岡 山 医 学 会 雑 誌
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(2) 2. 浜. 第 一 図. 1963年10月12日(第204代),染. 藤 の 報 告 中 のExp.. られ て い る ご と く,そ. (JTC‑11). 色 に よ る細 胞 形 態. 観 察 は1963年10月12日(第204代)の 培 養 方 法 は,佐. 崎. の 初 期 に は,50%. 充. 彦. K株. の系図. え る に50%牛. 血 清 で あ つ た.そ. も の で あ る.. 5代 ま で 用 い られ,第6代. 2210)に. YLEに. YLEに. 述 べ 加. よ り 以 後 は す べ て80%. 加 え る に20%牛. 度 はYeast. Extract. して こ の 培 地 は 第. 0.08%,. 血 清 が 用 い ら れ た.(最 Lactalbumin. 終濃. hydrolysate.
(3) 長 期 培養 され たエ ール リッ ヒ腹 水 癌細 胞(JTC‑11)の 0.4%で. 抗 生 物 質 及 びpH指. ビ ン と して は, TD TD. 40が. れ た.培 は2日. 15が. 示 薬 は 含 ま な い)培 用 い ら れ た が, 181代. よ り. の孵 卵 器 内で 静 置培 養 さ. 地 交 新(以. C.と 略 記 す る)は. 後M.. を 必 要 と し な くな つ た.継. 3. 養. 用 い られ,37℃. 毎 に な さ れ た が,株. 性 状 につ い て. 初期 に. 化 が 進 む に つ れ てM.. C.. 代 の 際 の 細 胞 剥 離 に は,. ラ バ ー ク リー ナ ー が 用 い ら れ た.し. か し後 に な る と,. 駒 込 ピ ペ ッ トの み で 充 分 と な つ た. 細 胞 の 増 殖 率 に つ い て は,短 試)を. 使 用 した.こ. の 中 に, 1.5mlの. 胞 を 植 え つ け て,静 37℃. い 試 験 管(実. 置 培 養 で5°. 験用短. 培 地 と共 に細. の 角 度 を もたせ て. の 孵 卵 器 の 中 へ 入 れ た.培. 地 の 成 分 は,継. 代. 培 養 に 使 用 し た もの と 同 じで あ る. M. C.は 行 わ れ な か つ た.計. 数 は, 2日 目, 4日 目, 6日 目 あ る い は. 8日 目 に, Sanfordの. 原 理 に 基 く勝 田 改 良 法14)に 従. つ て,「 ク エ ン 酸 処 理 法 」 を 用 い,染 をBurker 3〜4本. Turkの. 色 され た 核 数. 計 算 板 に よ つ て 計 つ た.そ. して. の 平 均 を そ の 値 と し た.. 細 胞 の 形 態 観 察 に は,普. 通 の カ バ ー グ ラス を2〜. 3等 分 して 短 冊 形 の もの を 作 り,こ 地 と共 に 試 験 管 に 入 れ て, 37℃ 角 度 で 静 置 培 養 して お くと,短 胞 が 附 着 増 殖 し て くる.こ 取 り 出 して, Grunwald. (JTC‑11). K株. 細 胞 の増 殖 図. れ を細 胞及 び培. の 孵 卵 器 中 で5° の 冊様 ガ ラス表面 に細. れ を 毎 日1〜2枚. Eosinmethylenblau‑Losung. farbung及. 第 二 図. づつ. fur May‑. びMay‑Giemsa氏. 液 で 染 色 し,. 標 本 と した. 細 胞 の 復 元 実 験 に は,生 Cb系. 後2ヶ. 雌 マ ウ ス が 用 い ら れ た.そ. は 後 述 す る.そ. 月前後 の 健康な の 初 代 実験 の詳 細. の 継 代 に お け る 細 胞 数 測 定 は,腹. を 等 稠 溶 液 で100倍. に 稀 釈 して お い て, Burker. 計 算 板 に て 稀 釈 液 中 の 細 胞 数 を 測 定 し,こ 元 の 腹 水 中 の1ml当 して,し. 水. Turk. れにより. り の 癌 細 胞 数 を 計 算 し た.そ. か る べ き細 胞 数 を 含 む 腹 水 を,滅. 菌 したマ. ン トー 反 応 テ ス ト用 の 注 射 器 で 無 菌 的 に 抜 き 取 り, ヨ ー ドチ ン キ 及 び ア ル コ ー ル で 腹 壁 を 消 毒 さ れ た 正 常 マ ウ ス の 腹 腔 内 に 注 入 した.ま 腹 水 の 塗 抹 標 本 を 作 り,メ. た そ の 継 代 ご と に,. タ ノール 固 定 してギ ムザ. 染 色 し た.. 実 験 成 績 1) 増殖 率 長 期 培 養 さ れ た エ ー ル リッヒ腹 水 癌 細 胞(JTC‑11) の 増 殖 状 態 は,第. 二 図 及 び 第 三 図 に 示 さ れ て い る.. 第 二 図 に お い て は,初 よ り1/9×104に. 期 細 胞 数 を1ml当. 到 る3倍. 稀 釈 の5系. り9×104. 列 と し,そ. の. 第 三 図 (JTC‑11). K株. 細 胞 の 増 殖図.
(4) 4. 浜. 細 胞 計 数 は 第2日 に 行 わ れ た.第. 目,第4日. 目,第6日. 二 図 か ら 見 る と,初. 崎. 目 と2日 期1ml当. 細 胞 数 の 多 い もの で は 凸 曲 線 を 示 し,細. 充. 彦. 毎 りの. 胞 密 度 の少. い もの で は 凹 曲線 を 示 して い るこ とが 明 らか で あ る . な お 各 々 の6日 104:10.2,. 間 の 増 殖 率 は 次 の 通 りで あ る. 9×. 3×104:30,. 1/9×104:270. 1×104:64,. .第 三 図 は,少. 態 を 調 べ た もの で あ り,実 同 様 で あ る.初 に 到 る5倍 位2系. 数 細 胞 数 によ る増殖 状. 験 方 法 は 第 二 図 の もの と. 期 細 胞 数 を, 1ml当. 稀 釈 の4系. 列 は 第2日. 目 の2日. 1/3×104:132,. 列 と し,そ. 目,第4日. 毎 に 行 な い,下. り5000よ. の 細 胞 計 数 は,上. 目,第6日. 位2系. り40. 目,第8日. 列 は,あ. る程 度 の 細. 胞 数 に な る ま で 増 殖 しな い と 計 数 不 可 能 の た め,第 4日 目,第6日. 目,第8日. 目 に 行 な い ,計. か つ た 部 分 は 点 線 で 結 ん だ.そ 次 の 通 りで あ る. 5000:50, 320で. あ り,極. の6日 1000:80,. 数 を しな. 間 の増 殖 率 は 200,. 40:. め て 少 数 の 細 胞 で も増 殖 す る こ と が. 明 ら か で あ る.. て, 80%. YLE+20%牛. 血 清 を 用 い,次 の様 な 順 序. り0.32×104に. 浮 游 させ て,マ. ウス腹腔内 に. 無 菌 的 に 注 入 した. Condition's mediaに 細 胞 を継 代 し5〜7日. は, K株. 経過 した と き の培 地 を,遠 心. 沈 澱 ま たは 濾過 して使 用 した. Condition's mediaを. 37℃ で5° 傾斜 静 置培 養 され,底 部 に 白 く(JTC‑ 11) K株 細 胞 の 附 着 した試 験 管 か ら,古 い培 地 を 棄 しい維 持 培 地 を入 れ,駒 込 ピペ ッ トで充 分. に 攪 拌 す る.そ の一 滴 を と り,新 しい試 験 管 に 倍数 稀 釈 で1/50,. 用 意 され た.細 胞 数 は200×104よ Condition's mediaに. K株 の 保 持 に は,維 持 培 地 と し. に よつ て 行 わ れ て い る.. て て,新. マ ウス 復元 第1代 成 績. 到 る5倍 稀 釈 の5系 列 と し,こ れ らを 各 々0.5mlの. 2) 株 の 維 持 現 在(JTC‑11). 第 四図. 1/100及 び1/200に な るよ うに 稀 釈 して. 使 用 した理 由 は,培 養 株 細 胞 が 動 物 に注 入 され る ま で に障 碍 を 受 け る こと を,出 来 る限 り少 くす るた め で あ る.そ の各 々の生 存 日数 及 び腹 水 量 は,'第 四 図 に示 して あ る.即 ち,マ ウス番 号6の 的 に早 期 死 亡 した.そ. もの は,例 外. して 解 剖 所 見 で,胸 腔 内 リン. 継 代 し, 7日 後 これ らの 内 か ら再 び 同様 の 処 置 を行. パ 腺 へ の 癌 転 移及 び胸 水 が認 あ られ た点 か ら,他 の. な つ て継 代 して い る.室 温 に放 置 され た 場 合 に は,. もの よ り区 別 され る.ま た マ ウ ス番 号21の. 3週 間 か ら4週 間 維 持 す る ことが 出来 る.こ の際 注. もの は,. 比 較 的 早 期死 亡 し,そ の解 剖 所見 で,胸 腔 内血 性 浸. 意 すべ き こ と は,被 継 代 細 胞 が,形 態 の項 で述 べ る. 出液 を 認 め,ま た胸 骨 剱 状 突 起 下 に 癌 性 腫 瘍 を 認 め. よ うな変 性 を うけ て い な い こ と,及 び 攪 拌 が充 分 に. た点 か ら,前 者 と同 様 胸腔 内腫 瘍転 移 に よ る早 期 死. 行 わ れ る こ とで あ る.攪 拌 が 不 充分 な場 合 に は,継. 亡 と考 え られ る.さ. 代 され た試 験 管 内 に 塊 が 出来 て,塊 の 中心 部 が早 期. 細 胞 接 種 後98日 目 に,肉 眼 的 に異 常 を認 め られ な か. に壊 死 に お ちい り,株 細 胞 中 に壊 死 破 壊物 質 が 混 入. つ た の で屠 殺 し検 索 したが,解 剖 所 見 に おい て も,. し,腫 瘍 細 胞 が 汚 くな る.不 幸 に して この状 態 が 起. 癌 性腫 瘍及 び腹 水 は認 め得 な かつ た.そ の 他 の22例. つ た場 合 に は,初 期 注 入 量 を 多 くし, M. C.を 行 い,. に つ いて は,そ の解 剖 所 見 は い ず れ もほ ぼ 同様 で,. 継 代 間 隔 を 短 くす るか,あ るい は,継 代 に際 して,. 大 網 及 び腸 間膜 に粟 粒 大 の 腫 瘤 を数 多 く認 め た.な. 壊 死 した 塊 を 静 置 に よつ て 除 き,上 清 の細 胞 の み を. お腹 水 は いず れ も出血 性 で,そ の 検 鏡 で は,腹 水 は. もつ て継 代 す る方 法 が と られね ば な らな い.. (JTC‑11). 第1代. もの は,. 多 くの赤 血 球 及 び少 数 め リンパ 球,単 球,好. 3) 復 元 成 績. 中球 か. らな る血 性 成 分 が 主 体 をな し,腫 瘍 細 胞 は わず か に. K株 細胞 の, Cb系 マ ウ スに 対 す る復元. 実 験 は,そ の178代. らに マ ウ ス 番 号25の. の細 胞 を用 いて 行 わ れ た.そ の. に おい て は,第 四図 に示 す よ うに,5系. 々5匹 の,生 後2ヶ 月 前 後 のCb系. 列各. 雌 健 康 マ ウス が. 混 じて 見 ら れ る 程 度 で あ る.腫 瘍 細 胞 は10〜20μ 程 度 まで の類 円形 の核 を有 し,ア ズ ー ル に 紫色 に顆 粒 状 に そ まつ て 見 られ る.核 仁 は あ ま り明 瞭 で な い . 細 胞 質 は メチ レン ブ ラ ウに青 く染 つ て 見 ら れ る..
(5) 長 期 培 養 さ れ た エ ー ル リ ッ ヒ腹 水 癌 細 胞(JTC‑11)の. 元 来 の動 物 エ ー ル リ ッヒ癌 細 胞 の場 合 に は,多 数 の 腫 瘍 細 胞(1ml当. り108程 度)が 鏡 見 され るの が通. 第 五 図. 性 状 に つ いて. (JTC‑11). 復 元 継代 図. K株. 5. 細 胞 のcb系. マ ウス. ※ 次代 継 代 使 用 の マ ウス. 常 で あ り,所 謂 腫 瘍性 腹 水 を 形成 す るが,(JTC‑11) K株 の 復元 の場 合 には,腫 瘍性 腹 水 とい うよ り も血 性 腹 水 の 中 に腫 瘍細 胞 が 混 在 して い る状 態 とな つて い る.腫 瘍 細 胞 自体 のみ に つ いて 見 ると,通 常 の動 物 株 の エ ール リ ッヒと ほ とん ど変 らな い.従 つて, 培 養 後1年 前 後 の状 態 で 復元 され た成 績 の 報告(当 研 究 室:野. 田等)15),即 ち復 元 腫 瘍 は動 物 株 と同 様. 腫 瘍 性腹 水 を つ くり,腹 水 中の細 胞 は元 来 の動 物株 に 比 して 大 き くな り,か つ空 泡 形成 が著 明 で あつ た とい う報 告 と異 つ て,. 3年 経 過 の場 合 には,血 性腹. 水 中 に存 す る腫 瘍 細 胞 は空 泡 形成 が な く,通 常 の動 物株 に初 代 か ら極 め て類 似 して い る とい う点,及 び 腫瘍 細 胞 が腸 間膜 及 び大 網 に粟 粒大 の腫 瘍 を多 数 つ くり,腫 瘍性 腹 水 を形 成 しな いで 血性 成 分 の多 い腹 水 中 に腫 瘍細 胞 が 散在 す る とい う点 にお いて,経 時 的変 化 を受 けて い るこ とを示 して い る.し か し これ らの血 性腹 水 は,他 のCb系. 雌 健 康 マ ウス に接 種 す. る こ とに よつ て,第 五 図 に示 す よ うに100%継. 代可. 能 で あ るとい う以 下 の 研 究成 績 に よつて,腫 瘍 細 胞 を含 有 して い る ことは 明 らか であ る.な お腹 水量 記 入 中 の空 欄 は 記録 もれ で あ る. 4) 復元 マ ウ スの動 物 継 代 第2代 以 後 の マ ウ ス継 代 成 績 は,第 五 図 に示 して あ る.第1代. の時 と同様 に,そ の各 々の解 剖 所見 は,. 大 網 部 及 び腸 間 膜 に 粟粒 大 の腫 瘤 を認 め,腹 水 は 出 血 性 で あ つ た.ま た時 に よ る と,腹 腔 の ほ ぼ全体 に わ たつ て,癌 細 胞 の類 壊 死 塊 か らな る腫 瘤 が 認 め ら れ,こ の際 の腹 水量 は,他 に比 して か な り減 少 して いた.な お腹 水 中の 癌細 胞 数 は,第3代 は非 常 に増 加(1ml当. 継 代 の際 に. り17760万 程 度)し,動. 物継. 代 の もの とほ ぼ 同数 とな り,そ の腸 間膜 等 に お け る 腫 瘍 も,や や そ の数 を減 少 したか の感 が あ つ たが, 第4代,第5代. と経過 す る につ れて 再 び そ の数 を 減. な くな る.し か し第10代 まで腹 水 そ の もの の性 状 は. 少 し, 1ml当. り40〜50万 程 度 とな り一定 して きた.. 依 然 と して強 く血 性 で あつ て,多 数 の 赤 血 球 が見 ら. 1963年11月20日. 現 在,第11代. 継 代 まで 進行 中で,. 第 五 図 に記 載 され て い る第10代,第11代. の4例 は,. れ,腹 腔 中 に粟 粒大 の腫 瘍 結 節 を形 成 す る.従 つて この 時期 まで,本 腫 瘍 は元 来 の動 物 のエ ー ル リッ ヒ. 今 だ生 存 中の もので あ る.各 々の腹 水塗 抹 ギ ムザ 染. 腹 水癌 か ら区 別 され る.第11代. 色 標本 の 検鏡 所見 で は,第3代. 胞 数 が増 加 して い るので,次 第 に動 物 株 の エ ー ル リ. の 場 合(1ml当. り. の腫 瘍 細 胞 数 が多 いが,動 物 株 の よ うに腫 瘍 細胞 が ば らば らで な くて,や や集 落 を な して見 られ る)を 除 いて,第5代. まで は初 代 の 所見 に似 て お り,や や. 好 中球 の存 在 が 多 い のが 特 徴 で あ る.第6代. 以 後1ml当. りの細. ッヒの性 状 に近 づ い て い る もの の よ うで あ る. 5) 培養 順 応 性 の 動 物通 過 に よ る維持 第 五図 に お け る復元 マ ウ ス第5代 の うち,細 胞 数. 以後腫. 40×104を 腫 腔 内に 接種 した マ ウ スの17日 目,初 代. 瘍 細 胞 が や や大 き くな り,好 中球 は ほ とん ど見 られ. 復元 よ りの通 算 日数95日 目の腹 水 を消 毒 され た注 射.
(6) 6. 浜. 崎. 充. 彦. 器 で無 菌 的 に取 り出 して,得 られ た癌 細 胞 を再 度組. 附 着細 胞 数 は充 分 で あ るが 円形 細 胞 が ほ とん どで,. 織 培 養 に も ど して見 た.第 六 図 に示 す よ うに,第5. 稀 に 線維 状 細 胞 が見 られ る程 度 で,所 謂 ガ ラス壁 附. 代 マ ウ ス よ り無 菌 的 に得 られ た腹 水 に, 80%. 着性 が弱 い.ま た細 胞 質 内 に小 顆 粒 が 多 く,変 性 気. 20%牛. 血 清 を 数倍 量 加 え, 1ml当. YLE+. り2万 単位 の ペ. ニ シ リン液2滴 を 混 じて, 1000r.p.m.. 10分 間遠 心. 味 とな り,維 代 困難 を思 わ せ た.そ の後M.. C.を3. 日毎 に行 なつ たが,前 者 は 増 々増殖 して ゆ くに反 し,. 沈 澱 を行 い,上 清 を捨 てて,癌 細胞 及 び混 入 した赤. 後者 は約10日 後 に変 性 し,次 第 に 浮游 消失 した.ま. 血 球 を得 た.そ の対 照 と して,動 物 株 と してCb系. た前 者 は,そ の25日 目 の もの を ラバ ー ク リー ナ ーで. 雌 マ ウス に継 代 され て い る,培 養 に移 され た こと の. 丁 ね い に は が し, 1000r.p.m.. な い元 来 の エ ール リ ッヒ腹 水癌 細 胞 を,そ の 腹 水 中. よ り得 られ た癌 細 胞 を, Condition's media (上清 液). よ り同 様 の方 法 で 得 た.こ. で 稀 釈 し, 0.5ml当. 細 胞 を,各. 々10×104/ml及. 細 胞 数 で, 80%. YLE+20%牛. う して 得 られ た二種 の癌. り30万,. 5分 間 の 遠 心 沈 澱 に 15万 及 び5万. の細. 同数. 胞数 にな る よ うに し,無 菌 的 に,生 後2ヶ 月 前 後 の. 血 清 の 培 地 で 試験. Cb系 雌健 康 マ ウス3例 の腹 腔 内 に 注 入 した.そ の. び50×104/mlの. 結 果 は, 30万 接 種 マ ウ スは36日 目に, 15万 接種 マ ウ ス は39日 目に,い ず れ も腹 水 癌 を生 じて 死 亡 した. そ の解 剖 所見 は,い ず れ も 数mlの. 出血 性腹 水 が 認. め られ,復 元 マ ウス の それ との相 違 は認 め られ な か つ た.ま た大 網 及 び腸 間膜 に粟 粒 大 の腫 瘤 が,初 代 復 元 マ ウ ス と同様 に認 め られ た.な お5万 接種 マ ウ ス は,約60日. 間経 過 し た現 在,腹 水 も腫 瘍 も認 め ら. れず 生 存 中で あ る. 6) 形 態 (JTC‑11). K株. 細 胞 の形 態 的観 察 は,短 冊 法 に よ. り得 られ た標 本 を,ギ ムザ 染 色 して検 鏡 した.細 胞 は継 代 後,第1日. 目か ら第10日 目まで,無 処 置 の 静. 置培 養 細 胞 の標 本 を作 製 した.そ の所 見 は 次 の ご と くで あ る. 第1日. 目: (写 真1). 細 胞 は一 般 に小 型 で,小 突 起 の あ る円形 を呈 す る もの が 多 い.核 は 円形 ない し類 円 形 で,中 等 度 の厚 さを もつ 核膜 と,2〜3ケ 質 突 起 は2〜4ケ. の 核 仁 が見 られ る.細 胞. 見 られ るが,極 めて 短 い もの が多. い.一 部 の もの で は かな り長 い 突 起 が見 られ るが, 突 起 の突 端 は広 が つて 「い もりの 吸 盤 」状 に な つて い る.一 部 の細 胞 核 は濃 縮 し,一 部 の もの は多 核 を 第六図. 動 物継 代 中の 復 元培 養 細 胞 及 び 非 培養 細 胞 の培 養 に お け る比 較. 管 内 に移 し, 37℃. の 孵 卵 器 中 に 傾斜5° で 静 置培. 養 を 始 め た.そ の第4日 違 は,前 者 の 内10×104の. 目 にお け る両 者 の 検鏡 的相. 示 す.稀 に は細 胞 質 に,大 小 の空 泡 が 形 成 され て い る もの もあ る. 第2日. 目:. 核 及 び細 胞 質 が 次第 に大 き くな る.核 の中 には,. もの で は,細 胞 附 着 数 も. かな り2核 性 の もの や 多型 核 が含 まれ て い る.細 胞. 少 く,時 に空 泡細 胞 す ら見 られ るが,少 数 の 附 着細. 質 は微 細 顆 粒 状 に見 られ るが,大 小 の空 泡 を 有 す る. 胞 の 状 態 は よ く,徐 々 に増 殖 して ゆ くと思 わ れ る.. もの が かな り多 い.細 胞質 が広 くな つて,突 起 の数. 50×104の 方 は 細 胞 の 附 着増 殖 共 に よ く,既 に継 代. が多 くな つ て い る.こ の場 合 に も,突 起 の突 端 は 吸. 可 能 な程 の状 態 で あつ た.細 胞 形 態 は,円 形細 胞 と. 盤 状 にふ くらん で い る.. 線 維 状 細 胞 とが ほ ぼ同 数見 られ た.こ れ に反 して後. 第3日. 目: (写 真2). 者 即 ち動 物 エ ール リ ッヒ株 よ りの細 胞 は,い ず れ も. 細 胞 数 の増 加 が かな り目立 つ て くる. 2日 目に 見.
(7) 長 期 培 養 さ れ た エ ー リ ッル ヒ腹 水 癌 細 胞(JTC‑11)の. 性状 につ いて. 7. られ る細 胞 群 の他 に,や や小 型 で 核 が濃 染 し,細 胞. 胞 塊 と な る.更. 質 突 起 が 金 餅糖 状 に小 さ く数 多 く見 られ る,所 謂 幼. 細 胞 数 が 比 較 的 少 い 部 分 で は,細. 若 型 の細 胞 が見 られ る こ とが特 徴 で あ る.従 つ て こ. 接 着 し て 広 が り,メ. の時 期 に は細 胞 のlag. 一 部 空 泡状 に青 染 し. phase現 象 で あ る,細 胞 の変. 性 異 型 化 と共 に,細 胞 の増 殖 が 起 つ て い る. 第4日. 目:. 第3日. 目の所見 に似 るが,空 泡 を有 す る細 胞 及 び 目幼若 型 の細. 胞質 は ガ ラス壁 に. チ レ ンブ ラウに よ つ て 顆 粒 状 ,前 記 し た 特 有 な 細 胞 質 突 起 を. 現 わ して い る.核 を 有 し,ア. 大 型 細 胞 の減 少 が起 つて い る.第3日. に そ の 状 況 が 続 く と 液 中 に 浮 游 す る.. は 円 形 に 近 く,比. 較 的 多 くの 核 仁. ズ ー ル に 紫 色 に 呈 色 して い る 巨 大 核 が 散. 見 して い る が,こ. れ ら の 細 胞 の 一 部 に は,核. 側 にエ. オ ジ ン に 呈 色 す る 塊 状 顆 粒 を 有 し周 囲 と膜 状 に 境 さ. 胞 が 次 第 に大 き くな つ て ゆ くのが見 られ,且 つ二 極. れ た 空 泡 を 有 す る も の が 見 られ る.こ. 性 の突 起 を有 す る細 胞 が少 数 な が ら認 め られ る.一. 他 の 培 養 株 細 胞 に 散 見 さ れ る所 見 と 類 似 して い る.. 般 に成 熟型 の細 胞 は,核,細. こ の 時 期 に は 増 殖 率 が 下 り つ つ あ る.. 胞質 共 に大 き く且つ 核. 内構造 が 明 る く識別 され るが,幼 若 型 の もの は核 が 濃 染 して核 内構 造 は認 め 難 い.稀 に大 型多 型 核 が 認 め られ る. 第5日. 目:. 第10日. 目: (写 真4). 第9日. 目 の 所 見 と 類 似 す る.細. つ た 場 合,存. 胞 の 密 度 が 多 くな. 在 す る細 胞 突 起 は 縮 少 し太 く短 くな る. の が 通 常 で あ る が,時. 細 胞 増 殖 が著 明 で,多 数 の幼 若 型 細胞 が見 られ る.. れ らの 空 泡 は,. に は 縮 少 に 際 して,ガ. ラス壁. に 附 着 し た ま ま 取 り の こ さ れ て 顆 粒 状 に 汚 く紫 青 色. そ れ らと略 同数 に楕 円形 の緊 張 した核膜 と, 2な い. に 染 つ て い る の が 見 ら れ る.細. 胞密 度 の 少 い 部 分 で. し数 ケ の突 起 を有 す る細 胞質 を 中等 量 に もつ成 熟 型. は,細. に 比 して 増 加 し て い. の細 胞 が 認 め られ る.ま た非 常 に 数 多 くの突 起 を有. る.. 胞 質 の 突 起 数 は4〜5日. す る もの も認 め られ るが,い ず れ の場 合 に も,突 起 総 括. の 突端 が 吸盤 状 に小 球 状 にふ くらん で い るの が特 徴 で あ る.少 数 に 散見 され る大 型細 胞 の多 くは,多 型 核 な い し多 核 で,細 胞 質 は扇 状 で周 辺部 が波 状 に見 られ,明 瞭 な突 起 は認 め られな いの が通 常 で あ る. 第6日. 目:. 第5日. 目の所見 と変 らな いが, 2〜3ケ. 近 年,動. 有 しや や伸 長 され た細 長 い細 胞 が多 く見 られ る. 第7日 目: (写 真3). び 考. 按. 物 腹 水 癌 細 胞培 養 に よ る株 化 の成 功 と そ. の 継 代 が な さ れ,特 と して, Ehrlich 130. の突 起 を. 及. に そ の長 期 培 養 に成 功 した報 告. Ascites carcinoma6)7)8)9)11)12), AH‑. rat ascites hepatoma16),. phosarcoma17),. TA3. Lymphosarcoma18)等. 6C3H. mammary. ED. mouse. Lym. carcinoma9),. MN. が あ る.. こ こ に 報 告 した エ ー ル リ ッ ヒ 腹 水 癌 細 胞(JTC‑11. 細胞 数 が 著 明 に 増加 して い る. 4〜6日. 間 に見 ら. 細 胞)と,従. 来報 告 され て い る もの と を比 較 検 討 し. れ た伸 展 され た突 起 を もつ成 熟 型 細 胞 も多 く認 め ら. て 見 る と,種. 々 の 面 に お い て,か. れ るが,円 な い し楕 円 形 の 緊張 した核膜 を もち,数. ら れ る.. 多 くの 核仁 を含 む 比 較 的大 きな 核 を 有 し,短 く太 い 突 起 を細 胞 質 の周 囲 に2〜5ケ. 程 度 有 す る成 熟 な い. な りの相 異 が 認 め. そ の 培 養 期 間 に つ い て 見 る と, Deschner6)に ば わ ず か に80日 で あ り, Ely7)に. よ れ ば8ヶ. し老 化型 の細 胞 が 認 め られ る.弱 拡 大 で は これ らの. り, Cailleau11), Dipaolo12),. 突起 が お互 い に離 れて,所 謂接 触 障 碍 と考 え られ る. 1年 余 で あ り, Foley8)に. 分離 を示 して い るよ うに見 られ るが,精 査 す ると,. 的 長 期 に わ た つ て い る の み で,3年. これ らの突 起 が お互 い に入 り交 つ て重 な つ て い るの. い て は 今 だ そ の 報 告 を 見 な い.さ. を認 め る こ とが 出来 る.こ の場 合,遊 離 した突 起 の. い た つ て も, M. C.を1〜2日. 突 端 は大 き くな つて い る.少 数 には 極 め て大 きな単. も の が 多 く,そ れ で も次 代 継 代 は1〜2週. 核,多 型 核 あ るい は多 核 の 巨細 胞 が 認 め られ る.. て い る(Guerin9),. Guerin9)等 よ る も の が2年. よれ 月 であ. に お いて は 半の 比較. 以 上 の報 告 につ らに その継 代 法 に. 毎 に 行 わ ね ば な らぬ. Cailleau11)).ま. 間 か かつ. た継代の 際 の細. 第8日. 目:. 胞 剥 離 に 際 して も, Dipaolo12),. 第7日. 目の 状 態 とあ ま り変 らな い.. は ラバ ー ク リー ナ ー,ト. リプ シ ン あ る い は ヴ ェ ル ゼ. 第9日. 目:. ン 液 を 使 用 して い る が,. (JTC‑11). 単 位面 積 中 の細 胞 数 が 多 い部 分 では 細胞 が丸 くな り,平 面 的増 殖 か ら立 体 的増 殖 の様 式 に うつ り,細. 込 ピ ペ ッ トに よ るpipetting法 と が 出 来 る.. Guerin9),. Foley8)等. K株 細 胞 で は 駒. で 充 分 に要 を 足 す こ.
(8) 8. 浜 さ らに(JTC‑11). 崎. K株 細 胞 の特 異 的 な こと は,そ. 充. 彦. な い か も知 れ な い が,従 来 の腹 水腫 瘍形 成 性 を失 い,. の 増殖 率 で あつ て, Ely7)に よれ ば6日 間 で32倍 増. あ るい は マ ウス へ の 同種 性 を あ る程 度 失 い,異 種 化. 殖 率 が 記 載 され て お り(細 胞 数80×104),. す るこ とを 物 語 つ て い るの か も知 れ な い.し か し動. Foley8)は. あ ま り増殖 率 は よ くない と記 載 して い るの み で,他. 物 継 代 が 続 け られ ると,従 来 の腹 水 腫 瘍 に次 第 に か. の報 告 に もそ の点 の記 載 は 充 分 でな い.こ れ らと比. え つて ゆ く様 で あ る.ま た復 元 中の細 胞 を再 度 組 織. 較 して み て も, (JTC‑11). 培 養 に もど す 実 験 は, Sanford19)及 びBarski20)等. K株 細 胞 の 増 殖 率 は 実 に. 驚 威 的 な もの で,お そ ら く世 界 最高 の増殖 率 を有 す. に よ り報 告 され て い るが,こ れ らは いず れ も腹 水 型. る もの と思 わ れ る.ま た初 期 注 入量 が少 い と多 くの. の腫 瘍 で は な く,ま た この 報告 の ご と く元 来 の動 物. 株 細 胞 で は 増殖 不能 で あ るが,実 験 成 績 に も記 した. 継 代 細 胞 との 間 の比 較 は な され てい な い.こ の比 較. よ うに,本K株. は 極 めて 少 数 の 単 位 注 入量 に よつ. は第 六 図 及 び そ の説 明 に見 られ るよ うに,組 織培 養. て も容 易 に増殖 す る点 に おい て も勝 れて い る.そ の. を経 験 して い な い動 物 継 代細 胞 はわ ず か の 日数 で変. Generation timeは. 性 浮 游 して しま うが,動 物 → 組 織 培 養 → 動物 を経 過. ほ ぼ 十 数 時 間 で あ る こ とが,増. 殖 曲線 及 び 連続 映画 撮 影 によ つ て確 認 せ られて い る.. した細 胞 は非 常 に簡 単 に組 織 培 養 に移 る こ とが判 明. 従 つて これ らの 性状 か ら,生 体 外即 ち組織 培 養 の 日. した.こ れ らの細 胞 の再 度 復元 の成 績 は, 30万, 15. 常 の継 代 にお い て の制 限 即 ち初 期 注 入 密 度,ガ. 万 の もの で は いず れ も発 癌 す るが,. ラス. 5万 の もの で は. 壁 に対 す る容易 な剥 離 性,ま た これ と反 す るよ うな. 発 癌 しな い点 か ら見 て,第 四図 の実験 細 胞 よ り も毒. 性 状 で あ るが,一 面 ガ ラス へ の静 置 によ る密 着 性,. 性 が や や 弱 ま つ た よ うな 感 じで あ り, Sanford19)等. 強 い 増 殖 率 等 か ら,所 謂 株 性 と い う条件 を まつ た く. の 報告 に あ る よ うな腫 瘍性 の低 下 と類 似 の結 果 が 出. 充 す もの で あ る.. て い るが,日 数 及 び例 数 の相 違 もあ り,そ の断 定 は. 次 に 長 期 培 養 癌 細 胞 の 復 元 成 績 に つ いて は,そ. 下 し難 い と思 わ れ る.私 が 本 実 験 を行 つ た主 目的 は,. の 細 胞 が 癌 で あ る とい う 同定 の 問 題 と 共 に,そ の. 動物 癌 細 胞 が 組織 培 養 株 化 を 起 した時,組 織 培 養 で. 所 謂 毒 性 変 化 が 従 来 よ り云 云 され る 所 で あ るが,. 容易 に継 代 され 得 ると い う培 養 順 応 性 あ るい は株 性. Deschner6)に. (佐 藤)が. つ て い る.さ. お いて は4×103の ら にDipaolo12)に. 細 胞 数 で 失 敗 に終 よ れ ば7×105で. 100%の 成 功 を みて い るが, 1×105で. ほ とん ど成 功. 復 元 動 物継 代 に よつ て も 失 わ れ な い と い. う こと の確 認 と,実 用 性 と して 動物 癌 の培 養 株 の 動 物 に よ る保 持 の可能 性 の確 認 で あ るが,こ れ らの点. して い な い.ま たCailleau11)に よ る と105〜107で. もいず れ も陽 性 で あ る ことが 判 明 した.同 様 の実 験. 100%の. が 高 井21)に よつ て も な さ れて お り,組 織 培 養 癌 株. 成 功 をみ て い るが,そ れ 以下 で は100%に. 達 しな い. Guerin10)で は2〜3×106で90%〜100. と実 験 腫 瘍 動 物 との 間の 橋 渡 しに な る 可 能 性 が 強. %の. い.. 成 功 率 で あ る.な おEly7)も. 成 功 は して い る. が,細 胞 数 に 関 す る充 分 の 記載 に欠 けて い る.こ れ らに比 して(JTC‑11). K株 細 胞 で は, 1.6×104以. 上 に おい て い ず れ も100%の. 発 癌 が 見 られ,し か も. 次 に培 養 に おけ る細 胞 の形 態 に つ い て は,一 般 論 と して 既 に 佐 藤,笛 吹22)等 に よ つ て 報 告 され た よ うに,一 定 の 条 件,即. ち 同一 細 胞 で も そ の 細 胞 が. そ の 動 物 継 代 も 充 分 に 可 能 で あ る.さ らに0.32×. ① 生 存 す る培 地 ② 培 養 及 び継 代 の方 法,例. 104で は80%の. 発 癌 が見 られ た こ と よ り,こ の あ た. 置培 養,浮 游 培 養 あ るい は ト リプ シ ン継 代, pipetting. りに 致 死 限 界線 が あ る こ とが 想 像 され る.よ つ て. 法 等 ③ 培 養 液 に 生 存 す る 日数(こ の場 合 は特 に初. (JTC‑11). 期 細 胞 注 入量 が影 響 す る)等 の 変 化 に よ つ て大 き く. K株 細 胞 は,従 来 の 報 告 に は 見 られ な い. え ば静. 程 の腫 瘍 性 を 所 有 し,組 織 培 養 によ つて 起 る か も知. 変 動 す る こと が 明 らか で あ る. (JTC‑11). れ な い腫 瘍 性 の低 下 は現 在 の所 考 え られ な い.た だ. によ れ ば,継 代 され た始 め は細 胞 は 丸 く小 型 で 小 さ. し復 元 エー ル リッ ヒ株 が元 来 の エ ー ル リッヒ腹 水癌. な 突 起 を 所有 して お り,ガ ラス壁 へ の附 着 は 弱 い .. と趣 きを 異 に す る点 は,形 成 され た腹 水 中に お け る. この 時期 の突 起 は 映画 撮 影(佐 藤,浜 崎 等)し て 見. 単 位 体 積 中細 胞 数 の 減少(約1/10)と. そ れ に と もな. る と,細 胞質 の諸 所 か ら出現 し,ガ ラス壁 の上 を そ. K株 細 胞. う赤 血球 の游 出,さ らに腸 間膜 な ど に粟 粒 大腫 瘤 を. れ に よ つ て動 き廻 つ て い る こと がわ かつ た.培 養 日. 生 ず る点 で あ る.こ れ らの事 実 は,実 験成 績 の項 で. 数 が 経過 す るに つ れて この突 起 は成 長 伸 展 し, 2〜. 述 べ た好 中球 の 出現 と共 に,元 来 の動 物 株 エ ー ル リ. 3の 比 較 的長 い細 胞 突 起 と な る .こ の場 合 細 胞 突 起. ッ ヒ腫 瘍 細 胞 が培 養 に よ つて 癌 性 そ の もの は失 われ. の突 端 は 吸盤 状 に小 球 化 して い るの が特 徴 で あ り,.
(9) 長 期 培 養 さ れ た エ ー ル リ ッ ヒ腹 水 癌 細 胞(JTC‑11)の. 突 端 の細 長 い所 謂 線維 芽 細 胞(L細. 胞)の 場 合 と異. 9. 性 状 につ いて. つ て い る.ま た この 吸盤 状突 起 は,株 化 の初 期 即 ち. (JTC‑11細 胞)は, 80% YLE (最 終 濃 度Yeast Extract 0.08%, Lactalbumin hydrolysate 0.4%). (JTC‑11). +20%牛. K株 細 胞 の歴 史 の 始 めの 頃 か ら 認 め られ. 血 清 の 培 養 液 で, pipettingに よ り3年 間. る性 状 の一 つで あ る.更 に時 期 が経 過 す る と,突 起. 以 上培 養 継 代 され た もの で あ る.そ の性 状 につ い て. の数 が 増加 す る.し か し細 胞 数 が それ と共 に増 加 し. 組 織培 養 学 的 に観 察 した結 果,次 の結 論 を得 た. 1) 私 の 馴 化 した(JTC‑11). て くる と,突 起 の 先 端 は互 い に入 り交 じ るよ うにな. K株. は,株 の 維 持 に. る.即 ち一 部 の培 養 株細 胞 に見 られ るよ うな所 謂 接. おい て 継 代 の 方 法(pipetting),細. 触 障 碍 は起 らな い.更 に細 胞 数 が増 す と,突 起 は縮. 世 代 に お け る培地 無交 新,継 代 細 胞 数及 びガ ラス壁. 胞 の 強 固 性,一. 少 し細 胞 は 丸 くなつ て 塊 状 と な り,病 理 組 織学 的 に. 附着性 等 か ら考 え て,現 存 す る動 物 腫 瘍培 養 株 の 中. い う類 壊 死 の状 況 を 経 て 液 中 に浮 游 し壊 死 す る状 況. で 最 も取 り扱 い 易 い もの の一 つ で あ る.. とな る.培 養 の初 期 及 び後 期 にお いて は巨 細 胞 あ る. 2) その 増殖 率 は最 高8日 間 で2000倍. に も達 す る. い は多 核 細 胞 が現 れ る率 が多 いが,こ れは 現 在 の組. 極 めて激 し く増 殖 す る細 胞 で あ り,ま た極 めて 少 数. 織 培 養 で 用 い られ る方 法 即 ち閉鎖 され た培 地 中 で の. の細 胞 か らで も増殖 が可 能 であ る.. pH並. び に 代謝 終 末 産 物 の影 響 と考 え るのが 妥 当 で. 3) 復 元 実 験 に よ り生 後2ヶ 月 のCb系. 雌 マ ウス に. あ ろ う.従 来 の 報 告 に よ る と, Dipaolo12)は リンパ. 対 し, 1.6×10ケ 細 胞 数 以上 で100%の. 球 様細 胞 が 繊 維芽 様 細 胞 よ り優勢 で あ ると述 べ て お. し,継 代 も可 能 で あ る.即 ち腫 瘍 性 は 極 め て よ く維. り, Foley8)は 細 胞質 は 長細 くな り 一 端 ま たは 両 端. 持 されて い る. 4) 組織 培 養 が 可能 と な つ た 動 物 癌 組 織 培 養 株. に細 長 い突 起 を 有 す るもの が 多 く見 られ ると述 べ て い るが,形 態 の 相 違 は色 々の条 件 によ つ て起 る もの. (K株)は,動. で あ り,両 者 の形 も我 々の亜 株 の 中に見 るこ とが 出. 留 して い る.. 物 通 過 に よ つ て も株 性(佐 藤)は. 残. 5) 形 態 的 に 突 起 の 突 端 が 吸盤 状 にな つ て ガ ラス. 来 る.ま たCailleau11)は 人 の腹 水 を 培 地 中 に 用 い た もの では 大 き くア メー バ 様 に な るが,こ れを 用 い. 発癌 率 を示. 壁 に 附着 し,は な は だ興 味 あ る形 態 を とつ て い た.. な い もの で は小 さ く細 長 い形 態 を と る と述 べ て お り, 稿 を終 る にの ぞ み御 指 導,御 校 閲 を賜 わつ た 佐 藤. 本 報 告 の 主 張 の一 部 を 肯 定 して い る と思 え る.. 二 郎主 任 に 深 甚 の謝 意 を表 す る と とも に,本 実 験 に. 結. 語. つ い て御 援 助 を 賜 わつ た癌 源 研 究 所 矢 部 所 員 に感 謝. こ こに 報 告 記 載 し た エー ル リッ ヒ腹 水 癌 細 胞. す る.. 文. 1) Hull,R. N.: Science117: 223 1953. 2) Siegel, B.: Nature 173: 584. 1954. 3) Moore, A. E. et al.: J. Immunol. 77: 81. 1956. 4) Graff,S.etal.:Exp. CellRes. 13: 348.1967. 5) Eaton, M. D. et al.: Cancer Res. 18: 164. 1658. 6) Deschner.E.E. et al.: Science.131: 419. 1960. 7) Ely, T.O. et al.:Cancer Res.20: 918. 1960. 8) Foley,G.E. et al.: Cancer Res. 20: 930. 1960. 9) Guerin,M. M. et al.: Cancer Res. 22: 378. 1961. 10) Sato. J. et al.: Bull. of Cancer Inst.. 献 Okayama. 11). 271.. R.. 42. et. 1961.. al.:. J.. Nat.. Cancer. Inst.. 26:. 1961.. 12). Dipaolo,. 13). Katsuta,. 109:. J. A.: 616.. for 14). 1:. Cailleau,. Proc.. Soc.. Biol.. Med.. 1962. H.. et. al.:. Symposia. Cellular‑chemistry. Katsuta,. Exp.. H.:. 10: Tissue. of. 91.. Culture. the. Society. 1960. technic.. Tokyo.. 1955. 15). 野. 田 昌 子 他:未. 16). Takaoka, 1155.. 17). Guerin,. 18). Mori,. 発 表. T.. et. al.:. Japan. J.. Exp.. Med.. 28:. 20:. 344.. Res.. 54:. 1958. M.. M.. et. el.:. Cancer. Res.. 1960. S.. et. al.:. Japan. J.. Cancer.
(10) 10. 浜. 崎. 充. 彦. 251. 1963.. 865.. 1961.. 19) Sanford, K. K. et al.: J. Nat. Cancer Inst.. 21). 高 井 新 一 郎:大. 23: 1061. 1959. 20) Barski, G. et al.: J. Nat. Cancer Inst. 26:. 22). 佐 藤 二 郎,笛. On the Properties. 報 告,論. of an Established. 1 The Characteristics. 15: 63.. 1963. 九 回防 衛 衛 生 学 会 に て. 文 未 発 表,. Cell Strain,. Ehrlich Ascites Tumor Part. 阪 大 学 医学 雑 誌 吹 圭 二:第. JTC-11,. from. in Tissue Culture. of the Standard. Strain. (K-Strain). By Mitsuhiko Department. of Microbiology,. Okayama. (Prof, Patholog. cal Division,. Ehrlich than. 3. extract. Ascites. years. by. 0.08%,. 1). This. one The. 3). After. number. of. strain. The. at. the. the. after. the. easiest. size. the. by. the. have processes.. the. of. medium.. As. I. of. on 2000. the. obtained. acutual. adhesion (about. cultured (final. in. results. of. malignant. glass. for. more yeast. tissue. following. stability, the. vitro. concentration:. the. animal. (pipetting),. and. into. tumor. 3. of. female. Accordingly. culture. conclusion. tissue. culture. medium-unchanging. surface.. times. for. 8. mice. with. days). and. even. a. small. tumor. more. producing. than. 1.6•~104. capacity. has. this been. years. this. K-strain. (Experiments a. been serum. Japan. proliferation.. the. Cb-mice. have. strain,. group. greatest. of. lapse. as this. culture-method. (Sato). cells of. of. reinoculation died. a. through. tip. ability. mice. K-strain the. is. here. Medical School, Okayama,. Bovine. 0.4%). inoculum rate. strain-character. This. is. intraperitoneal. transplantion 5). appear. all. reported. characteristics. term,. have the. preserved 4). days. cells. Sato). YLE+20%. preservation,. proliferation. cells,. strongly. cell. subculture. (Director: J,. 80%. Medical School. S, Murakami) University. (JTC-11). K-Strain. of. University. of Okayama. hydrolysate the. (JTC-11) points. 2). Cells using. concerning. in. during. Tumor. lactalbumin. experiments. strains. Cancer Institute. pipetting,. Hamasaki. interesting. cells of form,. has. still. remained. after. in. vivo. 100. retissue-culture). namely. the. small. sucker-form. podia.
(11) 長 期培 養 され た エ ー ル リッヒ腹 水 癌 細 胞(JTC‑11)の. 浜. 崎 論. 文 附. 性 状 につ い て. 図. 写 真1. 第1日. 目. 写 真2. 第3日. 目. 写 真3. 第7日. 目. 写 真4. 第10日. 目. 11.
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