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<研究ノート>経営数学のアイデンティティーを求めて

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Academic year: 2021

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(1)ノート. Ⅰヲ半ヨ 亡. ン. デ. イ ア. の. 学. 数 営. 経. ティティーを 求めて. 井. 臼. 功. 1. 経営数学の ニ つの意味. B), 宮川 [5] (同 C), 藤沢 他 [2] (同 D) の 4 冊を 選び出し,その目次を見ると 次の通りであ る (はしが き等は除く ) 。 集合と代数. 1. 集合 2.. ブール代数. 3. 論理記号 4. 群と体 Ⅱ 部 線形代数 5.. ベクトル. 6. 4 7. 行列式 8. 固有値,固有ベクトルと 2 次形式 千テアⅠ. C. :. 9. 非 貞行列と産業連関分析 10. 線形計画法とシンプレックス 法. :. 第 9 章. テイラ一の定理とその 応用. l. 経営管理と数学 2. 配分 3. 在庫管理 4,. 日程の計画. 5.. 待ち行列とシミュレーション. 11. 差分 法. 6.. 統計的推測. 12.. 7.. 需要の分析. 8.. 経営数学とコンピュータ. m 部. B. 微積分への準備 微分法. 第 10 章 最適化の方法 男 11 章 差分 法 第 12 章 積分法 第 13 章 数値積分法 第 m 部 確率 第 14 章 事象とその表現 第 15 章 確率の概俳と 計算 第 16 章 確率変数と確率分布 第 17 章 不確定な環境における 決定 第 18 章 確率密度関数と 累積分布関数 第 19 章 二次元の確率空間 第 20 章 チェビシェフの 不等式と大数の 法則 第 21 章 中心極限定理. 手許にあ る「経営数学」という 語が冠せられた 著書 より,真壁 [4] 以 下では A と呼ぶ ), 高橋 他 [6] (同. A : I部. 第 7 章 第 8 章. 差分と微分 微分法. 第1部. 線形代数. 第 1 章. 行列とべクトル. 第 2 章. 行列式. 第. 連立一次方程式の 解および逆行列の 表 現 第 4 章 連立一次方程式,逆行列の 数値解の構 成 第 5 章 産業連関分析 第 6 章 線形計画 3. 第 Ⅱ部. 章. 微積分法. D. :. 一. 第 1 章. 亨一一問題の 科学的解決法 -. 第 2 章. 確率・統計. 第 3 章. 決定モデル. 第 4 章. 線形計画モデル. 第 5 章. 動的計画モデル. 第 6 章. 在庫計画モデル. 第 7 章. 設備計画モデル. 第 8 章. 待ち行列モデル. 第 9 章. 日程計画モデル.

(2) Ⅰ. 08 (108). 横浜経営研究. 第Ⅵ 巻. 第 1 号 (1985). 第 10 章. ゲーム理論モデル. 第 11 章. モンテカルロ 法. 学的経営管理方法であ るので,経営工学の 学習や研究 に必要な数学は 科学的経営管理のために 必要な数学と. 第 12 章. マルコア過程. 言い換えることができる 0 いずれにせよ , A の経営数. 第 13 章. 計量経済モデル. 第 14 章 第 15 章. 学は数学 あ る。. 統計プロバラム・パッケージ. タ変量解析. (の一分野 ). を意味していることは 明らかで. B のはしがきには 次のような叙述があ る。 「これら の (オ ベレーションズ・リサーチ , インダストリアル. A. と. ず, C. B の目次は数学関係の 著書のそれと 殆 んど 装 と. ら. ・エンジニアリンバ ,システム分析等いろいろな 名称. D の目次はオペレーションズ・リサーチ. で呼ばれる ) 新しい経営の 技術について 共通している ことは数学的手法を 非常に広範囲に 採用していること であ る。 このため現在は 一種の経営数学ブームの 現象. (OR) に関する著書のそれとほほ 同一であ る 0 この ことより経営数学という 語が現在の我国では 2 通りの 意味で使用されているのではないかという 疑念が生じ. を呈しているといえよ. う. 。 ・…‥従来は 自然科学や技術. る 0 しかし A ∼ D においては経営数学の 定義がきちん. の方面にしか 応用してもあ まり効果があ がらないと 9 、. と述べられているわけではないので ,それらにおいて 経営数学という 語がいかなる 意味で用いられているか については,各著書のはしがきや 序文において 関連が. われていた数学が ,社会科学や経営の実務に 利用して 役に立つという. あ りそうな個所より 判断しなけれ ば ならない。 A のほしがきでは 次のように述べられている。 「経 営工学においては ,しぼしば,多くの 経営問題をモデ ル化し,これを 数学モデル……として 数学的に解析. る頻度は項目によって 違っており,中には 実際上の利 用の要求から ,問題が提案され解法が見出され ,後に. 実績が広く認識されるようになったか. らであ る。」「経営数学といっても 純粋数学に比べて 内 容が本質的に 異なるものではないが ,実地に用いられ. し,このモデルのもっ 特性を種々の 角度より検討しな. 理論的な研究を 刺激して一つの 体系として完成してき たような項目もあ る 口. このため,経営工学. 以上の叙述を 総合的に判断すると , B においては経. けれ ば ならないことがあ る。. の 勉強を進めるには ,経営工学に特有の数学の 知識を 身につけておかねばならない。 たとえ ぼ ,オペレーシ ョンズ・リサーチや 品質管理,情報処理などを 学ぶに はそれぞれ多少の 数学は必要であ ろう。 このことは,. ちょうど機械工学や 志気工学を学ぶ 学生がそれぞれの 分野に必要な 応用数学や工業数学を 勉強しなければな らないのと同様であ る 口 「……経営工学を 学ぶ人に必 要な経営数学がしだいに 体系づけられてきた。 私の大 学 でも‥‥‥ 2 年次の学生に 経営数学の講義を 行って い る。 これを学ぶことによって ,経営工学の高年次の勉 強や研究が大変円滑に 進められるようになることは 言 をまたないことと 思、 ぅロ このほしがきより A では経営数学は 経営工学の学習 や研究に必要な 数学ととらえられていることが 分る。 経営工学は,企業の 経営管理をよりよい 方法で行 うに は ,そのためのシステムをどのように 設計すればよい. かという実践的な 問題に答えることを 目的とする工学 であ る。 この目的の達成 は 経験から得られたこつや 要. 領の集大成という 方法でほなく ,企業の経営管理に 関 する科学的な 理論と実践的な 技術の総合という 方法に よってなされることは 明らかであ る。 後者の方法は 科. 営数学は OR などの新しい 経営技術において 使用され る数学という 意味で用いられていると 言うことができ る o OR などの新しい 経営技術 (OR は技術だけでな く 科学でもあ る ) は科学的な経営管理に 不可欠の技術 (だけでなく科学 ) で ( も ) あ るので, B の経営数学は , A と同様に,科学的な 経営管理に必要な 数学という意 味で用いられていると 言ってもよいだろう 0 かかる 意. 味の経営数学が 数学. (の一分野 ). であ ることについて. は, 「経営数学といっても 純粋数学に比べて 内容が木 質的に異なるものではない」という 叙述に明白に 示さ れている。 C では第 1 章において次のように 述べられている。 「……現代の 企業においては ,その経営上の決定のた めに,大量かっ 高度の情報処理が 必要とされている。 このような情報処理のためには ,統計的あるいは数学 的方法が強力な 助けとなる。 経営数学は,このように 現代の企業経営に 要求されている 情報処理のための 統 計 約 および数学的方法の 体系であ り……」 (p.2)。 「経 営数学の歴史はそれほど 古いものではない。 ・…‥経営 数学の大きな 発展の原動力となったのは ,第2 次世界 大戦中における 軍事作戦上の 間 題 に対する科学的方法.

(3) 経営数学のアイデンティティーを 求めて の 応用であ った。 この科学的方法はオペレーションズ. (Pp. 4 千 )0. ・リサーチ……とよばれ……」. 「. OR. は今. 日の経営数学の 内容の一つの 主要技部分となっている ものであ る」 (P.5)0 以上より, C では,経営数学は現代の企業経営にお. (白井. 功). (109). Ⅰ. 09. に対する考え方としての 方法の中に正しくそれを 位置 づけていくことであ る。 そのように限定した 意味での 数理や計量の 利用はもはや 単なる技法と 呼ぶべきでは ないであ ろう。 その意味ではむしろ 経営数学は仝日で. は. F 経営科学コとよばれることが. 適切であ るかも知れ. ける意思決定に 必要な情報処理のための 統計的および. ない」 (PP.l-2)。 「経営数学の 課題は……組織体の. 数学的方法の 体系ととらえられていることがわかる。 この経営意思決定に 必要な情報処理のための 統計的お よび数学的方法の 体系とは,その内容の一つの 主要な 部分が OR であ るとされていることから ,数学や統計. 的実現をはかるために 科学的な方法を 適用していくこ とにしぼられる」 (P.4)0 以上の D の引用文の中には 論理の展開が 難解な部分 もあ るが,言わんとするところは ,経営数学は経営 管 理 に役立っ数学的方法を 研究する学問であ り,この数. 学を利用する 科学的経営管理法の 体系のことであ ると. 考えられる。 したがって C の経営数学の 意味は科学的 経営管理法の 体系であ ると言うことができる。 この経. 目. 学的方法が経営管理の 中に正しく位置づけられるなら. 営数学の意味が , A や B で用いられている 科学的経営. ば,それは単なる 技術ではなく 経営科学と呼ぶのが 適 切であ ろうということであ ると思われる。 著者は経営. 管理のための 数学という意味とは 異なることは 明らか. 科学という語を い かなる意味で 用いているか 明示して. であ る。. いないが,少くとも 通常の意味. D の序文には次のような 叙述があ る。 「経営数学を. 経営管理に役立つ 計数的ないし 計量的方法として 理解 する限り……。 」「経営数学は 本質的には方法の 学問で あ る。」「著者は経営数学則経営科学の 理解のもとで 本 書を構成している 口 また 第 1 章 第 1 節には次のような 叙述があ る。 少々 長いが引用すると , 汀 経営数学』という 言葉に 捉 われ て 形式論理的に 論ずるとすれば ,経営の問題に応用さ れる数学という 意味では応用数学であ るということが. できよう。 しかし経営の 問題に対する 接近の方法とし て数理的ないし 計量的ないし 計数的技法の 吟味が行な われるとすれば ,問題とされているのほ 経営の問題で あ って,その問題への 接近の一つの 方法として数学的 技法が問題にきれているに 過ぎないことはい. う. までも. この場合には 経営数学という 用語の代りに ,数理経営学なり 計量経営学なりの 用語 が 用いられるべきであ るという形式論理が 成立っかも なく明らかであ. る。. (すなわち. OR の意. 味 ) に近い意味で 用いていると 考えられるので , D の. 経営数学の意味は C と同様の意味であ ると言 できる。. う. ことが. A, B と C, D とでは経営数学の 意味が 臭 って,すなわち前者では科学的経営管理のために 必要 な数学という 意味で,後者では科学的経営管理法の 体 系という意味で 用いられていることが 会った。 同じ学 以上 よ. り. 問分野を表わす 語が 2 通りの意味をもっていることは. 望ましいことではない。 そこでどちらの 意味で用いた らよいか,あ るいはそのどちらでもない 第 3 の意味で. 用いた方がよいのか ,次節で考えてみよう。. 2.. 経営数学の第 3 の意味. ・. 知れない。 しかし経営の 問題は多面的であ って , 真に. 問題の解決を 意図するのであ れば,基本的には問題を 科学的に解決しょうとする 態度こそ肝要であ り, 自由 な思考のもとで ,諸科学の知識を駆使してまず 真の間 題を把握していく 方法をこそ問題とすべきものであ る から,数理や計量のみに 捉 われてはなるまい。 事実,問. 経営数学を上述のどの 意味で用いたらよいか ,. とい. う問題を考えるポイントは 三つあ る。 その第 1 は,科. 学的経営管理に 必要な数学は ,数学としては言わば寄 せ集めであ り,一貫した 理論体系をもたないので ,経 営数学は純粋数学においても 応用数学においてもその 一つの分野にほなりえないということであ. る0 第 2 の. 題の中で数理や 計量を用 い 得ない分野が 少なくないの. ポイントは,経営数学を 科学的経営管理法の 体系の意 味で用いるならば ,経営数学はその 別名にすぎなくな り,経営数学の 独自性が失われてしまうということで. であ る。 数理や計量は 論理の展開や 実証の便宜のため. あ る。. に用いられるもので ,経営問題に対する接近の 単なる 技法に過ぎないとも い えよ. う. 。 肝要なことは 経営問題. 第 3 のポイントは 経営数学という 語の来歴であ る。 これについては 久我 他 [3] に次のように 述べられてい.

(4) 110@ (110) る。. 横浜経営研究. 第W 巻. 「現在,経営数学という 名称の下に包含されてい. 第 1 号 (19㏄) る 。 すなわち,経営数学は経営に必要な 数学のことで. る内容の中には ,古くから商業数学あ るいは財務数学 という名前の 下に研究されていた 利息算なども 含まれ ている。 しかしこれを 経営数学と呼ぶようになったの は,第二次大戦前後から 急速に発達した 品質管理など. あ り,商業数学も 経営に必要な 数学であ ることに変わ りはな い ので,商業数学も 経営数学に含まれるという ことであ る。 しかし,経営数学を 経営に必要な 数学と とらえた場合,それは OR や統計的方法に よ る経営 管. の 統計的方法を 用いる経営管理, リニアー・プロバラ. 理法とは異なるので ,このとらえ方は , 上に引用した. ミング,オペレーションズ・リサーチなどを 総称する. 経営数学は商業数学, OR および統計的方法による 経 営管理法などを 総称する 語 ということと 矛盾すること になる。 そこで久我 他 [3] における「経営に 必要な数 学」ということの 吟味が必要となる。 久我 他 [3] には経営数学の 内容等について 次のよう. 語を必要としたからであ る」 (p.D)o この引用文より ,商業数学 (財務数学 ) が最初から 含まれていたかどうかは 必ずしもはっきりしないが ,. 経営数学は少くとも OR および統計的方法による 経営. 管理法などを 総称する 語 として用いられるようになっ たことになる。 このことは経営数学は 科学的な経営管 理に必要な数学というよりむしろ 数学・統計学を 利用 する科学的経営管理法の 体系という意味で 用いられ 始 めたことを意味する。 したがって経営数学の 正統的な 意味は A,. B のそれではなく , C,. D のそれであ ると. いうことになる。 なお,商業数学も 経営数学に含ませ るとすると, OR や統計的方法による 経営管理などは 科学的経営管理の 代表的な方法であ るが,利息算を 墓 礎に 資本価値計算の 方法などを研究する 商業数学 (財 務数学 ) 自体は経営管理の 方法そのものではなく ,む しろそのために 必要な数学であ るので,経営数学を 科 学的経営管理法の 体系の意味で 用いるなら ぼ ,その内 容を十分に表わせないことになる。 以上の第 1 と第 3 のポイントより 経営数学という 語. を科学的経営管理に 必要な数学という 意味では用いな い方がよいということになり ,第2, 第 3 のポイント. より,科学的経営管理法の 体系という意味で 用いるべ きだと言うこともできないことになる。 したがって,. 経営数学は上のどちらでもない 第 3 の意味で用いなけ ればならないのであ る。 その第 3 の意味を考えるため にまず大武也 [3] の主張をみてみよう。 久我 他 [3] には上に引用した 文の前後に次のような 叙述があ る。 (経営数学という 語を ) 文意的に説明す れば,経営に使用せられる 数学を総称する 語であ る… …」 (P.D)o 「あ る人々はこの (OR などの ) 主として 戦後に発達した 計算の理論を 経営数学と呼んで ,旧来 の商業数学と 区別しているが ,これは本質的には 余り 意味のないことであ る。 経営に必要な 数学という意味 では両者の間に 区別はないし ,方法の上でも ,戦後の 経営数学に特有な 方法があ るとはいえない」 (p.l)。 この二つの引用文を 見る限り,その論理は明解であ 「. な叙述もあ る。 「……経営者の 活動に関する 方法の理 論として経営数学の 重要性が認識されてきたという 事 実は無視できないと 思われる。 すなわち,経営数学は 経営という形容にアクセントがあ ると考えられる」 (PP.l-2)。 「……経営数学の 内容は専ら経営のための 必要な計算ということによって 規定される」 (P.2)0 「……経営数学は 企業経営の組織や 活動の発展に 伴っ て自然発生的に 発達したものであ り,従って数学的方 法 としても計算の 目的・内容としても 統一あ る体系を もった理論とはいえない 0 しかしその名称が 示す内容. の重点は何れかといえば 経営という方にあ る。 経営活 動の組織化と 高度化に体なって ,経営活動を合理化す るための計算の 必要度はますます 高まってくる。 経営 数学はこのような 実際上の要請によって 生まれてきた ものであ り……」 (Pp.2-3)0 以上より, 「経営に必要な 数学」といっても ,それ は数学より経営の 方に重点があ り,数学としては 統一 的な体系をもたない ,合理的な経営活動を 行うための 計算の意味で 用いられていることが 分る。 合理的な経 営活動は科学的な 方法の採用によってなされると 考え られるので,合理的な 経営活動を行うための 計算とは 経営管理を科学的方法によって 行うときの計算と 言う ことができる。 したがって人武也 [3] では経営数学は 経営管理を科学的方法によって 行うときの計算ととら えられているということができる。. 上のように経営数学が 数学よりむしろ 計算ととらえ られるのは,経営数学の 主要な内容の 一つとされた 商 業数学が投資の 経済計算や減価償却計算などの 諸計算 に 応用されることを 念頭においてのことと 考えられる が,それ以上に, 次のようなステップをふんでなされ. る科学的経営管理における 計算が俳頭におかれている ためとも考えることができる。.

(5) 経営数学のアイデンティティーを 求めて ステップ 1. 問題の明確化. : 現実の経営管理土の. (臼井. 功). (工工 1) 11. Ⅰ. 問. じて モデルと解を 変更しなければならない 0 しかし変. 題は,まず,例えば 最適な在庫量はいくらであ るかと いうよさに,漠然とした 不正確な形で 問題にされる。. 更した解の実施には 費用がかかるので ,前提条件が変 化する 度 びにそれを行 う ことが得策かどうかは 一概に. このような形で 問題とされた 問題を解くには ,最適性 を判断する基準となるべき 目標は何か,最適を 達成す. ほ言えないことであ る 0 そこで前提条件が 変化したの. るためにはどのような 代替的方法があ るか,そしてそ. の際どのような 点が制約条件になるか 等について検討 して,問題を 明確にしなけれ ば ならない。 ステップ 2. 数学モデルの 構築. :. 前 ステップで明確. にされた問題を 解くには数学的方法によるのが 最もよ. にもかかわらずモデルと 解を変更しない 場合の損失 と ,前提条件の 変化に応じてモデルと 解を変更する 場 合の費用を勘案して ,どのような条件の変化のとき 変 更し,どのような変化のとき変更しないかを 予め定め ておくことが 必要となる。 ステップ 6. 解の実施。. い 0 そのためには , 前 ステップで明確にされた 目標,. 制約条件,代替的方法等を ,決定変数,目的関数,制 以上の科学的経営管理の 各ステップの 中で特に計算 約条件等を適切に 特定化することによって 数学モデル に構築することが 必要であ る。. が必要なの ほ ステップ 2 ∼ 5, 就中,ステップ 2. と. 3 に. おいてであ る。 各ステップにおいてなされる 主な計算. 前 ステップにおいて 数学 モ. を, OR の一つの技法であ る数理計画法に 即して言う. デル に表わされた 問題の解を求めるステップであ る。. と,ステップ 2 の数学モデルの 構築において 主になさ. この解を求める 方法には,微積分法などによる 解析的. れる計算は目的関数や 制約条件式を 理論的あ るい ほ 経. 方法と,コンビューターを 利用する計算的方法があ る。 経営管理の科学的方法において 数学が最も利用さ. 験的に導き,それらの" ラメーターをデータを 用いて. れるのは一般にこのステップであ る。. 算であ り,ステップ 3 の解の導出においてなされる 計. ステップ 3. 解の導出. :. ステップ 4. モデルおよび 解のテスト. :. ステップ 1. 推定して具体的な 数理計画問題を 定式化するための 計 算は定式化された 数理計画問題の 解を求める計算であ. る 0 ステップ 4 のモデルおよび 解のテストにおいて 必 の問題の明確化において ,目標,制約条件,方法など 要な計算は,ステップ3 で得られた最適解を 過去のデ をすべて明確化できるとは 限らない。 またたとえ明確 ータとつき合わせるための 計算などであ り,ステッ 化できたとしてもそれらを 正確に反映させた 数学モデ. ルき 構築することは 殆 んど不可能なことであ る。 そこ. プ 5 の解のコントロールにおいて 必要な計算は ,感度. で重要でないと 考えられる要因は 捨象してモデル 化せ ざるを得ないのであ るが,重要でないかどうかの 最終. 分析やパラメトリック・プロバラミンバを 用いて,双. 的判断は,ステップ3 で得られた解を 実際に実行して. 合の損失と解を 変更する費用を 比校する計算であ る。. みて計算通りであ るかどうかによってのみ 可能であ. これらの計算の 中では一般にステップ 3 の解の導出の. る 。 しかし網の実行によってモデルの 良し悪しを判定. 計算が最も困難であ ろう。 しかしどのステップの 計算. することはあ まりにも費用のかかることであ る。 そこ で,解を実際に実行する双に ,過去のデータとつき 合 せることなどによって ,モデルと解をテストすること. も 重要 皮は 変らない。. が必要な場合があ る。 例えば結果が 不確実な場合の 最. が必要となる 0 このテストによって 前 ステップで重要. も合理的な目標は 期待効用の最大化であ る。 これを公. でないとして 捨象された要因が 実は重要であ るという. 理系から数学的に 演 律 するのに計算が 必要であ るの. ことが会ったならば ,モデルを構築し直して最適解を 求め直さなけれ ば ならない。 以上のモデルおよび 解の. で ,ステップⅠにおける 目標の明確化のために 計算が. 提条件が変化したのにもかかわらず 解を変更しない 場. OR の諸技法においてはステップ 1 においても計算. なされる場合があ るのであ る。 テストは,ステップ において明確にできない 要因が 上述のステップをふむ 科学的方法による 経営管理法 あ りうるということによ っても必要であ る。 は OR だけではない。 ロット生産される 製品の不良率 ステップ 5. 解のコントロール : ステップ 4 のテス を推定し,合理的にロットの 合格・不合格を 決定しよ トにパスした 解が有効であ るのは,目標,制約条件, ぅ とする披陳検査,大量生産される 製品の不良率など 方法などの,言わば最適解の前提条件が 変らない場合 によって工程の 異常を発見し ,製品の品質の向上をは だけであ る。 それが変化する 場合には,その変化に応 かろうとする 統計的品質管理,製品の 売行きを予測す ェ.

(6) 1 Ⅰ 2 (11:2). 横浜経営研究. る 販売予測,製品の売行きに影響を. 第W 巻. 与える要因とその. 程度を知ろうとする 市場調査など ,統計学を利用する. 経営管理法も 科学的方法によるそれということができ る。 なぜなら,これらの 経営管理法においても 何らか. の目的関数を 制約条件下で 最適化するステップも り. あ. ,科学的方法がとられていると 考えることができる. からであ る。. しかし上述の 統計学を利用する 経営管理法は OR は見なされていない 0 なぜなら,それは OR は当てはまらないからであ る 0 ちなみに, OR はこれまでにいろいろなされてきたが , OR に広くとり入れられ , OR. と. の定義に の定義. が産業界. の概念がほぼ 固まった後の. 定義には次のようなものがあ る。. 「. OR は. (1) 科学的方法の 応用であ り, (2) 諸分野の協力チームにより , (3) 組織された (人間 - 機械 ) システムを,組織全体 としての目的に 最も役立つ解を 与えるよ う に, 制御する問題を 扱 う (アコ フニサシ 一二 [1]p.8)0 「『オペレーションズ・リサーチは 意思決定を数 根拠によって 行ない,また新たな経営上の 間 題 点を数 且 的な分析手法によって 発見するために ,計画手法 (科学的手法 ) とインターディシプリナリー・チーム 」. を導入して,問題の. 中にあ. る複雑な機能上の 関係を数. 学モデルとして 取り扱おうとするものであ る JU ( シ 一 ロ. 第. 1. 号 (1985). OR=. 経営科学 (あ るいは管理科学 ) とする見解が 一 般的であ る。 上述の統計学を 利用する経営管理法は 科 学的方法をとっているが ,その他のOR の特質は一般 にもっていないので , OR には含まれないのであ る。. さて,上述のように ,経営数学を科学的方法による 経営管理においてなされる 計算ととらえるならば ,そ れは OR や統計的方法による 経営管理において ,数学 モデルの構築から 解のコントロールまでの 過程でなさ れる計算ということになる。 経営数学は数学 (の一分 野 ) ではなく,また科学的方法による 経営管理法その ものでもないとするこの 経営数学のとらえ 方は基本的 には正しいと 思われる。. しかしながら 上の経営数学のとらえ 方も少くとも 二. つの問題点をもっている。 その一つは,経営数学を 科 学的経営管理においてなされる 計算ととらえることに よって,計算の前提として必要な 数学モデルの 理論的 研究や経営理論の 数理的研究が 経営数学より 脱落する 恐れのあ ることであ る。 この恐れをなくすためには ,. 経営数学を科学的経営管理においてなきれる 計算と限 定 しないで,数学モデルの 構築∼解のコントロールの 方法についての 数理的研究と 拡大する必要があ るだ る 上述の経営数学のとらえ 方のもう一つの 問題点は 商 業数学 (財務数学 ) が経営数学に 含まれなくなってし. ブ = グロス [7]p.15)0. まう ことであ る。 その理由は , 既に簡単に触れたが ,. これらの定義に , OR. 商業数学は利息算を 基礎にして投資の 経済計算や減価. が産業界に導入され 始めたこ. ろに特に強調きれていた , OR. はスタッフの 業務であ. 償却計算の方法などを 研究するものであ るので,経営. を提供するものであ るということを 付け加えると ,. 管理上の問題を 数学モデル化しそれを 解くことによっ て問題の解を 得るという経営管理法そのものではない. OR の特質として 次の. ということであ る。. って組織の意思決定の 責任者に意思決定のための 根拠. ぅ. 4. 点をあ げることができるだろ. 0 すなわち. ㈲構成要素が 互いに相互依存関係をもっている 組 織 されたシステム 全体の最適な 管理運用に関する 研究 であ ること (2) システムの意思決定の 黄仕者に意思決定の 根拠 を提供すること (3) 研究はいろいろな 学問分野の人からなるチーム によって行われること. (4) 科学的方法をとること であ る。 ここに科学的方法をとるとは ,上述のよう に,問題の明確化∼数学モデルの 構築 づ 解の導出づ解 のテスト∼解のコントロール. づ 解の実施というステッ. プをふむということであ る。 また上述の特質をもつ. 投資の経済計算や 減価償却計算より 得られる結果 は,投資決定という 企業経営における 重大問題の解を 得るには絶対的に 必要なものであ る。 それにもかかわ. らず,商業数学は 投資決定問題や 原価計算以覚には. 利. 用 されることが 殆 んどない,言わば投資決定や原価計 算に固有の数学であ るために,商業数学が 数学として 専門的に研究されることはな い俺 そこで商業数学はそ の結果を主に 利用する経営数学の 一分野として 研究さ れどるを得なくなるのであ る。 以上の二つの 問題点を考慮して ,経営数学は科学的 方法による経営管理において 数学モデルの 構築∼解の コントロールについての 数理的研究と ,商業数学など のそれに固有な 数学の研究を 意味するとすればよいと.

(7) 経営数学のアイデンティティーを 求めて. (白井. (113)@113. 功). 思われる。. 引用文献 以上,冒頭にあげた A ∼ D. と. 久我 他 [3] などにより. ながら経営数学の 意味を考えてきたが ,経営数学を科. [1. Ⅰ. 学的方法による 経営管理に関連させている 点はどの著 書も一致していた。 しかし経営数学を 科学的経営管理. だけに限定せず ,一般的な経営管理過程における 諸現 象. (例えぼ. 用いて解明しようとすることも 経営数学の領域に 含ま せる見解もあ る (例えぼ 占部 [8]P.148)。 この見解 は 経済学において 経済現象を数学的あ るいは統計的方法 によって解明しようとする 領域を経済数学と 呼ぶ見解 と. [2]. 日本的経営 ) を数学的手法や 統計的方法を. 同様であ る. (経済数学も経済現象の. 数学という意味で 用いられることもあ. る)。. Ⅰ. 3]. [4. Ⅰ. [5]. 大武雅夫,佐藤信吉編 : 経営数学 : 育林書院新 社・昭和 41 年。 真壁 肇 編著 : 経営数学 : 日本規格協会,昭和 ㏄ 年。 宮川公男. :. 実教出版,昭和 49. 高橋 盤郎 ,小林竜う 出居. 茂 (近藤次郎監 ) :. :. 経営数学入門. 年。 [6I. 経営数学の基礎と 応用 : 日本生産性本部,昭和 43 年。. この広義. の経営数学の 意味の是非などの 検討を含めて ,経営数. 藤沢袈裟 利 ,松竹康夫 : 経営数学 : 丸善,昭和 ㏄ 年。. 理解および科学. 的方法による 一国経済や地域経済の 管理運営に必要な. Ackoff, R. L. and M. W,. Sasieni: Fuぴれオ amentnlso ダ OPerQatioが Researc 。ん :John Wiley, 1 ㏄ 8 (松田武彦, 西田俊夫 訳 : 現代 O R の方 法 : 日本経営出版会,昭和 45 年 ) 。. [7]. 学の意味について 検討すべき点はまだ 残されている。 [8]. Thierauf, R. J. and R. A. Grosse: Decisio れ 亡ん 巾ぴgh O 化仏Ⅰ i0 れタ R り髭こなん: John WiIey, 1970 (斎藤嘉 博訳 : 最新オペレーショ ンズ・リサーチ 概論 : 自科技連,昭和47 年 ) 。 占部部 美 編著 : 経営学辞典 : 中央経済,昭和55. M Ⅰ ゐ肋9. 年。 ( ぅ すい い さお. 横浜国立大学経営学部助教授. コ.

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「欲求とはけっしてある特定のモノへの欲求で はなくて、差異への欲求(社会的な意味への 欲望)であることを認めるなら、完全な満足な どというものは存在しない

断するだけではなく︑遺言者の真意を探求すべきものであ

いてもらう権利﹂に関するものである︒また︑多数意見は本件の争点を歪曲した︒というのは︑第一に︑多数意見は

2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち