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子どもの影に対する興味・理解についての研究

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Academic year: 2021

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(1)

子どもの影に対する興味・理解についての研究

著者 松村 佳子, 石田 智恵子

雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

9

ページ 1‑15

発行年 2000‑03‑31

その他のタイトル Study on children's interest and understanding concerning shadows

URL http://hdl.handle.net/10105/4174

(2)

松村 佳子・石田智恵子

(奈良教育大学理科教育研究室)

Studyonchildren sinterestandunderstandingconcerningshadows

Keiko MATSUMURA al1d ChiekoISHIDA

(DepartmentofScienceEducation,NaraUniversityofEducation)

要旨:本研究では、幼稚園年長児から小学校6年生までを対象にして、子ども達が影をどのよう にとらえているのかを調査し、考察を加えた。調査方法はアンケート形式をとった。子どもの影 に対する認識は、小学校中学年を境にして変化がみられた。日常的に経験している、物が動くと 影もそれについて動くことは、年令に関係なく理解していると思える。その他の思考を伴うよう なことがらについては、影あそびなどの経験の有無はそれほど大きくは影響しないことがわかっ た。

キーワード:影に対する興味、アンケート調査、幼児児童

1.はじめに

私たちの身の回りには、あたりまえのこととして見過ごしてしまいがちであるが、改めて見直 すと不思議な現象がたくさんある。影もその中のひとつである。

影は、物体が光を遮ったために光源の反対側にできる暗い部分である。光とそれを遮る物体が あれば、誰でも見ることができる。また、物体と同じ様な形をもちながら、質感がなく輪郭のあ る平面である。そして、影は物理的な現象であるが、力学的な現象や熱学的な現象のどちらとも 異なる側面をもっている。つまり、壁に向かって投げたボールがはねかえって来るような力学的 現象とは違って、影については同じ作用がいっも同じ結果を生じさせるとは限らない。背後から 光が当たっている場合、正面の壁に向かって歩いて行くと壁に影ができるのに、横にある壁に向 かって歩いても、その壁には影ができないといった貝合である。同じ物体に光を当てても、光源 の位置、強さ、物体が置かれている場所の明るさなどによって、影そのものは大きさや形、濃さ などが変化するが、水に溶けた塩のように物体そのものに変化がおこるわけでもない。

このように、影は身近にみられ、視覚的に明確であり、絵画的にもみえる。また、光源と物体 との関係で、変化するようにも見える。これらのことから、影は、子どもが親しみ、興味をもつ 素材であるといえる。また影は、物体と光源との問の様々な条件を変化させると、即座にその効 果が観察できるので、子ども自身が予測をもって試すことが容易である。子どもの主体的な活動 が期待される対象の1つである。小学校理科では、3年生で白]なたと日かげ」や「光が物にあ たったとき」で影ふみ遊びや影のできかたを学ぶようになっており1)、国語でも文学作品「ちい ちゃんのかげおくり」2)で、影にふれた教材を学ぶ。

子どもたちの影に対する興味理解についての研究については、Kamiiand DeVries3)の教育

(3)

論は1つの有力な手がかりとなる。本研究では、近藤弘子氏の研究4)を参考にしながら幼稚園年 長児から小学校6年生までを対象に、子どもたちが影をどのようにとらえているかを調査し、考 察を加える。

2.影に対する興味・理解に対する調査 2.1.調査の概要

2.1,1.事前調査

影についてのアンケートの内容を決めるために、子どもたちが影に対してどのようなイメージ をもっているか、また幼稚園での影に関する遊びの体験について知るために、2つの事前調査を 行った。

(a)子どもたちの影に対するイメージをみるためには、連想語法を用いて1年生から6年生ま で合計22名に対して下記の調査用紙を用いて行った。

連想ゲーム

(年生) 男・女

あなたは、「かげ」ということばから、何を思いうかべますか。下に、思いついたじゅんに、

思いっいただけ書いてください。

︵  

︵  

︵  

︵  

︵  

︵  

︵  

︵  

︵  

︵ 1   2   3   4   5   6   7   8   9   1 0

(b)幼児の遊びの体験を知るためには、幼稚園教諭を対象に郵送で下記のような内容の調査を 行った。回答は31名から得ることができた。

影を使ったあそびについて

①影を使ったあそびを行ったことがあるか。

(4)

②アそのあそびの対象年齢 イあそびの動機

りあそびの内容と子どもが楽しんでいたところ

③今後の影を使ったあそびの予定

2.1.2事前調査の結果

(a)影について子どもたちが連想した言葉のうち多いものは次のようであった。

・山、森、ビル

・すずしい、暗い、明るい

・かげふみ、ふむ

・おばけみたい、ついてくる、夕方伸びて昼は短い

具体的なもの、感覚的なもの、遊びや動作に関するもの、物体と光源との関係に関するものな どがみられ、子どもの影に対する素朴なイメージや、普段どのように影をみているかがわかった。

(b)幼稚園教諭の回答結果は、次のようであった。

①幼稚園で影を使った遊びをしたことが 有(29)、無(2)

②(ア)対象とした年齢 4歳児(13)、5歳児(31)

(イ)影を使ったあそびを行おうとした理由

1、子どもに影を使ったあそびのおもしろさを体験してほしかった(23)

2、子どもが影に興味をもっていたから(12)

3、園の指導計画の中に組み入れられていたから(2)

4、その他(4)

(ウ)影を使ったあそびの内容

影絵あそびや影ふみがほとんどであった。

③今後影を使ったあそびを行う予定 有(25)、無(5)、わからない(1)

このように、幼稚園では影を使ったあそびが多く取り入れられ、楽しく遊んでいる様子がうか がえる。しかし、影を作っている物体やその影の形を楽しむところに止まっており、光と影の関 係にまでは及んでいない。

これらの調査結果から幼児から小学6年生までに行う調査の内容を考えることにした。

2.2.本調査の内容

事前調査の結果より、ものの影のできかたを、ものと光源の条件を様々に変えた場合にどうな るかに焦点をあてた問題を作成した。子どもが考えやすいように、身近なものや経験を取り入れ るようにした。

子どもに問いたい内容は次のようなことである。

①影を使ったあそびをしたことがあるか。

②物体が光を遮ると、その影は光源に対してどの方向にできるか。

③光源から物体がおかれている場所までの距離を変えると影の大きさほどうなるか。

④物体に光をあてたときにできる影の形はどうか。

⑤物体の色や素材を変えるとできる影の濃さほどうなるか。

(5)

⑥物体が動くとその影はどうなるか。

⑦光の存在と影との関係(物体が真っ暗な場所に入るとその影はどうなるか)。

⑧影について思ったこと、考えたこと。

実際に用いた調査用紙は、低学年用、中学年用、高学年用を用意した。内容は同じにしたが、

漢字の使い方を変えた。その1例を資料1に示す。

資料1

アンケート(小学校中学年)

()年生  男・女

始める前に

あなたの考えに、一番近い番号に○をつけて下さい。

あまり考えすぎずに、進んで下さい。

①あなたは、かげをっかった遊びをしたことがありますか。

1,はい    2,いいえ

②りんごがあります。絵のようにスタンドで光を当てると、かげはどこにできると思いますか。

2搬3二転からない○

③同じ大きさの2本のえんぴっを、絵のようなところにおきます。アのえんぴっのかげも、イの えんぴっのかげも、かべにうつりました。そのかげはどうなると思いますか。

1,同じ大きさのかげができる。

2,アのえんぴっのかげの方が大きい。

3,イのえんぴっのかげの方が大きい。

4,わからない。

(6)

④トイレットペーパーのしんがあります。絵のようにスタンドで光を当てると、どのかげができ

ると思いますか0      1        2 __________,

了酷肺

⑤黒い紙と白い紙とすき通ったガラスがあります。絵のようにスタンドで光を当てると、3つ のかげはどうなると思いますか。

避こ

1⊥ 4

. .

V

l

盟こ □白

黒いかげ   2,はい色のかげ   3,うすいかげ かげはできない   5,わからない

1,黒いかげ   2,はい色のかげ   3,うすいかげ い紙4,かげはできない  5,わからない

避二 nガラス

1,黒いかげ   2,はい色のかげ   3,うすいかげ 4,かげばできない   5,わからない

⑥よく晴れた日のうん動場にあなたは立っています。あなたが動くと、あたなのかげはどうなる

と思いますか。

1,そのまま動かない。

2,いっしょについてくる。

3,きえる。

4,わからない。

(郭まっ暗なへやの中に入ると、あなたのかげはどうなると思いますか。

1,見えないけれど、あなたのそばにある。

2,あなたの体の中に入る。

3,どこかにかくれる。

4,かげはできない。

5,わからない。

(7)

⑧あなたがかげについて恩ったこと、考えたことを、自由に書いて下さい。

2.3.調査対象と調査時期

調査には、幼稚園1園、小学校3校の協力を得た。調査対象の内訳は、表1に示す。

調査時期は、平成11年9月から10月にかけてであった。

表1 調査対象 学年の内訳(名)

小 学 校 計 総 

幼 稚 園 4 5

76 7

低 学 年 1 5 7 1 年 生     9 9

2 年 生     5 8

中 学 年 2 6 5 3 年 生

4 年 生

1 3 0 1 3 5

7 2 2

高 学 年 3 0 0 5 年 生

6 年 生

1 3 0 1 7 0

2.4.調査方法

幼稚園年長児と小学校1年生とは、文章を読みながら答えることが困難と考えられるため、資 料1に示す各問いごとの絵を1枚ずつの用紙に書き、それを見せながら紙芝居風に問題の説明を し、選択肢から各自自分の答えを選んで挙手によって答えてもらった。2年生以上については、

文章を読みながら、用紙に記入してもらった。

3.結果と考察

本調査の結果を学年によるちがいは何かについて考察する。また、関連する単元の学習の有無 によるちがいをみるために、3学年理科1)で「日なたと日かげ」「光がものにあたったとき」や、

国語で「ちいちゃんのかげおくり」2)を学習するので、3学年と4学年の差を見、影遊びの経験 の有無によるちがいも見ることにする。

3.1.学年によるちがい

①影を使ったあそびの体験の有無

(8)

体験有とする割合は、幼稚園(40%)、低学年(68%)、中学年(91%)、高学年(90%)と なり、中学年以上では、差が見られない。

②物体が光を遮ると、光源に対して影のできる方向を問う問題 結果は、図1のようになった。

②りんごがあります0絵のようにスタンドで光を当てると、かげはどこにできると思いますか。

2譲3

5 わからない。

\ \

幼稚園テ〒干Il・一十二±・本鞋LL勅\轟i

■■■喜− ■→■− ・‥・

す.==_!.:

図1問2の答の分布

幼稚園から小学校低学年の間に大きな差が見られる。様々な学習による効果と発達による影響 であろう。

7

(9)

③光源から物体までの距離のちがいによる影の大きさを問う問題 結果は、図2のようになった。

③ 同じ大きさの2本のえんぴっを、絵のようなところに置きます。アのえんぴっのかげも、

イのえんぴっのかげも、かべにうつりました。そのかげはどうなるとおもいますか。

避二日ア

1,同じ大きさのかげができる。

2,アのえんぴっのかげの方が大きい。

3,イのえんぴっのかげの方が大きい。

4,わからない。

図2 問3の答の分布

正答は2である。正答率は幼稚園が27%と低く、小学校低学年になると49%に増え、後は徐々 に増加する。

子どもたちはこの絵からどのように解釈したのだろうか。InhelderandPiaget5)は、物体の 大きさとその影の大きさから、物体と光源の間の距離と、物体とスクリーンとの間の距離のどち らに着目するかについて研究した。Mary.Sによると、7〜16歳のうち、年齢の後半の子どもた ちは、ものと光源の距離に着目するのに対して、前半の子どもたちは、ものとスクリーンの距離

(10)

に着目するという6)。調査対象にした子どもたちは、前半の年齢に属する。どちらの距離に目を 向けるのか、どちらから見ればよいのか迷ったのかもしれない。

次に1を選んだ割合をみると、幼稚園が48%、低学年31%、中学年5%、高学年6%となり、

低学年と中学年の間で大きな差が見られる。低学年の子どもは、ピアジェのいう前操作的思考段 階に属し、考え方が中心化の時期にある7)。この時期の子どもは、2つの物体がまったく同じ大 きさであるという一部の特性にだけ目を向ける。つまり、物体が同じ大きさなら、光源からの距 離に関係無くできる影も同じ大ききになると考えるのである。中学年になると、脱中心化の時期

になる7)。知覚に惑わされること無く、2つ以上の属性を同時に考慮できるようになる時期には いる。1を選ぶ割合に差が出るのは、この思考能力の質的な差の現われと見てよいであろう。

④光を物体にまっすぐに当てると、できる影の形はどうなるかを問う問題。

結果は、図3のようになった。

④トイレットペーパーのしんがあります。絵のようにスタンドで光を当てると、どのかげがで きると思いますか。

正難l=

幼稚園 低学年 中学年 I 高学年

1

56% l   27%

l ト \」\ \

77% 血渕3

5 5 % ㌣四黙 姐 患押 冊畔

こユu品一山[

l_ilに Fl1°ふ㍊高山㍊禅骨l?r間;P脚 Jと

瀾 3

】 /i i i月

5 3 %

LL, L 脱 転∴ 5 %

[ l

図3 問4の答の分布

(11)

正答率は、低学年が1番高く他はあまり変わらない。たぶん直感的に判断した結果であろう。

中学年以上では、影ができている面が床と壁の2つの部分から成るために、壁に移った影だけを みて同じ大きさ・形と判断すべきか、壁と床の2つの面の影を合わせて考えるべきか迷ったので あろうと考える。これは、2を選んだ率が中学年から急に増えていることからも考えられる。

⑤物体の色や素材によるできる影の濃さの違いを問う問題。

黒い紙と白い紙に対する答えの結果を図4a、図4bに示す。

⑤黒い紙と白い紙とすき通ったガラスがあります。絵のようにスタンドで光を当てると、3つ のかげはどうなると思いますか。

避二義黒い紙

1,黒いかげ 2,はい色のかげ 3,うすいかげ 4,かげはできない 5,わからない

図4a 黒い紙による影についての答の分布

10

(12)

⑤卦

幼稚園 低学年 中学年 高学年

黒いかげ はい色のかげ うすいかげ かげはできない わからない

28% 27%

39 % 仙jJu. ∴ ̄ 23%

44 % 脳 阻∴F 2 6%

l \ i

50% 豊洲

k,h 24%

j   】 1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90 1 0 0

1 2 3 4 5■ 田 口 m 事

図4b 白い紙による影についての答の分布

黒い紙に対する中学年の正答率が低学年や高学年のものよりも低い。また、4、影はできない を選んだ率が高くなっている。これは、3学年の「光がものに当たったとき」の単元で、黒いも のは太陽の光があたると温まりやすいことを学ぶので、何か勘違いをおこした子どもがいたのか もしれない。

白い紙については学年が上がるごとに正答率が高くなっている。色が変わってもものが同じな ら、影の濃さは変わらないということを徐々に理解できるようになってくるのであろう。

ガラスによる影についての結果を図4Cに示す。

11

(13)

幼稚園 低学年 中学年 高学年

⊂]

ガラス

1,黒いかげ 2,はい色のかげ 3,うすいかげ 4,かげはできない 5.わからない

j   】 j   l   j m 瀾鋸 24% 16%

J/

52% 32%

/ / / l

51% 33%

//γ l

56% 34%

l l l   l   l

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

0

0%09 1 2 3 4 5

図4C ガラスによる影についての答の分布

小学生になると、幼稚園の子どもよりも正答率が2倍以上になる。透明で光をほとんど通すも のであっても、影はできるという概念ができてくるものと思われる。

⑥物体の移動と影の関係を問う問題。

答えは、2、いっしょについてくる、というのがすべてにおいて90%以上であった。日常的に 体験していることであり、子どもたちにとって影がっいてくることは周知の事実であるようだ。

⑦物体が真っ暗な場所に入ると影はどうなるかを問う問題。

結果は、図5のようになった。

12

(14)

⑦真っ暗な部屋の中に入ると、あなたのかげはどうなると思いますか。

見えないけれど、あなたのそばにある。

あなたの体の中に入る。

どこかにかくれる。

かげはできない。

わからない。

,.亨. .『筑≡

図5 問7の答の分布

正答率は、幼稚園から中学年まで減少し、高学年になるとやや増加するが、それでも幼稚園児 のものが1番高い。幼稚国児は真っ暗な場所では影はできないと素直に答える。しかし、学年が 上がるほど、真っ暗な場所ではものの影は確かに見えないが、本当は出来るのかもしれないと考 えてしまうのではないか。ものが動くとその影はものについてくるという前問の答えから、いっ でももののそばに影があると恩ってしまったのであろうと考えられる。

⑧については、ここでは省略する。

13

(15)

3.2.学習の前後における差

ここでは、3年生と4年生の正答率の差を見ることにする。結果は、表2に示すようになった。

表2 関連単元学習前後における比較 正答率表(%)

黒 い 紙 白 い 紙 ガう ス

3 年 生 7 7 5 6 5 4 4 0 4 5 4 1 9 6 6 0

4 年 生 9 2 4 8 5 6 5 4 4 5 6 3 9 7 6 9

影に関する単元を学習した後のほうが、影に対する正しい認識ができ正答率が高くなると予想 したが、結果は、すべてがそうではなかった。

学習内容をそのまま活用できるものとそうでないものとがあるからであろう。問題②、⑤、⑦ で4年生の正答率が高くなっている。これらは、学習内容をそのまま活用できる問題であると考 えられる。しかし、4年生の段階ではまだ、光(光源)と影との関係を一般化できないので、学 習した内容を組み合わせたり、発展させたりすることは難しいようである。

3.3.影遊びの体験による差

ここでは、小学校中学年と高学年の児童に対する遊びの体験の有無による、問題②、③、④、

⑤、⑥、⑦の正答率の差のみについてみることにする。

結果は、表3のようになった。

表3 影遊び体験の有無による比較 正答率衰(%)

黒 い 紙 白 い 紙 ガ ラ ス

中 学 年   8 5 54 5 2 4 7 44 5 3 9 7 6 5

8 3 2 9 7 9 4 5 5 0      3 8     1 00 6 2

高 学 年   9 2 6 6 5 3 6 4 4 9 5 8 9 8 7 7

8 0 4 1 5 9 4 1 5 6 4 5 1 0 0 7 0

体験があるはうが正答率が高くなっているものが多いが、問題④、⑤の白い紙、⑥については、

経験有のはうが少し低くなっている。この原因についてはよくわからないが、白い紙の場合は経 験があり知っているから考えすぎたり、間違った解釈をしたりしたのかもしれない。

4.まとめ

物体と光(光源)との関係に注目して、影を幼児児童がどのように見ているのかを、アンケー ト形式で調査し、結果を考察した。その結果、正しい答えを選ぶ率については、子どもの認識の 発達にともない、思考能力の質的変化のおこる小学校中学年を境にして、変化がみられた。しか

し、日常的に経験していること(物体が動くと影もついて動く)は、年齢による差はほとんどみ られなかった。その他の思考を伴うような問いについては、影あそびなどの経験の差はそれほど

14

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大きくはないこともわかった。

本報告では触れなかったが、自由記述で書かれた子どもたちの思いや疑問は興味深いものがみ られた。今後はそれらを参考にして、各々の年齢に応じた影についての興味・理解を深められる 活動プランを作りたいと考えている。できれば現場で実践をしてもらいたいと思っている。

参考文献

1)「新訂 理科3年指導書 第2部 指導と研究」啓林館(平成7年)

2)「小学校国語学習指導書 3下 あおぞら」光林図書(平成8年)

3)「ピアジェ理論と幼児教育」Kamii,C.andDeVries,R.チャイルド本社(1980)

4)「子どもの影概念の発達を促す活動」近藤弘子 日本教育心理学会(平成5年)

5)「Thegrowthoflogicalthinkingfromchildfoodtoadolescence.」

Inhelder,B.&Piaget,J.;NewYork:BasicBooks(1958)

6)「子どもの目から見た世界一ピアジェの認識理論の実際−」M.サイム,誠信書房(1982)

7)「理科教育辞典一教育理論編−」大橋秀雄、戸田盛和編、大日本図書(平成3年)

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