• 検索結果がありません。

甘蔗の経営経済的研究(2): University of the Ryukyus Repository

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "甘蔗の経営経済的研究(2): University of the Ryukyus Repository"

Copied!
53
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

甘蔗の経営経済的研究(2)

Author(s)

池原, 真一

Citation

琉球大学農家政工学部学術報告 = The science bulletin of

the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering,

University of the Ryukyus(12): 87-138

Issue Date

1965-10-01

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/23187

(2)

甘蕨の経営経済的研究(Ⅱ)

池原真一* Shin-ichilKEHARA;Studiesonfarmeconomyofsugar-canecropping.(Ⅱ) Iはしがき

筆者はさきに沖縄における廿蕨の伝来とその発達について述べたが,本稿では廿蕨作の経営構造と経

済性増進の方策および砂糖の貿易自由化実施後における廿薦農業の合理化対策等について究明したい

と思う。

従来廿蕨農業に対する研究は栽培技術の面が特に重視され経営構造や経済性の面からの研究は等閑

に付されていた。したがって農家においても栽培技術に対する関心は深く,意欲的であったが経済収

支の面になると全く無関心であった。このことは戦後1959年の糖業振興法の制定の頃まで続いたが

それ以後廿蕨の生産費や経済収支等の問題についても関心が高まり,原料蕨茎の最低価格決定に対し

ても,つよい関心を示すようになった。 砂糖の貿易自由化は当然糖価に箸るしい影響があるものと農家は不安にかられていたが,いよいよ 自由化が実施されてみると糖価は逆に高騰をつづけ農家の不安を一掃し,かえって生産意欲を盛り上 げた,恰好である。 農家における生産意欲の向上や自然的条件にめぐまれて1964年期の薦茎生産量は未曽有の増産を きたし史上最高を記録するに至ったが,糖価は世界的増産の影響をうけて漸落の一途を辿りとうとう

kg当り100円を割り95円台に暴落したため農家に大きな衝げきを与えた。これに対し琉球政府は現

在の糖価では到底工場や農家の生産費も補償できないとして本土政府による沖縄産糖の買上げについ

て再三に豆り接渉の結果分蜜糖14万屯買上げの実現をみるに至った。しかしこれによって一応危機

を脱出した'恰好ではあるがまだまだ今後に残された沖縄糖業の問題点は多いことと思う。 Ⅲ甘薦作の経営構造 廿蕨は沖縄においては農業経営上不可欠な作物で,戦前から経済計算上は採算のとれない作物であ ると言われながらも年を追うて面積の増加をきたしたことは既述の通りであるが,最近においても地 区によっては引き合わない作物であると言われながらもここ2.8年来の蕨作面積の増加はめざまし いものがある。農家のいう採算割れ云々の問題は勘によるもので,政府の調査資料から計算してみれ ばどの指標をとってみても廿蕨は収益性の高い作物である。収益性の検討は後にゆづることにして, 次は最近における廿蕨作の生産構造の変化を地区別,年次別に検討するとともに廿薦の副産物である 梢頭部や除けつ茎葉が家畜の飼料構造上粗飼料給源として如何なる役割りを果してきたかまた廿蕨の 枯葉が家畜の敷草としてあるいは堆肥原料としての役割等についても併せて考えてみたいと思う。 1.甘薦作の動向 廿蒔の収穫面積はここ2.3年来急速に増加をきたし,1963年期にはすでに戦前の最高面積昭和4 *琉球大学農家政工学部農学科

(3)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 88 第1表甘蕨収種面積の推移 全琉球 右|八重山 部|中部|南部|宮

竃「帆蓮

:iir測馨

篭rliljij

110 326.854 466.500

:慥減割瑚

107.244 105.658 100 100 100 100  ̄

:儘減割鯛

175.390 158.203 455.766 390.973 166 120 98 2.3 150 164 20 50 64 ■■■■■■■■

:憧減鯛

297.036 252.322 542.278 508527 236 156 116 277 239 30 17 60 69 2.127.570 248.010 508.600 JJJ a%% Iくく 数数〈ロ 割 減 突指増 ij-I 一九六一二年 626.390 387.930 356.640 202 224 156 134 338 362 16 4.7 0.0 16 31 41 (注)1. 2. 琉球政府経済局の資料より作成した。 増減割合は前年に対する比率である。 第2表10a当収量の推移 古|八重山|平均 南部離島|宮 部 部|南 部|中 北 6,330  ̄ 5,920 - 4,985 - (kg) (%) 4,272- 6,83518,575 9,210  ̄

実数 増減率 1960 7,980 26

肌碧

6,230 5 7,174 44

M;Ⅱ

(kg) (%)

M83uBZlil

l31 1

実数 増減率 1961

7,2451

1.01

9,347110,7851

-3-51 7,805 -2 5,862 -6 幻J k% くく 5,2291 -41

実数

7,竺削

増減率 1962 (注)琉球政府経済局の資料より作成。 年期の19195町歩を上廻り,64年期には3万町歩になんなんとしている。全く驚くべき増反ぶりであ る。その増加傾向は第1表にみるように,全琉の収穫面積からすれば3カ年間に2倍以上に伸びてい るということがわかる。しかしその増加率は1962年を頂点として63年は低下している。 収穫面積の増加傾向を地区別にみれば,3カ年を通じもっとも顕著な伸びを示したのは北部地区で 1960年期に対し61年期が1.7倍,62年期が2.8倍,63年期に至っては実に3.6倍に増反されて いる。中部や八重山の両地区もその伸びは顕著で北部地区に次いで大きい。 廿蕨作付面積増加のしわよせは地区によりその様相を異にし,増反率のもっとも高い北部地区では 山地開発,水田の蕨園化あるいは畑地においては他作物の作恂面積への侵食等によるものである。最 近ではパイン作の改植を機会に相当傾斜度の高い所まで廿蕨が伸びている。中・南部地区の場合は畑 作中廿藷や大豆等を排除して伸びてきている。 宮古地区は62,63年期とも56%の増加を示しているが,これは主として原野の開こんおよび畑 作物の排除によって伸びてきているが,63,64年期を頂点とし今後大幅な増反は望めないであろう。 八重山地区の場合は北部地区と同様山地開発やパイン作あるいは他の畑作物を排除して伸びてきて いるがまだまだその余地はあると,思う。

(4)

廿薦の経営経済的研究(Ⅱ) 也原 89 第3表甘蕨生産量の推移

|北

部|中 部|南 部|南部離島 宮 古|八重山,全琉球

{嘉産蟇SiSl

73'iIil

90,395 100 191,392100 83,621100 162,962100 65,628100 667,302100 1960

{毒産簑SiSI

141,0021

1921

'531諸’

284,328149 111,802134 280,490、172 103,6951,074,510158160 1961

肌;iil

(鬚産雛)■

235,854261 359,712188 109,167130 368,468226

138,霊1M33,720

215 1962 (注)経済局資料よ り算出。 第4表蕨作農家の変遷 同離島 宮 古|八重山 全琉球 部|中部|南 部 北

iii

jjJJj 戸戸戸%% くくくくく 1961年 1962年

(護襄害蔓剪篶

同比率

(震6獣,;,籔蓉

4.349 54706 12,483 13,498 1,015 8.1 11.921 12.567 2.433 57.912 15.486 12.814 2.614 4.558 247 181 209 3.212 3,565 29.9 4.8 8 5.9 2.0 22 7.4 5 23 27 100.0 (注)1.琉球政府経済局資料による。 2.1962年の蕨作農家の割合は,全蕨作農家に対する割合である。 10a当り収量は第2表のように,全琉平均において1961年期は前年に対し26%の大幅な増収で, 戦後の最高を記録し62年期には2%の減収をきたしさらに63年期においては未曽有の旱ばつのた め特に両先島では箸るい、減収となっている。 61年期における地区別増収率の最高は宮古地区の44%で,次いで南部離島および南部本島地区が それぞれ27%,24%の高い増収率を示している。62年期はひとり宮古地区のみが1%の増収でそ の他の地区ではいずれも減収である。(第2表) 10a当り収量は戦前からの廿蕨主産地たる南部本島地区が3カ年を通じて首位を占め61,62年期 とも10屯を上廻っている。 過去3カ年間における全琉の廿蕨生産量の推移をみてみよう。第3表によれば1960年期に66万 屯余の廿薦が61年には107万余屯に増産されさらに62年期には60年期の2倍143万余屯に増産 されている。これを地区別にみれば,60年期対比による62年期の増収率は北部地区が3倍以上, 中部,宮古,八重山の各地区ではいずれも2倍以上に伸びている。これに対し廿蕨どころの南部本島 地区では88%,離島地区では僅かに30%の増収でしかない。しかし南部本島の場合60年期に対す る62年期の騰茎増収量は17万余屯で宮古地区に次いで多い。 南部離島地区における増収率の低い原因は南,北大東島における廿蕨の連作あるいはその他の離島 地区(例えば久米島等)において地力の低い不適地への作付にあるようである。62年期の前年対比に よる地区別生産量において北部,中部,南部本島,宮古,八重山の各地区がそれぞれ57%,54%, 27%,31%,34%の伸びを示しているのに対し南部離島地区においては逆に2%の減収である。 廿薦作の有利性にかんがみ薦作農家も年々増加をきたし1962年は前年に対し3212戸も増加(比 率において5.9%)している。地区別の対前年の増加率は中部地区の29.9%を筆頭に次いで北部地 区の8.1%,南部離島地区の7.4%の順となっている。

(5)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 90 第5表甘蕨の規模別農家戸数の推移 '5a未満’5~l0allO~30al30~50al50~100allOO~l50all50a以上

L;釦

72F 152 22F48

2,996F

2,238

3,879F

3,422

4,047F

4,863 294F894

北部鵬

中部鵬

50 34 2,625 3,748 1,1441,946 329709 97 104 3,525 3,711 4,1515,234

南部鵬

178 178 1012 1,729 1,485 5,1955,015 1,4961,943 819 1,162 3,140 3,019

南部離島{蝿

63 54 332324 236 223 665707 349 468 311 406 477 432

宮古鵬

286 65 627303 1,7611,215 2,6781,692 2,2402,826 1,999927 434848

八重山鵬

926 1,424 864530 148201 11293 9 31 991498 1,6521,428

全琉球{鵠

4,728 6,861 2,6881,485 1,378941 7,881 7,790 12,63911,385 17,47118,462 9,5669,354 (注)琉球政府経済局資料による。 中部地区の場合耕地面積が狭少にもかかわらず蕨作農家戸数が3割近くも増加したということは, 廿蕨の高値にしげきされ基地周辺の零細自給生産農家あるいは他産業従事者が蕨作農家に転換したこ とによるものであろう。 蕨作農家の全農家に対する割合は1961年の68%から62年には72%に上昇している。これを 1962年期について地区別に観察すれば,最近目立って廿蕨作が伸びた宮古地区の96.5%が最高で, 次いで南部離島地区の78.7%,南部本島地区76.7%,北部地区70.6%,中部地区63.8%,八重山 地区60.2%の順となっている。宮古地区は全農家が蕨作一点張りの経営形態であるという感じを与 えるものである。 蕨作農家を規模別にみれば第5表のように,全琉的にみた場合30a以下の農家が圧倒的に多く, 1961年では69.4%,62年では若干減って65%,30~100a層の農家が61年,62年ではそれぞれ 29.1%,28%,100a以上の農家層は僅かに4.5%,7%を占めているにすぎない。しかし地区別にみ ればいろいろ差異が見られ,宮古地区の場合100a以上が61年で15%,62年では32%で,全薦 作農家のおよそ3分の1が1ha以上の農家だということになる。50a層以下の農家戸数が箸るしく 減少しそれ以上層の農家が大幅に増加していることはほとんどの地区で見られる現象であるが,こと に宮古地区の場合それが顕著に現われている。それについて61年に対する62年の増減をみれば, 5a未満では前年の7分の1.5~10a層では2分の1.10~30a層では31%,30~50a層では37%の 減少に対し,50~100a層では26%,100~150a層では2倍以上,150a以上層ではおよそ2倍に増 加している。これは宮古地区農家が如何に規模の拡大にやつきになっているかを知ることができる。 1962年期において1ha以上の作・け農家は戦前から規模の大きい南部離島(その中でも大部分は南. 北大東である)と宮古の両地区である。すなわち宮古地区が70%,南部離島が9%でこの両地区で 全体のおよそ8割を占めている。 地区別に1戸当収穫面積および騰作率を見てみよう。全琉平均の1戸当廿騰の収穫面積は1960年 期までは年々増加の傾向をたどってきたが,61年期には若干減少している。61年期は宮古,八重山 の両地区は前年に対しそれぞれ16%,14%の増加を示しているが沖縄本島の3地区がいづれも減少

(6)

池原:廿藤の経営経済的研究(Ⅱ) 91 第6表廿藤収穫面積と薦作率(1戸当り) 北部|中部|南部|宮古|八重山|全琉球

圖登:

17(20)’

:祭に鑿L:篭|:露

M|:戸弗蝿

/k/しr、 ha% のJJ 13(20)

s鰯|

M)’

lM901

39i:911

M1:戸舗!

/1/、/、 ha% のJJ 8,727 14.1 20(30) 6,372 13.3 25(29) 11,695 30.4 39(45) 45,764 24.6 29(35)

鰯に駕口

朏煤戸鼻烹鼠面!

/1r、〆1 ha% のJj 8,896 10,072 56.8 50(51) 9,079 51.7 26(33) 46,309 31.7 40(47)

鍋ii5Il

(注)1.政府の前掲資料および統計庁の資料より算出。

2.蕨作率中()内の数字は畑地に対する割合を示す。

しているため全琉平均において9%の減となっている。62年期は各地区と61戸当面積は増加し全琉

平均において28%の大幅な増である。面積の増加は八重山地区が筆頭で13.4a,次いで宮古13.1a,

北部7.9a,南部4.7a,中部3aの順となっている。

耕地面積に対する廿蕨収穫面積の割合(蕨作率)をみれば第6表のように各地区とも年を追うて増

加の一途をたどっている。全琉平均による蕨作率は1960年期の24%(畑地の28%)から61年期

には24%(畑地の35%)に伸びさらに62年期には40%(畑地の47%)にまで増大した。就中蕨

作率の高いのは宮古,南部の両地区で62年期には耕地の半分,畑面積の半ば以上が廿蕨によって占

有されている。しかしこれは収穫面積の割合であるのでその年の新植面積まで加算すればある期間

(9月以降11月頃まで)は耕地の7,8割までが廿蕨によって占められている場合がある。全琉的に

みても廿蕨一辺倒の農業経営の観を呈している。 2.農家経済から見た甘薦作

沖縄における廿蒔作が戦前,戦後を通じて農家経済上ことに現金収入源としてもっとも重要な地位

を占めていたと言うことはたびたび指摘した通りであるが,その依存度等についてはふれる機会がな

かったので本稿ではそれらを採りあげて検討してみたいと,思う。

先づ農家経済における農業粗収益および現金収入中に占める廿蕨作の地位であるが,粗収益は1959

年までは価額において甘藷や畜産物収入よりも少なくまた比率においては廿藷の27.1%,畜産物収

入の26.8%に次いで15.8%(砂糖収入を含む)を占めるにすぎなかったが,1960年には第7表に

見るように,価額においても比率においても甘藷をはるかに凌駕し第1位の畜産物収入に接近し,

1961年以降遂に第1位をしめるようになった。61年には粗収益の3分の1以上,62年にはその半分

以上を占めるに至った。

廿蒔栽培の魅力はなんといってもまとまって現金収入がはいることである。現金収入については

1960年から畜産物収入を凌ぎ第1位となり,比率は3分の1以上の36.5%に上昇,61年にはさらに

これが増加し47.8%の多きを占めるようになり,62年には62.4%と飛躍的上昇を見せている。

廿蕨および砂糖収入の急増にひきかえ,漸減傾向にあるのは米麦および甘藷の収入で,蔬菜および

畜産物収入は停滞かもしくは減退傾向にある。現金収入について廿蕨および砂糖収入と畜産物収入と

の関係をみれば,1959年では畜産物収入の方が廿蕨および砂糖収入よりも38%の増収となってい

る。60年には廿蒔および砂糖収入の方が畜産物収入より高くその増収率は僅かに3%ではあるが61

(7)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 92 第7表農業粗収益および現金収入(1農家当り) 1962年 1961年 1960年

訂|蘓額|%

% 総額 現金 現金|%|総額|%|現金 先

綴黙認1

45川I10033M21100144M8110013376811001577081100149236,0

~ ̄ ̄‐ 米類 麦類 大豆 廿藷 砂糖 甘蕨 蔬菜 パイン 其他作物 畜産収入 幾産加工 農業雑収入 計 (注)琉球統計月報第85号,第104号より算出した。 年にはそれが54%に伸びさらに62年には3倍近くに伸びている。

廿蕨および砂糖収入の年次別成長率は,粗収益,現金収入とも61年は前年に対し33%の増加で,

62年には粗収祐,現金収入とも90%の大幅な増加となっている。

1962年の地区別,農業粗収益および現金収入の価額とその割合を示したのが第8表である。北部地

区では,粗収益,現金収入の割合が10%以上を占めている作目は,廿蕨および砂糖の収入と畜産物

収入でことに前者の収入が断然高く,粗収益で46.8%,現金収入では58.3%の多きを占めている。

中部地区も北部地区と同様10%以上の比率を占めている作目は廿蕨および砂糖の収入と畜産物収

入で前者では43.5%,後者では51.4%を占めている。

南部地区は那鰯市を近くにひかえている関係上蔬菜の栽培も多く,粗収益および現金収入中に占め

る野菜収入の比率も11.0%で比較的高く廿蕨および砂糖収入,畜産物収入に次いで第3位になって いる。この地区は廿蕨の栽培が箙んであるためその比率は高く,粗収益では53.6%,現金収入では 61.4%の多きを占めことに薦作収入においては沖縄本島の地区中第1位である。 宮古地区では粗収益,現金収入とも10%以上占めている作目は廿蕨および砂糖の収入のみで他の

作目はいづれも10%以下である。廿薦および砂糖収入の占める比率は粗収益で76.3%,現金収入に

おいては8.1%も占め廿蕨作への依存度は高い。

北部,中部,南部および宮古の4地区の農家が廿蕨および砂糖の収入と畜産物収入への依存度が高

いのに対し,八重山地区では水稲,廿蕨,パインおよび畜産物収入と幅広い収入源をもちしかも相当

な比率を占めているところに本地区の特色がありまたつよみがある。

廿蕨および砂糖の現金収入の最高は,宮古地区の531.36弗でこれは,北部地区の2倍以上,中部

地区の3倍以上,南部および八重山の両地区に対しそれぞれ36%,75%の収入の増加となっている。 次に廿蒔および砂糖の粗収益および現金収入額とその比率を地区別に検討してみよう。

1960年期の廿蕨の粗収益,現金収入の最高は宮古地区で,これは最低の中部地区に対し粗収益,現

金収入ともに4倍を上廻りまた全琉平均に対し両者とも2倍を上廻っている。

(8)

池原:甘薦の経営経済的研究(Ⅱ) 93 第8表地区別,農業粗収益と現金収入1962年(1戸当り) 南部地区 北部地区 中部地区

粗収益M現金収入|%

粗収益’961現金収入|% 粗収益|%|現金収入|兜

308jl421

$ 8.88

L8ilO5

Ⅳiii1l

5.6ilL31

Ⅲ21001

1.4 米類 麦類 大豆 甘藷 砂糖 甘蕨 蔬菜 パイン 其他作物 畜産収入 農産加工 農業雑収入 11.04 0 0.60 29.28 0.12 172.20 41.16 0.84 6.84 128.88 8024054276 ● ●●●●●●●● 2 07030012 41 3

電薪

2.40 0.3

蟹:18;:

型:灘!

3十二!:|川

28811重

59.0 10.9

熱し

難I

69.12 0.72 150.60 0.1 23.7

巧;量111

⑫篭「;;

:鮒

露:|;;:

53MO'100432001100139552110013345610O172M2110063M4J100

計 宮古地区:八重山地区

凧|夷|現鰄'1,1収益|%|現金収入'%

1000074609 8’18678641 51 $駆一蛆朋咀躯別駆肥仙 601312627 5 0284 3

肌j14i

106694202990 ●●●●●●●■●●●● 000905200801 7 $064044020844 634828012228 ●●●●●●●●●●●● 004765501266 6216 5 $ 0 0.12 米類 麦類 大豆 廿藷 砂糖 廿蕨 蔬菜 パイン 其他作物 畜産収入 農産加工 農業雑収入 計 0 0.0 01256984710 ●●●●●、□●●● 0301540800 51 02044224202 7624356161 ●●●●●●●●●● 0831462100 1 038 5 3

駆灘

4.64 0.8 0.84 58.68 0.48 4.08 1707 ●●●● 0900

I霊1111

696Ml100160386110q584521100152L881100

(注)前掲統計表より算出した。 1961年期においても粗収益,現金収入の首位は宮古地区で,最低の中部地区に対し粗収益,現金収 入ともに5.5倍を上廻っている。宮古地区は第2位の南部地区に対しても両者ともおよそ2倍の収入 をあげている。 1962年期も粗収益,現金収入の最高は宮古地区で,その最低が中部地区であることに前2カ年と同 様であるが,格差は大部ちぢまりまた最高に対する全琉平均および第2位との格差も随分縮まってき ている。62年期における粗収益,現金収入の最低に対する最高の倍率は各3倍強と言ったところであ る。 廿蕨の主産地宮古地区では現金収入の9割近くが廿蕨および砂糖収入に依存しているため,糖価の

(9)

94 琉球大学農家政エ学部学術報告第12号(1965) 第9表地区別廿薦の粗収益,現金収入額とその割合(1戸当り)

北部|中部|南部|宮古|八重山|全琉球

{蕊〔異)

121.56 26.7 75.721 18.01 69.24120.71 132.4826.3 282.0060.4 145.9217.8 粗収益 1960 143.401

21.01

{蕊(美)

121.08 36.6 75.72 27.8 132.2435.9 281.40 79.7 69.00 29.3 現金収入

(壽警卜尭)|wl蝋1

161.64 36.2 384.72 68.2 195.72 36.0 193.44 36.4 粗収益 1961

鰐41

{蕊(異)

161.40 47.8 194.64 44.8 384.72 84.9 100.20 36.2 193.2048.5 現金収入

粗収益{蕊(異叶翻Cl

172.32’

團職81

4351

390.60’

5MI

532.0876.3 307.3253.3 1962

(蕊(臭)

307.32 62.4

3鰯41

531.36 88.1 251.88 58.3 172.0851.4 390.4861.4 現金収入 (注)前掲統計表より算出。(割合は総額に対するものである) 第10表廿蕨および砂糖収入指数比較 粗収益 現金収入

北部|中部|南部|宮古|八重山|全琉|北部|中部|南部|宮古|八重山|全琉

鴬|鑿I

|嚢’ 嚢|嚢1劃

1960 1961 1962 100 134 254 100 100 249 100 146 295 100

2531 100 62 333

墨I

(注)前掲統計表より算出。 変動や廿蕨作の豊凶は直ちに農家経済に大きな影響をおよぼすものである。政府では廿蕨一辺倒の農 業経営をいましめ今後畜産を導入し畜産物収入の増加により農家経済の安定をはかるべく指導にのり だしている。1960年以降粗収益,現金収入とも最低の中部地区は,全体的に見た場合農家経済の4割 内外が畜産物収入,3割余(いづれも1962年において)が廿薦および砂糖収入となっているが,当 地区の西海岸(東支那海側)は基地が多いため農家経済も基地収入への依存度が高く,東海岸(太平 洋側)地帯は基地も少なく農家経済も農業への依存度が高い。廿蕨作や畜産も盛んで戦前の様相に復 帰しつつある。 1960年の粗収益および現金収入を100とみた61年,62年の指数を示せば第10表の通りである。 1961年の北部地区の現金収入が基準年次に対し減少した以外どの地区も年を追うて上昇をつづけてい る。もっとも大きな伸びを示したのは1961年では南部地区で,粗収益,現金収入とも46%の成長 率である。62年は北部地区で粗収益,現金収入とも3倍以上の伸びを示し次いで南部,中部の両地区 がこれに次いでいる。全琉平均においては61年は粗収益が33%,現金収入が34%の成長率であり 62年は前者が2.53倍,後者が2.54倍と大幅な増加をみせている。 農家経済における現金収入の割合を階層別に示したのが第11表である。各年次を通じ畜産物収入 の割合は階層が進むにつれて減少しているが,価額においては10~30a層の漸減傾向に対しその他の 各層においては年により増減が見られる。一方廿蕨および砂糖の現金収入の割合は各階層とも年を追 うて上昇をたどっている。価額においても比率と同様各層とも上昇をつづけている。各階層の前年対

(10)

池原:廿簾の経営経済的研究(、) 95 第11表階層別現金収入の割合(%)(1戸当り) 1962年 1960年 1961年

|詔尼

100a 以上 30~ 50a 50~100a 10~ 30a 30~50a 50~100a 100a以上 30~ 50a 100a以上 10~ 30a 10~ 30a

三’

502418472738 ●●●●●●●●●●●● 300018361300 6 1 米類 麦類 大豆 廿藷 砂糖 廿薦 蔬菜 パイン 其他作物 畜産収入 農産加工 農業雑収入 90262 ●●●●● 00001

LI

804599719827 ● ●●●●●●●●●● 10102921700 2 5 4035192166 ■ ■■■■■■■■ 2 01352245 21 4 803252402840 ● ●●●●●●●●●● 0 0102311701 21 5 705228089234 ●●●●●●●●の●●● 100121310501 51 2 503 888 ■■■■■■■■ 30018058 5 000675867875 ● ●●●●●●●●● 1 005000800 41 3 304106419849 ●●●●●●●●●●●● 500161121800 31 3 0040411 ●●●●●●● 7001067 13 2432135171 ●●●●●●●●●● 0012710401 62 3114873341 ●●●●●●●●●● 0118022001 31 4

鬮劉

1.21

01

26.1,

iil

2.01

18.4 0.2 1.1

0.1 0.9

10011001100110011001100110011001100110011001100

計 (注)前掲統計表より算出。 第12表階層別廿蕨,砂糖収入額(現金)(1戸当り) 10~30al30~50al50~100allOOa以上|平均

35.88$

33.12 97.20

163.56$

239.40 390.36

334.32$

468.48 719.04

121.08$

161.40 307.32

80.28$

103.80 249.12 1960年 1961年 1962年 (注)前掲統計表より算出。 第13表階層別甘蕨および砂糖現金収入指数(1戸当り) 10~30al30~50al50~l00allOOa以上|平均 100 136 208 100 133 254 1960年 1961年 1962年 100 92 271 100 146 239 100 129 310 (注)前掲統計表により算出。 比の伸びは,10~30a層では61年が僅かに減収,62年は2倍以上に伸びている。 30~50a層は他のいずれの階層よりもその伸びが顕著で61年は29%,62年は2倍以上の伸長率 である。60年に対比すれば3倍以上ということになる。50~100a層では61年が46%,62年が 63%の伸びで,100a以上層では61年が4M,62年が53%の収入増を示している。 階層別の廿薦,砂糖収入額(現金)について1960年を基準にして指数で示したのが第13表であ る。各階層の年次別変遷をみれば,61年は50~100a層および100a以上層は全琉平均を上廻り, 10~30a層は前年よりも減少している。62年は30~50a層の伸びが箸るしく基準年次の3倍以上, 次いで10~30a層,50~100a層の順で100a以上層は最下位である。

(11)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 96 第14表家計費の現金支出額と蕨作現金収入比率(1戸当り) 北部|中部|南部|宮古|八重山|全琉球

:壼菫'二二i1il望鬘|鐘;I

($) ($) (%) 528.96 429.84 28 575.04 450.00 32

M|難」;壽Uii

霊;!

こき::

,91

…l

3872Il

($) (3) (%) 562.44 472.56 34 612.481

蛸21i■

家計費{篶金Qili

塗静×'00

60M61

M蓋’

1961

鮒I

($) ($) (%) 632.28 552.84 56

棚■準」幕Qii

670.32 599.04 65 590.28

棚ilj

580.80 499.68 61

篭:雪

55 (注)前掲統計諸表により算出。 農家々計費中の現金支出額(実支出額で総支出額から資産購入費,貸付金,貯蓄,借入金返済,掛 買払等の実支出以外の支出額を差し引いた金額)に対し廿蕨の現金収入額が如何ほどの割合を占めて いるかということをみたのが第14表である。全琉平均において家計費の現金支出額が廿蕨作の現金 収入への依存度は1960年の28%から61%には34%に上昇し,さらに62年にはその半分以上 が廿蕨作によって賄われ年々上昇の傾向をたどっている。地区別でその依存度の高いのは宮古地区で あるがこの地区では1961年すでに家計費中の現金支出額を甘蕨収入によって完全に賄い,62年期か らは9%の余剰を生じている。南部および八重山の両地区も家計費の廿蕨現金収入への依存度は各年 次とも宮古地区に次いで高く1962年期には両地区とも60%を上廻っている。 中部地区は基地収入への依存度は高いが,薦作現金収入は5地区中もっとも少なく,家計費中に占 める蕨作現金収入の割合も60,61年期が僅かに13%,62年期は少し上昇したとはいえ27%の低 さである。 3.飼料構造からみた甘薦作 廿蕨収穫時における梢頭部や廿薦の生育中随時に行われる剥葉や除けつ茎葉は,沖縄における大家 畜の粗飼料給源として戦前から重宝がられ現在においてもその重要度にかわりはない。耕地狭少,山 林原野に乏しくかつ栽培牧草の少ない沖縄において,戦前,戦後を通じ中,南部地区の家畜の飼育頭 数が相当数にのぼっているのは廿蕨の梢頭部や剥葉,除けつ茎葉のたまものである。一方12月~4月 頃に至る最農繁期において農家の朝草刈労働の軽減上からも重要である。 廿蕨の梢頭部や剥葉,除けつ茎葉が飼料的価値の高いことは第15表によって明らかである。粗蛋 白質においては他の自給飼料におよばないが,粗脂肪において僅かにペルー草にまさり,可溶無窒素 物においては甘藷,ヨシススキに次いで高い。灰分についてもペルー草やギンネムに次いで多量含ま れている 次に大家畜の飼育頭数ならびにそれに要する粗飼料の所要量と廿簾副産物の生産量との関係につい て見てみよう。戦前(昭和15年)の資料によれば,牛,馬の年間所要青草量の37%が廿蕨の梢頭 部および剥葉や除けつ茎葉によって賄なわれていたと言われている。これを1962年についてみれば どうであろうか。62年の牛馬の飼育頭数は34992頭でこれを飼養するには50万t位の粗飼料が必 要である。この粗飼料を廿蕨の副産物によって自給するとすればどうなるか,1962年期の副産物生産 量を地区別,植期別に算出し所要量との関係を示したのが第16表である。同表によれば中部,南部 の両地区は所要量をおよそ7割近くも上廻って生産されているのに対し他の地区では所要量を賄なし

(12)

池原:廿薦の経営経済的研究(Ⅱ) 97 第15表自給飼料の成分 水分|粗蛋白質|粗脂肪|粗せん井|可溶無N物|灰分

鰯’

6.18%

1.30 3.30 4.78 11.01 4.80 32.10 % 0006550 9407664 ●●●■●●● 9657475 2 1 4 % 3009600 2848073 ●●●●●●● 1111266 2642463 3002090 % ●●●●●●● 0000002 714427 200888 % ●●●●●● 111211 甘蕨梢頭部 甘藷(塊根) 甘藷蔓 ペルー草 ヨシススキ ギンネム フシケチガヤ 88.50 82.87 70.59 78.31 8.50 (注)1. 2. 我謝栄彦著,沖縄における自給飼料の給源。(昭和17年12月)フシケチガヤは乾燥重割合,その他は生態重割合を示す。 第16表廿蕨副産物の生産量(1962年期)

牛馬の飼|鴎鋳|

育頭数i要量(A)I

1 甘蕨梢頭部および除けつ茎葉の収量

長×'00

夏植|春植|株出’計(B)

U灘l護口

866538 998776 % 11

6,803t

4,997 5,708 2,681 2,097 22,286

|護

67,452t

70,780 143,087 109,815 41,212 432,346 北部地区 中部地区 南部地区 宮古地区 八重山地区 全琉球 (注)1.家畜, 2.年間〒 3.廿藤鳫 家畜の飼育頭数および甘蕨副産物の生産量は1962年のものを示す。 年間青草所要量は牛・馬各1頭1日当り,甘蕨の副産物を40kg給与するものとした。 廿蕨副産物の主産物(蕨茎)に対する割合は,梢頭部青葉量夏植は,薦茎量の17%,春 植,株出は夫々28%,除けつ茎葉は藤茎量に対し夏植は10%,春植株出は夫々7%産 出されるものとして計算した。 得ない状態である。八重山地区の場合,大家畜の頭数は宮古地区に次いで多いにもかかわらず副産物 の生産量が箸るし<少なく宮古地区の半分以下であるためその自給率は僅かに37%で全琉地区中の 最下位となっている。しかし八重山地区は山林,原野が多く野草にめぐまれているため廿薦副産物の 多少や自給率の高低等はたいして問題ではない。この点宮古地区や沖縄本島の中,南部地区の場合と は対照的である。自給率云々は副産物全部を家畜飼料に廻した場合の計算であるので,その中,梢頭 部の場合は蕨苗として利用される部分もあるので,量や比率において若干減少することが予想される。 全琉平均における1957年の廿蕨副産物の自給率は49%で,所要量のおよそ半分といった所であ るが,62年は大家畜の頭数において57年に比して5千5百余頭(19%)の増加を示しているのに対 し,それにもまして藤作面積の伸び,それによる副産物収量の増加が箸るしいため,その自給率も 86%に上昇している。 副産物の産出が大部分12月から4月頃までの半年内外に偏っているので,年中間断なく副産物を 供給するためには廿蕨の植期別割合の適否ということが問題になってくる。 廿薦は前記副産物の外,枯葉も産出するがこれは山林,原野に乏しい沖縄本島中南部および宮古地 区においては農家の唯一の燃料源でもありまた家畜の敷草としてあるいは堆肥原料としても不可欠な 作物である。

(13)

琉球大学農家政エ学部学術報告第12号(1965) 98 Ⅱ1.甘薦の経営的特質 ここでは廿蕨作を収益性,労働配分の面および土地利用上から経営的特質を究明するのがねらいで ある。 1.収益性

沖縄経済における廿蕨作の地位はきわめて高く,その製品たる砂糖の輸出額が総輸出額中に占める

割合は1960年44%,61年62%,62年58%,63年64%と年とともに増加の傾向にある。一方

農家経済の面から農家が製糖工場に販売した原料蕨茎の価格をみれば1962年が2917万弗余(1農

家当り491弗),63年は前年より少しおちて2864万弗余(1農家当り482弗)で,農家経済上現金

収入中に占める蕨作収入のウエートは高いし最近においても労賃の高騰で廿蕨作は採算がとれない等

と言われているが,政府の資料から算定すれば主要農作物中もっとも純収益の高い作物となっている。

主要農作物中廿蕨は1959年期以降3カ年間に純収益がマイナスを生じた年はわづかに1959年の

春植のみで,夏植や株出においては各年期を通じて相当額の純収益をあげていることは第17表にみ

る通りである。廿蕨の夏植,春植,株出の三者平均における純収益は1960,61年期ともパインには およばないが,各植期についてみれば例えば,60,61年では株出の純収益はパインの純収益をはるか

に上廻っている。株出は植期別廿蕨中もっとも純収益は高く,1959年で夏植の2倍を上廻り,春植

とは27弗余の開きがある。60年期では夏植に対し52%の収入増で,春植に対しては3.6倍の収

入となる。61年期は夏植に対し56%の収入増で,春植に対しては2倍以上の純収益をあげている。

第17表主要作物の10a当り純収益 10a当粗収益 10a当 生産費 純収益 計 副産物 主産物

36.51$

15.64 55.59 35.42

79.59$

88.04 62.16 78.95

'16.,0$

103.68 117.75 114.37

6.52$

109.58$

植植出均 夏春株平 6.37 97.31 1960年 6.38 111.37 甘薦 6.48 107.89 92.68 94.16 72.36 89.73 30.62 20.42 47.82 32.96 123.30 114.58 130.18 122.69 5.77 植植出均 117.53 夏春株平 5.52 109.06 1961年 123.32 6.86 6.05 116.64 -0.20 5.72 5.52 57.98 44.60 102.58 57.78 50.32 108.10 3.49 期期 12計 第第 54.29 3.54 46.78 1960年 水稲 7.03 101.07 53.93 47.43 101.36 0.91 -14.94 -14.03 54.84 32.49 87.33 4.08 3.94 8.02 期期 12計 第第 50.76 28.55 79.31 1961年 39.82 44.41 73.62 101.38 113.44 145.79 1.98 1.89 111.46 143.90 1960年 1961年 パイン (注)1.廿蒔は経済局資料より,水稲およびパインは統計庁の資料から算出した。 2.夏植廿薦は60,61年期とも1カ年換算による。

(14)

池原:廿薦の経営経済的研究(Ⅱ) 99 水稲は純収益の少ない作物でむしろマイナスの年が多い。60年は第1期作のマイナスを第2期作 によってカバーし5弗余の純収益となっているが,これは廿蕨(平均の)の6分の1以下である。61 年は2期作の不作のため多額(19.94弗)の欠損を生じている。 パインは廿蕨よりも純収益は高く60年で6%,61年では35%の収入増である。なお収益比較に ついて純収益の外家族労働報酬や1日当り(あるいは1時間当り)家族労働報酬の面からの比較も考 えられる。これについて第18表によって検討してみよう。この表は1961年における主要農作物, (水稲,廿蕨,パイン,葉タバコ,甘藷,大豆)の収益を種々の指標によって示したものである。まづ 粗収益についてみれば夏植廿蕨が第1位で,次いで葉タバコ,パイン,株出廿薦,春植廿薦,甘藷, 第1期水稲,第2期水稲,大豆の順でどの植期の廿騰も粗収益は上位にあることがわかる。経営費に おいてはパインが第1位で,廿薦は夏植,株出,春植の順に第3位,4位,5位とつづきこれもやは り廿蕨は上位にあるといえる。水稲,甘藷,大豆等の自給作物は経営費は箸るしく少額であるが,粗 収益も低いためその所得においてはやはり廿薦にはおよばない。所得においても粗収益の場合と同様 夏植廿薦が第1位,葉タバコが第2位を占めている。家族1日当りの所得についてみれば,投下労働 第18表主要農作物の収益比較1961年(10a当)

|粗収益|経営費|所

得烏日惠’ 蕊義隆AI,lPlMla薑

家族投 下労働 用働 一展労

|蕊|蕊|蕊

藻’

211 439 凸931 2.15 117 1.69 $ 23.53 6.23 14.88 日Ⅳ巧肥 日の⑨の③の⑰ 第1期 第2期 平均 水稲

|蕊 鱸il鱗ii

糞「麹

植植出均 夏春株平 3112 1530 11113132 甘 薦 1439079226468380570233521671711 1638049501143012418092 716010806080179249634 226822681899712 ◎ イン ノ、 葉タバコ 廿藷 大豆

水稲(鱸)’

79.31125.24154.0711.69129.7610.93138213216

|蕊 菱liiil義I iiIilililil

植植出均 夏春株平 28.81 35.99 38.25 34.35 9131 111 廿 薦

|鱗|鞭

肌1…rヨjll

パイン 廿藷×2 大豆十甘藷 タバコ+甘藷 (注)1. 2. 3. 4. 5. 二重線以下は年間における収益を示す。二重線以下の夏植廿薦は1年換算による。 粗収益中には副産物価格を含めない。 タバコの経営費は今帰仁村役所の資料より算出。 水稲,パインは統計庁,甘蕨は経済局の資料より算出。 甘藷および大豆は聞取り調査による。

(15)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 100

が少なく所得の高い株出廿薦が第1位で,所得で第1位であった夏植廿蕨は投下労働が株出の2倍以

上となっている関係から1日当所得では第3位に後退している。なお所得で第2位を占めていた葉タ

バコは投下労働が株出廿蘇の7倍以上となっているため1日当の所得は極端に減少し9作物中第8位

に後退している。家族労働報酬については葉タバコ,甘藷,大豆の3作物については調査ができなか

ったので掲載できないが,それ以外の作物についてみれば,夏植廿蕨が第1位,株出が第2位,春植

が第4位でいづれも上位を占めている。家族の1日当労働報酬については株出廿薦が第1位,夏植廿

薦第3位,春植廿薦第4位とこれまた上位陣が廿蕨によって占められている。以上の諸指標からみて

現在の糖価において廿蕨はどの作物よりも有利であることがわかる。

次に1961年の1カ年間における主要農作物の収益を比較すれば第18表の二重線の下の方に見る通

りである。粗収益においてはタバコ+甘藷,パイン,甘藷(年2作)に次いで株出が4位,夏植が5

位,春植が6位でいづれも中位に位している。所得においては夏植が2歩前進し3位となり,株出が

4位,春植は粗収益の場合と同じく6位に止まっている。

一日当所得は投下労働との関係から10a当と同じ傾向をたどり株出が第1位次いで春植,夏植の順

に廿蕨が上位を占めている。廿蕨の各植期を水稲と対比してみれば,夏植,春植,株出は水稲のそれ

ぞれ2.6倍,2.9倍,3.9倍に当っている。家族労働報酬においても上位を占めている。すなわち株

出が第1位,夏植が第2位,春植が第4位となっている。家族労働報酬では水稲に比し,廿薦の夏植,

春植,株出はそれぞれ2.1倍,1.4倍,2.2倍に当っている。一日当家族労働報酬もやはり上位は廿

薦によって占められ株出,パイン,夏植,春植の順である。1日当家族労働報酬の水稲対比では夏植

が3倍以上,春植が3倍,株出が5倍以上の収益ということになる。

廿藷と大豆は全くの粗放作物である。大豆の栽培に当っては耕起,整地,播種,収穫,調製の外大

豆の生育中に行なわれる肥培,管理は行なわないため投下労働量も9作物中もっとも少ない。甘藷は

投下労働の面から見れば葉タバコに次いで第2位となっているので集約作物の観を呈するがそれは廿

藷の場合畑に貯蔵した,恰好で毎日必要量だけ収穫することおよびそれが人力依存のため投下労働量は

多くなっているのであって,廿藷も大豆同様耕起,整地,植付,収穫といって省力栽培である。

主要生産費目の費用構成の面から廿蕨の経営的特質を観察してみよう。主要作物たる水稲,廿蕨,

タバコ,パインについて1961年の生産費調査の結果から主要生産費目である種苗費,肥料費,建物

費,農具費,労働費,について廿蕨と対比してみよう。まづ種苗費についてみれば廿蕨(夏植,春植,

株出の平均)は葉タバコの3分の1程度であるが,水稲(1,2期平均)に対比すれば3倍以上の費用

投下である。各作物における生産費中労働費に次いで高い肥料費において,廿蕨は水稲のおよそ4倍

またパインとは4.70弗の差額である。建物費においては水稲との差はもっとも大きく22倍に当って

いる。農具費においては廿蘇は水稲に比して2倍近くの投下であるが,金額が少額のため生産費全体

に対する影響は少ない。生産費中もっとも高い労働費において投下額の多い作物は葉タバコの120弗

で廿薦やパインあるいは水稲との差額は箸るい、。

第1次費用(副産物価格不差引)に対する前記5費目の費用の割合をみれば夏植,春植,株出がそ

れぞれ96%,95%,97%で,その大部分が5費目によって占められているのに対し,水稲では第1

期,第2期各87%また葉タバコでは8M,パインでは大部おちて52%がこれら5費目の費用とい

うことになる。

パインの場合その52%が5費目によって占められ,残りの48%が他の費目によって占められて

いるということになるが,その主なものは成園費である。これはパインの場合労働費以上に多額であ

る。第19表では種苗費は計上されていないがこれは61年収穫のパインは59年か,60年に棺付け

られたものであるため61年度の生産費用の中には含まれていないのである。要するに廿蕨は沖縄で

栽培されている作物中集約度のもっとも高い作物とはいえないにしても高い方に属する作物であると

(16)

101 池原:甘薦の経営経済的研究(Ⅱ) 第19表主要農作物の生産費用の構成10a当1961年 種苗費|肥料費|建物費|農具費|労働費’計

106.27$

71.42 59.74 89.74

64.92$

38.12 38.47 54.73

3.30$

1.95 198 2.79

22.53$

22.25 13.28 20.00

5.70$

3.13 6.01 5.49

9.82$

5.97 植植出均 夏春株平 甘 藤 6.73 37.17 34.28 35.73 1.63 1.41 1.52 26.90 25.81 26.36 0.20 0.30 0.25 期期均 5.78 5.63 5.70 第第平 12 2.66 113 1.90 水稲 162.70 53.40

q=|」室|署li1:

18.00 24.70 12.62 栞タハコ イン ・ ノ、 廿蕨は政府経済局の資料,水稲,パインは統計庁の資料による。 葉タバコは今期仁村役所の資料より算出した。 葉タバコは建物費,農具費の明細がないため記載出来ず。 計は第1次費用の合計額を示す。(副産物不差引費用) (注)1. 2. 3. 4. いえよう。 2.土地利用上からみた収益性 廿蕨を中心としての土地利用方式は古来から廿蕨の前作もしくは後作として甘藷と大豆が大部分で その外に雑穀や野菜等の作付も行なわれたがそれは微々たるものであった。 廿薦の収穫後地に残る根茎中には10a当り窒素,燐酸,加里の成分がそれぞれ3.88kg,2.58kg, 29.97kgも含まれことに多量の加量成分を要求する廿藷や大豆が廿薦の後作として好適であることは 当然で今日に至るまでこの作付体型が一般的に採用されている。甘藷との輪作はその他害虫防除の面 からも重視されたすなわち廿藷の地下部害虫であるアリモドキゾウムシが廿蕨と輪作することによっ て被害が軽減されることは戦前から知られた事実であるがことに終戦直後食糧事情窮乏の折甘藷の連 作によりアリモドキゾウムシの被害が甚大で,その防除について新農薬に乏しい当時においては一段 と輪作の必要を痛感したものである。しかしここでは栽培技術の面からの検討はやめて収益の面から 士地利用の差異による収益性を考察して見たいと思う。 戦前昭和5年以降5カ年間沖縄県農事試験場において実施した輪作試験の結果について,10a当粗 収益を見れば第20表のように,4つの輪作体系中農業粗収益は第mの型がもっとも高く各型とも200 円を上廻り各型相互間においてあまり顕著な差は見られない。すなわち最高の粗収益を示している第 Ⅲ型ともっとも低い第Ⅳ型とは14.72円の差である。粗収益の多少は生産量と糖価の高低によって大

きく左右される。すなわちI,Ⅱ型において2年目と5年目に粗収益が高いのは両型とも夏植廿蕨

の収入によるもので,Ⅲ,Ⅳ型において2年目と4年目の粗収益が高いのは株出廿蕨の収入によるも のである。5カ年間に亘る輪作試験の結果4つの型において粗収益の格差が僅少でどの型によっても

よいということになる。四つの型の輪作体系相互間において粗収益に顕著な差が見られないのは如何

なる理由によるものであろうか,まづそれは廿蘇の植期別生産量と糖価の両面が大きな原因である。

その第1は生産量であるが,昭和5年以降5カ年間の10a当り収量はそれぞれ3.7t,4.9t,5.3t,4.6t,

5.4tで年により増減はあるがまづ順調な歩みをつづけていると言えよう。第2は糖価であるが,昭和

5年以降5カ年間の黒糖100斤当りの価格はそれぞれ11.23円,9.66円,9.72円,11.41円,12.06

円で昭和6年以降は糖価は上昇傾向をたどっている。試験着手第1年目の昭和5年は糖価は割合高く

(17)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 102 第20表輪作体系別反当収入の比較昭和5年~10年 1.輪作体系 I型甘蕨(7月中旬-2月中旬)→大豆(2月中-6月中)→甘藷(6月中-1月下)→黍(2月中一 6月中)→廿蕨(7月中-2月中) Ⅱ型甘蕨(7月中一2月中)→ササゲ(2月中一9月中)→甘藷(6月中-1月中)→ササゲ(2月中 -6月下)→廿蕨(7月中一2月中) Ⅲ型大豆(2月中-6月中)→甘藷(6月中-1月下)→甘朧(3月上一2月中) Ⅳ型ササゲ(2月中一6月中)→甘藷(6月中-1月下)→甘薦(3月上-2月中) n.粗収入 1年目’2年目’3年目’4年目’5年目’計’II項位|指数

210.70']」

222.59 223.91 209.20

4.41円

97.43円

107.32 29.59 19.88

62.20111

85.59 63.90 58.71

-円’

46.66円

29.68 41.99 26.36 100 106 107 100 3214 型型型型 IⅡⅢⅣ 65.89 80.15 22.54 24.10 (注)1.昭和9年度,沖縄県農事試験場業務功程報告による。 2.普天間試験地における昭和5年から開始せる輪作法試験結果による。 3.廿蕨=2725POJ,甘藷=沖縄1号,大豆=低アンダー,ササゲ=8月ササゲ。 10a当収量は5カ年間の最低であるがこの年は四つの型とも廿蕨の収穫はないので粗収益への影響は 考えられない。I型,Ⅱ型の収益のピークは2年目と5年目で,2年目は10a当収量は中位で(5カ 年の中)あるが糖価が最低(5カ年の中)であるため粗収益もそれ程高くはない。5年目の昭和9年 は10a当収量も糖価も5カ年中の最高を示しているため粗収益においても2年目のそれをはるかに上 廻っている。Ⅲ,Ⅳ型の粗収益のピークは2年目と4年目であるが2年目は1,Ⅱ型同様粗収益は左 程高くはないが,Ⅲ型の粗収益がI型に比して高いのは廿蕨以外の作物収入に基因しているものと思 う。I,Ⅱ型は夏植であるので10a当収量は高く廿藤のみの収益ならばⅢ型よりも高いはずである。4 年目の昭和8年は10a当収量は下位の方であるが糖価の方は上位であるため粗収益は比較的高い方に 属する。粗収益が第1位のⅢ型は第1年目から相当の粗収益をあげていることおよび2年目の春植, 3年目の第1次株出,4年目の第2次株出が平均的に高い収益をあげているところに特色がある。 戦後1957年奨励品種に指定されたNCO310は再生力旺盛のため春植の株出はもちもんのこと夏植 の株出も可能となりしかもその株出は夏・春植とも第2次,第3次までも土質によっては高い生産力 をあげている。NCO310のこのような生態的特徴と最近の労動力不足および農村における労働賃金の 高騰は株出回数の増加に拍車をかけている。特に経営規模の大きい農家にこの現象が箸るしい。 株出面積の比率は1959年,60年が各24%,61年27%,62年には40%の多き左占め年年漸増 傾向をたどっている。次に夏植の株出を第2次,春植の株出を第3次とし4年輪作を想定しての収益 の比較を試みたいと,思う。夏植の株出を第2次までとった理由は第3次以降は生産量の減退および地 力の消耗を憂慮してのことである。春植の株出を第3次までとった理由は,3次株出は第2次株出に 比しては14%の減収であるが,新植に対しては24%の増収を示しているので農家がその気になれ ば生産量を相当高めることができるという見透しに立ってのことである。まず輪作方式を第21表の ようにA型からF型までの6型とし,比較の指標を粗収益,農業所得,1日当農業所得,年間農業所 得の4つにしぼって検討してみよう。 粗収益においてはD型が断然多く,もっと少ないF型に対し57%の増収である。農業所得もD型 が最高で次いでB型,E型,C型,F型,A型の順で第1位のD型と最下位のA型とは91%の開

(18)

池原:廿蕨の経営経済的研究(Ⅱ) 103 第21表作付方式別収益比較1959~1962年

鵜|壽誓|鴎薔下薑

粗収益|所得 $nm駆蛆妬船 ●●●●●● 823185 609397 11 ⑥②④①③⑤ $珊釦价犯旧開 ●●●●●● 345422 ④③①②⑥⑤ $朋羽船舶別鍋 ●●●●●● 484532 707290 243533 ⑥②④①③⑤ $u朋駆甜肥M ●●●●●● 539565 017340 454654 ⑤③④①②⑥

,oOldi

l茎|:i

ilill

藷 甘 →藷 出コ甘 株パ→ 出出出一タ豆 株株株出葉大 →→→株→→ 出出出→出出

聯聯聯樹琳聯

出樹澗繩細細

嚇復復廿→→

J蕨蕨→JJ

繩廿廿.植植

く→→パ椿儘

蕨藷豆タ蕨蕨 甘廿大葉甘廿 型型型型型型 ABCDEF (注)1.輪作期間は1959年から4カ年とし,収益の算定は甘薦は経済局の資料,その他の作物は 間取調査の資料による。 2.夏植春植の第1次,第2次,第3次株出の10a当生産量は琉球農試の試験成績より算出。 夏植の第1次株出は新植に比し10a当収量は22%の減,第2次株出は第1次株出に比し て10%の増である。春植の第1次株出は新植に比し42%の増,第2次株出は第1次に 比して2%の増収,第3次株出は第2次株出に比して14%の減であるが,新植に対して は24%の増収である。 3.○内の数字は順位を示す。 きがある。一日当農業所得はC型がもっとも多く,一番少ないB型に対し2.8倍に当り,また粗収益, 農業所得ともに第1位,1日当農業所得で第2位のD型とは15%の開きがある。前記の4つの指標 を総合した場合,D型が収益はもっとも高く有利であるが,この型は夏植廿蕨の前作(春作として) として葉タバコがはいってくるので相当技術の進んだ農家でなければ導入はむつかしかろう。葉タバ コは現金収入の少ない5,6月頃に現金がはいってくるというところに魅力があって,北部,南部, 宮古の各地区では1時相当伸びたが,最近価格の不調により各地区とも停滞気味である。 3.投下労働からみた特質 廿薦作を投下労働の面から検討すれば,10a当り投下労働量は廿薦の場合各植期とも葉タバコに次 いで多く労働集約度の高い作物である。夏植と春植の投下労働においてもっとも多くの労働を要する 値溝堀りについてみれば,夏植では基肥の量が多いため植溝は深く堀らねばならぬしたがって労働が 多くかかるようにみえるが,植溝数が春植に比して少ないため両者の間に顕著な差は見られない。む しろその差は管理労働すなわち追肥回数の差あるいは剥葉の難易,収穫労働の多少等が投下労働量の 差として現われてくるものである。 次に廿蕨の10a当り投下労働量についてその推移をみてみよう。夏植における年間の総投下労働量 は30~35日(全生育期間では45~53日)でその中雇用労働が8~11日で全労働量に対し28~33%, したがって自家労働の割合は67~72%ということになる。 夏植の投下労働量は年々漸減傾向をたどっている。春植の投下労働量は25~40日で,家族,雇用 第22表主要農作物の10a当投下労働量1961年 葉タバコ 甘蕨

水一期

-1 稲 甘藷 大豆 ハ、イン 2期|夏植|春植|株出

窒鬮1重1Izl室1雪。

三W墓1鑿。

政府資料より 調査農家平均 (注)L水稲,パインは政府統計庁,甘藤は政府経済局,葉タバコは今帰仁村の資料である。 2.甘藷,大豆は間取調査の結果による。

(19)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 104 第23表甘蕨投下労働量の推移 株 出 植 檀 春 夏

家族|雇用|計|家族|雇用|計|家族|雇用計

37日

17 26

111

:。’

15日 7 13

i訂

17日

15 11

鯛。’

44(29)I

'7('1)曰

15(10) 13(8)

36(24)曰

30(20) 31(21) 1959 1960 1961 (注)政府経済局の資料より算出。()内は1カ年換算による日数。 労働ともに減少している。雇用労働の割合は高く各年期とも40%を上廻っている。夏植に比して春 植の雇用労働が多いのは,春期は1年中の最農繁期すなわち廿蕨の収穫,搬入,廿蕨の植付,廿蕨収穫 後の耕起,大豆や甘藷の植付あるいは水田地帯においては第1期の田植等が競合するのでどうしても

自家労働のみでは切抜けることができないため雇用労働が多くなる。その関係は株出においても共通

的な問題として現われる。すなわち前記各作物の作業が株出の根切,株直しあるいは追肥等と競合し

雇用労働を多からしめたりあるいは作業の適期を失し次年度の生産に影響をおよぼすこともあった。

これにひきかえ夏植における耕起,植溝堀り,植付等の作業は苦汗労働ではあるが夏期の農閑期に行

なわれるため自家労働以外には雇用労働をあまり必要としないのである。

株出の総投下労働は大体20~37日といった所であるが,1959年期の37日はむしろ異常であると

思う。株出は度々指摘するように耕起,植溝堀り,植付等の労働力が不用のため春植よりも労働力は

少なくかかるのが普通である。しかし60年期の17日は極端に少なくこれはおそらく調査農家の選択

上からきた屯のではないかと思う。雇用労働の割合は夏植では3割内外,春植,株出では4割を上廻

っている。自由化に対処するコスト軽減の面から夏植,春植の投下労働を株出程度に引下げることが 先決である。

主要畑作物の投下労働を作業別に観察すれば第24表の通りである。廿薦の投下労働において特徴と

するところは,収穫労働が多くしかも集中労働が必要であるということである。政府の資料によれば

投下労働中に占める収穫労働の割合は,夏植と春植が4割内外,株出はその比率がもっとも高くおよ

そ7割といった所である。収穫労働の多少に大きく影響する要因の一つは,10a当収量の多少で夏植

と春植の差はそれが大きい。その2は品種による相異である。2725POJのごとく大茎種で枯葉がおち

やすく剥葉に手間のかからない品種もあれば,戦前の在来種,読谷山種あるいはNCO310のごとき

小型種は単位当りの本数も大茎種に比して多くかつ剥葉に手間のかかる品種は同一収量においてもそ

の労働に差を生ずるのである。その3は,次年度に株出をするか,それとも廿薦後地左耕起して他の

作物を作付けるかどうかによっても差を生ずる。すなわち次年度株出をする場合地上部に残す茎の長

短は次年度の生産量に大きく影響するといわれている。したがって株出しをする場合は刈取りはてい

ねいに行なわねばならないので収穫労働も多くかかることになる。台湾での実験結果によれば地上

7cmを残して刈取った廿蕨が株出の成績もよいといわれている。 その他作柄の豊凶も収穫労働とは密接な関係にある。次に廿蕨の収穫において集中労働を必要とす るということについては,まず運搬機具の相異があげられよう。戦前の運搬用具はトロッコか馬車で

あったためその積載量はせいぜい3~4t程度であったが,戦後は運搬用具がトラックや大型三輪車に

かわりその積載量も5t以上が普通になったのでそれだけを収穫するためには集中かつ多量の収穫労

働が必要になってくる。収穫労働に次いで高いのが剥葉その他の労働である。剥葉および除けつ労働

は苦汗をともない伸びすぎた廿蒔あるいは台風等により倒伏しその害のおそれのある蒔園に数多く行

なわれるので,これらの蒔園においては収穫労働と匹敵するぐらいの労力がかかるものである。剥葉

(20)

甘簾の経営経済的研究(Ⅱ) 池原 105 (A)甘 蕪(1961年) 第24表 作業別10a当役下労働量 政府資 料 今帰仁村資料 夏植 春植 株出 夏植 春植|株出 日 曰 日

il

日 4-7,『上9】FDno、。9】(5

8日

整地 溝切,基肥,底軟 苗切 植付.追肥 中耕,除草,培土 最終培土 除けつ,剥葉 病虫害防除 収穫 11 2.43 2.16 9.12 5.07 2 0 6 ● 4 1 IIlrIIノ 3528 7.24 8.94 17.80 11.36 17.21 計 43.95 25.83 26.15 48 35 28 (B)甘藷および大豆(1961年) 甘

|南部|平

大 巳 北部 中部 均 中部 南部|平均 日 ⑪□070 ●●● 9】30 0.75日

4.5日

2.5日

7.5日’

1 2.7

4.5日

1.6 起地肥立切種付草穫穀製 除 耕 耕整基畦苗播植中収脱調

5’8 1.25 ●●●●3763 1001 1.6 0.5 1.75 0.9 1.8 1.25 2.0 2.312.2 3.0 3.5 2.8 1.2 2.25 2.6 2.3 2.6

0.30.2

251}29

1.111.0 25.5 21.7 21.9 23.1 ●●●508 120

計 38.3 33.5 33.0 34.4 6.3 16.4112.4 (C)パ

峨司引引訓引

イ ン 作業名 日数 作業名 作業名 日数 作業名|日数 日 1-9】o]のod4戸0 233533 日

12日

2 16 10 1 92 防風垣作り 肥士作り 苗床作り 仮植 管理 本畑整地 荒起し 畦切 堆肥運搬 堆肥すき込 覆土 植付 追肥 中耕・除草 土害 病虫害防除 芯止め 収穫 タバコ葉抜き つみこみ 乾燥 調理 収売 計 (注)1, 2. 3. 4. 甘藷の投下労働は間取りによるもので調査農家は北部4戸,中部3戸,南部4戸。 甘藷の収穫労働は1日或は1時間当りもしくは1坪当の収穫量から計算した。 大豆の中部地区農家は耕鋤,整地に耕転機を利用したため日数は少ない。 パインは今帰仁村の資料による。

参照

関連したドキュメント

1880 年代から 1970 年代にかけて、アメリカの

1880 年代から 1970 年代にかけて、アメリカの

中国の農地賃貸市場の形成とその課題 (特集 中国 の都市と産業集積 ‑‑ 長江デルタで何が起きている か).

現代経 営の管理 と組織 に関す る研究... 現代経営の管理 と組織

 ティモール戦士協会‑ティモール人民党 Kota/PPT 1974 保守・伝統主義  2  ティモール抵抗民主民族統一党 Undertim 2005 中道右派  2.

⑧ Ministry of Statistics and Programme Implementation National Sample Survey Office Government of India, Report No.554 Employment and Unemployment Situation in India NSS 68th ROUND,

Ⅲ期はいずれも従来の政治体制や経済政策を大きく転

第?部 国際化する中国経済 第1章 中国経済の市場 化国際化.