18 1 ねらい
あるクラスの中で起きていることについて、それぞれの立場の人の発言をとおして考え、話し 合うことで、見えにくくなっている「いじめ」についての正しい判断力を育てる。
2 進め方
4 人ぐらいのグループでワークを行う。
① A さん、B さん、C さん、D さんのそれぞれの発言を読み、それぞれの発言に対して、自 分が返す言葉を吹き出しに書く。
② ①で書いたことをグループ内で発表し、それぞれの見方や考え方を共有する。
③ グループ内で出た意見をクラス内で発表し、共有する。
3 解説
このワークでは、“ いじめ ” の加害者(A さん)、被害者(B さん)、暗黙的傍観者(C さん)、 仲裁的傍観者(D さん)の 4 人の立場を明確にしました。それぞれの人へ返す言葉を考えさせる ことで自分の考え方や認識を自覚させます。子どもたちが、思いや考えを、グループ内やクラス 全体で自由に話せるようにしましょう。ただし、教師は 4 人のそれぞれの立場について、次の ことをおさえておきましょう。
【加害者(A さん)】いじめの加害者はよく、「これはいじめじゃなくて、遊びだよ。」「悪いの は相手のほう。」「(仲裁者に対して)あなたにいじめを注意する資格なんてない。」「別にやりた くなかったけど、やれと言われたからやっただけ。」「(自分たちの)オキテにしたがっているだけ。」 などと主張しますが、それらの主張はいずれも「いじめをしてよい理由」にはならないことに気 づかせます。
【被害者(B さん)】B さんに対しては、共感的な心情をもつことが大切です。同時に、踏み出 す勇気をもつことの大切さを認識させます。もし、B さんがいえないのなら、自分が「観衆の中 で通報者」になれるということに気づかせます。
【暗黙的傍観者(C さん)】C さんは、実は「いじめの加担者の役割」を担っていることをおさ えます。もし、C さんが仲裁者のほうに味方をする言動をしたならば、いじめの大きな抑止力と なることに気づかせます。
【仲裁的傍観者(D さん)】D さんは、大変勇気のある正しい行動をしています。しかし、「B さんにも問題があり、そこを直すようにアドバイスを “してあげている”」という感情は、他人 をコントロールする欲求ともつながっています。被害者がアドバイスどおりにできないと、被害 者につらくあたったり、被害者をさらに追いつめてしまったりする危険性もあることを理解させ ます。
<参考資料など>
・「いじめ問題への対応のポイント」
神奈川県教育委員会(平成 24 年)
・「いじめの直し方」内藤朝男 荻上チキ(平成 22 年)
5
子どもの人権(いじめ)
あなたはどう思いますか?
被害者 加害者 観衆 いじめの 4層構造
促進作用 抑制作用抑制作用 促進作用
仲 裁 的 傍 観 者 仲 裁 的 傍 観 者 暗
黙 的 傍 観 者 暗 黙 的 傍 観 者
19
児 童
・ 生 徒
◆ Aさんの話
「いじめなんかしてないよ。注意してただけ。そりゃ、たたいたのはやりすぎだったかも。
でも、わたしより先にたたいた子がいたし、はやし立てられたからわたしもたたいたの。そも そも、みんなからういてしまう、あの子に原因があるんだよ。それに、あなたにそんなことを 注意する資格はあるの?あなただって、前に別の子をたたいていたじゃん!」
◆ Bさんの話
「悪口を言われたり、たたかれたりして、とても心がつらい。でもこんなことで傷つく自分は、
やっぱり、人よりも弱いんじゃないかな。親や先生に相談したり、病院に行くなんて、弱い子 がすることじゃないのかな。ぼくは、これ以上弱いと思われたくないんだ。」
◆ Cさんの話
「 Bさんが悪口をいわれたり、たたかれたりしているのは見たことがあるけど、B さんは 笑ってたし、大丈夫なんじゃない?それに、注意したりすると、今度はわたしが何かいわれる かもしれないから、かかわりたくないな。」
◆ Dさんの話
「Aさんもやりすぎだと思うから、A さんに『それはやめなよ。』っていったの。B さんはな んだか暗いし、空気がよめないところがあるから、『 B さんもそういうところをなおさないと いけないと思うよ。』って、B さんにも伝えたんだ。」
( )年( )組( )番( )
つぎの 4 人の話を聞いて、考えましょう。
ワーク ある日の教室。しょんぼりしているBさんがいます。
どうしたのでしょう。
1 4 人の話を聞いて、あなたはどう思いましたか。その人に話しかけるように書いてみましょう。
そのあと、グループの中で発表しましょう。そのあとクラスでも話し合ってみましょう。
2 ワークをやって、気づいたことや考えたことを書きましょう。
Aさんへ
Cさんへ
Bさんへ
Dさんへ
あなたはどう思いますか?
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