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セメント芽細胞において細胞外カルシウム刺激はcAMP/プロテインキナーゼA依存性にFGF-2の発現を誘導する(歯学情報、受賞報告)

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Academic year: 2021

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(1)

セメント芽細胞において細胞外カルシウム刺激は

cAMP/プロテインキナーゼA依存性にFGF-2の発現を

誘導する(歯学情報、受賞報告)

著者

金谷 聡介

雑誌名

東北大学歯学雑誌

30

2

ページ

52

発行年

2011-12-28

URL

http://hdl.handle.net/10097/54272

(2)

東北大歯誌I 30: 52,2011 rbhoku Univ, Dent, J,)

(受賞報告)

セメント芽細胞において細胞外カルシウム刺激は

cAMPIプロテインキナーゼA依存性にFGF-2の発現を誘導する

2-i 金 谷 聡 介

東北大学大学院歯学研究科 口腔生物学講座 歯内歯周治療学分野

この度,平成23年度日本歯周病学

会奨励賞を拝受致しました。本稿では

受賞対象論文を含めて,筆者がこれま

でに行づてきた研究の内容を報告させ

て頂きます。

細胞外カルシウムは,骨芽細胞の増

殖と分化を刺激することにより,骨形

戌に関与していることが知られていま

す。一方,セメント芽細胞は骨芽細胞と多くの共通のフェノ

タイプを有するものの,セメント質形成における細胞外カ)レ

シウムの役割に関する報告はありません。筆者らは,セメン

ト芽細胞を10mM細胞外カルシウムで刺激を行うとFibro-biast groMh factor (FGF)-2の遺伝子およびタンパクの発現が

増強されることを兄いだし,この機構について解析を行いま

した。

マウスセメント芽細胞はSomerman博士(ワシントン大,

シアトル)が樹立した細胞(OCCM-30)を用い,細胞外Ca2+

(1,8mM-20mM)刺激は, DMEM培地にCaCi2を添加するこ

とにより行いました。遺伝子発現の解析はSYBRグリーン

を用いたリアルタイムRT-PCR法にて解析し, FGF-2タン

パクの発現はFGF-2抗体を用いた蛍光免疫染色法により解

析しました。

10mM Ca2+刺激を行うと; 6時間をピークとしてFGF-2

mRNAの発現が誘導されましたが,プロテインキナ-ゼA

インヒビター(H89)前処理によりその誘導が抑制されまし

た。さらに, Ca2+刺激は細胞内cAMPレベルを上昇させま

した。一方,プロテインキナ-ゼCインヒビター(GF-109203X), Phosphoiipase Cインヒビター(∪73122),および Ca2+チャンネルインヒビター(nifedipine)前処理は, FGF-2

mRNA発現に影響を与えませんでした。またFGF-2タンパ

ク発現の誘導については細胞外カルシウム6時間刺激で有

意な発現が認められました。以上のことから,セメント芽細

胞には細胞外カルシウムを感知する機構が存在しており,そ

の活性化はcAMP/プロテインキナ-ゼA依存性にFGF-2の

発現を誘導することが明らかとなりました。これらの知見は

新たな歯周組織再生療法の開発に有用と考えております。

I

主な論文

I) Nemoto, E・, Honda, T, Kanaya, S・, Takada, H・ and

Shi-mauch主H∴ Expression of functionaI  bii-一ike receptors and nucieotide-binding oiigOmerization domain proteins in murine cementoblasts and their upregulation during cell dif-ferentiation, J. PerjodontaL Res, 43(5) : 585-593, 2008,

2) Kanava, S., Nemoto, E〟, Ogawa, T and Shimauchi, H∴ Porphyromonas gingiVaiis fimbriae induce unique dendritic

ceii subsets via TbII-一ike receptor 2, J- Periodontai. Res.

44(4) : 543-549, 2009,

3) Nemoto, E., Koshikawa, Y., Kanaya, S., Tsuchiya, M.,

Tamura, M., Somerman, M.J. and Shimauchi, H. : Wnt

slg-naiing inh圃ts cementobiast d冊erentiation and promotes

proiiferation. Bone. 44(5) : 805-812, 2009.

4) ねda, H,, Nemoto, E〟, Kanava, S,, Hamaji, N〟, Sato, H, and

Shimauchi, H. : Elevated extraceIIular calcium increases expression of bone morphogenetic protein-2 gene via a

caicium channe一 and ERK pathway in human denta一 pu一p

ceiis, Biochem, Biophys, Res, Commun. 394(4) :

1093-1097, 2010"

5) Kanava, S., Nemoto, E〟, Ebe, Y,, Somerman, M,J〟 and

Shi-mauch主H. : E一evated extrace岨Iar ca一cium increases fibro-biast growth factor-2 gene and protein expression ieveis

via a CAMP/PKA dependent pathway in CementObiasts.

Bone. 47(3) : 564-572, 2010, 略   歴

2000年3月 東北大学歯学部卒業

2004年3月 東北大学大学院歯学研究科博士課程修了[博

士(歯学)]

2004年4月 東北大学病院歯周病科医員

(現在に至る)

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