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フジタ技術研究報告 第 号 年 地盤改良固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係 北島 明福島 伸二 *1 概 要 軟弱地盤の盛土造成や構造物構築によるすべり破壊防止あるいは圧密沈下抑制のためにセメントなどの固化材を用いた固化改良工法が適用される例が多いが 複合地盤的設計法を採用する場合と構造物的設計法を

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Academic year: 2022

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(1)

-6-

写真7 現場施工の状況

(a) 直線部

(b) R部

写真8 溶接終了後のビードの外観

溶接終了後の外観を写真8に示す。良好な外観となって いることが分かる。

非破壊試験技術者による外観検査、超音波探傷検査を 行った。両検査ともに合格であり、記録の必要な傷はなか た。

§4. まとめ

開発した柱継手現場溶接用のロボット溶接システムにつ いて、以下のこと示した。

1) 機器構成およびプログラムの概要を示した。

2) 実験室内において平板およびコーナーR部を模し た試験体を用いて溶接実験および機械的性質試 験を行い、溶接部の性能について確認し、積層計 画が適切であることを確認した。

3) 冷間成形角形鋼管から作成した柱継手周辺を模し た試験体を用いて溶接実験および機械的性質試 験を行い、溶接部の性能について確認し、積層計 画が適切であることを確認した。

4) 建設現場での柱継手の現場溶接に適用し、システ ムが適用可能であることを確認した。

謝辞

本システムの開発は大和ハウス工業株式会社、十一 屋工業株式会社との3社共同開発により行っている。

§3に示す現場での試験では、作業所長他、関係者 に多大なご協力をいただいた。また、試験では生産改革 研究部の森山氏の協力を得た。ここに謝意を表す。

参 考 文 献

1) 白井,大塚,鈴井,浅井:コラム柱に対する現場ロボ ット溶接技術の開発と現場適用例,日本建築学会 大会学術講演梗概集,pp. 995-996, 2017. 8 2) 護,三村,菅田,山川,佐久間,米田,平井,山本:

工事現場溶接ロボットを用いた溶接技術の開発(そ の1), 日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.

1151-1152, 2019. 9

3) 中村,梅津:鉄骨工事における現場溶接自動化工 法の開発(その1,その2), 日本建築学会大会学術 講演梗概集、pp. 1241-1244, 2019. 9

ひとこと

田原健一

溶接条件の開発には数多くの 実験を繰り返し、苦労もありまし たが、現場適用では検査も合格 となり一安心です。

本格的な実用に向け、改良を 進めてまいります。

-㻝-㻌

地盤改良固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係㻌

北 島 㻌 明 福 島 㻌 伸 二

概 要

軟弱地盤の盛土造成や構造物構築によるすべり破壊防止あるいは圧密沈下抑制のためにセメントなどの固化 材を用いた固化改良工法が適用される例が多いが、複合地盤的設計法を採用する場合と構造物的設計法を採用 する場合に分けられ、それぞれ必要な固化土の強度指標が相違する。すなわち、複合地盤的設計法は固化土の 三軸圧縮試験による強度パラメータ(粘着力c,内部摩擦角φ)により目標強度が設定されるのに対して、構造 物的設計法は一軸圧縮試験による一軸圧縮強さquのみで足りる場合が多い。一方、実施工での固化改良部の強 度管理は試験実施が容易なquが採用されるのが普通である。したがって、複合地盤的設計法では加えた固化材 量に強く依存するcと、これに対応するquの関係が必要となる。そこで、本稿は固化改良地盤を複合地盤的設 計により取り扱う場合を想定し、筆者らが経験した地盤改良工事で実施した室内配合試験の結果を整理して実 務的に利用できる固化土のcとquの関係式を提案するものである。

Relationship between cohesion strength and unconfined compression strength of cement-improved soil

Abstract

There are many cases where a soil-improving method using cement is selected for avoiding sliding failure or consolidation settlement on soft ground. Thinking about the design method, these improvement methods are divided into two types, one about composite ground and the other to structure, and each of them requires a different strength index. In the case of composite ground, the design method requires cohesion strength and internal friction angle by a series of triaxial compression tests, and the other needs unconfined compression strength by unconfined compression tests. In general, only unconfined compression strength is used for a quality control related to strength at a construction site, so it is necessary to know the relationship between cohesion strength and unconfined compression strength.

In this paper, we suggest a relational expression between cohesion strength and unconfined compression strength by our data from numerous ground improvement works.

キーワード: 地盤改良固化土、一軸圧縮強さ、

粘着力

−47−

*1

*1 土木本部土木エンジニアリングセンター

(2)

-㻞-㻌

§1.はじめに 㻌

軟弱地盤の盛土造成や構造物構築によるすべり破 壊防止あるいは圧密沈下抑制のためにセメントなど の固化材を用いた固化改良工法が適用される例が多 いが1)、改良深さは5mを超えるものが一般的で中層 あるいは深層固化改良工法が対象となる。中層・深層 固化改良工法は設計法に着目すると、複合地盤的設 計法2)を採用する場合と構造物的設計法3)を採用する 場合に分けられ、それぞれ必要な固化土の強度指標 が相違する。すなわち、複合地盤的設計法は軟弱地盤 に新たに加わる荷重によるすべり破壊や支持力不足 の対策のための固化改良部を一種の地盤とみなし、

内部をすべり面が通るとした安定計算により改良仕 様を決定するもので、固化土の三軸圧縮試験による 強度パラメータ(粘着力c,内部摩擦角φ)により目 標強度が設定される。

これに対して、構造物的設計法は固化改良部をすべ り面の通らない構造物とみなし、新たに加わる荷重 が固化改良部の許容応力を超えないように固化改良 仕様を決定するのが基本なので、一軸圧縮試験によ る一軸圧縮強さquのみで足りる場合が多い。一方、

実施工での固化改良部の強度管理は試験実施が容易 なquが採用されるのが普通である。したがって、複 合地盤的設計法では加えた固化材量に強く依存する cと、これに対応するquの関係が必要となる。

そこで、本稿は固化改良地盤を複合地盤的設計によ り取り扱う場合を想定し、筆者らが経験した地盤改 良工事で実施した室内配合試験の結果を整理して実 務的に利用できる固化土のcquの関係式を提案す るものである。

§2.従来の固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係㻌 㻌

地盤改良分野では一般的に

c=(1/2)・qu (1) なる関係が採用されている7)。上式では、cは暗黙の うちに飽和粘性土地盤の短期安定問題における全応 力表示の非圧密・非排水強度cuuを用いているのと同 じと思われる。しかしながら、長期安定問題的に扱う 複合地盤的設計法における固化土のcは、周辺地盤の 強度パラメータとの整合性を考えれば有効応力表示 の値が求められ、安定計算に採用できる合理的な固 化土のc’quの関係が必要となる。

固化土は固化対象土に固化材を加えただけの非締 固め型と、固化材を加えてから締固めをする締固め

型の二つに分けられる。前者は細粒分を多く含む高 含水比の軟弱地盤などの中・深層固化改良のような 固化材を混合するだけで、c強度成分だけを確保する もので、φ強度成分を期待しないものである。後者は 盛土材などの粘着力不足を補うために固化材を加え てから通常の盛土材と同様に一定層厚で撒き出して から締固める浅層固化改良に属するもので、c強度成 分だけでなく、盛土材に粗粒分が含まれているため 締固めて土粒子間のかみ合せ効果によるφ強度成分 も期待するものである。

次章以下に、筆者らが経験した地盤改良工事で実 施した室内配合試験のうちの代表的な非締固め型固 化土と締固め型固化土のそれぞれにおけるc’とquの 関係を紹介し、すべての試験結果の検討から両者の 関係式を提案する。

§3.非締固め型固化土の一軸・三軸圧縮強度特性㻌

非締固め型固化土の試験は、ある用地造成工事に おいて盛土築造によるすべり破壊対策として中層固 化改良を施工することになった軟弱地盤から採取し た粘性土試料 KKK-Ac を用いて実施した。試料は 軟弱地盤表面から深さ2~3mから油圧ショベルによ りバケット掘削したもので、図 に粒度曲線を記号

◇印により示し、粒度特性が最大粒径Dmax=9.5mm, 75μm以下の細粒分含有率FC≒70~80%にあり、自 然含水比がwn≒89%であった。

固化材は高含水比粘性土の固化改良に適したセメ ント系固化材(高有機質土用)を水・固化材比w/c=1.0 によりスラリー化して使用した。固化材添加量は固 化対象土1m3当たりの質量ΔMC(kg/m3)により表 示する。一軸圧縮試験は、一般に非締固め型固化土の 対象となる強度レベルが締固め型のものに比較して 高 い こ と を 考 慮 し て 、 固 化 土 の 試 験 は qu

1,500kN/m2を超える範囲まで実施した。

図 試料土(軟弱地盤と盛土材)の粒度曲線

0 20 40 60 80 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100

通過質量百分P(%)

粒 径 D(mm)

試料土の粒度試験JIS A1204 非締固め型固化土:軟弱地盤KKKAc 締固め型固化土:盛土材MMA D=0.075mm

FC28%

盛土材MM-A 軟弱地盤KKK-Ac

FC≒75%

-㻟-㻌 図 はΔMCをΔMC=125, 150, 200, 250kg/m3と変 えて固化させた供試体の一軸圧縮試験により得られ たquとΔMCの関係を示す。図から、quはΔMCに応 じて増加し、低強度から高強度までの広範囲の強度 レベルでは曲線的な増加傾向を示すことがわかる。

ただし、強度範囲を限定すると、例えば強度レベルを

qu=750kN/m2前後で二つに分けるとそれぞれの強度

範囲で比例的な関係が認められるので赤色で示した ように直線近似もできるようである。

図 は試験を実施したシリーズの中でΔMCが最も

少ない ΔMC=125kg/m3の固化土について等方圧密

σ3C=50, 100, 200kN/m2の非排水三軸圧縮試験を実施 して得られた偏差応力(σ1-σ3)・過剰間隙水圧uと軸 ひずみε1の関係を示す。図 は、図 から最大偏差 応力(σ1-σ3) maxとその時の過剰間隙水圧ufを読み取 り、有効応力表示での Mohr の応力円を描いてその 包絡線を直線により近似して求めた強度パラメータ

(c’ , φ’)を示す。固化土のφ’はφ’≒20°と小さく、

これは固化対象の試料が細粒分を多く含む粘性土で あるため固化しても内部摩擦的強度成分が期待でき ないためであり、非締固め型固化土の特徴といえよ う。

ΔMCの少ない低強度の固化土では、図 に示した ように、(c’ , φ’)を破壊時のMohrの応力円の包絡 線を直線により近似して求めやすい。しかしながら、

ΔMCが多い高強度の固化土では 、(σ1-σ3) maxはσ3C

による相違が少なく、試験のバラツキもあることか らσ3Cに対応したものとならないなど、Mohrの応力 円の包絡線を直線により近似しにくくなる。高強度 の(c’ , φ’)を試験で得られたMohrの応力円の接線

0 500 1000 1500 2000 2500

0 50 100 150 200 250 300

固化改良土の軸圧強さqu(kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAc (wn89%t=28) 固化材:セメント系(高有機質土用GS200) スラリー添加:w/c=1.0

一軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm

qu=(3.187×10)・ΔMC4.073

-600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 -100

0 100 200 300

0 2 4 6 8 10 2過剰間隙水圧u (kN/m)

差王σ1σ3 (kN/m2)

軸ひずみ ε1 (%) No.3

No.2

No.1 No.1

No.2 No.3 ΔMC=125kg/m3

σ3C ρtcm

No. (kN/m2) (g/cm3) 1 50 1.441 2 100 1.449 3 200 1.445 KKK造成工事

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm 軟弱地盤KKKAc (wn89%) 固化材:高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0 (t=28)

0 50 100 150 200

0 50 100 150 200 250 300

せん断応τ(kN/m2)

有効垂直応力 σ (kN/m2) c'=47kN/m2

φ'LS=19.8° No.3

No.2 No.1 ΔMC=125kg/m3

σ3C ρtcm

No. (kN/m2) (g/cm3) 1 50 1.441 2 100 1.449 3 200 1.445 KKK造成工事

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm 軟弱地盤KKK-Ac (wn≒89%) 固化材:高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0 (t=28)

φ'LS=19.8°

図 非締固め型固化土のquとΔMCの関係

図 非締固め型固化土の応力~ひずみ曲線

図 非締固め型固化土の強度パラメータ τ

σ’10 φ’=φ’LS

σ’ φ’LS

低強度固化土 高強度固化土 c’

図 非締固め型固化土の粘着力c’の求め方

から機械的に直線近似して求めると、c’ を正確に評 価できない可能性がある。また固化土の強度発現は 固化材による固結構造の形成によるc’ の増加が主体 なので、ΔMCの増加がφ’の増加につながらないこと は明らかである。そこで高強度固化土のφ’は図 に 概念的に示すようにφ’の求めやすいΔMCの少ない低

−48−

(3)

-㻞-㻌

§1.はじめに 㻌

軟弱地盤の盛土造成や構造物構築によるすべり破 壊防止あるいは圧密沈下抑制のためにセメントなど の固化材を用いた固化改良工法が適用される例が多 いが1)、改良深さは5mを超えるものが一般的で中層 あるいは深層固化改良工法が対象となる。中層・深層 固化改良工法は設計法に着目すると、複合地盤的設 計法2)を採用する場合と構造物的設計法3)を採用する 場合に分けられ、それぞれ必要な固化土の強度指標 が相違する。すなわち、複合地盤的設計法は軟弱地盤 に新たに加わる荷重によるすべり破壊や支持力不足 の対策のための固化改良部を一種の地盤とみなし、

内部をすべり面が通るとした安定計算により改良仕 様を決定するもので、固化土の三軸圧縮試験による 強度パラメータ(粘着力c,内部摩擦角φ)により目 標強度が設定される。

これに対して、構造物的設計法は固化改良部をすべ り面の通らない構造物とみなし、新たに加わる荷重 が固化改良部の許容応力を超えないように固化改良 仕様を決定するのが基本なので、一軸圧縮試験によ る一軸圧縮強さquのみで足りる場合が多い。一方、

実施工での固化改良部の強度管理は試験実施が容易 なquが採用されるのが普通である。したがって、複 合地盤的設計法では加えた固化材量に強く依存する cと、これに対応するquの関係が必要となる。

そこで、本稿は固化改良地盤を複合地盤的設計によ り取り扱う場合を想定し、筆者らが経験した地盤改 良工事で実施した室内配合試験の結果を整理して実 務的に利用できる固化土のcquの関係式を提案す るものである。

§2.従来の固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係㻌 㻌

地盤改良分野では一般的に

c=(1/2)・qu (1) なる関係が採用されている7)。上式では、cは暗黙の うちに飽和粘性土地盤の短期安定問題における全応 力表示の非圧密・非排水強度cuuを用いているのと同 じと思われる。しかしながら、長期安定問題的に扱う 複合地盤的設計法における固化土のcは、周辺地盤の 強度パラメータとの整合性を考えれば有効応力表示 の値が求められ、安定計算に採用できる合理的な固 化土のc’quの関係が必要となる。

固化土は固化対象土に固化材を加えただけの非締 固め型と、固化材を加えてから締固めをする締固め

型の二つに分けられる。前者は細粒分を多く含む高 含水比の軟弱地盤などの中・深層固化改良のような 固化材を混合するだけで、c強度成分だけを確保する もので、φ強度成分を期待しないものである。後者は 盛土材などの粘着力不足を補うために固化材を加え てから通常の盛土材と同様に一定層厚で撒き出して から締固める浅層固化改良に属するもので、c強度成 分だけでなく、盛土材に粗粒分が含まれているため 締固めて土粒子間のかみ合せ効果によるφ強度成分 も期待するものである。

次章以下に、筆者らが経験した地盤改良工事で実 施した室内配合試験のうちの代表的な非締固め型固 化土と締固め型固化土のそれぞれにおけるc’とquの 関係を紹介し、すべての試験結果の検討から両者の 関係式を提案する。

§3.非締固め型固化土の一軸・三軸圧縮強度特性㻌

非締固め型固化土の試験は、ある用地造成工事に おいて盛土築造によるすべり破壊対策として中層固 化改良を施工することになった軟弱地盤から採取し た粘性土試料 KKK-Ac を用いて実施した。試料は 軟弱地盤表面から深さ2~3mから油圧ショベルによ りバケット掘削したもので、図 に粒度曲線を記号

◇印により示し、粒度特性が最大粒径Dmax=9.5mm, 75μm以下の細粒分含有率FC≒70~80%にあり、自 然含水比がwn≒89%であった。

固化材は高含水比粘性土の固化改良に適したセメ ント系固化材(高有機質土用)を水・固化材比w/c=1.0 によりスラリー化して使用した。固化材添加量は固 化対象土1m3当たりの質量ΔMC(kg/m3)により表 示する。一軸圧縮試験は、一般に非締固め型固化土の 対象となる強度レベルが締固め型のものに比較して 高 い こ と を 考 慮 し て 、 固 化 土 の 試 験 は qu

1,500kN/m2を超える範囲まで実施した。

図 試料土(軟弱地盤と盛土材)の粒度曲線

0 20 40 60 80 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100

通過質量百分P(%)

粒 径 D(mm)

試料土の粒度試験JIS A1204 非締固め型固化土:軟弱地盤KKKAc 締固め型固化土:盛土材MMA D=0.075mm

FC28%

盛土材MM-A 軟弱地盤KKK-Ac

FC≒75%

-㻟-㻌 図 はΔMCをΔMC=125, 150, 200, 250kg/m3と変 えて固化させた供試体の一軸圧縮試験により得られ たquとΔMCの関係を示す。図から、quはΔMCに応 じて増加し、低強度から高強度までの広範囲の強度 レベルでは曲線的な増加傾向を示すことがわかる。

ただし、強度範囲を限定すると、例えば強度レベルを

qu=750kN/m2前後で二つに分けるとそれぞれの強度

範囲で比例的な関係が認められるので赤色で示した ように直線近似もできるようである。

図 は試験を実施したシリーズの中でΔMCが最も

少ない ΔMC=125kg/m3の固化土について等方圧密

σ3C=50, 100, 200kN/m2の非排水三軸圧縮試験を実施 して得られた偏差応力(σ1-σ3)・過剰間隙水圧uと軸 ひずみε1の関係を示す。図 は、図 から最大偏差 応力(σ1-σ3) maxとその時の過剰間隙水圧ufを読み取 り、有効応力表示での Mohr の応力円を描いてその 包絡線を直線により近似して求めた強度パラメータ

(c’ , φ’)を示す。固化土のφ’はφ’≒20°と小さく、

これは固化対象の試料が細粒分を多く含む粘性土で あるため固化しても内部摩擦的強度成分が期待でき ないためであり、非締固め型固化土の特徴といえよ う。

ΔMCの少ない低強度の固化土では、図 に示した ように、(c’ , φ’)を破壊時のMohrの応力円の包絡 線を直線により近似して求めやすい。しかしながら、

ΔMCが多い高強度の固化土では 、(σ1-σ3) maxはσ3C

による相違が少なく、試験のバラツキもあることか らσ3Cに対応したものとならないなど、Mohrの応力 円の包絡線を直線により近似しにくくなる。高強度 の(c’ , φ’)を試験で得られたMohrの応力円の接線

0 500 1000 1500 2000 2500

0 50 100 150 200 250 300

固化改良土の軸圧強さqu(kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAc (wn89%t=28) 固化材:セメント系(高有機質土用GS200) スラリー添加:w/c=1.0

一軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm

qu=(3.187×10)・ΔMC4.073

-600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 -100

0 100 200 300

0 2 4 6 8 10 2過剰間隙水圧u (kN/m)

差王σ1σ3 (kN/m2)

軸ひずみ ε1 (%) No.3

No.2

No.1 No.1

No.2 No.3 ΔMC=125kg/m3

σ3C ρtcm

No. (kN/m2) (g/cm3) 1 50 1.441 2 100 1.449 3 200 1.445 KKK造成工事

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm 軟弱地盤KKKAc (wn89%) 固化材:高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0 (t=28)

0 50 100 150 200

0 50 100 150 200 250 300

せん断応τ(kN/m2)

有効垂直応力 σ (kN/m2) c'=47kN/m2

φ'LS=19.8° No.3

No.2 No.1 ΔMC=125kg/m3

σ3C ρtcm

No. (kN/m2) (g/cm3) 1 50 1.441 2 100 1.449 3 200 1.445 KKK造成工事

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm 軟弱地盤KKK-Ac (wn≒89%) 固化材:高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0 (t=28)

φ'LS=19.8°

図 非締固め型固化土のquとΔMCの関係

図 非締固め型固化土の応力~ひずみ曲線

図 非締固め型固化土の強度パラメータ τ

σ’10 φ’=φ’LS

σ’

φ’LS 低強度固化土

高強度固化土 c’

図 非締固め型固化土の粘着力c’の求め方

から機械的に直線近似して求めると、c’ を正確に評 価できない可能性がある。また固化土の強度発現は 固化材による固結構造の形成によるc’ の増加が主体 なので、ΔMCの増加がφ’の増加につながらないこと は明らかである。そこで高強度固化土のφ’は図 に 概念的に示すようにφ’の求めやすいΔMCの少ない低

−49−

(4)

-㻠-㻌 強度固化土のφ’LSによる直線を破壊規準として Mohr の応力円の包絡線を近似して求めることにし た。

図 はΔMCを変えた固化土の試験から得られた結

果からφ’LS=19.8°の破壊規準により求めた c’と

ΔMCの関係を示す。図から、c’は図 に示したqu~ ΔMC関係と同様にΔMCの増加に対して曲線的な増加 傾向を示すことがわかる。固化土のc’とquの関係は 上述した式(1)を用いずに、図 に示したqu~ΔMC関 係と図 に示したc’~ΔMC関係を用いて、同一のΔMC

により発揮されるそれぞれの値を対応させて求める ことにする。

固化土は強度が高くなるほど脆性的性質が卓越し c’/quが一定とならないため、c’/quの逆数である qu/c’ とquの関係を双曲線

qu/c’=qu/(αβqu) (2) により近似した結果を図 に示す。図から、qu/c’はqu

の増加に対してある値に収束する傾向にあるが、その 値は双曲線により1/β=3.53と推定できる。

§4.締固め型固化土の一軸・三軸圧縮強度特性

締固め型固化土の試験に使用した土(以下、崩積土 と称する)はwn=29.7%であり、図 に粒度曲線を記 号〇印により示したようにDmax=53mm,FC≒28%の 粒度状態にあったが、供試体寸法を考慮して、9.5mm 以上の粒径分を除いたカット粒度状態(記号印)で 使用した。固化材は高炉Bセメントを粉体添加とし 固化材添加量は湿潤状態にある 1m3の土に対する質 量ΔMC(kg/m3)により表示する。

図 はΔMC=50, 75, 100, 150kg/m3と変えて準備し た固化土供試体の一軸圧縮試験から得られた quと ΔMCの関係を示す。図から、固化土のqu~ΔMC関係 は、図 に示した非締固め型固化土の場合に比較する と、強度範囲が狭くほぼ比例的関係にあるので直線

qu =-113+3.804・ΔMC (3) によりほぼ近似できることがわかる。

図は崩積土単体の三軸圧縮試験から得られた応力

~ひずみ関係を、図 は図 から読み取った軸ひず み ε1=15%時の偏差応力(σ1-σ3)15から描いた有効応 力表示の Mohr 応力円と、その包絡線を直線により 近似して求めた強度パラメータ(c’O, φ’O)をそれぞ れ示す。

図 は固化土のΔMCを変えた同様の試験から得ら れたc’とΔMCの関係を示す。非締固め型固化土と同 様に、φ’は崩積土単体と同じφ’O=30.2°一定として

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 50 100 150 200 250 300

固化改良土の着力c' (kN/m2)

固化材添加量 ΔMC (kg/m3) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAcwn89%, t=28日)

固化材:セメント系(高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm

c'=(4.005×10)・ΔMC3.386

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

0 500 1000 1500 2000 2500

一軸圧縮強さ粘着力度qu/c'

固化改良土の一軸圧縮強さ qu(kN/m2) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAcwn89%, t=28日)

固化材:セメント系(高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0

一軸・三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm qu/c'=qu/(α+β qu)

1/β=3.53

(α=23.59 , β=0.283)

0 100 200 300 400 500 600 700

0 50 100 150 200 250

固化盛土材の軸圧強さqu(kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3)

MM造成工事

盛土材MMA ( wn=29.7%) 固化材:高炉Bセメント(粉体添加) 養生日数:t=28

一軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm qu=Ac+BcΔMC

(Aq=113 , Bq=3.804)

図 非締固め型固化土の㼏’と ΔMの関係

図 非締固め型固化土のc’/quとquの関係

図 締固め型固化土のqu~ΔMC関係

-㻡-㻌 傾きφ’Oの直線を破壊規準として得られる値を c’と して採用することにした。図中の直線は c’~ΔMC関 係を図 に示したqu~ΔMC関係と同様に

c’ =-10+0.996・ΔMC (4) の直線により近似したものである。

図 も非締固め型固化土と同様にqu/c’~qu関係を 双曲線

qu/c’= qu/(17.34+0.259・qu) (5) により近似した結果である。

§5.固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係式

以上の試験結果から、固化土のc’~qu関係は非締固 め型あるいは締固め型で分類される固化土の種類、qu

により示される強度レベルに関係なく、同形式のc’と quの関係式で表示できることがわかった。そこで、実 務で使いやすいc’~qu関係式として、

c’/qu=α/qu+β (6) で与えることにしたい。図 は非締固め型固化土(〇 印)と締固め型固化土(◇印)の試験から得られた上 式による関係をそれぞれ示す。なお、式(6)はquが小 さい低強度レベルでは現実的でない値を与えるので、

有効範囲としてc’/qu≦0.5とすることにした。実際に はc’/qu≒0.5ではqu≦100kN/m2のような低強度であ り実務的には固化改良の対象にならない強度レベル といえる。

図 は、図 に示した試験結果に加えて、他の5 事例における固化土の室内配合試験から得られた c’

~qu関係をまとめて示す。各事例における固化材はセ メント系固化材や普通ポルトランドセメント、高炉セ メントなど一定ではない。図中では、固化土が非締固 め型ではN-C(固化材はw/c=1.0のスラリー添加で

Non-compacted)により、締固め型ではC(固化材は

粉体添加でCompacted)によりそれぞれを区別して 示してある。図から、固化土のc’~qu関係は固化土の 種類や使用した固化材の相違にかかわらず c’/quが式 (1)のように一定ではなくquによりおおよそ1/2~1/4 の範囲で変化することがわかる。そこで、c’~quの平 均的な関係式として図中の結果を近似した

c’/qu=23.1/qu+0.269 (7) を提案したい。図中には試験データの上・下限線をう まく近似できるように係数αβを設定した曲線も それぞれ示してある。図から、c’/quは強度レベル qu

が低いほど1/2に近く、増加に伴って1/β=1/3.72に 収束してゆくことがわかる。

-800 -700 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 -100

-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 5 10 15 20 2過剰間隙水圧u(kN/m)

差応σ1σ3 (kN/m2)

軸ひずみ ε1 (%) No.3

No.2

No.1 No.1

No.2 No.3 σ3C ρt w DC

No. (kN/m2) (g/cm3) (%) (%) 1 50 1.648 29.5 89.6 2 100 1.640 29.2 89.4 3 200 1.646 29.7 89.4

MM造成工事

三軸圧縮試験:D/H50mm/100mm 盛土材MMA (wn=29.7%)

0 100 200

0 100 200 300 400

せん断応τ(kN/m2)

有効垂直応力 σ (kN/m2) c'O=15kN/m2

φ'O=30.2°

No.3

No.2 No.1 MM造成工事

三軸圧縮試験:D/H50mm/100mm 盛土材MMA (wn=29.7%)

φ'O=30.2° σ3C ρt w DC

No. (kN/m2) (g/cm3) (%) (%) 1 50 1.648 29.5 89.6 2 100 1.640 29.2 89.4 3 200 1.646 29.7 89.4

0 50 100 150 200 250

0 50 100 150 200 250

固化改良盛土の粘(φ'=3c' (kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3)

MM造成工事

盛土材MMA ( wn=29.7%) 固化材:高炉Bセメント(粉体添加) 養生日数:t=28

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm c'28=Ac+Bc・ΔMC

(Ac=-10 , Bc=0.996)

図 崩積土単体の三軸圧縮試験による応力~ひずみ関係

図 崩積土単体の破壊時のMohr円と強度パラメータ

図 締固め型固化土のc’~ΔMC関係

−50−

(5)

-㻠-㻌 強度固化土のφ’LS による直線を破壊規準として Mohr の応力円の包絡線を近似して求めることにし た。

図 はΔMCを変えた固化土の試験から得られた結

果からφ’LS=19.8°の破壊規準により求めた c’と

ΔMCの関係を示す。図から、c’は図 に示したqu~ ΔMC関係と同様にΔMCの増加に対して曲線的な増加 傾向を示すことがわかる。固化土のc’とquの関係は 上述した式(1)を用いずに、図 に示したqu~ΔMC関 係と図 に示したc’~ΔMC関係を用いて、同一のΔMC

により発揮されるそれぞれの値を対応させて求める ことにする。

固化土は強度が高くなるほど脆性的性質が卓越し c’/quが一定とならないため、c’/quの逆数である qu/c’ とquの関係を双曲線

qu/c’=qu/(αβqu) (2) により近似した結果を図 に示す。図から、qu/c’はqu

の増加に対してある値に収束する傾向にあるが、その 値は双曲線により1/β=3.53と推定できる。

§4.締固め型固化土の一軸・三軸圧縮強度特性

締固め型固化土の試験に使用した土(以下、崩積土 と称する)はwn=29.7%であり、図 に粒度曲線を記 号〇印により示したようにDmax=53mm,FC≒28%の 粒度状態にあったが、供試体寸法を考慮して、9.5mm 以上の粒径分を除いたカット粒度状態(記号印)で 使用した。固化材は高炉Bセメントを粉体添加とし 固化材添加量は湿潤状態にある 1m3の土に対する質 量ΔMC(kg/m3)により表示する。

図 はΔMC=50, 75, 100, 150kg/m3と変えて準備し た固化土供試体の一軸圧縮試験から得られた quと ΔMCの関係を示す。図から、固化土のqu~ΔMC関係 は、図 に示した非締固め型固化土の場合に比較する と、強度範囲が狭くほぼ比例的関係にあるので直線

qu =-113+3.804・ΔMC (3) によりほぼ近似できることがわかる。

図は崩積土単体の三軸圧縮試験から得られた応力

~ひずみ関係を、図 は図 から読み取った軸ひず み ε1=15%時の偏差応力(σ1-σ3)15から描いた有効応 力表示の Mohr 応力円と、その包絡線を直線により 近似して求めた強度パラメータ(c’O, φ’O)をそれぞ れ示す。

図 は固化土のΔMCを変えた同様の試験から得ら れたc’とΔMCの関係を示す。非締固め型固化土と同 様に、φ’は崩積土単体と同じφ’O=30.2°一定として

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 50 100 150 200 250 300

固化改良土の着力c' (kN/m2)

固化材添加量 ΔMC (kg/m3) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAcwn89%, t=28日)

固化材:セメント系(高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm

c'=(4.005×10)・ΔMC3.386

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

0 500 1000 1500 2000 2500

一軸圧縮強さ粘着力度qu/c'

固化改良土の一軸圧縮強さ qu(kN/m2) KKK造成工事

軟弱地盤KKKAcwn89%, t=28日)

固化材:セメント系(高有機質土用GS200 スラリー添加:w/c=1.0

一軸・三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm qu/c'=qu/(α+β qu)

1/β=3.53

(α=23.59 , β=0.283)

0 100 200 300 400 500 600 700

0 50 100 150 200 250

固化盛土材の軸圧強さqu(kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3)

MM造成工事

盛土材MMA ( wn=29.7%) 固化材:高炉Bセメント(粉体添加) 養生日数:t=28

一軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm qu=Ac+BcΔMC

(Aq=113 , Bq=3.804)

図 非締固め型固化土の㼏’と ΔMの関係

図 非締固め型固化土のc’/quとquの関係

図 締固め型固化土のqu~ΔMC関係

-㻡-㻌 傾きφ’Oの直線を破壊規準として得られる値を c’と して採用することにした。図中の直線は c’~ΔMC関 係を図 に示したqu~ΔMC関係と同様に

c’ =-10+0.996・ΔMC (4) の直線により近似したものである。

図 も非締固め型固化土と同様にqu/c’~qu関係を 双曲線

qu/c’= qu/(17.34+0.259・qu) (5) により近似した結果である。

§5.固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係式

以上の試験結果から、固化土のc’~qu関係は非締固 め型あるいは締固め型で分類される固化土の種類、qu

により示される強度レベルに関係なく、同形式のc’と quの関係式で表示できることがわかった。そこで、実 務で使いやすいc’~qu関係式として、

c’/qu=α/qu+β (6) で与えることにしたい。図 は非締固め型固化土(〇 印)と締固め型固化土(◇印)の試験から得られた上 式による関係をそれぞれ示す。なお、式(6)はquが小 さい低強度レベルでは現実的でない値を与えるので、

有効範囲としてc’/qu≦0.5とすることにした。実際に はc’/qu≒0.5ではqu≦100kN/m2のような低強度であ り実務的には固化改良の対象にならない強度レベル といえる。

図 は、図 に示した試験結果に加えて、他の5 事例における固化土の室内配合試験から得られた c’

~qu関係をまとめて示す。各事例における固化材はセ メント系固化材や普通ポルトランドセメント、高炉セ メントなど一定ではない。図中では、固化土が非締固 め型ではN-C(固化材はw/c=1.0のスラリー添加で

Non-compacted)により、締固め型ではC(固化材は

粉体添加でCompacted)によりそれぞれを区別して 示してある。図から、固化土のc’~qu関係は固化土の 種類や使用した固化材の相違にかかわらず c’/quが式 (1)のように一定ではなくquによりおおよそ1/2~1/4 の範囲で変化することがわかる。そこで、c’~quの平 均的な関係式として図中の結果を近似した

c’/qu=23.1/qu+0.269 (7) を提案したい。図中には試験データの上・下限線をう まく近似できるように係数α βを設定した曲線も それぞれ示してある。図から、c’/quは強度レベル qu

が低いほど1/2に近く、増加に伴って1/β=1/3.72に 収束してゆくことがわかる。

-800 -700 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 -100

-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 5 10 15 20 2過剰間隙水圧u(kN/m)

差応σ1σ3 (kN/m2)

軸ひずみ ε1 (%) No.3

No.2

No.1 No.1

No.2 No.3 σ3C ρt w DC

No. (kN/m2) (g/cm3) (%) (%) 1 50 1.648 29.5 89.6 2 100 1.640 29.2 89.4 3 200 1.646 29.7 89.4

MM造成工事

三軸圧縮試験:D/H50mm/100mm 盛土材MMA (wn=29.7%)

0 100 200

0 100 200 300 400

せん断応τ(kN/m2)

有効垂直応力 σ (kN/m2) c'O=15kN/m2

φ'O=30.2°

No.3

No.2 No.1 MM造成工事

三軸圧縮試験:D/H50mm/100mm 盛土材MMA (wn=29.7%)

φ'O=30.2°

σ3C ρt w DC

No. (kN/m2) (g/cm3) (%) (%) 1 50 1.648 29.5 89.6 2 100 1.640 29.2 89.4 3 200 1.646 29.7 89.4

0 50 100 150 200 250

0 50 100 150 200 250

固化改良盛土の粘(φ'=3c' (kN/m2)

固化材添加量 ΔMC(kg/m3)

MM造成工事

盛土材MMA ( wn=29.7%) 固化材:高炉Bセメント(粉体添加) 養生日数:t=28

三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm c'28=Ac+Bc・ΔMC

(Ac=-10 , Bc=0.996)

図 崩積土単体の三軸圧縮試験による応力~ひずみ関係

図 崩積土単体の破壊時のMohr円と強度パラメータ

図 締固め型固化土のc’~ΔMC関係

−51−

(6)

-㻢-㻌 提案した c’~qu関係式(7)は、安定計算により設定 されたc’表示の目標強度を現場で達成できるΔMCを より合理的に求めることを目指したものである。すな わち、安定計算において周辺地盤の強度パラメータと 整合性のあるc’~qu関係は、目標とする強度レベルqu

が高いほど式(1)との相違が大きくなり危険側の値を 与えることになるので、正確なΔMCを求めるために 重要なものとなる。

§6.おわりに

本稿は固化改良地盤を複合地盤的設計により取り 扱う場合に必要となる固化土のc’とquの関係を室内 試験により調べ、実務的に使用できる相互の変換式 を提案した。今後の試験結果の蓄積により修正する 必要があるが、当面の間はこれまでの試験結果の平 均的関係として

c’/qu=23.1/qu+0.269

を提案した。提案したc’~qu関係式は、安定計算によ り設定されたc’表示の目標強度を現場で達成できる ΔMCをより正確に求めることを目指したものである。

参 考 文 献

1. (社)セメント協会編:セメント系固化材による地盤改 良マニュアル第4版, 技報堂出版, pp.7-16, 2012.

2. (財)土木研究センター編:陸上工事における深層混 合処理工法設計・施工マニュアル(改訂版), (財)土 木研究センター, pp.75-90, 2004.

3. (財)土木研究センター編:陸上工事における深層混 合処理工法設計・施工マニュアル(改訂版), (財)土 木研究センター, pp.91-99, 2004.

4. (財)土木研究センター編:陸上工事における深層混 合処理工法設計・施工マニュアル(改訂版), (財)土 木研究センター, p.82, 2004.

ひとこと

北島㻌 明

一軸圧縮強さと粘着力の比は 強度によって異なり、高強度の場 合は粘着力の過大評価により危 険側になるおそれがあるが、今 年の新戦力である佐藤輝明、伊 藤将司、中野拓夢はたとえ期待 が過大でも常に応えてくれるの で勇気と安心を与えてくれる。

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

0 200 400 600 800 1000

固化盛土材の一軸圧縮強さ粘着力比qu/c'

固化盛土材の一軸圧縮強さ qu(kN/m2)

MM造成工事

盛土材MMA ( wn=29.7%)

固化材:高炉Bセメント(粉体添加) 養生日数:t=28

一軸・三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm qu/c'=qu/(αβqu)

1/β=3.861

α=17.35 , β=0.259

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0 400 800 1200 1600 2000

固化土の一軸圧縮強さc'/qu

固化土の一軸圧縮強さ qu(kN/m2) 固化土のc'quの関係

固化材:セメント・セメント系 養生日数:t=28

一軸・三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm c'/qu=α/qu+β

MM-A:

α=17.34 , β=0.259 c'/qu≦0.5

KKK-Ac:

α=23.59 , β=0.283

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

0 500 1000 1500 2000 2500

固化土の粘着力・一軸圧縮強さc'/qu

固化土の一軸圧縮強さ qu(kN/m2) 一軸・三軸圧縮試験:D/H=50mm/100mm

c'/qu=α/qu α/β=40/0.30 (α=23.1 , β=0.269)

α/β=10/0.24 固化土の粘着力と一軸圧縮強さの関係

養生日数:t=28日

固化材:セメント・セメント系

c'/qu≦0.50

:KKK造成(N-C)

◇ :MM造成(C)

:KGG造成(N-C)

:宮崎MS(N-C)

:HN造成(C)

OHダム(C)

+:OP造成(C)

図 締固め型固化土のqu/c’~qu関係の双曲線近似

図 固化土のc’/qu~qu関係の比較

図 各事例における固化土のc’/quとquの関係

土木工事における遠隔立ち会いシステムの検討

新井 智之 石田 純平*1 小島 秋*2 平野 勝識

概 要

映像・音声の配信を用いて、工事現場に行かなくても立ち会い検査等を実施する遠隔臨場技術のニーズが建設業の省力 化、業務の非接触化、脱炭素化などの理由で増えてきている。こうした需要を受け、土木工事現場へ導入するために必要なシ ステム構築や適用効果、また課題について実働の現場試行を通して検討した。

その結果、2種類のカメラ機器を使い分けることで、ほとんどハンズフリーで無理なく運用できるシステムを構築できた。このシ ステムは社内で標準的に使われているweb会議システムに組み込め、特別なソフトウェアをインストールすることなく、通常のweb 会議の感覚で実施することが可能である。実際の導入現場を例に導入効果を概算したところ、1現場あたり、1年間で約245時間 の時間削減効果と、2。2tの二酸化炭素削減効果があるとわかった。

Study of Remote Observation System in Civil Engineering Works

Abstract

There is an increasing need for remote presence technology that can be used to conduct on-site inspections without having to go to the construction site using video and audio distribution. In response to this demand, we have studied the necessary system construction, application effects, and challenges related to introducing the system to civil engineering construction sites through actual field trials.

As a result, we were able to construct a system that can be operated almost hands-free by using two different types of camera equipment. This system can be integrated into a company's standard web conferencing system, and can be conducted as if it were a regular web conference, without the need to install any special software. Using an actual installation site as an example, we estimated the effect of introduction of the system to be a time saving of approximately 245 hours and a carbon dioxide reduction of 2.2 tons per year per site.

キーワード: 遠隔臨場、映像配信、

無線通信、立ち会い検査

*1土木本部 防災技術部 *2東日本支社 土木統括部

−52−

参照

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