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手が付けられない状況である 大津から上がる道は林道のため国土交通省の調査が入り 将来は何とかなるだろうとのことだが 現在は家屋を優先するため先になるということ ゴルフ場から上がる道は大津市の農政課に応急処置をしてもらい 作業ができるような状態にはなった 牧野内の管理道路はめくれ上がっており 村の農政

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Academic year: 2021

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第 23 回阿蘇草原再生協議会 議事概要

・日時:平成 28 年 11 月 21 日(月)13:30~16:00 ・場所:阿蘇草原保全活動センター 草原学習館 ・参加者:<協議会構成員>73 団体・法人及び個人(62 団 体・法人、11 個人)<参加総数> 101 名(団体・法人の 複数参加、来賓1、報道8を含む) 1.開会(司会:事務局/阿蘇自然環境事務所 森所長) 2.会長あいさつ-阿蘇草原再生協議会会長 高橋佳孝氏 3.議事(議長:高橋佳孝会長) (1)熊本地震からの復旧・復興について ■被害状況、復旧対策の状況に関する報告 〇環境省より、熊本地震により発生した被害状況に関する 調査(環境省実施)の説明(PP) 〇阿蘇グリーンストックより、「熊本地震による阿蘇地域 牧野の被害状況と災害復旧対策の現状について」説明 (資料1) ◇各牧野から、被害及び復旧状況に関する報告 (池ノ窪牧野組合) ・牧野内の崩落個所は牛が滑落しないように電気牧柵で応 急処置をした。本格的な対策は行政にお願いしているが、 まだ工事には至っていない。水は自然水を利用しており、 電気が来ていないのでポンプアップはできない状況。放 牧頭数は例年 200 頭位だが、現状では 150 頭位、危険箇 所が多いのでまだ大変な状況である。 ・来春の野焼きは部落では中止に決めたということ。輪地 切りは道路の被害で登れないような状態。輪地切り箇所 も崩落している場所があるので危険な状況である。 (下市牧野組合) ・現状で一番困っているのは幹線の道路。村で機械の借り 上げや生コンの支援をするということだが、量が多くて 自分たちではできそうにない。牛を移動する時は谷を通 るが、慣れない牛もいるため全員が出て移動している。 水路の壊れた箇所はボランティアを頼んで復旧し、牛が 飲む位の水の量はあるが、水量が少ないので今後どうな っていくか心配である。 (小森原野組合) ・小森原野組合は8集落 361 戸で構成。地震で特に被害が 大きい3集落では残る家が各集落で 1 戸かそこら、他の 5集落もほとんどが被害を受けている。水道は谷の湧水 を利用しているが土砂崩れでやられ、地震後すぐに重機 を借りて自分たちで復旧した。 ・その後、水害で道路2カ所が 200m位崩落して全く使え ない状態になった。一番困ったのは、どこも補助金を出 してくれないこと。役場でも数千万円かかるので対応で きないということ。幸か不幸か九州電力の鉄塔が被害を 受けたため駐車場を貸すことになった。役場からは 70 万円の生コン代をいただき、約1か月重機を借りて約 210mの道路(う回路)を作り復旧した。そこも九電が 巡回路として使用するため一部負担をお願いした。 ・資金集めにかなり苦労した。放牧するのは1名、また家 屋が全壊している中で、組合員に負担金をお願いするわ けにもいかず、それでも、1年野焼きをやめたら復活は 難しいため、道路を復旧して防火線づくりをしなければ ということで、300 万円位で復旧した。 ・一番困るのは資金である。せっかく千年委員会や協議会 があるので、資金援助を国なりにお願いしてもらえれば いいと思う。 (狩尾牧野組合/狩尾牧場) ・狩尾牧野では熊本型放牧を行っているため牛を預けてい る方々が時々見にこられるが、監視小屋が被害を受けて 困っている。組合長の話では、プレハブなどを借りて対 応していくとのこと。また、牧野内の亀裂はごく最近見 つかってきたということ。 ・一番にはラピュタの道が復旧できるといい。観光客が見 に来るような観光地になっていたが、復旧を市にお願い したところ、80 億から 100 億円位ととてつもない費用 がかかるので諦めてくれということ。他の復旧を優先さ せて、最終的にはお願いしていきたいと思っている。 ・熊本型放牧も続けていきたい。応援していただいたおか げで、家畜の値段は過去にない値になっている。黒牛も あか牛も同じ水準で、雄で 90 万円位、雌で 80 万円位で ある。 (下野牧野組合) ・下野牧野の場合、牧野と山の境目あたりが崩れて道路が 陥没している状況だが、牧野自体は大した被害はなかっ た。 (的石原野組合) ・野焼きを実施する戸下と端辺に分かれているが、戸下の 原野では落石や道路の亀裂などが発生している。道路の 落石は全て除去し、輪地切り・野焼きは実施できる状態 になっている。端辺原野はそこまでひどくないが、道路 や橋等の被害が所々見られる状況である。 (西湯浦牧野組合) ・地震直後、外輪山の上の放牧地ではあまり被害がないと 思っていたが、その後の余震や豪雨で陥没箇所などが増 えてきた。放牧地では臨時に鉄条網を張り面積を狭めた。 今後野焼きなどをやっていけば、さらに陥没など被害箇 所などが出てくるだろう。その時点で、全体的な放牧地 の復旧プログラムを立てなければならないと思う。 ・大規模野焼き再開事業を行っている場所は、思ったほど 地震による土砂崩壊が起きていない。頻繁に人の手が入 るところは被害が少ないのではないか、という結論に達 している。 ・里と原野を繋ぐ延長6km ほどの管理道3、4本の被害 については全く手つかずの状況。行政からも具体的な話 がなく復旧の見通しが立っていない。天空の道ほどでは ないが 30 億円位はかかると思っているのでよろしくお 願いしたい。 (瀬田立野牧野組合) ・地震でメインの管理道3本が被災した。立野新所の方は

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手が付けられない状況である。大津から上がる道は林道 のため国土交通省の調査が入り、将来は何とかなるだろ うとのことだが、現在は家屋を優先するため先になると いうこと。ゴルフ場から上がる道は大津市の農政課に応 急処置をしてもらい、作業ができるような状態にはなっ た。牧野内の管理道路はめくれ上がっており、村の農政 課で応急処置をしてもらったが、本格的には後にという ことである。 ・地震の時に放牧していた牛のうち 1 頭が足を折って最終 的に薬殺をした。 ・野焼きは、役員会では危険なのでやめるという結論を出 していたが、作業道の応急処置をしたので、グリーンス トックボランティアに参加してもらい輪地切りができ た。ボランティアは、以前の死亡事故のことがあり心配 だったが、実際は組合員よりもまじめに積極的にやって くれたので、野焼きをする際もお願いする予定である。 (黒川牧野組合) ・本来なら今頃は 800 頭位放牧しているが、今は 400 頭を 切っている。地割れなどが多く放牧ができない状況であ り、1500m位の鉄条網で仕切って放牧している。個人的 意見では、登山道路の前に牧野の整備をしてほしい。 我々は観光でも何でも協力するが、牧野にも協力しても らわないとどうにもならない。 (小堀牧野組合) ・牧野は仙酔峡の交流の家周辺にある。従来なら輪地切り も終わり、野焼きを待つというところだが、今年は如何 せん主要道路がいけない状態である。ボランティアにお 願いするのも危険であり、できる範囲だけは守ろうとい うのが現状。我々の牧野の野焼きができなければ隣もで きなくなるというのが阿蘇で、隣の牧野との連携が必要 になっている。 ◇行政からの報告 〇熊本県阿蘇地域振興局農業普及・振興課(安武課長) ・牧野の被害について、全部ではないが牧野への立ち入り 調査をしている。原野関係では原野崩壊や土砂崩れによ る土砂流入、地割れなど、牧道では落石やクラック、法 面崩壊による破損など、施設では土砂流入等による牧柵 被害、給水施設や監視小屋等の被害があった。 ・当初、被災された牧野への復旧対策がなかなかなかった が、県庁や国で措置されてきており、その一つに強い農 業づくり交付金がある。また、平成 24 年の豪雨被害の 時と同様、被災農業者経営単育成支援事業(国 1/2、県・ 市町村が各 1/5)ができ、現在第3回目の申請を受け付 け中である。それでも自己負担が発生するため、振興局 としても県庁を通じて農林水産省に要望を行ったとこ ろ、11 月に「熊本地震被災牧野復旧実証事業」が措置 された。今年から3カ年事業で実施主体は(公財)全国 競馬畜産振興会。より低コストで牧野の機能を元通りに し、今後どのように牧野を再生していくかとうい取り組 みを牧野の方々自らが実証する。そのためにかかる経費 がJRAから熊本県畜産協会を通じて全額支給される。 上限は 150 万円。この事業を活用して牧野の復旧・復興 に役立てていただければと思う。 〇熊本県地域振興課(清水課長補佐) ・県では地域振興課が阿蘇草原再生事業に取り組んでいる。 熊本地震復興基金の中で牧野道の復旧予算がとれない かという議論がされてきたが、復興基金は生活者の支援 が第一ということで、地域振興課からの予算要求はとる ことができなかった。復興基金の配分方針は、窓口であ る市町村課が検討して示されると聞いている。この中に、 国庫補助対象外の牧野、農地に関するメニューも含まれ ているので、この中で予算措置ができるかと考えている。 ・来年の野焼きが厳しい状況の中で、特に農業には利用さ れていないが野焼きを行っているようなところに対す る支援事業を我々も探していたが、日本財団の笹川会長 よって創設された緊急支援に基づく一連の動きとして、 民間企業から牧道復旧に向けた支援の申し出を最近い ただいた。詳細はまだ聞いていないが、今後、日本財団 や民間企業の活力を活用した牧道復旧も検討していた だきたいと考えている。 〇環境省九州地方環境事務所(阿蘇自然環境事務所 森所 長) ・環境省では、今年3月に日本全国の観光振興を進めてい くために政府が取りまとめた「明日の日本を支える観光 ビジョン」に基づき「国立公園満喫プロジェクト」に取 り組んでいる。国立公園を世界水準の「ナショナルパー ク」としてブランド化を図ることを目指しており、全国 の国立公園のうちモデル的に推進する8つの国立公園 の 1 つとして阿蘇くじゅう国立公園が選定された。選定 のポイントは「災害復興、カルデラと千年の草原」。プ ロジェクトの中身は観光ではあるが、災害復興という観 点での具体的なプログラムを、このプロジェクトの中で どう検討できるかが大きな課題である。今年 12 月に具 体的なプログラムを策定するが、この間、災害復興と草 原復興の観点での議論を進めていきたいと考えている。 〇南阿蘇村農政課(吉里課長) ・今回の地震で南阿蘇村では甚大な被害を受けており、牧 野の復旧に関しては莫大な金額になる。改良草地につい ては補助関係があるので災害復旧に取り組んでいく。牧 野の中については非常にお金がかかるが、危ないので牧 柵設置を進めている。 ■協議会としての対応について 〇事務局より、「熊本地震からの復旧・復興と今後の草原 再生に向けて」について説明(資料2) [協議] ・先日、大観峰の募金活動に行ってきたが、下通りなど市 内とは手ごたえが全く違った。市内では素通りする人が 多かったが、大観峰では「大変だったですね」と声をか けられ多額な寄付をいただいた。募金活動には牧野もで

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きるだけ参加するべき。援助をいただいているので、行 けるときに行って、それをまた利用させてもらうのが筋 道だと思う。隣の下市牧野と一緒に管理することについ て、話をきちんとまとめるには入会権のことがあり、各 駐在区から了承をもらってから牧野の話し合いになる ので、まだ前には進んではいない。ただ、そうしていく べきだとは考えている。(下磧牧野組合) ・昨年の全国草原サミット in 阿蘇での宣言と関連して、 11 月 15 日に東京で 23 市町村が集まって「全国草原の 里市町村連絡協議会」の設立総会があり、全国草原 100 選や、資料2で提案された草原の経済的評価、規制緩和 についても要望していくことが今後の活動計画として 承認された。全国の市町村とも連携を図りながら、草原 再生を震災復興も兼ねて進めていく必要があると思う。 (阿蘇グリーンストック/山内副理事長) ⇒(議長)同じ志を持つ自治体との連携により働きかけて いけたらと思う。各牧野で自助努力で復旧を進めている ところもかなりある。また、行政(公助)により支援し ていくことがある。協議会の場合は共助になるが、この 3つを同時にやっていかないと進まないだろう。 ◆議長より、資料2の提案をもとに協議会として進んでい くことを会場に諮り、承認された。 (2)阿蘇草原再生募金の活動及び今後の活動支援につい て ■報告事項 〇募金事務局より、「阿蘇草原再生募金の活動について(報 告事項)」について説明(資料3) 〇千年委員会事務局より、千年委員会の開催について報告 ・先週金曜日に福岡で千年委員会が開催された。各委員か ら復興に向けた心強い発言があり、最後に九州の阿蘇と いうことで九州全県に連携が深まることが誓われ、千年 委員会もステージⅢとして、2019 年3月まで継続する ことが確認された。 ⇒(議長)先日の千年委員会では阿蘇にエールを送ってい ただいた。阿蘇は阿蘇だけの問題ではないということを、 政財界の方々が実感されたようだった。 ■協議事項 〇募金事務局より、「阿蘇草原再生募金の活動について(協 議事項)」について説明(資料4) *第3期募金活動の進め方、募金による今後の活動支 援、H28 年度予算案 [協議] (議長)今年は被災に対する緊急支援を行う。次年度(第 7弾)は繁殖あか牛導入支援を行うが、募金残高の関係 から、現時点ではその他の活動に充てることができない かもしれない。そういうことも含めてご意見をお願いし たい。 ・あか牛は1頭6万円となっているが、複数も認められる のか。(瀬田立野牧野組合) ⇒(議長)複数も認められるが、上限があるので、沢山申 し込みがあれば線引きがされる。 ・緊急支援の1件当り 50 万円をどう使うかは難しい。現 在、牧野組合員は7名しかおらず2人ずつ出ても 14~ 15 名位で、一番問題なのは人間がいないということで、 ボランティアに手伝ってもらってきた。お金があれば建 設業にということもあるが、規模からみて、それくらい のお金では復旧は難しいし、自分たちが大型機械を扱う こともできない。50 万円はどうやって使っていいかが わからない。(下市牧野組合) ⇒(議長)例えば、機械のリースやオペレーターの確保に 使うとかはできないか。 ・4月 16 日から放牧開始で本震の時は牛を入れていた。 早急に鉄条網関係だけを村から助成してもらい、危険な 場所に牛が入らない対策をしたが、牧野の4割近くで崖 崩れや亀裂などがあり牛を入れていない。50 万円で復 旧するのは多分無理だと思う。春に野焼きをする場合、 今年は使っていない所があるため、いつもより労力がか かり危険も伴う。野焼き等に人を雇って、使ってもいい のであれば役に立つと思うが、その辺はどうか。(下野 牧野組合) ⇒(議長)使い途は何でも結構。一番の懸念は春の野焼き ができるかどうか。それに少しでも役にたてればいい。 行政からは出しづらいところで使っていただく。 ・業者を雇いたくても、業者がいないのが一番の問題。い くつか予算を立てて企画したが、自分たちで復旧するの は無理なので業者にお願いしようということで見積も りを出してもらったが、年度内は手一杯で仕事ができな いというのが現状である。(町古閑牧野組合) ・50 万円は非常に有難い。いろいろな支援事業があるが 全てヒモ付きである。実証事業も、高齢化で牧野の運営 もままならない中、ボランティアを入れて野焼きなどを やっているような状態のところに、低コストで牧野の再 生を実証するということだが、実際は材料代だけで労務 費は自分たちで出すということだと思う。協議会で出す 50 万円は何にでも使えるのでいい。支援事業は 1/2 補 助などが多く、動きづらいのが本音である。(西湯野浦 牧野組合) ⇒(議長)緊急支援については、自由度が高いので、ちょ っとしたところで使っていただければと思う。なお、野 焼きに間に合わせるため助成先は2月上旬までに決め ることになるが、決める際には役場の方に相談しながら 決定していきたい。 ◆議長より、第3期募金、募金による活動支援、予算案に ついて会場に諮り、承認された。

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(休憩後) ■(株)富士ゼロックス熊本端数倶楽部より協議会へ寄付 金贈呈 ◇募金事務局より、富士ゼロックス端数倶楽部/片山氏を 紹介。(募金事務局) 〇富士ゼロックス熊本端数倶楽部 片山龍一氏よりあい さつ ・約 20 年前にスタートした「富士ゼロックス熊本端数倶 楽部」には、社員約 150 名のうち 80 名ほどが参加。給 料や賞与から2ケタの端数をチェックオフしたお金に 任意の拠出金(1口百円、10 口まで)を加え、さらに 会社から拠出金と同額を拠出して、合わせたお金を熊本 における地域環境の保全、将来を担う子どもたちへの支 援を大きな柱として使っている。 ・ささやかではあるが毎年続けることを目標としており、 寄付は今回で 100 万円を超えた。阿蘇草原再生の取り組 みへの支援は、これからも少しずつ続けていきたいと思 っている。 (3)新規加入構成員について ○事務局より、新規加入構成員について説明(資料5) ◆議長より、協議会設置要綱第6条に基づき、新規加入申 請者(団体・法人1、個人1)について協議会出席者に 諮り、承認された。これにより、構成員数は 179 団体、 73 個人、合計 252 団体・法人及び個人となった。 <新規加入者/山田西部牧野組合の橋本堅(かたし)組合 長よりコメント> ・山田西部牧野は外輪山のミルクロード沿いにあり、長年、 親子放牧を行っている。周年放牧も始めて 10 年近くに なる。地震では牧場や牧道の被害はなかったが、監視小 屋や倉庫に被害があり、そういうところにも予算が使え れば助かると思っている。よろしくお願いします。 (4)平成 28 年度新規活動計画(案)について 〇事務局より、「平成 28 年度のスケジュール(案)」及び 「平成 28 年度新規活動計画(案)」について説明(資料 6、資料7) ◆議長より、平成 28 年度の新規活動計画案6件について 会場に諮り、全てが阿蘇草原再生に向けた計画案として 承認された。 (5)平成 27 年度の活動結果報告及び表彰について ○事務局より、平成 27 年度の活動結果報告について説明 (レポート P.4~5 一覧表) <平成 27 年度の活動結果報告の評価等について各小委員 会から報告> ①牧野管理小委員会(草原景観部会との合同会議)/田島 委員長代理より報告 ・提出された 32 件の活動結果報告のうち牧野管理に関連 する活動は 17 件、そのうち牧野管理小委員会が主担当 の活動は 10 件で、奨励賞として4件が選定された。 ・狩尾牧野では熊本型放牧が継続的に行われ、西湯浦牧野 組合では3年目になる大規模野焼き再開事業とあわせ て、地元の子どもたちの学習活動を行い地域に貢献。黒 川牧野では阿蘇観光のシンボルである草千里ヶ浜の景 観回復に向けた取り組みが評価された。また、九州地方 環境事務所が継続的に取り組んでいる牧野カルテ作成 は組合からも評価されている。 ・また、阿蘇地域世界農業遺産の草原景観部会の活動でも ある「草資源利用開発実証事業-草小積み再生プロジェ クト」が承認され、農業遺産との連携も進んできた。草 小積みは、景観面に加え草の循環利用や技術伝承など 様々な観点から生かしていくことが期待されている。 ・本年4月に発生した熊本地震では牧野も大きな被害を受 けており、まずは、放牧利用や来春の野焼きが安全にで きるように早急に対処していくことが求められている。 ②生物多様性小委員会(自然環境部会との合同会議)/平 野氏より報告 ・今回提出された活動結果報告のうち、生物多様性保全に 関連する報告は 13 件。そのうち生物多様性小委員会が 主担当の活動5件の中から3件が奨励賞に選定された。 ・小森原野組合では「生物多様性評価マニュアル」を活用 して地元の子どもたちが牧野の植生調査を行っており、 農業環境支払いにつながる活動であることが評価され た。阿蘇花野協会では、管理放棄地の草原再生とあわせ て茅葺き屋根材としてカヤを活用する活動が成果を上 げており、世界農業遺産の活動としても評価されている。 花咲盛でも継続的に活動が行われているが、効率的・効 果的な管理や体制作りが課題となっている。 ・生物多様性保全の活動において、モニタリングの実施は 一部に限られており、マンパワーの問題から今後は組織 づくりも必要という指摘があった。 ・熊本地震に関しては、自然の脅威による攪乱が草原性動 植物の生息・生育に及ぼす影響からも、震災後の動植物 調査の必要性が指摘されている。また、草原環境保全に 向けて、牧野の生物種の保全に取り組む農家への所得補 償などの仕組みづくりが求められている。 ③草原環境学習小委員会(文化交流部会との合同会議)/ 藤田氏より報告 ・今回提出された活動結果報告のうち草原環境学習に関連 する活動は 19 件、そのうち草原環境学習小委員会が主 担当の活動 12 件であり、奨励賞として4件が選定され た。 ・阿蘇中央高校では地域貢献も視野に入れて取り組みが行 われ、次世代の担い手育成の面からも評価された。阿蘇 青少年交流の家の活動では、当小委員会メンバーとの連 携により各プログラムが効果的に実施され、新宮牧野組 合の活動は小学校や公民館などとの連携により地元の 活動として定着してきた。また、東京農大の活動では小 学生の学習成果として「野の花図鑑」ができたことが評

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価された。 ・「阿蘇草原キッズ・プロジェクトⅡ」は平成 28 年度で終 了するが、引き続き「プロジェクトⅢ」として継続する 際は、これまでの活動を再評価し、新たなステップに進 むことが課題となっている。また、財源として阿蘇草原 再生募金に加え阿蘇草原保全支援システムによる支援 を受けており、活動の成果等を明らかにしていくことも 大事である。 ・震災復興に向けて、草原環境学習の活動を継続させてい くことが復興の一助になると考え、今後も次世代の担い 手づくりを目指して、草原環境学習の取り組みを推進し ていきたい。 ④野草資源小委員会(農林部会との合同会議)/市原委員 長代理より報告 ・提出された活動結果報告のうち野草資源に関連する活動 は5件、そのうち当小委員会が主担当の活動は2件だっ た。奨励賞として、主担当の活動から草原再生オペレー ター組合、関連する活動から阿蘇花野協会の計2件が選 定された。 ・草原再生オペレーター組合では年間 302 トンの採草を行 い、野草採草面積の拡大に貢献した。阿蘇花野協会では、 草原植生の回復に向けた活動とあわせて、野草を人力で 3,000 束以上刈り採り茅葺き屋根材として販売・活用し、 価値を生み出していることが評価された。 ・野草資源利用の活動は、阿蘇地域世界農業遺産の取り組 みとしても重要な活動である。野草堆肥については、阿 蘇地域世界農業遺産推進協会から佐賀大学への委託研 究により「善玉菌」が見つかり有用性が確認されたこと により、野草堆肥利用への機運が高まっており、今後も 農業遺産と連携して効果的に取り組みを進める必要が ある。 ⑤草原観光利用小委員会(文化交流部会との合同会議)/ 協議会事務局より報告 ・今回提出された活動結果報告のうち、草原観光利用に関 する活動は9件、そのうち草原観光利用小委員会が主担 当の活動は3件。奨励賞に選定された阿蘇グリーンスト ックの「阿蘇の自然(草原)を体感し、阿蘇の草原ファ ンになってもらう」では、あか牛を中心に農と食を通し た体験活動が行われていることが評価された。 ・熊本地震による阿蘇への主要アクセスルートや温泉の被 害など、観光業は大きな影響を受けた。今後は、国道 57 号等に代わるアクセスルートを活用した草原観光ル ートや、災害も含めた阿蘇の自然に関するプログラムの 開発、国立公園満喫プロジェクト実施に向けた外国人の 観光スタイルへの対応、ガイド養成など、新しい視点か らの取り組みが必要となっている。また、観光サイドか ら草原維持管理に協力していくための資金還流の仕組 みづくりや、今後の外国人観光客増大に対応した防疫体 制の強化などが課題となっている。 ◆議長より、32 件の活動結果報告について会場に諮り、 全てが阿蘇草原再生に向けた活動として表彰に値する ということで、承認された。 ◆議長より、32 件の活動の中から取り組みの成果が特に 顕著で、モデル的に推奨する活動として 13 件を奨励賞 に選定することについて会場に諮り、全てが承認された。 (6)今後の協議会運営について(平成 28 年度役員の選 任) ○事務局より、幹事の選任(案)について説明(資料8(1)) ◆議長より、平成 28 年度幹事の追加選任案について会場 に諮り、1 名の追加選任が承認された。これにより、平 成 28 年度の幹事会は 29 名体制で進めることとなった。 <新任幹事の黒川牧野組合/坂本組合長よりコメント> ・まだよくわからないことも多いが、よろしくお願いしま す。 ○事務局より、募金委員の選任(案)について説明(資料 8(2)) ◆議長より、平成 28 年度募金委員の選任について会場に 諮り、5名の募金委員が承認された。 (7)その他 〇事務局より、今後の予定について事務連絡 ○閉会前のあいさつ/九州地方環境事務所 河原統括自 然保護企画官 ・阿蘇草原再生協議会は設立から 12 年目、自然再生推進 法に基づく協議会は全国にあるが、これほど多くの方々 が活発に活動し、継続している協議会は他にはない。今 年は熊本地震とその後の豪雨等により未曽有の被害が 発生し、生活や産業復興へ向けて課題が沢山ある。また、 牧野への影響が想像以上に大きいことを改めて感じた。 ・「阿蘇くじゅう国立公園満喫プロジェクト」は、関係機 関と連携を図りながらプログラム案作成を進めている。 草原再生の枠組みの中で重要な位置づけになるので、地 域の方々の意向、自主性を重視しながら復興の取り組み や新たな可能性について皆様と検討していくことが大 事だと思っている。行政としては、その環境整備のため のサポートや下支えをする役割と考えているが、災害の 現状から、積極的な取り組みを進めることが必要だと思 う。 ・世界に誇る阿蘇の草原を次世代、未来に引き継ぐために、 今後とも皆様の知恵を結集して、取り組んでいくことを お願いして、あいさつとさせていただく。 4.閉会 以上

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