 用いて,hGH
の受容体への結合部位は,1M
・9
細胞 においても,ウサギ肝細胞においても,98-128
の 聞に存在すると報告している.今回,我々の作製 した抗体B
引主,彼等の報告と同様に,1
2
51-hGH
と ウサギ肝受容体への結合を阻害した.抗体が1
2
51-hGH
の受容体への結合を阻害する原因は幾っか 考えられる.抗体分子は分子量約1
5
万の巨大分子 である.これが1
2
5
1
_
h
G
H
と結合することによってhGH
の立体構造が変化したり,あるいは1
2
51
・hGH
の受容体への結合部位が抗体分子によって被覆さ れてしまう可能性等が考えられる.そこで,抗体B
-
2
をパパインで処理し,Fab
部分を純化して検 討した.その結果,抗体B
・2
のFab
部分,分子量 約4
_
5
万でもやはり1
2
5
1
-
h
G
H
と受容体の結合を阻 害 す る こ と が 判 明 し た . し た が っ て 抗 体B
-
2
のFab
はhGH
の受容体への結合部位ないし,その 近傍に結合する結果,その受容体への結合を回止 するものと考えられる.一方,他の2
つのMoAb
C
A
-
7
,E
・1)は1
2
5
1
_
h
G
H
の受容体への結合を増加 させるとL、う結果が得られた.この現象は,抗体 のFc
部分が関与していることが明らかである. すなわち抗体Fab
部分で検討したところ,Fab
は1
2
5
1
_
h
G
H
と受容体との結合に全く影響を与え なかった.従って抗体A-7
およびE
-
1
はhGH
の受 容体結合部位以外を認識していると考えられた.Fc
がし、かなる機序で1
2
5
1
_
h
G
H
と受容体の結合を 増加させるかはなお明らかでない.もしウサギ肝 細胞膜上にFc
の受容体が存在すれば,抗体のFc
部分がこれに結合し,さらにFab
部分に1
2
5
1
_
h
G
H
が結合する結果,見かけ上国l-hGH
の肝細胞膜へ の結合が増加することも考えられる.しかしなが ら,あらかじめ熱処理マウスIgG
でインキュベー トしFc
受容体をブロックした肝細胞膜において も,抗体A
・7
およびE
-
1
は1
2
51
・hGH
の肝細胞膜へ の結合を増加させた.従って肝のFc
受容体を介 するものではないと結論された.Fc
部 分 の 存 在 は,1
1
2
51
・hGH:
抗体複合体」の受容体からの解離 を抑制するのかもしれない.以上の結果は,抗体B
-
2
がhGH
の受容体結合部位ないしはその近傍 を認識すること,抗体A-7
とE
-
1
はそれ以外の部 位を認識することを示した.これをさらに確認す るために,1
2
5
1
_
h
G
H
と ウ サ ギ 肝 受 容 体 をc
r
o
s
s
l
i
n
k
e
r
で共有結合させ,これを可溶化したも のを用いて検討した.c
r
o
s
s
1
i
n
k
e
r
によって1
2
51
_
hGH
は受容体と非可逆性に結合されて,もはや解 離しない1
3
)
このは5
1
・hGH:
受容体複合体を抗体-503-26 A.7およびE・1は用量反応的に沈降させるのに対 し,抗体
B
.
2
はその力価が極めてわずかであった. crosslinkされた125I.hGHの受容体結合部位は受 容体と結合しているため,抗体A.7およびE・1は それ以外の部位に結合して受容体を沈降させると 解釈できる.一方,抗体B 部位あるしい、はその近傍を認識するのでで、あるが, こ れらの部位はすでに受容体と結合しているため, 抗体はcrosslinkされた125I.hGHに結合し得ず, したがって受容体を沈降し難いと考えられた.以 上のごとく,我々のMoAbの一部はhGHの受容 体部位ないしその近傍を認識し,他はそれ以外の 部位を認識することが確認された.2
種類の抗体 がhGHの生物作用にどのような効果を示すか, 現在検討中である.予備的成績では,どの抗体も hGHの作用を部分的に抑制することが判明して いる(データ省略入 次に,我々はMoAbを用いたRIAについて検 討した.現在までの報告では,抗hGH.MoAbを 用いたRIAの感度は,いずれも PoAbを用いた R1Aよりも劣ることが知られている14)17) 今回の 我々の 3つ の 抗 体 を 用 い たRIAに お け る1251_ hGH結合50%阻害に要する hGHの濃度は10ng/ チューブ前後であった.一方, MoAbを作製した マ ウ ス 血 清 (PoAb)を用いた系では, O.lng/ チ ュ ー ブ と 感 度 は 約100倍 も 優 れ て い た . Scatchard' s analysisに よ る 我 々 のMoAbの affinity constantも7.1x
107L/M -1. 0 X 1Q9L/M と親和性は低値を示した.PoAbをMoAbの親和 性の差の理由を検討するため, MoAbの組み合わ せ実験を行なった.既に, 2つ以上のMoAbの組 み合わせには単一のMoAbに比して異なった生 物学的作用を示すことが報告されている.我々の 系でも, MoAbと125I.hGHとの結合におけるカイ ネテイクスが2
つ以上の MoAbを組み合わせた 場合と著しく異なることが明らかとなった.すな わち, (1)MoAbと1251・hGHの反応は極めて迅速 で,両者の反応は60分以内に平衡に達する.(2) 2 つ以上のMoAbの組み合わせでは,平衡に達する 時聞が次第に延長する. (3)MoAbを組み合わせ ると, 125I.hGH~,こ対する結合率が増加すると共に 感度も増加する. (4)RIAの系における国I.hGH のdelayedadditionの効果は, MoAbでは認めら れないが,2
種以上のMoAbの混合物になるとこ れが出現する. 以上の所見は,今回作製したMoAbとhGHと の反応が可逆的であるのに対し, PoAbの場合に は非可逆的に近いということから説明可能と考え られる.一般に,抗原と PoAbの反応は,抗原と 抗体の結合相(第l
相〉と,その結合体がより大 きな複合体を作る第2
相に分けることができる. 第1相においては,抗原と抗体はl対の複合体で あり,結合部位は1つのepitopeの部位のみであ る.しかるに第2
相には,幾つものepitopeと抗体 が結合して多数の抗原を連結する.このため,抗 原抗体の結合は増強され (bonuseffect),非可逆 的な方向へと進行する.抗原 (Ag)と抗体 (Ab) の反応を, Ag+Ab勾 Ag・
Ab とすると,Ka= CAg. AbJ/ CAbJ CAbJ
ここでKaは親和恒数で、ある.上述のごとく PoAbの場合にはAgAb複合体が生じ,これが疎 水性を増せば,上記の反応系から除かれるので, 反応は右辺へ進行し続ける.この結果,平衡に達 する時聞が長くなり,また結合率も高いと考えら れる.一方, MoAbの場合には上記の反応は第1 相に止どまり,不溶性の抗原抗体複合体が産生さ れないため,反応も早期に平衡に達するのであろ う.MoAbと1251・hGHの 反 応 の 可 逆 性 は 1251. hGHのdelayedadditionによっても確かめられ た.従来より RIAにおいては,まず非標識抗原を 抗体と反応させ,次いで標識ホルモンを加えるこ と(delayedaddition法〉により測定の感度を上 昇させ得ることが知られていた.この機序に関し てはRodbardら15)は,あらかじめ抗体と反応し平 衡に達した非標識抗原が後から加えられた標識抗 原と置換されるのには,高濃度域ほど時聞を要し, 再平衡に達する前に抗体と結合した標識抗原を分 離すると,両抗原の同時添加に比して標準曲線は 下方へ偏位し,測定感度が上昇すると説明してい る.これに対し,
I
c
hiharaら24)は, delayed addi. -504ーtion法 に よ る 感 度 の 増 加 は 抗 原 抗 体 反 応 の 非 可 逆 性 に よ る も の と 述 べ て い る . 我 々 のMoAbと 125I_hGHの 系 で は1251・hGHのdelayedaddition による感度の増加は全く認められなかった.すな わち, MoAbと125I-hGHおよびhGHとの反応は 完全に可逆的であることが証明された.一方 2 つのMoAbを 組 み 合 わ せ る と delayedaddition の効果が認められるようになり, 3つのMoAbで は,更らに顕著となる.すなわちMoAbの数が増 加されるに従って,抗原抗体反応の非可逆性が増 加するものと考えられた.これは,おそらく複数 の抗体間でのbonuseffectによる avidityの増加 によるものであろう.Rodbardの考えによれば, 抗原抗体反応の時間を充分に延長すればdelayed additionの効果は消失するはずである.我々はこ の点についても検討した.すなわちMoAb2つな いし 3つの組み合わせで, 125I_hGHをdelayed additionした後十こ5日 目 ま で イ ン キ ュ ベ ー ト し た.しかし,この聞やはり delayedadditionの効 果は明らかに認められた.以上のごとく抗原抗体 反応の可逆性はMoAbでは認められる.しかし2 つ以上のMoAbでは少なくとも部分的には,可逆 性 が 失 な わ れ る と 考 え ら れ た . こ れ は お そ ら く MoAbが 複 数 に な る と , 抗 原 抗 体 反 応 にbonus effectが生じ,抗原とのavidityが高まる結果で あろう. 結 語 1)hGH~.こ対する 3 種の MoAb を作製した. 2) 3種類のMoAbはいずれも特異性を異にす るが,主要なepitopeはhGHの
N
端より46-134 位のアミノ酸残基に存在する. 3) MoAbのepitopeは単なる連続したアミノ 酸配列ではなく,アミノ酸配列によって規定され る立体構造が重要で、あると考えられる. 4)抗 体 の 一 部 はhGHと受容体の結合を抑制 するが,一部は抑制しなかった.hGHの受容体へ の結合部位はN
端より46-134位のアミノ酸残基 に存在する. 5)今 回 作 製 し たMoAbとhGHとの反応は可 逆的であり, RIAにおける感度の低下やdelayed additionの 効 果 の 無 い こ と は こ の 可 逆 性 に よ る ものである. 稿を終わるに臨み,御指導と御校聞を賜った鎮目和 夫教授ならびに劉馬敏夫教授に深謝いたします. 細胞融合法を直接御指導頂いた国立予防衛生研究 所細菌第二部松橋直部長,水口純一郎研究員,吉 田 勉研究生に感謝致します. また,数々の御助言,御協力を頂いた財団法人成長 科学協会付属研究所の諸先生に謝意を表します. 本論文の研究費の一部は,財団法人成長科学協会研 究助成金,厚生省特定疾患・問脳下垂体機能障害調査 研究班の研究費および厚生省特定疾患・ホルモン受容 機構異常調査研究班の研究費によった. くなお,本論文の要旨は昭和58年5月28日第56回日 本内分泌学会総会において報告した). 文 献 1)Nia,lI H.D., et al.: Sequences of pituitary and placental lactogenic and growth hor -mones : Evolution from a primordial peptide by gene reduplication. Proc N at Acad Sci USA 68(4) 866-869 (1971)2) Ferguson
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