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子どもの問題行動に対する母親の認知 -子ども虐待予防の視点から- [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)子どもの問題行動に対する母親の認知 ―子どもの虐待予防の視点から― キーワード:乳幼児. 子どもの問題行動. 母親の認知. 虐待傾向 人間共生システム専攻 田上 まどか. 【問題と目的】 1.子ども虐待の現状と本研究における定義. 4.本研究の目的. 子ども虐待の中で、最も緊密な愛着関係を結ぶことが. 本研究では、予備研究において、虐待発生のきっかけ. 予想される実母による乳幼児虐待が、最も大きな割合を. となりうると考えられる「母親がイライラしたり、 ストレ. 占めているという事実が報告されている(棚瀬,1996)。 ま. スを感じたりする子どもの行動」を子どもの問題行動と. た、 子ども虐待は、 子どもの心身両面に大きな傷を残し、. 定義し、その多様性と年齢的特徴について検討する。第. その後の発達に大きな影響を与えることが指摘されてお. 1研究では、子どもの問題行動に対する母親の認知の仕. り、虐待を未然に防ぐ予防的視点が非常に重要であると. 方と虐待的行為との関連を検討し、また、虐待的行為を. 考えられる。本研究では、「実母によって子どもに加えら. 和らげる要因として、母親が子どものどのような側面を. れた行為で、子育ての中で起こりうる程度の虐待的な行. 理解しているかについて 10 答法を用いて質的に検討す. 為」を虐待的行為と定義し、 一般の母親の対象に検討を行. る。第2研究では、面接調査を通して、母親一人一人の. なう。. 具体的な子育てのエピソードの中から、子どもの問題行. 2.子どもの問題行動と母親の認知の歪み. 動への対応の仕方、子どもの問題行動に対するイライラ. 母親が虐待に至った理由として、泣くことや反抗的行. した気持ちをおさめる方法について探索的に検討し、今. 動 と い っ た 子 ど も の 行 動 が あ げ ら れ (Frodi and. 後の育児支援につながる知見を得ることを目的とする。. Lamb,1980;樋口ら,2004 など)、子どもの行動が契機とな. 【予備研究】. って虐待が生じている可能性が考えられる。また、虐待. 0∼3 歳児を持つ母親(43 名)を対象に、子どもの問題. する母親は、子どもの行動を被害的に捉えること(池. 行動について自由記述による検討を行った。KJ法によ. 田,1987)や、子どものネガティブな側面に目が向きやす. る分類の結果、0 歳児では泣きやぐずり、1 歳児では「物. く、ポジティブな側面に気付きにくいという認知の仕方. を投げる」などのイタズラ行動、2∼3 歳児では反抗・自己. に特徴があることが明らかにされてきている。. 主張という年齢的特徴が示された。. 3.虐待的行為を和らげる要因の理解. 【第1研究】. 子ども虐待を予防するためには、虐待的行為を和らげ. 1.目的. る要因について理解していく必要があると考えられる。. 質問紙調査により、以下の仮説について検討する。. ストレスを感じたり困ったりしたときに、上手に対処で. <仮説 1>子どもの年齢が上がるにつれて、虐待的行為の. きる母親は虐待的行為に至る可能性が低い(中谷・本. 傾向は高くなるだろう。. 城,2005;白石ら,2002)と言われているが、母親が子ども. <仮説 2>子どもの年齢に関わらず、被害的な認知をしや. とのやり取りの中で、どのようにイライラした気持ちや. すい母親は、虐待的行為の傾向が高いだろう。. ストレスを和らげているのかという具体的なレベルでの. また、虐待的行為を和らげる要因について 10 答法を. 検討は少ない。子どもの問題行動に対する対応の仕方、. 用いて質的に検討する。. その時生じたイライラした気持ちをおさめる方法につい. 2.方法. て、詳細に検討する必要があると考えられる。その際、. 1)調査対象:0∼3 歳児を持つ母親 206 名(M=32.51 歳、. 虐待する母親は、子どもに対して偏った見方をすること. SD=3.93)。子どもの年齢での内訳は、0 歳児 40 名、1. が考えられるため、母親の子ども理解の側面を合わせて. 歳児 65 名、2 歳児 67 名、3 歳児 34 名であった。(有効回. 検討することが必要であろう。子どもがもつ側面につい. 答率:79.2%). て多面的に理解できれば、子どもの問題行動への対応も. 2)質問紙の構成:. 異なるものになると考えられる。. ①子 ど も の問 題 行 動に 対す る母 親 の認 知 中谷 ・本城 (2005)による、「子どもの行動に対する母親の認知尺度」 1.

(2) から「肯定的認知」6 項目、「被害的認知」5 項目、「否定的. るように感じるのではないかと考えられる。. 認知」4 項目の計 15 項目を用いた(5 件法)。0∼2 歳児の. 2)子どもへの行為の検討. 子どもの問題行動場面は、予備研究をもとに作成した。. < 因 子 分 析 > 因子分析の結果を Table1 に示す。. ②子どもへの行為母親の虐待傾向を捉える「虐待的行. Table1子どもへの行為 因子分析結果(重みなし最小二乗法,バリマックス回 転)( 累積寄与率 35.84%) 項目 因子Ⅰ 因 子Ⅱ 因 子Ⅲ 共通性. 為」6 項目(中谷・本城,2005 を参考に、暴力的行為とネグ. <因 子Ⅰ:愛情表現的行為> 9.考えや 気持ちを理解してあげることがあった 13.そばにいて安心させてあげることがあった 11.困っているとき、助けてあげることがあった 4.よいところをほめてあげることがあった 2.身体接触 を楽しむことがあった 7.一緒に遊んであげることがあった 1.元 気かどうか 気にかけてあげることがあった <因子 Ⅱ:暴力的行為> 3.顔 を平手打 ちすることがあった 10.頭 を叩くことがあった 12.物 を投げつけることがあった <因子 Ⅲ:回避的行為> 6.泣いても放っておくことがあった 5.子どもを無視 することがあった. レクトを想定して作成)と、 子どもへのポジティブな行為 を捉える「愛情表現的行為」 7 項目(大日向 ,1988;繁多 ら,2001 を参考に作成)の計 13 項目を用いて、それぞれ 頻度について尋ねた(5 件法)。 ③10 答法母親が子どものどのような側面を理解してい るのかを把握するために、「この子は」で始まる 10 の文章 を完成させる記述を求めた。. 0.64 0.59 0.52 0.48 0.46 0.43 0.35. - 0.05 - 0.08 0.04 - 0.09 - 0.27 - 0.14 - 0.02. - 0.20 0.01 - 0.12 - 0.13 - 0.13 - 0.10 0.02. 0.46 0.35 0.29 0.26 0.30 0.21 0.12. - 0.08 - 0.13 - 0.04. 0.77 0.62 0.42. 0.05 0.15 0.23. 0.60 0.42 0.23. - 0.18 - 0.11. 0.17 0.20. 0.71 0.66. 0.57 0.50. 1.86 15.46 α =.70. 1.33 11.04 α=.63. 1.12 9.33 α=.69. 3.結果と考察. 因子寄与 寄与率(%) 信頼性係数. 1)子どもの問題行動に対する母親の認知の検討. <子どもの年齢による分析>「愛情表現的行為」「暴力的. <因子分析 >中谷・本城(2005)と同じ「肯定的認知」「被. 行為」「回避的行為」の平均値について、 子どもの年齢によ. 害的認知」「否定的認知」の 3 因子が抽出された。. る差を検討した結果、「暴力的行為」においてのみ有意差. <子どもの年齢による分析> 「肯定的認知」「被害的認. が見られた(F(3,202)=11.52,p<.001)。 多重比較(Tukey. 知」「否定的認知」の平均値について、 子どもの年齢による. 法)の結果を Figure4 に示す。 年齢が上がるにつ. <.001)、「被害的認知」(F(3,194)=5.01,p<.01)、「否定. れて暴力的行為の頻度. 的認知」(F(3,195)=3.17,p<.05)において有意差が見ら. が高くなる傾向が見ら. れた。多重比較(Tukey 法)の結果を Figure1∼3 に示す 。. れ、仮説 1 は支持され. Figure1 肯定的認知年齢別得点. *. * *. 4.6. *. 1.8. 4.2 4.0 3.8 3.6 3.4. *. *. *. 1.6 1.4 1.2 1.0. 0 歳児は、母親が. た。0 歳児が、母親か. まだ子育てに慣れて. ら暴力的な行為を受け. いない時期であるた. る可能性はほとんどな. め、子どもの行動に. く、2 歳児になると増えることが明らかになった。0 歳と. 対して悩んだり戸惑. いう年齢は、子どもも小さく、母子密着の時期であるこ. うことが多いと考え. とから、暴力的行為が生じにくいのではないかと考えら. られる。1 歳児は、. れる。しかし、2,3 歳になると、子どもがある程度成長. 子育てや子どもに慣. して大きくなることや、しつけの範囲として暴力的な行. れてきた時期であり、. 為が生じているのではないかと考えられ、荻原・岩井. 子どもの問題行動に. (1998)や樋口ら(2004)が示した結果と一致していた。乳. 対して、子どもの成. 児期に多い虐待死の問題は、0 歳児への暴力が要因であ. 長として捉えられる. ることを考えると、虐待する母親は、乳児と密着した中. 側面が大きくなって. でよりストレスを抱えていることが予想され、出産前か. いる。2 歳児におい. らの継続した心理的ケアが必要であると考えられる。. ても、その傾向は高. 3)母親の認知が子どもへの行為に及ぼす影響. 0.8 0.6 0.4 0. *. 4.4 肯定的認知平均値. Figure4暴力的行為年齢別得点 2.0 暴力的行為の平均値. 差を検討した結果、「肯定的認知」(F(3,196)=15.43,p. 1. 2. 3. 年齢 p<.05. 3.2 3.0 0. 1. 2. 3. 年齢. p<.05. Figure2 被害的認知年齢別得点. *. 被害的認知平均値. 1.8. *. 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0. 1. 2. 3. 年齢. p<.05. Figure3 否定的認知年齢別得点. 否定的認知平均値. 3.2. *. 3.0 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 0. 1. 2 年齢. 3 p<.05. まり、子どもの視点. 母親の認知が子どもへの行為に及ぼす影響を検討する. から子どもの行動を. ために重回帰分析(強制投入法)を行った。重回帰分析に. 捉えられるようになってくる様子がうかがわれる。しか. 基づくパス図を Figure5 に示す。. し、3 歳児では、肯定的認知は低くなり、被害的認知や. 子どもの問題行動に対して肯定的な捉え方ができる. 否定的認知が高まっている。この時期は、子どもの自我. 母親は、母親自身がゆとりをもっていたり、周囲からサ. がしっかりしてくる時期であることから、反抗や自己主. ポートを受けやすい環境にいることが考えられ、そのた. 張が激しくなり、より子どもがわざと自分を困らせてい. め、子どもに対してポジティブに関わることが多いと考 2.

(3) えられる。また、被害的に認知している母親は、暴力的. あることを考えると、子ども理解の側面から、母親のリ. 行為と回避的行為の頻度が高いことが示され、仮説 2 は. スク要因を検討できるのではないかと考えられる。母親. 支持された。 子どもの行動を被害的に受けとめる母親は、. の多様な子ども理解の側面を捉えることができたと考え. 中谷・本城(2005)が述べたように、 ストレスに対して適切. られ、10 答法の有用性が示されたと考えられる。. な対処ができていないことが考えられ、日常生活の中で. 5)10 答法による虐待的行為を和らげる要因の理解. も、子どもに対する怒りのコントロールが難しく、スト. 虐待傾向得点(「暴力的行為」と「回避的行為」の合計得. レス発散のはけ口が子どもへの暴力となって表れていた. 点)を算出し、得点の高い上位 20 名をH群、低い下位 20. り、ストレス対処の方法として子どもとの関わりを避け. 名をL群とし、10 答法の内容を比較検討した。. ている可能性が考えられる。 子どもの問題行動に対して、. 虐待傾向H群は、子どもの性格についての記述が多か. 悩んだり戸惑いを感じたり、否定的に認知する母親は、. った。「あまのじゃく」「悪ガキ」「わがまま」のように子ど. 子どもとの関わりの中で、ストレスフルな状態にいるこ. もが持つ側面に対してネガティブに評価するという特徴. とが推測され、子どもとの関わりを避けることが、スト. が見られた。また、「落ち着きがない」「成長が少し遅い気. レス対処法になっている可能性が考えられる。. がする 」のように発達面に対する心配や「たまに疲れる」. 肯定的認知. 被害的認知. .29* * *. 愛情表現的行為 ( R2=.15). .30* * *. 暴力的行為 ( R2=.08). 「将来が心配な子」といった母親のネガティブな気持ちが 表現されていた。子どもへのネガティブな気持ちを日頃 から抱えていることが示され、子ども理解の側面に影響.    .27* * 否定的認知. 回避的行為 ( R2=.11). .18*. を及ぼしていると考えられる。一方で、子どものポジテ ィブな側面に関する記述や子どもへのポジティブな気持. F i g u r e5 母 親の認知が子どもへの行 為に及 ぼす影響. 4)10 答法の検討. ちも見られ、子どもに対してネガティブなだけでなく、. <記述個数の検討>0∼10 と広く分布しており、10 より. 合わせてポジティブな見方もしていると考えられる。. 多く書く人も見られた(M=7.32、SD=2.84)。子どもの多. 虐待傾向L群は、カテゴリー内容の多様さが特徴と考. 様な側面を理解できている母親もいれば、そうでない母. えられ、子どもを多面的に理解している母親であること. 親もいることが考えられる。. がうかがえる。また、子どもの好きなもの、好きなこと. < 質的検討 > 内容の分析を行っ た結果、川 瀬・松本. に関する具体的な記述(「かぼちゃが好き」「歌が好きで、. (1997)が示した、外面的・表面的特徴に関する記述、心理. 歌がかかると身体を動かす」など)が多く、子どもの視点. 的特徴に関する記述に加えて、母親と子どもとの関係に. に立って、日頃から子どもが喜ぶことや好きなものを理. おける、母親の子どもへの気持ちに関する記述が新たに. 解していると考えられる。 性格についても、 「いつも元気」. 抽出された(Table2)。. 「何でも楽しめる性格」「元気だけど比較的おとなしい子」 健 康 ・発達面. のようにH群より記述が具体的であるものが多かった。. の特徴が示され. まとめると、虐待傾向の高低によって、記述内容の多. たことから、母. 様性や視点に違いが見られた。L群は、H群よりも子ど. 親の基本的関心. もの視点で子どもの側面を多面的に理解できる母親が多. が子どもの健康. く、子どもとの関わりにおいても子どもの気持ちを推測. 面や発達面に向. する力があると考えられる。また、発達面や性格に関す. いていることが. る記述から、H群とL群とでは、子どもとの関わりづら. 考えられる。また、性格には多数の内容が含まれ、母親. さや子ども理解の難しさの程度が異なるのではないかと. は子どもの性格を子どもが小さいうちから母親なりに理. 推察される。子ども側の要因も含めて、子どもの視点で. 解して関わっているということが推察される。子どもへ. 子どもの多様な側面について、母親の理解を促していく. の気持ちに関する記述においては、ポジティブな内容、. 援助が重要であると考えられる。. ネガティブな内容、その他の 3 つの下位カテゴリーが示. 【第2研究】. T a b l e 2   10 答 法 内 容 の 各 カ テ ゴ リ ー の 合 計 カテゴリー 1 )子 ど も の 外 面 的 ・表 面 的 特 徴  ① 身 体 的 特 徴   ② 健 康 ・発 達 面 の 特 徴   ③ 嗜 好 ・趣 味. 計 625 47 239 281.  ④ 行 動 パ タ ー ン  ⑤ 他 者 評 価  ⑥ そ の 他   2 )子 ど も の 心 理 的 特 徴  ① 性 格  ② 対 人 関 係  ③ そ の 他 3 )M o .の 子 ど も へ の 気 持 ち  ① ポ ジ テ ィ ブ な 内 容. 34 12 12 744 599 126 19 186 154.  ② ネ ガ テ ィ ブ な 内 容  ③ そ の 他. 23 9. され、 ポジティブな内容のほとんどが、 「かわいい」「大事」. 1.目的. という記述であった。10 答法により、「我が子はかわい. 面接調査を通して、 子どもの問題行動への対応の仕方、. い」という母親の気持ちが引き出されたが、「我が子をか. 子どもの問題行動に対するイライラした気持ちをおさめ. わいく思えない」ということが、 虐待をする母親の特徴で. る方法について探索的に検討する。 3.

(4) 2.方法. まうのではないだろうか。このことは、育てにくいとい. 1)調査対象:0∼2 歳児を持つ母親 19 名(M=32.37、SD. った子ども側の特性や子ども理解の難しさが、虐待の発. =3.76)。子どもの年齢での内訳は、0 歳児 5 名、1 歳児. 生と関連していると考えられる。母親に対して、子ども. 8 名、2 歳児 6 名であった。虐待傾向得点の平均値を基準. の特性を理解した関わりを促すことや母親の苦労を理解. に、虐待傾向H群 7 名、虐待傾向L群 12 名とした。. し受けとめるサポートが重要であろう。. 2)面接内容を Table3 に示す。. 虐待傾向L群では、子どもの気持ちに寄り添う働きか けや気分転換を促す働きかけが多く示された。また、子. Table3 半構造化面接質問項目 テーマ. 質問項目. ①子どもの問題行動. 子 育ての中 で、イライラしたり、ストレスを感じたりすることはありますか。. どもと距離を置くことで落ち着くという方法も見られた。. どのようなお子さんの行 動に対してイライラしますか。. 子どもが問題行動を示しているときでも、子どものかわ. 最 近の具体的なエピソードを聞 かせてください 。 ②子どもの問題行動 に対 する対 応 そのとき、お子さんに対してどのように対応されましたか。 ③子どもの反 応. お子さんはどうしていましたか。. ④子どもの気 持ちの推 測. どうしてそのようにしていたと思いますか。. ⑤対 応 後の気持ち. 対 応する中 で、お母さんのイライラはどうなりましたか。. いい側面に目を向けていたり、子どもを中心に考えて対 応していることもL群の特徴であると考えられる。. → イライラがおさまる → イライラがおさまらない ⑥振り返 り方. 今 、振り返ってみて、どのように 感じますか。. ⑦今後 の対応について. 今 後の対 応について聞 かせてください 。. また、H群L群に共通して、子どもを叱った後に「か わいそうなことをした 」「怒りすぎた」と反省したり振り. (イライラをおさめる方 法) ⑧子育 てを続けていける要因. 子 育てを続 けていけるのは、お母 さん自身の 中に、どういう気持ちがあるからですか。. ⑨サポート について. 今 あるサポートやもっとあればいいなと思うサポートについて聞かせてください。. 返る様子が示された。虐待傾向に関わらず、ほとんどの. 3.結果と考察. 母親が少し時間を置くことで、気持ちを切り替えること. 1)面接による虐待的行為を和らげる要因の理解. ができると考えられる。. 子どもの問題行動への対応についてまとめた結果を. Table5 イライラを お さ め る方 法. Table4、 イライラをおさめる方法の結果を Table5 に示す。 Table4 子 どもの 問 題 行 動 へ の対 応 と対 応 後の 気 持 ち 問題行動. 対応. H 0歳 夜 泣き. 文 句を言う. 群. 放 っておく. 自 分 より子 どもを優 先 す る 子 ど も の 可 愛 い 反 応 を引 き出 す 子 ど も の 気 持 ちを口 に 出 す. 対 応 後 の 気 持ち(イライラ はどうなるか ) おさまらない. < 子 どもに 対 す る工 夫 >. 「 いつまで 泣 く気 か な」と思 う 寝 たら、かわいそうなことをしたと思 う. 気 を紛 ら わ せ る. 言 葉で説明 する 距 離 を置 く. 出 してイライラを解 消す る. 怒 る よ り褒 め る 放っておく. 1歳 対 人トラブル. 頭 を叩 く. おさまる. 冷 静 になって反 省す る. < 自 分 に 対 す る工 夫 >. 2歳 対 人トラブル. 言 葉 で教える. おさまらない. 子 どもが 叩 く の を や め れ ば、落ち着 く. 時 間 を置 く 時 間 的 に余 裕 を 持 つ 寝 顔 を見 な が ら反 省 す る 「 も う い い や 」と い う気 持 ち. 1歳 食 事 場 面. 言 葉 で教える. おさまる. 気 持ちに寄 り添う. (お 友達 を叩 く). 「 仕 方な い わ ね、困 った子ね 」と言 葉 に. 叩 き続 け れ ば 泣 きたくなる. 2歳 反 抗・自 己 主 張. 文 句を言う. おさまらない. 子 どもが 落 ち着 か な い 限 りおさまらない. 2歳 反 抗・自 己 主 張. 言 葉 で教える. おさまらない. カーッとなる. 時 間を置い て叱る. おさまる. 自 分 が落 ち着 けば 子どもも 落ち着 く. L 0歳 泣き・ ぐ ず り. 気 持ちに寄 り添う. おさまらない. 自 分 の 作 業 中 は イライラす る. < サ ポ ー ト> Mo.友 達 と話 す. 専 門 的 なアドバイス を聞 く. 群. 食 べ 物で機 嫌 をとる. 作 業 が 終わ れ ば 、後 悔・ 反 省す る. 夫の 協力. 実 家のサポート. 気 分 転 換す る. 外 に出る. 家 事 を手 抜 き す る. 無 視す る. 気 持ちに寄 り添う. おさまる. 言 葉 で教える. おさまる. 気分転換 気 持ちに寄 り添う. 色 ん な部屋 を歩くことで、気 分 が変 わ る. おさまる. 怒 りすぎたと反省 す る. 文 句を言う. おさまらない. 笑 っ て る か ら か わ い い け ど「 早 くして」. 玩 具 で機嫌 をとる 話 しかける. ポートを利用する 子どもの理解を促. 【まとめと今後の展望】. 距 離を置く 2歳 反 抗・自 己 主 張. い工夫、周囲のサ. と考えられる。. 気分転換 1歳 イタズラ行動. 身がイライラしな. 態でいられるようにサポートしていくことが必要である. 笑 い顔 を見ると憎 めない おさまる. 応の工夫や母親自. の関わりを工夫するだけでなく、母親自身が安定した状. 怒 りを通 り越 している「もういいや 」 元 気 に育 ってくれてる分 寛 大 に な れ る. 1歳 泣き・ ぐ ず り. は、子どもへの対. したり、子どもへ. 怒 っても解 決しない うまく寝 せ て あ げ な き ゃ. 1歳 食 事 場 面. める方法について. ことがあげられた。. 放 っておく 1歳 夜 泣き. イライラをおさ. 本研究では、子どもの問題行動の年齢的特徴を明らか. 「 後 一 歩 で叩 くところだった」. 虐待傾向H群では、子どもに対して文句を言うや叩く. にし、問題行動に対する母親の認知の仕方と虐待的行為. という対応が見られ、また、放っておく、無視するとい. との関連を検討した。その結果、子どもの年齢による母. った回避的な行為も示された。一方で、子どもの気持ち. 親の認知や虐待的行為の特徴が示され、子どもの問題行. に寄り添った関わりや言葉で教えるなどの対応もしてお. 動を契機として虐待的行為が発生する可能性が示唆され. り、全てにおいて否定的な関わりをしているのではない. た。また、虐待的行為を和らげる要因について探索的に. ことが示された。また、対応後の気持ちについて「イライ. 検討し、虐待傾向H群L群の子ども理解の側面や問題行. ラはおさまらない」と答える人が多く、その理由として. 動への対応の特徴が理解された。. 「子どもが叩くのをやめれば落ち着くが、 叩き続ければ泣. 今後、子ども虐待を予防していくためには、妊娠中か. きたいくらいになる」や「子どもが落ち着かない限り、イ. らの継続した心理的ケアやサポートを充実させ、早期に. ライラはおさまらない」など、 子どもの問題行動がおさま. 虐待のリスク要因を把握していくことが必要であると考. らないことをあげている。子どもの気持ちに寄り添った. えられる。また、気軽に専門家から子育てや子どもに対. 関わりをしても、根本の子どもの問題行動がおさまらな. するアドバイスが聞けるようなサポート体制を充実させ. いので、またイライラしたり、無力感を感じたりしてし. ていくことが望まれる。 4.

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