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英語における語順の機能 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

著者

山中 桂一

著者別名

Keiichi  Yamanaka

雑誌名

dialogos

4

ページ

113-142

発行年

2004-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005020/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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英語における語順の機能

山 中

桂 一

  Our is】ander loved his island very much. In early spring, the little ways and glades were a snow of blackthorn, a vivid white among the celtic st川ness of close gTeen and grey rock, black birds calling out in the whiteness their first long. triumphant calls. After the blackthorn and the nestling primroses came the blue apparition of hyacinths, like e田nlakes and slipping sheets ofblue. among the bushes and under the glade of trees. And many birds with nests you could peep into, on the island all your own. Wonderful what a great world it was! Followed summer, and the cowslips gone、 the wild roses faintly fragrant through the haze. There was a field of hay, the foxgloves stood looking down. In a httle cove, the sun was on the pale granite where you bathed、 and the shadow was in the rocks. Befbre the mist came stealing, and you went home through the ripen− ing oats, the glare of the sea fading from the high air as the foghorn started to moo on the other island,(Lawrence,“The Man Who Loved Islands,”)   本題にはいるまえに、すこし解説が必要なようである。若いころのD.H. Lawrenceは異常語法(soloecism)をきわめて大胆に使用したが、うえの文 章などはあまりに感傷的・独善的で、どちらかといえば悪文の部類にはいる のではないかと思われる。   まずln early spring, the little ways and glades were a snow of blackthorn,こ こでは、サンザシの咲き乱れる谷あいの小径を雪景色に見立てるというかな り突飛な視点がいきなり等式的隠喩のかたちで提示されており、読む者に一 瞬とまどいを与える。つぎにくる2つの語順倒置はルールにかなっているが、

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Wonderful what a great world it was!となると、意昧の見当はついても構文を解 析することは難しい。WonderfuJは修飾語なのか、それとも Wonderful how...! という構文と通常の感嘆文が混清を起こしているということなのだろうか?  Fo!Jowed summer.にも驚かされる、本動詞だけを文頭に引き上げるこの種 の倒置はW. Tyndale(1492?−1536)が聖書訳で愛好したことで知られている が(e.g、“Brought they”,“Went Jesus.s’)、もともとルターのドイツ語に影響さ れた外来語法と受け取られており、英語としてあまり据わりの良い表現では ない(Steiner l958:216)。そのため現代の文章に用例を見ることがきわめて 稀であるだけでなく、理論的見地からも、アラビヤ語、イタリア語、ロシア 語などと違い、動詞の活用形に主語情報が包含されない英語その他では、そ もそも一般原理に反する形式であるとされる(Baker 2001:40)。  さいこの1文にも一瞬とまどう。けれども、これは語順倒置ではなくて、 接続詞andの使い方が変わっているだけのようである。  こうした種々の異常語法には、一般にそれなりの文体的な理由があると考 えられている。たとえば話し言葉で、うわずった声は感情の高まりの信号と して受け取られるが、語句の並び順の乱れにもこれと同種の対応関係を予想 するのである。この章では異常語法そのものは扱わないが、文法と文体との ちょうど中間に位置する語順倒置という現象を、その意昧機能という角度か ら総括してみることにする。文の止め方だけが固定していて、項(=名詞句) の配列が自由な日本語にくらべ、英語の場合、語順には無視できないパタン と機能があるからである。 1 語順と言語タイプ  語順(word order)という用語は、たとえばlonly saw Fred.とすべきかI saw only Fred.とすべきかというような些末的な議論のうえでは何ら支障がな い(cf. Crystal l 984:19)。しかしこの用語のもつく語の並び順〉というニュ アンスは、語順にかかわる一般的な問題を見わたすにはあまり適切でなく、

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この問題を本格的に扱おうとすれば等位接続における要素順、形容詞の前位 置ノ後位置、列挙において順序のもつ修辞的効果、節の順序、文や段落の順序

その他、広い範囲を一括しうるもっと一般的な術語が必要である(cf.

Gemsbacher&Hargreaves l 992)。上のような簡単な例も、現実には語と主要 統語範疇とが見かけのうえで重複しているだけで、語順の名のもとで議論さ れうるとしても、じっさいには句(phrase)のレベルの問題である、この論 文でも句のレベル、正確にいうと主要統語成分(major syntactic units)のll頂序 を中心的にあつかう。  英語と日本語との比較からも分かるように、このレベルにおける配列上の 特徴は言語のタイプと密接に相関している。この相関関係がもっともはっき

り現われるのは、いわゆるSOV語順(たとえば日本語)と*VO語順(SVO

かまたはVSO。たとえば英語は前者)との違いで、だいたい次のように類型 化できる。 *VO 主語優勢言語(対格型言語) s・v 主題優勢言語 能格型言語  日本語にはいわゆる二重主語文(「象は鼻が長い」)、ウナギ文(「ぼくはウ ナギだ」)、受身形の多様性(受け身、敬譲、利害、可能)など、いっけん特 異な現象が見られるが、これらはすべてSOV語順をとる主題優勢言語として の特徴で、必ずしも日本語だけに固有の現象ではない。のみならず、修飾語 や所有格が名詞のまえにくる、前置詞でなく後置詞(=助詞)を用いる、な どの特徴とも関係している。SVO言語である英語はほぼこれと反対の性格を もつと考えてよく、二重主語やウナギ文は原則として許されず、受け身は能

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動文と意味内容が等しく、修飾語や所有格は名詞のうしろに立ち(この点は、 理論的予測と完全には合致せず、関係節以外の修飾語はふつう名詞のまえ、 所有表現には前位置の‘sと後位置のofとの2形がある)、前置詞が用いられる。  これはあとではっきりしてくることであるが、語順移動の方向についてい えば、日本語では後方への引き下げが文体的価値をもつのに対して、英語で は前方への引き上げが種々の機能を負わされている。  英語は、際立った特徴のひとつとして、文法的意昧を表わすのに語順を利 用する。そのために、文法関係や文の種類を一意に保つうえで、安定した基 本語順をもつことが不可欠である。これに対して、日本語では同じ目的のた めに助詞や終助詞が使われるので、語順に対する拘束が少なくてすむ。  こうした諸条件のもとで考えると、語順とはつぎのような参照枠にてらし つつ検討すべき問題であることが分かる(cf. Enkvist l982)。繰り返すまで もなくこれは文レベル(文内部)に限定した問題設定で、大きく要素の順序 という点からいえば、文順、文段構成、主題展開、テクスト構成、推論形式 (帰納法、演繹法)、その他、いわゆるテクスト文法(text grammar)で扱わ れる諸問題に隣接している。 語順の機能 1)言語タイプとのかかわり(主語優勢、主題優勢、固定語順、自由語順) 2)節の機能とのかかわり(平叙文、疑問文、主節、従節、その他) 3)統語機能との表示(S、0などの格関係の表示、掛かる範囲との関係) 4)情報の優先順とのかかわり(新情報・旧情報の提示のしかた) 5)焦点化の表現手段とのかかわり 6)主題の展開とのかかわり 7)文のバランス、リズム、類像性 たとえばうえの例文で見たような「倒置」は、言語タイプや英語の統語特

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性とは別のレベルの、主として表現技術、テクスト・ストラテジーの領域に 属する問題である。項目でいえば(4−7)に該当すると予測され、したがって、 もっぱらそこに挙げられたような諸概念を使って説明される必要がある. 2 語順の記述  英語の文レベルにおける語順のバリエーションを統一的に記述するために、 便宜的につぎのような略記法を用いることにする。Sは主語、 Mは助動詞、 V は本動詞、Xは、いわゆる基本5文型に当てはめていえば、直接目的語およ び補語(C)、目的語(0)その他を取りまとめた符合として使用する。二重 目的構文の場合には統語成分がもう一個ふえるので、この構文については扱 いを別にする必要がある。助動詞と本動詞が分離していない場合にはM−V (2−3)のようにハイフンで結んでしめす。文の必須要素でない要素について は適宜adv(副詞句)、 conj(接続詞)など小文字の略号をもちい、たとえば 副詞が時の副詞であるか場所の副詞であるかなどの区別はいまの段階ではお こなわない。

S+M+V+X (+Y)

1 2 3 4  (5)  この表記にしたがうと、冒頭の例文における2つの語順倒置はそれぞれつ ぎのように記述されることになる。細かくいえば、Black birds[were]ca11− ing out in the whiteness their first long、 triumphant callsの前置詞句についても おそらく倒置を指摘することができるが、ここには随意的な要素が関係して いるのでそこまで記述するには精度をもう一段上げる必要がある。 1)After the blackthorn[_]came the blue apparition of hyacinths.     adv      V−M       S

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2)Followed summer. and the cowsljps gone[_]   V−M   S  ただ、あらかじめ注記しておかねばならないのは、この図式では文におけ る語順の移動という問題圏を包括的にあつかうことは出来ないという点であ る。そのことは通常の語順倒置についても、いわゆる自由語順についても追 いおい明らかになるが、この論文は倒置現象の包括的な記述でも特定の語順 移動の詳細な分析でもなく基本的な機能の割り出しを意図しているので、い まはこの方式によることにする、  念のために、この方法から生じる問題点を指摘しておく。言うまでもなく、 文の主要成分には大ざっぱに見ても3個(John−has−been walking.)から5個 (1−M−find−it 一 strange.)までのばらつきがあるうえ、 Xとしてまとめられ た項にも次のような種々の要素に関係している。(Xの中心語は大文字で、付 属語は小文字で、たとえば形容詞=A、a、名詞=N、 n、前置詞=P、 pのよ うに表記する。)

X=

φ (0)+O

C

like+N CIause P+n, etc.  したがって、問題となる点は、概略つぎの三つの場合であると予想される。 ①ここにXとしてまとめられた項目相互間で語順に関して振る舞いが異なる ケースは、記述の精度を各項目のレベルまで上げて行かない限り取り扱うこ とができない、②上記のさらに外周にくる要素(たとえば副詞、各種の前置

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詞句、to不定詞)ないし否定詞、接続詞、関係詞が語順移動と連動する場合、 それらの現象を適切に取り込むことができず、やはりこの記述式の拡張が必 要になる。③うえで採用している仮説形M+V(たとえばPast+find)とその 実現形(たとえばfound)とでは順序の移動に関して統語上無視しえない違 いがあり、すくなくとも両者は別形として扱わざるを得ない。  このような留保のもとに、まず倒置の型だけを点検する。そこにどんな意 味機能がともなうかはつぎの章で検討する。  ふつう倒置は主部と動詞の定型部(=助動詞Mかまたは定動詞V−M)の位 置関係が逆転するかどうかによって全倒置(full・inversion)と半倒置(semi− inversion)とに二大別される。この二つをことさら区別する理由は、いわゆ る倒置という現象がその機能から見ると文法的・義務的な語順の転換から文 体的・随意的な語順の転換にかけて傾斜をなしており、前者がもっぱら文法 的倒置だけにかかわるからである。 ・全倒置=動詞の定型部Mが主部のまえに移動するもの (a)文法化されていて文種の変換にかかわる(疑問文、仮定節など) (b)(なかば)義務的ではあるが文種の変換にかかわらない ・半倒置=動詞の定型部以外の要素が主語のまえに引き上げられるもの (c)文体的  ここで、全倒置だけをほんらいの語順倒置と見なす伝統的な立場は、した がって主語ないし動作主が文頭にくる傾向があるという一般論と、英語にお いて主語が文頭に立つという二層にわたる言語事実をふまえていると言える。 しかしあとで見ることになるように、英語における語順倒置はSVO言語とし ての語順的制約のもとで簡明・直戯な一貫性に支配されており、狭義の語順 倒置(=全倒置)だけを特別視する立場は、やかましくいえば一般論(=記 号論的な視点)のもとでしか成り立たないと考えられる。

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 それゆえ、英語における言語事象としての語順の問題(a,b、 c)は統語論 と文体論との二領域にまたがっていると考えうるが、なかでも(b)に当た る倒置は言語事象としてはごく一般的であるのに、統語論にとっては周縁的 な現象であり、他方、文体論的な価値も希薄であるため、これまで個別的な 語法にかかわる問題として、語順に関する議論においては一種の空白領域を なしてきた。  タイプとして見ると、いわゆる全倒置には概略つぎの3種類が含まれる。

①全倒置

(la)M−V+S    He was to shut up the house and bring the rest of the family back to town,   by train, the next day. Fo〃owed a da rk and bitter ti〃le. The poor child. The   poor, poor child, how she suffered, an agony and a long crucification in that   nursing home.(Lawrence,“England, My England.”)    Came the heavy−shod tread up the house entrTv, and the man entered,   rather like a blast of wind.(Lawrence,“Jimmy and the Desperate Woman.”) (Ib)adv+M−V+S    Within his ownflesh bumed and smo∼dered the restles∬ha〃le. He could not   gather himself together. There was a gap in his soul.(Lawrence,“The Man.”)    As he looked, the sky mysteriously darkened and chilled. Fromfar(∼ffcame   the mu惚r()f the unsatisfied thunder, and he knew it was the signal of the   snow rolling over the sea.(lbid)    Chuff chuff chuff went the machine in the bushes, accurately, insistently.   (Woolf, Between the Acts.)  さきに指摘したように、(la)はおそらく異常語法として文学テクストだ けに限られると見てよく、これを使用する作家もごく限られている。

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つぎの(▲b)では様態の副詞やオノマトピアが倒置の契機となっており、主 要部の語順タイプとしては同型に属し、副詞句(within・his flesh, from far off, chuff chuf£etc.)を随意要素と考えれば、この二つは同一タイプと見なして構 わないことになる。けれども、さきに述べたように逸脱の度合い(=印象) の強さは大きく異なる。(1b)のように副詞句の移動に付随した全倒置はな かば文法化されており、たとえば、つぎの対にかんして動詞の前方移動に文 体的な価値が随伴するとは考えにくい。 (i)Within his own fiesh burned and smoldered the restless shame.  Within his own flesh the restless shame burned and smoldered. (ii)From far off carne the mutter of the unsatisfied thunder  From far off the mutter of the unsatisfied thunder came.  副詞類の中でも、とくにNot only,nQrなどに付随する全倒置は完全に義務 化されており、これらの要素を文頭に引き上げたうえで正順を保つ余地は文 法的に存在しない。  副詞句の一種であるダイクシス(here, there, next, first, thenなどの直示要素) と結びついた全倒置は提示機能をになう表現として文法化されており、“倒 置語順”のほうがむしろ義務的で、この語順に従わない場合は別の構造とし て受け取られる(D(rrgeloh 1996:72)。  したがってそのプロセスは、半倒置に全倒置がかぶさったものと理解する ことができ、型は同じでありながら動詞の前方移動の契機ははっきり異なっ ている。(1a)は動詞句そのものが情報の優先順にもとついて前置された高 度に文体的な選択であり、(lb)のほうは焦点化による半倒置に助動詞が付 随するケースである。これは、現象としてはちょうど特殊疑問が一般疑問文 の語順を要求するプロセスと並行している。  判定の難しいケースとしてthereに導かれる構文がある。主語が後置され

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 さいごに挙げた例は共起するはずの接続詞を欠いており明らかに例外をな している。この用例は語りの地の部分に現れるが、前の文との連接がとりわ け緊密であるという以外に、べつに特殊な事情が見られるわけではないt。 韻文での用例は近代詩にはあまり見掛けられないが、範囲をもっと広く取れ ばたとえばつぎのようなものがある。代名詞theeが格標識を備えている点は 現代英語と違っているけれども、しかしそのことが構文把握にかくべつ影響 を与えているとは考えられないので、詩的言語もこのパタンを排除しないと 結論してよかろう、, 4)Yet Love this boldness pardon:for admire  Thee sure we must, or be bom without fire.(Mary Wroth, Pamphilia to  Amphilanthus 34) ③(従属)節内部での倒置  従属節内部での語順倒置も、概して文レベルでのパタンを受け継いでいる ということができる。しかし語順の文法化ははるかに進んでおり、特定の語 順が譲歩や仮定などの決まった文法機能と結びついた構文がいくつかある。 (理)Hegemony can be understood in tems of the strategies by which the world  views and power of ascendant groups(be the.y cla∬, sexual, ethnic or natゴoη一  a〃ycoη5’ituted)is maintained,(Barker, Cultural Studies)   Had Hooえθ4 solely at the act of reading as it is understood by the women  themselves, I might have been able to provide one clear−cut, sharp−focus image. 1ちなみにこの文はつぎのような文脈に現れる。  On the spot at which she had now arrived were two trestles, and before she could think of  their purpose she heard heavy feet descending stairs somewhere at her back. Turn her head  she would not, or could not, and, rigid in this position, she was conscious of a rough coffin  passing her shoulder, borne by four men.(Hardy、“The Withered Arm.”)

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② 半倒置   これに対して、同様の文脈で助動詞だけが前方に移動するものは半倒置と 呼ばれる。これにはつぎのようなタイブがある。もっぱら時の副詞に付随し て助動詞が前位置に引き上げられる場合と、補語(名詞句、形容詞句)ある いは目的語が引き上げられる場合であるt:. (IV) (V)

adv+M+S+V+X

  In all the hours I spent talking to him, I never remember getting more than the bare gist ofwhat he was talking about, and sometimes not even that.0ηム↑ once did 1 understand pe∼プbcめ,;he was telling me about f]sh thaりump up the waterfalls.(Wain L‘The Two World of EmesL”)   In a hollow open space, like a bowL were little tortured bare vines. Never had she seen the pa∼e vine−stock∬o tortured、(Lawrence“The Border Line.”)   Anxiously he watched it[=a steamer]go, and not t〃it was oμt ofsight did he fee〃ruly retieved, himselfagain.(Lawrence“The Maバ)

X+S+M+V

  1)r顕たhe had been a’thejUnera∼, and drunk he had been with increasing frequency ever since.(Murdoch, AηUn(コj[licia/Rose)   She breathed in the earthy garden sweet smell as she stood talking to Miss Pym who Owed her help, and thought her kind,プbr kind she had been yωn ago. (Woolf,〃rs. Da〃oway)   This object, at the road end of the causeway, pointed out to me by the house agent as the boundary of my land,1 had of course noticed but not investi− ga’ed.(Murdoch. The Sea, Tiie Sea)   タイプ(V)に関しては、それぞれに対して動詞句の割れを伴なわない対応 型が見られるが、これは時制や極性(肯定/否定)の違いから来る分離助動詞

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しかし、これなどは動詞句内部での要素移動にとどまり、特定の積極的な効 果を狙いとしているというより、動補関係(to render・sth innocuous)の近接 化によって記憶への負担を軽くするという行使上の配慮にすぎないと考えら れる。 3 倒置の意味機能  おおざっぱに倒置のタイプを見てきたが、以上の例を見るかぎり、英語に おける倒置とは文の特定要素を文頭に引き上げる(=前方移動)操作である といえる。なかでも助動詞の引き上げは基本的には疑問変形(冒頭に一要素 が加わるという点ではWh一疑問文も同列)と同じパタンで、この、文法手段 としての倒置変形がもともといくつかの用途に振り向けられており、いわゆ る語順倒置もその一用法であると考えられる。その点からいうと、この語法 は文体的手法というより受け身化やit_that構文などと同じく文法的変形の 一種と見なすべきものである。  倒置にさいして、共に動詞句全体が移動するか助動詞だけが移動するかに よって全倒置と半倒置が区別されるが、両者とも引き上げ変形の随伴現象で、 とくにこう区別する文法的・文体的な根拠は見当たらない。たとえば、(6a, 4b)のような対ではいわゆる二つのタイプが対立するにも関わらず、意味上 の相違があるようには感じられない。 6a) Thus can the fate of nations be decided. b) Thus can be decided the fate of nations. 7a) Thus was the fate of nations decided. b) Thus the fate of nations was decided.  それゆえ、全倒置(Ib)を取るかとらないかは選択的であると考えたい。 (IIa, Ilb)のように定型本動詞が関係する場合には両者の対立がそもそも起

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3a) Suddenly apPeared the dark shapes of the three feeding horses. 3b) Suddenly the dark shapes of the three feeding horses appeared.  きわめて特殊な語順として、本動詞だけが主語のまえに移動するケースが ある。あとで見るように、この語順はもっぱら口語や散文に見られ、語順に 関する制約が緩やかなはずの韻文にあまり例を見ない。 (W)(conj)+V+(0+S+M    I⑪smost distressing that we should have to discuss iL Yet discuss it we   must.(lnnes, Tlze Blooary Wood)    She sat stifny forward on the bench, feet planted exactly fOr a straight leap   and away on a second’snotice, and∼eap she did.(Porter, Ship(ゾFoo∼s)    It is now the function of the media to provide us with apparently objec−   tive correlatives and meanings(since ar山as become increasingly preoccupied   with its inability to mean):and provide’he〃1 it does,(Williamson,   Decodin8 Advertisements)    Cf. Tum her head she would not, or could not.(Hardy, The Withered Arm.)  この場合、本動詞が接続詞(and, yet, butなど)と共起するのが一般的で、 しかもたいてい同一語句の反復をともなう(たとえばdiscuss it、 leapなど)。 この点からみて、この語順における本動詞の前置は単独の文には許されず、 最初の例文に見られるような用法を典型とする、定型化された強意の反復構 文ではないかと考えられる。表現機能の面からいうと反復部は旧情報を担う にすぎないので、この語順のはたらきは明らかに助動詞部に対比ないし卓立 性を与えることによって様態を強調する点にある。語順倒置の主機能である 「注意の焦点化」(focal・attention;Payne l 992:5)がもっとも純粋に表出された ケースであると見てよかろう。

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てThere M(+)V+Sとなるのが正順(canonical word order)であるとしても、 語順倒置の問題を議論する以前に、まず第一にどのような動詞(be;stand, arise, come, etc.)がこの構文の枠内と考えるのか、第二に、慣用構文というこ と以外にthereと統語的に等価である場所副詞との境界線があるのかどうかと いう点が明らかにされる必要がある。  しかしつぎのような例では、There was the compelljng intlmatlon of Faustus ripe in Mannとのあいだに選択の余地があると考えられ、いま述べた問題と はべつのレベルで倒置が成立している。 (ll)adv+M−V+X+S     But the hour was too bitter, and there was ripe in Mann the compelling   intimation of Faustus.(Steiner, Langua8e and Silence)  全倒置のもう一つのタイプはbe動詞構文の補語(名詞句、形容詞句、副 詞句)に関係する。 (nI)X+M−V+S     But it was of no avaiL Both doomed were we. And soon I was to enter a   new cycle of persecution、 (Nabokov, Lolita)     Gone are the dの,∫when Europe’smonopoly carriers would fix prices and   pool revenue on high traffic routes.[Dorgeloh】     An exception ro thゴ∫rule are the wea∼thy merchants, ministers and senior   govern〃lent ofiCicials. [lbid]  例は挙げていないけれども、完了形や進行形など、助動詞が分離している 場合にはBoth doomed we had been(=X+S+V+M)あるいはBoth doomed had we been(X+M+S+V)の二型が予測される。

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 (J,Rodway,“Reading the Romancピ) (珊)Perhaps we Jews walkcloser to our children than other men;tr 〉, as the.v may,  they cannot leap out of our shadow.(Steiner,ムangua8e and S〃ence)   1〃lportant asα〃these aspects 6ゾ∼tfe’nadeτとishkent, significant as its role  as capital of a country of ten million diverse people, I thoughuhe extra−tenito−  nal fUnction at which I have hinted was perhaps greater、(Van der Post. Jouniey  i,lto Ru∬ia)   Awful though he was, she wanted him to be there、 to give her surety, even  though it was only lhe surety of dread,(Lawrence,“The Border Line.”)  うえのような倒置の場合、仮定節では純粋に語順だけが文法機能を表わす 役目をはたしているが、譲歩節や省略節では、さらに辞項や省略など別の因 子が加わり、それとの共働によって機能している。またこの種の倒置法は概 して古形であり、これらの原因が重なって、平常の語順で言い換えると、 although he was dark, however hard they may tryなどのように元の表現と微妙 なずれが生じる。awful though he was −though he was awfulだけは倒置と正 順とが等価なようである。関係節(so_that,−er_than, not only_but, if,..so, etc.)でも倒置が頻繁に起こるが、かならずしも義務的ではない。 5)So great is t乃e apat乃y r加ごthe Govemment could probably go in or stay out.  [Dorgeloh]  いうまでもなく、他にも各種の倒置がありうる。最も頻繁に目にするもの のひとつは、つぎのような補語の引き上げである。 6)Strangely, however, this direct staging of underlying perverse fantasies renders  ゴ朋ocuotLs their subversiレe imρacL(2i2ek,‘‘The Art of the Ridiculous Sublimeつ

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の有無に随伴する変異で、とくに独自の機能を帯びているとは考えられない。  Slowly the country disintegrated into the Rhine flats and marches、 the canals, the Wi]low trees, the overflow streams, the wet places frozen but not nooded. Weary theplaceα〃seemed.(Lawrence,’‘The Border Line.”)  It was most exceedingly pullable−looking hair, andpuUed it surel.y got.(Salinger. ‘‘reymour”)  He and she[=his daughter]were like members of some forbidden secret soci− ety who know one another but may not recognize one another. Know∼edge thの, had ∫ηco〃vnon, he same secret of life, the father and the child.(Lawrence,“The Man.つ  この段階で、何点かについて一般化をおこなうことができよう。まず、動 詞の引き上げに関する全倒置と半倒置のとの区別はじっさいにはあまり重要 でなく、双方とも名詞成分(=目的語や副詞、補語)の引き上げに付随する 現象であり、自由な選択というより、むしろ文法的変形に等しい。べつの角 度からいうと、Lawrenceの好んだ動詞の単独引き上げだけが文体的な、「動 詞の文頭への引き上げ」として特異な位置を占めている。  副詞句の前方移動には助動詞が義務的に随伴するが、副詞の種別と動詞と のあいだにっは一定の共起関係があり、時の副詞と助動詞、場所の副詞とbe 動詞はつよく相関している。  副詞句が前置されたとき、定型部(MないしM−v)が共に移動する理由と しては、①副詞句が動詞句内の要素をなす、②副詞句が文の中核要素でなく、 したがって主語や目的語とちがい定位置を持たないという二つの理由が考え られる。しかし、おそらくあとのほうが主要な理由であると考えられ、補語 や目的語の場合には単独でも移動が自明であるのに対し、副詞的な要素の場 合には、定型の移動をともなわなければ倒置表現としての標識が失われてし まうのである。

(18)

こり得ないし、否定文でも定動詞は義務的に助動詞十本動詞に分割されるの で、全倒置と半倒置との差異は消滅する。  したがってより重要な境界線は動詞成分(M)を引き上げるか、補語、目 的語その他、動詞以外の要素(X)を引き上げるかにある。前者は移動変形、 後者は一種の焦点化としてそれぞれ機能も文体的価値も異なると見られる,, 移動変形と焦点化が複合して現れることもあり得、したがって一意の文法構 造が維持されるための統語論的保証が必要であるが、文法的前方移動にはO,

Xの内部構成が関係せず、この背景のもとでMの前方移動とM−Vの前方移

動との等価性が保証されていると同時に、定動詞からdoを助動詞として分離 するというプロセスが強調構文として文法化されうると考えられる。  引き上げという操作になぜ文法的・文体的な機能が付帯しうるかについて は、単に言語的な視点からだけでなく、記号論的な視点からも考察する必要 がある。たとえば主語が文頭位置にたつ言語が圧倒的に多数であり、動詞句 が文頭にくる言語でも多くはそこに主語情報が含まれているという事実は人 間の共有する認知基盤と記号論的な原則、類像性という角度から説明される べき問題である。従来なされてきた、「送り手の意識の筆頭にあるものが文 の最初に立つ」あるいは「文頭位置は受け手の第一印象を大きく左右する」 などの説明は言語表出にともなうこのレベルでの一般傾向を指摘したもので ある。  しかし、細かくいうとここには二つの階層がある。言語化を行なおうとす るときどのような対象をまず念頭に思い浮かべるかという起想順位(acces− sibility)と、文頭に何を置くかという統語的首位の選択である。起想の順位 という点では自然物が圧倒的優位にあり、そのなかでも人間〉有生物〉動作 主〉動作という順位付けが考えられる。英語では主語を文頭に置き、これを 起点として文を構成することが文法的強制であるが、たとえば日本語のよう に主題を置く言語、あるいは述語を置く言語、その選択が自由な言語も存在 している。起想の順位と統語的首位はかならずしも一意に対応するわけでは

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ないのである.ある実験では、英語において文頭の始発要素(ニS)が短い処 理時間しか要せず、しかも記憶残存時間が長いことが確かめられており、そ の理由は「最初に言及された関与者が文構成の基盤となり、また後続情報が、 その関与者を参照点としながら、展開されつつある構造に写像されて行くか らである」と結論されている。一方でこれは英語における主語の優位性を裏 付ける事実であると解釈できるが、同時に興昧ある指摘は、始発要素の優位 性が〈動作主〉という意味役割に限定されず、〈動作対象〉でもそれ以外の 関与者であっても差異を生じないという点である(Gemsbacher&Hargreaves l992)。認知基盤と統語的機制は相即せず、それでいて互いを強化しあう関 係にあると見られる。  これが規範的語順のもつ背景だとすると、これまでに取り上げてきた種々 の語順倒置は語用論的な有目的構造である。したがって破格として最も効果 の高い語順移動は、英語における規範的な語順#SMVX(_)の文境界#Sを 乗り越えるような倒置であり、多くのタイプがこれに属する。また同じ理由 によって、この種の倒置はほんらいそれ自体で文体的効果を帯びていると考 えられる。そのように前方移動された要素には文頭要素優位の原則も当ては まり、前位置のもつ効果は倍加する。いうまでもなく助動詞による乗り越え (またBrEではbe, haveも)は変形手段として文法化されているので語順倒置 としては無標である。  語順倒置の第二の動機づけは結束性である。その典型は (VI)で、文の前 位置で前文の1要素が反復されるケースである。例6)として挙げた補語の 引き寄せもおそらくここに入れてよいと考えられる。結束性は後続する文と のあいだにも成立するので、後方移動が起こる可能性も考えられないではな い。しかも、語順(倒置)の説明原理としてよく知られたものに末尾に向け て重要度が高くなるという、いわゆる機能漸増の法則(BehageH 909)があり、 また後出節有利の原則(advantage of clause recency)も唱えられている。こ の法則は、これまで述べてきたこととはまったく相容れないが、それはどち

(20)

らかの観察が誤っているという理由からではなく、妥当する対象域が異なる ためであると考えられる。機能漸増の法則は、記号の布置についての一般法 則であって個別言語、あるいは文という構造内部での要素順には妥当せず、 たとえば継時性条件や統語条件からいっさい自由な、いわゆる樟尾文(peri− odic sentence)や列挙のように原則として等位接続の可能な文脈に当てはま る原則であると思われる,そのような文脈では受け手の期待を誘導する可能 性が生じ、したがって最後の段階で種々の修辞的効果を意図した技巧を弄す る余地が生まれる。  ただしつぎのような例では、後続文との結束性が意図されていないわけで はない。 8)Observing my partiality for domestic pets, she[=my wife]Iost no oppor−  tunity of procuring those of the most agreeable kind. We had birds, gold−fish、  a fine dog, rabbits, a small monkey, and a cat.(Poe,“The Black Cat、”) 知るとおり、ここで文末に置かれたa・catが「黒猫」の導入部に当たり、作品 全体の主題となって行く。テクストの構造という点から見ると、この語の位 置には必然性があり、最初に挙げても途中に置いても同等の機能をもつこと はできない。しかし明らかにこれは倒置と呼びうる現象ではない2。韻文、散 文の双方によく見られるAll, all are gone, the old familiar faces(Lamb)のよ 2 ちなみに日本語の場合には事情がまったく異なる。用言が文の最後に位置するこ  とは強制的であり、しかもそれ以外の諸要素の順序がほとんど自由であることか  ら、語順の倒置はそもそも起こりにくい。文末の強制的な境界SOV#に対する違  反が有意味でありうるという一般原則からすると、「落ちた;本が。」、「古高は、な  お耐えた。が、生来、体のつよいほうではない。意識がもうろうとし、知らずし  らずのうちに口走ってしまった。“六月五日戌の刻、池田屋にて同志集会”という  一件を。」(司馬遼太郎『竜馬が行く』)などが倒置の例であると考えられる。けれ  ども、これが特定の効果をねらった「有標の」語順なのか、それとも付け足し  (afterthought)であるのか判定が難しい。しかも「本がデアル」「L‘六月五日戌の刻、

(21)

うな再帰主語(およびその各種のバリエーション)は明らかに情報の遅延に その効果を負うており、引き下げの一種であるには違いないが、前半部は完 文をなしていて倒置の痕跡をもたず、これもやはり反例とはならない。また 後出節有利の原則は、もっぱら文の産出時の即時記憶だけにかかわると解釈 してよさそうである(cf. Gernsbacher&Hargreaves 1992) 5 自由語順j  英語における語順の問題はこれだけに尽きるのではなく、その外周に、い わゆる詩的許容(poetic license)としての倒置がある。韻律や脚韻という厳 しい制約のもとで大目に見られてきた違反、いわゆる「自由語順」(free word order)で、文法の強制によるのでも何かの積極的な機能を追求するのでもな く、消極的な破格としての語順異常である。「詩的許容」という言い方には、 すでに、日常語の文法からはずれたという含みがある。たしかに、詩におけ る語順倒置にそれぞれ機能や効果を見出すのはまず不可能といってよく、そ のかぎりでは積極的な表現性にとぼしく、巳むを得ない、妥協の産物という 側面もないわけではない。しかし実際の詩文を点検してみると、そうした語 順も完全な自由のもとにあるわけではなく、詩の統語法にいっぽうでは何か 統御された自在さがあるとともに、他方では、異常語順と呼びうるような、 完全にネガティヴな文法違反でないこともはっきりしてくる。  (aftenhought)であるのか判定が難しい。しかも「本がデアル」「“六月五日戌の刻、  池田屋にて同志集会”という一件をデアル。」のように遊離した文節が単独で自立  性をもたされることが多く、文と文成分との境界もぼやけてくる。しかしこれら  の例や詩歌における倒置から見て、日本語における倒置の実体は英語とは逆に「後  方移動」であると考えられ、やはり日本語がSOV言語であるという語順類型論の  角度から検討される必要がある。いうまでもなくそこでも、機能漸増の法則はも  う一段うえの、記号処理のレベルで妥当するはずである。 3 この章は月刊『言語』(2000.29#9.60−67)に「英詩の語順」という表題で発表し  た文章をいちぶ書き直したものである。

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9)Adamsel with a dulcimer  In a ViSiOn OnCe l SaW:  it was an Abyssinian maid,  And on her dulcimer she play’d,  Singing of Mount Abora.  Could I revive within me  Her symphony and song,  To such a deep delight t’would win me,  That with music loud and long,  Iwould build that dome in air,  That sunny dome!those caves of ice!(Coleridge,‘’Kubla Khan”) これとは逆のケースも考えられる。 10)There are, I know, some people who㎞cy that由ey are amcted by nature,  or by God, when they are really only repelled by man. Buほhe real poet and  philosopher has substituted the society of ideas for that of things and per−  sons;加5〃iind to him a king∂αη15.(W.R. Inge,“A Rustic Moralist”)  イタリックで示したような語順に出くわしたとき、われわれは日常の英語 とは違った文体的作為を感じ取る。そして確かめてみると、案の定これが詩 句のもじりであることを知るのである(この場合は、Edward Dyer(1540− 1607)の‘‘Rawl”の一節、”My mind to me a kingdom is.”から)。これは英 詩における語順が、すでに日常語とは別の体系を思わせるほど異質な、独自 の規則に従っていることの証拠である。  しかし、「自由語順」という用語はただ漠然と焦点化や倒置変形までも含 めた包括概念として使われるため、それがほんとうに「自由」語順なのかど

(23)

うか、自由であればどこまで自由なのか、固定語順言語であるはずの英語に おいて倒置の自由化はどのような原則のもとで可能なのか、その内実はいっ こうに明らかでない。そこでつぎに、具体的な用例の検討をとおしてこれら の疑問に答えると同時に、あわせて、英語における語順の変換の一般原理を 探ってゆくことにする。用例は19世紀の英詩に限定し、コーパスとしてはお もにJ.Hayward ed、 The Oxford Book qf Nineteenth Centu(}・En81is/1 Verse (1964)を使用する。  英詩における語順の移動は引き上げというより、むしろ「かきまぜ」(jum− ble)に近い。その単位は口語や散文の場合よりもさらに細かく複雑になるた め、冒頭で用意した記述のための母式で扱いきれない部分はいっそう大きく なる。  まず注目すべき点として、詩的言語では句内部での各種の移動が見られる。 代表的なものは名詞句における形容詞の後置と前置詞句における前置詞の後 置である。 ll) your liquid lips serene   the droop−headed flowers all, etc. 12)the mountainless green wilds among  これらは日常の表現ではふつう許容されないか、あるいは特定のパタンに 限られるが(cf.everything possible, a Mary married)、詩的言語では珍しい言 い回しではない。句としての独立性さえ明確であれば、語順の移動はさして 理解を妨げないということであろう。  統語レベルにおける語順制約の緩和は、基本的には、これまでXとした部 分の構造に関係しており、この部分をもう一段精密にすることによって大抵 のケースは説明がつく。英詩においてとりわけ頻繁なのは、つぎの例に見ら れるように句や節内部の要素が節の構造に割り込むケースである。たいてい

(24)

前方移動として記述できるが、移動する要素がつねに付属語句であるとは限 らず、(5)のように中心語である場合もある(イタリックで移動要素、#で 元の位置と推定される箇所をしめす)。 13)[He]t・〔)ffend[was][ever ca田ious#]、 14)[The moping ow1][does]to the moon[complain#] 15)Then drew [he] [#forth] [the brand Excalibur] . 16)Now to the churcノ![behold][the mourners come#]. 17) Headlo’∼9, imρetuous [see] [it pour#] .  しかしあまりに煩損にわたるので、本章ではこの第2レベルまでの記述は おこなわない。時代がさらに下がるとbrimcupful(Hopkins)、 step(this)ing (Cu㎜ings)などのように語の自立性すら侵されるようになるが、これは言寺 的言語におけるデフォルメというまた別の問題圏に属することがらである。 下に挙げるのは、語順の異常が動詞の範疇化そのものへの違反から生じた例 である。 18)Went the feast ever cheerfu]ler? 19)Irks care the cropful bird?Frets doubt the maw−crammed beast?   (Browning, Rabbi Ben Ezra)  しかしこれは、程度の差はあれ、語順倒置というより異常語法の領域には いることがらであろう。  以下に、文の基幹構造だけにかかわる倒置のタイプを列挙する。 [1]1243 The pansy at my feet Doth the same tale repeat.(Wordsworth)

(25)

1423

142/3 [2]2134

2143

2314

2/314

2341

2/341 [3]None, but cf. He who bends to himselfajoy Does the winged life destroy.(Blake) For three score years in penance spent, My knees those flinty stones have worn.(13) In our isle’senchanted hall, Hands unseen thy couch are strewing.(Scott) Or amid cotton and maize, peasants Their water works ply,(Blake) Oft have I pressed Heaven with a lazy breath.(Vaughn) Soon shall Oblivion’sdeepening veil Hide all the peopled hills you see,(Landor) In Xanadu did Kubla Khan Astately pleasure−dome decree.(Coleridge) No more shall grief of mine the season wrong.(Wordswo曲) No more will now rate I The common rare.(Hardy) The mountainless green wilds among, Here ends she her unechoing song! And many else were free to roam abroad, But fbr the main, here found they covert drear.(Keats) So did beset me scenes miscalled of the bygone, Over the leaze, Past the clump, and down to where lay the beheld ones.(Hardy) Here rests his head upon the lap of earth Ayouth to Fortune and to Fame unknown.(Gray)   (4)

(26)

[4]4123 412/3

42▲3

42/31 Yet boats a south sea chief would burn、 Sculk’din the adder:hade.(Bloomfield) Flower and bird we scarce can praise, Having lost his sweet replies,(Cory) Nor shapes of men nor beasts we ken The ice was all between.(Coleridge) Three dead men have I loved and thou Art the】ast of the three.(Blake) His Island voice then shall you hear, Nor ever after separate From such a twilight of the year.(Meredith) Ten thousand saw I at a glance, Tossing their heads in sprightly dance、(Wordsworth)  これがコーパス内に見られる倒置タイプの全てである。数はずいぶん限ら れていて、可能な配列の半分にも満たないことが分かる。したがって英詩の 語順に著しい多様性を与えているのは、句内部での倒置、句レベルでの倒置、 両者の複合、それに副詞要素の割り込みという4因子の相乗結果であること は明らかである。詩におけるこの自由語順、口語、散文における焦点化と引 き上げ、それに狭義の文法的変形がどのような相互関係にあり、またどのよ うな原理に支えられているかを見るために3者の対照表を作ってみる。特定 の構文に限定された語順倒置(たとえば自動詞構文におけるCame summer.) があり、また帰納的な方法によっているため、下の表は充分に厳密なもので も包括的なものでもない。*印は資料中に用例を欠くタイプを示している。構 造を見やすくするために人工的な例文を加えておく。

(27)

倒置のタイプ 詩的言語 散 文 文法的変形

1234

The pansy does repeauhe same tale 強調構文

1243

The pansy the same tale repeats.

*1324

*1342

The pansy the same tale does repeat.

1423

The pansy repeats the same tale. 規範的語順

*1432

The pansy the same tale repeats. 12/34 142/3

Adv 2134 On does the pansy repeaUhe same tale.

OAdvが必須

疑問文、

2143

Does the pansy the same tale repeat. 譲歩節

2314

Does repeaUhe pansy the same tale,

2341

Does repeaUhe same tale the pansy.

*2413

*2431

(Oft)Repeats the pansy the same tale. Repeats the same tale the pansy. Advが必須 (adv)2/314 2/341

*3124

*3142

*3214

*3241

*3412

*3421

(co両)3412 (And)repeauhe same tale the pansy does.

(adv)4123 (Ofりthe same tale the pansy does

OAdvは不要

4213

repeaし *4231 The same tale repeat the pansy does. *4312 *4321 The same tale the pansy does repeat. *4132 The same tale the pansy repeats.

4123

412/3

(28)

 「自由語順」を前方移動として記述することは不可能ではなく、現に焦点 化のための前方移動という原則はやはり働いている形跡があるが、英詩の言 語についてこの角度だけから事柄を捉えるのはもはや無理である、たとえば、

2143、2314、2341、4213などの語順を見てみると、多くて2度の引

き上げを想定すればいちおう説明はつく。しかしそのことにさして意義があ るとは思われず、まして文頭以外への移動それぞれに「文体的価値ないし機 能」を与えることはおよそ不可能であるv  この一覧表によって文レベルでの「詩的許容」の範囲はほぼ明らかである が、しかし、たとえば42/31のように、予測されうる倒置が欠けている箇所 もある。これはおそらく、コーパスから実例を拾うという方法の限界である と思われる。たとえば(20)のように接続詞でなく副詞節が前方移動のひき がねになる場合もある。 20)Not till the fire is dying in the grate,   Look we for any kinship with the stars.(Meredith,ルfodem Love) 非常に目立つ現象は本動詞(V)が文頭に立つ語順が見られないことである。 この点からいっても、Yet discuss it we must.の特異性がわかる。ただしこの 禁則は、時代を遡るとかならずしも働いていなかったと見られ、たとえばつ

ぎのような用例(342Dを見ることができる。

21)GLOUCESTER:[_]but I shall see The winged vengeance overtake   such children.   CORNWALL:See’t shalt thou never.(Shak. Kin8 Lear,3.7.66)  したがって時代、ジャンル、あるいは資料範囲によって結論がいくぶん変 わってくることが予想されるが、とりあえずこの表に基づいて一般化してみ

(29)

ると、つぎのような基本ルールが働いていることが知られる。

禁則1= M+V≠V+M

禁則2= V+X≠>X+V(Sもしくは0のうしろで)

 禁則1によって、本動詞(3)が文頭に来る語順すべてと、*1324、*13

42、*1432、*4312、*4321、*4132が禁止される。本動詞が文頭に

立つ語順が避けられるのは、おそらく命令文との混同忌避ということと関係 している。命令文ではふつう主語と助動詞の省略が起こるので統語構造が完 全に合流するわけではないが、本動詞が文頭に立つと、すでにそれだけで命 令の機能を帯びるので、これが忌避されるのではないかと思われる。その他 の場合をどう解釈すべきかはっきりしないが、いずれも名詞句(Sかまたは 0)が文頭にくるところから判断して、呼びかけ十命令と取られる可能性が 排除されているのかも知れない。  禁則2によって、*4231が排除される。第4要素(X)が名詞の場合、主 語が文頭に来るという前提がないかぎり、たとえばJohn did love Mary、 Progress has been our hopeでは主客の区別が失われるので、その点が忌避の 理由であると考えられる。また同じ規則によって*2413、*2431、も禁止 されるが、これは疑問文や祈願文と合流するうえ、やはり主語と目的語との 区別が失われるからであると解釈される。逆にいえば、Xが形容詞補語であ ったり、あるいは主語ないし目的語が格標識をもつ代名詞の場合には、理論 的には可能なはずである。 取り上げるべきさまざまな問題点を残してはいるが、ひとまずうえの記述 から、つぎの大原則を導くことができる。 ・いわゆる自由語順においては、文法的変形との合流による構造的多義が回 避される

(30)

 自由語順とは、語順にかかわる文法的拘束がすべて解除されるということ を意味せず、この、一義性保存の原則のもとでのみ自由なのであるcしかし 回避ということは否定的な意味だけに解釈すべきではない。疑問文との混同 を起こしやすいM+S+V_語順の場合、文頭には義務的に、もしくはなかば 義務的に副詞句が置かれるが、これは平叙文であることを示すためのポジテ ィブな標識と見なされるべきである。理論的には、主語ないし目的語のどち らかが格標識をもっていれば、禁則2に反する語順でも許されるはずである が、実際例は見られない。語順の問題にかぎっていえば、詩的許容とは一定 の限界をもつ許容であり、より正確を期していえば文法の拡張、「語順に対 する制限の緩和」として性格づけることができる。 参考文献 M.C. Baker 2001.TheAto〃i.s ofLanguage: Theルlind ’s Hidden Rules()fGrammar.   Basic Books:New York. 0.Behagel l 909,“Gesetz der wachsenden Glieder,”lhdogermanische Forschungen   251110−42. D.Crystal 1984, Who Cares About Eng∼ish Usagel Harmondsworth:Penguin Books. H.Dorgeloh 1996.1nversion in Modem En81ish: Form and Function. J Benj amins. NE. Enkvist I 982.“Prolegomena to a Symposium on the lnteraction of Parameters   Affecting Word Order.”In Enkvist&Kohonen eds.1982:5−14. N,E Enkvist&V. Kohonen eds.1982. Approaches to Word Order. Abo:Abo   Akademi. M.A. Gernsbacher&D. Hargreaves 1992,“The Privilege of Primacy:Experimental       tl   Data and Cognitive Explanations,in D.L. Payne ed.1992, pp.83−ll6. D.L Payne ed.1992. Pra8matics of Word Order Flexibility. John Benjamins:   Amsterdam/Philadel−phia. G.Steiner 1967. Language and Silence: Essays 1 958−1966. Faber and Faber:London.

(31)

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