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卵巣皮様嚢腫における歯牙様硬組織の研究

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Academic year: 2021

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Title

卵巣皮様嚢腫における歯牙様硬組織の研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

楠, 幸博

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1271号

Issue Date

2001-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15002

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類

学位授与番号

学位授与日付 学位授与の要件 学位論文薄目 審 査 委 員 楠

幸・博(岐阜県)

博こ士(医学)、

乙第1271号

平或13

3 月14 日

学位規則第4条第2項該当

卵巣皮様嚢腫における歯牙様硬組織の研究

(主査)教授

親.

(副査)教授

克1席

数痩

子 論 文 内㌧容 の 要・旨

卵巣皮様雲煙は三胚葉性産生物専有する串熟型奇形種の一種とみなされており,その含有物としては,歯牙,

皮脂腺,汗腺,毛嚢などの形成がみられト他の三胚葉性の組織も多くの場合は少数含まれている。卵巣皮様嚢腫

の歯牙については諸家の報告があ挙が,歯牙の発生頻如咄較的低く,検索が困難であるためか,近年ではその

方の詳細な研舞は少ない。本研究は諸家の研究を補遺し,卵巣皮様嚢腫内歯牙およびその周囲組織の肉眼的組織

学的特徴の解明を目的として行われた。 研究材料と方法 岐阜市民病院産婦人科の協力を得て入手した多数の卵巣皮様嚢腫の中で,明らかに歯牙および歯牙様奇形物を 認めた7例の標本を用いた。卵巣皮様嚢腫の実質突起ならびに嚢撃中に存在した歯牙および周囲組織を,ルーペ を用いて肉眼的に観察し,Ⅹ線的には歯牙および歯胚ならびにその周囲組織の状態を歯科用Ⅹ線撮影装置(電力 100V,入力2KVA,電流20A,照射時間0.2∼¢.4秒)を用いて観察し,病理組織学的には歯牙および歯胚ならび にその周囲組織を10%ホルマリン液で固定後,適当な大きさのプヮ_ツクに切断し,■10%硝酸ホルマリン液で脱灰 後,脱灰切片とし20∼30JJのチェロジン切片を作り,へマトキシリン・エオジン染色およびワン・ギ⊥ソン染色 を行い,一部は研磨標本として作製し,詳細に観察,検討した。 結果および考案 歯牙数は43個でそのうち実質突起表面に完全に萌出したもの23個,半萌出したもの8個,残りの12個は実質突 起の嚢壁中に埋没したもので,嚢胞腔内に存在したものはなかった。その他,発育しつつある歯胚数は15個で周 囲の歯槽骨様の骨組織の形成を認めるもの6例,全くないもの1例であった。さらに顎骨の模倣的形成を認めたも のもあった。歯牙の配列は一定せず,孤立するもの,散在性のもの,密集するもの等あり,その他上顎前歯部の 配列を模倣するものを認めた。歯牙の種類別では,最も多く発見したものは臼歯様群で,22個(小臼歯様14,大 白歯様8)次いで切歯様で9個,続いて犬歯様8個で,その他に奇形の形態を呈する歯牙(過剰歯様,燻小歯様, 癒合歯様)等も認めた。歯牙の大きさは一般に正常歯牙に比較して発育不全で,著しく歯冠および歯根の小さい ものがはとんどであった。歯牙の色は帯黄白色で正常歯とはぼ類似するものが大多数であった。歯冠の形態も正 常の歯牙形態を呈するものが大多数であった。歯根周囲には歯槽骨様の骨が形成されているもの,あるいは片側 のみに形成されているもの,あるいは骨形成はなく結合織中に歯牙が固定されているもの等あり,層板骨,海綿 骨を認め,骨髄を有するものも認めた。歯根と骨形成との関係を観察すると歯根の周囲を歯槽骨様に囲擁するも の,片側にのみ骨形成を認めるもの,主として根尖部附近に骨形成が認められるもの,深部に骨形成があっても

歯根の周囲は結合織で囲まれているものに分類された。症例1には犬歯様歯牙の直下に歯胚の存在するものを恵

め,それはあたかも歯牙交換現象を思わせたが,根の吸収は根尖のみならず根側にもみられ,その直下に歯胚が 存在したが必ずしも後継歯胚とは断定できなかった。卵巣皮様嚢腫中の歯牙は,歯牙の形態および病理組織学的

(3)

-105-に吸収像のみから乳永久歯の判別は困難で,乳永久歯あ区別をすべきではなく,いわゆる腫瘍内に発生した歯牙

と見なすべきだと考えられた。エナメル器の肥厚増殖(進行性病変),-歯嚢,一象牙芽細胞等に簸められた萎縮,

変性等の退行性変化は歯牙発育形成に一定の影響を与えることがあると思われ

卵巣皮様嚢腫内歯牙か肉眼的に

歯冠の形態が正常口腔内歯牙に比較して著しく小さく,歯根の形成も不完全なものが多く,癒合歯,燻小歯,奇

形歯等の発現しやすい点と一致した。象牙質,セメン、ト資に認やられた著明な吸収像については/萌出歯牙およ

び未萌出歯胚の両方の歯根にともに認められ,口陛巧の正常歯牙のようた由疇運動に関与しないヾため/垣伏歯に

見られるような変化が起り,象牙質の吸収をきたすものであろうと推定された。また■,て多数の歯胚が隣接して存

在する場合は歯胚の発育とともにお互いにその防疫歯掛こ影翠するものと考えら叫た。さら破棄鹿内容液の圧力

が加わることも考えられ,鼻梁が内容液の影響により膏曲したと思われるものも認められた。卵巣皮様嚢脛の歯

牙は萌出した歯牙においても歯根の形成も悪く,あるものは結合織中に固定されるか,あるいはわずかに周囲に 歯槽骨様の骨形成があるものでもシャーピー線経め走行,配列が悪く-′歯牙を歯槽に固定する結合織の固定が弱 く,懸垂装置としての形態は充分に見られず,走行は正常歯牙と異なり,大多数歯根面に平行に走るものを認め

た。さらに歯嚢の退行性変ぬこ陥り歯牙が脱落す、るか東根が吸収されて,嚢壁中に残留し`ごますます硬組織の吸

収が促進き中るものと思わ平た。卵巣皮様嚢鹿?歯牙の尭生については,未婚・'既婚にかかわらず歯牙の発生を

認めるもので,嚢腫内の三胚葉痍遺物から発生するものであり,すなわち歯胚のエナメル器(エナメル質).軋

外胚葉系統より由来し,象牙資,セメント質,歯乳頭(歯髄),▲歯吏(歯痕痕),歯槽骨等は中胚糞系統より由来

するところから,主に外胚葉,中胚葉の残遺物から発生するものである。検索された歯牙は,はとんど幅状期, 鐘状期を過ぎた歯胚の状態のものが多く,歯胚の書状期のものははとんど発見し得なかったため,歯胚の初期の 状態は観察し得なかった。

論文書査の結集の要旨

申請者 楠

幸博は∴歯牙様硬組織を含む卵巣皮様嚢腫を肉眼的,Ⅹ線的,ならびに病理組感睾的た検索し,

卵果皮様嚢鹿内にぁられ為歯牙様硬組織と正常歯牙の類似点,相違点を明らかにした。本扇究は,口腔外科学の

発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 卵巣皮緩衰腫にお1ナる歯牙様硬組織の研究 平成13年1月発行 岐阜大医紀 49(1):i4∼36

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