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考古学研究室報告

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Academic year: 2021

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考古学研究室報告

第45集

ナガラ原東貝塚6

2009年度考古学研究室の足跡

2010

熊本大学文学部考古学研究室

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表紙写真:ナガラ原東貝塚南側の海岸から本部半島を望む 裏表紙写真:貝符

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本夏、 7年のブランクを経て今年伊江島での調査を再開した。しかし発掘 区の設定には肝を冷やした。道路の数カ所に打ち込んでいた原点復元のため の複数の杭が、道路工事のためにすべて抜かれてしまっていたからである。

杉井准教授率いる先発隊3名の決死の作業により、セメントの塀にのこって いた印から原点を求め、 もとのグリッドが復元された。わずかな誤差で見事 に再現されたグリッドの断面壁をみて、その技術に頭を下げた。

夏の伊江島には野菜が少なく、食べ物の物価は熊本より高い。昨年の天草 での実習と同じつもりでいた会計係の女子の口から1日の食費を聞いて、 ま かないを頼んだ島のご婦人二人はこれではやってゆけぬと頭をかかえられた。

どこでどう伝わったか、次の日の朝から島のあちこちからたくさんの魚や冬 瓜、紫芋、 もずく、パパイヤ、果ては高価なドラゴンフルーツの差し入れが 続いた。教育委員会は宴会料理の余剰を鍋ごと届けてくれた。女教員のもと で純朴な学生が酷使されているという話が島にできあがってしまったらしい。

来年度は食費を増額しよう。

伊江島ではさいわいに台風にも遭わず、予定通りの作業を終えることがで きた。発掘調査を了解してくださった地権者の安里誠夫さんと玉城盛一さん、

伊江村教育委員会、川平区公民館、調査にお力添えをくださった伊江村川平 区の皆さん、沖縄県立埋蔵文化財センターに厚く御礼申し上げる。

熊本の大学がなぜ琉球列島の調査をするのかと思う人は少なくない。一つ には多様な文化を多様な方法で学ぶという本研究室創設以来の方針によるも のであり、他には奄美・沖縄を大事なフィールドにしてきたという伝統によ る。学生たちは今回の発掘調査を通して、砂丘の層位の難しさや層位学の大 事さを感じ取ったことと思うが、それ以上に九州とはことなる生活文化に身 をおいて、異なる文化に心が震える体験をしただろうか? 皆に聞いてみた いことの一つである。

2010年2月 木下尚子

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