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DIABETES 2 型糖尿病治療における新しい ADA/EASD Position Statement: 患者中心のアプローチ The New ADA/EASD Position Statement on Management of Hyperglycemia in Type 2 Diabetes

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Presented at the

◦ 糖尿病の診断後早期のHbA1c低下が

将来の死亡・心筋梗塞のリスクを決める: UKPDSのlegacy effectの解析から

Marcus Lind, MD

University of Gothenburg, Sweden

◦ 糖尿病と慢性腎臓病に関するガイドライン改訂

Rudy Bilous, MD

Newcastle University, Newcastle upon Tyne, UK

◦ 2型糖尿病患者に対するシタグリプチンと

メトホルミンのGLP-1および インクレチン効果に及ぼす影響

Irfan Vardarli, MD

Diabeteszentrum Bad Lauterberg, Garmany

◦ メトホルミンは高濃度グルコース下での fetuin A産生を抑制する Rudy J. Valentine, MD Boston University,USA ◦ 2型糖尿病治療における新しいADA/EASD Position Statement: 患者中心のアプローチ Silvio E. Inzucchi, MD

Yale School of Medicine, USA

◦ 高血圧と糖尿病:最新のガイドラインとエビデンス

Suzanne Oparil, MD

University of Alabama at Birmingham, USA

Peter M. Nilsson, MD

Lund University, Sweden

◦ 2型糖尿病患者における食後のインクレチン、

インスリンおよびグルカゴン分泌に及ぼす シタグリプチン単剤およびメトホルミン併用の影響

Jose de Jesus Garduno Garcia, MD

University of Texas Health Science Center School of Medicine,USA

Distribution supported by

◦記載されている薬剤の使用にあたっては添付文書をご参照下さい。 ◦HbA1c は NGSP 値による表示です。 日本語版制作 日本語版問い合わせ先:メディカルカウンシル Tel:03-5430-9238

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Silvio Inzucchi ������ ������S� �o�i�ion S����������� ������S� �o�i�ion S�����������S� �o�i�ion S����� m�n� の解説動画を、大日本住友製薬医療情報サイト

メトグルコ製品ページからご覧いただけます。

2012 年 4 月に、ADA(米国糖尿病学会)/EASD(欧州糖尿 病学会)による 2 型糖尿病治療の新たな Position Statement (合同声明)が発表され(Inzucchi SE. Diabetes Care 2012; 35:

1364、Diabetologia 2012; 55: 1577)、患者中心の個別化治療 が強調されている。Position Statement 策定委員会(Writing Group)の共同委員長を務めた Silvio Inzucchi 氏(Yale School of Medicine、米国)が、改訂の背景や新しい合同声明が目指 す治療などについて講演を行った。 ■ なぜガイドライン改訂が必要だったのか まず Inzucchi 氏は、ガイドライン改訂に至った背景を解説 した。糖尿病治療薬は、ここ 10 数年間で米国において 9 種 類もの新しいクラスの薬剤が承認され(日本未発売の薬剤も 含む)、臨床現場で数多くの薬剤が使用できるようになった。 しかし、各薬剤の役割は明確ではなく、新規薬剤の安全性に 関する懸念が高まりつつあった。さらに、近年の ACCORD や ADVANCE などの大規模臨床試験の結果から、大血管合併症 に対する強化血糖降下療法のリスクとベネフィットに関する新 しいデータが明らかになった(Skyler JS. Diabetes Care 2009; 32: 187、N Engl J Med 2011; 364: 818)。また一方では、プラ イマリケアの現場から、「患者中心の治療」と「個別化治療」 に関する議論が高まっていた。こうした背景に基づき、今回 ADA と EASD の 2 学会による 2 型糖尿病治療に関する合同声 明の発表に至った。 ■ 患者中心の治療と個別化治療 今回の改訂は、「患者中心の治療」という考え方を取り入れ たことで従来の治療ガイドラインとは大きく異なる。Inzucchi 氏によると、患者中心の治療とは「個々の患者のニーズや価値 観、嗜好を尊重した治療」である。治療上の意思決定は患者 の価値観に基づき、患者の視点で行われるべきであり、この 患者中心の治療は、糖尿病のような慢性疾患の管理において 基本となる考え方である。医師と患者はお互いに治療に関す る情報を共有し、治療薬の選択や生活習慣の改善に関して十 分なコンセンサスを得る必要がある。患者が主体的に意思決 定に参加することにより、治療のコンプライアンスの向上も期 待できる。 新しい合同声明のもう一つの特徴は「個別化治療」であり、 治療目標の設定や第一選択薬以降の治療において、患者の病 態やニーズを考慮した選択肢が設けられている。そして高血 糖管理へのアプローチについては、治療目標に関して HbA1c 6.0 ~ 6.5%の厳格な治療か、HbA1c 7.5 ~ 8.0%の緩徐な治

2 型糖尿病治療における新しい ADA/EASD Position Statement:

患者中心のアプローチ

The New ADA/EASD Position Statement on Management of Hyperglycemia in Type 2 Diabetes: State of the Art Lecture CT-OR08

健康的な食事、体重管理、身体活動の増加 初期単剤療法 2剤併用療法 3剤併用療法 より複雑なインスリン療法 メトホルミン メトホルミン メトホルミン メトホルミン メトホルミン メトホルミン + + + + + チアゾリジン薬 SU薬 DPP-4阻害薬 GLP-1受容体作動薬 (通常基礎)インスリン 不変∼低下 消化器症状、乳酸アシドーシス 中等度 増加 低血糖 有効性(↓HbA1c低血糖 体重 副作用 費用 有効性(↓HbA1c低血糖 体重 主な副作用 費用 増加 浮腫、心不全、 骨折 中間 不変 まれ 減少 消化器症状 最高 増加 低血糖 様々 3ヵ月以内にHbA1c目標値を達成しない場合、2剤併用療法を行う ※速攻型インスリン分泌促進薬はSU薬の代わりに用いることが出来る。食事の時間が 不規則な患者やSU薬投与時、次回の食事前に低血糖が発現する患者に使用を検討する。 図 1  ������S� �o�i�ion S����m�n� : 2 型糖尿病の血糖降下療法 G�n�r�l R�comm�nd��ion�

Adapted with permission from Inzucchi SE. Diabetes Care 2012; 35:1364.

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療を選択するのか、その判断の基準として①患者の治療に対 する態度や意欲、②低血糖やその他の有害事象のリスク、③ 罹病期間、④平均余命、⑤重大な併存疾患の有無、⑥血管 合併症の有無、⑦社会的なリソースや支援の有無の 7 つを示し (Ismail-Beigi F. Ann Intern Med 2011; 154: 554)、治療目標の

個別化について具体的に説明している。 ■ 第一選択薬メトホルミンの後に 5 つの治療選択肢 血糖降下療法の指針については、第一選択薬には 2008年 に発表された前回のアルゴリズムと変わることなくメトホルミ ンが推奨され、3 ヶ月以内に HbA1c の目標値に達しない場合 には、2 剤併用療法の選択肢を 5 つ設け、治療の個別化が図 れるようにしている(図 1)。例えば、経済的事情から治療コス トをできるだけ抑えたい患者では、SU 薬と基礎インスリンを 併用する治療を選ぶことができる。また、SU 薬の替わりとし て速効型インスリン分泌促進薬(メグリチニド)の使用にも言 及しており、食事の時間が不規則な患者や SU 薬では次回の 食事前に低血糖となるような患者では、速効型インスリン分泌 促進薬が使用できるなど、きめ細かい治療選択肢が示されて いる。一方で、非常に治療意欲の高い患者には生活習慣の改 善や運動のみによる非薬物療法で血糖を維持することも選択 できる。 Inzucchi 氏は、「2008年発表の治療アルゴリズムと比べ、 2012 年の新しい合同声明はアルゴリズムで治療を決めるよう ■ 糖尿病、高血圧、慢性腎臓病を合併した患者の第一選択薬 米国の高血圧診療ガイドライン JNC 8 策定委員会の共同委 員長を務める Suzanne Oparil 氏(University of Alabama at Birmingham、米国)は、糖尿病合併高血圧患者の降圧療法 において、どのクラスの薬剤が第一選択薬となり得るか過去 のエビデンスから考察を行った。

Oparil 氏はまず、ADA の Standards of Medical Care 2012 年版の降圧治療ガイドライン(表 1)を紹介し、そのエビデン スとして UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)と ALLHAT (Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の結果をレビューし た。UKPDS38 では高血圧合併 2 型糖尿病患者1,148 名のうち、 厳格降圧(< 150/85mmHg)群 758 名をアンジオテンシン変 換酵素(ACE)阻害薬(カプトプリル)群またはβ遮断薬(アテ ノロール)群に無作為化割付けを行ったが、2 治療薬群間で なものではない」と述べ、新ガイドラインのポイントとして以 下の 7 点を強調した。 ①血糖の目標値と治療法は個別化されなければならない。 ②食事、運動、教育はいかなる 2 型糖尿病治療プログラ ムにおいても基本である。 ③禁忌でない限り、メトホルミンが第一選択薬である。 ④メトホルミン単剤で目標値に達しない場合、メトホルミ ンに追加する薬剤を決めるデータは限られており、副 作用を最小限とした 1 ~2 種類の経口薬や注射薬の併 用療法を考慮する。 ⑤最終的には多くの患者で、インスリン単独またはインス リンと他の治療薬との併用療法で血糖値を維持するこ とになるだろう。 ⑥治療の意思決定は患者の嗜好やニーズ、価値観を考慮 して行う。 ⑦治療は包括的な心血管系リスクの軽減に焦点をあてる。 最後に、この新しい合同声明を検証するために、メトホルミ ンによる治療にも関わらず HbA1c が 6.5 ~ 8.5%の患者を対 象に、SU 薬、DPP-4 阻害薬、GLP-1 受容体作動薬、インスリ ンとの併用療法に割り付けた 6,000 例規模の臨床試験 GRADE (Glycemia Reduction Approaches in Diabetes: A Compara-tive EffecCompara-tiveness Study)が計画されていることを Inzucchi 氏 は紹介した。

高血圧と糖尿病:最新のガイドラインとエビデンス

New Lessons in Hypertension and Diabetes: An Update on Clinical Trials and Clinical Guidelines: Symposium CT-SY12

表 1 ��� 降圧治療ガイドライン ◦糖尿病および高血圧合併患者の薬物療法には ACE 阻害 薬と ARB を使用すべきである。一剤に忍容性がない場 合はもう一剤を代替とする(Level C)* ◦降圧目標に達するには、一般的に多剤併用療法(2 ~ 3 剤を最大用量で投与する)を要する(Level B) ◦ACE 阻害薬、ARB、または利尿薬による治療時には、腎機 能および血清カリウム値をモニターすべきである(Level E) ◦糖尿病および慢性高血圧を合併した妊娠中の患者には、

ACE 阻害薬および ARB は禁忌である(Level E)

Standards of Medical Care in Diabetes 2012, Diabetes Care 2012: 35(supple 1), S29

*A: 無作為化比較試験によるエビデンス B: ケース・コントロール研究またはコホート研究による エビデンス C: 十分にコントロールされていない臨床試験からのエビデンス E: エキスパート・コ ンセンサスまたは臨床経験

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の推奨に、糖尿病および CKD を合併した高血圧患者の第一 選択薬として ARB または ACE 阻害薬が位置づけられている。 (http://www.kdigo.org/)。 以上の講演をまとめて Oparil 氏は、「蛋白尿を伴う CKD の 合併が認められない糖尿病合併高血圧患者では、第一選択薬 として一つのクラスの降圧薬を選ぶエビデンスは乏しい。しか し、CKD を合併した患者では ACE 阻害薬や ARB が第一選択 薬となり、糖尿病合併高血圧患者では降圧目標に到達するに は 2 剤以上の降圧薬が必要となる」と述べた。 糖尿病合併患者�おけ�降圧目標

Peter M. Nilsson 氏(Lund University、スウェーデン)は、 欧米のガイドラインにおける糖尿病合併高血圧患者の降圧目 標に関してレビューした。ACCORD-BP の結果によると、収 縮 期 血 圧(SBP)<120mmHg とした 厳 格 療 法群と、SBP < 140mmHg とした標準療法群では、両群間で心血管疾患や死 亡率に有意な差は認められず、脳卒中のリスクは厳格療法群 で有意(p=0.01)に低下した(N Engl J Med 2010; 362: 1575) (図 3)。このエビデンスに基づき、欧州高血圧学会(ESH)で は個々の糖尿病患者に応じた降圧目標を推奨している。新規 に診断された 2 型糖尿病患者では厳格なリスクファクターの 管理が治療目標であるが、罹病歴が長く合併症の多い高齢者 では SBP 140mmHg 以下が妥当とされている。 一方、ESH では高血圧治療を開始すべき時期に関して、血 圧≧ 140/90mmHgであるか、さらに低い血圧であっても、微 量アルブミン尿などの標的臓器障害の兆候がみられれば治 療開始するとしている。正常血圧の 2 型糖尿病患者でも仮面 高血圧の診断に 24 時間血圧測定を薦めている。心血管疾患 予防に関する欧州ガイドライン(Perk J. Eur Heart J 2012; 33: は降圧効果、糖尿病または心血管疾患関連イベント、さらに 腎機能への影響に差は認められなかった。 ALLHAT は、早期中断されたα遮断薬群を除く33,357 名の高 血圧患者をサイアザイド系利尿薬(クロルタリドン)、Ca 拮抗 薬(アムロジピン)、または ACE 阻害薬(リシノプリル)に無作 為化割付けし、そのうち糖尿病合併患者は 12,063 名であった。 心血管疾患および末期腎不全(ESRD)の発症頻度は、糖尿病 合併患者と非合併患者では差がなく、利尿薬群に比べ、Ca 拮 抗薬群では心不全の発症リスクが高く、ACE 阻害薬群では脳 卒中、心不全、および複合心血管疾患の発症リスクが高いと いう結果であった。 しかし Oparil 氏は、ALLHAT では慢性腎臓病(CKD)や尿蛋 白を有する患者に着目していないことを指摘し、アンジオテン シンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の糖尿病性腎症に及ぼす影響を検 討した 2 つの臨床試験を紹介した。まず、IRMA 2(Irbesartan in Patients with Type 2 Diabetes and Microalbuminuria )は、 微量アルブミン尿(尿中アルブミン排泄率 20 ~200μg/ 分)を 呈する 2 型糖尿病合併高血圧患者(>135/85mmHg)を対象 とし、イルベサルタンの投与により腎保護作用が得られるの かを検証した無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。そ の結果、イルベサルタンは顕性腎症の発症を有意(p=0.001) に抑制し(図 2)、尿中アルブミン排泄量も減少させた(Parving HH. N Engl J Med 2001; 345: 870)。RENAAL(Reduction of Endpoints in Non-Insulin Dependent Diabetes With the An-giotension Ⅱ Antagonist Losartan)の結果からも、ロサルタ ンの追加により一次エンドポイント(血清クレアチニン値の倍 化、ESRD、死亡)を有意(p=0.02)に抑制したことが示された (Brenner BM. N Engl J Med 2001; 345: 861)。これらの結果か ら、KDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes )

20 15 10 5 0 0 3 6 12 18 22 24 (%) 糖 尿 病 性 顕 性 腎 症 の 累 積 発 症 率 プラセボ イルベサルタン 150mg* イルベサルタン 300mg** 追跡期間 (月) *p=0.06、vs. プラセボ **p=0.001、vs. プラセボ リスク減少率 p 値 ハザード比 (95% CI) –13% 0.25 –12% 0.20 –41% 0.01 +6% 0.74 +19% 0.55 –6% 0.50 0.5 1.0 2.0 平均 119.3 mmHg 平均 133.5 mmHg 厳格療法群が良好 標準療法群が良好 一次エンドポイント 非致死性心筋梗塞 脳卒中 心血管死亡 総死亡 うっ血性心不全

Adapted with permission from Parving HH. N Engl J Med. 2001; 345: 870. Adapted with permission from N Engl J Med. 2010; 362:1575.

図 2  IRM� 2:2 型糖尿病合併の高血圧患者�おけ�顕性腎

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1635)では、糖尿病合併患者の降圧治療を正常高値(130 ~ 139/85 ~ 89mmHg)から開始することを支持するエビデンス はないとしている。 それに対し、ADA では SBP < 130mmHg、拡張期血圧(DBP) <80mmHg を降圧目標としているが、SBP の目標値は個々の 患者の特徴や治療への反応を考慮して設定することが望まし いとも記載している(Standards of Medical Care in Diabetes 2012)。 さらに、13 の無作為化試験のメタ解析より、2 型糖尿病およ び空腹期血糖異常の患者では、より積極的な降圧治療(SBP 血糖値の恒常性維持のためにインクレチンが重要な役割を 担っていることが、近年認識されているが、DPP-4 阻害薬を 単剤あるいはメトホルミンと併用投与した場合の血糖降下作 用のメカニズムについてはまだ十分な解明がなされていない。 Jose de Jesus Garduno Garcia 氏(University of Texas、米国) らは、2 型糖尿病患者におけるシタグリプチンまたはメトホル ミン単剤あるいはそれらの併用投与による治療が消化管ホル モンや血糖動態へ及ぼす影響について検討した。 本研究は、診断から1 年未満の 2 型糖尿病患者 16 名(年齢 47 ± 10 歳、男性 9 例、BMI 34 ± 5 kg/m2、HbA1c 値 8.8 ± 1%)をプラセボ群、メトホルミン群、シタグリプチン群、シタ グリプチン+メトホルミン併用群に無作為化割付けし、4 週間 の治療を行った。2 週間の休薬期間をおいた後、食事負荷試 験(600kcal、たんぱく質 20g、脂肪 25g、グルコース 75g)を行 ない、空腹時血糖、インスリン、およびグルカゴンのほか、イ ンクレチン(活性型 GLP-1 と GIP)、インスリン分泌率(血漿中 の C-ペプチド分泌動態から deconvolution 解析)の測定を行 なった。 <130mmHg)は大血管症や細小血管症(心、腎、網膜)のリ スク低下にベネフィットはなく、重篤な有害事象の頻度が高 まることも示唆され、SBP の目標値は 130 ~ 135mmHg が望 ましいと報告されている(Bangalore S. Circulation 2011; 123: 2799)。 これらのエビデンスに基づき、Nilsson 氏は「新しいガイド ラインの多くは、降圧目標<140/90 mmHg とし、糖尿病や CKD を合併した患者では 130/80 mmHg 未満とされる(Flynn C. Curr Hypertens Rep 2011; 6: 452)」と述べた。

まず、食事負荷試験後6時間までの血糖値上昇の血糖曲 線下面積(incremental AUC)で評価した食後血糖値の上昇 は、併用群で最も抑制された(表 2)。空腹時血漿インスリン 濃度はいずれの治療群でも差はなかったが、食事負荷試験後 180 分間のインスリン分泌率は併用群で高い傾向が認められた (ピーク・インスリン分泌率)(表 2)。 また、空腹時血漿グルカゴン濃度は 4 群間で差はなかった が、食事負荷試験におけるグルカゴン濃度の減少は併用群で 有意に大きいことが示された(p < 0.05 vs.プラセボ群)(表 2)。 血漿中 GIP 濃度には 4 群間に差はなかったが、食事負荷試験 による GLP-1 の血漿中濃度下曲線(AUC)は併用群で最も増 加した(p < 0.05 vs. プラセボ群)。 以上の結果から、Garcia 氏は「シタグリプチンとメトホルミ ンはともに単剤で空腹時および食後血糖値の改善効果をもた らすが、併用によりさらにその効果は増強した。この併用によ る血糖コントロールの改善は、GLP-1 の血漿中濃度の上昇に よるインスリン分泌の増加とグルカゴンの抑制によりもたらさ れると考えられる」と述べた。

2 型糖尿病患者における食後のインクレチン、インスリンおよびグルカゴン分泌

に及ぼすシタグリプチン単剤およびメトホルミン併用の影響

Postprandial Incretin, Insulin and Glucagon Secretion in T2Dm Patients Treated with Sitagliptin Alone or in Combination with Metformin: Poster 1155-P

表 2 結果のまとめ 併用群 メトホルミン群 シタグリプチン群 プラセボ群 p 値 空腹時血糖 (mg/dL) 125 ± 2* 149 ± 3 154 ± 3 161 ± 4 <0.05 食事負荷試験後の平均血糖値 (mg/dL) 155 ± 9* 181 ± 11 182 ± 15 208 ± 15 <0.01 ピーク・インスリン分泌率 (pmol/kg・min) 12.3 11.0 ± 1.3 11.2 ± 1.2 10.2 ± 1.2 グルカゴン濃度減少率(%)(食事負荷試験時) 29* 17 21 21 <0.05 食事負荷試験前の GLP-1 濃度(pg/mL) 121 ± 7* 28 ± 6 78 ± 15 32 ± 6 <0.05 *p 値:併用群 vs. プラセボ群

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UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)の 10 年間追跡研究の結果から、強化療法群と従来療法群の HbA1c にはほとんど差がなかったにもかかわらず、強化療法 群の患者では大血管症のリスク低下が 10 年経過した後でも 観察された(N Eng J Med 2008; 359: 1565)。Marcus Lind 氏 (University of Gothenburg, スウェーデン)は、この「legacy

effect (遺産効果)」について統計学的モデルを当てはめ、大 血管症のハザード比を HbA1c の変動から検討し、糖尿病診断 早期からの HbA1c の改善がその後長年にわたる心筋梗塞や 死亡リスクの低減に寄与することを明らかにした。 ■ 糖尿病診断後すぐに HbA1c を 1%下げると、20 年後の死 亡リスクを 24.7%減少させる UKPDS で明らかにされた遺産効果とは、追跡研究開始時の 1997 年では従来療法群に対する強化療法群の心筋梗塞発症 のハザード比が 0.84(p=0.052)であったものが、2007 年でも 0.85(p=0.014)であり、また、総死亡のハザード比についても 1997 年では 0.94(p=0.44)であったものが、2007 年では 0.87 (p=0.006)となり、強化療法群における大血管症に対するベ ネフィットが、HbA1c にほとんど差のない 10 年後においても 持続して観察されたことである。 今回の研究の目的は、過去の HbA1c の経過が後年の心筋 梗塞や死亡のリスクにどの程度影響を及ぼすのか、また、診 断後早期の HbA1c 推移が時間の経過とともにどのような影響 を及ぼすのか解明することである。 Lind 氏 は、UKPDS の 3,849 名 の デ ー タを 用 い、0 ~ 20 年における死亡と心筋梗塞に対する連続ハザード関数を、 HbA1c、年齢、性別、治療群との関連から計算し、総死亡を 予測するモデルを作成した。このモデルを用いて生存曲線を 作成し、それが実際の観察値によるカプラン・マイヤー曲線と ほぼ重なることを確認した。 このモデルを用いて死亡リスクを予測すると、診断後早期に HbA1c を 1%低下させた場合、15 年および 20 年後の死亡リス クはそれぞれ 21.0%、24.7%減少させるが、診断から10 年経 過してから HbA1c を 1%低下させた場合、死亡リスクの減少は 7.1%と14.1%であった(図 4)。 この結果を基に、50 歳で 2 型糖尿病と診断され、診断時 の HbA1c が 8%の男性に当てはめると、診断から10 年後に HbA1c を 7%に低下させた場合、70 歳までの死亡確率を 6.6% 低下させるにすぎないが、診断後早期に HbA1c を 7%に低下 させた場合は 70 歳までの死亡確率は 18.6%低下することにな る(図 5)。

Lind 氏は、「UKPDS のデータから、早期の HbA1c の改善が 死亡や心筋梗塞のリスク低下に寄与することが確認された。2 型糖尿病の診断からなるべく早期に治療を開始し、良好な血 糖コントロールを達成し維持することで、長期にわたり合併症 のリスクを最小限に抑えることができる」と述べた。 図 5  新規 2 型糖尿病患者(50 歳、Hb�1c 8%、男性)の Hb�1c を診断後直ち�低下させた場合と 10 年経過してから低 下させた場合の 70 歳までの死亡確率�及ぼす影響 50歳 60歳 70歳 診断後直ちに HbA1c を 7%に低下 診断後 10 年経過してから HbA1c を 7%に低下 死亡確率の低下 -6.6% 死亡確率の低下 -18.6% 図 4  2 型糖尿病患者で Hb�1c を 1%低下させ�こと��� 死亡リスクへの影響 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 (年) 5 10 15 20 –14.1% –24.7% –21.0% –7.1% 診断後 10 年経過してから HbA1c 低下 診断後直ちに HbA1c を低下 死 亡 に 対 す る オ ッ ズ 比

糖尿病の診断後早期の HbA1c 低下が将来の死亡・心筋梗塞のリスクを

決める:UKPDS の legacy effect (遺産効果)の解析から

Time-dependent Relationship Between HbA1c and Subsequent Death or Myocardial Infarction May Explain the Ukpds Legacy Effect: Late Breaking Session 146-LB

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この改訂は、糖尿病および CKD 患者に対して脂質低下療法 が糸球体濾過速度の改善にほとんど影響を及ぼさなかったと いう数々の臨床試験の結果に基づいている。Study of Heart and Renal Protection(SHARP)試験によると、 スタチンによる LDL- コレステロールの低下は、糖尿病患者における主要な動 脈硬化イベントの発症を減少させたが、死亡率には影響が認 められなかった(Baigent C. Lancet 2011; 377: 2181)。これら の臨床試験の結果は、透析導入患者に対するスタチン治療の 改訂の根拠にもなっている。 ■ Guideline 6 の改訂 6.1: ACE 阻害薬や ARB を正常血圧および正常アルブミン尿の糖 尿病患者に対して糖尿病腎症の一次予防のために使用する ことは推奨されない(Level 1A) 6.2: 正常血圧の糖尿病患者でアルブミン尿≧ 30 mg/g の糖尿病 性腎症のリスクが高いか、あるいは腎症が進行している患 者には、ACE 阻害薬または ARB を使用することが薦められ る(Level 2C) 正常血圧で正常アルブミン尿の糖尿病患者において、ACE 阻害薬または ARB が微量アルブミン尿への進展を抑制すると いうエビデンスはない。いくつかの臨床試験では、2 型糖尿 病患者のレニン・アンジオテンシン系(RAS)を阻害することが、 微量アルブミン尿の発症抑制につながることが示唆されている (図 6)。しかしながら、これらの試験の対象患者は高血圧患 者であって、「これらの試験から分かることは、RAS 阻害によっ て 2 型糖尿病患者の血圧を効果的に管理することが重要であ り、RAS を阻害することが直接アルブミン尿を減少させるとは まだ言えない」と Bilous 氏は述べた。 図 6 2 型糖尿病�おけ� R�S 阻害���微量アルブミン尿発 症のオッズ比 0.80(0.67-0.95) 0.57(0.31-1.05) 0.79(0.72-0.86) 0.91(0.70-1.20) 0.82(0.67-1.01) HOPE 0.1 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 臨床試験 BENEDICT ADVANCE DIRECT ROADMAP オッズ比(95%CI)

Adapted with permission from R. Bilous, MD

Rudy Bilous 氏 (Newcastle University, 英国)は、National Kidney Foundation(NKF)と Kidney Disease Outcomes Quality Initiative (KDOQI)による糖尿病と CKD の治療ガイド ライン 2007 年版の改訂について講演を行った。今回、改訂 されたのは Guideline 2「CKD における血糖降下療法および 一般的な糖尿病治療」、Guideline 4 「糖尿病と CKD における 高脂血症の治療」および Guideline 6 「正常血圧の糖尿病患者 におけるアルブミン尿の治療」の項目であった。新しいガイド ラインは、American Journal of Kidney Diseases誌の 2012 年 9/10 月号に掲載される予定であり、オンラインでも公表される (http://www.kidney.org/professionals/)。 ■ Guideline 2 の改訂 2.1: 糖尿病性腎症を含め、糖尿病の細小血管合併症の予防や進 展抑制には HbA1c 目標値は 7.0%までとすることが推奨さ れる(Level 1A)* 2.2: 低血糖のリスクのある患者では HbA1c 目標値< 7.0%とする ことは推奨されない(Level 1B) 2.3: 併存疾患を有する、または余命が短い患者で低血糖のリス クがある場合は、HbA1c の目標値は 7.0%より高い値とする ことが推奨される(Level 2C) これらの改訂は、厳格な血糖管理が 2 型糖尿病患者の腎症 進展や死亡に対して効果があることを示すデータが十分でない ことを反映している。観察研究では厳格な血糖コントロール により 2 型糖尿病患者の死亡や心血管疾患のリスクが低下す ることが示されているものの(DCCT/EDIC Research Group. N Engl J Med 2011; 365: 2366)、ADVANCE などの臨床試験の結 果からは、強化療法による心血管疾患や死亡率の有意な低下 は認められていない(ADVANCE Collaborative Group. N Engl J Med 2008; 358: 2560、 Duckworth W. N Engl J Med 2009; 360: 129)。また、27,769 例を対象に強化療法(HbA1c<7%)と 通常の血糖降下療法を比較したメタ解析の結果から、強化療 法が糖尿病腎症に及ぼす効果に有意な差は認められなかった と報告されている(Hemmingsen B. BMJ 2011; 343: d6898)。 ■ Guideline 4 の改訂 4.1: スタチンやスタチン+エゼチミブの合剤などによる LDL- コレ ステロール低下療法は、腎移植を受けた患者も含め、糖尿 病および CKD 患者に対して主要な動脈硬化イベントのリス ク軽減のために推奨される(Level 1B) 4.2: 透析治療を受けている糖尿病患者にスタチン治療を行うこ とは推奨されない(Level 1B)

糖尿病と慢性腎臓病(CKD)に関するガイドライン改訂

Diabetes and Chronic Kidney Disease Guidelines Update: Symposium CT-SY12

(8)

■ 2 型糖尿病患者に対するシタグリプチンとメトホルミンの GLP-1 およびインクレチン効果に及ぼす影響

(Oral 60-OR)

DPP-4 阻害薬(シタグリプチン)はインクレチン(GLP-1 や GIP)の不活化を阻害する。また、メトホルミンは GLP-1レベ ルを上昇させる効果が示唆されている。Irfan Vardarli 氏(Dia-beteszentrum Bad Lauterberg、ドイツ)らは、シタグリプチ ンまたはメトホルミン単剤療法、あるいはその併用療法が経口 ブドウ糖負荷試験後の GLP-1 およびインクレチン効果に及ぼ す影響を検討した。 本研究では、薬物治療歴がないか経口糖尿病薬の単剤療法 を行っている 2 型糖尿病患者 20 名(年齢 30 ~ 75 歳、BMI 25 ~ 35kg/m2、HbA1c 値は薬物治療を行っていない患者では 6.5 ~ 9.0%、メトホルミンまたは SU 剤による治療中の患者は 6.0 ~ 8.5%)を対象として、プラセボ群、シタグリプチン群、メト ホルミン群、およびシタグリプチン+メトホルミン併用療法群 の 4 群にクロスオーバーして割付けられた。シタグリプチンの 用量は 100mg/ 日、メトホルミンは 500mg の 1 日 1 回投与か ら開始し 2,000mg/ 日まで増量した。患者は、それぞれ 6 日 間の治療を行い、5 日目に経口ブドウ糖負荷試験(75g)を行 い、6 日目にグルコースクランプ試験を行い、血糖、インスリン、 C- ペプチド、インスリン分泌率、GLP-1 や GIP を測定した。 患者背景は、年齢 59 ± 7 歳、糖尿病の罹病期間 5 ± 3 年、 HbA1c 7.0 ± 0.6%、BMI 30.6 ± 3.0 kg/m2であり、80%が経 口糖尿病薬の治療を受けており、75%がメトホルミンによる治 療を受け、その投与量の平均は 1,480 ± 585mg/ 日であった。 経口ブドウ糖負荷試験により、total GLP-1 の AUC はメトホ ルミン群では増加したが、シタグリプチンでは減少することが 示された。これは L 細胞のフィードバック抑制によるものと考 えられた。一方、活性型 GLP-1 はメトホルミン群およびシタグ リプチン群で増加した。 また、経口ブドウ糖負荷後のインスリン分泌は、シタグリプ チンでは有意に増加したが、メトホルミン群における増加は有 意ではなかった(p=0.39)。いずれの治療群でも経口ブドウ糖 負荷試験によるインスリン分泌は、グルコースクランプ試験の グルコース静注時よりも高く、これらの数値から算出されたイン クレチン効果はどの治療群でも有意な差は認められなかった。 以上の結果から、Vardarli 氏は「メトホルミンは GLP-1 分泌 を亢進させることが示された。一方、シタグリプチンによるイ ンスリン分泌の増強は経口および静注グルコース投与に反応し て認められたが、そのインクレチン効果はメトホルミン群や併 用群と差はなかった。これは、今まで考えられていた以上に 基礎インクレチン・レベルでもインスリン分泌効果が高いか、 DPP-4 にインクレチン以外の基質も存在する可能性が考えら れる」と述べた。 ■ メトホルミンは高濃度グルコース下での fetuin A 産生を抑 制する(Poster 1790-P) メトホルミンは長年にわたり広く使用されてきた治療薬であ るが、その作用メカニズムについては未だ解明されていない点 も多い。本年の ADA においてもメトホルミンのインスリン抵 抗性改善作用のメカニズムの解明をめぐる研究成果が報告さ れた。 Fetuin A は肝臓から分泌される蛋白で、インスリンシグナル を阻害、インスリン抵抗性を惹起する。糖尿病や心血管疾患、 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)などのメタボリック症 候群に関連した疾患では血漿中の fetuin A が上昇しているこ とが報告されている。Rudy J. Valentine 氏(Boston Univer-sity、米国)らは、ヒト肝癌細胞(HepG2)を用いて、高血糖 が fetuin A の産生量の増加をもたらし、メトホルミンがその fetuin A の産生を抑制できるのか検討を行った。 細胞は低グルコース濃度(5.5mM)および高グルコース濃度 (25mM)において、メトホルミン(2mM)添加の有無で 24 時 間培養した。高グルコース濃度での培養では、fetuin A の産 生量は著明に増加したが、メトホルミンによりその増加は抑制 された(6.5 vs. 2.8μg/mL)。メトホルミンはまた、低グルコー ス濃度の培養でも fetuin A の産生量を抑制した(3.9 vs. 2.4 μg/mL)。一方、AMPK 活性化薬である AICAR でも同様な結 果が得られた。 また、メトホルミンは細胞内 p-AMPK を有意に上昇させ、 p-AMPK と fetuin A とは逆相関を示した(r=-0.66、p<0.05)。 Valentine 氏 は「HepG2 細 胞 に お いて 高 血 糖 の 状 態 は fetuin A の産生を高め、メトホルミンは AMPK の活性化を介 して fetuin A の産生を抑制する」との結論を述べた。

メトホルミンに関する ADA の話題

American Diabetes Association

72

nd

Annual Scientific Sessions

MET-133-0-1208/12A384 2012 年 8 月作成 GUT 10 MDK

図 2  IRM� 2:2 型糖尿病合併の高血圧患者�おけ�顕性腎
表 2    結果のまとめ 併用群 メトホルミン群 シタグリプチン群 プラセボ群 p 値 空腹時血糖 (mg/dL) 125 ± 2* 149 ± 3 154 ± 3 161 ± 4 &lt;0.05 食事負荷試験後の平均血糖値 (mg/dL) 155 ± 9* 181 ± 11 182 ± 15 208 ± 15 &lt;0.01 ピーク・インスリン分泌率 (pmol/kg・min) 12.3 11.0 ± 1.3 11.2 ± 1.2 10.2 ± 1.2 グルカゴン濃度減少率(%)(食事負荷試験時)

参照

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