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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Comparison of anti-inflammatory analgesics for mechanical stress-induced inflammation in a human synovial sarcoma cell line

(SW982 細胞におけるメカニカルストレス誘発性炎症に対する 消炎鎮痛薬の効果の比較)

THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL of MEDICAL SCIENCES

Vol.31 No.1 2019 年 掲載予定

病理系 薬理学(医科薬理学分野) 白子 春菜

【背景・目的】

変形性関節症は、過度の加重や外傷などのメカニカルストレス(MS)によ って生じる加齢性変性疾患であり、軟骨細胞の機能低下伴い、徐々に関節 内の摩擦が増大し、滑膜炎と軟骨破壊を促進される。OA の治療はリハビリ が中心で、対症療法として薬物治療が行われる。本研究では、培養ヒト滑 膜肉腫細胞株(SW982)を用いて、OA の原因の根底となる MS 負荷誘発性炎 症に対する5種類の消炎鎮痛薬の効果を比較検討した。

【方法】

SW982 細胞に対し、2 種類のメカニカルストレス、1つは力学的負荷を 想定した振盪ストレス (振幅 2mm, 振盪速度範囲 1000rpm)、もう1つは 軟骨破壊による微細骨片を想定した HA(5µg/ml)添加ストレスで、これら を組み合わせて、CO₂インキュベーター内で 48 時間負荷しながら培養し 炎症を惹起させた。細胞膜表面受容体インテグリン51 タンパク質の発 現は蛍光免疫染色にて評価した。転写因子 nuclear factor-kappa B (NF-B)リン酸化、炎症性サイトカイン tumor necrosis factor- (TNF-

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), 軟骨破壊マーカー matrix metalloproteinase-3 (MMP-3), 発痛増強 物質 prostaglandin E2 (PGE2) の各濃度は ELISA 法にて測定した。この MS 誘発性炎症に対し、消炎解熱鎮痛薬のアセトアミノフェン、NSAIDs の ケトプロフェン, セレコキシブ、糖質コルチコイドのトリアムシノロン アセトニド、下行性疼痛抑制物質ノイロトロピンを前処置し上記炎症性 メディエーターを測定し、抗炎症効果を比較検討した。

【結果・考察】

MS 負荷により、インテグリン51 受容体タンパク質発現が有意に上 昇した。その結果、NF-B リン酸化の割合、TNF-, MMP-3, PGE2の生成亢 進が認められ炎症が惹起された。この MS 誘発性炎症に対し、5 種類の消 炎鎮痛薬を前処置すると、NF-B リン酸化はセレコキシブ処置でのみ有意 な抑制が認められた。アセトアミノフェン処置では TNF-, MMP-3, PGE2

の全てメディエーターの分泌を、セレコキシブ・ケトプロフェン処置では PGE2分泌のみを、トリアムシノロンアセトニド・ノイロトロピン前処置で は TNF-・MMP-3 分泌をそれぞれ有意に抑制した。これら結果をまとめる と、アセトアミノフェンは鎮痛・抗炎症・関節破壊抑制作用の全ての作用 が強く、NSAIDs は鎮痛作用は強いが抗炎症や関節破壊抑制作用は弱く、ス テロイドとノイロトロピンは PGE₂を介する鎮痛作用は弱いが抗炎症・関 節破壊抑制作用は強いことが示された。

【結論】

アセトアミノフェンは鎮痛・抗炎症・関節破壊いずれのメディエーター においても有意な抑制作用を示したことから、OA をはじめとする関節炎 症状の緩和に有用である可能性が示唆された。

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