• 検索結果がありません。

小学校教員初任者の職務ストレスに関する研究 : 初任者特有のストレッサー及びストレス構造の検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "小学校教員初任者の職務ストレスに関する研究 : 初任者特有のストレッサー及びストレス構造の検討"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)小学校教員初任者の職務ストレスに関する研究  一初任者特有のストレッサー及びストレス構造の検討一               学校教育学専攻              学校心理学コース.                 M10038E                 和久田耕平 「保護者対応(4項目)」の4つの下位尺度から構.         問題と日的  文部科学省(2010)の調査によると,教員の初. 成されている。. 任者は1年で300人程が依願辞退し,そのうち. (3)ストレス反応尺度:成人用のストレス反応. の93人が病気を理由としている事実を明らか. 尺度として作成された曲中ストレス反応尺度. にしている。岡東・鈴木(1997)の研究では,経. (田中,2003)」を使用した。全30項目で「身体. 験年数とメンタルヘルスとの関係において,経. 不調徴候(7項目)」,rいらだち感(8項目)」,r不. 験年数1年目の教員をはじめとした若手層が最. 安感(5項目)」,「寂蓼感(4項目)」,「自信喪失感. も不健康の徴候を示しており,若手の教員が燃. (3項目)」,r高揚感(3項胃)」の6つの下位尺度. え尽きの初期段階にあることは間違いないとし. から構成されている。. ている。このような実態から,初任者への適切. (4)ソーシャル・サポート尺度:研究1で作成. なメンタルヘルス支援が急務である。. した「ソーシャル・サポート尺度」を使用した。.  .そこで本研究では,小学校教員初任者(以下,. 全24項目で,r指導教員からのサポート(6項目)」,. 初任者)のメンタルヘルス支援に役立つ知見を. 「初任者同士のサポート(6項目)」,「先輩教員カニ. 得るため,3つの目的を設定した。第1目的と. らのサポート(6項目)」,「管理職からのサポート. して,職務ストレッサー尺度及びソーシャル・. (6項目)」の4つの下位尺度から構成されている。. サポート尺度を開発する(研究1)。第2目的とし. (5)特性被援助志向性尺度=田村・石隈(2006). て職務ストレッサー,ソーシャル・サポート,. によって開発されたr普段の指導・援助サービ. ストレス反応,特性被援助志向性と初任者の属. スの中で,自分で解決するには困難な状況に直. 性(性別・担任の有無・講師経験年数)との関連を. 面したときの他者に援助を求める態度」を測定. 検討する(研究2)。第3目的として職務ストレッ. するための尺度を用いた。全13項目で「被援助. サーからストレス反応への影響過程を軸として,. に対する懸念や低抗感の低さ(7項目)」,r被援助. 緩衝要因を含めたストレス構造を明らかにする. に対する肯定的態度(6項目)」の2つの下位尺度. (研究3)。. から構成されている。.          方 法.         結果と考察 【研究1】因子分析(最尤法・プロマックス回. 1調査時期:2011年7月上旬から9月上旬 2調査対象者:1都2府2県の小学校教員初任. 転)の結果,『児童対応・授業(α=.937)』,『過. 者を対象とし,164名の有効回答を得た。. 剰労働・多忙感(α=.883)』,『学校内の対人関係. 3調査内容:. (α=、868)』,『保護者対応(α:.869)』の4因子. (1)フゴ・イスシート:性別・講師経験年数・担. が職務ストレッサーとして抽出された。. 任の有無・担当学年とその学級数を尋ねた。.  因子構造を先行研究と比較・検討したところ,. (2)職務ストレッサー尺度:研究1で作成した. 米山ら(2005)の5因子構造に対し,本研究は先. 「職務ストレッサー尺度」を使用した。全36項. 行研究の『管理職ストレッサー』と『同僚スト. 目で,r児童対応・授業(14項目)」,「過剰労働・. レッサー』の2因子が『学校内の人間関係』の. 多忙感(9項目)』,「学校内の人間関係(9項目)」,. 1因子にまとまり,4因子構造となった。このこ とは,先行研究では管理職と同僚が対人関係上 一82一.

(2) のストレッサーとして挙げられるが,初任者に. ッサー及びストレス反応等との関連はみられな. とっては自分以外が皆先輩であることから対人. かった。このことから,3年以上の講師経験を. 関係上のストレッサーの対象が未分化であるこ. もつ初任者は,講師経験が生徒指導や授業に関. とを意味すると考えられた。これは,初任者の. して活かされていることが示唆された。. 実態に基づいた対人関係ストレッサーの特徴の.  以上のことから,初任者における担任の有無. 1つであると推察される。また,本調査の設問. や講師経験による職務ストレッサー,ストレス. 項目は初任者及び2・3年目の教員を対象に行っ. 反応,ソーシャル・サポート及び特性被援助志. た予備調査を基に構成したものであり,本尺度. 向性の差異が明らかとなり,それぞれの状況に. は,初任者の実態を現実的・実際的に捉えてい. 応じた配慮が必要であることが示唆された。. ると思われる。したがって,本研究で作成した. 【研究3】特性被援助志向性のr被援助に対す. 初任者の職務ストレッサー尺度は,今後の初任. る懸念や抵抗感の低さ」がストレス反応を抑制. 者におけるストレス研究で十分に活用できるも. することが示唆された。また,r被援助に対する. のが開発できたと考える。. 懸念や抵抗感の低さ」が職務ストレッサーの一.  次に,因子分析(最尤法・プロマックス回転). 部も抑制することも示唆された。つまり,初任. の結果,『指導教員からのサポート(α=.973)』,. 者において,被援助に対する懸念や抵抗感を低. 『初任者同士のサポート(α=、965)』,『先輩教員. くすることが,職務ストレッサーやストレス反. からのサポート(α=.959)』,『管理職からのサポ. 応を抑制することに繋がる可能性が示唆された. ート(α=.952)』の4因子が初任者のソーシャ. といえる。. ル・サポートとして抽出された。この結果は..  以上のことから本研究は,初任者のメンタル. 森ら(2006)を支持するものであった。. ヘルス支援について有用な知見を得たと考える。. 【研究2】初任者の属性(性別,担任の有無,. 初任者のメンタルヘルスのあり方が後々の教員. 講師経験年数)と職務ストレッサー,ストレス. 生活全体に影響を与えることが考えられるため,. 反応,特性被援助志向性,ソーシャル・サポー. 本研究で得た知見を踏まえて,今後更に初任者. トの関連を検討し,その差異を明らかにした。. のメンタルヘルスヘの支援の具体的方略を継続. その結果,担任の有無では,職務ストレッサー. 的に検討する必要があると思われる。. の「過剰労働・多忙感」においてのみ,担任を.         今後の課題. 持たない初任者が有意に低かった。また,担任.  第1に,今後の研究において初任者を継時的. を持っていない初任者は,「寂蓼感」が有意に高. に追跡し,キャリア発達から職務ストレスの変. かった。さらに,担任を持たない初任者へのサ. 化を捉えることで,初任者におけるストレスの. ポートは全ての下位尺度において有意に低かっ. 特徴を浮き彫りにする必要があるだろう。. た。つまり,担任を持たないことで職務ストレ.  第2に,本研究では,仮説モデルに従って要. ッサーである「過剰労働・多忙感」は減少する. 因間の影響過程を個々に検討し,全体を把握し. が,ストレス反応である「寂蓼感」は上昇する. ようと試みた。今後は,包括的なモデルの検証. ことが明らかとなった。したがって,担任の有. を行う必要があると考える。. 無によって,周囲からサポートの在り方を検討 することが必要であると推察される。. 主任指導教官 浅川潔司.  また,3年以上の講師経験は,職務ストレッ.   指導教官 藤原忠雄. サーである「児童対応・授業」は減少させるこ とが明らかとなった。しかし,他の職務ストレ. 一83一.

(3)

参照

関連したドキュメント

仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必

 哺乳類のヘモグロビンはアロステリック蛋白質の典

バックスイングの小さい ことはミートの不安がある からで初心者の時には小さ い。その構えもスマッシュ

(2)特定死因を除去した場合の平均余命の延び

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を