• 検索結果がありません。

物質工学科秋山哲也 物質工学科吉田大輔 物質工学科寺崎俊夫

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "物質工学科秋山哲也 物質工学科吉田大輔 物質工学科寺崎俊夫"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

薄板溶接材のX線残留応力測定

(平成9年12月1日 原稿受付)

物質工学科秋山哲也 物質工学科吉田大輔 物質工学科寺崎俊夫

Measurement of welding residual stress in thin

         plate by X−ray method

by Tetsuya AKIYAMA

   Daisuke YOSHIDA    Toshio TERASAKI

      Abstract

 Measurement of welding residual stress distrbutions in a thin plate was carried out by using X

−ray method. From O to 150 MPa of stress, the error was less than 50 MPa. Up to 350 MPa, it is

better to consider that the error is about 100 MPa. New method discussed in this paper is useful to obtain Brag9 s angle.

      _       ずみを測定し,応力を算定するものである。図一1に示

 1・緒言      すように応力,ひずみを定義するとき,(〃, 1, 〃z)

 造船,橋梁,車両などの溶接構造物では,高強度化,  方向のひずみは

軽量化が進み,変形や強度の面から,残留応力の推定や   ε刷勿二εガ断+εプ!+ε、・〃22+γエプ〃・1

測定が重要となっている。      +γ 、・1・勿+γ、プ勿・ん       (1)

 X線応力測定法は,金属結晶内の格子面間隔の変化を   と表される。6つの異なる(ん,1,〃2)方向について 測定してひずみを求め,弾性理論を用いて応力を求める  ひずみを測定すれば,式(1)より,x, y, z方向の6つ

方法である(1) (2)・(3)・(4)。非破壊測定であるとともに絶対測  のひずみ成分を求めることができる。一方,特殊な場合

定法で,計数管法が導入されると一躍注目されるように  を除き,一般的なX線応力測定に用いられるX線の加速

なり,セラミックスなど新材料への適用も研究されてい

      z

る(5)。厳密にX線応力測定法を行うには,結晶粒度,集

合組織,正確なX線弾性定数,正確な回折角など条件を

そろえる必要がある。一方,溶接部は,粗粒域,組織変 化を有し,薄板は集合組織を有しており,薄板溶接部の 残留応力は,X線応力測定にとって決して良い条件が整っ

ているとは言えない。そこで本研究では,薄板溶接部の      σyεy<.一

残留応力測定にX線応力測定法を用いたときの精度を実       y 験で調べた。また,溶接部組織のBragg回折角を,残留

応力が生じている状態の現場で測定する方法に付いても

検討した。       σzεz

 2.X線応力測定法について

 X線による応力測定は結晶格子の面間隔の変化からひ         図一1 応力とひずみの定義

(2)

    1

  ε1二万σ1一ソσ2     1

  ε・=万σ・一・σ・     (3)

    レ

  ε・=万σ・+σ・

式(4)をえる。

・・ W   ・、ψ一(1±の(σ1;σ・+σ・云σ・c・・2φ)・in・ψ+・・

       』宍・in・ψ+・・  (4)

   ωX,町   式(4)は・X線法で測定可能なひずみと試験片表面の任意

       ずみはBraggの回折角の変化として検出される。ひずみ        が無いときの格子面間隔φと回折角θ。の関係は,X線の

       波長λを用いて,

      φ一2鈴。

       と表せられる。

       また,変形後の面間隔およびひずみは以下のように表せ

       るため,

      φ・一φ+∠4−2,in(κλθo十4θ)

      〉      、 1

Φ)     ・・ψ一晋一㌣Lsin(θ゜+∠f)sinθ・

        図一2 X線法概念図      sinθo

       ≒謡∠ト…θ・(θ、、一θ・) (5)

電圧は低く・X線の侵入深さは10μm程度で浅い・即ち  式(4),(5)より

:㌶㌶鑑㌶慧り蕊≧二2θ、ψ一」=・㎡ψ一晶+2θ。(6)

から角度φ方向の応力を示している。εφψは,主応力か  式(6)を得る。

麟漂蕊三ζ驚鷲:ご㌶;妬一一=、 (7)

方線が,、ψと一致する縮の面間隔の変イヒから測定され とおくときパ(7)は・ψに無関係旋数で彊々の・in2       ψについて2θφψを実験で求めプロットしたとき,直線の

る。試験片は多結晶体であるから,X線照射面内の多く

の結晶の中に,この条件を満たすものが存在すると考え 傾きを与える・式(7)中の材料定数をまとめてKとおくと・

られる.        ・・一書部声

 そこでεφψについて考えると平面応力の図一2の場合・    ニー1(・妬      (8)

・〃=・・c・s2

モ・in2ψ+・・sin2φ・in2ψ+・・c・s2ψ 式(8)を得る.式(8)は,鎌値妬と材料定数κから,試

   二(ε1cos2φ+ε2sin2φ一ε3)sin2ψ+ε3     験片表面の任意の方向φの応力が求められることを示し

      (2)    ている。

のように,主ひずみを用いて表せる。ここで,応力とひ

ずみの関係式を主ひずみ,主応力について表した式(3)の   3・ブラック回折角の推定方法の提案

関係を用いると・       溶接継手は,溶接熱サイクルのために組織変化を生じ

      る。本研究のように軟鋼を対象にした場合,母材はフェ

(3)

ライト,熱影響部は焼入組織即ちマルテンサイトやベイ

       4.実 験

ナイトに変化する場合がほとんどである。これら組織の

違いはフェライトの格子定数と炭化物の配列およびセル   4.1 X線応力測定装置

やパケットサイズの違いである。通常の鋼を対象にした    ω

X線応力測定では,フェライト結晶の面間隔を用いるた

め,炭化物の種類や分布状態は式(8)に示した材料定数に

寄与しない。また,フェライトもマルテンサイトも基本 的な結晶構造はほとんど同じで,格子定数と軸比が異な

るだけである。

 そこで本研究では,溶接による組織変化が式(8)に与え

る影響を無負荷状態でのBraggの回折角θoの変化として

取り扱うこととし応力の負荷された実際の試験片から実      (2)  (3) (4)

験により無負荷状態でのBraggの回折角θoを求める方法       (1)G°・i・m・t・・ (2)x司P°w・・suPPIy        (3)Goniomctcr Con加llcr (4)Water Cooling Unit

を検討した。

       図一3 X線応力測定装置

 sin2ψ一2θ線図は,式(6)で表せる。本方法は,式(6)中の

ε3がφ,ψに関係のない定数であることに注目し,異な    図一3に,X線応力測定装置の外観図(6)を示す。汎用 る2っのφについて行った実験結果からε3を求め,sin2  の移動可能な機種で,予め設定したsin2ψに対する2θを ψ一2θ線図の切片の値から,θoを求めるものである。   半価幅法を用いて算出する事ができる。蛍光板を用いて,

σφと主応力の関係は       X線の照射位置と照射範囲を調べたところ照射位置は規

・・一(σ・ Gσ・)+(σ・云σ・)…2φ  (9)警三;1隠t三轍竃㌶念鷲;

  =一ル4 K       位置のずれの問題も含めてメーカに問い合わせたところ

 さらにπ/2ずれた方向の応力では       根本的な組立直しが必要であるとの解答があり汎用機で

・、.丁一(σ・ Gσ・)+(σ・;σ2)…2暢)(1① はそこまで検査して出荷していないとの回答も得た・本

       装置は機械電子研究所の物を借用しているため実験はこ

    =一咋 K      の状態で行った.したがって,照射ねらい位置は、㎜ず

式(9)・(10を加えると       らした状態で設置した。

 ・・+…†=・・+・・

      表一1 測定条件

一一

ネ(慨+晒.D     ,q。ipm。nt type  DX−1。(、himazu)

     一一2(E1十レ)・・tθ。ぽ+晦.D  ㌫1:1:1隠声  蕊

       detector      Xe−PC

また式(3)より

       filter       V

・・一〃(σ

フσD      ・1it     ・・9

       1amp voltage       30 kV であるから,sin2ψ一2θ線図の切片の値をCとすると    1amp current         10 mA

C−2ψ・一、論一2ψ・一ソ識θ㌣))  麗蕊三e  2謬工 一2ピ・「≒、(晒+梅)} (11) 惣蒜:,鷺nt  :f

式(11)より,実験で得られる値C,ル4,ル4喜から式⑫よ

       2        表一1に,測定条件をまとめて示す。また,軟鋼の場合の

り,θoを求めることができる。

       定数は,

θ・一

e+・三・㎏+晒・9 (12) (、辛、)−175[G仇]

      1(=−318  [MPα/4¢9.]  (θo=78.2°)

       の様に与えられている(2)・(6)。

(4)

C Si

Mη P s

∧%

ルZo

0.13 0.21 0.72

0,021 0,006

0.02 0.03

0,001

       表一3 溶接試験片の化学成分(重量%)

4.2 既知応力の測定      C

 既知の応力を負荷した状態で,X線応力測定装置が如何   0018g なる値を示すかを調べるために3軸ひずみゲージをとり

つけた試験片に曲げ荷重を負荷し,表面応力を測定した。   650℃で30分の応力除去焼鈍を行った後,エメリー紙で

      スケールを除去し,溶1妾電圧15V,電流100A,溶接速度760㎜/

4.2.1 曲げ試験片       minで, TIG溶接機で,ビードオンプレート溶接した。溶       接後,図一5に示す範囲を約0.2㎜電解研磨し,残留応力

     表一2 曲げ試験片の化学成分(重量%)       測定試験片とした。応力測定位置を図中に示す。

 材質は軟鋼で,化学成分を表一2に,試験片形状を図一

4(a)に示す。650℃で30分の応力除去焼鈍を行った後,エメ リー紙でスケールを除去し,さらに約0.2㎜表面層を電解 研磨した後に,ひずみゲージを貼り付けた。

L〜

C s

M〃 P

s

N 0

so1..41

0.0189 <0.01

0.18

0,014 0.0124 0.0019 0.0018 0,052

irradiatcd arca       ∈

   strain gaugC    一・

    gaugc terminal

100mm

∈∈O雲

、L,

 ∈i

@∈i

@葛

。■

    measured points

@   (on facc and bac

ハ」8

フN

t=2.0

bead

図一5 溶接試験片と応力測定位置

(a)      5.実験結果および考察       specimen    5」負荷応力と測定応力の関係

      5.1.1 荷重負荷に伴う2θ一sin2ψ線図の変化

       図一6に,無負荷状態の4点曲げ試験片を用いたときの

      2θ一sin2ψ線図を示す。図中の直線は最小二乗法を用いた       直線で,この傾きから応力値が求められる。σ は0のはず

      であるが,0にはなっておらず,実験値のばらつきが大き

      い。

       図一7は,負荷応力が100Mpaの時の結果である。図一       (b)      6,7ともにσエは直線に良く載っている。

       図一4 曲げ試験片と治具       2θ一sin2ψ線図を見る限り,σ∬は良好な実験結果と言え       る。

4.2.2 曲げ治具

 図一4(b)に,4点曲げ治具を示す。図中の番号(1)から(6)  5.1.2 負荷応力と測定応力の比較

で示す丸棒は,試験片に曲げ以外の荷重が負荷されないよ   負荷応力σ。pと測定応力σmの関係を図一8に示す。太い

うに取り付けた支持棒である。       実線と破線はσ。とσyについて,最小二乗法で求めた直線

      である。

4.3 溶接残留応力の測定      図一9は,比較のために,X線応力測定標準(2)に記載さ  材料には,化学成分を表一3に示す軟鋼板を用いた。   れている測定例である。図一9では,直線関係が良好で絶

(5)

156.7

156.6

ミ156.5

 156.4

150

Σ 100

o

ξ

ご 50

3

§ o

§

Σ

  一50

0  0.1 0.2 0.3  04  0.5       Applied strcss,σap/MPa       の コ

      smψ       図一8 曲げ試験による応力測定結果       (a)

156.7

156.6

名156.5

N

 156.4

 40

まo

§

遷一40

§

 ・80

゜°・1°2.、α304α5 @      ApPli・d・仕css,σ、p/MP・

      smψ

      (b)      図一9 応力測定基準による測定例

図一6 無負荷状態でのsin2ψ一2θ図

5.2 ブラッグ回折角の推定

表一4 θoの計算結果

156.7

156.6 曽 匂

\ 156.5

156.4

Stress(MPa)  0    50    100   150

θo(degL)    78.24    78.26    78.27    78.22 Literature value(78.2)

     156.3

       0    0.1   0.2   0.3   0.4   0.5

       sin2ψ

       5.3 溶接残留応力

    図一7 負荷応力100Mpaでのsin2ψ一2θ図       5.3.1 溶接残留応力の測定結果

      溶接材の残留応力分布を図一10に示す。(a),(b)はそれぞ

対値が80Mpaずれているのに対し,図一8では直線関係  れ表側,裏側の結果である。溶接部直上で最も大きい引張

のずれが目立つ。σ。p=100 Mpaのσ。は,図一7に示した  残留応力が発生しており,x=14㎜近傍を境に圧縮に転じ ように良好な実験値が得られているにも関わらず,直線か  る傾向を示しているが,約4㎜の周期で脈動した結果となっ

らずれている。したがって,本実験では絶対値に約40Mpa  ている。図中のプロット点はそれぞれ1回の実験に対応し のばらつきが生じていると解釈される。         ており,この脈動には再現性のあることが分かる。

 表一4に,曲げ試験結果と式⑫から求めたφ。を示す。こ

れは焼鈍材についてのみの結果であるが,理論値と良く似

た値が得られていることが分かる。本方法の実用性を検討

するためには積極的に組織変化させた材料を用いて更に 検討する必要があると思われる。

(6)

300 250 200

 150

Σ 100

へ ざ 50

り o

  一50 一100

・150

300 250 200

£ 150 Σ

、 100

6

・ 50

あ o

 −50

・100

・150

↓/蝉.

156.7

156.6

壱 156.5 ご

N

156.4

       156.3

0     10     20     30     40     50       0     0.1    0.2    0.3    0.4    0.5

 Distance from bead㏄nter line,y/mm       sin2ψ

       (a)      (a)

       156.7

156.6

y=16 ω

ミx=18.O MPa

@  l

@  △

    △

惑  △

で156.5

N

156.4

       156.3

0     10     20     30     40     50       0     α1    α2    0・3    0・4    05

Di、t。。c,血。m bead cent,, li。,,y/㎜      ・in2ψ       (b)

       (b)      156.7

  図一10 残留応力測定結果

   (a)表面側 (b)裏面側

       156.6

y=16 (2)

ミx=16.4MPa

@   l

     △

「・

5.3.2特徴点の2θ一sin2ψ線図      書  △  低い値を示したy=16㎜での2回の実験の2θ一sin2ψ     ミ1565

線図を,図一11(a),(b)に示す。sin2ψ=0.3の2θの値が大き

く異なっているにも関わらず良く似た応力値を示してい      1564

ることが分かる。図一11(c)は,図一10(a)中で高い値を示し

たy=18での2θ一sin2ψ線図である。図一11(a),(b)と同程       15630 01 02 α3 α4 α5 度に直線に載っており,特に実験上不備が有ったとは考え      sin2ψ

      (c)

られない。      図一11特徴点の2θ一sin2ψ関係の比較

y=18

ミx=73.2MPa

△   △

       3505.3.3 固有ひずみ法で測定した残留応力分布との比較        300

 図一12は,同一材料に同一溶接条件でビードオンプレー

       250

ト溶接した試験片の残留応力分布を固有ひずみ法を用い  奎2・・

て求めた結果(7)と,図一10(a),(b)の平均値を比較した結果     ご 150

       り

である。      5 100

       6

 100Mpa程度の誤差で,両者は同じ傾向を示している。    傷 50

       言 脈動部については低い値を示すデータの方が正解値に近     亘  o        め

いことが分かるが,5.3.2で述べたように,脈動の原因は不     塁 づo

      −100

明である。

      −150

 したがって,脈動も誤差の1つと考え,X線法は100 Mpa         o 5101520253035404550 程度の誤差を持った簡便な実験手段と考えて利用するこ      Distance from bead center line,y/mm

とが賢明である。       図一12固有ひずみ法との比較

(7)

6.結言       参考文献

 簡易型X線応力測定装置を用いて既知応力を負荷した  (1)日本材料学会編:X線応力測定法(1981)養賢堂

軟…片と軟鰭板}の醐応力分布の測定を行っε1:嬬誓麟灘綴讐璽礎⌒法編(、973)

た結果,以下の結論を得た。      養賢堂

      (4)日本造船研究協会編:第225研究部会,残留応力の計測法・推定

1)既知応力を負荷した軟鋼試験片の実験から応力150Mpa

       法の研究 平成7年度報告書

までは約50Mpa,軟鋼薄板溶接部の実験から350 Mpaま  (5)日本非破壊検査協会編:新非破壊検査便覧(1992)日刊工業新 ででは1・・Mpaの≡見込めば・簡易型X線応力測定(6)豊菖製作所、X線応力測定装置操作_ユァ,レ

装置は使用可能である。      (7)寺崎俊夫,福谷理明:溶接構造シンポジウム・97講演論文集 2)応力が負荷された状態で,無負荷状態でのBraggの回    (1997)・PP 181−184

折角θ。を推定する方法を提案した。

謝 辞

 X線応力測定装置を快く使用させて頂きました,福岡県 機械電子研究所の中村憲和氏に,心から感謝致します。

参照

関連したドキュメント

 海底下の固定位置を規準にして,土砂の堆積又は浸食

硫酸亜鉛0.5mol/dm3およびクエン酸0.0027mol/dm3を  加すると結晶の大きさは(b)のように(a)のおよそ1/3まで

2章では,まず,8の字型干渉計の概要を述べ,そのあと,光振幅の導出の際に記述を

法の2種類に大きく分けることができる。定常

授業の計画・内容 第1週 安定性と極 極の位置と安定性の関係について説明する.

授業の計画・内容 第1週 安定性と極 極の位置と安定性の関係について説明する.

ICP - OES で定量した値よりも低い値を与えている.こ れは,その方法が 2 本鎖 DNA を測定する方法だからで はないかと English 氏らは考えている. 1 本鎖 DNA

「2 経路フィイードバック演算子:dual Feedback Loop Operator=dFLO: 図 1)と