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嫌気性消化液のオゾン処理に関する基礎的研究

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Academic year: 2022

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嫌気性消化液のオゾン処理に関する基礎的研究

宮崎大学工学部 (学)小島与弥 斎藤泰男 増田純雄 鹿児島高専 (正)山内正仁

日本ヒューム株式会社(正)安井賢太郎

1.はじめに

現在、地球温暖化の防止や、循環型社会の形成などを目的とした法律の制定や取り組みが積極的に行われ ている。そんな中、2003年4月からのバイオマスを含めた新エネルギーの一定割合の利用と購入を義務づけ たRPS(Renewables Portfolio Standard)法の施行などにより、社会のバイオマスへの意識が高まった。バイオ マスの有効利用は地球温暖化防止の問題に加えて、エネルギー安全保障の面からも循環型社会を構築する上 で必須の問題である。宮崎大学では、農・工学部連携大型研究プロジェクトとして「農林畜産廃棄物利用に よる地域資源循環システムの構築」という連携融合事業を行っており、著者らは、メタン発酵後の消化液の 適正処理のための除去技術の研究を行っている。その中で、消化液の効果的な除去、生物分解性を明らかに し、オゾン処理に生物処理を加えたシステムを検討している。

本研究では、消化液の回分式オゾン処理の実験を行い、曝気時間とSS、色度の関係および最適なオゾン注 入率について知見が得られたので報告する。

2.実験概要と方法

図-1 に 回 分 式 実 験 装 置 を 示 す 。 オ ゾ ン 処 理 槽 は 容 積 が 80L(27cmW×27cmL×110cmH)であり、この槽に上述した消化液 50Lを入れ、90分間オゾンで曝気した。オゾン注入量は12L/min である。オゾン曝気は、空気自給式エアレータにより吸引、曝 気され、排オゾンは活性炭で吸着処理される。

表-1に本実験で用いた消化液の成分を示す。表からも分かる とおり、消化液は高濃度の SS、DOC が多く含まれており、粘 性の高い性状を示した。このことから、消化液の原水を曝気し た場合に多量の泡沫が発生するため、原水を10倍希釈してオゾ ン処理実験を行った。しかしながら、昨年度に報告した原水

(SS:43000(mg/L)、色度:8529)と比較すると著者らが使用 する原水濃度は低いことがわかる。これは今回使用する原水が 豚の糞尿のみの消化液なのに対し、昨年度の原水は養豚や養牛 の糞尿に加え、残飯などが投入されていたためである。

最適条件の変数として、消化液の加熱、非加熱の希 釈倍率を5、7.5、10倍、オゾン注入率を130、162、194、

247g/m3の 4 通りで変化させ、オゾン曝気の最適条件

を検討する。なお、水質分析項目はSS、DOC(TOC-5000)、

E260(U-1800型レシオビーム分光光時計)、色度である。

3.実験結果と考察

図-2に色度とオゾン注入率の関係を示す。色度は時間 経過とともに除去され、また、注入率により変化する。

10倍の非加熱消化液と加熱消化液で、オゾン注入率130、

247g/m3の場合、色度除去率はそれぞれ80、90%であり、

ター オゾンニタ ウォラッ 活性炭

エアレータ

反 応 槽

酸素ガス オゾン 排オゾン

-1 回分式オゾン処理実験

ss(mg/L) 色度(度)DOC(mg/L) E260(-)

非加熱 6400 1760 1233 13.8 加熱 6000 1490 609 9.8

表-1 消化液主要成分

0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 20 40 60 80

10倍、非加熱、130g/m3 10倍、非加熱、247g/m3 10倍、加熱、130g/m3 10倍、加熱、247g/m3

7.5倍、非加熱 、247g/m3 7.5倍、加熱、247g/m3 5倍、非加熱、247g/m3 5倍、加熱、247g/m3

SS濃度(mg/L

曝気時間(分)

図-2 オゾン注入率を変化させた場合の

       色度と曝気時間の関係 土木学会西部支部研究発表会 (2008.3) VII-035

-911-

(2)

オゾン注入率による色度除去の差はほとんど生じ なかった。オゾン注入率247 g/m3の加熱、非加熱 を比較すると、全体の除去率は非加熱では82.8%、

加熱では90.0%となっており、加熱した消化液の

除去率が高くなっている。また、5、7.5倍の除去 率はそれぞれ 60.8、68.3%であり、希釈倍率が高 い程高除去率となっている。これにより、原水を 希釈することにより色度の除去効率は向上し、曝 気時間の短縮も可能であると考えられる。

写真-1に曝気時間毎の色度変化を示す。写真よ り、視覚的にも明らかに色度が除去され、曝気時 間30分から60分にかけての色度除去が顕著であ る。これにより、色度除去のためには曝気時間は 最低60分以上必要であることが分かる。

図-3にオゾン注入率によるSSの変化を示した。

10 倍の非加熱のオゾン注入率 130、247g/m3での

SS、色度除去率はいずれも曝気時間90分で97%

程度であり、オゾン注入率による SS 除去率の変 化はほとんど差が無いことが分かった。また、オ ゾン注入率247 g/m3で、各希釈倍率で比較した場 合、全体のSS除去率は95~97%であり、希釈倍 率による SS 除去率の差もないことが分かった。

さらに、曝気時間30分以降で高いSS除去率が得 られており、曝気時間は最低60分以上必要である。

槽外のウォータートラップに排出される排液は、

10倍の加熱のオゾン注入率247g/m3では4L、5倍 の非加熱のオゾン注入率130g/m3では10Lである。

よって希釈倍率が高いほうがウォータートラップ に排出される排液量が少ない。このことから希釈 倍率が高い方が良いということが分かる。

図-4 にオゾン注入率による DOC の変化を示す。図から明らかなように、曝気時間の経過にとともに、

DOC/E260は増加しており、いずれの場合も生物分解性が向上している。特に、30分以上でDOC/E260の増加

が顕著になっている。これは曝気時間30分まではほとんどのオゾンが SSの分解に使用されているためで、

30分以上になると色度除去、易分解化にオゾンが使用されているためだと考えられる。よって、易分解化の ためには曝気時間は最低60分以上必要であることが分かる。

4.おわりに

本研究では、オゾン注入率を変化させた回分実験を行い、オゾン曝気の最適条件の検討を行った結果、以 下の知見を得た。1)脱色のための最適な曝気時間は60分以上であり、加熱処理した消化液での希釈倍率は 10倍が良いことが分かった。2)SS 除去、易分解化の最適条件は曝気時間60分以上必要であることが分か った。

<参考文献>

1)柴田 晴広:消化液のオゾン処理に関する研究 宮崎大学工学部土木環境工学科卒業論文

2)小牧 義知:オゾンを用いた養豚排水処理水の循環利用に関する研究 宮崎大学大学院工学研究科修士論文

40 60 80 100 120 140 160 180 200

0 15 30 60 90

10倍、非加熱、130g/m3 247

7.5、247 7.5、247 5倍247 5,247 DOC/E260SS

曝気時間(分)

図-4 オゾン注入率を変化させた場合の      DOC/E

260と曝気時間の関係 写真-1 経時変化による色度変化

1530分 60分 900

10倍非加熱130g/m3

0 500 1000 1500 2000

0 20 40 60 80

10倍、非加熱、130g/m3 247

加熱130 247 7.5、247 7.5、247 5倍247 5,247

SS濃度(mg/L

曝気時間(分)

図-3 オゾン注入率を変化させた場合の       SSと曝気時間の関係

土木学会西部支部研究発表会 (2008.3) VII-035

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参照

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