1) 鹿屋体育大学 体育学研究科 博士後期課程 〒891-2393 鹿児島県鹿屋市白水町1 2) 鹿屋体育大学 体育学部 〒891-2393 鹿児島県鹿屋市白水町1 連絡先:村川大輔 E-mail: [email protected]
潜在的パターン知覚に優れるサッカー選手は状況を
情動的に処理しているのか?
村川大輔
1)・幾留沙智
2)・亀井誠生
2)・森 司朗
2)・中本浩揮
2)Do Soccer Players with Superior Implicit Pattern Perception Process Soccer
Situations Emotionally?
Daisuke Murakawa
1, Sachi Ikudome
2, Mio Kamei
2,
Shiro Mori
2and Hiroki Nakamoto
2Abstract
Recently, it was reported that superior soccer decision-makers possess better implicit pattern perception (Murakawa et al., 2020). However, it is unclear how such excellent implicit pattern perception is achieved. Therefore, in this study, we examined the possibility that soccer players with excellent implicit pattern perception emotionally process scenes with an unmarked player around the goal. Twenty-eight skilled soccer players performed a task based on the backward-masking paradigm used by Murakawa et al. (2020) to assess the accuracy of implicit pattern perception for soccer 3-on-3 scenes around the goal. Eleven of the 28 participants performed the task newly and for 17 individuals, the data of Murakawa et al. (2020) were reused. In addition, using a subliminal priming task, we evaluated participants impressions (pleasant/unpleasant) about a target stimulus (Arabic) that was presented following implicitly perceived images of a 3-versus-3 scene (goal/free condition, goal/no-free condition, no-goal/free condition, no-goal/no-free condition) around the goal. Under the goal/free condition, offensive players with high accuracy of implicit pattern perception were biased toward pleasant, and defensive players were biased toward unpleasant. On the other hand, no such bias was observed under the no-goal/no-free condition. Thus, this suggests that players with better implicit pattern perception perform emotional perceptual processing of environmental information based on the emotional value arising from his/her knowledge base. It is significant that our study is the first to provide evidence for the relationship between emotional processing and implicit pattern perception, involved in superior decision-making in soccer.
Key words: expertise, implicit process, emotional process, pattern perception, decision-making
1 Graduate School of Physical Education, Doctor’s Course, National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
1 Shiromizu, Kanoya, Kagoshima, 891-2393
2 Faculty of Physical Education, National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
1 Shiromizu, Kanoya, Kagoshima, 891-2393 Corresponding author: Daisuke Murakawa
Ⅰ 緒言 サッカーやバスケットボールのようなオープ ンスキル型の競技では,ドリブルやパスを巧み に行う運動技能に加え,変化する周囲の状況に 応じてそれらを適切に選択する意思決定も必要 である(Hughes, 1980).実際に,熟練選手は 未熟練選手と比較して,素早く正確な意思決定 が可能であることが多数の研究で報告されてい る(e.g., Helsen and Pauwels, 1988, 1992; McMorris and Beazeley, 1997; 夏原ほか, 2015; Vaeyens et al., 2007).そのため,優れた意思決 定を実現する選手がどのような心理的要因を 発達させているかについても数々の検討がな され,意思決定能力の高低を説明する要因とし て パ タ ー ン 知 覚 が 注 目 を 集 め て い る(van Maarseveen et al., 2015; 村川ほか,2020; North et al., 2017).
パターン知覚とは,視野内の個々の情報を意 味のあるパターンとして記銘・想起する知覚 方略を指す(North and Williams, 2019).例え ば,サッカーでは,個々の選手の位置を逐次的 に知覚するのではなく,戦術的に意味のあるま とまり(パターン)として知覚するような方略 である.先行研究では,熟練選手は,戦術パ ターンに関する豊富かつ精緻化された知識を活 用することで状況を瞬時に分類し,優れたパ ターン知覚を実現していると考えられている (e.g., Allard et al., 1980; Williams et al., 1993,
2006).さらにパターン知覚はプレー展開の予 測にも貢献することから(North and Williams, 2019),意思決定プロセスの中核をなす技能と考 えられている(Didierjean and Marmèche, 2005; North et al., 2017; van Maarseveen et al., 2015; Williams et al., 2012). 上述のパターン知覚研究は,主に顕在的に知 覚できる情報を対象にした研究であったが,近 年,村川ほか(2020)は,意思決定プロセス が,顕在的処理と潜在的処理の2 つの異なる処 理プロセスで行われるとする2 重プロセスモデ
ルに基づき(e.g., De Neys and Glumicic, 2008; Evans and Stanovich, 2013; Kahneman, 2011),
潜在的パターン知覚と意思決定能力の関係につ いて検討している.この研究では,潜在的な知 覚を誘発する逆向マスキング法を用いて,サッ カー選手にゴール前3 対 3 の選手配置パターン を呈示し(図1 参照),フリーな選手の位置と その回答に対する確信度を報告させている.結 果として,参加者はどの位置の選手がフリーで あったかを意識的に認識できなかったにも関わ らず(回答の確信度が低い),選択肢(左側, 真中,右側,フリー無し)を与えて強制的に回 答させると,意思決定能力の高い選手はチャン スレベルよりも有意に高い確率で正しく回答で きたと報告している.これらから,意思決定能 力の高いサッカー選手は,従来の研究で示され てきた顕在的なパターン知覚だけでなく(e.g., North et al., 2017; Williams et al., 2006, 2012), 潜在的パターン知覚にも優れると結論づけてい る.また,潜在的処理は顕在的処理よりも高 速であると考えられているため(De Neys and Glumicic, 2008; Evans and Stanovich, 2013; Kahneman, 2011; Newell et al., 2015; Thompson, 2013),時間的制約の厳しいスポーツ場面の意 思決定において重要な心理的要因になると主張 している. 一方で,上述の研究では,意思決定能力の高 い者が,潜在的パターン知覚が可能である理由 について直接的な検討はなされていない.彼ら は可能性の一つとして,潜在的パターン知覚に 優れる選手は,呈示された刺激内の重要な情報 (ゴール前のフリーな選手)を情動的な情報と して捉えている可能性を提案している.情動 は,スポーツ場面や表情を含む様々な刺激で喚 起され(e.g., Ekman and Friesen, 1978; Lang et al., 2008; Sabatinelli et al., 2011; Sarlo et al., 2005),種類において,歓喜や興奮,あるいは 恐怖や不安など多様であるが(e.g., Barrett et al., 2007; Cowen and Keltner, 2017; Ekman and Friesen, 1971),快−不快のような少数の次元 を核心に持つと考えられている(Russell and Barrett, 1999; Watson and Tellegen, 1985).重要 な点として,快や不快な情動を喚起する刺激 は,課題に無関連な情報でさえも非意図的に注
意を惹き(Calvo et al., 2015; Gupta et al., 2016; Most et al., 2007),大脳辺縁系を中心とした高 速な神経回路において(LeDoux, 1994; LeDoux and Brown, 2017; Morris et al., 1999, 2001; Öhman and Mineka, 2001; Tamietto and de Gelder, 2010),優先的かつ潜在的に処理される (Batty and Margot, 2003; Calvo et al., 2015;
Liddell et al., 2004; Öhman and Mineka, 2001; Öhman et al., 2001; Pegna et al., 2011; Tamietto and de Gelder, 2010).このような潜在的な優先 処理の機能的意義は,進化論的に説明され,例 えば,生物が生存のために不快な情動を喚起す る脅威情報(例えば,捕食者)を優先的に処理 し て 応 答 す る た め の 機 能 と 考 え ら れ て い る (e.g., Öhman and Mineka, 2001; Öhman et al.,
2001). このように,潜在的な環境情報の処理は情動 喚起刺激によって駆動されることから,村川ほ か(2020)で認められた潜在的なパターン知覚 は,呈示された刺激を参加者が情動的な情報と して捉えていたことによって実現されていた可 能性がある.具体的には,得点を奪いあうサッ カーにおいて,村川ほか(2020)の刺激で呈示 されたようなゴール前のフリー選手は,得点機 会に直結する存在であり,守備者にとっては脅 威情報として不快な情動を,攻撃者にとっては 報酬情報として快の情動を喚起する優先的に処 理されるべき情報となり得る.事実,パターン 知覚の先行研究において,ゴール前の選手を消 失させた場合,パターン知覚の精度は低下する ことが示されており(Williams et al., 2006), ゴール前の選手が存在する状況(パターン) は,その他の状況よりも優先的に知覚処理され る情報であると考えられる.また,特定の刺激 と情動の関係は,条件づけによる連合学習のよ うに経験によって強化・変容されること(e.g., Esteves et al., 1994; Hamm et al., 2003),ある いは特定の環境で生じた身体状態(ソマティッ ク・マーカー)との関係で変容することから (Damasio, 1994),村川ほか(2020)で報告さ れた潜在的パターン知覚の個人差は,経験に伴 うゴール前のフリー選手の捉え方の違いによっ て生じたものと考えられる. スポーツにおける情動は,これまでも意思決 定(Tenenbaum et al., 2009),およびパフォー マンス(Hanin, 2007)といったスポーツ行動 の様々な段階において関与が指摘されてきた. しかし,パターン知覚のような知覚段階におけ る情動の重要性や関与の可能性はこれまで指摘 されてきたものの(今中,2010),実証的な研 究は行われていない.よって,本研究では,潜 在的パターン知覚に優れるサッカー選手が, ゴール前のフリーな選手が存在する状況を情動 的な情報として捉えている可能性について検討 することを目的とした. この目的を達成するために,本研究では, Murphy and Zajonc(1993)の閾下プライミン グ課題を参考にして,潜在的パターン知覚に優 れるサッカー選手ほどゴール前のフリーな選手 が存在する状況によって強く情動が喚起される のか,またどのような情動価が生じるのかにつ いて検証した.Murphy and Zajonc(1993)は, 潜在的に呈示された感情価を持つ刺激(表情写 真)が,後続する漢字(情動的に曖昧かつ中性 的な刺激)の印象に与える影響を調査してい る.具体的には,漢字を学習したことが無い者 に対し,様々な表情の写真を意識に上らないほ ど短時間(4 ms)で呈示した後に,漢字に対 する印象を尋ねるというものである.結果とし て,参加者は事前にどのような表情写真が呈示 されたかは顕在的に知覚していないにも関わら ず,笑顔の表情が呈示された場合は漢字を好ま しいと評価し,恐れの表情が呈示された場合で は漢字を好ましくないと評価することが示され た.つまり,漢字に対する評価は潜在的に知覚 された刺激の感情価と一致する方向に偏向する ことを明らかにした.一方,顕在的に先行刺激 が呈示された場合には,このようなバイアスは 生じなかった.よって,この方法を用いれば, バイアスの程度やその方向を検証することで, 潜在的に知覚された刺激に対する情動の程度や 情動価を間接的に評価できることが期待される (同様に,Marzouki and Marzouki, 2010).
パターン知覚の精度が高い者ほど顕著になると 考えられる. Ⅱ 方法 実験参加者 実験参加者は,視覚に疾患のない大学サッ カー部所属の28名の男性選手(年齢:20.74± 1.43歳,競技歴:12.93±1.94年)であり,16名 の攻撃的選手(フォワード,攻撃的ミッドフィ ルダー,サイドプレイヤー)と,12名の守備的 選 手( デ ィ フ ェ ン ス, 守 備 的 ミ ッ ド フ ィ ル ダー)で構成されていた.参加者の競技レベル は,全国大会への出場歴がある全国レベルか ら,主に地域リーグや県内リーグでプレーする 地域レベルまで様々であった.また,この28名 の参加者のうち17名は,村川ほか(2020)の実 験に参加した者であった.17名の選定理由は, 村川ほか(2020)の参加後にも同サッカー部に 所属し,データの取得が可能であったためであ る.全ての参加者はアラビア語の学習経験は無 かった.なお,本実験のプロトコルは所属大学 して,フリーあり・なしとゴールあり・なしを 組わせた4 種類のサッカー 3 対 3 場面(先行刺 激)を潜在的に呈示し,アラビア語(標的刺 激)に対する評価(快・不快)が変容するかに ついて検討した.アラビア語は,参加者にとっ て学習経験が無く,情動的に曖昧かつ中性的な 刺激であると考えられる.仮に,潜在的パター ン知覚に優れる者がゴール前のフリーな選手が 存在する状況を情動的な情報と捉えているなら ば,ゴール前のフリーな選手が存在する刺激に おいてのみ,アラビア語に対する快・不快の情 動は,潜在的パターン知覚に優れる者ほど強く なると考えられる.さらに,ゴール前局面のフ リーな選手は,攻撃的選手においては快,守備 的な選手に対しては不快という異なる情動を生 じさせると推察され,両選手では,標的刺激へ の評価に逆方向のバイアスが生じると考えられ る.すなわち,先行刺激としてゴール前局面の フリーな選手が呈示された場合には,攻撃的選 手はアラビア語を快と評価するのに対し,守備 的選手は不快と評価し,これらの傾向は潜在的 図1 先行研究(村川ほか,2020)と本研究で用いた逆向マスキング課題
た場合,その意味が標的刺激への評価に影響す る可能性があるためである.標的刺激への印象 評 価 に は,Visual analog scale(VAS)を用い た.VASは,左端が「不快」,右端が「快」と 記 載 さ れ た10cmの水平直線で構成されてお り,参加者は標的刺激に対して抱いた印象の位 置に印をつけ,その長さによって標的刺激への 印象を評価した. アラビア語に先行して呈示されるサッカー3 対3 場面の画像は,ゴールあり・なしとフリー 選手あり・なしを組み合わせた4 種類とした. 具体的には,ゴール前のフリー選手がいる状況 (G_F条件)といない状況(G_NF条件),全く 同じ画像からゴールのみを消去した状況(ゴー ルなし・フリーあり条件:NG_F条件,ゴール なし・フリーなし条件:NG_NF条件)とした. さらに,サッカー場面から独立した状況とし て,芝生のみの画像(Neutral条件)も先行刺 激として用いた(図2B).Neutral条件を加えた 理由は,VASの記述において,各参加者が持つ 一定の反応バイアスを測定するためである(詳 細は後述).また画像は,村川ほか(2020)と 同じ視点の画像を使用した.その理由は,攻撃 的選手と守備的選手で異なる視点の刺激を用い た場合,仮に両者の間で異なる情動価が観測さ れたとしても,刺激の違いに起因するのか,ポ ジションに起因するのかが不明になると予想さ れるためである. 先行刺激の呈示時間は,先行研究において潜 在的パターン知覚が生じることが確認されてい る34msとした.実験課題の刺激系列は,2000ms の予告刺激,34msの先行刺激,500msのマスク 刺激,2000msの標的刺激であった.その後, VASへの記入を求める画面を呈示した.これら の実験課題の作成および刺激呈示は,心理学実 験設計ソフト(IBS社製,E-prime2.0)を用い た.実験参加者への刺激呈示には,15.6インチ のモニターを有するノートパソコン(HP社製, ProBook 450 G2)を使用し,リフレッシュレー トは60Hzであった.また,モニターと参加者 の距離は50cmとした. の倫理委員会の承認(第5 -17号)を得たもの である.また,閾下プライミング課題のVAS評 価の差分値を参加者ごとにチェックしたとこ ろ,1 名の参加者の値が2.355となり,その他 の参加者(平均:0.078±0.48)と大きく異なっ た.そのため,この参加者は閾下プライミング 課題の分析から除外した. 実験課題および装置 逆向マスキング課題 参加者28名のうち,村川ほか(2020)の実験 に参加していない11名の参加者の潜在的パター ン知覚の精度を評価するため,逆向マスキング 課 題 を 実 施 し た( 図1 ).参加者の課題は, ゴール前における3 対 3 場面の静止画像の中か ら,フリーな選手の位置(左・中・右・フリー 無し)を回答することであった.この課題で は,先行研究同様に3 対 3 場面の静止画像(標 的刺激)を瞬間呈示した直後にマスク刺激を呈 示した.マスク刺激は,標的刺激に含まれる色 (ユニフォームの色やグラウンドの色)を用い たランダムパターンとした.標的刺激の呈示時 間は,村川ほか(2020)では,5 つの条件(17, 34, 51, 68, 85ms)で行われているが,本研究で は潜在的パターン知覚が確認されている34ms 条 件 の み と し た. 実 験 課 題 の 刺 激 系 列 は, 2000msの予告刺激,34msの標的刺激,5000ms のマスク刺激であった.これらの実験課題の作 成および刺激呈示には,心理学実験設計ソフト (IBS社製,E-prime2.0)を用いた.実験参加者 へ の 刺 激 呈 示 に は,25.5イ ン チ の モ ニ タ ー (Samsung社 製,T260) を 使 用 し, リ フ レ ッ シュレートは60Hzであった.また,モニター と参加者の距離は60cmであった. 閾下プライミング課題 参加者28名の全てを対象に閾下プライミング 課題を行った.この課題では,3 対 3 のサッ カー場面の刺激(先行刺激)の後に標的刺激と して呈示されるアラビア語に対する印象を回答 することを求めた(図2A).アラビア語を用い た理由は,参加者にとって既知の文字を使用し
グ課題を行った.実験開始に先立ち,課題内容 を十分に理解させるための説明を行い,練習試 行を5 試行実施した.前述の通り,呈示された アラビア語の印象をVASにより評価することを 説明し,評価の際には直観的に印象を記入する よう教示した.なお,練習試行に用いたサッ カー3 対 3 場面の先行刺激およびアラビア語 は,本番試行と異なるものであった.練習試行 後に不明な点がないかを確認し,本番試行を行 わせた.その際,注視点が出現してからアラビ ア語が消失するまで,瞬きをしないことや画面 から目を離さないことを教示した.以上の教示 や練習において,刺激について攻撃場面や守備 場面といった状況に関する説明は一切行わな かった.その理由は,状況の事前情報によっ て,攻撃的選手と守備的選手のフリー選手が存 在する状況に対する情動価にバイアスがかかる ことを避けるためである. 本番試行は50試行を 1 セットとし, 2 セット 実施した(合計100試行).セット間には 1 分間 ほどの休憩を設けた.50試行には,先行刺激の 5 条件がそれぞれ10試行ずつ含まれていた.文 字の意味的・形態的特徴が印象評価に及ぼす可 能性を回避するために,標的刺激には,20種類 実験手続き 参加者28名のうち,村川ほか(2020)の実験 に参加しておらず,潜在的パターン知覚の精度 を測定していない11名の参加者に逆向マスキン グ課題を行わせた.実験開始に先立ち,課題内 容を十分に理解させるための説明を行った.そ の後,本番試行では使用しないサッカー3 対 3 場面の画像を用いて,練習試行を5 試行行わせ た.画像を主観的に知覚できなかった場合でも 左・中・右・フリー無しの中から強制的に回答 するよう教示した.また,参加者の知覚が潜在 的であったかを確認するために,課題終了後に 画像を顕在的に知覚できたかについて口頭での 確認を行った.その結果,標的刺激を顕在的に 知覚できたと回答した者はいなかった.本番試 行の15試行には,フリーな選手の位置条件とし て,左,中,右,フリー無しの状況が含まれ, 左,中,右条件がそれぞれ4 試行ずつ,フリー 無し条件が3 試行含まれていた.フリーな選手 の位置条件はセット間で同一の順序とならない ようにランダムに呈示した.なお,練習試行お よび本番試行において,正解に関するフィード バックは与えなかった. 次に,全参加者28名を対象に閾下プライミン 図2 閾下プライミング課題(A)と各条件の先行刺激の例(B)
のアラビア語を使用し,全先行刺激条件で同じ アラビア語を1 回ずつ呈示した.これらの刺激 条件はセット間および参加者間で同一の順序と ならないようにランダムに呈示した. 測定項目およびデータ分析 潜在的パターン知覚に優れるサッカー選手ほ どゴール前のフリーな選手が存在する状況に よって強く情動が喚起されるのか,またどのよ うな情動価が生じるのかについて検証するため に,閾下プライミング課題時のVAS評価の値に 関して,単語ごとにニュートラル条件のアラビ ア語に対する評価をその他4 条件の評価からそ れぞれ減算し,評価の差分値を求めた.これに より,各参加者の刺激に因らない反応バイア ス,あるいは,混入する可能性のあるアラビア 語そのものの意味的・形態的特徴の印象が除去 され,刺激に対する印象だけを反映した値にな ると考えられる.このVAS評価の差分値と潜在 的パターン知覚の精度の関係について,ピアソ ンの積率相関係数を攻撃的選手と守備的選手 別々に求めた.VASの差分値については,正の 値の場合には先行刺激が快方向に評価されたこ とを意味し,負の値の場合には不快方向に評価 されたことを意味する. なお,統計解析には統計解析ソフト(IBM社 製,SPSS for Windows ver.22)を用い,有意水
準を5 %未満とした. Ⅲ 結果 各参加者におけるVAS評価の差分値と潜在的 パターン知覚の精度の関連について,ポジショ ンごとに相関分析を行った(図3 ).結果とし て,G_F条件では,攻撃的選手に関しては,有 意な正の相関関係(r=.799, p<.001),守備的 選 手 に 関 し て は, 有 意 な 負 の 相 関 関 係(r= −.663, p=.019)が認められた.一方で,NG_ NF条件では,いずれの群においても有意な相 関 関 係 は 認 め ら れ な か っ た( 攻 撃:r=.489, p=.064; 守備: r=−.394, p=.205).また,G_NF 条件及びNG_F条件においては,攻撃的選手は そ れ ぞ れ 正 の 有 意 な 相 関 関 係 が 認 め ら れ た (G_NF: r=.708, p=.003; NG_F: r=.568, p=.027).一方で,守備的選手では有意な相関 は認められなかった(G_NF: r=−.056, p=.863; NG_F: r=.131, p=.686). Ⅳ 考察 本研究の目的は,潜在的パターン知覚に優れ るサッカー選手が,ゴール前のフリーな選手が 存在する状況を情動的な情報として捉えている 可能性について検討することであった.主要な 結果として,閾下プライミング課題を用いた実 験では,G_F条件において,攻撃的選手では潜 在的パターン知覚の精度とVAS評価の値に有意 な正の相関,守備的選手では負の相関が認めら れた.一方,NG_NF条件では,そのような関 係は示されなかった(図3 ).以上の結果は, 潜在的なパターン知覚に優れるサッカー選手 が,ゴール前のフリーな選手が存在する状況を 情動的に処理している可能性を示唆するもので あると思われる. 脳内における刺激の情動的な処理は,視覚野 を経由する顕在的な処理経路に先立って,皮質 下の経路の入力により意識に上らない段階で遂 行され(Morris et al., 1999),大脳皮質を経由 せずに直接扁桃体へ到達する経路(LeDoux, 1994)や,顕在的な知覚処理を行う膝状体視覚 系をバイパスする経路(Morris et al., 2001)な どにより処理される.これらの知見に従えば, 潜在的パターン知覚に優れる選手は,ゴール前 のフリーな選手が存在する状況を快あるいは不 快な情動刺激として解釈することで,潜在的な 処理を可能にしていると考えられる.言い換え れば,村川ほか(2020)で示された潜在的パ ターン知覚の個人差は,ゴール前のフリーな選 手が存在する状況の捉え方の違いが関与してい たと考えられる.具体的には,ゴール前局面の 選手配置を単なる表面的な特徴(フリーの有 無)に基づいて知覚するのではなく,選手配置 に基づいて局面を情動レベル(快・不快)で知 覚することによって,扁桃体関連の潜在的な知 覚処理経路に基づいた優れた潜在的なパターン 知覚が実現されているものと推察される.
本研究では,以上の仮定に基づき,閾下プラ イミング課題を用いた標的刺激への印象評価か ら,潜在的パターン知覚に優れるサッカー選手 ほどゴール前のフリーな選手が存在する状況に よって強く情動が喚起されるのか,またどのよ うな情動価が生じるのかについて検証した.そ の 結 果,G_F条件のVAS評価では,潜在的パ ターン知覚の精度が低い選手は0 付近であった (偏向しなかった)一方で,潜在的パターン知 覚の精度が高い攻撃的選手は快方向へ,守備的 選手は不快方向へ偏向した(図3 ).一方,フ リーな選手が存在せずゴールもないNG_NF条 件では,そのような一貫した偏向は認められな かった.よって,潜在的パターン知覚に優れる 選手ほど刺激を情動的に処理していることに加 え,刺激から喚起される情動は選手のポジショ ン特性に応じて異なることが示唆された.本研 究では,刺激の事前情報による情動価への影響 を避けるため,参加者に刺激の状況に関する説 明は行わなかった.しかし結果として,ポジ ションによって異なる情動価が生じるという結 果は,参加者は自身の経験に関連してゴール前 のフリー選手が存在する状況を解釈していたこ とを示唆するものと思われる. ゴール前のフリーな選手が存在する状況を情 動的な情報として解釈するようになる理由には 2 つの可能性が考えられる. 1 つ目は,これま での経験を通じて生じた情動とその情動が生じ た文脈の関連を学習している可能性である. LeDoux(2000)は,ヒトを含めた動物では, 図3 標的刺激への印象評価と潜在的パターン知覚の精度の関係 (標的刺激に対する印象は,正の値が快,負の値が不快を示す)
標的刺激に対する印象
0 10 20 30 40 50 60 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 r = .489 p = .064 r = -.394 p = .205 0 10 20 30 40 50 60 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 r = .568 p = .027 r = .131 p = .686 0 10 20 30 40 50 60 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 r = -.663 p = .019 r = .799p < .001 0 10 20 30 40 50 60 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 r = -.056 p = .863 r = .708p = .003正答
率
(%
)
ゴールあり/フリーあり (G_F 条件) ゴールあり/フリーなし (G_NF 条件) ゴールなし/フリーなし (NG_NF 条件) ゴールなし/フリーあり (NG_F 条件) = 攻撃的選手 = 守備的選手恐怖を感じたことと,恐怖を感じた際の文脈の 関連を学習し,再び恐怖体験時の文脈に遭遇す ると,恐怖反応が表出されるようになること (文脈恐怖条件づけ)を提案している.また, このような知覚処理において重要な役割を担う 扁桃体では,恐怖などの不快刺激だけではなく 幸福のような快刺激も潜在的かつ迅速に知覚処 理されることが明らかとなっており(Juruena
et al., 2010; Williams et al., 2004),不快な刺激 から発展してきた理論的枠組みは,様々な刺激 や情動の種類に適用可能なものとされている (LeDoux and Brown, 2017; Tamietto and de
Gelder, 2010).つまり,快刺激に関しても文脈 との関連が学習されている可能性があると考え られる.よって,文脈恐怖条件付けの考えに従 うと,あるタイミングで生じた快や不快の情動 と,その情動を生じさせた文脈(ゴール前局 面)の関連を学習することで,ゴール前局面の フリー選手を含む選手配置が情動的に解釈され るようになると考えられる.このような情動と 文脈の条件づけは,勝敗の価値が高く,ゴール 前局面に対して強く情動が喚起される環境での 試合経験によって促進されるものと考えられ る.実際,本研究において,勝敗価値が高い全 国大会の経験者12名の内10名は平均以上の潜在 的パターン知覚の精度を示した.このように, ゴール前局面で強い情動喚起の経験の有無とそ の頻度の差や,その際に喚起される情動内容の 違いが,状況の捉え方の個人差に影響したと推 察される. 2 つ目は,ソマティック・マーカーが関与し ている可能性である.ソマティック・マーカー とは,先行する事象に伴って経験され,対象の 価値(有益さや有害さ)を反映する身体状態の ことである(Damasio, 1994).Damasio(1994) は,ある状況で生じる身体状態の変化(体内環 境の変化・骨格筋系の変化など)と,中枢に伝 えられる身体状態の情報を合わせたものを情動 としており,この情動は潜在的なレベルにおけ る対象の価値判断や意思決定に関与する(ソマ ティック・マーカー仮説)と主張している.ソ マティック・マーカー仮説の考えに従えば,本 研究で認められた快・不快の価値判断は,刺激 から誘発されたソマティック・マーカーによっ て行われたものと考えられる.つまり,ゴール 前局面のフリーな選手が存在する状況は,潜在 的パターン知覚が高いサッカー選手にとって は,身体状態(情動)の変化を誘発する刺激で あり,この処理がVASによる印象評価の違いを 生み出したものと推察される.さらに,この身 体状態の変化の認知により喚起される情動価は ポジションによって経験した文脈の影響を受け ていると考えられる.本研究では,ソマティッ ク・マーカー仮説を支持する直接的な根拠(生 理反応など)は測定していないが,潜在的なパ ターン知覚の精度と心拍や発汗などの生理指標 (身体情報)を関連付けて測定することによ り,優れた潜在的パターン知覚が低次な身体情 報に基づいて実現されていることが明らかとな る可能性がある. 以上の結果に加え,ゴールまたはフリー選手 のいずれかの情報が含まれるG_NF条件とNG_F 条件では,攻撃的選手においてのみ有意な正の 相関関係が認められた.この結果は,一見,攻 撃的選手にとってゴールまたはフリー選手のそ れぞれが情動を喚起する重要な情報であること を示唆する.しかしながら,いずれの条件にお いても多くの参加者が不快方向への偏向を示し た.よって,いずれか一方(ゴールあり,ある いはフリーあり)では潜在的なパターン知覚を 促進すると考えられる情動は生じなかったもの と思われる.先行研究では,ゴール前の選手を 消失させるとパターン知覚のパフォーマンスが 低下することが報告されている(Williams et al., 2006).これらを考慮すると,単にフリー な選手が存在することよりも,ゴール前局面と いう状況が潜在的パターン知覚を誘発する情動 処理に関連しているものと考えられる. ここまでの解釈の注意点として,潜在的パ ターン知覚の個人差との関係において一貫した 傾向は認められないものの,G_F条件以外の条 件では,潜在的パターン知覚が低い者において もVAS評価は 0 付近ではなかった.本研究で は,反応バイアスについてはニュートラル条件
が生じるかどうかをより詳細に検討できるもの と思われる.しかし,いずれにしても,本研究 の知見は,優れた意思決定技能を支えるパター ン知覚の理解において,刺激属性そのものが持 つ情報(例えば,空間情報)の処理に加え,知 覚される情報(例えば,情動)の処理を考慮す る必要性を示唆するものであった.また本研究 は,意思決定能力の高低を説明する新たな観点 である潜在的パターン知覚について,情動処理 と関連する知見を直接的な検証結果に基づき最 初に提供したという点で重要な意味をもつと考 えられる. 近年,スポーツの熟達に関する研究分野で は,実践練習でさえも試合と同等の感情や認知 的負荷は再現できず,これによって実際の試合 場面とは異なる行動が誘発されることが報告さ れている(Maloney et al., 2018).このような 観点に立てば,スポーツ行動の本質的な理解に は,知覚-運動制御と心理状態を分断すること なく,相互の影響について理解していくことが 現場に応用する知見を得るために重要と思われ る.そのためには,本研究で示された潜在的パ ターン知覚と情動の関係だけでなく,その関係 の発達過程をも明らかにすることが不可欠と思 われる. 引用文献
Allard, F., Graham, S., and Paarsalu, M. L. (1980) Perception in sport: basketball. Journal of Sport and Exercise Psychology, 2: 14-21.
Barrett LF, Mesquita B, Ochsner KN, and Gross JJ. (2007) The experience of emotion. Annu Rev Psychol, 58: 373-403.
Batty, M. and Taylor, M. J. (2003) Early processing of the six basic facial emotional expressions. Cognitive Brain Research, 17 (3), 613-620.
Calvo, M.G., Gutierrez-Garcia, A., and Del Libano, M. (2015) Sensitivity to emotional scene content outside the focus of attention. Acta Psychol (Amst), 161: 36-44. Cowen, A. S. and Keltner, D. (2017) Self-report captures
27 distinct categories of emotion bridged by continuous gradients. Proc Natl Acad Sci USA, 114 (38) : E7900-E7909.
Damasio, A. R. (1994) Descartes error: Emotion, reason, and the human brain. New York, NY: Grosset / Putnam. De Neys, W. and Glumicic, T. (2008) Conflict monitoring との差分値を求めることで相殺し,アラビア語 そのものの意味的・形態的特徴の影響について は複数のアラビア語をすべての条件で統一して 呈示することで相殺した.よって,VAS評価の 結果は,各参加者が先行刺激によって情動が喚 起されたことを示すものと思われる.しかし一 方で,潜在的パターン知覚が低い者に関して は,標的刺激に対する正答率がチャンスレベル 程度であることを考えると,先行刺激の影響で あることも同時に考えにくい.よって,アラビ ア語の印象による情動の推定だけでなく,脳波 などの生理的指標による推定(Liddell et al., 2004; Pegna et al., 2011)も応用することで本 研究の主張をさらに精査できるものと思われ る. 本研究の目的は,潜在的パターン知覚に優れ るサッカー選手が,ゴール前のフリー選手が存 在する状況を情動的に処理している可能性を検 討することであった.結果として,潜在的パ ターン知覚の精度に優れる選手ほど,ゴール前 のフリー選手が存在する状況を情動的に処理し ており,攻撃的選手と守備的選手では生じる情 動価が異なることが示された.すなわち,潜在 的パターン知覚に優れるサッカー選手は,自身 の長年の経験により形成された情動価に基づい て状況を情動的に処理している可能性が示唆さ れた.先行研究では,意思決定能力の高い選手 が潜在的パターン知覚に優れること(村川ほ か,2020)に加え,環境刺激の情動的な内容が 意思決定の実現に重要な役割を果たす可能性を 指摘している(Raab and Laborde, 2011).よっ て,環境情報の情動的な処理に着目することに より,優れた意思決定を実現する者が有する心 理的要因のより深い解明に繋がると考えられ る. 一方で,本研究では実験条件を統制するた め,同一視点から撮影した刺激を用いて攻撃的 選手と守備的選手における情動処理の違いを検 証した.結果として,情動価はポジションに よって異なったが,明確に攻撃場面と守備場面 に区別した画像を使用し,両ポジションの選手 の情動価を調べることで,経験に応じた情動価
International Journal of Sport and Exercise Psychology, 11: 2, 143-150.
Lang, P. J., Bradley, M. M., and Cuthbert, B. N. (2008) International Affective Picture System (IAPS) : Instruction manual and affective ratings, Technical Report A-8. Gainesville: The Center for Research in Psychophysiology, University of Florida.
LeDoux, J. E. (1994) Emotion, memory, and the brain. Scientific American, 270: 50-57.
LeDoux, J. E. (2000) Emotion circuits in the brain. Annual Review of Neuroscience, 23: 155-184.
LeDoux, J. E. and Brown, R. (2017). A higher-order theory of emotional consciousness. Proceedings of the National Academy of Sciences, 114 (10), E2016. Liddell, B. J., Williams, L. M., Rathjen, J., Shevrin, H., and
Gordon, E. (2004) A temporal dissociation of subliminal versus supraliminal fear perception: An event-related potential study. Journal of Cognitive Neuroscience, 16 (3), 479-486.
Maloney, M. A., Renshaw, I., Headrick, J., Martin, D. T., and Farrow, D. (2018) Taekwondo fighting in training does not simulate the affective and cognitive demands of competition: Implications for behavior and transfer. Frontier in Psychology, 9: 25.
Marzouki, I. S. and Marzouki, Y (2010) Subliminal Emotional Priming and decision Making in a simulated hiring situation. Swiss Journal of Psychology, 69 (4) : 213-219.
McMorris, T. and Beazeley, A. (1997) Performance of experienced and inexperienced soccer players on soccer specific tests of recall, visual search and decision-making. Journal of Human Movement Studies, 33: 1-13. Morris, J. S., DeGelder, B., Weiskrantz, L., and Dolan, R. J.
(2001) Differential extrageniculostriate and amygdala responses to presentation of emotional faces in a cortically blind field. Brain, 124: 1241-1252.
Morris, J. S., Öhman, A., and Dolan, R. J. (1999) A subcortical pathway to the right amygdala mediating unseen fear. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 96 (4) : 1680-1685.
Most, S.B., Smith, S.D., Cooter, A. B., Levy, B. N., and Zald, D. H. (2007) The naked truth: Positive, arousing distractors impair rapid target perception. Cognition & Emotion, 21 (5) : 964-981.
村川大輔・幾留沙智・高井洋平・小笠希将・森 司朗・ 中本浩揮(2020)サッカー選手における意思決定能 力と潜在的パターン知覚の関係.スポーツ心理学研 究,47(2):57-74.
Murphy, S. T. and Zajonc, R. B. (1993) Affect, cognition, and awareness: Affective priming with optimal and suboptimal stimulus exposures. Journal of Personality and Social Psychology, 64 (5) : 723-739.
夏原隆之・中山雅雄・加藤貴昭・永野智久・吉田拓矢・
佐々木亮太・浅井 武(2015)サッカーにおける戦
in dual process theories of thinking. Cognition, 106, 1248-1299.
Didierjean, A. and Marmèche, E. (2005) Anticipatory representation of visual basketball scenes by novice and expert players. Visual Cognition, 12 (2) : 265-283. Ekman, P. and Friesen, W. V. (1971) Constants across
cultures in the face and emotion. Journal of Personality and Social Psychology, 17 (2) : 124-129.
Ekman, P. and Friesen, W. V. (1978) The facial action coding system (FACS): A technique for the measurement of facial action. Palo Alto: consulting Psychologists Press.
Esteves, F., Parra, C., Dimberg, U., and Öhman, A. (1994) Nonconscious associative learning: Pavlovian conditioning of skin conductance responses to masked fear-relevant facial stimuli. Psychophysiology, 31 (4) : 375-385. Evans, J. St. B. T. and Stanovich, K. E. (2013)
Dual-process theories of higher cognition: Advancing the debate. Perspectives on Psychological Science, 8 (3) : 223-241.
Gupta, R., Hur. Y. J., and Lavie, N. (2016) Distracted by pleasure: Effects of positive versus negative valence on emotional capture under load. Emotion, 16 (3) : 328-337.
Hamm, A. O., Weike, A. I., Schupp, H. T., Treig, T., Dressel, A., and Kessler, C. (2003) Affective blindsight: intact fear conditioning to a visual cue in a cortically blind patient. Brain 126 (Pt 2), 267-275.
Hanin, Y. (2007) Emotions in sport: Current issues and perspectives. In G. Tenenbaum and R. Eklund (Eds.), Handbook of sport psychology (3rd ed., pp.31-58). New York, NY: Wiley
Helsen, W. and Pauwels, J. M. (1988) The use of a simulator in evaluation and training of tactical skills in football. In: Reilly, T. et al. (eds.) Science and Football, E. & F. N. Spon.
Helsen, W. and Pauwels, J. M. (1992) A cognitive approach to visual search in sport. In: Brogan, D. et al. (eds.) Visual Search Ⅱ. Taylor & Francis, pp. 177-184. Hughes, C. F. C. (1980) Soccer tactics and skills. London:
British Broadcasting Corporation.
今中國泰(2010)知覚・運動・行動における非意識性 の多様な理解.スポーツ心理学研究,37:113-121. Juruena, M. F., Giampietro, V. P., Smith, S. D., et al. (2010)
Amygdala activation to masked happy facial expressions. Journal of the International Neuropsychological Society, 16, 383-387.
Kahneman, D. (2011). Thinking, Fast and Slow. NY: Farrar, Straus & Giroux.
Kiesel, A., Kunde, W., Pohl, C., Berner, M. P., and Hoffmann, J. (2009) Playing chess unconsciously. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 35 (1) : 292-298.
Laborde, S., Dosseville, F., and Raab, M. (2013) Introduction, comprehensive approach, and vision for the future,
conceptual framework for studying emotions-cognitions-performance linkage under conditions that vary in perceived pressure. In M. Raab et al. (Eds.), Progress in brain research, 174, pp. 159-178.
Thompson, V. A. (2013) Why it matters: The implications of autonomous processes for dual process theories-Commentary on Evans & Stanovich (2013). Perspectives on Psychological Science, 8, 253-256.
Vaeyens, R., Lenoir, M., Williams, M., Mazyn, L., and Philippaerts, R. M. (2007) The effects of task constraints on visual search behavior and decision-making skill in youth soccer players. Journal of Sport and Exercise Psychology, 29: 147-169.
van Maarseveen, M. J. J., Oudejans, R. R. D., and Savelsbergh, G. J. P. (2015) Pattern recall skills of talented soccer players: Two new methods applied. Human Movement Science, 41: 59-75.
Watson, D. and Tellegen, A. (1985) Toward a Consensual Structure of Mood. Psychological Bulletin, 98, 219-235. Williams, A. M., Davids, K., Burwitz, L., and Williams, J.
G. (1993) Visual search and sports performance. Australian Journal of Science and Medicine in Sport, 22: 55-65.
Williams, A. M., Hodges, N. J., North, J. S., and Barton, G. (2006) Perceiving patterns of play in dynamic sport tasks: Investigating the essential information underlying skilled performance. Perception, 35: 317-332.
Williams, A. M., North, J. S., and Hope, E, R. (2012) Identifying the mechanisms underpinning recognition of structured sequences of action. The Quarterly Journal of Experimental Psychology, 65 (10) : 1975-1992. Williams, M. A., Morris, A. P., McGlone, F., Abbott, D. F.,
and Mattingley, J. B. (2004) Amygdala responses to fearful and happy facial expressions under conditions of binocular suppression. Journal of Neuroscience, 24 (12) : 2898-2904.
(2020.6.19 受稿,2020.11.24 受理) 術的判断を伴うパスの遂行を支える認知プロセス.
体育学研究,60(1):71-85.
Newell, B. R., Lagnade, D. A., and Shanks, D. R. (2015) Straight Choices: The Psychology of Decision Making. New York, NY: Psychology Press.
North, J. S., Hope, E., and Williams, A. M. (2017) Identifying the micro-relations underpinning familiarity detection in dynamic displays containing multiple objects. Frontiers in Psychology, 8: 963.
North, J. S. and Williams, A. M. (2019) Familiarity detection and pattern perception. In: Williams, A. M. and Jackson, R. C. (eds.) Anticipation and Decision Making in Sport. Routledge, pp.25-42.
Öhman, A., and Mineka, S. (2001) Fears, phobias, and preparedness: toward an evolved module of fear and fear learning. Psychol. Rev. 108, 483-522.
Pegna, A. J., Darque, A., Berrut, C., and Khateb, A. (2011) Early ERP modulation for task-irrelevant subliminal faces. Frontiers in Psychology, 2: 88.
Raab, M. and Laborde, S. (2011) When to blink and when to think: Preference for intuitive decisions results in faster and better tactical choices. Research Quarterly for Exercise and Sport, 82 (1) : 89-98.
Russell, J.A. and Barrett, L. F. (1999) Core affect, prototypical emotional episodes, and other things called emotion: dissecting the elephant. Journal of Personality and Social Psychology, 76 (5) : 805-819.
Sabatinelli D, Fortune EE, Li Q, et al. (2011) Emotional perception: meta-analyses of face and natural scene processing. Neuroimage, 54 (3) : 2524-2533.
Sarlo, M., Palomba, D., Buodo, G., Minghetti, R., and Stegagno, L. (2005) Blood pressure changes highlight gender differences in emotional reactivity to arousing pictures. Biological Psychology, 70, 188-196.
Tamietto, M. and de Gelder, B. (2010) Neural bases of the non-conscious perception of emotional signals. Nature Reviews Neuroscience, 11 (10) : 697-709.
Tenenbaum, G., Hatfield, B. D., Eklund, R. C., Land, W. M., Calmeiro, L., Razon, S., and Schack, T. (2009) A