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甲斐雅喜土屋割札幌医科大学微生物学教室 (主任 植竹教授〉

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Academic year: 2021

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(1)

札幌医誌 IO(1/2),51〜53(1956)

:BactGriophage.によるS. chi七七agon9〔(1),3,10,(19)〕

         の0抗原変換補遺

      (サルモネラに.おける抗原の人工変換 XIV)

  永井龍夫 中川哲二

   甲斐雅喜土屋割

札幌医科大学微生物学教室 (主任 植竹教授〉

Supplemen七ary Repor七〇n Bacteriophage−lnduced Changes     in the O Antigens of Salmonella chittagong

   (Changes lnduced in the Antigens of Salmonella XIV)

      By

        TATsuo NAGAI, TETsuJI NAKAGAwA,

        MAsAKi KAi and ATsusHi TsucHiyA

   1)epαrtmentげMicTobiology, LglαPPOroσniversityげMedicine       (Chief: .Pro:f: ff. UETAJ, E)

  A more detailed analysis of the antigenic structure of antigenic variants of S. chittagong,

which were obtained by infection with phage eiF  obtained from S. canoga of group E2, recon−

firmed the lysogenic conversion of the O ahtigens of S. chittagong from (1), 3, 10, (19) to 3, 15.

  This finding is consistent with亡hose of Uetake and his collaborators and of Akiba while being against that of Fukumi and his collaborators who reported that the antigenic conversion

of S. chittagong is from (1), 3, 10, (19) to (1), 3, 15, (19)・

 先に植竹等1)7 :)), 秋葉3)はS.chi七tagongの0抗原がεエ5

phage(3,10→3,15の0抗原変換に与かるphageをこの

ように記す)の感染により(1),3,10,(19)から3,15への変換 を起すことを報告したが,綜合研究「微生物の遺伝学」研究 班第5回研究協議会で福見氏等からε15phageの感染によ

るS.chittagongの0抗原の変換は(1),3, 10,(19>から(1),

3,15,(19)への変換であるという発表があり4 ),抗原変異株 のO抗原構造の所見にくいちがいが出てきたのでこの問 題を再検討した。「

実験材料並びに実験方法

 使用菌株: 腸内細菌委員会より分与を受けた標準菌株 並びに秋葉が用いた菌株を用いた。

 Bacteriophage:S. canogaとS. anatumの混合.培養 よりε15phageを単離して用いた。 phage浮游液はCham−

berl and L3で濾過して無菌であることを確めた。

 抗原変異株の獲得法はブイヨン1.O ccに♂5 phage原液

(S. ana tumを指示菌株とすると溶菌性粒子tu IO9/m¢)0.2 ccを加えたものに菌を移植し37。C 24時間培養後,寒天培 地に塗抹培養を行い,生じた個々の集落を因子血清でしら

51 べた。

 因子血清の製法

 1)1因子血清:S.paratyphi Aの0血清をSpara−

typhi A durazzoで吸収

 2)10因子血清=S.giveの0血清をS. niloeseで吸収  3)15因子血清;S.newbrunswickの0血清をS.

niloeseで吸収

 4)1,19因子血満:S.niloeseの0・」血溝をS. Iondon で吸収

 5)19因子1血清:上記の1,19因子血清をS.paratyphi Aで吸収

 1,19因子血清中には1,19抗体の外にS.niloeseのmi−

nor a灯bigen or antigensに対する抗体が含まれている。

 スライド凝集反応,試験管内凝集反応及び吸収試験の術

式も従来の報告わ一1)・5)一9・)と同じである。

実駿成績

 S.chit七agong原株の集落には1,19因子血清でスライド 凝集陽li生のもの(197㊤と略記)と陰性のもの(1979と略記)

とがあり,その出現率は原株では前者が約20%,後者が約

(2)

52 永井・他一S.chittagong O抗原変換補遺 札幌医誌1956 80%であった。197㊤の集落を更に平:板培養した場合には

197∈Dの集落が約80%,197eの集落が約20%認められる し,197∈の集落を平板培養した揚合には197◎の集落が

訴」4%, 197∈の集落元・ミ芯勺96%言忍めら才した。

 197愚及び1979の菌株を別々に分離してそれぞれに S,canogaから得たε11 phageを作用させた。197 1)から は約50%,197eからは約90%の割合で15因予血清で凝 集する抗原変異株が得られた。これらの抗原変異株の集落 には1,19因子血清でスライド凝集湯性のもの(197(ε 5)㊥

と略記)と陰性のもの(197(ε15)eと略記)とカミ認められる。

197㊦にε15phageを作用させた場合には197(sit ) CDが約 5%,197 Lε1:))9が約95%認められた。1979の場合には われわれがしらべた範囲では197(ε1f )㊥のみで197(ε1りe

は認められなかった。

 S.chittagongの原株及び197∂に♂5 phageを感染さ せて得られた抗原変異株を凝集原として10,15,1,19,1

及び19の各因子血清で試験管内凝集反応を行った。その 成績が第1表である。

 197(ε15)㊦は1,19因子血清で40倍と弱いながら試験管 内凝集を示すが,1因子血清及び19因子血清では凝集を示 さない。従って1,19因子血清で示される弱い凝集は1,19 因「Fによるものではないと考えられる。この点を明らかに するために因子血清について吸収試験を行った。

 1, 19因子血清の吸収試験の成績が第2表に示してある。

即ち1,19因子血清を197(sll:).モ)で吸収しても1,19抗体は 吸収されず,S. niloese,197おの凝集は強く残っている。

 なお197,十)または1979で吸収した場合には何れも,

1,19抗1本は吸「反されるが,S. niloeseとの凝集が僅かに残 る(80倍)。この凝.集は1,19因子血清を197㊤または197θ で再吸収しても依然として残るから1, 19因子によるもの ではなくS。niloeseのminor an七igen or antigensに因

るものと考えられる。

第1表 各因子血清}こよる試験管内凝集反応

S. paratyphi A 1015 S. niloese 1236 197 A 197 Aa

197 ・:LP,,

197 C一:

197 (e ) (一D

197 (si5) C一,

  訂三=

0抗原構造

 1, 2, 12  1, 3, 19

 3, 15

1, 3, 10, 19 1, 3, 10, 19

(1), 3, 10, (19)

 3, 15  3, 15

10

000

QQ88

15

320

   640    640

−LL 197A株=秋葉の得た抗原変異株〔S. chittagQngの)

197 Aa株=197 Aより0抗原が元に復帰した株

表の数字は凝集反応陽性を示す血清の最大稀釈倍数を示す 一は血清稀釈20倍で凝集陰性のもの

    1・191

160 320  ,

   1 320 2    1320  1

− i

(40) 1

1     19

    マ

160 80

80 160

160

160 320

第2表 1,19因子血清の吸収試験

S. paratyphi A I O15 S. niloese 1236 197 A 197 e

197 C一・

197 (si5) e 197 (sir]) e

O抗原構造

 1, 2, 12  1, 3, 19

 3, 15

1, 3, 10, 19

(1), 3, 10, (19)

 3, 15   3, 15

160 320

320

(40)

1,19因子血清

   吸  収  菌  株

S. niloese 19ZL 一1.!gzs 1−i. ,(ei)sL−i−g77A一

80 80 320

320

320

320

註:第1表に同じ

(3)

10巻1〆2号 オく井。f匿一S・chittagong O抗原変換補遺 53

第3表 1因子血清の吸収試験

1因子血清 0抗原構造 吸収菌株

Fg7(el ,r,)㊦

S. parat.yphi A 1015

S. niloese 1236 工97A

197 Aa

197c+)

197 C一)・

197 (s 5) 9 197 (sih ) C=.

註:第1表に同じ

1 1, 2, 12

  1, 3, 19

  3, 15

 1, 3, 10, 19  1, 3, 10, 19

(1), 3, 10, C19)

  3, 15   3, 15

160 80

80 160

160 80

第4表197(ε)㊥免疫血清(0血清)の吸収試験

00008

11g79ε)㊥垣別皿清(ρ血漬ユ

    吸収菌株

1,19因子によるものではなくminor antigen or an bigens によるものと考えられる。

 次に抗原変異株197@)孚でウサギを免疫して01血清を つくり試験管内凝集反応及び吸収試験を行った。その成績 が第4表である。

 即ち197(.s1Jr)㊦の0血清は1280倍の凝集価を示してい る。この血清をS.niloese(1,3,19)で吸収すると15抗体 が残り,S. newington,197 A,197(ε15)㊥及び197(sl・「)9 と凝集を示す。S. newington(3,15)で吸収すると抗本は 完全に吸収されてS.niloeseも凝集を示さなくなる。従っ て197(el: )㊥の0血清中には3,15抗体は含まれているが,

1,19抗体は含まれてbないと考えられる。

0抗原

構 造

       S.para七yphi A 101ポ1,2,12          しS. niloese 1236 S. newington C2 197 A

197 Aa 197,tt

197 (sir ,) cD

197 (e 5) C一;

1 1・3,19 1160  3,15  :1280

  3,15  1640 1,3,10,19  320 11,3,10,191640        3,15  [1280  3,15  1640

 s.

niloese

160 160

160 80

 s:

newlng−

 ton

註:第1表に同じ

 第3表は1因子血清の吸収試験の成績である。この場合 も197(sl 「 )㊥で吸収しても1抗体は吸収されない。

 各因子血清による試験管内凝集如応並びに1,19因子血 清及び1因子血清についての吸収試験の成績から,197(ε15)

㊦が1,19因子血清で40倍と弱いながら凝集を示したのは

 S. ghittagongのε15 phageによる抗原変異株について 血清学的な検査を行った結果,197(ε!5)㊥が1,19因子血.清 でスライド凝集及び弱い試験管内凝集を示したのは1,19 因子によるものではなくminor antigen or  antigensに

よるものと考えられる。

 従ってε15phage感染によるS. chi ttagongの0抗原変 換は(1)3,10,(19)→3,15の変換であると考えられる。

      (昭和31.8.6受付)

1)植竹=日新医学24,214〜224(1955).

2) Uetake, H. et al.: 」. Bact. 69, 571r 一579(1955).

3>秋葉:札幌医誌7,96〜106(1955>.

4)福見・野島・佐山:綜合研究 微生物の遣伝学 研究班  第5回班会議研究報告集15〜17(1955).

5)中川:日本細菌学雑誌10,363〜370〔1955、.

6) Kau Cr mann, E: Ent2robacteriaceae (1951).

7)小島・八田:食物申毒菌(1941).

8) Edwards, ?. R. & Bruner, D. W. : Serolo.rical lden−

 tification of Salmonella eultures (1942).

9>伝研学友会;細菌学実習提要(1951).

参照

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