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意外と簡単!? AccessからOracle ~Oracleデータベースでシステムはもっと快適になる~

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(1)

Solut ions Oracle Database 10g

〒1 0 2 - 0 0 9 4 東 京 都 千 代 田 区 紀 尾 井 町 4 - 1 http://www.oracle.co.jp/

代理店名

本カタログの情報は、2004年11月現在のものです。実 際の製品とは内容が 異なる場合があります。*Oracleは、Oracle Corporationの登録商標です。本文中の社名、商品名は各社の商標または登録商標です。© 2004 Oracle Corporation Japan

意外と簡単!

Oracle

Access

から

Oracle

データベースでシステムはもっと快適になる

オラクル製品に関するご質問・ご相談は、

        までお問合せください。

(2)

今なぜ、

Access

から

Oracle

なのか?

●第1章 Accessから高信頼のOracleへ  課題その1 検索のパフォーマンスが悪い  課題その2 障害時の復旧が完全ではない  課題その3 更新が競合してデータが消えてしまう?  課題その4 データが分割されて管理しづらい  課題その5 セキュリティ対策が十分にできない ●第2章 Oracleデータベースの特長 ●第3章 移行のケーススタディ ●第4章 Oracleデータベースへの移行手順 ●移行事例 4 5 6 7 8 9 10 12 14 18 企業が抱えるデータ量は、その規模の大小にかかわらず、毎年、驚異的なスピードで増加し続けています。 また、個人情報保護法など情報セキュリティに関する法整備が進められる中、データを安全に管理することは、 すべての企業にとって重要な課題となっています。つまり、データを格納するデータベースの役割は、今後さら に大きな比重を占めることが予想されるのです。 Microsoft Access(Access)は、簡単かつシンプルな操作性で、多くの個人または企業で使用されて いるデータベースです。しかし、簡単・シンプルであるがゆえに、さまざまな課題を秘めていることも事実です。 これからの時代を考えると、より高機能なデータベースへの移行が望ましいのではないでしょうか。 ここでは現在、Accessが抱えるさまざまな課題を挙げるとともに、Oracleにおける解決策をご提案して います。もちろんAccessからOracleへの移行方法についても分かりやすく解説、実際の導入事例やその 効果についても紹介しています。

Contents

データの検索に

時間がかかる

障害時にきちんと

バックアップできない

作業途中にデータが

消えてしまった

運用管理に

負担を感じている

セキュリティが

不安だ

Oracle

が解決します。

Accessを取り巻く様々な課題を

(3)

第1章 Accessから高信頼のOracleへ

検索のパフォーマンスが悪い

Accessのデータベースをファイルサーバー上 に配置し、複数のユーザーで使用する「ファイ ル共有形式」にすると、データを取得した場合、 パフォーマンスが低下する恐れがあります。 これは、Accessのデータベース・エンジンであ る「JETデータベース・エンジン」に起因するも のです。「JETデータベース・エンジン」の場合、 ファイルサーバー上のデータベースに対して検 索を要求すると、必要なデータだけをクライア ントに送るわけではなく、一旦すべてのデータを クライアントに送り、クライアント側で必要な部 分を抽出するような仕組みになっているからです。 上記のような要求をOracleに対して行った場合、 Oracleでは、必要なレコードのみを抽出したあ とクライアントにデータを送信します。必要なデー タだけを送信するため、ネットワーク・トラフィッ クは最小限に抑えることができます。 また、パーティション表などをはじめとして、大規 模システムにて培われた優れた機能を提供し ておりますので、データ量の増加に伴い、多く のデータを効率よく管理し、パフォーマンスを向 上させる機能を備えています。

Oracleにデータを移行することで解決できます。

いくら手軽でも、パフォーマンスが低かったり、更新した内容がきちんと保存されなければ、せっかく作成した データベースも意味をなさなくなってしまいます。また、個人情報や企業の重要なデータが保管されているデー タベースに対しては、セキュリティについても考慮しておくことが必須です。セキュリティに対するニーズが 多様化している中、Accessでどれだけ対応できるでしょうか。 さらに、Accessをクライアントに使用している場合、アプリケーションの配布コストや、バージョンアップ時の運 用管理など、頭を悩ます問題がいくつも生じてきます。以下は、AccessとOracleを比較したものです。

AccessとOracleの比較

Access

の課題

その

1

Accessから

高信頼のOracleへ

Accessは、使い勝手が良く、手軽に扱えるデータベースとして定評があります。しかし、業務拡大など に伴って、データ量が増大したり、より多くのユ ーザーでデータを共有しようとするとさまざまな課題 が 起こりうる可能性を秘めています。これより、Accessの中に潜む様々な課題を挙げるとともに、 Oracleデータベースにおける解決策をご紹介します。

1

Oracle

で解決!

一部の顧客データを要求 全ての顧客データを転送 Accessの「JETデータベース・エンジン」では、クエリ処理をクライアント側で実行 するため、大量のデータがネットワーク上を流れ、トラフィックを増大させてしまいます。 クライアント (Accessファイル) ファイルサーバー 一部の顧客データを要求 全国の顧客データから 対応する一部の顧客データを抽出し転送 クライアント データベース・サーバー 要求に対して必要以上のデータが転送されるため パフォーマンスが低下 要求に対して必要なデータしか転送されないため パフォーマンスの低下を防ぐことができる 対象規模 データ量 ユーザー数 セキュリティ 自動バックアップ データベース保守機能 データベース統合管理ツール データ分析機能 システム障害・自然災害対策 個人、小規模 最大2GB 最大255ユーザー (推奨:5ユーザー) ファイル単位までの アクセス制御* なし なし なし なし なし 小∼大規模 最大8,192PB(8,192,000,000GB) 無制限 レコード(行)・カラム(列)単位 までのアクセス制御 あり あり あり あり あり

Access Oracle Database 10g

(4)

更新が競合してデータが消えてしまう?

Accessのデータベースを複数のユーザーが 共有して使用している際、他のユーザーが変 更途中の確定していないデータを読み取って しまったり、不注意からお互いのデータにアク セスしてしまい、「データが入力されなかった」、 「データが消えてしまった」などの問題が発生 する場合があります。また、長時間に及ぶバッ チ更新(一括更新)などを行った場合、処理中 は他のユーザーがデータにアクセスできないと いう状況も起こりえます。せっかくデータベース を使用してデータを共有しているのに、使用し たいときに使用できないのでは、ユーザーの不 満も募ります。 Oracleでは、完全な行レベルロックを提供して おり、クライアント側にて特別に意識する必要 なくデータ更新時の整合性を保証します。誰 かが更新しているレコードと同じレコードを変更 しようとした場合は、その変更が完了するまで 自動的に待ち、更新が可能になってから作業 を開始します。 また、Oracle独自の機能として「マルチバージョ ニング読み取り一貫性」が実装されています ので、誰かが更新途中のレコードに対して問い 合わせを行っても待たされることはありません。 この場合Oracleは、確定している最新のレコー ドをユーザーに返します。

Oracleならクライアント側で意識することなく

データ更新時の整合性を保証します。

Access

の課題

その

3

Oracle

で解決!

①A→Bに変更を要求 ③Cに更新されている 複数ユーザーがレコードを読み書きする際、他のユーザーが変更中のレコードを 読み取ったり、お互いのレコードを上書きしてしまう恐れがある。 クライアント データベース・ サーバー 更新内容が適切に反映されないため 複数人数で使用するのが困難である 排他制御によりデータの一貫性を保持し

障害時の復旧が完全ではない

Accessではバックアップを取得する際、データ ベースを停止する必要があります。もちろんそ の間、データベースを使用することはできません。 たとえ1レコードしか変更を加えていなかった場 合でも、データベースファイルのサイズが1GB であれば1GB分をまるまるコピーしてバックアッ プする必要があるのです。ファイルサイズが小 さい場合、さほど気にはなりませんが、データ量 が増えてくるとバックアップに要する時間も増え、 作業の負荷が上がります。 また、運用のことを考えた場合、Accessでのバッ クアップは人手を介して行う必要があるため、バッ クアップをし忘れてしまうと、障害時の復旧が 行えず大切なデータを全て失ってしまいます。 Oracleでは、バックアップの最中も滞りなくデー タベースを稼働させることができ、ユーザーは 普段と変わりなく業務を続けることが可能です。 バックアップの実行は、GUI画面より実行する ことができ、スケジュールに登録して自動運用 することもできます。 さらに、増分バックアップの機能を利用すると、 毎回データベース全体のバックアップを取得 するのではなく、前回のバックアップから変更 があった部分のみをバックアップすることがで きますので、バックアップの時間の短縮とバッ クアップファイルのサイズの軽減を実現すると こができます。もちろん、障害が発生した時にバッ

Oracleなら業務を止めることなく

自動バックアップすることができます。

Access

の課題

その

2

Oracle

で解決!

バックアップ時点までしか復旧できない (月∼土曜日までのデータが消失) Accessはファイルコピーによるバックアップです。自動化の機能もなく、使用中 にバックアップが取得できないなどの課題があります。 クライアント ファイルサーバー (Accessファイル) バックアップ時にシステムを停止する必要があり 障害時にはデータ消失の恐れがある 無停止でバックアップを取得でき 障害時には最新の状態まで復旧可能 例えば休業日(毎 週日曜日)に手動 でバックアップ 最新の状態まで復旧 クライアント 業務中(データベー スを稼働させたまま) に自動でバックアップ ファイルをまるまる コピー 変 更 のあった部 分 のみ書き換え データベース・サーバー

A

B

C

②ほぼ同じタイミングでA→Cに変更を要求 クライアント

A

C

C

ファイルサーバー (Accessファイル)

A

C

①A→Bに変更を要求 クライアント

A

B

B

②更新完了までデータの更新を待つ クライアント

A

B

A

C

(5)

第1章 Accessから高信頼のOracleへ

セキュリティ対策が十分にできない

Accessは基本的にファイル単位でのアクセス 制御ですので、データベースにアクセスできるユー ザーは、たとえ必要の無いデータであったとして も、データベース内すべてのデータを参照する ことができます。 またAccessでは、容易にファイルをコピーし、 持ち出されてしまう危険性もあります。Access 内のデータを暗号化することはできませんので、 この時点で情報が漏えいする危険性をはらん でいるのです。また不測の事態が起こっても、「誰 にコピーされたのか?」ということを追跡調査す る機能が備わっていないため、問題解決の糸 口すらつかむことができません。 Oracleでは、企業のニーズに合わせ、データベー スに様々なセキュリティ対策を施すことが可能 です。表などのオブジェクト単位はもちろん、表 の行や列単位にまでアクセス制御をかけること ができます。例えば、人事情報の氏名など一 般的な部分は誰でも参照できるが、給与金額 や自宅の電話番号は上司にしか参照できない、 といったことが可能です。 万一、情報が漏えいしたとしても、きめ細かな 監査機能により、「誰が、いつ、どのようなSQL 文にてデータにアクセスしたか?」といった情報 を、行や列単位に取得できます。またアクセス 制御のみならず、データベース内のデータを暗 号化して格納するといったことも行えます。

Oracleなら表や列単位まで

アクセス制御をかけることができます。

Access

の課題

その

5

Oracle

で解決!

Accessは、ファイル単位のセキュリティしかかけられないため、データベースを共有 している場合、ユーザーは必要・不必要にかかわらず、全データが参照できる。 ファイルサーバー (Accessファイル) データベース・サーバー ファイル単位でのアクセス制御しか 行えない テーブルやレコードなど細かな単位でアクセス制御が可能 データベース内のデータを暗号化することもできます

データが分割されて管理しづらい

Accessの場合、データ量が増えてくると、デー タベースファイル(.mdbファイル)を分割する 必要性が出てくる場合があります。データが複 数ファイルに分割されると、必要なデータを複 数のファイルから取得する手間がかかります。 また、更新や追加が行われるたびに正しいファ イルを指定しないとデータの整合性が取れなく なります。 また、データが一元管理できないため、アプリケー ション作成時も複雑さを増し、リアルタイムに 正しいデータを取得するのが困難になることが 予想されます。バックアップなどの運用管理作 業もデータベースごとに実行することとなるので、 運用管理コストも増大し、セキュリティの面で もマイナス要因となります。 Oracleでは、8,192PB(ペタ・バイト)までのデー タを取り扱うことが可能です。実にAccessの 約43億倍のデータを扱うことが可能ということ です。 Oracleを利用することで、データベースを分割 することなくデータを一元管理して利用するこ とができるため、リアルタイムに最新の整合性 の取れた情報に容易にアクセスすることが可 能であり、バックアップやセキュリティなど運用 の面からもコスト軽減に貢献します。

OracleならAccessの約43億倍のデータを

扱うことが可能です。

Access

の課題

その

4

Oracle

で解決!

内容に応じて様々なファイルサーバーへ アクセスする必要がある データ量が2GBを超えると分割する必要があるため、更新や追加の際は正しい ファイルを指定しないと、データの整合性が取れなくなる危険性が生じる。 クライアント 使用可能 使用不可能 クライアント クライアント ファイルサーバー (Accessファイル) クライアント データベースの一元化が困難で 欲しいデータを探すのに手間がかかる データベースの一元化が可能なため 欲しいデータを即座に探すことができる データベース・サーバー 読取禁止 読取禁 読取可能 読取可能

(6)

システムの根幹をなすデータベースの選択は、システム全体の信頼性と使い易さに関わる重大な問題です。 Oracleは大規模システムに耐えるスケーラビリティ、高い可用性、豊富な実績、多様なデータ型のサポート、低い TCOといった理由で選択されています。

●スケーラビリティ

業界最高のパフォーマンスと、サーバーの規模拡大によるスケール・アップとクラスタによる限界のないスケール・ア ウトの両方を唯一提供します。

●可用性

システムダウンの要因となるシステム障害、データ障害、災害および人的ミスなどのあらゆる要因に対して究極的なデー タ保護を提供します。

●豊富な実績

他のデータベースよりはるかに多い対応アプリケーションと、ミッションクリティカルなシステムでの稼働実績を持ちます。

●多様なデータのサポート

他のデータベースより多くのデータをサポートします。 例)XML、 OLAP、 位置空間情報、 音声、 文書など

●低い総所有コスト(TCO)

同じハードウェアでより高いパフォーマンスを発揮し、管理が容易で、可用性が高いため低いTCOのシステムを実現 します。 出典:Edison Group(旧Progressive Strategies)による調査「Oracle Database 10g とMicrosoft SQL Server 2000 の管理コストの比較調査」

Oracleが選ばれる理由

Oracleデータベース

の特長

Oracleデータベースは日本で最も多く使われている* リレーショナル・データベースです。その最新版 Oracle Database 10gは、高い信頼性とスケーラビリティを大幅に強化しつつ、メモリーチューニ ングの自動化など、使い易さがさらに向上しました。また、簡単に使えるWebアプリケ ーション開発・ 実行環境のOracle HTML DBも標準で付属しているため、Oracleデータベースの高い信頼性、可用性、 高いパフォーマンス、そして安心のセキュリティ機能を簡単に身近で使えます。

2

1ユーザーあたり19,530 円、Oracle 10g Standard Edition One

Oracle 10g Standard Edition One(Oracle 10g SE One)は、

スモールビジネスや、部門システムなど、小規模から中規模までのシス テムに活用可能なOracleデータベースのお得なソフトウェアライセンス です。PCサーバー版のWindowsおよびLinuxシステムの場合、2CPU までのシングル・サーバに対応。従来は、オープンソースデータベースな どに限られていた低予算システムにもOracleで十分対応できるように 「Oracleは難しい」というのはもはや過去の話です。最新版のOracle Database 10gでは、インストールは設定項目 もわずかで、CD1枚、約20分で終了するようになりました。また、メモリーチューニングなどの設定が自動化されたた め細かい設定なしにすぐに使い始められます。

導入や管理が簡単

Oracle Database 10gはMicrosoft Excelと連動する自由検索・更新ツールKeySQLに対応しています。マウスで 検索条件を設定でき、検索結果はExcelに自動で取り込まれるため、データの加工も簡単です。Microsoft Access を自由検索ツールとして利用している場合、KeySQLに移行することでデータ項目に日本語の別名が使えたり、より グラフィカルで使いやすいなど操作性が大幅に向上します。また、Excelマクロの自動生成機能で処理の自動化もで きます。KeySQLは独立した製品として日本オラクルから販売している他、評価版を無償提供しています。

検索・更新ソフトKeySQLでMicrosoft Excelと連動

小規模なシステムであっても堅牢性やセキュリティでは妥協すべきでないとご提案します。Oracle Database 10g の全エディションでデータの保全性と一貫性が完全に保証される完全な行レベルロック、データの保護を第一に考 えたアーキテクチャなどを備えます。

堅牢性、セキュリティ、行レベル・ロック

無料会員制の情報提供サイトOTN-J(Oracle Technology Network Japan http://otn.oracle.co.jp/)よりマ ニュアルをはじめとした技術情報が無償公開されています。また、技術情報を交換できる掲示板も用意されている ため、困ったときも安心です。 また、Oracleのデータベースは長年ミッションクリティカルな基幹系システムで広く使われてきました。このため、実 践経験が豊富な多数の技術者により顧客への導入・運用が行われており、特定のシステム開発会社に依存する ことなく安定したシステムの構築・維持が行えます。

OTN-Jからの豊富な技術情報と技術者からの高い支持

Oracle7やOracle8といった以前のバージョンのOracleデータベースとの互換性が保たれているため、最新版へ

旧バージョンからの容易なアップグレード

Oracle Database 10gでは、簡単に使えるWebベースのアプリ ケーション開発・実行環境Oracle HTML DBを標準搭載しました。 事前に用意されている「カレンダ」や「チャート」「ツリー」などの表 現 形 式を選 択し、ウィザードに従って操 作するだけで、簡 単に Oracle連携Webアプリケーションを作成できるため、Oracleデー タベース上に個人用データベースの感覚で、アプリケーションを手 軽に開発できます。

簡単なWebアプリ開発・実行環境HTML DB

Oracle HTML DBのサンプル画面 *出典:IDC Japan 6/2004, 国内データベース管理およびBI市場 2003年実績と2004年~2008年の予測

国内 RDBMS/ORDBMS ベンダー別売上実績 2001年∼2003年

自動化で簡単に、豊富なツールで身近に

(7)

第3章 Oracleデータベース移行の想定事例

移行の

ケーススタディ

AccessからOracleデータベースへ移行しようと考えても、「難しそうだ」「コストが不安」などといった 理由で躊躇されてはいませんか? もちろん、使用されているAccessはデータだけではなく、入力フォー ムやレポートといったアプリケーション部分も存在するため、単純なデータ移行では解決できない場合が 多々あります。本章では、代表的な3つの移行ケーススタディとそのメリットについて紹介しています。

3

ここで紹介する3つのシナリオはそれぞれ違った形態ではありますが、既存のアプリケーションを使いつつ無理なく AccessからOracleデータベースへ移行をすることを前提としています。また、最初はケース1で運用し、最終的にケー ス3の構成にするといった段階的な移行も提案しています。 移行の大前提として、AccessのデータをOracleデータベースへ移行する必要があります。通常、この作業は大 変手間がかかりますが、Oracleでは「Oracle Migration Workbench」という独自の移行ツールを用意。ソース DBとなるAccessのデータベースからターゲットのOracleデータベースにデータを容易に移行することができます。

無償ツール「Oracle Migration Workbench

」で簡単にデータ移行

* Oracle Migration Workbenchは、Oracleの技術者向けのサイト「Oracle Technology Network Japan(OTN-J)」から無償でダウンロードできます。

http://otn.oracle.co.jp/software/tech/migration/

Accessのフロントエンドをほぼそのまま利用し、データの格納/参照先をOracleに移行するパターン。「時間もコストもか けられないが、とにかくAccessで発生する問題を解消したい」「アプリケーションの全面改変を考えているが、段階的に移 行したい」というユーザーにお勧めです。 ●使い慣れたAccessのアプリケー ションをほぼそのままユーザ・イ ンタフェースとして使用可能。 使用法の教育などのコスト・時 間を最小限に抑えられる。 ●アプリケーションの移行・再作 成のコストと時間を最小限に 抑えられる。また、データベース にはOracleを使用してるので、 Accessのデータベースとして の様々な問題点を解消するこ とができる。

ケース1 データをOracleへ移行しクライアントアプリケーションはAccessを活用

※移行に関する詳細は「第4章 Oracleデータベースへの移行手順」【P14】をご覧ください。 Accessのアプリケーションも含めてOracleベースで完全に再構築するパターン。実際の移行に当たっては、ケース1を 第1フェーズとして、アプリケーションの再構築/編成を段階的に行えます。 ●プラットフォームや、言語、開発 環境などを自由に選択できる。 ●Oracleネイティブなミドルウェ アが使用可能。Oracleならで はの機能を活用したり、パフォー マンス・可用性に優れたアプリ ケーションの構築が容易。 ●他システムと連携するなどの 作り込みや、アプリケーション 自体の見直しなどが容易。

ケース3 アプリケーションの再構築を行う完全移行

データベースをOracleで統合し、別システム/アプリケーションで活用するパターン。部門間で分散していたデータを集約 できるため、データ利用の幅が格段に広がります。 ●分散していたデータを、一元管 理できる。 ●.NETやJavaなど、新規開発時 の開発環境の選択肢が広がる。 ●Webベースのサービスなどを 利用し、Accessがクライアント に入っていないユーザに対し てもサービスの提供が行える。 ●Oracle用の分析ツール  (Oracle Discovererやその他 サードパーティのツールなど) を利用できる。

ケース2 Oracleでデータを一元管理し別システムで活用

Access MDBから 移行したデータ + 各種データ リンク テーブル など リンク テーブル など リンク テーブル など Access MDBから 移行したデータ Oracle Migration Workbench によって自動で作成 ●使い慣れたAccessアプリケー ションをそのままクライアント として使用(フォーム、レポー トなど) ●リンクテーブルを介してデー フォーム Accessアプリを順次 .NETや Java, Webベースに置換え 最終的には完全移行 Access MDBから 移行したデータ + 各種データ 一元化されたデータ を別システム/アプリ から有効活用 他システムとの連携

Access to Oracle移行のケーススタディ

メリット メリット メリット リンク テーブルなど リンク テーブルなど .NETやJava、PL/SQLなど .NETやJava、PL/SQLなど リンク テーブル など リンク テーブル など

(8)

Oracleデータベースへの

移行手順

AccessからOracleデータベースへのスムーズな移行をサポートするため、Oracleでは、無償ツール 「Oracle Migration Workbench(OMWB)」を提供しています。このツールはウィザード方式を採用

しており、通常、手間と時間のかかるデータベース移行作業の負荷を大きく低減します。 これより、OMWBを活用したAccessからOracleデータベースへの移行手順をご紹介します。

4

OMWBはWindowsのクライアントPCにインストールされます。移行元のデータベース(Access)からデータを読 み込み、それを元にOracleデータベースへオブジェクトを作成します。

Oracle Migration Workbenchの特長

●オブジェクト名の重複による衝突を自動解決 ●ユーザー、表、索引、及び表領域のカスタマイズ ●デフォルト・データタイプの指定 ●データ型のマッピング及びカスタマイズ ●複数のデータベースを1つのデータベースに統合 ●データのアンロード、及びSQL*Loaderスクリプトの自動生成 ●データ自体の移行 ●移行レポートの生成 主な機能 ●Microsoft SQL Server 6.5, 7.0, 2000 ●Microsoft Access 2.0, 95, 97, 2000 Oracle Migration Workbench for Access

データベース 構造 データ データベース 構造 データ Access DB Oracle DB

Oracle Migration Workbenchのアーキテクチャー

OMWBは、本体とプラグインという2つの主要なコンポーネントから構成されています。プラグインは移行元のデータ ベースに応じて異なるものを使用します。Accessの場合は、Microsoft Access用プラグインを入手し、インストー ルします。

移行の流れ

OMWBを使用した移行は、大きく分けて以下のような手順で行います。 1.移行の準備 OMWBをインストールし、接続や抽出の設定、リポジトリの 作成などをします。 2.Accessからの情報取得(キャプチャ) Accessのスキーマ情報をツールのリポジトリに取り込み、 各種オプションなどを設定します。 3.Oracle Modelの作成(マップ) Captureした情報を元にOracle Modelを作成します。 4.Oracleへの移行実施 取り込んだ情報を元に、実際の移行作業を行います。直 接行うオンラインの方法と、スクリプトをもとに行うオフライ ンの方法のどちらかを選択できます。 5.Access側の変更 移行したOracleデータベースでAccessのフォームを使用 できるようにAccessを変更します。 OMWBはソース・データベース(移行元) から情報を抽出してSource Modelに格 納します。OMWBのリポジトリにはこのメタ データが格納されます。また、このSource Modelを自動的に修正し、対応するOracle M o d e lを生 成します。これらの 修 整は OMWBリポジトリ内で行われ、現在使用中 のデータベースには影響を与えません。 Oracle Modelは移行先となるOracleデー タベースの構造を表し、OMWBはSource

Plug-in Oracle Migration Workbench

ローディング プロジェクト Oracle Model 依存性の管理 データの移動

ロギング Mapping

Source Database Oracleデータベース

Source

Model Workbench Model Oracle Model

Workbench Repository キャプチャ マップ 移行実施 (Map) Souece Model Oracle Model Access Exporter (omwb2000.mde) データ データ データ (フラットファイル) スキーマ情報 リポジトリ (中間データの格納先) SQL*Loader スクリプト データ定義スクリプト OMWB対応データベースおよびバージョン

1.移行の準備

OMWBはOracle Technology Network Japan(OTN-J)より無償でダウンロードできます。リリースノートの手順 に従ってインストールを行い、各種設定作業を行ってください。 Access/Oracleへアクセスするための ODBC Driverの設定を行います。 接続設定 Migration Workbenchを起動し、移行データ を格納するリポジトリを作成します。 リポジトリ作成

Database Schema Exporter でMicrosoft Accessの スキーマ情報をXMLファイルに抽出します。 スキーマ情報をXMLに抽出 Exporter ・100%Pure Javaアプリ ケーション ・ウィザード画面に従って移 行するGUIツール ・様々なデータベースに対応 するプラグインを用意 データ定義 とデータ スクリプト・ ベース移行 オンライン移行

(9)

第4章 Oracleデータベースへの移行手順

OMWBからCapture Wizardを起動し、ウィザードの手順に従って作業をします。 "ADD XML FILE"より、移行の準備でExporter を使用して作成したXMLファイルを選択し情報を 取り込みます。 スキーマ情報の取り込み オプションを選択しウィザードを進めていくと、最後にサマリー が表示されます。内容を確認し、「Finish」ボタンを押すと実 際のキャプチャ処理が開始されます。キャプチャ作業中は進 行状況がメッセージログとして表示されます。 キャプチャ実施 ソースのAccessデータベースのデータ 型がそれに近いOracleのデータ型にマッ ピングされて表示されます。必要に応じ てカスタマイズが可能ですが、通常はこ のマッピングを変更せず、デフォルトのま ま次へ進んで問題ありません。 データ型のマップ Oracle Modelは移行先となるOracleデータベースの構造を表現するものです。この構造はすでにAccessから取 得し生成しているSource Modelの情報から作成されます。

Migration Workbenchから"Create Oracle Model"を実行 し、作成します。移行先のデータベースの種類を選択し、次

へ進むと作成が開始され、作成状況がレポートされます。

Oracle Model作成

Source Modelより自動で生成されたOracle Model情報を、必要 に応じてカスタマイズします。例えば、表領域やパスワードなどです。 Modelのカスタマイズ 一般的なOracleデータベースへの移行は「スキーマおよびそのオブジェクト(テーブルなど)の移行」「データの移行」 「その他ロジックなどの移行」ようなステップで行われます。OMWBでは移行を行うために3つの方法を用意しています。 1)スキーマ作成とデータの移行(投入)をオンラインで行う。 2)スキーマ作成をオンラインで、データ移行をオフライン(スクリプトベース)で行う。 3)スキーマ作成、データ移行とも、オフラインで行う。 オフラインで行ったほうが移行時間を短縮できるため、例えばデータ量が多いときなどは、2)というように使い分ける ことができます。 移行後、AccessのアプリケーションからOracleデータベースにデータアクセスができるよう、Access側への変更を行い ます。 MS-Accessプラグインを使用していれば、Migration Workbenchからこの変更作業が可能です。これらの作業をする ことにより、AccessのフォームやレポートをOracleデータベースに接続して使用できるようになります。 OracleデータベースにODBCにてアクセスするための情報を入力します。 この情報をもとに、Access側にてOracleへのリンクテーブルを作成します。情報を入力後、OKボタンをクリックし、処理 を開始します。 ※詳しい移行手順はOTN-Jのマイグレーションセンター(http://otn.oracle.co.jp/tech/migration/)をご参照ください。 移行先の データベースを選択 キャプチャ情報をもとにOracle Modelを作成 必要に応じてカスタマイズが可能 ■オフラインで行うときの移行手順 OracleデータベースにODBCに てアクセスするための情報を入力。 この情報を元にAccess側でリン クテーブルを作成します。

2. Accessからの情報取得(キャプチャ)

4. Oracleへの移行実施

5. Access側の変更

3. Oracle Modelの作成(マップ)

接続先情報の入力 移行オブジェクトの選択 移行の完了

(10)

Wyethでは、既存のMicrosoft Access 97のシステムで10人以上の同時ユーザが同じデータ・テーブルにアクセ スした場合、ほとんどシステムが止まっている状態であることが分かりました。また、7つの分散したデータベースを抱 えており、業務効率化のためにそれらを統合する必要がありました。信頼性、拡張性、可用性すべてにおいて高いレ ベルを満たしたデータベースを選定した結果、Oracleデータベースへマイグレーションすることに決断しました。

複数ユーザーが同時にアクセスすると、ほとんどシステムが停止状態に

7つの分散したデータベースを、新しいプラットフォーム上に統合するのは、どんなDBAでも気力をくじかれるようなタ スクです。Wyethでは、可能な限り移行作業をスムーズにするために、テーブルのリレーションを維持しながら、 AccessのテーブルをOracleのフォーマットに変換する移行ツールを必要としていました。

Oracle Migration Workbench(OMWB)はまさにそういった機能、大量のテーブルや連結したリレーショナルな 構造をOracleのフォーマットへ変換する迅速で信頼性の高い手段を提供しています。

Accessからのデータの抽出はもちろん、Oracleデータベースへの移行までの全プロセスを通してOMWBがサポー トし、ユーザの負担を最小限にしました。

Oracle Migration Workbenchによりスムーズなデータ移行を実現

Oracle Migration Workbenchが

移行の労力を最大60%カット

「Oracle Migration Workbenchツールは、移行の労力を最大60%は減らしてくれるでしょう。さら に言うなら、私は、テーブル当たり平均で30フィールドある140ものテーブルを、必要なすべてのインデッ クスとリレーションをつけて、SQLやデザイナーを使って作成したくありません」

移行事例 1

ワイス(米国)

── Phil Cole, Analyst Programmer

John Wyeth and Brother (JWB)は米国・フィラデルフィアで1860年に設立されました。1926年までにJWBはAmerican Home Products(AHP)の一部となり、2002年にはAHPがWyethと改名されました。Wyethは主に、血液学、婦人科領域、 精神医学、小児および成人のワクチンなど分野で医療用医薬品事業を行っている製薬会社です。

ワイス(米国)

お客様プロフィール 1997年、モントゴメリー郡は4つの福祉サービス部門をひとつに統合する、大規模な組織の再編成を実施。それに 伴い、各部門で分散していたAccessデータベースを再構成する必要性が生まれました。また、かねてよりユーザー 数の増加によるパフォーマンス低下が懸案事項としてあがっていたため、より高信頼なデータベースへ移行する計 画を立てました。 再編成される福祉部門の中の最も大きな部署でOracleが使用されていたため、Oracleデータベースへ移行される ことが決定しました。これは、Oracleベースで稼働していた財務系のシステムだけが、ユーザー数の増加を何の問 題もなくハンドリングできていたという事実もこの決断を後押ししました。

大規模な組織変更に伴い、より高信頼なデータベースへの移行を決断

移行にかかる費用の見積もりは数百万ドルにも達していました。移行作業をアウトソーシングすることも検討されま したが、さらに費用がかかるであろう事が予想され、一旦は移行プロジェクトの中止が決定されました。その直後、モ

ントゴメリー郡はOracle Migration Workbench(OMWB)を知り、このツールをテストしたところ、コンサルティン グ・ファームやたくさんのプログラマを雇う必要のない、迅速で安価な移行のソリューションであることを実感しました。 使いやすく、迅速に移行できることはもちろん、他の開発環境でオープンしている間も、Accessのフロントエンドを使 用し続けられることに強く感銘を受けました。

Oracle Migration Workbenchが安価な移行を強力にサポート

堅牢でスケーラブルな

Oracleデータベースへの移行を安価に実現

「Oracle Migration Workbenchは、簡単かつ容易にデータベース移行する強力な手段をユーザー

に提供してくれます。Oracleデータベースにマイグレーションした結果、多くの改善点に気づきましたが、 その中でも一番注目に値するのは、データの保全と、より多くのユーザーが同時にデータベースにアク セスしても、滞りなく稼働し続けてくれる点です」

移行事例 2

メリーランド州 モントゴメリー郡政府

── David Bird, DBA

モントゴメリー郡(http://www.emontgomery.org)は、1776年に州協定によって確立され、1948年まで郡合議制のもとに 機能していました。1968年、有権者の投票によって政府の個別の立法と執行機関を規定する憲章が承認。今日では、郡議 会は9人のメンバーによって構成され、そのうち4人は郡全体からの投票によって選挙、残る5人は5つの地区の各々の選挙に よって選ばれます。モントゴメリー郡は州および自治体の活動の両方に関係しています。

メリーランド州 モントゴメリー郡政府

お客様プロフィール

参照

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