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リン 酸 塩 の 増 加 において 生 理 的 な 原 因 と 分 析 上 の 原 因 はどのように 区 別 することができるか? 考 察 リン 酸 塩 は 細 胞 内 に 最 も 豊 富 に 存 在 する 陰 イオンであり 人 体 において 有 機 体 無 機 体 として 存 在 する その 多

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Academic year: 2021

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Clinical Case Study

Hyperphosphatemia in a 56-Year-Old Man with Hypochondrial Pain

Tze Ping Loha, Sharon Saw and Sunil Kumar Sethi

Department of Laboratory Medicine, National University Health System, Singapore.

a

Address correspondence to this author at: 5 Lower Kent Ridge Rd., Singapore 119074. Fax +65-67771613.

臨床症例研究

56 歳男性の季肋部痛を伴う高リン血症

症例 切除後に化学放射線治療済みの大腸がんの既往歴がある 56 歳の白人男性が、思いがけない体重の減少と、お なかに異変はないもののぼんやりとした季肋部痛を訴えて救急医療科に現れた。治療の最中に腹部の痛みが激 しく、深刻になった。彼は黄疸にかかってはおらず、腹部に異物を感じることもなかった。最初の臨床試験で は大赤血球性で、正色素性の貧血 [ヘモグロビン、71 g/L (基準範囲、126–169 g/L); 平均小体体積, 98.0 fL (基準範囲, 80.1–96.7 fL); 平均小体ヘモグロビン濃度, 320 g/L (基準範囲, 308–384 g/L)] と診断された。血清 クレアチニン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン 値は基準値以下であった。総タンパク質濃度は 113 g/L (基準範囲, 65–82 g/L)で、アルブミン濃度は 33 g/L (基準範囲, 38–48 g/L)だった。リン酸塩濃度は顕著に増加しており、4.84 mmol/L (基準範囲, 0.85–1.45 mmol/L)だった。総カルシウム濃度、補正カルシウム濃度はそれぞれ 1.98 mmol/L 、2.20 mmol/L (両方とも に基準範囲, 2.15–2.55 mmol/L)であり、マグネシウム濃度は 0.76 mmol/L (基準範囲, 0.75–1.07 mmol/L)だっ た。分析指標(脂肪血、ビリルビン、溶血)は許容範囲内であった。患者が受けていた治療は高血圧に対する アテノロールのみだった。

疑問点

• 高リン血症の医学的な原因は何か?

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2 • リン酸塩の増加において、生理的な原因と分析上の原因はどのように区別することができるか? 考察 リン酸塩は細胞内に最も豊富に存在する陰イオンであり、人体において有機体、無機体として存在する。その 多岐に渡る機能としては、構造支持体の供与、中間代謝の制御、遺伝子コード、細胞内シグナル、細胞増殖に 関与している(1)(2)。正常時のリン酸塩の恒常性は、カルシウムと親密に関わっている。リン酸塩の恒常 性は、ビタミン D、カルシトニン、副甲状腺ホルモンによって媒介されるカルシウムとリン酸塩の濃度変化に 反応し、骨、腎臓、消化器によって維持されている(1)(2)。総リン酸塩の 1%以下である血清無機リン酸 塩のみが、通常の検査で測定される(2)。 血清無機リン酸塩の測定は、一般的にはリン酸イオンとモリブデン酸アンモニウムからリン酸モリブデン酸複 合体を形成する反応に基づいていて、その複合体が分光光度計 340nm において測定される(1)(2)。リン 酸モリブデン酸複合体は更にモリブデン酸複合体に還元されることもあるが、その複合体は 340nm の波長に 関連した、溶血、黄疸、脂肪血による陽性干渉を避けるために、600 から 700nm の波長を用いて測定される (1)(2)。その他のあまり一般的でない方法としては、バナデートモリブデン酸法と酵素法が挙げられる (1)(2)。酸性 pH において行われるバナデートモリブデン酸法は、有機リン酸エステルの加水分解によっ て陽性のバイアスがかかってしまう一方、中性条件で行われる酵素法ではそのようなバイアスはかからない (1)。 高リン血症は通常は無症状な病気である。しかし急激なリン酸塩の上昇はカルシウムの沈着を引起し、知覚障 害、テタニー、発作、クボステック/トルソー兆候、心臓血管の不安定性などの低カルシウム血症による症状 を誘導する可能性がある(3)。慢性高リン血症は腎臓の異栄養性石灰化、2 次副甲状腺機能亢進症、線維性 骨炎、転移性石灰化などを誘導する(3)。治療はその原因を主な標的としているが、血液透析、積極的な体 液の水和、デキストロースやインスリンの投与、一過性のアセタゾールアミド投与なども行われる(3)。リ ン酸塩の食事制限やリン酸結合塩の投与も、長期的な治療として有効である(1)(3)。 偽高リン血症 偽高リン血症は、リン酸塩測定の際、分析誤差のせいで誤って測定されるリン酸塩濃度の上昇である。高リン 酸塩濃度で患者の病気を説明するのに十分でない場合、臨床的な検査がされるべきである。溶血、黄疸、脂肪 血のサンプルは、特定のリン酸塩測定法において陽性干渉を生じることが知られている(2)。現代の分析装 置では、このような干渉のほとんどが異常に高い分析値として検出される。更には、サンプルを長時間放置し たり、凝集させた場合、赤血球や血小板内から血清中へのリン酸塩がシフトするために、血清リン酸塩濃度が 上昇するかも知れない(2)。リポソーマルアンフォテリシン B の使用は、リン酸塩濃度の偽上昇のあまり知 られていない別の原因で、免疫不全の患者に対して使用されて、問題となる場合が多く報告されている(4)。

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3 この現象に対するメカニズムとして、2 つの可能性が考えられている。一つ目は、(薬を輸送するための)リ ポソームが生物学的な分解により光を拡散させたり、沈殿を生じたりして干渉することで、吸光測定に影響す る可能性である。2 つ目は、リポソームのリン脂質中において有機リン酸塩が加水分解されて測定されている 可能性である。別の原因として考えられるのは、血液透析に用いられるカテーテルからのヘパリンのコンタミ ネーションである(5)。後の 2 つの可能性については、適切な医療スタッフと簡単なディスカッションをす ることで、通常は手がかりを得ることができる。 血漿タンパク異常血症の患者の偽高リン血症もよく報告されている(6)(7)。タンパク異常血症の原因とし て、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリ ン血症が挙げられる。このような状況の人に頻繁に見られるのが、非常に高濃度の血清リン酸塩、正常な血清 カルシウム濃度、高リン酸血症に関連する症状の欠如である。偽高リン血症の原因は分析によるもの(血清リ ン酸分析におけるパラプロテインの干渉)かも知れないし、生理的なもの(リン酸結合タンパクの存在)かも 知れない(6)(7)(8)。一つの例ではあるが、実際に高リン血症は、低下した 1.25-ジヒドロキシビタミン D 濃度を示す多発性骨髄腫の患者において、生理的に活性をもつと考えられていた(8)。 リン酸塩測定におけるパラプロテイン干渉は、血清アルブミン濃度よりも通常はだいたい同じか、むしろ低い はずの血清総タンパク質濃度が、不釣合いに高い場合に検討されるべきである。トリクロロ酢酸/スルホサリ チル酸による沈殿、透析、硝酸や過塩素酸による湿式灰化、限外濾過、限界希釈などによって、手作業でサン プル中のタンパク質を除去することが、正確な血清リン酸塩の測定のために有効であると記述されている(7) (9)。更には、プリンヌクレオシドリン酸化酵素に基づいた酵素法が、パラプロテイン血清の適切な代替分 析法として提案されている(2)。 不必要な医療介入を除外するだけでなく、主要な診断を下すことにもなるので、パラプロテイン血症によって 引き起こされる偽高リン血症を同定することは重要である。リン酸塩分析の前に、タンパク質を除去するドラ イフィルム技術を利用することで、タンパク異常血症サンプルを高リン血症として誤って診断する可能性を低 減させ、医師たちに誤解をあたえることを避けることができる(10)。皮肉なことだが、もし総タンパク質量 が測定されない場合、偽高リン血症を除外することで、これらの医学的に重要な病気が存在するという手掛か りを医師から奪うことになる。タンパク異常血症で血清リン酸塩濃度の高いすべての患者が、偽高リン血症で あるわけではない。つまり医学的なシナリオによっては、更なる検査が必要であるかも知れないということで ある。臨床検査所と医療スタッフとのコミュニケーションが、このような偽高リン血症という思いもよらない 稀な症例を同定する鍵となることがある。 症例の解決法 医学的所見と最初の臨床試験によって、異常に高いリン酸塩濃度を説明できなかったため、偽高リン血症が疑 われ、検査室は相談を受けた。異常な分析指標、医療措置、長時間の患者サンプルの処理といった、分析前段 階において原因となるようなものがなかったため、分析の際の干渉がもっとも可能性の高い干渉原因であると

(4)

4

考えられた。血清中の総タンパク質とアルブミン濃度が不釣合いであるという見地から、パラプロテイン血症 が強く疑われ、また患者は多発性骨髄腫の検査も受けた。

最初のリン酸塩濃度は、1 ステップリン酸化モリブデン酸/UV 原理(Advia 2400; Siemens Healthcare Diagnostics) を用いて測定された。続いて我々はリン酸塩濃度についてのまた別の依頼を受け、Advia 2400 装置と、測定の ためにリン酸化モリブデン酸をヘテロポリモリブデン酸ブルーに変換する新たなステップが必要である Vitros 5600 システム(Ortho Clinical Diagnostics)の両方を用いて測定を行った。その結果は 3.81 mmol/L (Advia 2400) と 1.28 mmol/L (Vitros 5600)であった。イムノグロブリン定量の結果は以下のようであった:IgA, 0.21 g/L

(基準範囲, 0.80–4.00 g/L); IgG, 108.30 g/L (基準範囲, 5.00–15.00 g/L); IgM, <0.13 g/L (基準範囲, 0.80–2.00 g/L)。同じサンプルはその後 10K Amicon Ultracel Centrifugal Filter device (Millipore)を用いた限外濾過に供さ れ、1811g で 30 分遠心分離された後(Eppendoff centrifuge)、2 つの分析装置で分析された。リン酸塩濃度は、 Advia 2400 では 1.15 mmol/L まで顕著に減少し、Vitros 5600 ではそれ程ではないものの 1.09 mmol/L まで減少し た。限外濾過における IgG と総プロテインの濃度も測定された。Integra 400 Plus 装置 (Roche Diagnostics)で 測定された IgG 濃度は<0.05 g/L で、Advia 2400 で測定された総プロテイン濃度は 0 g/L だった。患者の臨床試 験の結果が表 1 にまとめられている。 表 1. 手動タンパク質除去前後での患者の臨床試験結果の要約 Advia 2400 と Vitros 5600 によって得られたリン酸塩濃度の結果の相違が、血液サンプルからタンパク質を物理 的に除去することで劇的に減少した。Vitros 5600 が、プロテイン異常血症サンプルの血清リン酸塩濃度の測定 において、タンパク質除去後のサンプル測定に近い値を示しているのは、測定に使用される多層反応スライド の効果によると考えられる。多層反応スライドの最上部は BaSO4 層が広がっており、タンパク質、脂質、ヘ モグロビンなどの巨大分子を濾過することができる(10)。この条件において、そうでなければリン酸塩測定

(5)

5 の際に干渉したであろう IgG の除去に、この層は効果的であったようだ。血清タンパク質の電気泳動(図 1) と血液検査によって、結局のところ患者は多発性骨髄腫と診断され、それに合わせて治療された。 図 1. M バンドを示す血清タンパク質電気泳動とその定量化 A/G, アルブミン-グロブリン比. 覚えておくべきポイント • 高リン血症は腎臓によるリン酸塩排出の減少(腎不全によるのが最も一般的である)、経口、腹腔か らのリン酸塩摂取量の増加(通常は医原性である)、呼吸性または代謝性アシドーシス、腫瘍溶解症候群や腹 腔内溶血症などの重篤な細胞溶解によって引き起される。 • 偽高リン血症はリン酸塩濃度が上昇したかのように誤って測定されるもので、不適切なサンプリング、 長時間の凝集、異常に高い分析指標、稀ではあるが医療措置など分析前の問題によって引き起こされる。より

(6)

6 重要なのが、血漿タンパク異常血症、特に血清アルブミン濃度に対して、不釣合いに高い総タンパク質濃度が 見られる場合に引き起こされることがある。 • 酵素に基づいた分析法も同様に上手く行くが、干渉タンパク質を分離するための化学的、物理的なタ ンパク質除去法が、血清無機リン酸塩のより良い測定のために利用される。 • 臨床検査室と医療スタッフの間のコミュニケーションが、潜在的な偽高リン血症を早期に同定する上 で鍵となる。 謝辞

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest.

Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.

Acknowledgments: We are thankful to the technical staff of Core Laboratory, National University Health System, for their help.

参考文献

1. Endres DB, Rude RK. Bone and mineral metabolism. Burtis CA Ashwood ER Bruns DE eds. Tietz textbook of clinical chemistry and molecular diagnostics 4th ed. 2006:p 1905-1909 Elsevier St. Louis.

2. Schmidt-Gayk H. Measurement of calcium, phosphate and magnesium. Seibel M Robins S Bilezikian J eds. Dynamics in bone and cartilage metabolism 2006:p 495-499 Academic Press Burlington (MA).

3. Weiss-Guillet E-M, Takala J, Jakob SM. Diagnosis and management of electrolyte emergencies. Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 2003;17:623-651.[CrossRef][Medline] [Order article via Infotrieve]

4. Mendoza D, Connors S, Lane C, Stehnach S. Liposomal amphotericin B as a cause of pseudohyperphosphatemia. Clin Infect Dis 2008;46:645-646.[CrossRef][Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve]

5. Schiller B, Virk B, Blair M, Wong A, Moran J. Spurious hyperphosphatemia in patients on hemodialysis with catheters. Am J Kidney Dis 2008;52:617-620.[CrossRef][Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve]

(7)

7

6. Larner AJ. Pseudohyperphosphatemia. Clin Biochem 1995;28:391-393.[CrossRef][Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve]

7. Sonnenblick M, Eylath U, Brisk R, Eldad C, Hershko C. Paraprotein interference with colorimetry of phosphate in serum of some patients with multiple myeloma. Clin Chem 1986;32:1537-1539.[Abstract/Free Full Text]

8. Mandry JM, Posner MR, Tucci JR, Eil C. Hyperphosphatemia in multiple myeloma due to a phosphate-binding immunoglobulin. Cancer 1991;68:1092-1094.

9. Adler SG, Laidlaw SA, Lubran MM, Kopple JD. Hyperglobulinemia may spuriously elevate measured serum inorganic phosphate levels. Am J Kidney Dis 1988;11:260-263.[Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve] 10. Ortho Clinical Diagnostics. VITROS Chemistry Products PHOS Slides. Instructions for use [Product Insert]. Publication No. MP2–45, version 6.0.

論説 Vivek Roya

Mayo Clinic, Jacksonville, FL.

aAddress correspondence to the author at: Mayo Clinic, 4500 San Pablo Rd., Jacksonville, FL 32224. E-mail roy.vivek@mayo.edu. 臨床試験は包括的な治療のための評価の重要な構成要素である。これらの試験は臨床上の疑念を補完したり、 確認したりできる情報を提供し、時には臨床的な証拠の無い問題を同定できたりもする。一方で、ある特定の 環境下においては、試験によって不正確で誤解を与えるような情報が得られることもある。 高リン血症は、進行性腎不全、副甲状腺機能低下、細胞溶解、過剰なリン酸塩の摂取(または医原性の摂取) の患者において最もよく見られる、比較的一般的ではない臨床所見の異常である。高リン血症は、溶血症、黄 疸症、脂肪血症のサンプルによって人工的に生じることもある。採血してから分析するまでの長時間の遅延や、 ヘパリンのコンタミネーションなどが原因である。高グロブリン症(パラプロテイン症)は分析上の干渉によ り、偽陽性の血清リン酸塩の読み込みを引き起こすと長い間認識されてきた。またパラプロテイン症は、血中 尿素窒素、クレアチン、ビリルビン、カルシウム、鉄、ナトリウム、リポプロテインを含む、その他多くの臨 床検査値に影響を与えることが知られている。 病院や臨床検査ラボにおいて、これらの人工的な異常に遭遇する正確な頻度は知られていませんが、この現象 は潜在的にも実質的にも認識されていない。その頻度は将来増加するであろう。パラプロテイン症の有病率は 年齢と共に増加し、80 歳以上の人における有病率は 10%以上にも達する。高齢者の場合、複数の併存疾患を 持つことが多いので、複数の臨床検査が必要になり、人口の平均年齢の上昇と共に、医師がパラプロテイン症 に関連した疑似的な臨床所見の異常に遭遇する機会は増加するであろう。この現象を認識することの重要性は

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8 明らかである。つまりデータの誤った解釈と、不必要な試験を避けるためである。この可能性は臨床所見に合 致しない、全く予期せぬ異常に遭遇した場合に検討されるべきである。パラプロテイン症が疑われる際には、 臨床の専門家と相談した上で、更なる評価がなされるべきである。タンパク質除去後に試験をやり直すこと、 サンプルを更に希釈すること、別の試験方法を用いることなどは、更に詳しく調べるための戦略である。 謝辞

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest.

Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.

論説

David B. Endresa

Keck School of Medicine, University of Southern California, Los Angeles, CA.

aAddress correspondence to the author at: Keck School of Medicine, University of Southern California, 1100 North State St., LAC+USC Medical Center, Clinic Tower, A7E113, Los Angeles, CA 91214. Fax 323-843-9376; e-mail endres@usc.edu. Loh et al.はパラプロテイン(モノクローナルイムノグロブリン)干渉による偽高リン血症の患者の症例を報告 し、臨床試験の結果を臨床所見と関連づけることの重要性と、臨床検査技士と医師との間の密接なコミュニケ ーションを推奨した。 パラプロテインは、通常の臨床化学分析における一般的な干渉物質である。カルシウム、総ないしは直接ビリ ルビン、クレアチニン、グルコース、HDL および LDL コレステロール、鉄、リン酸塩、ナトリウム、尿素、尿 酸、凝固試験、血液細胞計数などの様々な分析において、パラプロテイン干渉が生じるということが 70 以上 の報告によって記述されている(1)。パラプロテイン症の有病率 (50 歳以上、70 歳以上においてそれぞれ 3.2% と 5.3%) を考慮すると、パラプロテイン干渉の重要性は過小評価されるべきではない(2)。 パラプロテインは、いくつかの機構により干渉を引き起こす。最も一般的なのが、試験反応の間に生じるパラ プロテインの沈殿により、溶液が濁ることである。試験結果は誤って低くなることもあれば、高くなることも ある。パラプロテイン干渉は、あまり認識されておらず、また報告も少ない。単クローン性免疫グロブリン血

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9 症患者からの血清を用いた体系的な研究により、干渉が症例報告から推察されるよりも、もっと頻繁に生じて いることが報告されている(3)。 パラプロテインの有病率と分析測定での干渉を考慮すると、この干渉を低減し、検出するためにはより多くの アプローチが必要である。診断試薬の製造会社は、干渉を低減するために試薬を最適化する(例:界面活性剤、 イオン強度)ことが可能であり、反応速度とサンプル濃度をモニターすることで干渉の警告を出すことも出来 る。検査ラボはパラプロテインもしくはパラプロテイン干渉があるかも知れないサンプルを同定するためのソ フトを使用することも出来る。そのようなサンプルを同定するための試験結果と、干渉指標の使用例として (a)低アルブミン濃度と総タンパク質濃度の上昇が見られるサンプル、(b)干渉指標と試験結果が釣り合わ ない(例:黄疸指標の増加と正常な総ビリルビンおよび直接ビリルビン値)サンプル、(c)整合性のとれな い試験結果(例:総ビリルビン値よりも高い直接ビリルビン値)のサンプル、(d)陰性もしくはあり得ない 検出結果(例:HDL コレステロール)のサンプルなどが挙げられる。 (訳者:平井 孝明) 謝辞

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest.

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参考文献

1. Roy V. Artifactual laboratory abnormalities in patients with paraproteinemia. South Med J 2009;102:167-170.[Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve]

2. Kyle RA, Therneau TM, Rajkumar SV, Larson DR, Plevak MF, Offard JR, et al. Prevalence of monoclonal gammopathy of undetermined significance. N Engl J Med 2006;354:1362-1369.[Abstract/Free Full Text]

3. Yang Y, Howanitz PJ, Howanitz JH, Gorfajn H, Wong K. Paraproteins are a common cause of interferences with automated chemistry methods. Arch Pathol Lab Med 2008;132:217-223.[Web of Science][Medline] [Order article via Infotrieve]

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