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重要な他者と勝利志向的スポーツ態度 : 中学・高校の野球、バレーボール部員の事例

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長野大学紀要 第14巻 第2号 205-211頁 1992

重要 な他者 と勝利志向的スポー ツ態度

Significant Others and Professionalized Sport Attitudes of

Students Participating in School Baseball and Volleyball Teams

Toshiaki lijima Makoto Ogiwara

1.は じめ に この研究はスポー ツと子 どもの社会化 に関す る 研究の一環 として行 われた もので、 この小論では、 スポー ツの中で も取 り分け浸透性 と話題性が高い 野球 とバ レー ボール を組織的に行 っている中学及 び高校 の部活動参加者 を対象 として、重要 な他者 とスポー ツに対す る態度、特 に勝利志向の関係 に ついて検討 を試みた。 今 日、学校におけ る部活動 をは じめ として子 ど もの競争的なスポー ツ活動が年々隆盛 をきわめて いるが、 それに伴 い種々の問題が生 じている。 そ の一つに、スポーツ経験 を通 して、 どのような価 値志向が形成 され、強化 されるのかが問題 とされ ている。 スポー ツにおける競争や卓越す ること、 相手に勝つ ことなどの規範は、よ り大 きな社会 (産 業社会、競争社会)の規範 を強化す ることに役立 っているともいえる。 しか しなが ら、 これ らの業 績主義的規準はフェアプ レーや スポーツマ ンシッ プ といった社会 的によ り望 ましい 目標 としば しば 衝突 し、時には、競争は協 同的側面 を失 って闘争 に変質す ることもある。 一般 に、子 どもの組織的なスポーツ活動は大人 の関与に よって組織 され、管理 されている。それ ゆえに子 どものスポー ツは大人文化の影響 を強 く 受けていることは否めない。 このことは、 これ ま でのスポー ツ社会化研究によって明 らかにされて いる

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は1)、プレー、ゲーム、スポーツの 構造の相違 と子 どものそれ らの活動での主体的経 験 を検討 し、未組織ゲームでは創造性や協力す る 態度が顕著であ るのに対 し、組織的スポー ツでは 権力や権威 を受容す る態度が顕著であることを明 らかに している。また

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は2)、競争的スポーツ で重要視 される

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つの価値

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の組み合 わせか らなる勝利志向態 度の尺度

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を用 いて、 子 ども (小 ・中 ・高校生)のプ レー態度 を調査 し、 組織的スポーツでは勝利や スキルに価値 をお く態 度が形成 され易 いことを示唆 した

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と同様 の方法 を用 いた

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の組 織的スポー ツ参加者 と非参加者 (ll-12歳)のス ポー ツに対す る価値志 向の比較分析 では3)、組織 的スポー ツ参加者は勝利や スキル を重視す る傾 向 が強いのに対 し、非参加者はフェアプ レー を重視 す る傾向が強いことが明 らかにされている。 これ と同様 の結 果 が

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n5)、小椋 ・他6)、飯 島7)な どによって報告 されている。特 に飯島 (前出)は、大学生の調査 か ら、組織的なスポー ツ経験が長 い者ほ ど、 また 高度 な競争的状況に関与 した者ほ ど勝利志向の傾 向が覇頁著 となることを明 らか に している. これ ら の結果によると、組織的なス ポー ツはルールや ス ポー ツマ ンシップに従 ってプ レーす るといった社 会 的、協同的な態度 を形成す るとい うよ り、む し ろ勝利や そのための技能に価値 をお く態度形成 を 促す社会化装置 として機能 しているといえる。 さらに、勝利至上主義的傾 向や能力主義的傾 向 がスポーツにおけ る 「疎外」や 「脱落

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の 問題 を生 み 出 して い る8)0

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は9)、子 どものスポー ツへの大人の過介入が ドロ ップアウ トす る子 どもを作 ってい るこ とや、技能 重視が子 どもたちに不安 を抱かせ ていることを明 らかに している。 これ と関連 して、過度の競争的

(2)

状況か ら生ず る心理的ス トレスが子 どもの情緒安 定性 を損な うとい う指摘や10)、子 ども-のプ レッ シャーが心理 的不適応 を生み易 いこ とや11)、道徳 性の発達 に望 ましくない態度 を形成 し易 いことが 報告 されてい る1

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子 どものスポー ツに対す る価値意識や態度の形 成 に重要 な影響 を与える要 因 として、 よ り具体的 な文脈の下で、個 人 と文化の媒介者 として大 きな 影響 力 を持つ人物、すなわち「重要 な他者」(signifi -Cantothers)の存在 を無視す るこ とはで きないだ ろ う。 これまでの研究報告 を概観す ると、スポー ツ社会化範例 に基づ く、SnyderとSpreitzer13)14)、 Greendorfer・他15)16)、深沢17)、飯島18)な どの研究 (大人、特に親 の影響が大 きいことや、先生や友 達の影響 など)や、役割モデ リング法によるBrim とWheelerの研究 (仲 間の影響 につ いて)や19)、 認知 論 的視 点 か らのMcElroyとKirkendallの 研究 (親の影響が強いこと)20)などがある。 さらに 子 どもの勝利志向態度に コーチの影響が強 く働 い て い るこ とを結論づ け るAlbinson21)及びVaz22) の研究報告が ある。一般 に、子 どものスポー ツ態 度に大 きな影響 力 を持つ重要 な他者 として、親、 友達、学校の先生や コーチ二近隣の大人などを上 げ ることがで きるが、特 に親 は大 きな影響力 を持 つ ようである。 また、重要 な他者の役割は子 どもの性 タイプに よって異なるようである。 これ までのスポー ツに 対 す る態 度、特 にWebbが 提 起 した勝 利 志 向

(professionalizedsportattitudes)に関す る研究 では、勝利志向態度は、女子 よ り男子の方が強い ことが明 らかに されてい る (Webb2)、Petrie23)、 MaloneyとPetrie4)、KiddとWoodman5)、Loy・

他24)、McElroyとKirkendall20)、飯 島7)な ど)0 McElroy・他 (前出)は、スポー ツプログラム参 加者 (ll-18歳)の勝利志向態度 と親の心理的サ ポー トとの関係 を調べ、親の心理的サポー トは男 子の勝利志向態度 と有意 な関連性があるのに対 し、 女子の勝利志 向態度 とは関連性が認め られないこ とを報告 している。 スポーツ態度 にみ られ る性差 は伝統的なステ レオタイプ的性別役割、特 に業績 主義的規準 をめ ぐる男女の社会化 の差異によるも のであ り1)23)、主 に社会化過程の早 い時期 におけ る 要 因 (重要 な他者)の影響 によるもの とみ られて いる25)。スポーツ態度は、基本的には性別役割の社 会化 に大 きく影響 されていることが示唆 され る。 しか も、子 ども期 におけ る勝利志向態度は成人期 を通 して持続 され る傾 向が強いこ とが、小椋 ・他 の成人 (男子) を対象に行 った遡及的調査 で明 ら かにされている6)。このことか らも、子 ども期 にお け るスポーツ態度研究の重要性が示唆 され る。 以上、本研究 を進め る上で重要 と思 われ る問題 点 と先行研究について通観 を試みた。 なお筆者た ちは本研究の一環 として、小学校高学年の児童、 すなわち組織的なスポーツ活動への参加 を求め、 且つ性役割習得の社会化が重要視 され る時期 にあ る子 どもを対象に、 スポー ツ社会化 のパ ラダイム に依拠 し、重要 な他者、特 に親 のサポー トの程度 と勝利志 向態度の関係につ いて検討 し、男女児 と も、 この時期 においては両者の間に明確 な関連性 は認め難い とす る結果 を得 てい る。 ここでは、認 知論的視 点か ら、中学期 と高校期 におけ る部活動 参加者一 男子は野球、女子はバ レー ボールー を対 象 として、重要 な他者のタイプ及び親 の心理的サ ポー トの程度 と勝利志 向態度 の関係 につ いて、 Webbの勝利志向態度の概念 を用 いて検討 してみ たい。 この分析 は、性別に行 われ性差 について も 検討がなされ る。 ⅠⅠ.対 象 と方法 上述の 目的 を遂行す るために使用す る資料は、 上 田市及びその周辺に所在す る中学 (

7

校) と高 校 (

9

校)の野球 (男子) とバ レー ボール (女子) の部活動参加者か ら収集 された中学男子279名、女 子291名、高校 男子279名、女 子206名 の標本 であ る。標本の学年別構成比は、中学については

1

年 男子34.1%(女子37.1%)、 2年男子36.2%(女子 34.7%)、 3年男子29.7% (女子28.2%)であ り、 高校 につ いては1年男子41.2%(女子39.8%)、 2 年男子26.9%(女子33.5%)、 3年男子31.9%(女 子26.7%)である。調査時期 は1990年6-7月で ある。調査法は質問紙法による。調査票の配布及 び回収 は顧問教 師 または学級担任 の協力 を得て行 われた。 なお上述の標本数 は回収不能票及び集計 不能票 を除いた集計票数 であって、集計率 は中学 男子76.2%(女子88.7%)、高校 男子75.8%(女子 93.9%)である。

(3)

207 長野大学紀要 第14巻 第2号 1992 表1 Webbq)勝利志向態度 (professionalization)のスケール2) GameOrientation PlayOrientation ProfessionalOrientaion 1 2 3 4 5 6 Fair Fair Play Play Beat Beat Play Beat Fair Beat-Fair Play Beat Play Beat Fair Play Fair スポー ツに対す る勝利志向態度 は、Webb(前 出)のThreeItem PlayScaleとほぼ同様のスケ ールによって測定 されたoすなわちゲームをす る 時、 (ア)できる限 りの最善 を尽 くす (プレー)、 (イ)相手に勝つ (ビー ト)、 (ウ) フェアにプ レ ーす る (フェア)の

3

項 目の うち、 どれを最 も重 視す るか を重要 と思 う順に順位づ け ることを求め、 その等級付けか ら回答者の勝利志向の程度 を評定 した。 このスケールは6段階か らな り、勝利志向 の最 も低 い段階 (1位 フェア、 2位 プレー、 3位 ビー ト)か ら勝利志向の最 も高い段階 (1位 ビー ト、 2位 プ レー、 3位 フェア)へ と連続す るもの と考 えられているが、 ここでは統計的処理上の都 合か ら細分化す ることを避け、「プ レー志向型」と 「勝利志 向型」 とにゲーム志向を類型化 して集計 ・整理 した (表1参照)0 重要 な他者については、「親、友達、先生 ・コー チ、その他」の うちで、回答者がスポー ツを行 う ことに最 も関心 をもっている人はだれか、の質問 項 目に対す る回答によって決め られた。 子 どものスポー ツ活動に対す る親の心理的サ ポ ー トの程度については、回答者に 「自己のスポー ツ能力に対す る親の評価」及び 「自己のスポー ツ 成績に対す る親の期待度」の2項 目について、 5 段階評定 によって回答す るように求めた。 この認 知 された親の心理的サポー トの程度は、 3段階評 定 (低 い、中間、高い)によって集計 ・整理 され た。 ⅠⅠⅠ.結果 と考察 勝利志向的なスポーツ態度 と重要 な他者の関係 を調べ るために Ⅹ2-検定が用 い られた。表

2

は、重 要 な他者のタイプ と部活動参加者の性の関係 を中 学、高校別 に示 した ものである。 中学、高校 とも、 重要 な他者の タイプ と性 との間に有意な関係が認 め られ る (p<0.01-0.001)。性差 は、特 に親 を め ぐってみ られ る。全体的に眺め ると、中学及 び 高校 の男女 とも、最 も重要 な他者 として親 を選ぶ 者がかな りの高率 を示 し(61-77%)、次いでその 他 ・不明 を除 くと、友達、先生 ・コーチの順 であ るが、親 を最 も重要 な他者 とす る者は、中学では 男子 より女子の方が多いのに対 し (女子75.3%、 男子65.9%)、高校 では逆に女子 よ り男子の方が 多 いことは興味あることである (男子76.7%、女子 60.7%)。さらに重要 な他者の タイプにつ いて、中 学 と高校 の同性間の比較 をした結果によると、男 女 とも有意差が検 出され (男子 p<0.05、女子p <0.01)、親 を最 も重要 な他者 とす る傾 向は、女子 の場合は高校生 よ り中学生の方が顕著であ るのに 対 し、男子の場合 は中学生 よ り高校生の方が顕著 である。 この学校段階にみ られ る男女間の相違及 び同性間の相違は、 甲子園を目指す子 どもの野球 に対す る親の関心の高 ま りが反映 された ものであ るのか もしれない。 この ような高校野球の親一 子 セ ッ トの関係 は、飯島のプ ロ野球選手の遡及的調 査結果27)と一致す るものである。先生 ・コーチを最 も重要 な他者 とす る者が中学のみならず高校にお いて も最 も低率 (3-10%)であ るこ とは注 目さ れ る。 表3は、部活動参加者のゲーム志向 (プ レー志 向」 捗利志向)の状況 を学校段 階別、性別 に示 し た ものである。 この二分法 (プ レー志向」 捗利志 向)よると、中学は、男女 ともプ レー志向優位 (男 表2 部活動参加者の性別重要な他者のタイプ (%) 中 学 高 校 重要な他者 男子 女子 男子 女子

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親 友達 先生 ・コーチ その他 ・不明 ) 7 1 7 5 6 ・ 0 0 4 8 6 2 6 1 1 ) 7 3 7 2 9 ・ 7 6 9 5 8 2 7 ) 3 6 0 1 1 ・ 9 5 8 3 3 2 7 1 ) 9 4 7 0 97 5 5 9 9 2 6 1 Ⅹ2(3)-19.243 Ⅹ2(3)-15.125 p<0.001 p<0.01 (備考)男子は野球、女子はバ レーボール (以下、同様 である) 中 ・高男子差 :x2(3)-9.347p<0.05 中 ・高女子差 :x2(3)-15.109p<0.01

(4)

表 3 部活動参加者の性別ゲーム志向 (%) 中 学 高 校 ゲーム志向 男子 女子 男子 女子 (N) (279) (291) (279) (206) プレー志向 55.9 63.2 33.0 42.2 勝利志向 44.1 36.8 67.0 57.8 Ⅹ2-3.168 Ⅹ2-4.362 p-<0.1 p<0.05 (備考)中 ・高男子差:Ⅹ2-29.729 P<0.001 中 .高女子差 :Ⅹ2-21.447 p<0.001 子55.9%、女子63.2%)であるのに対 して、高校 は、男女 とも一変 して勝利志向優位 (男子67.0%、 女子57.8%)となることは注 目され る (中学 と高 校 の同性間の差 は男女 ともp<0.001 )。性差につ いては、中学の場合、 この二分法か らは統計的に 性差の存在 は認め難いが (p<0.1)、プ レー志向 重視 の傾 向は男子 よ り女子の方が強い といって差 し支 えなか ろう。高校 の場合 は、 この二分法にお いて も性差の存在が認め られる(p<0.05)。勝利 志向重視の傾 向は女子 よ り男子の方が強いようで あ る。 これ らの結果か ら、中学期 では、スポー ツ の協 同的側面やプ レー要素 を維持す るこ とを重視 す る態度が強いのに対 し (特 に女子)、高校期 で は、身体的卓越性や スポー ツにおけ る成功 を重視 す る態度が顕著 となる (特 に男子) こ とが示唆 さ れ る。 この傾 向は、 スポー ツの高度化の程度 と一 致す るもの とみ ることがで きる。 重要 な他者の タイプ とゲーム志向 (プ レー志向 表 4 重要な他者のタイプとゲーム志向 中 学 性別 ・ 先生・ ゲーム志向 親 友達 コーチ -勝利志向)の関係 につ いては、表 4に示 した通 りである。中学男女 と高校女子では、重要 な他者 の タイプ とゲーム志向 との間になん らの関連性 も 存在 しないようである。しか しなが ら高校 男子 (野 球)の場合、両者の間に有意 を関連性が認め られ る (p<0.05)o この結果は、先生 ・コーチなどが 部員の勝利志向的なスポー ツ態度に大 きな影響 を 与えていることを示唆す るものである (勝利志向 が8割強)。一方、友達の影響 は必ず しも勝利志向 的なスポーツ態度 と関係があるとはいえないよう である (プ レー志向が5割強)o先生 ・コーチの影 響力の強 さは高校女子バ レー ボール部員に もみ ら れ る(勝利志 向が8割強)。 しか しなが ら統計的に は有意 とは認め難い。 次に、勝利志向的なスポー ツ態度は親の心理的 サポー トの程度によって差異があるか を検討 して み よう。表5、 6は認知 された親の心理的サポー トの程度- スポー ツ能力に対す る親の評価及びス ポー ツ成績 に対す る親 の期待 度- とゲー ム志 向 (プ レー志向一勝利志 向)の関係 について、学校 段階別、性別 に分析 した結果である。 ここで、特 に親一 子の関係 を取 り上げた理由は、親 は子 ども が最初 に出会 う社会化のエイジェン トであ り、子 どものスポーツについて も大 きな影響力 を持つ存 在 であると考 えたか らである。 このことは、表

1

の結果か らも明 らかにされている。表5の子 ども のスポーツ能力に対す る親の評価 の程度 とゲーム 志向の関係 についての分析結果 では、中学及び高 校の男女 とも、両者の間になん らの関連性 も存在 (%) 親 他 明 の 不 そ ・ ・ チ 校 地 L 高 雄 男 子(N) (184) (43) (27) (25) (214) プレー志向 56.6 51.2 48.1 68.0 33.6 勝利志向 43.5 48.8 51.9 32.0 66.4 女 子(N) プレー志向 勝利志向 ) 0 0 3 ・ 2 3 7 ( 1 8 ) 8 3 6 ・ 1 8 1 ( 1 8 ) 8 2 62 3 6 ( 5 4 Ⅹ2(3)-2.563 p>0.05 Ⅹ2(3)-10.767 p<0.05 4 ・ 3 7 2 ( 4 5 ) 7 3 81 6 3 ( 1 8 ) 3 7 92 8 1 ( 4 5 ) 2 8 5 ・ 2 3 6 1 4 5 ) 4 6 8 ・ 3 8 1 ( 6 3 ) 4 6 9 ・ ( 4 5 4 5 ) 0 0 5 ・ 2 8 2 ( 6 3 1 6 4 9 ・ 1 2 7 2 6 3 x2(3)-2,094 p>0.05 x2(3)-5.629 p>0.05

(5)

209 長野大学紀要 第14巻 第2号 1992 表5 認知された親の心理的サポートの程度とゲーム志向 (1)(%) 性別 ・ ゲーム志向 低い スポーツ能力に対する親の評価 中 学 高 校 中間 高い 低い 中間 高い 男 子 (N) プレー志向 勝利志向 女 子 (N) プレー志向 勝利志向 ) 6 4 5 ・ 1 9 0 1 2 7 ) 0 0 3 2 5 5 1 3 6 ) 6 4 1 , 4 6 3 ( 3 6 ) 0 0 6 ・ 8 4 6 ( 6 3 ー 5 5 1 ・ 2 4 1 1 5 5 ) 6 4 27 8 1 ( 4 5 Ⅹ2(2)-3.905 p>0.05 x2(2)-1.006 p>0,05 ) 3 7 3 ・ 3 3 6 ( 3 6 ) 1 9 41 2 7 1 4 5 ) 5 5 9 ・ 5 7 2 ( 4 5 ) 2 8 7 ・ 6 5 4 ( 5 4 ) 3 7 4 ・ 6 8 1 1 6 3 ) 3 7 06 8 1 ( 5 4 x2(2)-4.274 p>0.05 Ⅹ2(2)-1.732 p>0.05 表

6

認知された親の心理的サポートの程度とゲーム志向(2)(%) 性別 ・ ゲーム志向 低い スポーツ成績に対する親の期待度 中 学 高 校 中間 高い 低い 中間 高い 男 子 (N) プレー志向 勝利志向 女 子 (N) プレー志向 勝利志向 ) 7 3 6 ・ 0 6 3 2 2 7 ) 7 3 0 ・ 6 1 8 ( 5 4 ) 2 8 3 ・ 1 6 3 ー 4 5 ) 9 1 78 2 7 1 5 4 ) 9 1 8 ・ 6 0 9 ( 6 3 ) 5 5 4 ・ 2 2 7 ( 6 3

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2(2)-0.670 p>0.05 Ⅹ2(2)-14.178 p<0.001 ) 3 7 5 ・ 9 5 4 ( 2 7 ) 4 6 4 ・ 9 6 3 ー 5 4 ) 8 2 7 . 1 8 1 ー 5 4 ) 1 9 7 ・ 5 4 5 1 5 4 ) 0 0 0 ・ 0 2 8 1 7 2 ) 4 6 4 ・ 3 9 0 ー 7 2 Ⅹ2(2)-12.717 p<0.01x2(2)-20.846 p<0.001 しないようである。 しか しなが ら表

6

の、子 ども のスポー ツ成績に対す る親の期待度 とゲーム志向 の関係 についての分析結果では、中学男子 を除い て、高校 男子及び中学 と高校 の女子で両者の間に 有意な関連性が認め られ る (p<0.01-0.001)0 高校 の野球部員及び中学 と高校 の女子バ レーボー ル部員の場合、 自己のスポー ツ成績について、親 の期待度が高い と認知す る者は低 い者に比べて、 勝利志向的なスポー ツ態度 を示す者が多い (高校 男子 「高い」73.8%、「低 い」53.8%。 中学女子 「高 い」45.9%、「低 い」20.6%。高校女子 「高い」74.7 %、「低 い」41.2%)。一方、親の期待度が低 い と す る者は高い者に比べて、プ レー志向を重視す る ものが多い (高校 男子 「低 い」46.2%、「高い」26.7 %。 中学女子 「低 い」79.4%、「高い」54.1%。高 校女子 「低 い」58.8%、「高い」25.3%)。以上の 結果によると、質問項 目の間に統計的に一貫 した 傾 向は兄い出 し難いが、親 の心理的サ ポー トは、 中学の男子は例外 として、性 タイプに関係 な く、 なん らかの形で子 どもの勝利志向的なスポーツ態 度に影響 を与えていることが示唆 され る。 この結 果は

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・他 (前出)の性差が存在す ると い う報告 と異なるようである。

Ⅳ.

ま とめ 子 どものために組織 されたスポー ツが勝利第一 主義的傾 向や能力主義的傾 向を強め るに連れて、 子 どもの態度形成の面で も種々の問題 を生み出 し

(6)

てい る。 しか しなが ら現状 では、 それに関す る体 系的 な研究が不足 してい る。 この小論 の 目的は、 野球 (男子) とバ レー ボール (女子)の部活動参 加 者のスポー ツに対す る態度、特 に価値志 向 と重 要 な他者の関係 につ いて、Webbの勝利志 向態度

(professionalizedsportattitudes)の概 念 を用 い て検討す るこ とであった。 この分析 ・検討 は、統 計的処理上 の制約 に よ り 「プ レー志向」 と 「勝利 志 向」の二分 法 によって行 われた。結果 は、次の よ うに要約す ることがで きる。 (1) 「プ レー志向」 と 「勝利志 向」の二分法か ら眺め た野球 (男子) とバ レー ボール (女子)の 部 活動参加者の スポー ツ態度 は、 中学期 では男女 ともプ レー志 向優位 の傾 向が強いが (特 に女子)、 高校期 では男女 とも勝利志 向優位 となる (特 に男 千)0

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2

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彼 ら (彼女 ら)の最 も重要 な他 者は親 であ る。親 を最 も重要 な他 者 とす る傾 向は、野球 (男 千) の場合 は中学 よ り高校 において演者 であ るが、 バ レー ボー ル (女子) の場合 は高校 よ り中学 の方 が顕著 であ るoバ レー ボール (女子)のケー スは 一般 的 な傾 向 を示す ものであ るが、野球 (男子) の場合 は特別 なケー ス とみ るべ きであろ う。先生 ・コー チ を最 も重要 な他者 とす る者が極 めて低率 であ るこ とは注 目され る。 (3) 高校 の野球部月 にのみ重要 な他 者の タイプ とスポー ツ態度 との間に有意 な関係が認め られた。 勝利志 向態度 は、特 に先生 ・コー チの影響 と関連 が強い よ うであ る。 これに対 して、友達 の影響 は 必ず しも勝利志 向態度 と関連す る ものではない よ うであ る。

(

4

) 2

項 目か ら眺め た親の心理的サ ポー トの程 度 と子 どもの勝利志 向態度 との間に、統計的に一 貫 した傾 向は兄 い出 し難 いが、性 タイプに関係 な く (中学の野球 を除いて)関連性が存在す るよう であ る。親か らす ぐれたスポー ツ成績 をあげ るこ とを期待 されてい る と認知す る者ほ ど勝利 を重視 す る態度 を持 ち、一方、親 の期待度が低 い とす る 者ほ どプ レー志 向重視 の態度 を持つ よ うであ る。 (5) (1)の中学か ら高校 にかけてみ られ るスポー ツ態度の大 きな変化 につ いては、本研 究の結果か らは明 らかに し難いが、一つ には、態度変容 の結 果 として、 もう一つ は、高校 スポー ツの高度化 に よ り勝利志 向的 な態度 を持つ者が選別 され るため とみ るこ とがで きる。 いずれに して も重要 な他者 の影響- 般的には親の影響や特 に野球 において は指導者 の影響- は無視 で きない要 因であ る。 (いい じま としあ き 非常勤講師) (お ぎわ ら まこ と 助教授) (1992. 6.30受理) 参考文献

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m-211 長野大学紀要 第14巻第2号 1992

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表 3 部活動参加者の性別ゲーム志向 ( %) 中 学 高 校 ゲーム志向 男子 女子 男子 女子 ( N) ( 2 7 9 ) ( 2 91 ) ( 2 7 9 ) ( 2 0 6 ) プレー志向 5 5

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