病棟看護師の手指衛生に関する実態調査
キ}ワ}ド:手指衛生・感染管理・手指衛生のタイミング・手洗い
B
棟
5階 O三浦好美・唐瀬まどか
I.
はじめに
医療現場において感染対策は重要な 役割を担っている。しかし現場では日
々の業務や処置が多く連続的に処置を 行いがちになっているため感染対策に 対する手指衛生が疎かになっているの ではないかと感じた。洪ら
1)は「手指 衛生が感染管理の基であるという理解 は現場において浸透しつつある
jと述 べているように感染管理において手指 衛生は重要である。
WHOの手指衛生 ガイドライン
2)においても手指衛生の
5
つのタイミングが提示されており、
「
5つのタイミングで手指衛生を実施 することによって、医療関連感染を低 減できる」とある。そこで今回、病棟 内で手指衛生が本当に必要な場面にお いて行われているのか、また実際適切 に実施されているのかと疑問に感じ、
手指衛生に焦点を当て現状の調査を行 ったことを報告する。
<用語の定義>
手指衛生:感染予防策としての手洗い
II.
方法
1.
対象:病棟看護師
35名 。
2.
実施期間:
2012年 11月5日〜11月 30日
3.
実施方法:看護研究参加についての協 力を口頭・紙面にて説明し、同意書 を回収した。同意後、「指聞を洗って いる
J.「指先や指と爪の聞を洗って
いる
J・「洗い残しのないように
15秒以 上かけて洗っている
Jなど
14項目につ いての手技のアンケート調査・業務中 手指衛生を行った時点でチェックをし てもらう場面別タイムスケジュール表 の記入・院内の手洗いマニュアルを参 考に独自で作成したチェックリストを 使用して研究者による手洗い方法の確 認・同時にグリッタ}パグR
(Brevis社製)による洗い残しの調査を実施し た 。
m.
倫理的配慮
研究対象者には口頭・書面にて研究 の主旨・目的・方法を説明した。研究 への参加・協力は自由意志によって行 われること、拒否しでも不利益の無い ことを保証した。プライパシーを厳守 し、本研究以外には使用しないことを 説明した。
I V .
結 果同意書の回収人数は
30名(
86%)であった。手技のアンケ}ト調査で は親指の付け根・指先や爪・手首が 洗えていると感じている人は少ない 傾向にあった。また、全体的に手指 衛生が出来ている人が少ないことが 分かつた。(図
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グリッターパグ@での調査では一般 的に洗い残しが 多いとされる指 間・爪などに洗い残しが多く爪では 28名( 93%)指聞では 23名( 77%) に洗い残しが見られた。また、場面 別タイムスケジュ}ル表の集計結果 では手指衛生の回数は日常生活援助 後は多いが、点滴やパイタノレサイン などの医療処置後の手指衛生は少な かった。また、全体的に日常生活援 助・医療処置前での手指衛生は行え ていなかった。(図 3)
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図 1手指衛生アンケートの結果
しかし、研究者による手指衛生の確 認を行うと 26名( 87%)が院内の手 洗いマニュアルに沿った方法で行う
ことが出来ていた。(図 2)
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図3場面別タイムスケジューノレ
v.考察
今回の調査を 5つのタイミングに 当てはめると、手指衛生のタイミン グが必要な時に行えていないことが 分かつた。その中で特に患者に触れ る前が一番手指衛生の回数が少ない ことが分かつた。患者に触れる前の 手指衛生は3)「手指を介して伝播す る病原微生物から患者を守るため」
に行わなければならないことである。
しかし、多くの看護師は自分の手が 感染の媒介になっているという意識 は薄く、患者に関わる処置を行うこ
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図2チェックリストの結果
とで手が汚れたと思い手指衛生を行 っている為、必要なタイミングで実 施できていないのではないかと考え
られる。
また、手技においては確認の元で手 指衛生を行うと手洗いマニュアノレに 沿った方法で実施出来ていることか ら、手指衛生の手順に関しての知識 はあることが分かつた。
しかし、確認の元に手指衛生を行う と普段よりも丁寧に洗ってしまって いることが考えられる。実際では業 務が忙しいことで手指衛生が疎かに なっていたり、時間を短縮しがちに なっていることも考えられる。丁寧 に洗っていてもグリッターパグ@の 結果を見ると洗い残しが見られた。
この状態で業務に追われ手指衛生の 手順が煩雑になるとさらに洗い残し が予想される。
CDCのガイドライン
4
)では「手が目に見えて汚れている 時、タンパク質で汚染されている時、
また、血液やその他の体液で目に見 えて汚れている時は手洗いをし、手 が目に見えて汚れていない時はアル コ}ルベースの手指消毒薬を用いて 手指の汚染除去を行う」とある。今 回は手指衛生に焦点を当てて調査を 行いったが、速乾性手指消毒剤の使 用も推奨されている。業務の多忙な どにより手指衛生が適切に行えず、
また連続して処置を行ってしまう時 には速乾性手指消毒剤との併用を促
していく必要がある。
VI. 結論
・今回の調査で個々の手洗いの手技と手 洗いのタイミングの見直しの機会とな
った。
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・グリッタ}パグ@では洗い残しが多いと される筒所に洗い残しが多くみられた
.手指衛生の手順は理解しているが実際 の業務では時間を短縮しがちになって いる。
・場面に応じて手指衛生と速乾性手指消 毒剤との併用が必要。
−今後も手指衛生に関しての勉強会や啓 蒙活動を継続して行っていく必要があ
る 。
v n . おわりに
今回の調査により、病棟看護師にお ける手指衛生の実態が明らかになっ た。今後は手指衛生に関する知識の向 上や方法の再指導に加え一人ひとり が意識を持つことが重要である。
Vil.
引用・参考文献
1
)洪愛子:手指衛生パ}フェクトガ イド,メディカ出版,
p.l, 2008.2
)矢野邦夫:
WHO手指衛生ガイド ライン,
ICNews, 1月号,
2012.3) WHO
:
My5Moments for Hand Hygieneより改変,
http://www.who.int/gpcs/
5may/background/5moment/en/
4
)浦野美恵子:エピデンスに基づく感 染予防対策(改訂版),医学芸術社,
p.39, 2003