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オリーブアナアキゾウムシの防除に関する研究 III 発育に関する補遺研究-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

第9巻罪3号(1958)

農林省農林漁業応用試験研究費補助金助成

オリーブアナアキゾウムシの防除に関する研究

Ⅱ 発育に関す る 補遺研究*

松沢 寛,宮本裕三,岡本秀俊,川原幸夫龍*

Studies on the contIOlof the olive weevil,B少lobius d88うγ00j)1erSi Ⅱ.Supplementary study on development.

HiroshiMATSUZAWA,Yuzo MIYAMOTO,HidetoshiOKAMOTO, and Sachio KAWA‡王ARA.

(Laboratory of Applied Entomology)

(Received Octoberl,1957) ユ29 緒 (4) 別報に於てオリーブアナ・アキゾウムシ〟γね∂云〟一S d♂SみγOCカβγ・S友 の室温並びに定温下に於ける発育の概要についてふ れておいたが其後記にそれに関する補遺的研究を行ったので以下にその概要を述べ,併せて一発生消長並びに防除に 関する考察を試みることとする. 研 究 方 法 発育に関する研究ま(前掛り虹は之について詳述しなかったが,方法は以下に同じ)小 レヤ−・レに.収容飼育中の 成虫が座下した当日卵を試験樹の枝に.切目を入れてほめ込み.6分試験管に収めて呼イヒをまら..爾後つづけてそれを 定温下及び室温下で飼侍した.但し貯化後に於ける餌枝の取換は∴7日{ノ10日毎とし.又試験管中の餌梯ほ乾燥を防ぐ ために下端を・ぬれ綿にて巻き‖又管口ほ綿栓を施すこととしたり叉木報告に・て取上げた野外に.於けるオリー・プアナ・ア キゾクムレの幼虫の令構成,或いはステイジ相成の年間変動の調査は毎月適宜の日間隔をおいて各所のオヅ−プ被害 樹を剥皮して調査し,その都度初令,中令(2令以上),終令,嫡,成虫の個体数を算.え/て記録した(本報告ではそ れぞれの個体数をパーーセントに示した)り 研究成績及び考察 」.954年∼1955年に於ける発育に関する研究成浩は前報(4)に示した如くであるが,1956年に於ける童謡及び定温下 に於ける成抗は罪1衣及び第2衣の如ぐである前報(4)に於ける成標と比較するに,その平均発育所要日数(室温) にほ多少の差が認められるけれ共,大まかにほ大体同様な成績ということが出来よう小 本樫の発育零点(Developmentalzero)は,最ja,の電気事情慈化のために,検討中であったにも拘わらず十分な成 績を収めることが出来なかったが,第2表の成揖ならびに他の2,3のデーターを綜合してみると,はぼ卵=フ.40,幼 虫=11.10,蛸=500 と推定されたが,之については他日なお再検討を加えたい‖ ヰ香川大学農学部応用昆虫学研究室業諒〟0“31 舶項在香川農試小豆分場勤務 本研究の一・部は昭和32年度日本応用動物昆虫学会にて講演した。

(2)

香川大学農学部学術報曽

ユ30

Tab.1小 The duration o董each stage of the olive weevilat each month.(1956) Confidence limit Of population mean at95%1ebel Coeffい Of Variation Number of individuals ObseIVed Min.∼Max. Variance Days 14′}16 9 ∼10 S yS

1;∴喜三:1…

Tab.2り The duration of each stage of the olive weevilat different temperature.(1956)

Min.∼ Max. Temberature Days ll.81 l

二‡一二 三;

109 ′、】199 35 ∼ 82 36 ∼ 60 15 ∼ 17 フ ∼ 15 6 ∼ 15 0 0 0 0 ﹁ノ ○ つん 2 ︵J Pupa 5 ∼ 23 4 ∼ 13 EmeI gence −・・Appearance ところでオリ十プアナアキゾウムレが春季割合に早く産卵する場合にあってほその年の買.に,春遅く産卵する場合 にあってほその年の初秋の瞑に.成虫迄到達出来るが,夏季から秋季にかけて産卵を行う場合にあっては,その卵は2 (1)(2)(3)(4) 年にまたがって翌年の初夏の候に.到ってはじめて成虫となることについては,すでに前報にもふれておいたが,この ような2年にまたがって(幼虫態越冬)生長をとげるような場合の発育の模様についてほ未だふれるところほなかつ たい この間の事情を実験にもとづいて示せば第3表の如くであって,全発育期問をみれば分るように,7月乃至10月 の間に於いてほ早い時期に産下された卵はど発育に多くの日数を要するようであった.即ち幼虫儲で越冬する場合に あっては,少々早く産卵されても決して発育所要日数を短縮することほならないようである.このことほオリ・−プア ナアキゾウムンの発育乃至経過を考察する上に重要なことである. さて,本種が自然状態に於いてほイポタノキエよgαSgI狛研■〃昭わZ5ム沌.㌢αγα〃g〟・ざ王立ノbJ去狛昭」診ね川鋸,ネズミモチ エよgα・Sわ・捉沼殉叩扉α那加か等の所謂自生植物を食して繁殖生存しているらしいことは前掲に於いてもすでに述べ た通りであるが,それ等の植物を実際に食して発育する場合の発育速度がいかなるものであるかをオリ十プ樹の場合 と比較して示すと第4表の如ぐであって,オリ・−プとイポタノキにあってはそれ程大なる差はないけれども,ネズミ モチでほ之等2者よりやや発育が長びく傾向が見られたいこの成紡が絶対的なものであるかどうかほ濁在のと.ころ尚 確信ほもてないが,オリーブを最も嗜好するものらしいことについては腰いの余地はない.

(3)

第9巻第3号(1958)

Tab。3.The duration of each stage of the oliveweevilwhen the eggslaidin summer and

in autumnり(1955−1956)

ユ31

Tab,4… Durationin days of eachstage of the olive weevilfed on differentspecies of

t工ee.(1956) さ二† .

4 ∼8 6い08

4 ∼ 8 6 68 6 ∼10 フり21

5∼10 61フ0

547 ∼ 62∋ ∼ 6.フフ ∼ 564 ∼ 9 8 5 6 6 0 6 ﹁ノ 6 フ ﹁ノ ﹁ノ 0 0 2 5 0 7小 8 1 1 0 0 2 16 45 12.43 12 62 21け94 Emergence ・−>Appearance

i; 三:二、

二 1 89∼1059フ.00 12h63 33,60

フe“99 ∼∈6..1フ 31い82 13い00

3 9 2 8 ︵0 9 っん一/− 6 3 6 3 Total Notes −ゝ A B C 0/(、〟 ど〝′()♪ぐα上 工云g〝・Sf′〝禦J如才αS去βみ むαデα〝g〟・Sfよ/bJよ払椚■aね川那 エ.ブ〃♪∂〝多(畝椚r九椚扉

(4)

132 香川大学農学部学術報告 項在著者等ほ同じくヒイラギ科01eaceaeに属するヒイラギ0・頼膵症肋・S去J去cげoJよ〝弼爪血㍊壷JJβ./(=0、Ag〟よ.声漬物用 封細、),キソケイ。Jα・S沼j乃〟∽OdoタαわS1S玩肌用咋エ,ハンドイ 5。〃去兜g(Zα桝%γβ柁5よ\9ガぴβ7.即α㌢.れ妙壷α釣働扉et Sα〃.(=5け.わ争川京αルね扇研.),レンギヨク凡”・Sγ〃も£α5〟・S♪e乃ざαγαカJ,コバノトネジコダれ㍑有川S S査β∂oJdよα乃α βねⅧ値,シマトネリコ且相加鋸ばG亘〃よ才んよ去CJαr彪β,トウネズミモチエよg〟・5ね−α招J〝Cよd〟〃7Aま才い等についてもそ の発育の可能性を卵を樹皮下に埋没して飼育すること紅より試験を行っているが,目下のところキソケイ,ノ、シド イ,レンギヨク等が最も生育良好で,トクネズミモチ之に次ぎ,シマFネジコ,コバノトネリコ,ヒイヲギ等ほ余り 良好な生育を示さないようである第剛に之等の植物の皮屑部の厚みが余りないことが不都合のように思われる オヅ−プアナアキゾウムレの発育の概要はおおむね以上の如ぐであるが,本碓の産卵の時期によってそれ等が非滞 に.異った経過をと.るものであることは疑いの余地なく,野外ではそれ等が入り混って棲息しているために甚だ接地な 発生相を示しているのであろうオジ十プ樹幹内棲息虫のステイジ或いほ幼虫命の構成状態及びその年間変動ほ,第 5表の成揖の如ぐであって∴ ユ年間に於け−る嫡のステイジをふむ時期或いほ新成虫の出現する時期ほ∴やや幅ほ存す るが大体決っているようである.しかし自然状態における発生相,棲息相を−一・段と後発僅にみせるのほ以上の産卵l隠爛 のちがいにもとづく発育の問題の外,極めて長期にわたる成虫の生存期間ならびにそれに.伴なう産卵能力のためでも あって,之等についての具体的な蟄料ほ次報をこ於いて提示すること紅する

Tab5= Seasonalchange of the number ofindividualsin peICentage belong to each stage alld

eachユar・Valinstar of the weevilon the olive tree at naturalcondition

1けフ2 ユ2フ 4ノノ82 3“13 2フE5 7いe3 4いフ1 824 401竺い1・34 26。2 22]_2 38C4 j 8.プ0

9・

(5)

第9巻罪3号(1958) 133

本書虫の活動期が香川県等に於いてほ概ね3月下旬から11月頃迄であることほすでに前報(2)(4〉に於いて−も述べた

が,軍6表及び第1図の温度反r㌫¥の試験結果からも大略それが袈づけられる而しで成虫はその間フ∼8ケ月にも Tab6h Thermalreaction of the adult weevil.(1955)

Number of individuals tested Confidencelimit Of population mean at95%1ebel Coeff0董 vaIiation Bebavior Faint movement Standing up W■alking NeIVOuS State Knock down Deatb

Min‖ ′〉Max Variation

ユ0 10 ユ0 10 10 ユ○ 1;二三:;妄?三C∈ユ…喜喜OC 4.3フ ∼ 8.e30c 1254 ∼1546 1413 ′)180フ 33.81′)3559 393フ ′、′ 42.43 41.26・−′ 4554 14.0∼187 335 ′・)35..8 39け4 ∼ 41.5 16 iO 34 フ0 40 90 40小フ∼45小8 F 43∫40 ︵UO︶河出n↑<出国d軍国↑

JANりFEB.MAR..APR・MAYJUNJUL・AUG・SEP・OCTl・NOV・DEC・

MONTH

Figl‖Data of climatic condition ofIkeda ch6,Shozugun,Kagawa,Japan,Showingwith the result Of experiment on the thermalreaction of the weevil。

わたって産卵をつづける訳であるが,産卵時期のずれに伴ってそれが経過ほ非常に異って来るとほいっても,結果的 にみて新成虫の現われて来る時期が大体フ,8,9,10月と決っていることについては,本虫防除の見地から特に注意

串本実験は300Wの小型蚤熟器にアス ベスト付金網をしき,その上に5CCccのど」−カ−をのせ,その中に供試虫を収容 する′卜型三角フラスコを入れ,フラスコの開口部に.1∞OC巨i盛の棒状アルコ・−ル温度計を装したコルク栓を固くはど

(6)

134 しておく必要があろう.このことほ.第フ 表の産卵個体と非産卵個体(捕獲後虐ち に産卵する個体と然らざる個体という意 味)の比率をしらぺた成結からも明らか に.推測することが出来るい(但しこの成 績を解釈する上にほ成虫の産卵前期間を 加味して考慮する必要がある) 即ち捕狸後直ちにほ産卵を行わない新 成虫と考えられる個休の割合が夏から秋 にかけて非常に増加する傾向が見られ る。従って越冬して釆た成虫を片ッ端か ら防除する作業ほ勿論必要であるが,こ のような新成虫の出現する時期の徹底的 な防除作濃ほ特に重要と.考えねばならな い 香川大学農学部学術報告 Tab.7.Number of adult females whichlaid eggs foI

10days after the capt11ring or notlaidoutfor a month.(Wild samples) Number of individuals Obse王・Ved Laid out (FoI■1Cdays) Notlaid out (Fovamonth) 6 9 5 0U 6 5 9 つム 3 4 ︻h︶ 5 ︻ノ 5 1(39%) 15(3∈;5〝) 30(66小7〝) 29(500′ケ) 23(411〝) 35(46フ”) 9(15い3”) ユ(3L9%) 2(51〝) 0(00〝) 1フ(29.3〝) 15(26..8〝) 30(40C〝) 49(∈3小1”) 摘 要 オリーブアナアキゾクムレの発育,発生に関して再考察を行うために,1956年本実験語査を行い次の如き結果を 待た (1)オリ−プアナアキゾクムレの定温下並びに室温下に於ける発育実験の成椋ほ第1∼2表に示した如くであるが, 前報に於ける成紡と大略同様であった− (2)イボタノキに於ける発育ほオリーブ樹に.於けるる場合と大差ほなかったが.ネズミ モチでは之等よりやや発育に 多くの日数を要するようであったい ヒイラギ科に属するヒイラギ,キソケイ,ノ、レドイ,レンギヨク,コバノトネジ コ,レマトネリコ,トクネズミモチ等に於ける発育試験も現在行っているが,目下のところキソケイ,ノ\レドイ,レ ンギヨク等が最も成樟良好でるあ。 (3)フ月∼10月の慌に産出された卵はその年の冬迄に成虫に迄発育を遂げることは出来ず・幼虫態に.で越冬をする1 しかし笠年に.於ける蛸化期や,羽化期ほ比較的にそろって釆,産卵時期の早い紅拘わらず殆んど幼,虫期間が短糖され ることほなかった. (4)自然状態に於けるカ■リープ樹幹内稜息虫のステイジ戎ほ幼虫の令の年間変動を調査した結果,蛸化期や羽化期ほ 大略−・定しそいて,新たに羽化する成虫ほ一・般にフ月∼10月の候に多く現われるようであったい こ.のような事実はオ リ十プ固から採集した雌成虫の産卵に関する調査観察からも暗示された(−・般に自然状態でほ新たに羽化した雌成虫 は非箱に長期間産卵をしない′′その産卵前期間は平均して50日内タトである)… 引 用 文 献 (1)松沢 寛・外3名:オリーブアナアキゾウムレの防 (3)−−・㌧ :昭和32年皮日本応用動物屋虫 除に関する研究〔Ⅱ〕(昭和3ユ年度農林省農林漁業 学会講猿要旨集,(4),(1957ノ・ 応用試験研究報告層,騰写刷),(1956)小 (4)∵・ 外3名:香川大学農学部学術報告 8 (2)松沢 寛・川原幸夫:森林防疫ニュース,5(5),9 (2),1フ2−188,(195ブ) −11,(195フ). R畠 s uln畠

h order toIeCOnSider the development and the appearance of the olive weevil,HγlobiulS de・Sbrocher.si,

the present experiments and obseIVations were carried outin1956 and the fo1lowing results were

obtained:

(1)The data obtained on the development of the olive weevilunder thenaturalandcertainconstanttem− peIatureS are Shownin Tablesl・2These results arein general similar to those reportedin the

(7)

罪9巻欝3号(1958) 135 previous Ieport

(2)Althoughthe time required for development of the weevilfed on the twig ofLigustrum Zbota Sieb Var∴ anguSii.folium Blume was simi1ar to that of the weevilfed on the olive twig,it took a fairly

longer period for the developmentin the case ofエ。jabonica ThunbThe feeding testwith the twigs

Of O.ざ∽α乃f紘s≠J査c細浦〟㈹肋〝哀JJβ.′,./〃・㍑扇乃〟∽βdoγα才去SSよ椚瀦椚∴L,5γ7壱乃gαα∽〝γβ〝1Sよぅ定鉦♪′Var小ブα♪∂搾一

言cαダ7α紹Cんet5(Z仇,ダ0㌢.S.γ〃且査α鴛α9♪β紹Sαl包ん〆い,ダ′α.症榊ば 5加わほね那r 風物軌,ダ小 G崩げ声〃品 CJα㌢点β,

LigulSirum Lucidum Aii.リ etCWhich belong to Oleaceae,is being carried on now;aCCOrding to the data Obtained upto the present time,the plants such asJasminum odoratissimum・L,Sy7inga amurensis Rubr”Varja♪onicaFYanCh et Sav,FoYSythia susbensal匂hl‖Seem tO be moIe Suitable than the other

species of plant tested

(3)Thelarvae from the eggsin which aIelaidin the season fromJuly to October cannOt COmplete the development before the end of the yearand they pass the winterin thelarvalstage,The period of

pupation oremeIgenCe Oftheweevilinthenext year aretolerably unifbrm and thedurationofla工Val Stage does not shorten regaIdless of the early time of the egglaylng Period

(4)TheIeSult of the observations on the developmentalstagesin different seasons under the natural COndition showed that the period of pupation or emergence was relatively restricted and the newly transformed adult seemed to appearin the months fromJuly to Octoberin general.These facts were also s11ggeSted at the case of the observation on the egglaying of the adult females which were

Captured from the orchard(Under the naturalcondition the newly transiormed adult 董emaleq do not lay′eggs for along time。The preoviposition period seems to be about5C)day$in average)

参照

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