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Hyperspectral Image Sensor: VERDE

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Academic year: 2021

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1. はじめに

 HyperspectralImaging(HSI)とは,二次元のスペクトル 測定を行う技術のことである。イメージングと分光計測を 融合させたものであり,これまで AOTFや液晶可変フィル タなどを用いた製品が存在してきた。「VERDE」は既存製 品に無い新しい手法を採用し開発が進められている HSIカ メラであり,その特徴として,測定対象の映像取得と分光 測定が完全に同時に行えるという点が挙げられる。これは 波長可変フィルタを用いる既存製品のように,透過波長を 時間的に変化させながら HSIを行う方式では実現できな かったことであり,プラズマやエンジンの燃焼解析といっ た測定の同時性が要求される分野で有効な計測手段になる ものと期待している。また近年,細胞膜のダイナミクスを 対象とした研究が,HSI1のみならず Imaging Correlation Spectroscopy 2といった他の測定手法で報告されており,こ れらの分野での応用も考えられる。

2.

 VERDE

2.1 原理

 VERDEは Computed Tomography Imaging Spectroscopy (CTIS)と 呼 ば れ る 原 理 に 基 づ い て お り3,4,光 学 系 は Figure1に示すようにコリメーションレンズ,結像レンズ, 2次元の透過型グレーティング,イメージセンサから構成 される。  この光学系において,物点からの光は通常のグレーティ ングと異なり,Figure2に示すように 2次元に回折し,イ メージセンサ上に像を結ぶ。このとき回折像には対象の異 なる点からの回折光がオーバーラップしているため,画像 から直接対象のスペクトルを確認することはできない。し かし,2次元に展開された各回折次数の画像には対象のスペ クトル情報が含まれており,CTISではこの情報を数値解析 によって復元し HSIデータを得る。この数値解析は事後的 に行えばよく,CTISにおいて全てのスペクトル情報は一度 の撮像で一括して Figure2に示す回折像に記録される。  また,0次回折像は対象の像そのものであり,スペクトル 測定と同時に通常の像も取得できることが CTISの特徴のひ とつである。 2.2 特徴  他の HSI製品と比較した本製品の特徴は下記のとおりで ある。 (1)ワンショットでの HSIデータ取得が可能 ©Japan Society forMolecularScience

New Product MOLECULAR SCIENCE Mol.Sci.6,NP0017 (2012)

Page1 of2 (pagenumbernotforcitation purpose)

ハイパースペクトラルイメージセンサ:VERDE

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a株式会社堀場製作所  

連絡先 〒 601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町 2 電子メール seichi.sato@horiba.com

Figure2. Captured imagewith VERDE

Left:Two-dimensionally diffracted imageofthesample.Upperright: 0th orderdiffraction image.Lowerright:Thesample(colorchart).CTIS capturesimageofmultiplediffraction ordersatonce,and then obtains thehyperspectraldatacubeby numericalanalysis.

Figure1. VERDE Overview

Upper:PictureofVERDE.Lower:Functionalopticalcomponents within thebluecasein theupperfigure.VERDE can besetup on micr o-scopeswith C-mountand it’sfocusing lenscan bechanged.

(2)

New Product Mol.Sci.6,NP0017 (2012)

(2)機械的な駆動部が無い

上記,2つの特徴は原理の節で述べた通りである。 (3)外部電源が不要(カメラと PCを除く)

CTISは AOTFや BTF(Bragg TunableFilter),液晶可 変フィルタ方式のように電気的な制御を要する素子を 用いていない。そのため,他の方式よりもコンパクト に光学系を構築することが可能である。 (4)最小限の偏光依存性 HSIの中でも,液晶可変フィルタ(LyotFilter)は偏光 依存性が強く,原理上特定の直線偏光しか測定するこ とができない。これに対して CTISは,測定光の偏光状 態に対して制約を持たない。 2.3 性能  現在製品化を予定しているモデルの基本性能は下表の通 りである。Table1に示した性能の内,撮像スピード以外は グレーティングによってチューニングが可能であるが,原 理上の制約として,空間解像度と波長分解能とはトレード オフの関係にある。これは,イメージセンサの画素数を固 定した状態で空間解像度を上げるということが,スペクト ル情報の損失を招くからである。また逆に,波長分解能を 上げるためには対象各点のスペクトルをより多くイメージ センサ上に展開する必要があり,空間解像度は低下する。 2.4 測定例  VERDEによる炎の測定例を Figure3に示す。画像は通常 のカラー画像と,再構築した 6つのスペクトル画像を抜き 出したものであり,時間変化する対象の同一時刻の分光情 報と画像が記録されていることが確認できる。また,Figure 4は室内で記録したレーザーポインタの輝点(画像左側) をスペクトル解析した結果である。グラフより,スペクト ルのピークが 5~ 10 nm程度の半値幅で得られていること が確認できる。

3.

 今後の製品開発

 VERDEの基本性能とトレードオフの関係については 2.3 節で述べたとおりであるが,用途によっては波長分解能を 低くしてでも,より高い空間分解能が必要になる場合も考 えられる。このような要求に対しては将来的に対応できる よう,異なる性能を有するモデルの開発を検討している。

4.

 おわりに

 本稿では CTIS方式を採用したハイパースペクトラルイ メージセンサ「VERDE」について紹介させていただいた。 本製品が最先端の研究に多少なりとも貢献できれば幸甚で ある。

引用文献

(1) Jesse,A.etal.Nano Lett.2009,9,3612–3618.

(2) Bonor,J.;Nohe,A.In Methodsin MolecularBiology,Humana Press:New York,2010;Vol.591,pp 353–364.

(3) Okamoto,T.;Yamaguchi,I.Opt.Lett.1991,16,1277–1279. (4) Descour,M.;Dereniak,E.Appl.Opt.1995,34,4817–4826.

(受理日 2012年 1月 25日) Page2 of2 ← 0th orderdiffraction image ↓ From theupperleft,spectralimageat 475,535,595,655,720,765 nm Figure3. Hyperspectralimagesofflame

Table1. SpecificationsofVERDE 200× 300(~ 300× 500) Spatialresolution 440 – 700 nm Spectralrange 5 nm Spectralresolution 3 ms~(depending on sensorused) Acquisition speed

Tabl e 1.  Spe c i f i c a t i ons of VERDE 200 × 300 (~ 300 × 500 )Spatialresolution 440  –  700  nmSpectralrange 5  nmSpectralresolution 3  ms ~(de pe ndi ng  on  s e ns or us e d )Acquisition speed

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