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民事詐欺の違法性 と責任 ( 2)
岩 本 尚 痛
1日 次 序論
第 1節 本稿の課題 第2節 本稿の構成 第 1部 ドイツ法
第 1章 詐欺の前史
第 1節 ローマ法 と自然法
第1款 ローマ法における詐欺 第 1項 dolusの意義
第2項 dolusの効果 第2款 自然法 における詐欺
第 1項 自由意思の主意 と主知 第2項 ドイツ自然法学説 第2節 19世紀の詐欺論
第2章 詐欺の違法性 と責任
(以上、63巻3号)
(以上、本号)
[159]
第 1節 転 回する自由意思の要保護性 第2節 保護の範囲 と限界
第2部 日本法
第 1章 民事詐欺論の展開 第 1節 日本民法 と自然法
第2節 意思決定 自由の要保護性 第2章 民事詐欺の違法性 と責任
第 1節 比較法の帰結の考察 一裁判例 を素材 として 一 第2節 民事詐欺の違法性 と責任
結論
北法63(4・174)1142
民事詐欺 の違法性 と責任 (2)
第 1部 ドイツ法
第 1章 詐欺 の前史
第 1節 m‑マ法 と自然法
第 1款 口‑マ法 における詐欺 第 1項 doklSの意義
(1)狭義の doEus一詐欺 ‑
①ac翫)do3iの起源
あ る論者 によれば、旧約聖書 における最初 の犯罪 は (カイ ンの)兄弟 殺 で はな く、最初 の虚言であ り、 これが世界 に悪 を出現 させ 、そ して原 初 の虚言者 お よび虚言の父が万悪 の創始者であった1、 とい う2。
もっ とも、古代 の人 々は、必ず しも嘘 を非難すべ き事柄 として考 えて いたわけではなか った3。各個 人の存在が法 によって保証 されていなかっ た原始社会 においては、狂滑 であ ることは 自己防衛 に とって不可欠であ り4、腕力 を持 たざる者 時策略 に頼 る他 なかったか らであ る5。 そ して、こ の策略 (List)とい う言葉 の意味 内容 に相 当す る語が dolusであ った6。
嘘が必ず しも非難 されるべ き事柄 として考 え られていなか った時代 にお
1ImmanuelKant,MetaphysikderSitten,ZweiterTeil:Metaphysische Anfangsg沌ndederTugendlehre,1797(Neudruck1959),hgg.YonKarl Vorlander,S.280.なお、同書の部分訳 として、カント(白井成允 ‑小倉貞秀 訳)
『道徳哲学』(1954年)が存在する。
2RudolphYonJhering,DerZweckim Recht,2.Bd.,4.AUK,1905,S.477によれ ば、旧約聖書の創世記は嘘から始まる物語 として理解されている。
3AndreasWacke,Circumscribere,gerechterPreisunddieArtenderList, ZRG(Ron.Abt.)94(1977),S.221.
4wacke,a.a.0.(Fn.3),S.222fE. 5Jhering,a.a.0.(Fn.2),S.479.
6LudwigMitteis,RbmischesPrivatrecht,1,Bd.,1908(Neudruck1994),S.
316.;UlrichvonLtibtow,ZurAnfechtungvonWillenserklArungenwegen arglistigerT畠uschung,inEntwicklungsten‑denzenim Wirtschafts‑und UnternehmensrechtFestschrift飽rHorstBartholomeyczik,1973,S.263.
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い て は、dolusも非 難 さるべき 価 値 判 断 を含 まず 、本 来 的 には中性 的意 味 内容 を有 す る概念 であ った7。
ところが、次第 に誠 実性 が顧 慮 され始 め た 。 これ はギ リシ ャ哲学 に秦 け るス トア派 の影響 も考 え られa 8。 例 えば、ス トア派 か ら影響 を受 けた キケ ロ (MarcusTulliusCicero,前 106‑43) は、詐欺 の事 例 として次 の ような事案 を紹介 してい る。
両 替 商 の ビュー テ ィウス (Pythius)は、別荘 の購 入 を検 討 してい た ローマ の騎 士 カー ニ ウス (Canius)を 自身 の別荘 へ招待 し、 その際 に予 め地元 の漁 師達 に同別荘 の前 で漁 を行 うよ う依 頼 し、 さ らに近辺 に魚 が集 まる水 源 が存在 す るかの如 く装 い、 これ を信 じたカーニ ウス は同別荘 を購 入 した。 もちろん、 その ような水 源 は存在 せず、 カーニ ウスが再 び同別荘 に出向いた時 には、漁 師達 も見 当た らなか った9。
キケ ロは次 の よ うに続 け る。「カーニ ウス は腹 が 煮 え く り返 った。 し か し、 どうす るこ とが で きたろ う。 その こ とは まだ私 の 同僚 に して友 人 で あ る ガエ イ ウス ・ア ク イ ー リウスが dolusmaluslOに関す る方式 書 を
7Ldbtow,a.a.0.(Fn.6),S.263.
8wacke,a.a.0.(Fn.3),S.221茸.ス トア派はギ リシャ哲学の一派であ り、ス ト ア派における永遠 ・不変の法則 によれば、 自然界 において 自然必然の法則 とし てあ らわれ、人間社会 においては人倫的法則 としてあ らわれ、後者の人倫的法 則 によって善 と正 を為す ことを命ぜ られ、悪 と不正 を避けることが命ぜ られる
(三島淑臣 『法思想史』(1990年)97‑118頁)。
9その事例について、Cicero,deofBciis,wihtanenglishtranslationbyWaiter Miller,1913(reprinted1951),pp.326を参照。なお、Cicero,deo鼠 ciisの邦訳 と
して、高橋宏幸 (釈) 『キケロ‑選集9』(1999年)309頁以下が存在する。 以 下では、同邦訳書 を引用する。
10dolusに付 されたmalusという形容詞は 「悪い、有害 な、邪悪な、悪人」と い う意味である (柴田光蔵 『法律 ラテ ン語辞典』(1985年)216頁 を参照)。既 に指摘 したように、dolusは本来的に悪い意味 を持つ概念 ではなかったか ら、
この意味におけるdolusと区別するために、malusとい う形容詞が付 された (D.
4,3,1,3.:Nonfuitautem contentuspraetordolum dicere,seaadiecitmalum ,
quoniam veteresdolum etiam bonum dicebantetprosollertiahocnomen [161] 北法63(4・172)1140
民事詐欺 の違法性 と責任 (2)
提 案 してい なか った11。 この方式書 の 中で、dolusmalusとは何 か、 とい う問い に彼 は、見せ かけ と実際の行為 とが異 な る場合 、 と答 えてい た。
これ は実 に見事 な答 えで、 ものの定義 を よ く心得 た人物 にふ さわ しい0 それ ゆ え、 ビューテ ィウス も含 め て行為 と見せ かけが違 う人 間 はすべ て 嘘つ きで邪 で 性悪 であ る」12。
②dohJS解 釈 の変遷13
キケ ロ を含 め、 ギ リシ ャの精神文化 に接 した ローマ の法律家 は、法知 識 の体 系 的構 成 に関心 を抱 き始 め、 その対 象 と してdolusも含 まれ てい たのであ り、そ の過程 にお いてdolusの定 義 は様 々な変容 を受 けた14。 例
accipiebant,maximesiadversushostem latronemvequismachinetur.なお、
ローマ法のラテン語の訳出に際 して、CarlEduardOtto‑BrunoSchilling‑Carl FriedricbFerdinandSintenis,DasCORPUSJURISCIVILISを参照 した (以下
も同様)。
11なお、dolusに基づ く訴権たるactiodoliはアクイーリウスによって紀元前66 年に創設 された。春木一郎「Actiodoliニ付 テ(‑)」法学協会雑誌36巻5号(1918 年)1頁お よび8頁、原田慶書『ローマ法 (改訂版)』(1975年)232頁 ;Mitteis,a.a.0.
(Fn.6),S.318fE.;PaulJdrs‑WolfgangKunkel,RamischesPrivatrecht,3.Aua.,
1949,S.174.u.S.260.;AlanWatson,StudiesinRomanPrivateLaw,1991,p.
313.;MaxKaser‑RolfKntltel,RamischesPrivatrecht,17.Auf1.,2003,S.77.
12高橋 ・前掲注9・311頁。ただ し、同邦訳書 は、dolusmalusの語に対 して、
「悪質な詐術」とい う訳語 を用いている。
13確かにdolusにmalusの形容詞が付 されたが、 しか し法的問題 として取 り上 げられるdolusがdolusmalusであるか ら、次第にdolusの一語がdolusmalus を意味するようになった (Wacke,aa.0.(Fn.3),S.227)。 本稿において もdolus malusを単 に 「dolus」と表記することがある。
14HelmutCoing,ZurGeschichtedesPrivatrechtsystems,1962,S.18.浜上則雄
「法律行為論の 『ローマ ・ゲルマ ン法系』的性格」阪大法学65号 (1968年)92 頁 も参照。
例 えば、セルウイウスは、アクイー リウスの定義に対 して、「他人を欺 くた めの何等かの粁計 (machinationem quandam alteriusdecipiendicausa)」を付 け加 えた (D.4,3,1,2.:Dolum malumServiusqddem itade弘iitmachinationem quandam alteriusdecipiendicausa,cum aliudsimulaturetaliudagitur.)。 さら
にAlfredPernice,Labeo,2.Bd.,1.Abteilung,1865,S.208i.も参照。
北法63(4・171)1139 [162]
えば、 ラベ オ (MarcusAntistiusLabe0,50.B.C.デーA.D.20)はdolusmalus の意 味 内容 につ い て、次 の よ うに考 えてい た。
D.4,3,1,2.:しか し、 ラベ オ は (それ に対 して次 の ように述べ る)、
真 実 を隠匿す る こ とに よって 自己 また は他 人 の財 産 を維 持 し保 護 す る 行 動 に出 る如 く、虚構 は存 在 しな くて も、誰 かあ る者 が編 され る こ と は有 り得 る し、dolom畠loは存 在 しな くて も、何 か異 な る事 が行 われ 、 何 か異 な る事 が虚構 され る こ とは有 り得 る。 それ ゆ え彼 は、 自 ら次 の よ うに概 念 を規 定 す る。dolum malusとは、他 人 を寵 絡 し、欺 岡 し、
絃 惑 せ しめ るため に用 い られ る全 て の荻滑 、欺 賄、貯 計 で あ る15。
ラベ オ に よれ ば、積 極 的 に相 手 方 を欺 か な くて も、他 人 を不 法 を手段 で不 利 な立場 へ 陥 れ る事 態 も、dolusmalusと して理解 され る16。 ラべ オ に とって真 実歪 曲の手段 た るsimulatioは不 要 であ って17、あ らゆ る悪 意 に基 づ く反 良 俗 的行 為 (jedearglistigeunsittlicheVeranstaltung)が dolusmalusを意味 した18。
ラベ オの定 義 は当時 の有 力 な見解 と して理解 され てい た19。 確 か に ラ
いず れ に して も、 アクイー リウス とセル ウイウスの定義 に よれば、dolus malusは、事実の真相 に反する観察 を他人に生ぜ しめる目的で、ある事柄 を表 示 し、当該表示 と異なる事柄 を実行す る謀計の ことを意味する (春木一郎「Actio doliニ付 テ (二)」法学協会雑誌36巻6号 (1918年)47頁以下)。 この ように、
悪意訴権の射程は狭かった (Watson,supra(ll),p.313)。
15Labeoautem posseetsinesimulationeidagi,utqulSCircumbeniatur:posse etsinedolomaloaliudagl,aliudsimulari,sicutifaciunt・qulPereiusmodi dissimulationem deserviantettuenturvelsuavelaliena:itaqueipsesic definiitdolum malum esseomnem calliditatem fallaciam machinationem ad circumveniendum fallendum decipiendum alterum adhibitam.
16船 田章二 『ローマ法 第三巻』 (1970年)458頁 ;MaxKaser,DasRamische PrivatrechI,2.Au乱1971,S.628.
17pernice,a.a.0.(Fn.14),S.209.
18pernice,a.a.0.(Fn.14),S.209.民法826条の起源 をactiodedoloに求める見解 も存在する (MaxKaser,RamischeRechtsgeschichte,1965,S.146)。
19ゥル ピア‑ヌス も、承認 していた。D.4,3,1,2.:Labeonisde丘nitioveraest [163] 北法63(4・170)1138
民事詐欺の違法性 と責任 (2)
ベ オはdolusの意味 を拡大 しているが、 しか し荻滑 (Calliditas)、欺満 (fallacia)、好計 (machinatio)とい う特定の行為態様 は必要であって、
この意味においてdolusは詐欺であった。
(2)広義のdo3us一故意‑
①主観的要件の意味
確 かにdolusは詐欺 の意味 を持つ概念であった。 しか し、dolusは主 観 的要件 (現代の意味 における意図や故意に相当す る内容)の意味 を持 つ概念 として も理解 されていた。例 えば、キケロは、 トウツリウス弁論 (トウツリウスの奴隷 を 自身の奴隷 に襲 わせ た フ アビウス に対 して、
トウツリウスが損害の賠償 を求めた事案において、キケロが トウツリラ スの弁護人 として、審理員 に対 して展 開 した弁論)20において、dolusに ついて次の ように述べ ていた21。「dolum malum は個 々に存在するのみな らず (それで も私 に とっては十分 なのであるが)、そ して、その行為の 全体 に存在するのみな らず、一連 となって所与の全部 に存在する、 と私 は主張するのである。 彼等 は、マールクス ・トウツリウスの奴隷の所へ 出向 くことに決める。 彼等 は、それをdolomaloで行 う。 彼等 は、武器 を取 る。 彼等 は、それ をdolomaloで行 う。 彼等 は、待 ち伏せ し悪事 を 為すに適切 な時を選ぶ。彼等 は、それをdolomaloで行 う。 彼等 は、暴 力で もって建物 に侵入す る。 暴力 を用いる際にdolusが含 まれる。 彼等 は人 を殺害 し、その建物 を破壊する。dolomaloな くして、人が殺害 さ れることはな く、意図的に他人に損害が加 えられることはない。か くし
(ラベオの定義は正 しい)。FritzSchulz,ClassicalRomanLaw,1951(reprinted 1961),p.606も参照。
20この弁論は前72‑71年に行われた。その詳細について、富山軍治 「民事こ開 スルCiceroノ群論 (‑)」京都法学会雑誌4巻5号 (1909年)70頁以下、柴田 光蔵 「ローマ法における損害訴訟の一考察‑キケロ‑MarcusTulliusCicero の 『トウツリウス弁護論proTullio』をめぐって‑」法学論叢92巻4.5・6 号 (1972年)176頁以下を参照。
21原文 はAlbertvsCvrtisClark,M.TvlliCiceronisOrationes,1911(reprinted 1968)を参照 した。訳出に際 して、ManfredFuhrmann,MarcusTulliusCicero samtlicheReden,1.Bd.,1970,S.225を参照した。
北法63(4・169)1137 [164]
て、個 々が全 て、その一つ一つ にdolosmalusが付着 している性質の も のなのである。 そ こへ きて、あなた方は、その事件が概 して、その犯罪 が全体 としてdolomaloな くして実行 された、と判断なされるのか ?」。
少 な くとも、 この文脈 において語 られてい るdolusが詐欺 を意味 して い ない ことは明 らかである。dolusは主観 的要件 の意味 も併せ持つ概念 であったのである22。
②故意の意味
主観 的要件 を意味す るdolusは、 ローマ法 において も見出される。 例 えば、次の法源が挙 げ られる。
D.47,8,2.:法務官 は次の ように述べ る。 誰かある者が召集 された 者 たちによってdolomaloに損害 を加 え られるにせ よ、誰かある者 の 財産が略奪 されるにせ よ、申 し立て られたな ら、私 は再び、そ うした ことを為 した として申 し立て られた者 を、その場合 に訴 え得 る可能性 がある時か ら 1年以内な ら4倍額の決定 を下 し、 1年後 な ら1倍額の 決定 を下す ‑ ・23。
D.47,8,2,2.:告示が示 しているように、略奪す る者 だけではな く、
22この意味のdolusは、既に共和政時代 (前510年頃一後27年)の主法 (Leges Regiae)においても見出される。例えば、王法の一つヌマ王の法 (le∑Numae Pompiliiregis)によれば、「自由人をdolosciensにより死に至らしめた場合、
犯人は殺人犯たるべ し」(MoritzVoigt,OberDieLegesRegiae,1.Band,1876,S.
609を参照。訳に関 して、岩田健次 「ローマ法における殺人罪」関西大学法学 論集16巻4 ・5・6合併号 (1967年)572頁を参照 した)。dolosciensは専 ら認 識され意欲された行動(bewu飢eundgewollteHandeln)を意味 していた(Kaser,
a.a.0.(Fn,16),S.628)。なお、王法に関しては、岩田健次 「主法」久保田正幡 発生還暦記念 出版準備会 (蘇)『西洋法制史料選Ⅰ古代』(1981年)3頁以下 を 参照。
23praetorait:Sicuidolomalohominibuscoatisdamniquidfactum essedicetur sivecuiusbonaraptaessedicentur,ineum ,quiidfecissedicetur,iudicium dabo….
[165] 北法63(4・168)1136
民事詐欺 の違法性 と責任 (2)
損 害 を引 き起 こ し、財 産 を略奪 す る 目的 を意 図 しつつ 、武装 した者 を 招 集 す る者 もdolomaloに行 動 して い るの で あ る24。
これ ら法 源 にお い て語 られ てい るdolusは、詐欺 で は な く、違法 な侵 害意 図 を意 味 してい る25。 この意 味 にお け畠 dolusは、違 法 な結 果へ 直接 に向 け られ た意 思 と して特徴 づ け られ るの で あ って26、現在 の用 語 例 に 従 えば、い わ ゆ る意 図 (Absicht)に相 当 し27、現在 の刑 法学 にお け る故 意 (Vorsatz)の起 源 で もあ る28。 要 す る に、dolusは狭 い意味 にお い て
24̀Dolo'autem ̀mdofacere'potest(quodedictum Bit)nontantum isquirapit, Seaetquipraecedenteconsilioadhocipsum hominescolligitarmatos,ut damnum detbonaverapiat.
25この点については、Pernice,a.a.0.(Fn.14),S.153を参照。 さらに、主法 を引 用する法源 も存在する。
D.48,8,1pr.:刺殺お よび毒殺 に関するコルネ‑リウス法によって、人 を 殺 めた者 は全 て責 を負 う。dolomaloによって火災 を生ぜ しめた者、人 を刺 殺するために、 または窃盗 を犯すために、武器 を携 えて俳掴 した者、官吏お よび首長 として公的手続において、無実の者が訴追 され、有罪判決 を受ける ような虚偽の告訴 を人に為 さしめた者 も、貴 を負 う。
刺殺 お よび毒殺 に関す る コルネ‑ リウス法 (LegeCorneliadesicariiset veneacis)は、前81年 に制定 された王法 である。 頭格 (°aput)は法的身分 を 意味 し (原田 ・前掲注11・46頁以下、河上正二 『歴史の中の民法 オ ッコ一 ・ベ‑
レンツ教授 「ローマ法史講義案」を基礎 に』 (2002年)126頁 を参照)、capitalis とい う形容詞 は、刑罰が死刑 ・自由の喪失 ・市民権の喪失 とい うローマ市民の 頭格 に関係する場合 に用い られる (柴田光蔵 『ローマ裁判制度研究』(1968年) 122貫の注1を参照)0
26Beschtitz,DieFahrlAssigkeitinnerhalbdergeschichtlichenEntwicklungder Schuldlehre,1.Tei1.,1907(Neudruck1977),S.48.
27FriedrichSchaffstein,DieallgemeinenLehrenvom Verbrechen,1930 (Neudruck1973),S.107.なお、意図は故意の一形態であ り、 この点について、
後述117頁 を参照。
28Besc旭tz,a.a.0.(Fn.26),S.48を参照。「故意 はローマ法の ドールスの乗船者 であって、それは常 に有責行為の特殊の ものについて使用せ られた言葉、即 ち 常に法律上非難せ られる行為 に附著する言葉である」(瀧川幸辰 『犯罪論序説』
(1938年)167頁)。
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