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協同組合の実態 : 農業協同組合を中心として

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協同組合の実態

      ・農業協同組合を中心として一

 かねてから協同組合法理究明の前提としてその綜合的実態の把握を切望することは久しかった。もちろん、・特定の問題 の取扱いにあたっては可及的にその実態をたずねて、これと照合しながら理論展開につとめてきた。しかし、一般に、こ とに、法学の分野において協同組合の組織なり、その系統については、若干の例外はとにかくとして、その理解と認識は まことに微々たる感をふかくする。そしてこのことがまた組合の法律園係の究明と理解を一層困難ならしめているきらい がないでもない。すでにしばしば述べているように、従来の概念法学的解釈のみをもってしては、とうてい理解すること のできないと思料せられる複雑な問題があまりにも多いようにおもわれる。  右のような事情のもとにあったとき、幸い、今回﹁協同組合の実態調査−主として農業協同組合を中心として一﹂につ いて科学研究費の交書をうけて去る七月以来これに着手した。本稿はそれにもとずく報告の一部である。と言うのは、各 方面の一方ならぬ御援助によってその資料は愚見にのぼっていて、短日月をもってしてはとうていこれが整理は不可能で あるからだ。したがってこれが綜合的な報告については後日に譲るとして、とりあえず、左のように、組合員、単位農業      協同組合の実態      三九

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     協同組合の実態      四〇 協同組合、農業協同組合府。県連合会、農業協同組合府・県中央会、農業協同組合全国連合会、農業協同組合全国中央 会、農林中央金庫などの相互の構成員関係、したがって出資金、賦課金、負担金などの諸関係、言い換えると、その系統 組織如何について、さらに、かかる関係下にあるそれぞれの組合が、ことに単位農業協同組合と府・県連合会、府.県中 央会とのあいだに如何なる機構によって、どんな業務関係を有し、さらに府・県各連合会の内部機構と担当業務の実態を 分析するにっとめた。つぎに、単位農業協同組合を主体として、農業協同組合の法律的性格、組合と組合員との関係、組 合事業施設の員外者利用の可否、購買、販売事業の態様︵行い方︶などについてアンケート︵①昌ρ5↓Φ︶をした。 二  調査の対象組合の選定はぎわめて重要であるから、できれば全国的にわたることがのぞましいとは言え、それはとうて いかぎられた時間と能力をもってしては不可能のことと言わなければならない。いきおい特定範囲に限定することも余儀 ないことであろう。ここにおいて純粋農業的環境下のもの11いわゆる農業県としてみられているもの、商工業的府・県と してみられているもの、これら両者の中聞的なもの“商工業都・府・県の近郊的環境にあるものを選定した。もっともこ れらの観点も一般常識的に言われる程度のものであって厳密性をもったものではない。というのは一概に農業県、商工業 府・県などと称せられるとしても、畢寛は、それらの業務の従事者の多数の故をもって、これらに対して府県政がそれらに 重点をおいているという相対的な意義にとどまろう。したがって農業県と言う場合はその逆である。しかし、かかる環境 にある農民なり農業協同組合の役員なり、職員が農業協同組合をどう理解しているかは、きわめて興味あることである。こ こにおいて前者に属するものとして京都府、兵庫県、後者として滋賀県、岐阜県、第三種として奈良県を選定した。この 外、大阪府、三重県についても調査を企てたが、調査のための名簿はそれぞれの中央会の厚意によって入手できたけれど

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も、単位組合の主たる事務所の所在地不明のためその意を果すことができなかったことはかえすがえすも遺憾であった。  9 農業協同組合系統組織  右について、滋賀県、京都府については文書による照会とこれが確認のためそれぞれの府・県中央会へ直接出向のうえ 調査をし、その他については主として文書によった。とは言え、各駅・県中央会、各連合会、各単位農業協同組合の相互 関係はほとんどその間に差等はなかった。この点は今次調査の直接対象とした右五府県以外についても出向調査の結果は 同様であった。したがって報告例は滋賀県を引用する。  ω 単位農業協同組合は各連合会︵もっとも単位農業協同組合が当該連合会の事業施設に符合する事業をおこなってい るとぎにかぎる。たとえば、特定の単位農業協同組合が販売、購買、共済、信用、養蚕などにたいする各種事業施設をも っているときは、それぞれ経済連合会︵出資︶︵販売・購買連合会︶、共済連合会︵出資︶、信用連合会︵出資︶、養蚕乾繭 連合会︵出資︶の会員となる。︶ さらに、単位農業協同組合は府・県中央会︵賦課金︶ならびに農林中央金庫︵出資︶の 構成員である。  回 府県各連合会  ω 経済︵販・購︶連合会、これは府・県養蚕乾繭連合会︵出資︶、府・県共済連合会︵出資︶、同信用連合会︵出資︶、 府・県中央会︵賦課金︶、農林中央金庫︵出資︶、全国養蚕販売連合会︵出資︶、日本生糸販売連合会︵出資︶、全国運輸連 合会︵出資︶、全国販売連合会︵出差︷︶、全国購買連合会︵出資︶、全国新聞情報連合会︵出資︶の構成員である。  ㈲ 共済連合会 これは府・県経済連合会︵出資︶、同信用連合会︵出資︶、同中央会︵賦課、金︶の構成員。  ㈲ 信用連合会これは府・県共済連合会︵出資︶、府・県中央会︵賦課金︶、全国共済連合会︵出資︶、農林中央金庫︵出 資︶、全国新聞情報連合会︵出資︶、全国組合金融協会︵負担金︶の構成員。      協同組合の実態       四一

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     協同組合の実態       四二  ㈲ 養蚕乾繭連合会 これは府。県経済連合会︵出資︶、同中央会︵賦課金︶、全国養蚕販売連合会︵出資︶、 日本生糸 販売連合会︵出資︶の構成員。  ⑤ その他の連合会 これは府・県中央会︵賦課金︶、その他の全国連合会︵出資︶の構成員。  の 全国連合会  この種の連合会には全国販売連合会、全国購買連合会、全国共済連合会、全国運輸連合会、日本生糸販売連合会、全国養 蚕販売連合会、全国新聞情報連合会とその他の全国連合会ならびに全国中央会と農林中央金庫が存在している。これら各 連合会と全国中央会ならびに農林中央金庫との関係ぱ、全国販売連合会は全国中央会︵賦課金︶と農林中央金庫︵出資︶、 全国購売連合会は全国中央会︵賦課金︶と農林中央金庫︵出資︶、全国共済連合会は全国中央会︵賦課金︶、日本生糸販売 連合会は農林中央金庫︵出資︶、全国養蚕販売連合会は全国中央会︵賦課金︶と農林中央金庫︵出資︶、その他の全国連合 会︵全国養鶏連合会、酪農連合会、開拓連合会など︶は全国中央会︵賦課金︶と農林中央金庫︵出資︶の構成員である。 なお、各全国連合会相互間の出資関係は資料不足のため不明。  以⊥によって明かなように、農業協同組合の金融的系統組織は単位農業協同組合を底辺として、ピラミット型を形成し、 その頂点に農林中央金庫が位置している。ここに一言すべきことは各府・県中央会は全国中央会︵負担金︶の構成員のみ であり、また、これら中央会の名称からうける印象はそれぞれ下部団体の上級中央機関的性格であるが、実はそうではな く、それぞれの各連合会と同位的地位にあって、その職能が経済的活動以外の指導にあるにすぎないという機能圭の差に 由来する。従来これらの各中央会はかつて重根・県指導連合会、全国指導連合会と称せられていたのであるが、これを改 称したにすぎない。  右のように、単位農業協同組合、各府県連合会、各都道府県連合会などは、すべて出資制度によって農林中央金庫の構

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協同組合の実態 四 農 業 協 同 組 合 系 統 組 織 図 組       合       員 単   位   農   業   協   同   組   合 一   一 一    一   一   一 一  一  一   一  一 @     ¶ 一   一一     一 一  一   一   } 一   一    一 その他の A合会 養蚕乾繭 A合会 経済{購・販) A合会 共  済 A合会 信  用 A合会 その他の A合会

市●町村段階一府●県段階一  一全国段階

府・県 中 央会 一 一一u 一 一    一   一 一   一    一    一   一 一      一 一   一   一 全 国 {蚕販売 A合会 日 本 カ糸販売 A合会 全国運送 A合会 全国販売 A合会 全国購買 A合会 全国共済 A合会 全国新聞 訷齦 A合会 その他の S国 A合会 全  国  中  央  会 家のΨ

@云

全国組合 燉Z協会 農  林  中  央  金  庫 出資金記号       , 渇ロ金記号 薗S金記号 備 考 府県段階連合会申,その他の連合会には,養鶏連合会,酪農連合会,開拓連合会な    どがある。これらの連合会および養蚕乾繭連合会への単位農業協同組合の加入は直    接事業に関係あるもののみである。

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     協同組合の実態      四四 成員となっているのに反して、各都道府県中央会ならびに全国中央会は農林中央金庫の構成員となっていない。これは農 林中央金庫が制度の性質上金融関係の事業施設であり、しかしてその対象が主として経済活動︵生産、流通、消費︶にあ ること、言いかえると、それぞれの中央会はかかる意味における経済活動をするものではなく、各農業協同組合や各連合 会に対する指導を主目的とする関係上、農林中央金庫に対する依存度が高くないことに起因しているようである。  農業協同組合の系統組織を図表にすると前図のとおりである。  右の系統組織によって、たとえば、単位農業協同組合の販売・購買事業←府県経済連合会←全国販売連合会、全国購買 連合会、日本生糸販売連合会、全国新聞情報連合会へ、また共済事業は府・県共済連合会へ、信用事業は府・県信用連合 会、農林中央金庫、全国新聞情報連合会とその他の連合会へ、養蚕乾繭事業は府・県養蚕乾繭連合会から全国養蚕販売連 合会と日本生糸販売連合会べとそれぞれ直結している。これらの上位団体はそれぞれ下位団体の助成を目的とすることい うまでもない。これあたかも単位農業協同組合が組合員の経済活動を助成するのとまったくおなじである。  上述の例は滋賀県についての実態であるが、このほか、岐阜県、京都府、奈良県、兵庫県の農業協同組合の系統組織に ついては、これと大同小異につぎ、省略する。 三 農業協同組合の機構とその業務関係について、滋賀県の場合における実態は、左のとおりである。 連合会の機構は、会長←副会長←参事←各事業部のもとに若干の分課を設置している。 ① 経済農業協同組合連合会Iv会長←副会長←参事、この参事のもとに、監理室、総務部︵総務課、経理課︶、 ︵食料課、農産課、蚕糸課︶、購売部︵肥料課、資材課、輸送課︶、工場︵野洲工場、八日市工場、守山工場︶ 販売部

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」 滋賀県農業協同組合連合会の機構と業務の概要一覧表 、      . 理   事 理事会 総 務 部 総 務 擁 ム買 計  係 滋賀県農婁協同組合中央会 経営監査 経 営 係監 査  係 副△敦長 参   事 教 育 部 教 脊ロ 係. . 経営監査     ﹁農政活動、農協役職員及組合員教育 教 室︷生     [青年部、婦人部、部落紐織指導 広 報 係  営 農 係 指 導 係 推 進 係 庶 務 係一 総 務 部 係 信用農業.協同組合連合会 副会長 参   事 査 室 貯 金 業 務 鶴 圃 一﹁課 市町村農業協同組合員﹁八六組合 △置  長 農業協同組合連合会綜合運営偽議会 事 務 局   

@ 

@    組合員一人当二万二〇円米、麦類、菜種、木炭、ワラ工品、青果物、蹟菜、種苗[窒素、燐酸、加里、各種単肥、醒合飼料、化成肥料、その他無機 秘   書芽ム目運営面総 務 ≡ {共 監 理 室 総 務 部 経 理 課 率 唱 阪 売 部. 農  童 ’経済農業協同組合連合会 副会長. 参   事 蚕  糸  言 肥  料 課隔費  材  ﹂諜 購 売 部  謄⋮買  資杉   輸送  I      I     ,  , 送  課緊 野州工場 工   婁 八日市工場一 守山工場    . し共済農業協同組合連合ム軍    .総 務 総  務 係土 理 係 副会長 参   事 生太叩共済係 業 務 部 建物更生係 鴬任監卑1   .    1監事ムヨ 監査室  代表監事   1推進広報係 協同組合の実態 四五

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     協同組合の実態      四六  ② 共済農業協同組合連合会←会長、副会長←参事のもとに総務部︵総務係、経理係︶と業務部︵生命共済係、建物更 生係、推進広報係︶  ㈲ 信用農業協同組合連合会は会長←副会長←参事のもとに、総務部︵庶務係、経理係、調査係︶と業務部︵貯金課、 資金課、貸付課︶  ④ 県農業協同組合中央会は、会長←副会長←参事のもとに、総務部︵総務係、会計係︶、経理監査部︵経営係、監査 係︶、教育部︵教育係、広報係︶、営農係︵指導係、推進係︶と分課しており、また、各連合会の役員として理事と監事が あり、理事は理事会を、監事は監事会を構成して、前者は連合会の業務の決定をし、会長これが代表機関であり、後者は 連合会の監査業務を分掌すること一般会社の監査役と同一である。右連合会の機構と業務の概要を表に示すと前図のとお りである。 四 単位農業協同組合を対象として 9 準組合員を認める理由 の(ロ〉㈲ 組合事業利用の成果があがり、手数料などの組合の牧入をもたらす。 組合活動のP・Rになる 間接的に、組合員の利益となるから その他の理由 ︵注︶準組合員制に対する立法理由はのであると称されている。 ●

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口、参事の有無 ω ﹁有﹂の理由  ω 経営上の専門知識を要する  回 事業活動の繁忙のため  の 長年勤続職員優遇昇任のため  ω 法律上の制度としてあるから  ㈱ わからない ② ﹁無﹂の理由 ω 経費がない  ︹回 理事または職員で充分である  の 必要とするが適当な人がない    わからない  ⇔ 農業協同組合の性格   ω 営利団体︵組合を通じて物資を売買するとき、利益をふくめて手数料をとるから︶   ② 公益団体︵国民経済向上のような公益実現を目的としているから︶   ㈲ 助成団体︵組合員の経済活動に対する奉仕早鮨として組合員を手助けしながら、その報酬をとることを目的とし ないから︶   ω 中間法人︵0り・,回のいずれにも属しないから︶      協同組合の実態       四七

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     協同組合の実態      四八   ㈲ その他  ㈲ 組合と組合員との関係   ω 農民のためのもの⋮⋮農民が主体で組合は従。   図 組合員の活動と関係なく、独自の存在、したがって組台の経営さえうまくゆけばよく、農民には配当金など手渡 せばよい。   ⑧ その他、例、わからないなど。  国 組合事業施設の員外者利用   ω  ﹁可﹂←利用分量の最高限度    ω 無制限11理由    回 制限︵現行法の枠内、または拡大︶ロ理由 ①組合の業績があがって剰余金が増加し、組合経営に寄与する、 ②事業施設に余猶があり、組合員の利用に支障がないから    ﹁否﹂H理由 ①組合員のためのものであって、組合員以外の者の利用を認めるべきでないから、②施設に余猶が ないから、③悪用のおそれが生ずるから  ㈹ 購買・販売の助成の行い方   ω 購買例、品名︵   ︶    ω 組合員から注文をきいて同時に代金を牧卸して発注する︵代金前払い制︶    回 注文をぎいて発注、品物が到着の上、物品と引換えに代金を受けとる︵現金後払い制︶    の 注文をぎいて発注し、代金は米穀の売却代金などから控除する︵代金後払い制︶

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   ⇔ 注文をとらないで組合で自由に買入れ、①代金と引換えに︵現金払い制︶、②米穀売却代金から差引く、 ③︸ 定時期後に支払う。   ② 販売例、品名︵  ︶    9D 組合員から委託をうけて、     ①無条件委託︵代金支払い方法11一部または全部前払い、あるいは後払い︶     ②条件附︵指定値、時期、販売先指定︶    回 委託をうけないで、組合独自の計算において買取って専売する。      。  右の六項目について、アンケートをもとめ、該当項目上に○印を附するよう指示。  アンケートを求めた対象単位農業協同組合の抽出については、当該府県各中央会管下における、もっとも優秀と目され るものを選定が依頼した結果、岐阜県五二、滋賀県六〇、京都府二一、奈良県五〇、兵庫県三五、計二一八組雪中、返信 のあったものは、岐阜県四一、滋賀県三七、京都府一一、奈良県三一、兵庫県二七、計一四五組合である。したがって、 その解答比率は六割七分となっている。  なお、上述のアンケート対象組合の選定基準について  ω 財務的に欠陥のないもの  ② 事業活動が相当程度活発なもの  ③ 婦人部、青・壮年部、部落組合などの協力組織活動が活発なもの をもってし、そして右の基準の実態上の有無についての判定は各府県中央会に委嘱した。  各府県中央会において右の基準によって、具体的に選定する場合に、当該中央会の経営監査部で、右のωの観点から百      協同組合の実態       四九

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     協同組合の実態       五〇 数十試合を選出し、同中央会教育部においてその中から、右述の②と㈲の観点から終局的に抽出した。もちろん、かく言 う基準も、純粋学問的厳格性をもつものではなく、中央会の当該職員全体の主観的感じとして、いわゆる﹁よい組合であ る﹂との程度のものである︵本例は滋賀中央会である。他府県の場合も大体右による︶。  右のほか、直接、現地に出向調査したもの相当数あるも、これは、質疑調査の態様が、文書によるように規格統一する ことは困難であって、ともすると、誘導訊問的結果になるおそれの絶無は保しがたいうらみもあるため、実態調査集計か らは︸応除外する。  上述の調査対象項目中、もっとも関心をもったのは、e、口、日、㈲、国である。 五  農業協同組合の性格をどう把握しているかは、組合運営上の基本原理を左右する意味において重要であり、さらには、 農業協同組合運営の第︼線に活躍する組合役員、職員などが農業協同組合法第八条を如何に理解しているか、そして同条 と同法第一条との関係の理解の仕方、ひいては、農業協同組含法が実際上如何に運用せられているかhさらに、かかる運 用の法的合否決定についての判定資料としても重要である。  e 準組合員を認める理由として   ㈲ ﹁事業利用の成果があがり、手数料などの平入を組合にもたらす﹂とするもの、五一︵岐阜一二・滋賀九・京都 七。奈良一三・兵庫一〇︶⊥二割四分   回 ﹁組合活動のP・Rとなる﹂とするもの、三四︵岐阜三・滋賀二八・京都○・奈良二・兵庫一︶11二割二分   ㈲ ﹁闇接的に組合員の利益となるから﹂とするもの、一六︵岐阜二.滋賀五.京都○.奈良六.兵庫三︶馴一割

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  ⇔  ﹁その他﹂が、五〇︵岐阜二一・滋賀○・京都六・奈良一〇・兵庫=二︶U三割三分 となっており、そして、この解答のなかには純粋に、右のω・回・の以外の特別の理由をあげるものと、そうではなく、 ω・@、@。の、ω・回・のなどと混合的なものも相当数あった。  右によって明かなように、㈲﹁事業利用の成果があがり、手数料などの牧入を組合にもたらすから﹂が五一で、目その 他が五一とほとんど同数である。  農業協同組合に準組合員制度を認める立法理由はかならずしも明瞭ではない。ただ、ωを制度の拠点とする立場から演 繹せられることはおそらく農業協同組合の性格については営利団体的傾向にあるはずであるのに、解答者の実情はかなら ずしもそうではない。すなわち、ωの理由を採りながら、性格の項目においては公益団体とし、あるいは助成団体とする ものも相当数見うけられた。この詳細の両者の照合的調査は後日にゆずる。  口  ﹁参事﹂の有無とその理由については、   ω  ﹁有﹂のうち、   α  ﹁経営⊥の専門知識を要する﹂もの四四︵岐阜一二・滋賀=二・京都一・奈良八.兵庫一〇︶11二割九分   回 ﹁事業活動の繁忙のため﹂とするもの九︵岐阜三・滋賀三・京都二・奈良一・兵庫○︶11五分   ㈲ ﹁長年勤続職員を優遇昇任のため﹂とするもの三︵岐阜二・滋賀○・京都○・奈良一・兵庫○︶11一分     ﹁法律上の制度としてあるから﹂とするもの三︵岐阜一・滋賀○・京都一・奈良○・兵庫一︶11一分     ﹁わからない﹂となすもの四︵岐阜○・滋賀○・京都○・奈良0・兵庫四︶11二分     その他が二四︵岐阜一〇・滋賀一〇・京都四・奈良一〇・兵庫○︶11一割五分 この項目の解答中には右のω・@、0り・回・㈲などと復合的理由をあげているものも相当数あった。     協同組合の実態       ﹂五一

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     協同組合の実態      五二   ② ﹁無﹂︵参事制度を有しないもの︶のうち、    ㈲ ﹁経費がない﹂とするもの一︵岐阜○・滋賀○・京都○。奈良一・兵庫○︶ロ六厘    回 ﹁理事または職員で充分である﹂となすもの四一︵岐阜七・滋賀九・京都六・奈良九・兵庫一〇︶11二割六分    の ﹁必要とするが適正な人がない﹂とするもの一六︵岐阜三・滋賀六・京都三・奈良二・兵庫二︶11一割    ⇔ ﹁わからない﹂とするもの一︵岐阜○・滋賀一・京都○・奈良○・兵庫○︶“二分    ㈱ ﹁その他﹂が三︵岐阜○・滋賀○・京都○・奈良三・兵庫○︶n一分  右によって明かなように、参事制度を有するものは、その存置理由はとにかくとして、八七組合︵五割七分︶の多数に のぼり、そのうち、経営上の専門知識を必要とする理由のものが四四であって、この種の組合の論拠とするところは、本 制度の立法理由にも合致している。その他の組合の存置理由としてあげるものは、少くとも本制度設置の根本精神に則っ ているというよりは、むしろ、便宜主義的な観点に重点をおいていると言わなければならない。この意味において制度存 置はとにかくとして制度固有の意義を理解しないところに、本制度、ひいては農業協同組合運営上の種類の問題が派生す る素地があると言うのは過言であろうか。  なお、右のほか、参事制度を有しない組合のうち、理由をまったく記さないもの二︵奈良県︶がある。  上述の統計によると、参事制度を有する組合八七︵岐阜二八・滋賀二六・京都八・奈良︸○・兵庫一五︶h五割七分、 これに反して、かかる制度を有しないもの六三︵岐阜︼○・滋賀 七・京都九・奈良一五・兵庫︸二︶11四割一分であっ て、ほぼ相半している。  ⇔ 農業協同組合の性格について   ① 営利法人昌組合を通じて物資を売買するとぎ、利益をふくめて手数料をとるから、とするもの七︵岐阜O・滋賀

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二・京都一・奈良四・兵庫○︶“四分   ② 公益団体目国民経済向上のような公益実現を目的としているから、とするもの二八︵岐阜八・滋賀四・京都四・ 奈良八・兵庫四︶疑一割八分   ⑧ 助成団体11組合員の経済活動に対する奉仕機関として組合員を手助けしながら、その報酬をとることを目的とし ないから、とするものこ五︵岐阜五・滋賀一三・京都一・奈良二・兵庫四︶畔一割六分   ㈱ 中間法人11公益法人でもなければ、また、営利法人でもないから、とするもの六六︵岐阜二一・滋賀一一・京都 六・奈良一一・兵庫一七︶ロ四割三分   ㈲ その他に属するもののなかには、まったくわからないとするもの、あるいは、公益法人、営利法入、中間法入と するもの、公益法人と営利法人、公益早早と助成法人、公益法人、助成法人、中間法人となすもの など、多種多様であって、これを別箇の規準で細別することは、意味もないとも考えられるので、 ﹁その他﹂の項目中に 一括した。  農業協同組合の性格については、中間法人六六、公益法人二八、助成法入二五、その他二五、営利蛍雪七という順位で あり、農業協同組合を公益法人として理解しているものが意外に多いことは、農業協同組合の運営上重要なことと言わな ければならない。ただ、解答例からすると、中間法人となすものが最高数を占めることは︵かかる浜方の当否はとにかく として︶、従来、経済学ないし経営学上における一般的な考え方、ならびに法律学︵私法︶ の分野における通説的立場と 一致する。また、とくに、興味のよせられたことは、農業協同組合をもって、従来と異った立場、すなわち、助成法人説 の二五例がある。そしてこれが農業協同組合の本質的性格について合法的なものと言わなければならない。  すでに、しばしば随時論及しているように、農業協同組合は、その行う事業によってその組合員および会員のために最      協同組合の実態       五三

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     協同組合の実態      五四 大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行わない団体、すなわち、助成団体である︵農業協同組合 法第八条︶から、右の解答中の助成団体とするものにおいては農業協同組合の運営もまた合法的になされているのではな いかを推定する有力な資料となろう。  農業協同組合を助成団体と解答したものは、滋賀県﹁三を最高とし、しかも第二位に岐阜があり、兵庫がこれにつぐこ とは、いささか興味をそそる。  それはとにかくとして、中間法人説六六、助成法人説二五、合計九一︵一五一例中︶を数えることは、農業協同組合運 営の第一線上の役・職員の組合の性格に関する認識もまた、おおむね妥当な方向にあり、したがって、これが運営もかか る.線上にあるだろうとの推定をする一つの契機をあたえるものと言えるであるだろう。しかるに、他方において、上述の ように、国民経済向上のような公益実現を目的としているからを理由として公益団体とする二八例のあることはいささか 意外と言わなければならない。言うまでもなく、農業協同組合がその固有目的である助成を遂行することによって、直接 的には、主として、農民の経済的地位の向上を招来し、間接的に、その祉会的地位の維持発展を結果するとは言え、国民 経済と言うこと自体の維持発展を直接目的とするものではない。もちろん、固有目的を遂行することによって間接的には かかる事象に寄与することはあろう。しかし、従来、法律学の分野において、特定の団体が公益団体であるか、あるいは 営利団体であるかということの色別のメルクマールはその直接目的が何であるかの点であって、附随的に若しくは反射的 に果される目的の如何に存するものではない。すでに、衆知のように、農業協同組合は、助成を直接目的とするものであ るから、助成団体であって公益団体ではない。あるいは、すでに、随時、述べたように、あるいは、農業協同組合法第一 条が﹁農民の協同組織の発達を促進し、以て農業の生産力の増進を農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経 済の発展を期することを目的とする﹂点を論拠として、公益法人説を主張するものも絶無ではない。しかし、私見によれ

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ぱ、農業協同組合法第一条は、農業協同組合法の目的に関する規定であって、農業協同組合の性格についての規定ではな い。性格についての規定は同法第八条である。ただ、法は、自己の目的を実現するための手段として農業協同組合を活用 しているのであり、しかして、法は目的実現のために手段︵組合︶自体をもかかる方向むけを要求するものではなく、手 段自体の固有性を確認しながら︵この点は同法第一条の﹁農民の協同組織の発達を促進し﹂の文理解釈からも推知しう る︶、 言い換えると、農業協同組合はそれ自体として固有の目的を果さすことによって、自己固有の目的を達成しようと するにほかならない。したがって、法自体は農業協同組合の固有の性格、すなわち、助成法入としての性格を歪曲しよう とするものではない。これを要するに、農業協同組合を公益法人として観念することはあやまりと言わなければならな い。あるいは、従来の中間法人説のなかでも公益法人と営利法人との二重的性格を有するとの理由で、農業協伺組合を中 間法人となす立場からすると、右の公益八入的考え方は、その一面を把握したものとは言いうるかも知れない。とは言え 農業協同組合が組合員の経済活動を直接助成することを目的とするものであって、直接的に公益実現を目的とするもので はないし、また、営利追及を直接目的ともしない意味において、従来の公益法人、営利法人のいずれにも所属しないとの 点を強張して中間縞入となすのであれば、上述の見方はあやまりと言わなければならない︵翫粛搬喉齢鯛聾甥庶簾胸壁隠男融無肛灘嚥 醒嗣熊Ψ。  つぎに、その他の二五例は、少くとも農業協同組合の性格についての確固たる把握のないことを実証するものである。、 かかる見解を有する役・職員の組合運営には、いずれかと言えば撤謁しない点のあることは否めないであろう。  ただ、ここに附言しなければならないことは、組合の役・職員が右のような見解を有するにいたったことは、はたして 役・職員のみずからの経験と研究の結果であるのか、あるいは、行政当局ないし、上級団体、ことに、府県中央会や全国 中央会などの啓蒙教育と指導によるかはかならずしも明かではない︵アンケートによっては︶が、直接調査した例につい      協同組合の実態      五五

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     協同組合の実態      五六 ては、むしろ、後者の影響の結果であるやの感を深くする例に接したこともしばしばであった。したがって、かりに、上 述のアンケートの結果についても同様の理由に由来するとすれば、農業協同組合の指導教育面に反省すべき幾多の重大な 問題が集積せられているのではなかろうか。  私見によると、農業協同組合の運営がよろしぎを得るか否かは、一にかかって、運営当局者が農業協同組合を性格的に どう把握しているかにあると言わなければならない。そしてその把握は農業協同組合法に即した線においてでなければな らない。と言うことになると、その論拠は同法第八条である。すでに、随時論述したのであるが、同条によれば、農業協 同組合は、その行う事業によってその組合員および会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてそ の事業を行わないという、その奉仕性と非営利性貼これは二元的表現形式であるが、実は二重的表現にすぎない︵欝醐酢勘掛 錯勲ど︶。言いかえると、同条によると、農業協同組合を公益法人として公益目的実現のための使命を要求していない。他方 その営利性を否定している点に徴して、公益法人説や営利法人的見解の由来する余地はまったくない。従来、とかく、農 業協同組合を目して、営利法人、あるいは、公益法人となす所以のものは、畢寛、農業協同組合の経済活動の実態につい ての不正確な把握に由来する。と言うのは、すでに、しばしば言及したように、農業協同組合は組合員に利用せられる立 場にあって、生産ないし消費の主体は各組合員である点についての認識不足か、しらんずぱ制度自体の意義の誤解ないし 法文形式の稚拙の結果に由来する法文解釈の不合理によるとすることは過言であろうか。 ︵未完︶        昭和三五・一二・二〇

参照

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︵原著三三験︶ 第ニや一懸  第九號  三一六

経済学の祖アダム ・ スミス (一七二三〜一七九〇年) の学問体系は、 人間の本質 (良心 ・ 幸福 ・ 倫理など)

〔付記〕

京都 滋賀 大阪 奈良

日本遠洋施網漁業協同組合、日本かつお・まぐろ漁業協同組合、 (公 財)日本海事広報協会、 (公社)日本海難防止協会、

協同組合間の提携について

十四 スチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法 十五 エチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法