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横須賀線東京・品川間東京トンネル改良工事について 

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Academic year: 2022

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横須賀線東京・品川間東京トンネル改良工事について 

 

東日本旅客鉄道株式会社 正会員 ○成嶋 健一 東日本旅客鉄道株式会社 正会員  藍郷 一博 東日本旅客鉄道株式会社 正会員  志野 達也   

1.はじめに 

東京トンネルは、通勤客等の増加に対し、輸送力増強を目的と して昭和 51 年 10 月に開業した横須賀線東京・品川間の全長約 6.2km の単線並列シールドトンネルである。また、当区間は昭和 48 年に開業した東京・錦糸町間の総武トンネルに接続し、京浜・

京葉地区を結ぶ輸送ルートであるとともに、成田国際空港への旅 客輸送を担う N EX(成田エキスプレス)が運行されている重要路線で ある。 

建設当初、地下水位はトンネルより下面にあったが、昭和 46 年 から施行された東京都の地下水汲み上げ規制により、地下水位

は急激に上昇し (図 1)、トンネル内への漏水が増えた。これによりセグメントボルトの腐食や軌道などトンネル内設備 の劣化が始まったため、止水注入や導水工などの部分的な修繕工事を行ってきた。 

特に劣化の進行が激しかった総武トンネルについては、抜本的対策として二次覆工を施工することとし、昭和 60 年 から平成 14 年にかけて全線の二次覆工(L=3,199m)を施工してきた。引き続き東京トンネルで二次覆工を施工する こととなったが、施工計画にあたり、施工速度の向上、コストダウンを目指して更なる改良に取り組むこととなった。本論 文では、東京トンネル改良工事における取り組み内容とその効果について報告する。 

 

2.施工方法の改善 

PCW(PreCast Wall)板を用いた総武トンネル改良工事の施工量 は年間 200m 程度であったため、東京トンネルの施工対象区間約 2.8kmを同様の方法で施工した場合、約 14 年要することになる。工 期短縮とコストダウンを図るため、総武トンネルの二次覆工工事の各 作業の内容を分析し、以下の改善を図った。 

2−1 二次覆工材料の改善 

(1)繊維セメント板の導入 

PCW板(幅 1,800mm、高さ 900mm、厚さ 75mm)は、場所打ちコン クリートに置き換える目的で開発されたため、重量が1枚 400kgと重く、

取付けるための専用機械(エレクター台車)が必要であった。そして、

1 日あたりの施工量はエレクター台車の能力に左右されるため、PC W板の枚数で 14 枚、トンネル延長で 1.9m程度に限られていた。また、

東京トンネル内には総武トンネル二次覆工中には無かった信号設 備やトンネル内の湧水を立会川へ放流するための送水管が設置さ れておりエレクター台車が使用できない。さらに、施工速度の向上を 図るためには、部材の軽量化を図る必要があった。 

キーワード:東京トンネル、繊維セメント版、二次覆工、モルタルプラント台車、ガラ運搬台車 

連絡先:東京都千代田区外神田 1‑17‑4 JR 秋葉原ビル 6F 東日本旅客鉄道(株)東京土木技術センター  TEL03‑3257‑1691

 

 

(東京都土木研究所の観測資料より)

191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 T.P.

(m)   0 - 5  -10  -15  -20  -25  -30  -35  -40  -45

有楽町排水所付近

(東京T最深部)

東京T建設(1968〜76)

地下水汲み上げ 規制(1971)

図 1 地下水位の時系列変化

H鋼支保工 (H-100)

防水シート 鉄筋

モルタル

PCダクト(二次製品) 繊維セメント板

(二次製品)

施工前       施工後 図 2 施工前・施工後イメージ 

  写真 1 繊維セメント板 

(2)

そのため、PCW板で二次覆工を形成する工法から、配筋しモルタルを 打設する工法に見直し、その際PCW板に比べて板厚が薄く軽量な繊維 セメント板を埋め込み型枠として使用した(写真 1)。 

繊維セメント板はPVA(ポリビニルアルコール)繊維で補強され、曲げに 強い性質を持ち、幅と高さはPCW板と同じサイズにしたまま厚さを 8.5mm まで薄くした。これにより重量は1枚 27kg まで軽量化することができたため 取付けは、人力(2名1組)作業が可能となり、作業時間も大幅に短縮する ことができた。 

(2)支保工の軽量化 

繊維セメント板の導入により、支保工を H-125 から H-100 にサイズダウ ンすることができた。支保工の軽量化により、支保工の取付け速度も向上 した。 

(3)仮設梁の採用 

繊維セメント板の厚さは 8.5mm と非常に薄いため、モルタルを背面に 打設すると側圧でたわみが生じてしまう。そこでモルタルが硬化するまで の間、仮設梁を設置してたわみを抑えることにした。モルタルの打設高さ を1回 1.8m(繊維セメント板2枚分)とし、その時の許容たわみ量を 10mm

と設定した。計算から仮設梁は 100mm 角の角型鋼管とし、30cm ピッチで設置することとした(写真 2)。 

  

2−2 モルタル打設作業の改善 

総武トンネル改良工事でのモルタル打設作業にはトラックミキサー車及びポンプ台車によりモルタルを打設していた。

しかし、プラントで製造したモルタルを基地で台車上のトラックミキサーに移し、現場に移動して打設するため、モルタ ル製造から打設まで5時間を要し、流動性確保等の品質管理が困難であった。 

そのため東京トンネルではモルタルプラント台車を導入した(写真 3)。モルタルプラント台車は専用台車に材料、

ミキサー、ポンプを積載しモーターカーの牽引により現場へ移動する。1 日あたり 9〜12

㎥打設可能となり、現場で必

要数量のモルタルを製造し、直ちに打設することができるようになった。 

 

2−3 側道作業の改善 

総武トンネル改良工事での側道撤去作業時の発生コンクリートガラの搬出には軌陸車を利用していた。そのため、1 日あたりの搬出量は軌陸車の積載能力に左右されていた。 

そのため東京トンネルではガラ運搬台車を導入して、1 日あたりの搬出量が 5〜25t まで向上するとともに、側道を取 り壊すブレーカーもコンパクトで能力の高いものを使用することにより 1 日あたりの施工延長が延びた。 

   3.おわりに 

上述のとおり、計画段階から施工全般にわたって様々 な改善に取り組み、施工速度の向上を図ってきた(表 1)。 年間の施工量としては、上下線で 600m(片線 300m、総武 トンネルの年間施工量の 1.5 倍)施工可能となり、施工速 度の向上によって全体工期が短縮され、材料費以外に機 械経費や保安要員費が減少したため、二次覆工本体の工 事費も総武トンネル施工時と比較して、約 1 割のコストダ ウンを達成することができた。

写真 2 仮設梁取り付け状況

写真 3 モルタルプラント台車 

表 1 総武トンネルと東京トンネルの施工速度比較 

工 種  総武トンネル  東京トンネル  側道コンクリート撤去 10.0m/日 20.0m/日(200%)

支保工設置  6.3m/日  9.1m/日(144%)

二次覆工材設置  1.9m/日  2.6m/日(137%)

モルタル打設  4.8m/日  8.3m/日(173%)

参照

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