小学校教員初任者の職務ストレスに関する研究 : 初任者特有のストレッサー及びストレス構造の検討
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(2) のストレッサーとして挙げられるが,初任者に. ッサー及びストレス反応等との関連はみられな. とっては自分以外が皆先輩であることから対人. かった。このことから,3年以上の講師経験を. 関係上のストレッサーの対象が未分化であるこ. もつ初任者は,講師経験が生徒指導や授業に関. とを意味すると考えられた。これは,初任者の. して活かされていることが示唆された。. 実態に基づいた対人関係ストレッサーの特徴の. 以上のことから,初任者における担任の有無. 1つであると推察される。また,本調査の設問. や講師経験による職務ストレッサー,ストレス. 項目は初任者及び2・3年目の教員を対象に行っ. 反応,ソーシャル・サポート及び特性被援助志. た予備調査を基に構成したものであり,本尺度. 向性の差異が明らかとなり,それぞれの状況に. は,初任者の実態を現実的・実際的に捉えてい. 応じた配慮が必要であることが示唆された。. ると思われる。したがって,本研究で作成した. 【研究3】特性被援助志向性のr被援助に対す. 初任者の職務ストレッサー尺度は,今後の初任. る懸念や抵抗感の低さ」がストレス反応を抑制. 者におけるストレス研究で十分に活用できるも. することが示唆された。また,r被援助に対する. のが開発できたと考える。. 懸念や抵抗感の低さ」が職務ストレッサーの一. 次に,因子分析(最尤法・プロマックス回転). 部も抑制することも示唆された。つまり,初任. の結果,『指導教員からのサポート(α=.973)』,. 者において,被援助に対する懸念や抵抗感を低. 『初任者同士のサポート(α=、965)』,『先輩教員. くすることが,職務ストレッサーやストレス反. からのサポート(α=.959)』,『管理職からのサポ. 応を抑制することに繋がる可能性が示唆された. ート(α=.952)』の4因子が初任者のソーシャ. といえる。. ル・サポートとして抽出された。この結果は.. 以上のことから本研究は,初任者のメンタル. 森ら(2006)を支持するものであった。. ヘルス支援について有用な知見を得たと考える。. 【研究2】初任者の属性(性別,担任の有無,. 初任者のメンタルヘルスのあり方が後々の教員. 講師経験年数)と職務ストレッサー,ストレス. 生活全体に影響を与えることが考えられるため,. 反応,特性被援助志向性,ソーシャル・サポー. 本研究で得た知見を踏まえて,今後更に初任者. トの関連を検討し,その差異を明らかにした。. のメンタルヘルスヘの支援の具体的方略を継続. その結果,担任の有無では,職務ストレッサー. 的に検討する必要があると思われる。. の「過剰労働・多忙感」においてのみ,担任を. 今後の課題. 持たない初任者が有意に低かった。また,担任. 第1に,今後の研究において初任者を継時的. を持っていない初任者は,「寂蓼感」が有意に高. に追跡し,キャリア発達から職務ストレスの変. かった。さらに,担任を持たない初任者へのサ. 化を捉えることで,初任者におけるストレスの. ポートは全ての下位尺度において有意に低かっ. 特徴を浮き彫りにする必要があるだろう。. た。つまり,担任を持たないことで職務ストレ. 第2に,本研究では,仮説モデルに従って要. ッサーである「過剰労働・多忙感」は減少する. 因間の影響過程を個々に検討し,全体を把握し. が,ストレス反応である「寂蓼感」は上昇する. ようと試みた。今後は,包括的なモデルの検証. ことが明らかとなった。したがって,担任の有. を行う必要があると考える。. 無によって,周囲からサポートの在り方を検討 することが必要であると推察される。. 主任指導教官 浅川潔司. また,3年以上の講師経験は,職務ストレッ. 指導教官 藤原忠雄. サーである「児童対応・授業」は減少させるこ とが明らかとなった。しかし,他の職務ストレ. 一83一.
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