CKD(慢性腎臓病)の食事
~腎臓にやさしい食事~
(公社)鹿児島県栄養士会 大山 律子 CKD(慢性腎臓病)予防講演会 2017年1月22日 姶良公民館CKD(慢性腎臓病)はどのような病気か
Chronic Kidney Disease
慢性 腎臓 病 【CKDはこわい】 知らず知らずのうちに腎機能が低下して 腎不全や心疾患を引き起こす病気である。 【CKDは多い】 日本人の8人に1人(1330万人*)がCKD患者である。 日本人の400人に1人が透析患者である。 *日本腎臓学会CKD対策委員会疫学WG収集データより 【CKDは治療できる】 CKDは治療により進行を抑えることができる。
検診を必ず受けましょう
検診は必ず受けましょう(姶良市の検診率:48.0%ーH27年度) ○ 検尿 ○ 血清クレアチニン ○ eGFR 健康診断または定期的な病院受診で検査を受けましょうタンパク尿は腎臓の悲鳴!
今井圓裕先生より慢性腎臓病の重症度分類
A1 A2 A3 高血圧 腎炎 高度蛋白尿 多発性嚢胞腎 移植腎 不明 その他 G1 正常または高値 ≧90 G2 正常または軽度低下 60~89 GFR区分 G3a 軽度~中等度低下 45~59 (mL/分/ G3b 中等度~高度低下 30~44 1.73㎡) G4 高度低下 15~29 G5 末期腎不全(ESKD) <15 CKD診療ガイド2012 0.15未満 0.15~0.49 0.50以上 尿蛋白定量(g/日) 尿蛋白/Cr比(g/gCr) 顕性アルブミン尿 30未満 30~299 300以上 正常 軽度蛋白尿 原疾患 蛋白尿区分 糖尿病 正常 微量アルブミン尿 尿アルブミン定量(mg/日) 尿アルブミン/Cr比(mg/gCr)腎臓にやさしい食事
〝減らすだけでなく適正な量をしっかりとりましょう” 1、食塩を減らしましょう 2、適正なエネルギーをとりましょう 3、たんぱく質をとりすぎないようにしましょう 4、カリウム制限が必要になることもあります腎臓にやさしい食事
〝減らすだけでなく適正な量をしっかりとりましょう”
1、食塩を減らしましょう
26年国民栄養調査
• 食塩摂取量 (20歳以上) 南九州 男性 10g 24年鹿児島県 11.1g 女性 8.4g 24年鹿児島県 9.6g 食事摂取基準 男性 8g未満 女性 7g未満 • 食塩摂取量 (20歳以上) 南九州 男性 10g 24年鹿児島県 11.1g 女性 8.4g 24年鹿児島県 9.6g 食事摂取基準 男性 8g未満 女性 7g未満高血圧と慢性腎臓病
•目標血圧130/80mmHg以下 •収縮期血圧140mmHg以上 血圧 90mmHg以上ではありませんか 食塩をとりすぎると 血管内の血液量の増加 むくみ 水による体重の増加 血圧の上昇 腎機能の低下 高血圧状態 【腎臓は血液量が多く、血管の壁も薄く、圧がかかりやすい】 血管がつまる 心臓機能の低下 •目標血圧130/80mmHg以下 •収縮期血圧140mmHg以上 血圧 90mmHg以上ではありませんか食塩のとりかた
減塩でもおいしく調理しましょう 1、食材の旨味を利用する。 昆布(グルタミン酸)かつお節(イノシン酸)干し椎茸(グアニル酸) 2、香味野菜の利用 青しそ・葱・柚子の皮・スダチの皮・レモンの皮・茗荷・ニラ・三つ葉 3、香辛料の利用 わさび・辛し・ショウガ・カレー粉・山椒・唐辛子 4、酸味を利用 酢・レモン・柚子・スダチ・ダイダイ 5、油の利用 揚げ物・天ぷら・フライ・炒め物・ドレッシング みょうが食塩コントロール7つのポイント
①みそ汁は、1日1回具だくさんで ②つけものは、即席づけで酢の利用を ③調理法は、煮物より、炒め物へ ④しょうゆは、かけるよりよりつける習慣を ⑤調味料は、しょうゆよりトマトケチャプ、トマト ピューレを ⑥しょうゆは、減塩しょうゆを上手に使って ⑦めん類のスープは、飲まない習慣を 鹿児島県健康づくりかんたんヘルシー減塩レシピ集より加工食品に注意Ⅰ
•加工食品に含まれる食塩 インスタントラーメン 1袋 5.6g そうめん 2把(100g) 3.8g ちくわ 1本( 50g) 1.0g さつま揚げ 1枚( 60g) 1.1g ハム 2枚( 40g) 1.0g 梅干し 1個( 10g) 1.8g たくわん 20g 0.9g 食塩摂取目標 6g未満外食・中食に注意
お料理に含まれる食塩 幕の内弁当 4.0g にぎりすし 一人前 6.0g 鍋焼きうどん 一人前 9.0g カレーライス 一皿 3.0g 親子丼 一人前 6.0g 定食(焼き魚、生姜焼きなど) 6.0g 焼き餃子 一人前 1.5g 食塩摂取目標 6g未満減塩の商品を上手に利用しましょう
減塩の商品 スーパーにあります
減塩のしょうゆビン
・ ワンプッシュしょうゆびん • 1回のプッシュ 0.4cc 食塩 0.04g • 普通の小出し 1回 4~5cc 食塩0.4~0.5g ・ちょいかけスプレー ワンプッシュ 0.1cc 食塩 0.01g乳和食とは
『乳和食』とは、 味噌や醤油などの和食の伝統的な味付けに 牛乳(成分無調整乳)を加えることで 「コク味」や 「旨味」を引き出し 食塩の量を減らす。 ①牛乳を出し汁の代わりに ②牛乳で割る・のばす ③牛乳で茹でる・もどす ④牛乳でとく ⑤牛乳に酢! ・牛乳自体に生活 習慣病予防に有効 (血圧上昇抑制作用) がある。 ・Ca補給に最適。 ・牛乳嫌いも摂り易い。本当に
食塩6g
未満?
私は頑張って食塩
6g未満です!!
↓ (ほとんどの人が食塩量8g程度) 新潟県立大学村山伸子教授より 尿中のナトリウムより算出(確認のため自分の分も量る) 本当に食塩6g未満にするには計量しないと難しい肥満と慢性腎臓病
•BMI(体格指数)は25以上ではありませんか 肥満を改善しましょう BMIの求め方 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 体重70kg 身長160cmの人 70÷1.6÷1.6=27.3 右の図より肥満と判定されます BMIを25未満を目指しましょう (自分のBMIを計算してみましょう) ←18.5 25→ 低体重 標準 肥満食事の見直し
肥満しやすくなる夕食のまとめ食いをやめる (朝食は必ず食べる) 毎食野菜・海藻を食べる (満腹感がえられる) 間食、夜食、アルコールは控える (エネルギーの過剰摂取になる) 調理法を工夫する (油の使い方注意) ゆっくりよく噛んで食べる (早食いをやめる)だいもといやせんが!(mL/分) 100 50 慢性糸球体腎炎 糖尿病性腎症 0 10 20 30 40 50 60 70 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004 2007 2010
糖尿病では腎症の発症や進行に要注意
(%) (西暦) 【透析導入原疾患の割合年次推移】 HbA1cを7.0%未満 にしましょう 糖尿病性腎症 16,971人 (2011年に透析導 入になった人数) 腎症前期 早期腎症期 顕性 腎症期 透析療法期 たんぱく尿 腎機能が低下するにつれてたんぱく尿が 増える。尿検査で腎機能低下を早期発見 することが重要である。 GFR 腎不全期 治療を放置していると 腎機能は急激に低下する。 0 5 10 15 20 25 (年) 糖尿病歴 発症 高血圧 ▼網膜症 ▼腎 症 ▼ 透 析 ▼ 【糖尿病性腎症の臨床経過】 日本透析医学会統計調査委員会「わが国の慢性透析療法の現 況」 (2010年12月31日現在)より 槇野博史.糖尿病性腎症-発症・進展機序と治療:診断と治療社.192 (1999)より引用、 改変糖尿病と慢性腎臓病
•HbA1cが7.0%未満にしましょう 高血糖が続くと腎臓の糸球体の毛細血管で動脈硬化が進行し腎機能が低下します。 血糖値を上げにくくする食事 ・ 適正なエネルギーの摂取 ・ 1日3食規則正しく食べる(インスリンが効率よく働く) ・ だらだら食いはやめる(インスリンが追加分泌されないよう) ・ 食事は野菜からたべる(食後高血糖をおさえる) 生活に運動をとり入れましよう必要エネルギーをバランスよく
バランスのとれた食事
脂質異常症は慢性腎臓病の大敵
血管 血栓で 血管が塞がる たまった コレステロール 心筋梗塞 脳卒中 腎機能障害を有する危険率 (総コレステロール値と腎機能障害リスク) 総コレステロール値(mg/dL) LDL-Cを120mg/dl未満に しましょう!脂質異常症と慢性腎臓病
•LDL(悪玉)コレステロールを120mg/dl以下にしましょう ① 適正なエネルギー摂取 ② 中性脂肪やLDLコレステロールを上昇させる飽和脂肪酸 (脂身の多い肉類や乳製品の脂肪など)やコレステロールの多い 食品に注意しましょう ③ 動脈硬化予防に効果のある不飽和脂肪酸(魚油、オリーブ油 大豆製品など)を適量とりましょう ④ 食事の最初に野菜海藻などの食物繊維をとり、コレステロール の上昇を抑えてくれます。 ⑤ アルコールは中性脂肪を上昇させるので適量に注意しましょう。腎臓はたんぱく質の老廃物を処理しています
• 食べたたんぱく質(肉、魚、卵、豆腐)は体内 で分解され、自分の体で利用されます。 この時できた老廃物は腎臓でろ過されます。 腎臓が弱っているとさらに腎臓に負担をかけ ます。 CKDステージ 1~2 とりすぎない CKDステージ 3 0.8~1.0g×標準体重 CKDステージ 4~5 0.6~0.8g×標準体重たんぱく質をとり過ぎない(1)
• たんぱく質を制限することにより腎機能を守り ます • 透析導入を遅らすことができます • 高窒素血症が改善されます • 高リン血症、高カリウム血症が改善されます • 高尿酸血症を改善することができます • 代謝性アシドーシスが改善されますたんぱく質をとり過ぎない(2)
•穀類にもたんぱく質は含まれます • 主食として3回とるためタンパク質も多くなります パン、麺はご飯よりたんぱく量が多いです ・ 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品にはたんぱく 質が多く含まれます ・ 脂質の多い部位はたんぱく質が少ないです ・ 芋、野菜、果物は植物性で動物性より少なめです 刺身の量は? 1人前は60gです 熊本名物タイピーエン 主食春雨たんぱく質をとり過ぎない(3)
• たんぱく質の上手なとり方 1食にたんぱく質(魚、肉、卵、豆腐)どれか1 品とる 肉、魚を多めに使う料理は野菜と組合わせる 肉巻き(アスパラ、ゴボウ、きのこ類) 昆布巻き(魚と野菜、きのこ類を巻く) おすすめ料理 ⇒ コロッケ 餃子 串カツ ロールキャベツ 肉少な目のカレー 油脂を上手に取り入れる(腎機能に悪さはしません) 毎日続けることが大切 見た目寂しくないように工夫してください腎臓にやさしい食事
〝減らすだけでなく適正な量をしっかりとりましょう” 1、食塩を減らしましょう 2、適正なエネルギーをとりましょう 3、たんぱく質をとりすぎないようにしましょう 4、カリウム制限が必要になることもありますカリウム値の制限
主治医の指示のもとに •カリウムは腎臓から排泄されます。腎臓の機能が低下すると血液中のカリウ ムが増えて不整脈を起こしやすく、命の危険があることがあります。 •カリウムの多い食品を控えましょう 生の果物、芋、豆、ドライフルーツなど 乳製品、嗜好品(コーヒーや濃いお茶など) ・ 調理でカリウムを減らしましょう 芋は小さく切ってゆでこぼす 野菜はゆでこぼすか、薄切りにして水にさらす たんぱく質の制限(たんぱく質の多い食品を減らすとカリウムも減少します) ※ 電子レンジではカリウムは減らせません水分のとり方
•排泄障害の無い時は普通に水分摂取 •むくみの有る時は水分のとり過ぎに注意 •極端な水分制限は禁止 •脱水に注意(こまめに水分補給) •利尿剤使用時に水分摂取に注意 (夜間頻尿の時は朝に利尿剤を)食事・食材摂取の注意
• ステージに合わせた食事をとる
• 食材は新鮮な食材を選ぶ
(新鮮なものは調味料なしでもおいしく食べられます)• ステージが進んだら食材の栄養成分を
きちんと理解しましょう
食材に含まれるたんぱく量・カリウム値・リンの量などまとめ
腎臓にやさしい食事をしましょう 〝減らすだけでなく適正な量をしっかりとりましょう” 1、食塩を減らしましょう 2、適正なエネルギーをとりましょう(肥満に注意) 3、たんぱく質をとりすぎないようにしましょう 4、カリウム制限が必要になることもあります 5、糖尿病、脂質異常症を改善ましょう 6、水分は病態に応じてとりましょう食事に気をつけると腎臓は元気になります!
世界腎臓病デー
•毎年3月の第二木曜日は、世界腎臓病デーです