14.麻痺性イレウスにより発症し,成人型 Hirschsprung 病様の所見を呈した直腸サルコイドーシスの1例 内山 由理,下山 康之,田中 良樹 新井 和子,工藤 智洋,土田 浩之 石原 眞悟,佐藤 賢,柿崎 暁 保坂 浩子,河村 修,森 昌朋 (群馬大医・附属病院・消化器内科/ 肝臓・代謝内科) 草野 元康 (同 光学医療診療部) 矢内有紀,佐川 俊彦 (前橋赤十字病院 消化器科) 平戸 純子(群馬大医・附属病院・病理部) 高橋 篤 (同 小児外科) 症例は 37歳, 女性. 発熱などの感冒様症状と同時に 秘・腹痛出現し,麻痺性イレウスの診断にて近医で 3ヵ月 間入院加療されたが症状改善せず当科転院となった. 各 種消化管運動改善剤にて治療したが効果はなかった. 小 腸造影では明らかな異常所見を認めず, 慢性偽性腸閉塞 症を疑い胃・十二指腸内圧を行ったが, 十二指腸下行脚 から水平脚に不 一な空腹期強収縮を認め, 筋原性変化 と え神経原性変化の偽性腸閉塞症は否定的と えた. 下部消化管内視鏡検査では回盲部まで可視内に明らかな 粘膜病変を認めなかった. しかし, 蠕動運動の消失, およ び直腸の拡張障害を認め, 成人型 Hiruschsprung 病が疑 われた. 注腸造影を行ったところ 下 部 直 腸 に caliber changeを伴う narrow segmentを認め, 直腸内圧検査に て直腸肛門反射の消失があり, 成人型 Hirschsprung 病に 合致する所見であった. しかし, 確定診断目的に直腸全 層生検を施行したところ, 粘膜下層から筋層にかけて末 梢神経や筋層間・粘膜下層の神経叢に多数の非乾酪性類 上皮細胞肉芽腫を認め, 粘膜固有層に Hirschsprung 病に 特徴的な AchE 陽性線維の過形成は認められず直腸サル コイドーシスと診断された. なお, 胸部 X 線や CT 上両 側肺門のリンパ節腫大や肺野に異常陰影は認めず, サル コイドーシスのマーカーの血清中の ACE は 10.5 (8.3-21.4) (IU/L) と正常であったが, ツベルクリン反応は陰 性であり, 気管支肺胞洗浄液ではリンパ球および CD4/8 比が 4.76と高値を示し, また経気管支肺生検にて肉芽腫 を認めなかったが気管支鏡にて net work formationを認 め, サルコイドーシスの肺病変も示唆された. 治療はプ レドニゾロン 60mg/日の点滴静注にて開始し, イレウス 症状の軽快とともに漸減し, 経口 30mg にて退院となっ た. なお, 気管支鏡にて net work formationも消失した. 症候性の消化管サルコイドーシスは 0.6%と報告されて いるが, これまでの報告例は全てサルコイド肉芽の閉塞 によるものである. Pub-medにて 1949 年から 2009 年で 「sarcoidosis」「paralytic ileus」にて検索したところ麻痺 性イレウスによる消化管サルコイドーシスは本例が最初 の報告であり, 大変貴重な症例と え報告する. 15.若年者の下部進行直腸癌に対して術前化学放射線療 法後に腹腔鏡補助下 ISR を施工した一例 浜野 郁美,富澤 直樹,小川 哲 安東 立正,田中 俊行,荒川 和久 清水 尚,榎田 泰明,五十嵐孝通 池谷 敏郎(前橋赤十字病院 消化器病センター 外科) 伊藤 秀明 (同 病理部) 【はじめに】 近年, 下部直腸癌に対して, 腹腔鏡補助下 内肛門括約筋切除術 (ISR) の報告がなされている. 今回 我々は, 肛門温存が困難と思われた下部進行直腸癌に対 して化学放射線療法を併用し腫瘍の縮小を認めたため, 腹腔鏡補助下 ISR を施工した一例を経験したので報告 する. 【症 例】 22歳男性, 学生. 下血を主訴に近医受 診し, 直腸腫瘍を認め検査目的で紹介となった. Rbに環 周率 2/3の直腸癌をみとめ, 一部歯状線にかかり筋層浸 潤が疑われた.根治性を優先し直腸切断術 (APR)を勧め たが, 本人が肛門温存を強く希望したため, 化学療法 (FOLFOX6) 2クール と 局 所 に 対 し て 40Gyの 照 射 を 行った. 腫瘍の縮小 (PR) を認めたが, CR に至らず再度 APR を提示したが拒否.深部病変の腫瘍残存の有無は不 明だが内視鏡的には腫瘍の縮小により肛門温存術式が可 能と判断された. また, Imformed consentにより側方リ ンパ節郭清は希望されず,腹腔鏡補助下 ISR を施工した. 病理学的には深達度 smで断端陰性, リンパ節転移は認 められなかった. 組織学的に化学放射線療法前は mp以 深に腫瘍が達していたと思われる所見があったため, 現 在述語補助化学療法施工中である. 【 察】 APR の 適応と思われる下部進行直腸癌に対し, FOLFOX によ る術前科学放射線療法を行い, 肛門温存術式を行った. 治療の一つのオプションとして進行下部直腸癌に適応可 能と思われた. 281
14.麻痺性イレウスにより発症し,成人型Hirschsprung病様の所見を呈した直腸サルコイドーシスの1例(第28回群馬消化器病研究会<D>)
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