子どもの問題行動に対する母親の認知 -子ども虐待予防の視点から- [ PDF
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(2) から「肯定的認知」6 項目、「被害的認知」5 項目、「否定的. るように感じるのではないかと考えられる。. 認知」4 項目の計 15 項目を用いた(5 件法)。0∼2 歳児の. 2)子どもへの行為の検討. 子どもの問題行動場面は、予備研究をもとに作成した。. < 因 子 分 析 > 因子分析の結果を Table1 に示す。. ②子どもへの行為母親の虐待傾向を捉える「虐待的行. Table1子どもへの行為 因子分析結果(重みなし最小二乗法,バリマックス回 転)( 累積寄与率 35.84%) 項目 因子Ⅰ 因 子Ⅱ 因 子Ⅲ 共通性. 為」6 項目(中谷・本城,2005 を参考に、暴力的行為とネグ. <因 子Ⅰ:愛情表現的行為> 9.考えや 気持ちを理解してあげることがあった 13.そばにいて安心させてあげることがあった 11.困っているとき、助けてあげることがあった 4.よいところをほめてあげることがあった 2.身体接触 を楽しむことがあった 7.一緒に遊んであげることがあった 1.元 気かどうか 気にかけてあげることがあった <因子 Ⅱ:暴力的行為> 3.顔 を平手打 ちすることがあった 10.頭 を叩くことがあった 12.物 を投げつけることがあった <因子 Ⅲ:回避的行為> 6.泣いても放っておくことがあった 5.子どもを無視 することがあった. レクトを想定して作成)と、 子どもへのポジティブな行為 を捉える「愛情表現的行為」 7 項目(大日向 ,1988;繁多 ら,2001 を参考に作成)の計 13 項目を用いて、それぞれ 頻度について尋ねた(5 件法)。 ③10 答法母親が子どものどのような側面を理解してい るのかを把握するために、「この子は」で始まる 10 の文章 を完成させる記述を求めた。. 0.64 0.59 0.52 0.48 0.46 0.43 0.35. - 0.05 - 0.08 0.04 - 0.09 - 0.27 - 0.14 - 0.02. - 0.20 0.01 - 0.12 - 0.13 - 0.13 - 0.10 0.02. 0.46 0.35 0.29 0.26 0.30 0.21 0.12. - 0.08 - 0.13 - 0.04. 0.77 0.62 0.42. 0.05 0.15 0.23. 0.60 0.42 0.23. - 0.18 - 0.11. 0.17 0.20. 0.71 0.66. 0.57 0.50. 1.86 15.46 α =.70. 1.33 11.04 α=.63. 1.12 9.33 α=.69. 3.結果と考察. 因子寄与 寄与率(%) 信頼性係数. 1)子どもの問題行動に対する母親の認知の検討. <子どもの年齢による分析>「愛情表現的行為」「暴力的. <因子分析 >中谷・本城(2005)と同じ「肯定的認知」「被. 行為」「回避的行為」の平均値について、 子どもの年齢によ. 害的認知」「否定的認知」の 3 因子が抽出された。. る差を検討した結果、「暴力的行為」においてのみ有意差. <子どもの年齢による分析> 「肯定的認知」「被害的認. が見られた(F(3,202)=11.52,p<.001)。 多重比較(Tukey. 知」「否定的認知」の平均値について、 子どもの年齢による. 法)の結果を Figure4 に示す。 年齢が上がるにつ. <.001)、「被害的認知」(F(3,194)=5.01,p<.01)、「否定. れて暴力的行為の頻度. 的認知」(F(3,195)=3.17,p<.05)において有意差が見ら. が高くなる傾向が見ら. れた。多重比較(Tukey 法)の結果を Figure1∼3 に示す 。. れ、仮説 1 は支持され. Figure1 肯定的認知年齢別得点. *. * *. 4.6. *. 1.8. 4.2 4.0 3.8 3.6 3.4. *. *. *. 1.6 1.4 1.2 1.0. 0 歳児は、母親が. た。0 歳児が、母親か. まだ子育てに慣れて. ら暴力的な行為を受け. いない時期であるた. る可能性はほとんどな. め、子どもの行動に. く、2 歳児になると増えることが明らかになった。0 歳と. 対して悩んだり戸惑. いう年齢は、子どもも小さく、母子密着の時期であるこ. うことが多いと考え. とから、暴力的行為が生じにくいのではないかと考えら. られる。1 歳児は、. れる。しかし、2,3 歳になると、子どもがある程度成長. 子育てや子どもに慣. して大きくなることや、しつけの範囲として暴力的な行. れてきた時期であり、. 為が生じているのではないかと考えられ、荻原・岩井. 子どもの問題行動に. (1998)や樋口ら(2004)が示した結果と一致していた。乳. 対して、子どもの成. 児期に多い虐待死の問題は、0 歳児への暴力が要因であ. 長として捉えられる. ることを考えると、虐待する母親は、乳児と密着した中. 側面が大きくなって. でよりストレスを抱えていることが予想され、出産前か. いる。2 歳児におい. らの継続した心理的ケアが必要であると考えられる。. ても、その傾向は高. 3)母親の認知が子どもへの行為に及ぼす影響. 0.8 0.6 0.4 0. *. 4.4 肯定的認知平均値. Figure4暴力的行為年齢別得点 2.0 暴力的行為の平均値. 差を検討した結果、「肯定的認知」(F(3,196)=15.43,p. 1. 2. 3. 年齢 p<.05. 3.2 3.0 0. 1. 2. 3. 年齢. p<.05. Figure2 被害的認知年齢別得点. *. 被害的認知平均値. 1.8. *. 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0. 1. 2. 3. 年齢. p<.05. Figure3 否定的認知年齢別得点. 否定的認知平均値. 3.2. *. 3.0 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 0. 1. 2 年齢. 3 p<.05. まり、子どもの視点. 母親の認知が子どもへの行為に及ぼす影響を検討する. から子どもの行動を. ために重回帰分析(強制投入法)を行った。重回帰分析に. 捉えられるようになってくる様子がうかがわれる。しか. 基づくパス図を Figure5 に示す。. し、3 歳児では、肯定的認知は低くなり、被害的認知や. 子どもの問題行動に対して肯定的な捉え方ができる. 否定的認知が高まっている。この時期は、子どもの自我. 母親は、母親自身がゆとりをもっていたり、周囲からサ. がしっかりしてくる時期であることから、反抗や自己主. ポートを受けやすい環境にいることが考えられ、そのた. 張が激しくなり、より子どもがわざと自分を困らせてい. め、子どもに対してポジティブに関わることが多いと考 2.
(3) えられる。また、被害的に認知している母親は、暴力的. あることを考えると、子ども理解の側面から、母親のリ. 行為と回避的行為の頻度が高いことが示され、仮説 2 は. スク要因を検討できるのではないかと考えられる。母親. 支持された。 子どもの行動を被害的に受けとめる母親は、. の多様な子ども理解の側面を捉えることができたと考え. 中谷・本城(2005)が述べたように、 ストレスに対して適切. られ、10 答法の有用性が示されたと考えられる。. な対処ができていないことが考えられ、日常生活の中で. 5)10 答法による虐待的行為を和らげる要因の理解. も、子どもに対する怒りのコントロールが難しく、スト. 虐待傾向得点(「暴力的行為」と「回避的行為」の合計得. レス発散のはけ口が子どもへの暴力となって表れていた. 点)を算出し、得点の高い上位 20 名をH群、低い下位 20. り、ストレス対処の方法として子どもとの関わりを避け. 名をL群とし、10 答法の内容を比較検討した。. ている可能性が考えられる。 子どもの問題行動に対して、. 虐待傾向H群は、子どもの性格についての記述が多か. 悩んだり戸惑いを感じたり、否定的に認知する母親は、. った。「あまのじゃく」「悪ガキ」「わがまま」のように子ど. 子どもとの関わりの中で、ストレスフルな状態にいるこ. もが持つ側面に対してネガティブに評価するという特徴. とが推測され、子どもとの関わりを避けることが、スト. が見られた。また、「落ち着きがない」「成長が少し遅い気. レス対処法になっている可能性が考えられる。. がする 」のように発達面に対する心配や「たまに疲れる」. 肯定的認知. 被害的認知. .29* * *. 愛情表現的行為 ( R2=.15). .30* * *. 暴力的行為 ( R2=.08). 「将来が心配な子」といった母親のネガティブな気持ちが 表現されていた。子どもへのネガティブな気持ちを日頃 から抱えていることが示され、子ども理解の側面に影響. .27* * 否定的認知. 回避的行為 ( R2=.11). .18*. を及ぼしていると考えられる。一方で、子どものポジテ ィブな側面に関する記述や子どもへのポジティブな気持. F i g u r e5 母 親の認知が子どもへの行 為に及 ぼす影響. 4)10 答法の検討. ちも見られ、子どもに対してネガティブなだけでなく、. <記述個数の検討>0∼10 と広く分布しており、10 より. 合わせてポジティブな見方もしていると考えられる。. 多く書く人も見られた(M=7.32、SD=2.84)。子どもの多. 虐待傾向L群は、カテゴリー内容の多様さが特徴と考. 様な側面を理解できている母親もいれば、そうでない母. えられ、子どもを多面的に理解している母親であること. 親もいることが考えられる。. がうかがえる。また、子どもの好きなもの、好きなこと. < 質的検討 > 内容の分析を行っ た結果、川 瀬・松本. に関する具体的な記述(「かぼちゃが好き」「歌が好きで、. (1997)が示した、外面的・表面的特徴に関する記述、心理. 歌がかかると身体を動かす」など)が多く、子どもの視点. 的特徴に関する記述に加えて、母親と子どもとの関係に. に立って、日頃から子どもが喜ぶことや好きなものを理. おける、母親の子どもへの気持ちに関する記述が新たに. 解していると考えられる。 性格についても、 「いつも元気」. 抽出された(Table2)。. 「何でも楽しめる性格」「元気だけど比較的おとなしい子」 健 康 ・発達面. のようにH群より記述が具体的であるものが多かった。. の特徴が示され. まとめると、虐待傾向の高低によって、記述内容の多. たことから、母. 様性や視点に違いが見られた。L群は、H群よりも子ど. 親の基本的関心. もの視点で子どもの側面を多面的に理解できる母親が多. が子どもの健康. く、子どもとの関わりにおいても子どもの気持ちを推測. 面や発達面に向. する力があると考えられる。また、発達面や性格に関す. いていることが. る記述から、H群とL群とでは、子どもとの関わりづら. 考えられる。また、性格には多数の内容が含まれ、母親. さや子ども理解の難しさの程度が異なるのではないかと. は子どもの性格を子どもが小さいうちから母親なりに理. 推察される。子ども側の要因も含めて、子どもの視点で. 解して関わっているということが推察される。子どもへ. 子どもの多様な側面について、母親の理解を促していく. の気持ちに関する記述においては、ポジティブな内容、. 援助が重要であると考えられる。. ネガティブな内容、その他の 3 つの下位カテゴリーが示. 【第2研究】. T a b l e 2 10 答 法 内 容 の 各 カ テ ゴ リ ー の 合 計 カテゴリー 1 )子 ど も の 外 面 的 ・表 面 的 特 徴 ① 身 体 的 特 徴 ② 健 康 ・発 達 面 の 特 徴 ③ 嗜 好 ・趣 味. 計 625 47 239 281. ④ 行 動 パ タ ー ン ⑤ 他 者 評 価 ⑥ そ の 他 2 )子 ど も の 心 理 的 特 徴 ① 性 格 ② 対 人 関 係 ③ そ の 他 3 )M o .の 子 ど も へ の 気 持 ち ① ポ ジ テ ィ ブ な 内 容. 34 12 12 744 599 126 19 186 154. ② ネ ガ テ ィ ブ な 内 容 ③ そ の 他. 23 9. され、 ポジティブな内容のほとんどが、 「かわいい」「大事」. 1.目的. という記述であった。10 答法により、「我が子はかわい. 面接調査を通して、 子どもの問題行動への対応の仕方、. い」という母親の気持ちが引き出されたが、「我が子をか. 子どもの問題行動に対するイライラした気持ちをおさめ. わいく思えない」ということが、 虐待をする母親の特徴で. る方法について探索的に検討する。 3.
(4) 2.方法. まうのではないだろうか。このことは、育てにくいとい. 1)調査対象:0∼2 歳児を持つ母親 19 名(M=32.37、SD. った子ども側の特性や子ども理解の難しさが、虐待の発. =3.76)。子どもの年齢での内訳は、0 歳児 5 名、1 歳児. 生と関連していると考えられる。母親に対して、子ども. 8 名、2 歳児 6 名であった。虐待傾向得点の平均値を基準. の特性を理解した関わりを促すことや母親の苦労を理解. に、虐待傾向H群 7 名、虐待傾向L群 12 名とした。. し受けとめるサポートが重要であろう。. 2)面接内容を Table3 に示す。. 虐待傾向L群では、子どもの気持ちに寄り添う働きか けや気分転換を促す働きかけが多く示された。また、子. Table3 半構造化面接質問項目 テーマ. 質問項目. ①子どもの問題行動. 子 育ての中 で、イライラしたり、ストレスを感じたりすることはありますか。. どもと距離を置くことで落ち着くという方法も見られた。. どのようなお子さんの行 動に対してイライラしますか。. 子どもが問題行動を示しているときでも、子どものかわ. 最 近の具体的なエピソードを聞 かせてください 。 ②子どもの問題行動 に対 する対 応 そのとき、お子さんに対してどのように対応されましたか。 ③子どもの反 応. お子さんはどうしていましたか。. ④子どもの気 持ちの推 測. どうしてそのようにしていたと思いますか。. ⑤対 応 後の気持ち. 対 応する中 で、お母さんのイライラはどうなりましたか。. いい側面に目を向けていたり、子どもを中心に考えて対 応していることもL群の特徴であると考えられる。. → イライラがおさまる → イライラがおさまらない ⑥振り返 り方. 今 、振り返ってみて、どのように 感じますか。. ⑦今後 の対応について. 今 後の対 応について聞 かせてください 。. また、H群L群に共通して、子どもを叱った後に「か わいそうなことをした 」「怒りすぎた」と反省したり振り. (イライラをおさめる方 法) ⑧子育 てを続けていける要因. 子 育てを続 けていけるのは、お母 さん自身の 中に、どういう気持ちがあるからですか。. ⑨サポート について. 今 あるサポートやもっとあればいいなと思うサポートについて聞かせてください。. 返る様子が示された。虐待傾向に関わらず、ほとんどの. 3.結果と考察. 母親が少し時間を置くことで、気持ちを切り替えること. 1)面接による虐待的行為を和らげる要因の理解. ができると考えられる。. 子どもの問題行動への対応についてまとめた結果を. Table5 イライラを お さ め る方 法. Table4、 イライラをおさめる方法の結果を Table5 に示す。 Table4 子 どもの 問 題 行 動 へ の対 応 と対 応 後の 気 持 ち 問題行動. 対応. H 0歳 夜 泣き. 文 句を言う. 群. 放 っておく. 自 分 より子 どもを優 先 す る 子 ど も の 可 愛 い 反 応 を引 き出 す 子 ど も の 気 持 ちを口 に 出 す. 対 応 後 の 気 持ち(イライラ はどうなるか ) おさまらない. < 子 どもに 対 す る工 夫 >. 「 いつまで 泣 く気 か な」と思 う 寝 たら、かわいそうなことをしたと思 う. 気 を紛 ら わ せ る. 言 葉で説明 する 距 離 を置 く. 出 してイライラを解 消す る. 怒 る よ り褒 め る 放っておく. 1歳 対 人トラブル. 頭 を叩 く. おさまる. 冷 静 になって反 省す る. < 自 分 に 対 す る工 夫 >. 2歳 対 人トラブル. 言 葉 で教える. おさまらない. 子 どもが 叩 く の を や め れ ば、落ち着 く. 時 間 を置 く 時 間 的 に余 裕 を 持 つ 寝 顔 を見 な が ら反 省 す る 「 も う い い や 」と い う気 持 ち. 1歳 食 事 場 面. 言 葉 で教える. おさまる. 気 持ちに寄 り添う. (お 友達 を叩 く). 「 仕 方な い わ ね、困 った子ね 」と言 葉 に. 叩 き続 け れ ば 泣 きたくなる. 2歳 反 抗・自 己 主 張. 文 句を言う. おさまらない. 子 どもが 落 ち着 か な い 限 りおさまらない. 2歳 反 抗・自 己 主 張. 言 葉 で教える. おさまらない. カーッとなる. 時 間を置い て叱る. おさまる. 自 分 が落 ち着 けば 子どもも 落ち着 く. L 0歳 泣き・ ぐ ず り. 気 持ちに寄 り添う. おさまらない. 自 分 の 作 業 中 は イライラす る. < サ ポ ー ト> Mo.友 達 と話 す. 専 門 的 なアドバイス を聞 く. 群. 食 べ 物で機 嫌 をとる. 作 業 が 終わ れ ば 、後 悔・ 反 省す る. 夫の 協力. 実 家のサポート. 気 分 転 換す る. 外 に出る. 家 事 を手 抜 き す る. 無 視す る. 気 持ちに寄 り添う. おさまる. 言 葉 で教える. おさまる. 気分転換 気 持ちに寄 り添う. 色 ん な部屋 を歩くことで、気 分 が変 わ る. おさまる. 怒 りすぎたと反省 す る. 文 句を言う. おさまらない. 笑 っ て る か ら か わ い い け ど「 早 くして」. 玩 具 で機嫌 をとる 話 しかける. ポートを利用する 子どもの理解を促. 【まとめと今後の展望】. 距 離を置く 2歳 反 抗・自 己 主 張. い工夫、周囲のサ. と考えられる。. 気分転換 1歳 イタズラ行動. 身がイライラしな. 態でいられるようにサポートしていくことが必要である. 笑 い顔 を見ると憎 めない おさまる. 応の工夫や母親自. の関わりを工夫するだけでなく、母親自身が安定した状. 怒 りを通 り越 している「もういいや 」 元 気 に育 ってくれてる分 寛 大 に な れ る. 1歳 泣き・ ぐ ず り. は、子どもへの対. したり、子どもへ. 怒 っても解 決しない うまく寝 せ て あ げ な き ゃ. 1歳 食 事 場 面. める方法について. ことがあげられた。. 放 っておく 1歳 夜 泣き. イライラをおさ. 本研究では、子どもの問題行動の年齢的特徴を明らか. 「 後 一 歩 で叩 くところだった」. 虐待傾向H群では、子どもに対して文句を言うや叩く. にし、問題行動に対する母親の認知の仕方と虐待的行為. という対応が見られ、また、放っておく、無視するとい. との関連を検討した。その結果、子どもの年齢による母. った回避的な行為も示された。一方で、子どもの気持ち. 親の認知や虐待的行為の特徴が示され、子どもの問題行. に寄り添った関わりや言葉で教えるなどの対応もしてお. 動を契機として虐待的行為が発生する可能性が示唆され. り、全てにおいて否定的な関わりをしているのではない. た。また、虐待的行為を和らげる要因について探索的に. ことが示された。また、対応後の気持ちについて「イライ. 検討し、虐待傾向H群L群の子ども理解の側面や問題行. ラはおさまらない」と答える人が多く、その理由として. 動への対応の特徴が理解された。. 「子どもが叩くのをやめれば落ち着くが、 叩き続ければ泣. 今後、子ども虐待を予防していくためには、妊娠中か. きたいくらいになる」や「子どもが落ち着かない限り、イ. らの継続した心理的ケアやサポートを充実させ、早期に. ライラはおさまらない」など、 子どもの問題行動がおさま. 虐待のリスク要因を把握していくことが必要であると考. らないことをあげている。子どもの気持ちに寄り添った. えられる。また、気軽に専門家から子育てや子どもに対. 関わりをしても、根本の子どもの問題行動がおさまらな. するアドバイスが聞けるようなサポート体制を充実させ. いので、またイライラしたり、無力感を感じたりしてし. ていくことが望まれる。 4.
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