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行政計画に対する民主的統制としての住民参加(一) : ドイツ連邦共和国の都市建設法制の展開を素材として

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(1)行政計画に対する民主的統制としての住民参加←). 行政計画に対する民主的統制としての住民参加︵一︶         ードイツ連邦共和国の都市建設法制の展開を素材としてー                               村   上. はじめに.  社会・経済構造の変化による国家の経済過程への直接的・恒常的介入、および国民の行政需要の新しい展開に対応した. 行政の複雑多様化に伴なって、議会の直接的統制の枠外に出る裁量的活動が、あれこれの理由から増大している。このこ                                         ハ   とから、資本主義社会の矛盾が、国家と民主主義の対立というレベルであらわれてきている。そこで、行政の側にとって. も、従来のようにたんに議会による直接的授権では、行政の存在理由U公共性”正当性を獲得することができず、参加に                     へも よる新たな正当性の根拠づけが求められている。そのために、現代国家における新しい合意調達機構腔包摂的機能として、                                                    パき 行政情報の公開、行政手続の整備、国民の参加を、行政に対する信頼確保の下位概念と把える考え方が提起されている。. たとえば開発行政領域においては、行政の構想に対する支援体制の確立に向け、住民サイドからの﹁促進﹂の声をつくり. 出すために、構想の段階から住民を取り込み、住民の中に分断をつくり出すという意味で、行政過程への住民参加が主張 されている。.     ハ レ.  これに対し、国民の側にとっても、行政裁量は行政に対する法的拘束をゆるめることから、行政裁量を民主的に統制す  ハ り. ることが、もっとも重要な課題となっている。たとえば、現在の介入主義国家における主要な介入形態である行政計画の. 場合、国民に対するその影響力が大きいにもかかわらず、その全過程とりわけ計画内容の決定が、権限行政庁の広範な裁. 一143一. 博.

(2)                                          ハ レ 量に委ねられていることから、行政計画における裁量の行政法学的検討が強く求められている。この検討にかかわってと            ハァレ. くに注目すべきことは、行政裁量統制の新しい視点を開く課題として、違法でも不当でもない、いわゆる毅疵なき行政活. 動における裁量統制の問題が設定されていることである。また、この裁量統制の手法として、﹁現代生活を営む国民の﹃知. ハざ. る権利﹄と﹃参加権﹄に裏打ちされた、正義と公平のための、いわばフェア・プレイの原則の実現に向けての民主主義制                  パリソ. 度﹂たる情報公開と参加が提起されていることである。そこで、前述の新しい行政の権威確立の外装となる包摂過程とし. ての参加にならない制度的・理論的工夫を考慮しつつ、民主化機能、人権保障機能および行政の科学化合理化機能を果た                         ハリ すための参加を確立する諸課題の検討が求められている。                                      ハき  他方、ドイツ連邦共和国における計画裁量をめぐる法状況は、つぎのとおりである。計画裁量という概念は、連邦建設          パむマ. 法にもとづく建設管理計画を主たる対象とする連邦行政裁判所の一九六〇年代末以降の一連の裁判例を通して、形成され. 確立されたものである。連邦行政裁判所が、この計画裁量に対する実体的規制原理にもとづく厳格なコントロールを要求                                                      パど してきたことから、この裁判例をめぐって学説は展開している。この裁判例に対する批判としては、計画裁量論という説. が主張されている。この説は、計画法の規範構造の特殊性から、計画裁量と行政裁量との質的違いを根拠づけ、これにも                                                  ハき とづいて、行政計画に対する裁判所によるコントロールの行き過ぎを批判する。しかしこの考え方を批判する説は、計画. 裁量と行政裁量との違いを、質的なものではなく、裁量の幅における量的違いと把え、計画裁量に対する法的コントロー. ルの検討を主張している。                                  ハど  そこで、本稿は、計画裁量と行政裁量との違いを量的な違いと把える立場から、計画裁量に対する裁判所によるコント. ロール程度の問題を踏まえて、行政計画に対する民主的統制としての住民参加問題を、都市計画行政領域において検討す                                              おソ ることにする。具体的には、計画への広範な住民参加を含めた行政手続の整備に基本的な特質を有する、ドイツ連邦共和                           ハと 国の建設法の包括的な改革への最初の決定的な第一歩である一九七一年の都市建設促進法を中心に、ドイツ連邦共和国に. 一144一. 説 論.

(3) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←). おける都市計画法制の展開に即して、e都市建設促進法制定以前における連邦建設法下の法状況、 口都市建設促進法下の. 法状況および日一九七六年の連邦建設法下の法状況を、ゲマインデの計画裁量に対する規制原理、 規制原理にもとづく裁. 七九頁以下参照。裁判所の政治的機関性があらわになるのを回避するために、本来司法部が果たすことが期待されていた機能.  社会的統合装置としての参加システム構想については、二宮厚美﹃日本経済と危機管理論﹄︹新日本出版社、一九八二年︺二. 頁以下参照。.  加藤哲郎﹁先進国革命論−国家の危機と民主主義的変形ー﹂︵﹃講座現代資本主義国家4﹄︹大月書店、一九八○年︺︶三〇四. 判所によるコントロールおよび計画策定手続という観点から検討する。. ︵1︶. ︵2︶. 対応﹂︵小林孝輔教授還暦記念論集﹃現代法の諸領域と憲法理念﹄︹学陽書房、一九八三年︺︶五七一頁参照。.  同 九一頁参照。.  この制度的・理論的工夫については、原野 前掲論文八五頁参照。.  同 二二四頁。.  室井力﹁現代社会と行政の民主的統制﹂︵前掲小林孝輔教授記念論文集︶二壬二頁参照。.  芝池義一﹁行政計画﹂︵﹃現代行政法大系2ー行政過程﹄︹有斐閣、一九八四年︺︶三三八頁以下参照。. 111098765 ) )) )). 裁量﹂︵専修法学論集二八号︶、同﹁計画裁量の限界﹂︵専修法学論集二九号︶、高橋信隆﹁計画裁量とその裁判的統制ー行政法.  芝池義一﹁計画裁量概念の一考察﹂︵杉村敏正先生還暦記念﹃現代行政と法の支配﹄︹有斐閣、一九七八年︺、宮田三郎﹁計画. 現象の動態的考察への一視角ー﹂︵立教大学大学院法学研究一号︶および高橋滋﹁行政の政策的判断と裁判ー西ドイツの議論を 素材としてー﹂︵一橋論叢九三巻五号︶参照。.  芝池義一﹁西ドイツ裁判例における計画裁量の規制原理﹂︵法学論叢一〇五巻五号︶参照。.  拙稿﹁ドイツ連邦共和国における計画法理論研究序説﹂︵法政論集八一号︶一七五頁註︵1︶ー︵5︶参照。. 一145一. および制度の存在理由に対する代償として主張されている参加論については、久保田穣﹁改憲構想における司法像と裁判所の.  原野翅﹁現代行政法学と﹃参加﹄論﹂︵長谷川正安編﹃現代国家と参加﹄︹法律文化社、一九八四年︺︶七六頁参照。.  田口富久治﹁現代資本主義国家の諸問題﹂ω︵法と民主主義一八五号︶三三頁参照。. 日本出版社、一九八六年︺一四一頁および一九七頁以下参照。.  総合研究開発機構﹃事典・日本の課題﹄︹学陽書房、一九七八年︺三一六頁および亨国O研究会編著昌>勺8の野望﹄︹新. (( 43 ))   パ パ ハ パ パ パ. 1312. ) ). )  ).

(4) 17 16 15 14. 同 一八○頁註︵11︶、︵13︶および︵15︶参照。. 芝池 前掲論文︵註︵11︶︶および拙稿一七六頁以下参照。. 国凝碧国蝕劃ω薮砕①訂鼠α鼠Φ昌昌αQ。。αQ霧Φ貫ご謡︶<o暑o旨鐸昌αω唖一. 成田頼明﹁西ドイツ都市建設促進法の概要と問題点ー人間尊重の都市再開発﹂ ︵ジュリスト五〇八号︶八○頁参照。. 都市建設促進法以前の法状況. )  )  )  ).   ハき. とりわけ計画裁量の承認を意味する。﹂この計画裁量の行使に対する規制原理につき、連邦行政裁判所のその後の一連の.                パさレ. 8島畠︶策定されなければならない︵二条一項︶。﹁この規定はゲマインデの﹃計画高権﹄を含み、計画高権は、その場合.  建設管理計画は、ゲマインデによって、自己の責任において、必要なときに必要な範囲で︵ωo富匡量鼻8惹Φ①。。♂㍗. ︵田Φげき琶αqω巳き︶との二段階の行政計画の下位概念によって構成される︵一条二項︶。. この法律の執行に必要な措置の基礎となる︵八条一項︶土地所有者などを拘束する計画としての建設細目計画. 念である。これは、指針的かつ準備的な計画である土地利用計画と、この計画を発展させ、都市計画を最終的に確定し、.  この法律によって導入された行政計画が、建設管理計画︵評巳Φ菩一器︶である。この建設管理計画という概念は上位概. 法の連邦統一法として、連邦の競合的立法権︵基本法七四条一八号︶にもとづいて制定されたものであり、従来の土地法                                       ハヱ の発展の到達点を意味するにとどまり、新しい展開の始まりを告げる法律ではなかった。. 〇年の連邦建設法︵ω巨留筈窪αq霧Φ訂ぎ目器。甘β二80︶である。この法律は、一九四六年以降の各ラントの復興建設. 1. 連邦建設法にもとづく都市計画制度の概要                                   ハと  一九七一年の都市建設促進法の制定以前、都市計画行政領域における基本法としての機能を有していた法律は、一九六. パ  パ  パ  ハ. 裁判例によれば、正当化原則、計画策定上の指針︵勺﹃匿轟ω一葺路言①︶および衡量原則として、﹁地域的共同体の事項﹂で. 一146一. 説 論.

(5) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←).                                         パゑ                     ぞソ. ある建設管理計画化を﹁法律の範囲内で﹂︵基本法二八条二項︶制限する連邦建設法の規定が、以下のように置かれていた。. すなわち、第一に、正当化原則として、建設管理計画は、都市建設における開発の秩序づけに資さなければならない︵一. 条一項︶。第二に、計画策定上の指針として、つぎのことが定められていた。まず、主要な指針として、建設管理計画は、. 住民の社会的および文化的要求ならびにその安全および健康に適合しなければならない︵同条四項一段︶。つぎに、主要. な指針に半ば従属しかつ半ば独立した指針として、建設管理計画は住民の住宅需要に資し、住宅制度における財産形成を. 促進するものとし︵同項三段︶、また公法上の教会および宗教団体によって定められた礼拝および魂への配慮︵ωΦΦ一8おΦ︶. に不可欠の事項を考慮し、経済、農業、青少年の育成、交通および防衛の必要性を顧慮し、自然保護および景観保護の利. 益ならびに地区像および景観像︵9デ巨伍冨&ω9聾菩ま︶の形成の利益に資さなければならない︵同条五項一段︶。さ. 一147一. らに、これらの指針と共に計画化行政庁を促して自制させる明確な要請として、農業に利用されている土地は、必要な範. 囲においてのみ、他の用途に予定されかつ要求されるものとする︵同項二段︶。第三に、衡量原則として、建設管理計画. が策定されるとき、公益と私益がそれぞれにかつ相互に︵αQΦαq①房冒き伽R目畠巨け9①旨”巳巴適性に衡量されなければ. ならない︵同条四項二段︶。これら三つの規制原理のうち、ドイツ都市計画法制史上、連邦建設法において初めて導入さ. 田霧ω。ぼ&§︾窪包の。。訂楯①ωΦ貫這①倉ω●N’. 芝池義一﹁西ドイツ裁判例における計画裁量の規制原理﹂︵法学論叢︻〇五巻五号︶参照。なお、裁判例についてのその他の研. 琶亀ダ一一。=。む刈ρ団O国N①凶器O●. O旨 O。伊一SρωO国N①ρO ω<Φ毫O国鳶レ“介<。置●ω。一〇誤︶ω<①毫O国斜OO㎞①信&︿・S8一SO Ob<Φ暑O国0ρ=O●<αq一・ωO戸dH壁くbO.  ω<霞毛ρdHけくμN.旨﹂8Pω<Φ暑O国ω倉ω〇一︾︿●8●一〇μO認りω<Φ暑O国麻一b8<。㎝●8一〇謹b<Φ暑O国臨bOP︿●一=﹄S企.  切<9毛ρq旨●<●憲.憲●ご①Pゆ<R毛O団ω介ωO藤●.  URω●bO﹃魯お<①暑巴9bαQωお畠岳9①園8窪ω冥8び琶αQ薯目ω融含Φ富FU<ω一●一Qお讐ω袖①oo’. 4321.                                                      パこ れた衡量原則は、それが建築の自由と都市建設上の秩序との調整を規律することから、とりわけ重要な意義を有する。. パパ パ.

(6) 究業績としては、遠藤博也﹃計画行政法﹄︹学陽書房、一九七六年︺、宮田三郎﹃行政計画法﹄︹ぎょうせい、. 橋滋﹁行政の政策的判断と裁判ー西ドイツの議論を素材としてー﹂︵一橋論叢九三巻五号︶などがある。 ミΦヨ9国o署①b窪一⑦一6一目自αq巨侮田αQ8葺日ωαq鎖声旨Φb<ω一﹂O①介ρ一①o。,. 裁判所による建設管理計画のコントロール. oh  国o題P勲鋭○。ψ一①o.  閤o目&O①一8乞W角唇﹃崖話器畠葛。︾魯。葛認︾臣糞8顕. ))). 一九八四年︺、高.  一九六〇年代の末、建設管理計画化が、連邦建設法一条の目的規定にもとづき、どの程度裁判所によって審査されるか. という問題につき、学説はつぎの三つのグループに別れていた。第一説は、建設細目計画の策定がゲマインデの自治行政.                            パ マ. 事務であり、連邦建設法二条一項にもとづき、ゲマインデによって自己の責任で実現されることから、同法一条の計画目     パ ソ. 的規定も裁量決定を授権したものであり、ゲマインデの計画上の決定の完全審査の権限は、裁判所には与えられていない、. と解釈した。第二説は、建設管理計画化が規範的性質を有することから、計画化が法律による行政に服さず、連邦建設法. 一条によってゲマインデに課せられた法律上の制限を、法的には拘束力のない計画化プログラムとみなした。したがって、. 一条にもとづく裁判所によるコントロールは、不可能と判断された。最後に第三説は、建設管理計画化の法規範としての.                              パぽ                     パゑ. 形式、およびゲマインデの自治行政権の保障にもかかわらず、連邦建設法一条の計画目的規定を、法的拘束力のあるもの. とみなした。この場合、さらに、ゲマインデの裁量を認める見解から、判断余地を認める見解を経て、裁判所による完 全なコントロールを承認する見解にまで別れる。.  このような学説の対立状況の中で、裁判所の考え方は、ハンブルク地方裁判所に代表される﹁ハンブルク見解﹂とバー                                    パゑ デン・ヴュルテンベルク行政裁判所に代表される﹁南ドイッ見解﹂に別れていた。すなわち前者は、建設細目計画の法規                                                  パこ 範的性質および権力分立原則から、裁判所の建設細目計画にょる完全なまたはほとんど絶対的な拘束を主張した。これに. 一148一. 765 2. 説. 論.

(7) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←う.                                 すレ                       パリ. 対し後者は、連邦建設法一条四項二段による公益および私益の衡量ならびにどの公益および私益が、具体的な個別事案に                                              パ マ おいて、計画化によって関係づけられるかの確定が、裁判所の完全な審査に服することを主張してきた。.  このような対立の中で、連邦行政裁判所は、一九六四年四月二九日判決において、つぎのように判示した。ゲマイン. デは、その計画化に際し、連邦建設法一条に拘束されているけれども、ゲマインデが、自己の計画高権をどのように行使. するかということ、およびゲマインデが、どのような構想を計画高権の基礎におくかということは、広範にゲマインデの   パき. 自治行政に委ねられている。しかし、法律上の枠内に留まるゲマインデの計画上の確定のみが、受け入れられなければな         パど                                   ハど. らない、と。この連邦建設法一条による拘束の内容を裁判所による計画裁量に対するコントロールとのかかわりで、初め. て明らかにしたのは、連邦行政裁判所の一九六九年一二月一二日判決である。この判決は、前節の三つの規制原理それぞ れについて、以下のように述べる。.  まず、正当化原則につき、裁判所はつぎのように判示した。都市建設上顧慮されるべき︵十分重要な︶一般利益は、特. 定の計画化の必要性を証明する場合にのみ、満たされることができる。そこで、計画高権の行使は元来なんらの正当化も. 必要とせず、それと対立する利益が証明されるまで、その正当性が容認されるとするならば、連邦建設法二条一項と一条 との関係は誤解されることになろう、と。.  つぎに、計画策定上の指針については、つぎの見解が示された。連邦建設法一条四項一段および三段ならびに五項で用. いられている概念は、その解釈および適用において、上級行政庁および行政裁判所による無制限なコントロールに服する、. いわゆる不確定法概念である。たとえば、なにが経済の必要性︵一条五項一段︶にあてはまるか、についての計画ゲマイ. ンデの見解、および特定の計画化がこの必要性に資するとの計画ゲマインデの見解には、裁判所の判断に対するなんらの. 優越性もなく、ゲマインデのためのいかなる判断余地も問題にならない。計画ゲマインデが、優遇に値する専門的知識を. もっている問題の場合には、ゲマインデの見解および判断の優越性が考慮されるが、一条四項一段および三段ならびに五. 一149一.

(8) 項において用いられている概念のときには、まったくそれが欠けている。一条四項および五項は、たとえば﹁礼拝および. 魂への配慮﹂、防衛、自然保護および景観保護ならびに交通のように、一部、ゲマインデの権限にすら入っていない目標. 設定にかかわる、と。.       ハ .  さらに、衡量原則については、計画策定上の指針の解釈および適用と異なり、上級行政庁および行政裁判所による無制. 限なコントロールには服さない、と判示された。具体的には、﹁︵事物に適合した︶衡量がそもそも行われない場合、適正. な衡量の原則が侵されている。事情に応じて衡量に入れられなければならない利益が、衡量に入れられない場合、それは. 侵されている。さらに、関係する私益の意味が誤解される場合、または計画化にかかわる公益間の調整が、個々の利益の. 客観的重要性と比例しない方法で行われる場合、それは侵される。しかし、このように引かれた枠の中では、計画化権限. を有するゲマインデが、さまざまな利益間の衝突において、一方の利益の優先、それと共に必然的に他方の利益の後退を                 ハぎ 決定する場合、衡量原 則 は 侵 さ れ な い 。 ﹂ と 。                                  ハど  したがって、ゲマインデの計画裁量の行使は、衡量原則にかかわる場合、衡量脱落︵>げ毛餌αQ巨αq旨5包一︶、衡量欠損. ︵︾げ≦餌αQ巨αQ亀鑑旨︶、衡量誤評︵︾げ≦凝毒αQω︷魯ζ房畠馨N9αQ︶および衡量不均衡︵>げ毒凝巨αQω象ω冥80註8﹄聾︶. のとき以外、すなわち計画裁量の法律上の限界内で、さまざまの対立する利益間の序列を決める衡量のときには、裁判所. によるコントロールには服さず、その違法性を問われないことになる。しかし、国民の権利利益の保障の観点からすると、. 行政活動の違法性が問われないということは、そのための最低限の要件にすぎず、より民主的な手段によるより効果的な. 権利利益の保障が求められる。そこで、違法性を問われない計画裁量に対する統制をも可能にするためには、計画策定手.             パど. 続が、情報公開と参加を保障するように整備されているかどうかが重要な問題となるので、つぎの節では、連邦建設法の 計画策定手続にかかわる規定について、検討することにする。. 一150一. 説. 論.

(9) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←).  幻一魯貰山切印註巷①お○き9Φo o窪一①一8鼠き茜巴ω国Φ器笥象α窃<Φ暑巴昌昌oQωω欝象①ωb<国﹂8凶¢ω①象.  一W言目①ポ斜○●ω●80。。. くΦH︷昏器PUOく一〇①ρωbO試沖ω貸隣巷ΦHαqR猶騨ρψω①刈︷. 評急<ω一﹂8G 。︶ω。。 。ゆ①げき自αqω筥雪Φωぎ召。匡o一αqΦ巳魯国馨①凝旨bαqω− o 禽き臣切冨日①一uN貰ぎ富菖9自OげΦ目冥三自αQ8。.  08茜ω9一貫9Φ幻8冥。。窟①昌巨αQ号ω譲茸雫田阜<O国巨傷号ω<O国ω&串詣算g目ぎ茜讐ヨ瀬ξ自譲ω筥き§拝.  翰Φ旨臼団o署①b窪一Φ一8一目自αQ巨畠田αq8gヨのαq鎚目き一一Φb<切一﹂8企¢一認匿.  閏鶴霧ω9a身ΦNb自巳Φ筈窪αqΦ紹けN篇8倉惚O国山糞一ω卑. 。おoげ二8♪噌伊  国o目&○Φ一NRb霧器幕ω印唇一目巨αQ。. 54321 おド宮田前掲論文七三ー七五頁参照。. <αQ一●函毘国①ぼ酵即鼠β窃窪§げご巳評琶。H鼠巨αq旨一お・<8寓ぎ畠︵鱒ωαq’︶加Φω。&§。。<R暴一一轟αq。・§辟”一。認一ψ.  ω<①暑O国ωドψωO一,. なしている、と評価している。.  宮田三郎﹁計画裁量﹂︵専修法学論集二八号︶七三頁参照。宮田教授は、この判決がその後の連邦行政裁判所の判例の原型を.  UO<一〇①介¢ωo。ρ.  <αQ一’ω毘一巷Φ茜Φ斜騨勲○●ω●ω①9.  ∪α<一QO介¢ωo。ω.. 。﹂8G。bO<お①ω加,蕊。﹂ΦHω。ωΦω琶●ダ轟刈﹂。①①b苗=⑬①窃。ω。。ω。 騨島、名茸ミO鍔切①ω。匡知’ド。.  ︾。餌。9¢NOQQ︷い. 1211109876. 1413  ︾。偶b。の●ωOQo,.  ω<①署○国ω卜︾ω。ω09.  ︾。鋭ρω・らoOO’.  OΦ一NΦH旬角巷一目自αq曽Φ9計N。︾亀一。レO認恥鼠るω中.  室井力﹁現代社会と行政の民主的統制﹂︵小林孝輔教授還暦記念論集﹃現代法の諸領域と憲法理念﹄︹学陽書房、一九八三年︺︶. 一号︶は、行政手続においては合目的性も問題になりうることに注目している︵七六頁︶。. 二二三ー二二四頁参照。なお、山田洋﹁行政手続の暇疵と行政行為の効カー西ドイツ行政手続法論の一視点ー﹂︵一橋研究五巻. 一151一. ハパハ パ ))))). パ        パ     パ    パ  ハ. 19 18 17 16 15. )  ) V  )  )  )  ).

(10) 建設管理計画の策定手続の概要. ントロールに際し、それを利用する機会を与えるために、計画に添付して提出されるものとする︵二条六項および一一条︶。. び提案は、それについてのゲマインデの意見と共に、建設管理計画の認可を受けようとする上級行政庁に、計画の法的コ. する。そして、建設細目計画が、ゲマインデ議会によって条例として決められる︵一〇条︶。考慮されなかった異議およ.                                     へちマ. 部分的に専門的知識を要するそれらの内容について説明を求めることができる︵同条八項︶、第三に、ゲマインデは、当                                   ハゑ 該縦覧期間中に提出された異議および提案を検討し、理由を付記することなく、その検討結果のみを個々の提出者に通知. 供しなければならない︵二条六項︶。その場合なんぴとも建設管理計画、説明書および基礎資料を閲覧することができ、. 六項︶。つぎに、ゲマインデは、建設管理計画の草案にその説明書または基礎資料を付し、それらを一月間公衆の縦覧に. 異議および提案︵切巴Φ爵8琶儀︾目Φαq目αq①昌︶を縦覧期間中に提出することができる旨、教示されるものとする︵二条. ことが期待されず、それによって縦覧期間が事実上短縮されることになるので、公告の開始によって、すでに縦覧それ自                                パぽ 体の期間が経過しないことを確保するために、設けられているのである。そして公告の際、なんぴとも口頭または文書で. 公告期間は、公告の開始が縦覧のそれと一致すると、ゲマインデ住民が、公告の掲示の初日から公告を知っているという. 覧を経て、六条六項および一二条による認可の地方の慣習に従った告示によっておわる。具体的には、まず、建設管理計                                               ハと 画の縦覧の場所および期間が、少なくとも縦覧開始一週間前に地方の慣習に従って公告されるものとする。この一週間の. 建設管理計画化の策定についての決定︵二条一項︶にょって始まり、計画案が作られた︵三三条︶後、二条六項による縦. して、以下のように連邦建設法によって定められていた。すなわち、建設管理計画の策定手続は、ゲマインデ議会による.                                           パよ  建設管理計画の策定手続は、建設管理計画の策定への共働の機会をなんぴとにも与えるために、計画を縦覧する手続と. 3. 異議および提案がゲマインデによって受け入れられ、計画が変更、補充および廃止される場合、二二条の意味における重. 一152一. 説. 論.

(11) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←1.              でマ. 要でない計画変更および補充を別にして、ゲマインデは計画案をもう一度縦覧し、認可を受けなければならない︵二条七. 項﹀。なお、建設管理計画の策定、変更、補充または廃止を求める請求権が存在しない、という明文規定︵二条九項︶に. より、建設管理計画の縦覧の枠内における提案および異議の考慮を求める請求権は存在しない。最後に、土地利用計画の.                                            ハヱ. 0︶. 場合には認可が告示され︵六条六項︶、建設細目計画の場合には、基礎資料を添付して認可された計画が告示されなけれ ばならない︵一二条︶。これによって、建設細目計画は法的拘束力を有する︵同条﹀。. oρの①9  <鵬一。切↓−∪毎oパω薗oゲ①目\ωo.  二条六項二段の一週間の期間の解釈については、縦覧開始二週間前という見解︵○<O凶oげ一8Nヒ誹舛ω●=﹂8ρ∪<切口80. ωb&︶も主張されたが、本文の解釈に統一された。<αq一口欝ωω魯a象R募侮国きω病帥馨窪ω魯ヨ隻N>β容①鐸琶αQ聾8舅 <oH一茜ΦびΦω。匡高二SO●一S一儀①ωωO国b<ω口零一φお県  国<ΦH妻ρd誹≧■刈。9一〇βb<ゆ一レ雪8ω勧①ρ.  一三条の意味における重要でない計画変更および補充とは、﹁計画化の本質︵O旨巳昌αQΦ︶にかかわらず、かつ当該土地およ. び隣接地の利用にとってたんにささいな意味しかない﹂︵一三条一項︶建設細目計画の変更および補充である。. ︵6︶.  ωΦげ器鼠昌国巴言R巨儀国ヨωけ○①ω賃Φ帥畠①Hbβ巳2げ臼話①ωΦ冒閑o旨目撃3る。︾β︷r一〇①9留>昌ヲ9. 初めてなされることができる。. 規定していない。しかし、連邦建設法二条六項に定められた縦覧手続の意味からすると、条例制定は、この縦覧手続の実施後、. 。斜。連邦建設法は、規範定立手続のどの段階で、ゲマインデが建設細目計画を条例として定めるかにつき、明確に <ω=8ρφo.  08おω。窪。却9Φ肉Φ。募℃お魯巨oqα①ωミ茸e−評住●<O国琶α畠Φの<○国ω匿①昌≦茸融9①お讐目国の訂彰αQω三魯3&b睾宰.  国o目毘OΦ一N①きωき覧き自αqω80鐸”N卜鼠一・﹄Φ蕊勧α景田㎝。. 543. ︵7︶. 一153一. 21 パハパ ))).

(12) 建設管理計画の策定手続の検討. 決定を確保することであった。.             パ ソ. 続導入の理由は、申し立てられた異議の徹底的で偏見のない討議を可能にすること、および事物に即しかつ均衡のとれた. インデ首長は計画を正式に確定して、なんぴともの閲覧のために、それを告示しなければならない︵八条︶。この縦覧手. 解決に至らないかぎり、クライス参事会が決定しなければならない。そして異議について最終的に決定されたとき、ゲマ. しなければならない︵七条︶。申し立てらた異議については、ゲマインデ首長と異議申立者との交渉︵<Rご&一琶αQ︶で. ︵国ぢ毒&巨αQ︶を少なくとも四週間の除権期間中にゲマインデ首長に提出することができることを示して、計画を縦覧.  この縦覧手続きは、つぎのように定められていた。ゲマインデ首長が、なんぴともの閲覧のために、計画に対する異議. 私人の利益の調整にかかわる手法が縦覧手続きである。. 家機関である警察行政官庁の利益との調整、関係官公署の利益および私人の利益が考慮されなければならない。このうち、. 元的に調整しなければならない。その場合、建設線確定権限を有する地方公共団体の利益と建築利用規制権限を有する国. 独に規制し、二次元的に行政庁と国民との関係を規制するのではなく、個々の建築の利益を相互にかつ公衆の利益と三次. 建築線の確定に代わって、都市計画手法の一つである建設線計画を導入した。計画化は、もはや個々の建築それ自体を単. 業革命に伴う新しい社会問題の発生に対処するため、従来の建築警察上の一般条項にもとづく個々の場合ごとの道路線・. 例は、一八七五年七月二日のプロイセン建設線法である。この法律は、一八五〇年代から七〇年に急速な展開を遂げた産.                          パと.  前述の、私人を計画化手続に組み入れる縦覧手続は、個々の建築︵ぎ象≦身巴訂暮8︶に対する建築警察的監督から、                                          ハき あらかじめ配慮する包括的な計画化への建築規制手法の発展に伴って導入されたものである。この縦覧手続の最初の立法. 4.  これに対し、前節でその概要を検討した連邦建設法の計画策定手続は、つぎの三点において、プロイセン建設線法のそ. 一154一. 説 論.

(13) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←う. れと異なっている。.  第一に、プロイセン建設線法では、計画案に対する住民の異議の申し立てしか規定されていないが、連邦建設法は、異. 議だけでなく提案の提出も定めている。このように、計画案に対する消極的批判、すなわち反対としての異議だけでなく、.                           パゑ. 積極的批判としての提案をも住民に認めている点において、連邦建設法は、プロイセン建設線法より、住民の都市計画に. 対する関心をより高く評価し、都市建設計画策定における積極的役割を住民に期待しているように思われる。.  第二に、連邦建設法は、縦覧期間中の異議および提案の提出、ならびに異議および提案についてのゲマインデの検討結. 果のそれらの提出者への通知を規定するだけで、プロイセン建設線法のように、ゲマインデ首長と異議申立者との交渉と. いう手続規定を置いていない。また連邦建設法は前節で述べたように、異議および提案の検討結果のみを提出者に通知す.             パき. るだけで、当該検討の結果に至った理由の通知を規定していない。したがって、連邦建設法は、計画案に対する異議およ. び提案についてのゲマインデの検討過程から提出者を締め出し、ゲマインデの独断的な判断にのみその検討を委ね、提出. 者がゲマインデの判断の適切さを検討する素材をも提出者から奪っており、ゲマインデの判断の公正さが保障されていな. い。この点で、連邦建設法は、プロイセン建設線法より、計画案に対する住民の異議および提案の取り扱いにおいて、住. 民の利益保護およびゲマインデの判断の公正さの保障に欠けるところがある、といえよう。これは、連邦建設法が、縦覧. 手続に組み入れられた私人に、ゲマインデが計画を策定するときに衡量しなければならない私人の利益についての情報提 供の役割しか、与えていないからであろう。.  第三に、連邦建設法は、プロイセン建設線法には規定されていなかった計画案への説明書または基礎資料の添付を規定. している。これは、都市計画行政領域における情報公開と参加という観点からみて、注目すべき両者の相違点である。な. ぜなら、説明書または基礎資料の添付は、住民が計画案を正確に理解しゲマインデに考慮させうる説得力ある異議および. 提案をするために必要不可欠だからである。そこで、この問題につき、以下詳しく検討することにする。. 一155一.

(14)  連邦建設法は、プロイセン建設線法より、住民の計画策定過程への関与を、より実効的なものにしたといえようが、そ. の規定内容は、つぎのように非常に不十分なものであった。たとえば、説明書については、﹁土地利用計画には説明書が. 添付されなければならない。﹂︵五条七項︶と規定されるにすぎず、説明書の内容は、なんら連邦建設法によっては定めら. れていない。なお、一般的には、説明書の内容として、つぎのものが求められていた。すなわち、ゲマインデのこれまで. の開発のメルクマール、開発の現状、ゲマインデの予定された開発、計画案の構想についてのゲマインデの考え、計画化                        パゑ の実施のための基本的措置および一般的な注意である。.  他方、基礎資料の内容については、﹁とくに﹂という文言によって、その内容の一部が法律上定められている。すなわち、. 計画された都市建設上の措置によってゲマインデに見込まれる概算費用が、記述されなければならない。そのほかに、建. 設細目計画がその基礎となるものとする土地規制上の措置およびその他の措置が、明示されるものとする︵九条六項︶、. と規定されているだけである。したがって、基礎資料に記載されなければならない内容について、連邦建設法自体は十分. な規定を置いていなかったのである。なお、実務上は、その他に、計画化の必要性および範囲、たとえば交通用地および                         こ 個々の記載の範囲も、基礎資料の中で説明されていた。.  法定記載事項のうち、まず、経費概算事項は、監督庁に、その認可権限の枠内で、ゲマインデが経費を負担できるか否. かの検討の機会を与えるとしても、主要には、財政上の効果および措置の実施の時間的順序についてのゲマインデの適時                                   のこ の考えを保障する、というゲマインデの自己コントロールに資するものである。したがって、経費概算項目は、住民の計                                       ハざ 画策定過程への関与の前提としての情報公開、という観点から法定されたものではない。つぎに、建設細目計画がその基. 礎を形づくる土地規制上の措置およびその他の措置に関する事項は、経費概算項目の場合とは異なり、住民の計画策定過. 程への関与にとって不可欠の情報である。しかしこれも、一般公衆のたんに一部にしかすぎない関係土地所有者に資する. だけで、基礎資料は、建設細目計画に予定される侵害が、なぜそのように計画され、それとは違うように計画されなかっ. 一156一. 説 論.

(15) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←う.                        すマ たのかについて、関係人に説明するのには役立たない、と評価されている。また、基礎資料は、関係人にとって理解でき                                             パヱ ない建設細目計画の図面にょる説明を、代わって文字でわかりやすく表現することも目的としていない、といわれている。. この二条六項によって義務づけられる建設管理計画の草案への説明書または基礎資料の添付をめぐる法的問題を、以下検. 討することにする。なお、この法的問題は、九条六項および一二条によって規律される建設細目計画への基礎資料の添付 の問題と密接に関係するので、この問題にも視野を広げて検討することにする。.  基礎資料がない場合、建設細目計画は無効であり、建設細目計画の発布にもとづく執行措置が基礎資料に掲載されてい                               パゑ ない場合、この執行措置は実施されてはいけない、という一部の見解を別にして、支配的見解は、つぎのように、計画基. 礎資料に若干の意義を見い出すが、基礎資料が有効な建設細目計画の法的性質の一部をなさないことから、基礎資料の完                            ゑレ 全な畷疵も、計画の法的効果をなんら侵害しない、と解釈した。                パと  すなわち、連邦通常裁判所の判決に代表される支配的見解は、基礎資料が、︿1︶条例としての計画における拘束的確. 定の内容およびその縦覧についての住民の十分な理解にとって有益であり、︵2︶計画認可庁による計画の適切な評価に                                             パど 役立ち、および︵3︶考量されなかった計画化による財政負担からゲマインデを守るのに適している、とその実際上の有. 用性をなるほど評価している。しかし、基礎資料の法的性質につき、支配的見解はつぎのように解釈した。基礎資料は、. 九条一項から五項までにおいて規律されている建設細目計画の内容を構成するものではない。すなわち、基礎資料は建設. 細目計画の一部ではない。建設細目計画は、それ自体のみで認可されることができ、条例として決定され、一二条によっ   パど. て法的拘束力を有する。したがって建設細目計画の効力は、他の法規範と同様、計画に基礎資料が添付されることに依存. しない、と。つぎに、基礎資料の添付が、建設細目計画の効力発生要件とされなかったことの論理的帰結として、つぎの           パ ゑ. 結論が導かれる。建設細目計画がその基礎となる土地規制上の措置が、九条六項に違反して、基礎資料の中で説明されて. いない場合にも、その措置は実施されることができる。またこのことから、ゲマインデは、基礎資料の中で予定されてい. 一157一.

(16) る措置の実施を義務づけられていないので、ゲマインデがその後、基礎資料の中で説明されていない土地規制上の措置を. 実施することもできる、と。                               ハゑ  ところが、その後、連邦行政裁判所は、一九七一年五月七日の判決において、建設細目計画の効力が、計画に基礎資料. が添付されていることに依存しない、とする前述の連邦通常裁判所の判決と意見を異にする見解を示した。すなわち、﹁連. 邦建設法九条六項によって規定された建設細目計画の基礎資料は、いずれにせよ、計画によって行われる規律の中心的要                                                ハセ 点について、理由づけとなる指摘を与えなければならない。その毅疵は、原則的に計画の無効をもたらす。﹂と裁判所は. 以下の理由から判示した。まず、基礎資料が建設細目計画の内容の一部でなくても、そのことによって、つぎのことは変. わらない。連邦建設法九条六項一段が、拘束的手続規定として定められており、その違反が、それ自体正しい確定から独. 立して、法効果をもたらすことができること、および計画が法規範になることによって、基礎資料から一定程度離れるこ. と。したがって、建設細目計画への基礎資料の添付を定める拘束的手続規定に対する違反それ自体で、計画は無効になる。. つぎに、連邦建設法九条六項に規定された基礎資料原則︵切£昌&毒αQωαqΦび9︶の目的を、住民への情報提供よりもむしろ、. 効果的な裁判所による計画のコントロールを可能にすることの中に、裁判所は見い出し、つぎのように述べる。ゲマイン. デが、建設細目計画の発布に際し、裁判所によって広い計画裁量を認められていること、および適法かどうか疑わしい計. 画に適法性の外観を与えうる計画上の裁量衡量を繰り返すことが、むずかしくないことからすると、九条六項の基礎資料. 原則が遵守されないときには、裁判所による計画コントロールは実現されえない。それ故、九条六項違反が法効果になん                    パゼ らの影響も与えない、との解釈は許されない。.  この連邦行政裁判所の判決によって、裁判所による計画裁量のコントロールにかかわってではあるが、ゲマインデの計                                               ハど 画裁量統制の手段として、基礎資料の意義が高く評価されたことは、注目されなければならないであろう。しかし、連邦. 行政裁判所が、基礎資料原則の目的の検討に際し、住民への情報提供と裁判所による計画コントロールを可能にすること. 一158一. 説. 論.

(17) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←). の両者のどちらを選ぶか二者択一し、後者を目的としたことに現れているように、この連邦行政裁判所の判決には、計画. 策定過程への住民参加という観点からみると、つぎのような大きな問題があるといえよう。すなわち、判決は、基礎資料.                                                   パゼ. 強制に対する違反が、例外的に、建設細目計画の効力になんらの影響も及ぽさないことを認めているのである。この例外. にあたる場合とは、連邦行政裁判所が判示した事案がそうであったように、建設細目計画を決定した議会の議事録が、計. 画に対する裁判所によるコントロールにおいて、計画策定の理由について完全な明確性を裁判所に与える場合である。                パぎ.  計画裁量に対する裁判所によるコントロールの場合には、連邦行政裁判所が判示するように、議会の議事録が基礎資料   ハ . に代わることができるかもしれない。しかし、計画案の縦覧手続の場合には、基礎資料が添付されないことは大きな問題. となる。なぜなら、計画案の縦覧において、基礎資料が添付されていないならば、住民による計画裁量のコントロールは、. ほとんど不可能であろうからである。計画化を決意するに至った担当者の動機を知る者のみが、計画案に対する説得力あ. る代替案を提出することができることからすると、建設細目計画の策定過程への住民の参加にとって、計画化担当者の動. 機を知ることは重要なことである。基礎資料が計画案に添付されていない場合、計画案それ自体からは、住民は計画化の. 結論のみを知ることができるだけで、ゲマインデの計画化の動機を知ることはできない。住民がゲマインデの計画化の動. 機を知ることができるのは、基礎資料の閲覧が可能な場合のみである。なぜなら、一条三項から五項までの規定内容を考. 慮すると、基礎資料から計画化に関する本質的な動機がわかるからである。この計画案の縦覧手続における基礎資料の特.                                    . 別な意味を、連邦行政裁判所は理解していないのである。連邦建設法二条六項一段による説明書または基礎資料を伴なっ. た建設管理計画の草案の縦覧は、計画によって直接的に関係づけられる者に計画内容を知らせることだけでなく、それを. 越えて、公衆を計画化に関与させること、および異議・提案を提出すべきか否かの判断をなんぴとにも可能にすることに. 資するために行なわれる。二条六項も、九条六項と同様、拘束的手続規定として定められているのであるから、九条六項.           ハ . による基礎資料原則に対する違反が、計画の無効をもたらすように、二条六項による基礎資料の添付が、計画の有効性の. 一159一.

(18)                     ハぞ 前提条件と理解されなければならないであろう。しかし、そうであるにもかかわらず、前述のような判決を連邦行政裁判. 所ですら行なったのは、基礎資料が、住民の計画策定過程への参加権の保障としてではなく、計画決定権者たるゲマイン. デにとっての情報源としての住民の意見に役立つものとして、たんに評価されたからであろう。. プロイセン建設線法については、拙稿﹁ドイッ連邦共和国における計画法理論研究序説﹂︵名古屋大学﹁法政論集﹂八一号︶.  国げ①島帥鼠ω魯且黛︾恥β帥目b置且鼠αq撃号ψω一翫8訂自Φ。算ωレO認︸ω●誤宍. ご二頁以下参照。  ω畠巳q?>O旨帥目衝鉾○φ脇。. 21. 18 17 16 15 14 13 12 11. ω畠邑響霧臼欝戸騨勲○あ緬。 。、.  <αQ一●閑o揖鋒OΦ一N臼b霧器話ωき覧山建謁q。3畠江り①野㈲苫。.  ︾卜ρの■竃甲<αQ一。マ出ぼ一旨閃β目ΦP︾昌臼目山H昌巴酔α曾ωΦげ帥匿謁ω覧ぎo︶切HOω︵這①㎝︾ωhooP.  国。国霊唇昌匹ぎαQ①房欝Fω目侮窃げ窪αQΦ器貫且一国o旨ヨ①旨葺ω。︾広ゆ‘一8ρω・島。. ψo. oP.  ︾φρω6窪では、住民にとっての基礎資料の意義については、なんら述べられていない。<αq一ω畠巨象諺O目目昌︶勲鋭ρ.  ゆO戸d拝くbドNいO①oo︸ゆO国N藤Pωω爵.  ω畠艮像学︾O目帥目︾鉾○φo。ρ. 冒αq①霧鼠F恥●勲ρψHOoo●. 〇●土地区画整理については、函髭巷仁巳  国き。。ωoぼ&聾b琶傷①ω訂轟①器貫這9あO勾段5認馴串昏器P鉾卑○・¢一〇〇球■民一〇〇〇. )  ). ).  連邦通常裁判所も、一九七六年一一月一一日の判決︵切O国N零b8︶において、一九七一年五月七日の連邦行政裁判所の判.  >φb。ω嶺ON’.  U<切一﹂Q刈一︶ψ胡9.  ㌧r勲O.ω●ωω轟一.  ︾函b.ω・ω卜⊃Go・.  ︾・勲○●ψωNωh.  ωO炉僧鉾○ゆO国N繕Pωミ。. )   )   )   )   )    )   )   . 一160一. ((. 876543 109 パ        ハ   パ   パ   パ   パ   パ. 説 論.

(19) 行政計画に対する民主的統制としての住民参加←1. ︵19︶. 決に従い、一九六八年二月二二日の自己の判決を放棄している。. 議会の議事録の閲覧が認められない場合には、計画裁量に対する裁判所によるコントロールのときにも、議会の議事録が基礎.  ゲマインデ議会の議事録の閲覧をいかなる住民にも認めるかどうかは、ラント立法者の裁量に委ねられているので、住民に. ω爵象<O餌2。§魯ぎ葺。=−ω§匡高蕊φ這謡矯評箋卑一鷺一φ器ρ. 資料に代わるとはいえないであろう。<αq一ρゆ<。寒ρωΦ8霞ヤ蕊﹄O﹄零ρ∪<匹.お目φ盟鎗.  国璋ωω9aα聾賃民国貰ω自角邑Φ切ω9目聾N”︾昌田Φ蒔§晦弩留旨<o岳αq⑦げ89ごηダ一S巳S一8ωω○国b<匹﹂S一ψま伊. )  ). められているにもかかわらず、支配的見解によれば、基礎資料の完全な暇疵も計画の法的効果をなんら侵害しない、と解. いての情報提供の役割しか、与えられていなかった。したがって、縦覧中の計画案への説明書または基礎資料の添付が定. 案の縦覧手続きに組み入れられた私人には、ゲマインデが計画を策定するときに衡量しなければならない私人の利益につ. も、以下のような状況であった。第︸に、連邦建設法の解釈論の次元においては、つぎの問題点が明らかになった。計画.  つぎに、計画裁量に対する規制原理にかかる法状況が前述のようであったことから、建設管理計画の策定手続の場合に. 期まで待たなければならない。. それゆえ、計画裁量に対する規制原理およびそれにもとづく裁判所によるコントロールの程度をめぐる論争は、つぎの時. 原則、計画策定上の指針および衡量原則が、連邦行政裁判所の判決によって初めて提起された時期にしかすぎなかった。.  まず、建設管理計画の策定におけるゲマインデの計画裁量、およびそれに対する連邦建設法上の規制原理である正当化. 的統制としての住民参加が問題になる以前の時期であった。.  一九七一年の都市建設促進法制定前における本期は、これまでの検討から明らかなように、建設管理計画に対する民主. 5 まとめ. 2120. された。. 一161一. パ  パ.

(20)  第二に、連邦建設法の立法論の次元においては、つぎの問題点が指摘されよう。連邦建設法の定める建設管理計画の策. 定への住民の関与手続は、前述のようにきわめて不備なものであった。連邦建設法は、ゲマインデがすでに自己の計画案. を仕上げるという計画策定手続の遅い段階でしか、住民関与を導入していない。しかもその関与形式は、計画案の内容や. その策定理由を住民が十分に理解できるものではなかった。なお、計画案を最初の段階から公開すると、投機によって地   ハこ. 価が上がることから、土地投機を防止する意図の下に、ゲマインデは一般的に計画意図を住民に教示することに消極的で. あった。このような遅い段階における住民の関与では、未組織のかつこれまで計画化意図につきほとんど知らされていな. い住民が、行政のまったく情報優位によって準備された計画案に対し、有効な選択肢を提起し、説得力ある異議および提                         ハと 案を主張しうるということは、空論でしかないであろう。この問題は、再開発と新開発という都市建設領域の一部におい. 国げΦ島舘傷ω。ぎ弾−霧暴目”9巨傷富αq魯傷①ωω甕喜窪HΦ&巴Sρω●醤. くひQ一出o範のφ巳一2ω鼠象Φ訂負Φ。げ二B⇔げΦ茜きαQb田Nご認ψ曽9.  日本建築センター・編集委員会編﹃西ドイツの都市計画制度と運用﹄︹日本建築センター、. 一九七七年︺四三頁参照。. てではあるが、連邦建設法の特別法たる都市建設促進法の制定によって克服されることになる。. ︵1︶. ︵2︶. 一162一. 説 論.

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