著者 表 真美, 小倉 育代, 大本 久美子, 岸本 幸臣, 長 石 啓子, 花輪 由樹, 宮崎 陽子, 吉井 美奈子 著者別表示 Omote Mami, Ogura Ikuyo, Ohmoto Kumiko,
Kishimoto Yukiomi, Nagaishi Keiko, Hanawa Yuki, Miyazaki Yoko, Yoshii Minako
雑誌名 家政学原論研究
巻 47
ページ 22‑29
発行年 2013‑08‑19
URL http://doi.org/10.24517/00062770
doi: 10.20596/jphe.47.0_22
研 究
ノー ト
家政学広報 にお け る ブ
ック
レット 『 家政学 の じ か ん 』 の 可能性 ( 第 1 報)
一 読後
の生 活観 ・ 家 政 学観
の変化 一
倉 本 本
石 輪 崎 井 表 小 大 岸 長 花 宮 吉
真 美
(京都 女 子 大学 )育 代
(大 阪女 子 短期 大 学 )久 美 子
(大阪教 育 大学 )幸 啓 由 陽
臣
(羽衣国 際大学 )子 (
元 く ら し き作 陽 大 学) 樹
(京都 大 学 )子
(羽 衣国際 大学 )美 奈 子
(武庫川女子大 学 )原 稿受付 平 成
25
年2
月28
日;原 稿 受 理 平 成25
年6
月15
日The
Usefulness
of
Book − let “ Kaseigaku
no
Jikan ” for
the
Publicity
of
Home
Economics
the
Change
ofConsciousness
aboutLife
andHome
Economics after
Reading
the
Book − let
Mami
OMOTE
*1,Ikuyo
OGURA
*2,Kumiko
OHMOTO
*3,Yukiomi
KISHIMOTO
*4,Keiko
NAGAISHI
*5,Yuki
HANAWA
*6,Yoko
MIYAZAKI
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6,
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College
* :ア
(Received February 28
,
2013;Accepted iIl received form June 15,
2013)Keywords
キー
ワー
ド:book−let
views abollt
living
生 活 観ブッ ク レ ッ ト
,
publicity広 報
,
home
economics家政学
,
1 .
研 究の背 景と 目 的現代 社 会には多 種 多様の生活問 題が山積して
い る。 次 世 代 を担 う若者の失 業 や非正 規雇用,
子ど もの い じ め や自殺な ど
,
深刻な報道が後を 絶 た ず,
日本社 会全体が疲 弊し てい ると憂え ざる を得ない 。 科 学技 術や情 報 化は進む
…
方であり
, 一
部にその進歩の歪みと もい える状 況も生じてい る。 真の豊かさ が問 われ
,
生き方・
暮らし方へ の考え方が揺らい でい る今
,
家 庭生活や 家 族につ い て,
あら た めて 問いなおす 時 期が来てい る だ ろ う
。
家政学は
,
今まで 日本の杜 会が求め てい た市 場論理 で はなく,
非 効率 的,
非経 済 的ながら も,
命を 守 り, 人 間 を 守 ること を 優 先 し, 教 育・
研 究を行っ てきた1.
家政 学は,
家 庭 生 活,
家 族に 関 す る研 究 を 通 して
,
現 在のわ れ わ れの生 き序章 生活す る とい うこと
表
1
一 . 一
家庭生活のための社会の発展一 . .
各 章の テ
ー
マ とリー
ド文1章 あ なたの 吟」を 『家族1か らみつめ る あ な た に とって家族とは ?
一
4 章 あなたの 「今」を 『ジェンダ
ー −
Sか らみつめ る. . −
f育 (イク)メン 」ってなに ?家 事分担5章 あ なたの 「今亅を 『地 域(
コ
ミュ
= ティM か らみつめる一
「こどものま ち」っ てなに ?「思いやり」の まちづくり一
6章 あなたの 「勧 を 『住まい
J
からみつめ る 2章 あ なたの 吟」を1親 子髀 係 】か らみつめ る一
子育てはっらい?思春期の縵と子の人間 関係一
3章 あなた の 「刳 を 1髄 刻 からみつめる
一
結 婚ってな に ?夫 嫡剔 姓か らみ る結 婚のカタチー
一
人 間 らしい募らし を悟蜘鮒 よう一
7章 あな たの 「鏑 を 醸頗 制 か らみつめる
一
歳を と る と食事は どうなる?(b 食のすすめ一
方
,
暮ら し方の見 直しにヒ ン トを与 えるこ と がで き るの では ない だろう か
。
にもか か わ らず,
家 政 学につ い ての正 しい教 育
・
研 究 内容が広 く一
般に知 られ る こ と はな く,
家政学に対し,
間 違っ た と ら え方を してい る 者 も少 な く ない と考 えら れ る。わ れ わ れ はこれ まで
,
家 政学,
家 政 学 原 論の現状を
,
多面 的に調査研 究し てきた。 まず,
近 畿 圏253
の 普通科のある国公 立高 校の家 庭 科 教 員を対 象に,
郵 送 法で質問紙 調 査を実施し,80
校か ら有効 回答を得て分 析 した結 果, 家 政 学が家庭 科の背景 学 問と して意識さ れてい る と は 言
い 難い こ とが わ か っ た。 また
,
家 政 学研 究の教 育 的反映につ い ての評 価が低 く,
こ れは家 政 学 原 論 や 家 政 学を学ぶ機会が減 少してい る こ と が 原 因と して考え ら れ る こ と, さ ら に, 家 政 学を 学ん でい る教 員の方が,
家 庭 科の教 科特 性を 理 解 して い るこ と が明ら か になっ たZ〕。 そこ で,国 公 立 大の教 員養成 課 程にお け る 家 政 学 原 論の 開講状 況につ い て調査 した ところ
,48
校 中5
校し か開講し てい ない ことが判 明し た3)。 家庭 科 教育は
,
家政学の研究 成果 を教 育を 通 して人々の実生活に普及 する好 機で はある が
,
家庭科 教 育に お け る 家 政学の位置づけ が,
あい まいに なってきてい るこ と が 示 唆 さ れ る
。
そこ でわれわれは
,
家 政 学の 重 要 性 を 高 校 生 や学生,
さ らに一
般に広めるひ とつ の方 策と して
,
ブック レッ ト 「家政学の じ か ん』を発 行し た。 本 報 告は,
そ の 『家政 学の じかん』の家政 学 広 報にお ける可 能 性 を,
大 学 生へ の質 問 紙 調 査に より明 らかにする こ とを 目的とする。
2 .
研究の方 法(
1
)ブ ック レッ ト 『家 政学の じ か ん』の概 要『家 政 学の じか ん』は,
A5
版, 総ペー
ジ数96
ペー
ジの冊 子で ある。
タ イ トルは冊 子 を 読む こ とによ り家 政学に接 す る 「時間」をつ く る とい う意 味 を込 めてお り
,
堅 苦 しさ を払 しょ くするため に ひらが なの 「じかん」とした。 家 政 学
に ふ れ た こ との ない読 者 に わ か りや す く家 政 学
の重要性 を伝 えるた めに
,
以 下の9
点 を執 筆・
編 集の原則と し た
。
序 章に家政 学につ い て の章を設 ける
,
生活問題 につ い て平易な言葉で 解 説する,
親しみ やすい挿 絵 を入れる,
各 章の最 初のペー
ジにTJ一
ド文 を 設 ける,
出 来る限 り家政学の 知見を含ませ
,
参 考文 献にあ げる
,
章の総括と して 「今こそ家 政学 !」と題した節を設 け, テ
ー
マ と家 政 学との 関 連をの べる。
章ご と に 「さ らに学び たい人へ 」とし て
家 政学に関 連 する推 薦 図 書をあ げる,
節を多
く設 けて読 み や す く し
,
節 見 出 しは疑 問 形に し てそれに答える形式を と る,
そ して第
1
章から, 第
7 章
ま で, 読 者の身 近な問題 とし て とら えて も らうた め,
「あ なたの 今 を○ ○からみつ め る」とい う章タイ トル にそろ え,
どの章か らで も読めるようにする。
つ ぎに
,
『家政学の じかん』の内 容を紹 介 する。 序章に は
,
「生活するとい うこ と」とい うタ イ ト ル で
,
生活,
家政学につ い てま とめ た。1
章か ら7
章ま で は, 家 族, 親子 関 係,
制 度,
ジェ ンダ
ー ,
地域,
住 まい,
食と加 齢につ い て 取 り上げた。 表1
に各 章の副題 と概 要を示す リー
ド文を示した。
(
2
) 質問紙調 査の方 法「家 政学の じか ん』の家政学 広報へ の効果に
つ い て検証する こ とを目的と して読 後調査 を実 施 した。 調 査の概 要 は 以 下の とお りであ る。 関 東
,
関 西,
中 国 地 区の6
大 学にお ける家 庭 科 教 育 法,
家 政学系 科目 (家 政学原論・
生活 科学原 論・
家 族関係 論 ),
栄 養 教 諭関連 科目 の副 読 本 とし,
授 業 時間外に目 を通 すこと を課題とした。2011
年10〜12
月に受講生 を対象と して各々 の授 業時 間内に集 合法に より自記式 質問 紙 調査を行 なっ た。
調 査 内 容 は,
最 も興 味 を持っ た章とそ の理 由
,
読後の生 活観の変 化,
読後の感 想,
家政学の認 知,
家政学へ の興味,
家 政 学の イメー
ジ,
家 政 学の役立 ち感である。
分 析 対 象は
,
401票,
その うち 女 子378
名・
男 子12
名(
不明・
無 回答11
名 ), 1 ・2 ・3 ・4
回生 は各々
21. 7,44, 6,13. 0,17, 5
(不明・
無回 答3. 2
)%だっ た。 各 大 学, 受 講 科目別の対象
者 数 は表
2
に示し た。
な お, A
大学 家 族 関係 論 受 講生 とE
大学は家 政学 部,B ・D ・E
大 学は生 活 科学 系 学 部,C
大 学は食 文 化 学部,
F
大 学は表
2
対 象者の人数科 目
A
大学B
大学C
大学D
大学E
大 学F
大学 計家 庭 科 教 育 法
178 27 4 10 219
家 族関係論
31 31
生活 科学 概 論
64 64
家 政学原論
17 17
栄 養 教 諭
51 51
管理栄養 士
19 19
計
209 64 78 23 17 10401
3 .
研究結 果 お よび考 察(
1)
最 も 興 味 を 持っ た章とその理 由図
1
最 も興 味 を持っ た章図
2
興 味 を 持っ た 理由社 会 学系学 部
,
お よびA
大 学の家 庭科 教 育 法 受 講 者は家 政 学 部以外の複 数の学 部に所 属する受 講生であ る。
最 も興 味 を 持っ た章につ い て尋 ねた とこ ろ
,
「家 族」が
27. 2
% で最も多 く,
次に 「親子 関 係 」で
25. 9
%,
続いて 「制 度」 「ジェ ンダー
」 「地 域」「住 まい」 「加 齢 」の 順 と なっ た (図
1
)。興味を持った 理 由 を複数 回答 で尋ね たと こ ろ,
「自 分 に 身 近 な 内 容 だっ た か ら」
「もともと興 味 が ある内 容 だっ た か ら」 「今 後 社 会で考えるべ き内 容 と 思 っ た か ら」 「読み や す か っ
た か ら」の順で多かっ た (図
2
)。家 族 (
1
章 ),
親 子 関 係 (2
章 )に最 も興 味 を 持っ た学 生は
,
上 位4
つ の理 由 を 選ぶ 者 が多かっ た。「知ら ない 内 容 だっ たか ら」を 選
んだ
45
名は,
制 度 (3
章 ),
住まい
( 6
章)
に最も興味を持っ た と 回 答 した 者 が多く,
各々18
名,9
名であっ た。前 述のよ うに
,
章タイ トル の形 式をそろえ,
どの章か らでも読める よ うに 工夫した が
,
目 を と お し た章は,
序章を除 くと収録が後に な る につ れて低 くなる傾 向があっ た (序章69 . 1
%, 1
章83 。 5
%, 2
章80
%,3
章62 . 1
%, 4
章62 . 6
%,
5
章51. 6
%,6
章50. 6
%,7
章48. 1
%〉
。
家 族,
親 子 関 係は,
身近 な 内 容,
読みやすさに加 え,
冊 子の 前半 部分に収 録さ れて いた ために,
読ん だ学 生が多い こ と が
,
最 も興 味を持っ た と多くが 回 答 した要 因の
一
つ と考え ら れる
。
読み手に多 くの情 報を与えるため には,
今 後こ の ような点を考 慮に入 れ
,
収録 順 を考え る 必 要 が あ ることが 示唆さ れ た。
( 2)
読 後の生 活 観の変 化甜
40
00
附 50 η
D 柳
早 } 凹
L
_
一瞞
. . _ ___ _
娼
Z8 Z5
翻
欝9 ’ ア
L 窪 艦 耀 躍 紺 拶
図
3
「生 活に対す る考え方」や 生 活に変 化 が あっ た と答 え た 学 生の 自 由 記 述に含 まれ てい た キー
ワー
ドて読ん で
,
姓を変える こ との意 味の大 きさを知 つ ぎに,
『家 政学の じか ん』を読ん で,
「生活に対 す る考え 方」や 生 活に変 化 が あ り ま した か
,
との質問に は
,
「変 化があっ た (「変 化があ りそ う」も含む)」と回 答 した学生が280
名( 69. 8
%)
,特 に変 化 が な かっ たの は
113
名( 28. 2
% ) 不 明・
無 回答8
名 (2
%)で あっ た。変 化 が あっ た 者に
,
具体的 な変化の内 容 を 自 由記述で問 うた ところ, 280
名全員が記 述を行っ た。
自 由 記 述の傾 向 を 分 析 するため に,
各章のテ
ー
マ に加え,
章の内容を端 的にあら わす 語を15
ワー
ド設定し た。 序 章は 「家政学 」 「家庭 科 」
「生活 」
, 1
章 「家族 」, 2
章 「親」, 3
章 「結婚 」「夫 婦」 「別 姓」
,4
章 「子育て・
育 児 」 「ジェ ンダ
ー
」「仕 事・
働 (く)」 「家事 」, 5
章 「地 域」, 6
章 「住まい」, 7
章 「高 齢・
加 齢 」で ある。
こ れ らの
15
ワー
ドで キー
ワー
ド検索 し た結 果,
各々図3
に示 す件 数と なっ た。最も出 現 数が高かっ た キ
ー
ワー
ドは 「家 族 」で
,
「家族の大切 さに気 付い た。
家族関係を しっ か り築 こ う と 思っ た。( A
大 学 家 庭 科 教 育 法受 講・2
回 生)
」とい っ た 内容であっ た。
次に多 かっ た 「親 」に関し て は,
「私の両親は共働きで
,
小 さ な 頃 か ら悩 み や 相 談は姉 妹 や友達 に して い た
。
上手く親に頼る こ とが 出 来 ない こ とでジレ ンマ を感じたこ と もあっ た が
,
この本を読ん で子育ての難し さを客 観的に捉えるこ とが で きた。 私は実 家生 で就職 しても実 家か ら通おう
と思っ てい る。 この チャ ン ス を 生 か して家 族で
豊かな 関係を育む姿勢 を持 ち 続 け たい と思っ た
。
( B
大 学 生 活 科 学 概 論受講・4
回 生)」とい っ た内容であっ た
。
こ の よ うに,
「家 族」と 「親 」のキー
ワー
ドを含む記 述で は
,
自身の現在の 生活や家 族 に対 す る 見方や態度を見 直した,
との内 容 が
多
かった。
「結婚」に関しては
,
夫 婦 別 姓,
子育てと仕 事
,
家事 分 担な ど を含 む, ジェ ン ダー
に関 する記 述が多くみら れ た
。
「結婚なん てま だ先の話だ と思っ
て い た が
,
夫婦 別 姓の問 題につ いり, 自分の 前に素 敵な人が現れて
,
い ざ 結 婚と な る 前にも う 少 し結 婚の法律 上の 問 題 につ い て知っ ておい て もい い の では ないか と思 うように
なっ た。
( A
大学 家 庭科教育法 受 講生・2
回 生)」「結 婚 する相手に 求 める条件として
,
〈家事,
育 児を手伝 う〉 とい うの を付け 加 えようと思っ た。( C
大 学 栄 養 教 諭 科 目受 講・1
回 生)
」と 言っ た 内容である。 このように,
将 来 的な 生活 設 計につ い て
,
今 まで の考え を改 め た,
とい う記 述 が 目立っ た。また
,
「この本を読む まで,
結 婚し て子ど も が産 まれ た ら仕 事 を辞めようと思っ てい た。
実 際 私の周 りの家 族を見てい る と,
仕事を辞めてい る 人 が多か っ た か らだ。 し か し
,
こ の本を読ん で
,
母 親も仕 事をしながら生活し てい くために は どうすればい い か (育メン
,
地 域,
住まい,
親 子のあ り方 )な ど を知る ことが で き た。 こ れ か らは10
年,20
年 後の こ とを考えて仕事を探 そ うと思う。
(B
大 学生活科 学概 論受講・
4回生)」の よ うに
,
出 産 を機に仕事を辞め よう,
あ るいは 家事は女性である自身が行 うべ き と考えてい た学生 も少なくい こ とが記述 か らうかがえ た。
読 後 に, 自 身の もつ 固 定 的 な 性 別 役 割 分 業 観 を 変 化 させ た学 生も多くみ られ た
。
さ らに
,
「結婚 や 出 産につ い て今は ま だ 深 く 考えてい ない が,
こ の本を読ん で将来 自分 は どの ような道を 選ん で 生 きてい くの か, 社 会の変 化に常に敏 感にな り な が ら早め早めに 自分の ラ イフス タイル につ い て の考え を 固め てい く必 要 がある と思っ た。 (
A
大 学 家 庭 科 教 育 法 受 講・
2
回 生)
」とい っ た 内容もみ ら れ た。
こ のよ う に,
これ か らの生活を主体 的・
積 極 的に考え,
行 動 する きっ かけに なっ た こ と が うか がえる。「家政学 」につ い ての記 述 は
,
大学の 専 攻・
受 講 科 目に偏 り な く
17
件み ら れ た。
以 下に代 表 的 な6
例 を 示 す。
「家 政 学 はこ れ か らの社 会 を 支え,
大 き く変え る 可能 性を持っ てい る学 問分 野である と考えるようになった。 自分の生活での家庭
,
家 族の ウエ イ トが大きくなっ た。 (A
大学 家 庭 科 教育 法 受講・ 2
回 生)
」 「自分の生 活 を見 直 すきっ か けになっ た。
家 政 学 とい う学 問 が ど れ だけ私た ちの生活に根 強 く関係し てい るか再確認できた。 (
A
大学 家 庭 科 教育 法 受講・ 2
回 生)」 「学ぶ前は家政学っ て どうい う もの だろうと考えてい た が, 学問の 中で
一
番 身近にあるもの だ と 思っ た
。
当 た り前の よ うに生 活 し てい く中で もっ と深 く考えて生活 すれ ば
,
更なる 充 実し た 日 々 を過ご せ る とい うこ と に気づい た。(
B
大 学 生 活 科 学 概 論受講・
4回 生)」 「〈新 しい社 会 発展には 家 庭 生活に基 盤 を持つ 家 政学が 大 切〉 と知 り
,
普 段の何 気 ない 生 活の 中に意 味を考え る ように なっ た。 (
B
大学生 活 科学概 論 受講・4
回 生)」「社 会 を支える立 場になっ た と き,
家 政 学は人 間が生活 してい く中で必 ず必 要 な学 問 なの で,
しっ か り勉 強 し,
将 来 に役立 て たい。
(C
大学栄養教 諭 科 目受講・1
回 生)
」「
1
章 (家 族 )を読ん で,
改めて家 族 につ い て 考え,
今 自分が 思 う家族を大 切に し ようと感じ ました。 家政学につ い て名 前程度しか 知 ら な かった の で具体 的な家 政 学の内容につ い て知るこ と
がで き
,
とて も興味 深い 学 問だ と感じ ました。( D
大 学 管理 栄養士 科 目受
講・ 3
回 生)
」い ず れの記述 も
,
生活と密着し た学問である 「家 政 学」の大 切 さに気づ き
,
今 後の生 活に 生 か したい とい う内 容であっ た。 尚
,
読後に感じ た 「家 政学のイメ
ー
ジ」につ い て 自 由 記 述で尋ね た 結 果に 関しては,
第2
報で詳 細を報 告する。「家 庭 科」につ い て記述 した学生は
7
名であっ た。 「改めて,
現代の社 会に おい て家 族生活を 行 う際,
さま ざ ま な 問題 につ き当た るとい うこ と を感じ,
自分が こ の ような 問 題に く家庭 科〉とい う 教 科 を通 じて児 童に何 か し らの 生 きてい く た めの ヒ ン トを 与 えるこ とがで きるの で は な
い か と考えるようになっ た。 (
A
大 学 家 庭 科 教 育法 受講・2
回生〉」「家 庭 科で学ぶべ き 内 容は た くさんあると思っ た。 身近 な疑問 や 問 題点に 目 を 向 けてい こ う と思 う。 家 庭 科の重要性につい て気 付 くこ とが 出 来 ま した
。( A
大 学 家 庭 科 教 育 法 受 講・2
回生)」とい っ た記述 が多かった。 「家庭科 」につ い て 述べ た学生の多 くは小 学 校家 庭科教育 法の受 講 者であり
,
家 庭科の教 科 と しての 重要性 を再 認 識 す る きっ か け と なって い た。
以 上
,
「生 活 に 対 す る考え 方 や 生 活 に 変 化 が あっ た」と 回 答 した280
名の 学生に とっ て,
『家 政学の じかん』は,
自身の生活を見 直し,
積 極 的 に暮ら しをつ くる,
また,
将来の生活に 関す る 見 方 を 変えるきっ か けとなっ た こ とがわかる。
さ らに
,
その よ う な 生 活の 営 みに, 「家 政 学 」 や 「家 庭 科」が 役に立つ こ と を複 数の学 生 が 認 識 す るに至っ たこ と を 自 由 記 述 よ り読 み と ること がで き た。
(
3
) 家政学の認 知・
関心 と読 後の家政学へ の関 心の 変 化 表
3
家政学の認 知と興味・
関心・
読後の変 化◆こ の本を読む前か ら 「家政学 」とい う学 問を知っ てい ま し た か
知っ てい た あ る程 度 知っ てい た あ ま り知 らなかっ た 知 ら な かっ た
人
(
%〉 不 明・
無 回答7
(1. 7
>119
(29. 7
)197
(49. 1
)74
(18. 5
>◆この本を読む前か ら 「家 政学 」につ い ての 興 味
・
関 心はあ り ま したか 大 変 あっ た ある程 度はあっ た あ ま りなか っ た 全 くなかっ た
4
(1
) 人 (%〉 不 明・
無回答34
(8 , 5 ) 209 ( 52 . 1) 118 ( 29. 4) 35
(8, 7
)◆こ の本 を 読 ん で か ら 「家 政学 」つ い ての興味
・
関心は変化しましたかとても興味